JP2006061354A - 酸素供給機 - Google Patents

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徹 廣瀬
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Abstract

【課題】気体分離膜への空気供給用の送風機器を小型化可能とすることにより、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機を提供することを目的とする。
【解決手段】高酸素濃度の空気を発生させる気体分離膜10と、この気体分離膜を通過する気流を流す送風機器28と、発生した高酸素濃度の空気を使用者に供給する吐出ノズル34と、使用者の呼吸の吸気時に吐出ノズル34から高酸素濃度の空気の供給を行い、呼気時に吐出ノズル34からの高酸素濃度の空気の供給を停止させるよう制御する制御部31とを備えたものである。これにより、空気供給用の送風機器28の負荷を低減したことで小型化が可能となり、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、健康維持、疲労回復などを使用目的とした酸素供給機に関するものである。
従来、健康維持、疲労回復を目的とした酸素供給機に気体分離膜を使用した例がいくつか提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−114032号公報
しかしながら、前記従来の構成では、常に高酸素濃度の空気を供給するようにしているため、気体分離膜への空気供給用として比較的高圧大流量の送風機器が必要となり、機器の小型軽量化あるいは消費電力低減の妨げになっている。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、気体分離膜への空気供給用の送風機器を小型化可能とすることにより、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素供給機は、使用者の呼吸に合わせ高酸素濃度の空気供給を制御するようにしたものである。すなわち、使用者の呼吸の吸気時に高酸素濃度の空気を供給し、呼気時には高酸素濃度の空気供給を停止させるよう制御するものである。
これにより、空気供給用の送風機器の負荷を低減したことで小型化可能となり、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
本発明の酸素供給機は、小型軽量で消費電力の小さいものとすることができる。
第1の発明は、高酸素濃度の空気を発生させる酸素富化手段と、この酸素富化手段の空気を吐出ノズルに供給する送風機器と、使用者の呼吸の吸気時に吐出ノズルから高酸素濃度の空気の供給を行い、呼気時に吐出ノズルからの高酸素濃度の空気の供給を停止させるよう制御する制御部とを備えた酸素供給機とすることにより、空気供給用の送風機器の負荷を低減したことで小型化可能となり、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、制御部は、使用者の呼吸に合わせて制御し、吸気時に送風機器を動作させ、呼気時には送風機器を停止させるようにしたことにより、簡単な構成で、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
第3の発明は、第1の発明において、高酸素濃度の空気を使用者に供給する経路の一部に空気溜容積部を設置し、制御部は使用者の吸気時に空気溜容積部を開成し、呼気時には空気溜容積部を閉成するように制御することにより、送風機器の低出力化、小型化が可能になり、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。また、高圧空気を瞬時に排出することにより、高酸素濃度の空気塊を拡散させることなく、遠くに運ぶことも可能になる。
第4の発明は、第1の発明において、送風機器と接続して切替え弁を設け、この切替え弁の切替えにより、送風機器を気体分離膜側と外気側とに切り換え可能とし、制御部は使用者の吸気時に切替え弁を気体分離膜側に、呼気時には外気側にそれぞれ切替えるように制御することにより、切替え弁の付加によって送風機器の低出力化、小型化が可能になり、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、使用者の呼吸の間隔を検知する呼吸センサを備え、この呼吸センサに基づく制御部の制御により、使用者の呼吸タイミングに合わせて自動的に吐出ノズルからの高酸素濃度の空気の供給と停止を行うようにしたことにより、より使い易さが向上し、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの発明において、電源としてバッテリーを内蔵したことにより、コードレスで、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1、図2は本発明の実施の形態1における酸素供給機を示すものである。
図1に示すように、気体分離膜10は空気中の窒素よりは酸素をよく透過する性質を有しており、高酸素濃度の空気を発生させるものである。この気体分離膜10を複数個、仕切り板16と交互に並べて気体分離膜の集合体11を構成している。気体分離膜の集合体11は、上流側12と下流側13を分離し、気体分離膜10の上流側12と仕切り板16に挟まれた上流気流路14を大気に開口し、下流側13と仕切り板16に挟まれた下流気流路17は下流側ダクト18に連通させ下流出口、すなわち、排気口19から真空ポンプなどの送風機器で吸引し気体分離膜10を通過する気流15を流す構成としている。通常、上流気流路14には矢印Aで示すように気流を流し、上流側12面の空気を常に新鮮な状態に保ち、下流側13からは矢印Bで示すように高酸素濃度の空気が流れる。
以上のように、気体分離膜10の集合体11においては、排気口19から大気空間に比べ高酸素濃度の空気が得られるものである。
図2は、図1に示した気体分離膜の集合体11を使用した酸素供給機20を示す。
酸素供給機本体21の中には、気体分離膜の集合体11が内蔵され、気体分離膜10の上流側12の入口12aは、酸素供給機本体21の空気取入れ口23に開口し、出口24は、連通口25を介し酸素供給機本体21の排気口26に連通し、電動ファン27の駆動により矢印Aで示す気流が発生する。また、気体分離膜の集合体11の排気口19は、電動機28cと圧縮機28dから構成されている送風機器28の吸気側28aに接続され、送風機器28の排気側28bは、空気溜容積部30に接続されている。空気溜容積部30の出口30aは、制御部31により制御される開閉弁32に接続され、ゴムチューブ33を介して吐出ノズル34に接続される。これにより、矢印Bで示す気流、すなわち、高酸素濃度の空気が発生し吐出ノズル34から使用者に供給される。すなわち、前記制御部31は、開閉弁32を介して、使用者の呼吸の吸気時に吐出ノズル34から高酸素濃度の空気の供給を行い、呼気時に吐出ノズル34からの高酸素濃度の空気の供給を停止させるよう制御するものである。なお、吐出ノズル34とゴムチューブ33は可撓性金属管35で接続され、この可撓性金属管35には使用者の頭部に固定するための固定部36が取付けられている。
吐出ノズル34には呼吸センサ40が設置され、呼気、吸気のタイミングを検知している。酸素供給機本体21にはバッテリー41が搭載されコードレスでも使用できる構成を有している。
次に、上記した酸素供給機の動作について説明する。
送風機器28および電動ファン27を駆動すると、気体分離膜の集合体11の下流側13から矢印Bで示す高酸素濃度の空気が吸引さる。この空気は、高酸素濃度の空気を使用者に供給する経路の一部に設けられた空気溜容積部30に一定量溜められ、使用者の呼吸が吸気状態の少し前に開閉弁32を開き吐出ノズル34から使用者の顔近くに吐出される。そして、使用者が吸気する時には顔近くの空気の酸素濃度が高くなり多くの酸素を吸気できる。すなわち、呼吸センサ40によって呼気が検知された少し後から吸気が続くと予想される一定時間、開閉弁32が開き高酸素濃度の空気が吐出ノズル34から吐出される。使用者によって呼気の間隔は異なるため、呼気を検知してから開閉弁32が開く時間は呼吸センサ40によって検知される呼気間隔によって自動的に調整され、使用者の呼吸タイミングに合わせて、吸気時に確実に開閉弁32が開く構成を有している。もちろん、使用者の好みによりこの調整は手動でも行える。使用者の吸気がほぼ終了した時に開閉弁32を閉じれば送風機器28から吐出される高酸素濃度の空気は次の呼吸まで再び空気溜容積部30に蓄積される。これらの制御は制御部31によりおこなわれているものである。
したがって、使用者の呼吸にかかわらず、常に高酸素濃度の空気を排気している従来の構成に比べ、使用者の吸引できる酸素の量は変えず、送風機器28を小型化でき、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機とすることができる。
ここで、呼吸センサ40は、サーミスタなどで呼吸の温度差を検知する方法、微小な圧力の変化を検知する方法、二酸化炭素を検知する方法などがある。また、使用者の胸部、腹部の動きを変位センサなどで検知することも可能である。
そして、空気溜容積部30を蛇腹状のように伸縮可能な形状に構成し、通常は縮んだ状態、空気が入ると膨らむ形態にしておけば、空気溜容積部30の空気圧力をそれほど大きくしなくても、排出できる流量を大きくすることができる。また、排気する速度も比較的緩やかにすることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における酸素供給機を示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、酸素供給機本体51に内蔵された制御部53は、呼吸センサ40で呼気を検知し、使用者の呼吸に合わせて吸気時に送風機器52の電動機52cを動作させ、呼気時には送風機器52の電動機52cを停止させるように制御するものである。他の構成は実施の形態1と同じである。
このように、制御部53により直接的に送風機器52の電動機52cを駆動または停止するようにすれば、使用者の呼吸の吸気時に高酸素濃度の空気を供給し、呼気時には高酸素濃度の空気供給を停止させることが簡単な構成で可能となり、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られるものである。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における酸素供給機を示すものである。実施の形態1、2と同一要素については同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、酸素供給機本体61に内蔵された送風機器62の吸気側62aに切替え弁64を接続し、この切替え弁64の切替えにより、送風機器62と気体分離膜の集合体11側の酸素側66とを連絡するか、送風機器62と外気側65とを連絡するかの切り換えが可能な構成としている。制御部63が切替え弁64を切り換え制御するものである。
このように、呼吸センサ40を利用して吸気のタイミングを知り、呼吸の吸気時に送風機器62を酸素側66に、呼気時に外気側65にそれぞれ切り換える。送風機器62は酸素側66から吸気する場合に比べ外気側65からの吸気は圧損が非常に小さく、外気側65から吸気する場合は酸素側66から吸気する場合に比べ負荷は小さい。すなわち、酸素側66と外気側65にそれぞれ切り換える場合は、連続して酸素側66から吸気する構成に対し送風機器62の入力、出力を小さくすることができ、小型軽量で消費電力の小さい酸素供給機が得られるものである。
そして、本実施の形態においては、呼気時の高酸素濃度の空気停止時には、外気側65を通して通常の酸素濃度の空気が供給されることとなるものである。
なお、上記の各実施の形態1〜3は、いずれも送風機器により高酸素濃度の空気を吸引して吐出ノズル34に供給しているが、気体分離膜10に空気を圧送することにより高酸素濃度の空気を得るようにしてもかまわない。
また、上記の各実施の形態1〜3は、酸素富化手段として、高分子の平膜(気体分離膜)に分子が通過する速度の差を利用して高濃度の酸素富化空気を利用した方式(平膜方式)を用いたが、これに限定されるものではなく、その他の酸素富化手段として、中空糸膜を利用した方式(中空糸膜方式)、あるいは、ゼオライト等の固体表面における気体の吸脱着を利用した方式(PSA方式)、あるいは、酸素発生剤を水に反応させる等の化学物質の化学反応を利用する方式(化学方式)等でも同様の効果を奏するものである。
以上のように、本発明にかかる酸素供給機は、小型軽量で消費電力の小さいものとすることができるので、家庭用はもちろんのこと、車載用などの用途にも適用できる。
(a)本発明の実施の形態1における気体分離膜の集合体の平面図(b)同正面図 同気体分離膜の集合体を使用した酸素供給機の正面断面図 本発明の実施の形態2における酸素供給機の正面断面図 本発明の実施の形態3における酸素供給機の正面断面図
符号の説明
10 気体分離膜
20 酸素供給機
28、52、62 送風機器
30 空気溜容積部
31、53、63 制御部
34 吐出ノズル
40 呼吸センサ
41 バッテリー
64 切替え弁

Claims (6)

  1. 高酸素濃度の空気を発生させる酸素富化手段と、この酸素富化手段の空気を吐出ノズルに供給する送風機器と、使用者の呼吸の吸気時に吐出ノズルから高酸素濃度の空気の供給を行い、呼気時に吐出ノズルからの高酸素濃度の空気の供給を停止させるよう制御する制御部とを備えた酸素供給機。
  2. 制御部は、使用者の呼吸に合わせて制御し、吸気時に送風機器を動作させ、呼気時には送風機器を停止させるようにした請求項1に記載の酸素供給機。
  3. 高酸素濃度の空気を使用者に供給する経路の一部に空気溜容積部を設置し、制御部は使用者の吸気時に空気溜容積部を開成し、呼気時には空気溜容積部を閉成するように制御する請求項1に記載の酸素供給機。
  4. 送風機器と接続して切替え弁を設け、この切替え弁の切替えにより、送風機器を気体分離膜側と外気側とに切り換え可能とし、制御部は使用者の吸気時に切替え弁を気体分離膜側に、呼気時には外気側にそれぞれ切替えるように制御する請求項1に記載の酸素供給機。
  5. 使用者の呼吸の間隔を検知する呼吸センサを備え、この呼吸センサに基づく制御部の制御により、使用者の呼吸タイミングに合わせて自動的に吐出ノズルからの高酸素濃度の空気の供給と停止を行うようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素供給機。
  6. 電源としてバッテリーを内蔵した請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素供給機。
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