JP3775138B2 - 高頻度人工呼吸器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工呼吸器に係り、特に、高頻度人工呼吸器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高頻度人工呼吸器200は、図7に示すように、酸素供給源201から三方分岐管202を介して患者X側と排気側とに分岐する流体回路系を流れる高濃度酸素を含んだ吸気(通常の流量10〜30[l/min],最大60[l/min])に対して高頻度(3〜15[Hz]程度)の振動空気圧を振動空気圧付勢手段203によって付勢して患者Xの肺内に酸素供給を行う。このとき、患者Xの肺へかかる平均圧力は、呼気の排出口に設けられた呼気弁204のゴム弁の閉放面積でコントロールし、通常の平均圧力は、5〜15[cmH2O](490〜1470[Pa])を保つように設定する(以下、圧力表示は全て大気圧に加えた値のみを示す)。
【0003】
高頻度人工呼吸器200の酸素供給原理を説明する。まず、患者に供給される吸気に高頻度振動空気圧が付勢されると、当該吸気の圧力振幅により、患者の肺中の二酸化炭素を含んだ吸気(以下、呼気とする)に対して小容量の換気(対流的なガス交換)が起ると共に、吸気の振動による拡散運動の効果で、気管内チューブ207を介して肺内に吸気が侵入すると共に肺内の呼気が肺の外(患者口元)まで導き出される。後続の吸気は、上述の換気を行うと共に肺から導き出された呼気を排気口側に送り出す作用をも有している。これにより、患者の肺内を常に一定の酸素濃度に維持することを可能としている。
【0004】
高頻度人工呼吸器には、実公平2−7569号公報に掲載された従来例のように、振動空気圧付勢手段として機械的なピストン機構や電気的にスピーカの振動を利用するものがある。しかしこれらの手法では、吸気に付勢する振動空気圧の振幅が小さく、成人の肺に対して十分な換気を行うことができないので、新生児を対象にしか高頻度人工呼吸を行うことができなかった。
【0005】
そこで、特許番号2798255〜2798257号に開示されている前図7に示すような高頻度人工呼吸器200では、振動空気圧付勢手段203としてブロワ205とロータリーバルブ206を使用して、高頻度振動の強化を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の高頻度人工呼吸器200の構成では、出力の大きなブロワ205を用いることで振動空気圧の圧力振幅の増加を図り、これにより成人の肺に対して十分な換気を行うことを実現している。図8は、高頻度人工呼吸器200の高頻度人工呼吸時における三方分岐管202付近の内部圧力の変化を示した線図である。
【0007】
しかしながら、上記従来の高頻度人工呼吸器200の振動空気圧付勢手段203にあっては、高頻度人工呼吸時に三方分岐管202付近での内部圧力の圧力振幅(上限圧力と下限圧力の差)が100[cmH2O](9800[Pa])を越えているため、患者に対する圧力の調節は慎重に行う必要があった。
【0008】
というのも、人間の肺に加わる圧力は、高すぎてもまた低すぎても負担がかかることとなる。上記従来例のように、充分な換気を行うために圧力振幅を大きくすることは、その上限圧力又は下限圧力に近づくこととなり、患者の肺に負担をかけずに高頻度人工呼吸を行うためには、その圧力設定を慎重に行う必要が生じるのである。
【0009】
また、負担をかけない範囲であっても、上記高頻度人工呼吸器200では、圧力振幅を大きく設定して高頻度人工呼吸を行うと、患者Xの胸部の振動が激しく、例えば患者Xに対して点滴を行う場合やカテーテル等の他の治療器具を使用する場合に好ましくなく、また何らかの測定を行う際に測定装置に影響を及ぼしかねないという不都合があった。
【0010】
さらに、圧力振幅を大きくすると、高頻度人工呼吸器200は、振動空気圧付勢手段203の騒音が大きく消費電力も大きくなるという不都合があった。
【0011】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、圧力振幅を低減しつつ十分な換気を行い得る高頻度人工呼吸器を提供することを、その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、患者への酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部と、この吸気導入部から吸気を患者へ案内する患者側経路と、この患者側経路を流れる吸気に患者の呼吸周期よりも高い周期の振動空気圧を付勢する振動空気圧付勢部と、患者から出された二酸化炭素を含んだ呼気を大気中に排出する排出経路とを備えている。
【0013】
さらに、上述の患者側経路が、吸気導入部側から排気経路側へと患者側へとに分岐する分岐管と、当該分岐管の患者側の端部に装備された患者の口元から気管内に挿入可能な気管内挿入管とを有している。
【0014】
そして、上記各構成に加えて、患者側経路とは別の経路で患者の肺近くまで吸気を供給する補助吸気供給部を備えると共に、この補助吸気供給部が、吸気の供給源と、患者側経路とは別の経路で供給源から患者の肺内まで吸気を案内する補助吸気供給経路と該補助吸気供給経路内に薬液を供給する薬液供給手段を有する、という構成を採っている。
【0015】
上述の構成では、呼気導入部から吸気が発せられ、当該吸気は患者側経路内を通過して患者まで送られる。さらに、かかる患者側経路を流動する吸気には振動空気圧付勢手段により振動空気圧が付勢される。そして、吸気は分岐管にて患者側と排気経路側との双方に流動する。患者側に流動した吸気は、振動空気圧の陽圧により気管内挿入管を通じて患者の肺内に到達し、肺内に酸素を供給する。また、その一方で肺から生じた二酸化炭素を含んだ呼気は、振動空気圧の陰圧の作用により気管内挿入管を通じて分岐管側に流動し、後続の吸気と共に排気経路に押し流され、大気中に排出される。
【0016】
また、上述の肺内換気が行われる一方で、補助吸気供給部では、補助吸気供給経路を介して吸気の供給源から患者の肺内に吸気が供給される。この補助吸気供給経路は、患者側経路とは別経路であるために振動空気圧の付勢が成されてはおらず、また患者側経路のように排気経路とも接続されていないので、一定の流れで懇々と肺内に吸気を供給する。このため、肺内で生じた呼気は、振動空気圧の陰圧の作用とは別に、強制的に気管内挿入管を介して排気経路に送られる。
また、必要に応じて薬液供給手段から補助吸気供給経路に治療用の薬液が供給される。かかる薬液は、吸気と共に補助吸気供給経路を通じて肺内に送り込まれ、吸気供給と同時に薬液の投与が行われる。
【0017】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の構成に加えて、補助吸気供給部の吸気の供給源を、吸気導入部と兼用し、補助吸気供給経路は、吸気導入部で発せられた吸気を患者側経路とは別の経路で患者の肺内に案内する、という構成を採っている。
【0018】
かかる構成では、補助吸気供給部の吸気の供給源が前述した吸気導入部となっている。従って、吸気導入部から発せられた吸気は、患者側経路と補助吸気供給経路とのそれぞれを通じて患者の肺内に供給される。その他の動作は請求項1記載の発明と同様である。
【0019】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明の構成に加えて、補助吸気供給部が、補助吸気供給経路の患者側の末端部に装備された、患者の気管内に挿入可能な補助供給挿入管を有する、という構成を採っている。かかる構成では、上述と同様の動作に加えて、気管内挿入管と共に補助供給挿入管が患者の気管内に挿入され、かかる状態で前述した各動作が行われる。
【0020】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明と同様の構成に加えて、補助供給挿入管と気管内挿入管とを各々の内部が合流することなく且つ一体的に形成する、という構成を採っている。かかる構成では、補助供給挿入管と気管内挿入管とが一体を成している。即ち、外見上は一本の管状を呈し、その内側は補助供給挿入管として機能する管路と気管内挿入管として機能する管路とを備えている。その他の動作は、請求項3記載の構成と同様に行われる。
【0021】
請求項5記載の発明では、請求項1,2,3又は4記載の構成に加えて、補助吸気供給部は、補助吸気供給経路内の吸気の流動を繰り返される一定の周期で規制する断続吸気供給手段を有する、という構成を採っている。
【0022】
請求項5記載の発明では、上記各請求項記載の発明と同様の動作が行われると共に、補助吸気供給経路を介して患者の肺に導かれる吸気が、当該補助吸気供給経路の末端部から肺内への吐出とその停止とを一定の周期で繰り返す状態で供給される。
【0023】
請求項6記載の発明では、請求項1,2,3又は4記載の構成に加えて、補助吸気供給部は、補助吸気供給経路を流れる吸気に加湿を行う補助経路加湿手段を有する、という構成を採っている。従ってかかる構成では、補助吸気供給経路を介して肺内に導かれる吸気が、補助経路加湿手段によって加湿される。
【0026】
請求項7記載の発明では、請求項1,2,3,4,5又は6記載の発明の構成に加えて、患者側経路を流れる吸気の酸素濃度と流量とを調節する第一の調節手段と、補助吸気供給経路を流れる吸気の酸素濃度と流量とを調節する第二の調節手段とを有する、という構成を採っている。
【0027】
かかる構成では、人工呼吸を行う前に或いは患者の容体に応じて人工呼吸の最中に、各調節手段を介して、吸気の酸素濃度を調節し、またその供給流量を調節する。その他は、上述した各構成と同様の動作が行われる。
【0028】
請求項8記載の発明では、請求項7記載の構成に加えて、患者の肺近傍の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力に基づいて第一の調節手段を介して吸気流量を調節する第一の流量制御部を有する、という構成を採っている。
【0029】
かかる構成では、前述した請求項7記載の構成と同様の動作が行われると共に、第一の流量制御部は、圧力センサの検出圧力が予め定められた上限値を超えそうな場合に第一の調節手段を介して患者側経路を流れる吸気の供給量を低減し、また、圧力センサの検出圧力が予め定められた下限値を超えそうな場合に第一の調節手段を介して患者側経路を流れる吸気の供給量を増加させる。
【0030】
請求項9記載の発明では、前述した請求項7記載の構成に加えて、患者の肺近傍の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力に基づいて第二の調節手段を介して吸気流量を調節する第二の流量制御部を有する、という構成を採っている。
【0031】
かかる構成では、前述した請求項7記載の構成と同様の動作が行われると共に、第二の流量制御部は、圧力センサの検出圧力が予め定められた上限値を超えそうな場合に第二の調節手段を介して補助吸気供給経路を流れる吸気の供給量を低減し、また、圧力センサの検出圧力が予め定められた下限値を超えそうな場合に第二の調節手段を介して補助吸気供給経路を流れる吸気の供給量を増加させる。
【0032】
請求項10記載の発明では、前述した請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の構成に加えて、排気経路に呼気の流量を調節する流量調節バルブを設けると共に、患者の肺近傍の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力に基づいて流量調節バルブのバルブ開度を調節するバルブ制御部を有する、という構成を採っている。
【0033】
かかる構成では、前述した請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の構成と同様の動作が行われると共に、バルブ制御部は、圧力センサの検出圧力が予め定められた上限値を超えそうな場合流量調節バルブの開度を広げ、排気経路の末端からの排気量を増やし、また、圧力センサの検出圧力が予め定められた下限値を超えそうな場合に流量調節バルブの開度を狭くして、排気経路の末端からの排気量を低減させる。
【0034】
本発明は、上述した各構成によって前述した目的を達成しようとするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>
(実施の形態の全体構成)
本発明の第1の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。図1は、本実施形態たる高頻度人工呼吸器12の構成を示すブロック図である。
【0036】
このこの高頻度人工呼吸器12は、患者Xへの酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部62と、この吸気導入部62から吸気を患者Xへ案内する患者側経路60と、この患者側経路60を流れる吸気に患者Xの呼吸周期よりも高い周期の振動空気圧を付勢する振動空気圧付勢部50と、患者Xから出された二酸化炭素を含んだ呼気を大気中に排出する排出経路70と、患者側経路60とは別の経路で患者Xの肺内まで吸気を供給する補助吸気供給部30と、上記各部の動作制御を行うコントローラ40とを備えている。
【0037】
以下各部を詳説する。
【0038】
(吸気導入部)
上記吸気導入部62は、酸素及び空気の供給源621a,621bと接続され、これらを混合する第一の調節手段としてのブレンダ621と、ブレンダ621から送り出される空気を加湿する加湿器622とから構成されている。
【0039】
酸素及び空気の供給源621a,621bは、それらをそれぞれ封入したボンベや病院施設に備え付けられたこれらの供給バルブから構成される。これらの供給源621a,621bは、常に一定圧力でブレンダ側に酸素及び空気を供給している。
【0040】
ブレンダ621は、各供給源621a,621bとの接続部に図示しない流量調節自在の弁を有し、これらを調節して吸気の酸素濃度を自在に設定することができる。また、ブレンダ621は、吸気を加湿器622側に流す図示しない複数の出力バルブを備えている。各種の出力バルブは、それぞれ流量が異なるものであり、任意の流量の出力バルブを選択することにより所定流量の吸気の供給が行われる。なお、上記吸気の酸素濃度設定や流量設定は、コントローラ40からの動作信号を受けて自在に行われるようになっている。
【0041】
加湿器622には、加湿された吸気を患者Xへ供給する吸気管623が接続されている。吸気管623は、その途中で分岐して一端側が後述するダイヤフラム機構56の被加圧室563に連通されるとともに、その他端側が後述する三方分岐管170に接続されている。
【0042】
(振動空気圧付勢部)
振動空気圧付勢部50は、陽圧及び陰圧の両方の空気圧を同時に発生するブロワ52と、ブロワ52で発生した陽圧又は陰圧を交互に選択して所定の振動空気圧に変換するロータリバルブ機構54と、ロータリバルブ機構54からの振動空気圧に付勢されて作動し,吸気導入部62から患者Xに供給される吸気に振動空気圧を付勢するダイヤフラム機構56とを含む構成を採っている。
【0043】
上述のブロワ52は、その内部に空気を取り込みまたその空気を送り出すことにより陽圧と陰圧とを同時に発生させる。かかるブロワ52は従来例で示したブロワ205(図7参照)よりも出力が小さいものが使用される。従って、振動空気圧による一回換気量は、従来よりも小さくなる(例えば15[ml])。ブロワ52の空気取り込み口は、後述するロータリーバルブ機構54の陰圧ポート542に接続され、空気の送り出し口は陽圧ポート541に接続されている。
【0044】
ロータリバルブ機構54は、ブロワ52から陽圧が入力される陽圧ポート541と、ブロワ52から陰圧が付勢される陰圧ポート542と、振動空気圧を出力する出力ポート543と、自らの回転により出力ポート543を陽圧ポート541と陰圧ポート542とに交互に接続するロータリバルブ544と、ロータリバルブ544を回転させる駆動部545とから構成されている。
【0045】
駆動部545は、図示しない電動機及び減速機からなり、ロータリバルブ544を例えば900[rpm]で回転させる。ロータリバルブ544は、一回転するごとに、ポート541とポート543とのみを一回連通させ、続いてポート542とポート543とのみを一回連通させる。これにより、供給される吸気に対して周波数15[Hz]の振動空気圧Apnを付勢する。ポート543には、振動空気圧Apnをダイヤフラム機構56へ伝達する振動空気圧管546が接続されている。
【0046】
ダイヤフラム機構56は、加圧室562及び被加圧室563と、加圧室562と被加圧室563との間を仕切るとともに伸縮自在の膜状部材で形成されたダイヤフラム561とを備えている。加圧室562は振動空気圧管546に接続されている。加圧室562はロータリーバルブ54の出力ポート543に接続されており、被加圧室563は吸気管623に接続されている。かかる構造によりロータリーバルブ54で形成された振動空気圧はダイヤフラム561を介して吸気管623内を流動する吸気に付勢される。
【0047】
(患者側経路)
さらに、高頻度人工呼吸器12は、吸気管623の下流側に三方分岐管170を備え、当該三方分岐管170がさらに下流側を患者X側と排出経路側とに分岐させている。この三方分岐管170は、患者側管路171(患者側端部),酸素供給源側管路172及び呼気排出側管路173の三つの管路を備えており、これらの管路は全て内部で連通している。そして、酸素供給源側管路172が吸気管623と接続され、患者側管路171が患者Xの肺内に至る気管内挿入管81と接続されている。これらの三方分岐管170と吸気管623と気管内挿入管81とが患者側経路60を構成している。また、患者側管路171には平均気道内圧を検出する患者側圧力センサ93が設けられており、検出圧力はコントローラ40に出力される。
【0048】
気管内挿入管81は、患者Xの口から気管内に挿入され、だいたい気管が左右の気管支に分岐する分岐点(第一分枝)まで挿入される。従って、気管内挿入管81は、患者Xの口から第一分枝まで充分に届く長さに設定されており、また当然のことながら気管内に挿入可能な外径に設定されている。
【0049】
なお、この気管内挿入管81は、ある特定の患者Xのみに応じて各部の寸法設定が成されているものではない。即ち、一般の成人であれば気管の内径や長さに大差はなく、このような平均的な成人を対象とする寸法設定が成されている。例えば、成人男子の場合、口部から第一分枝まで22〜26[cm]程度であり、これに三方分岐管170の患者側管路171から口元までの長さが+3〜5[cm]あるので、気管内挿入管81は合計して25〜31[cm]程の長さであれば良く、本実施形態では30[cm]に設定される。また、通常の成人を対象とした場合、気管内挿入管81の内径は8[mm]程度のチューブが一般的に使用されている。
【0050】
さらに、この気管内挿入管81は交換式であり、三方分岐管170の患者側管路171に対して着脱自在となっている。従って、人工呼吸に使用された後には取り外して廃棄又は除菌洗浄されて再利用される。
【0051】
(排出経路)
さらに、三方分岐管170の呼気排出側管路173は、排出管604の一端部と接続され、この排出管604の他端部には流量調節バルブ607が接続されている。これら排出管604と流量調節バルブ607とは、患者Xの肺から出された二酸化炭素を含んだ吸気(呼気)の通り道となり、これらが呼気を大気中に排出する排出経路70を構成する。
【0052】
図2は、排出経路70の周囲を一部切り欠いて示した拡大図である。この図に示すように、流量調節バルブ607は、筺体607aと排気ポート607bと流量制御用の移動弁(制御用シリコンシート)607cと、この移動弁607cを一定方向に沿って前後進移動させる往復付勢機構としてのソレノイド607dとを備えている。
【0053】
このソレノイド607dはコントローラ40からの制御信号に応じた移動量で移動弁607cを移動させ、これにより、流量調節バルブ607の呼気排出量の調節が自在に行われる。
【0054】
(補助供給部)
補助吸気供給部30は、吸気の供給源と、患者側経路60とは別の経路で供給源から患者Xの肺内まで吸気を案内する補助吸気供給経路31とを有している。この補助吸気供給部30は、前述した呼気導入部62を吸気の供給源としている。即ち、補助吸気供給経路31の上流側端部は、呼気導入部62のブレンダ621と加湿器622とを結ぶ配管に分岐接続されており、患者側管路60と補助吸気供給経路30とには、それぞれブレンダ621から排出される吸気が流動することとなる。このため、補助吸気供給経路31を流れる吸気と患者側管路60を流れる吸気とは酸素濃度は等しくなる。
【0055】
上述の補助吸気供給経路31の途中には、当該補助吸気供給経路31を流れる吸気の流量を調節する第二の調節手段32が設けられている。この第二の調節手段32はコントローラ40と接続され、当該コントローラ40からの動作信号により、補助吸気供給経路31を流動する吸気の流量の増減が図られる。
【0056】
さらに、第二の調節手段32の下流には、補助吸気供給経路31内の吸気の流動を繰り返される一定の周期で規制する断続吸気供給手段33が設けられている。この断続吸気供給手段33は、例えばロータリーバルブで構成され、自らが有する駆動モータによりバルブが回転し、これにより一定周期で吸気の通過と制止が繰り替えされる。補助吸気供給経路31内を流れる吸気は、酸素及び空気の供給源621a,621bからの供給圧力により患者側への一定圧力をもって流動しているため、断続吸気供給手段33が開閉を繰り返すことにより、流動と停止を繰り返す吸気供給が行われる。この断続吸気供給手段33は、コントローラ40と接続され、当該コントローラ40からの動作信号に基づく周期で開閉動作を繰り返す。
【0057】
さらに、断続吸気供給手段33の下流には、補助吸気供給経路31内の吸気を加湿する補助加湿手段としての加湿器34が設けられており、さらに下流には、補助吸気供給経路31内に薬液を供給する薬液供給手段としてのネブライザ35(噴霧器)が設けられている。このネブライザ35は、いわゆるベンチュリ構造から成り、通常は補助吸気供給経路31との連通状態が閉じられている。そして、例えば、患者Xの肺に治療用或いは消毒用の薬液を投与する必要が生じた場合に、ここから補助吸気供給経路31内に薬液が投与される。この投与された薬液は、吸気と共に患者Xの肺内に送られる。
【0058】
そして、補助吸気供給経路31は、その患者側の末端部に、患者Xの気管内に挿入可能な補助供給挿入管36を有している。この補助供給挿入管36は、患者Xの口から第一分枝まで充分に届く長さに設定されており、また当然のことながら気管内に挿入可能な外径(補助供給挿入管36は気管内挿入管81と共に気管に挿入されるので、これらが同時に挿入可能な径に設定されている)に設定されている。
【0059】
さらに、この補助供給挿入管36は交換式であり、補助吸気供給経路31に対して着脱自在となっている。従って、人工呼吸に使用された後には取り外して廃棄又は除菌洗浄されて再利用される。
【0060】
この補助供給挿入管36と気管内挿入管81とは、同時に患者Xの気管に挿入されるため、図3(A)に示すように、挿入端部から中間部までを一体的に寄り合わされている。また、図3(B),(C)に示すように、補助供給挿入管36及び気管内挿入管81の挿入先端部側について、完全に一体的に形成しても良い。即ち、気管内挿入管81の三方分岐管170側の端部近くにおいて補助供給挿入管36が合流し一体化され、合流部位から先端部までが気管内挿入管81(外側)と補助供給挿入管36(内側)との二重管構造に形成しても良い。図3(B)の場合は補助供給挿入管36及び気管内挿入管81の挿入先端部側においてこれらの断面形状が同心円状となる例を示し、図3(C)の場合は補助供給挿入管36及び気管内挿入管81の挿入先端部側において気管内挿入管81の管壁に一体的に補助吸気挿入管36が形成されている例を示している。
これらの場合、気管内挿入管81と補助供給挿入管36のそれぞれの内部を流れる吸気が互いに混合することなく先端部まで到達する。また、特に図3(B),(C)の構造を採ることにより、患者Xの気管への挿入がより円滑に行うことが可能となる。
【0061】
(コントローラ)
次に、コントローラ40について図1及び図4を参照して説明する。図4は高頻度人工呼吸器12の制御系を示すブロック図である。このコントローラ40は、CPU,ROM,A/D変換器を含む演算装置で構成され、後述する高頻度人工呼吸器12の動作制御を実行するプログラムが入力されている。
【0062】
このコントローラ40は、高頻度人工呼吸器12の各部の操作条件を入力するための操作盤43と患者側圧力センサ93の検出圧力を表示する表示部44とが併設されている。
【0063】
さらに、このコントローラ40は、操作盤43で入力された操作条件に従いブレンダ621,振動空気圧付勢手段50,第二の調節手段32,断続吸気供給手段33及び流量調節バルブ607の動作制御を行う動作制御部49と、患者側圧力センサ93の検出圧力に基づいてブレンダ621の動作制御を行う第一の流量制御部41とを備えている。
【0064】
(実施形態の動作)
上記コントローラ40の動作制御の説明をかねて高頻度人工呼吸器12全体の動作について説明する。
【0065】
まず、気管内挿入管81及び補助供給挿入管36とが患者Xの気管内に挿入される。そして、操作盤43から振動空気圧付勢手段50の振動周波数、吸気の酸素濃度、吸気の全体的な供給流量(患者側経路60と補助吸気供給経路31とを流れる吸気量の総和:例えば10〜最大60[l/min])、補助吸気供給経路31の吸気の通過流量、補助吸気供給経路31内通過吸気の断続通過周波数及び患者供給圧力の上限値と下限値とが入力される。
【0066】
動作制御部49は、ブレンダ621を制御して、入力濃度で酸素と空気とを混合させ、且つ入力流量となるバルブを選択し開放させる。これにより、ブレンダ621の下流側には操作条件に従った濃度のと流量で吸気が供給される。かかる吸気は、加湿器622を介して吸気管623側へと、補助吸気供給経路31側へとにそれぞれ流動する。
【0067】
吸気管623側へ流れ込んだ吸気は、振動空気圧付勢手段50により振動空気圧が付勢される。このときの振動空気圧の周期は、入力された周期となるように動作制御部49によってロータリーバルブ54の回転数制御が成されている。
【0068】
そして、吸気は三方分岐管170の患者側管路171と呼気排出側管路173との双方に流動する。患者側側管路171に流動した吸気は、振動空気圧の陽圧により気管内挿入管81を通じて患者Xの肺内に到達し、肺内に酸素を供給する。また、その一方で肺から生じた二酸化炭素を含んだ呼気は、振動空気圧の陰圧の作用により気管内挿入管81を通じて三方分岐管170側に流動し、後続の吸気と共に排気経路70に押し流され、大気中に排出される。特に、このとき、出力が小さいブロワ52を使用しているため、振動空気圧の圧力振幅が小さくなり、このため、補助吸気供給経路から肺内に吸気が能動的に供給されても、円滑に気管内挿入管81から呼気排出を行うことができる。
【0069】
またその一方で、補助吸気供給経路31側では、動作制御手段49が、総合的な吸気流量に対して補助吸気供給経路31内が入力された通過流量となるように第二の調節手段32を制御する。また、同時に、入力された周波数となるように断続吸気供給手段33の開閉速度を制御する。
【0070】
このようにして補助吸気供給経路31側を流れる吸気は、加湿器34を通過して加湿され、さらに、補助供給挿入管36を介して患者Xの肺内に供給される。この補助吸気供給経路31は、患者側経路60とは別経路であるために振動空気圧の付勢が成されてはおらず、また患者側経路60のように排気経路70とも接続されていないので、一定の流れで懇々と肺内に吸気を供給する。このため、肺内で生じた呼気は、振動空気圧の陰圧の作用とは別に、強制的に気管内挿入管81を介して排気経路70に送られる。
【0071】
また、吸気の供給による肺内圧力の変動と共に変動する三方分岐管170の内部圧力が患者側圧力センサ93にて検出され、第一の流量制御部41に出力される。これを受けて第一の流量制御部41では検出圧力を表示部44にて表示する。かかる表示部44の表示された検出圧力を参照し、高頻度人工呼吸器12の操作を行う者(例えば医師)は、さらに入力盤43から流量調節バルブ607の開度を入力し、動作制御部49を介して呼気排出流量を調節して、患者の肺内圧力を好適な状態となるよう操作を行う。
【0072】
また、医師による圧力調節操作が行われない場合でも、第一の流量制御部により、以下の動作制御が行われる。即ち、検出圧力が予め設定入力された患者供給圧力の上限値を越える場合には、ブレンダ621からの吸気供給流量が低減するように制御される。上限値としては、例えば大気圧に5〜15[cmH2O](490〜1470[Pa])を加えた値に、さらに40[cmH2O](3920[Pa])加えた値である。一方、検出圧力が予め設定入力された患者供給圧力の下限値を下回る場合には、ブレンダ621からの吸気供給流量を増加するように制御される。ここで下限値は、例えば大気圧に5〜15[cmH2O](490〜1470[Pa])を加えた値から、40[cmH2O](3920[Pa])を減じた値である。
【0073】
以上のように、本実施形態では、患者側経路60とは別の経路で患者の肺内まで吸気を供給する補助吸気供給部30を有するため、高頻度振動による換気とは別に患者Xの肺内に能動的に吸気が供給される。従って、振動空気圧の振幅を大きくすることなく肺内の換気を十分に行い酸素濃度を十分な値に維持することが可能となる。このため、患者Xの肺に対する高圧又は低圧状態による負担の発生を有効に回避し、常に良好に人工呼吸器を行うことが可能となる。
【0074】
また、振動空気圧の振幅を小さくできるので、患者の胸部の振動を抑制し、患者の他の治療器具や測定装置の影響の発生を回避することが可能となる。
【0075】
さらに、圧力振幅を小さくできるので、振動空気圧付勢手段50の出力を低減し、又は振動空気圧付勢手段自体を低出力のものに交換することが可能となるので、騒音及び消費電流の低減が可能となり、装置の小型、軽量化を図ることも可能となる。
【0076】
さらに、本実施形態では、補助吸気供給部30の吸気の供給源を吸気導入部62と兼用するため、独立した吸気の供給源を不要とし、装置の生産性を向上し、全体の小型軽量化を図ることを可能としている。
【0077】
また、補助吸気供給経路31の患者側の末端部に補助供給挿入管36を設けたため、患者Xの肺の深部に直接吸気を送り込むことが可能となり、換気効率の向上が図られている。
【0078】
さらに、この補助供給挿入管36を気管内挿入管81と各々の内部が合流することなく且つ一体的に形成したため、患者Xの気管への挿入を円滑に行うことが可能となり、且つ、補助供給挿入管36から供給される吸気が直接気管内挿入管81から排気されることなく効果的に肺の換気を行うことが可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、補助吸気供給経路31内の吸気流動一定周期で規制する断続吸気供給手段33を設けたので、補助吸気供給経路31からの吸気供給が断続的な吐出の繰り返しとなり、肺内での酸素の拡散効果を高め、換気効率を向上することが可能となる。
【0080】
さらに、本実施形態では、補助吸気供給経路31に加湿器34を設けたので、補助吸気供給経路31から供給する吸気に対して加湿を行うことが可能となる。従って、肺内の乾燥を防止し、良好な状態で人工呼吸器を行うことが可能となる。
【0081】
さらに、本実施形態では、補助吸気供給経路31に薬液供給手段35を設けたので、高頻度人工呼吸を維持しながら、必要に応じて肺に対して薬液の供給を行うことが可能なる。従って、患者の対する効果的な治療を行うことが可能となる。
【0082】
また、本実施形態では、コントローラ40が患者側圧力センサ93の出力に応じてブレンダ621の吸気流量制御を行う第一の流量制御部41を備えるので、吸気圧力の過度の上昇又は下降を防止し、常に患者の肺に負担を与えることなく人工呼吸器を行うことが可能となり、また、人為的な操作を行うことなく吸気流量調節及び吸気圧力調節を行うことが可能となる。
【0083】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態を図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態たる高頻度人工呼吸器12Aの構成を示すブロック図である。この高頻度人工呼吸器12Aは、補助吸気供給部30Aが、呼気導入部62のブレンダ621を介することなく、酸素及び空気の供給源621a,621bから直接酸素及び空気を導入している点で、前述した高頻度人工呼吸器12と異なり、他の構成については、全く同様である。従って、本実施形態では、補助吸気供給部30Aについてのみ説明し、他の構成ついては同符号を付して重複する説明を省略するものとする。
【0084】
補助吸気供給部30Aの補助吸気供給経路31Aは、酸素供給源621aと空気供給源621bとにそれぞれ直接接続される酸素導入管路311Aと空気導入管路312Aとを有している。これらの導入管路311A,312Aは、各供給源621a,621bと第二の調節手段32Aとを接続している。
【0085】
この第二の調節手段32Aは、前述した第二の調節手段32と異なり、吸気の供給流量だけでなく酸素濃度の調節も可能である。即ち、第二の調節手段32Aは、各供給源621a,621bとの接続部に図示しない流量調節自在の弁を有し、これらを調節して吸気の酸素濃度を自在に設定することができる。また、第二の調節手段32Aは、吸気を下流側に流す図示しない複数の出力バルブを備えている。各種の出力バルブは、それぞれ流量が異なるものであり、任意の流量の出力バルブを選択することにより所定流量の吸気の供給が行われる。なお、上記吸気の酸素濃度設定や流量設定は、コントローラ40からの動作信号を受けて自在に行われるようになっている。
【0086】
補助吸気供給部30Aをこのように構成することにより、ブレンダ621で設定された吸気流量及び酸素濃度に影響されることなく、補助吸気供給経路31Aに流す吸気の流量及び酸素濃度を自在に設定することが可能となる。なお、これら吸気流量及び酸素濃度設定は、ブレンダ621の場合と同様に操作盤43から入力され、コントローラ40の動作制御部49を介して入力数値通りとなるように第二の調節手段32Aが制御される。
【0087】
これにより、この高頻度人工呼吸器12Aでは、高頻度人工呼吸器12と同様の効果を有すると共に、患者側経路から供給される吸気の流量及び酸素濃度と補助吸気供給経路31Aから供給される吸気の流量及び酸素濃度を自在な組み合わせとすることが可能となり、患者の種々の様態に応じた高頻度人工呼吸を行うことが可能となる。
【0088】
なお、高頻度人工呼吸器12では、患者側圧力センサ93の出力に応じてブレンダ621の吸気供給量の制御を行う第一の流量制御部41を有しているが、この高頻度人工呼吸器12Aでは、コントローラ40に、患者側圧力センサ93の出力に応じて第二の調節手段32Aの吸気供給量の制御を行う第二の流量制御部を設ける構成としても良い。なお、この場合も同様に、検出圧力が所定の上限値と下限値と間を越えないように供給流量の増減を図る制御が行われる。これにより、第一の流量制御部41と同様の効果を上げることが可能である。
【0089】
また、或いは、コントローラ40に、患者側圧力センサ93の出力に基づいて流量調節バルブ607のバルブ開度を調節するバルブ制御部を設ける構成としても良い。即ち、このバルブ制御部は、検出圧力が上限値を越える場合には流量調節バルブ607の開度を大きくし、検出圧力が下限値を下回る場合には流量調節バルブ607の開度を小さくする動作制御が行われる。これにより、第一の流量制御部41と同様の効果を上げることが可能である。
【0090】
また、高頻度人工呼吸器12,12Aの補助吸気供給部30,30Aは、呼気導入部62の酸素及び空気の供給源621a,621bを兼用とせず、独立した酸素及び空気の供給源を備える構成としても良い。
【0091】
また、上記各高頻度人工呼吸器男12,12Aでは、患者側圧力センサ93を三方分岐管170の患者側管路171に設けたが、特にこの位置に限定せず、患者に近い位置であれば、いずれの位置二設けても良い。例えば、補助供給挿入管36に患者側圧力センサを設ける構成としても良い。
【0092】
【実施例】
上述した高頻度人工呼吸器12と従来式の補助吸気供給部30を持たない従来の高頻度人工呼吸器とで人工呼吸器を行い比較した動物実験結果を示す。試験対象は豚のメス(体重17[kg]:ヒトの5,6歳に相当)である。
【0093】
高頻度人工呼吸の条件(1)
(従来の高頻度人工呼吸器)
換気周波数:15[Hz],平均気道内圧(振幅の中間の圧力):15[cmH20](1470[Pa]),一回換気量:20[ml]相当,吸気供給量:20[l/min],吸気酸素濃度:100[%],気管内挿入管:内径5[mm]
【0094】
高頻度人工呼吸器の条件(2)
(高頻度人工呼吸器12)
換気周波数:15[Hz],平均気道内圧:15[cmH20](1470[Pa]),一回換気量:20[ml]相当,吸気供給量(患者側経路と補助吸気供給経路との合計):24[l/min],吸気供給量(補助吸気供給経路のみの流量):4[l/min],吸気酸素濃度:100[%],気管内挿入管:内径5[mm],補助供給挿入管:内径1[mm]
【0095】
高頻度人工呼吸の条件(3)
(従来の構成であって一回換気量が1.5倍ある高頻度人工呼吸器)
換気周波数:15[Hz],平均気道内圧:15[cmH20](1470[Pa]),一回換気量:30[ml]相当,吸気供給量:20[l/min],吸気酸素濃度:100[%],気管内挿入管:内径5[mm]
【0096】
実験結果を図6に示す。実験結果は、動脈血中二酸化炭素分圧を計測し、血中の二酸化炭素の掃け具合を比較した。正常の血中二酸化炭素分圧は、35〜45[mmHg](4655〜5985[Pa])である。血中二酸化炭素分圧が高いほど、二酸化炭素の体外への掃けが悪く、肺内の換気が適切でないことを示す。45[mmHg](5985[Pa])を越えると高炭酸ガス血症となる。
【0097】
図6から実験結果の比較をすると、従来の高頻度人工呼吸器では、高炭酸ガス血症となってしまう換気条件でも、高頻度人工呼吸器12を用いれば、動脈血中二酸化炭素分圧を、正常な値の範囲にすることができる。
【0098】
さらに、従来の高頻度人工呼吸器では、換気条件の一回換気量を1.5倍にしても、動脈血中二酸化炭素分圧を正常な値にすることができないが、本システムは、そのままの一回換気量で、動脈血中二酸化炭素分圧を、正常な値の範囲にすることができる。
【0099】
以上のように、本願発明を用いれば、小さいパワーのオシレーション源(振動空気圧付勢手段)しか持たない高頻度人工呼吸器でも、大パワーのオシレーション源を持った高頻度人工呼吸器と同等以上の肺内換気を行なえる。小さいパワーのオシレーション源であれば、器械のコストも安くすることができる。また、器械の作動音などの騒音も小さくなり、器械の小型・軽量化や作動するための消費電流が小さいなどの利点がある。
【0100】
例えば、従来の高頻度人工呼吸器は、オシレーション源部分の製作コストは、40万円程度であり、作動者は53〜56[dB]で、消費電流は、7〜8[A]であった。上述した条件(3)で用いた従来の構成で、大パワーの高頻度人工呼吸器については、オシレーション源部分の製作コストは、80万円程度であり、作動音は70[dB]以上で、消費電流は、13〜14[A]であった。この高頻度人工呼吸の条件(3)で用いた従来の大パワーの高頻度人工呼吸器については、騒音が大きく、消費電流も大きかった。
【0101】
成人用に用いる高頻度人工呼吸器は、従来方式の原理では、大パワーの換気を必要とするが、このように騒音,消費電流が大きくなることが難点であった。
【0102】
一回換気量が大きい、大パワーの高頻度人工呼吸器は、大パワーで高頻度の換気をすることができるが、一回換気量を大きくすると、肺に振動が生じ、肺への負担も生じる可能性がある。本願発明の高頻度人工呼吸器12は、このような問題点を解決し、かつ肺内の換気効率を向上することが可能であることが試験によって観測された。
【0103】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明は、患者側経路とは別の経路で患者の肺内まで吸気を供給する補助吸気供給部を有するため、高頻度振動による換気とは別に患者の肺内に能動的に吸気が供給される。従って、振動空気圧の振幅を大きくすることなく肺内の換気を十分に行い酸素濃度を十分な値に維持することが可能となる。このため、患者の肺に対する高圧又は低圧状態による負担の発生を有効に回避し、常に良好に人工呼吸器を行うことが可能となる。
【0104】
また、振動空気圧の振幅を小さくできるので、患者の胸部の振動を抑制し、患者の他の治療器具や測定装置の影響の発生を回避することが可能となる。
【0105】
さらに、圧力振幅を小さくできるので、振動空気圧付勢手段の出力を低減し、又は振動空気圧付勢手段自体を低出力のものに交換することが可能となるので、騒音及び消費電流の低減が可能となり、装置の小型、軽量化を図ることも可能となる。
また、補助吸気供給部に薬液供給手段を設けたので、高頻度人工呼吸を維持しながら、必要に応じて肺に対して薬液の供給を行うことが可能となる。従って、患者の対する効果的な治療を行うことが可能となる。
【0106】
請求項2記載の発明は、補助吸気供給部の吸気の供給源を吸気導入部と兼用するため、独立した吸気の供給源を不要とし、装置の生産性を向上し、全体の小型軽量化を図ることを可能としている。
【0107】
請求項3記載の発明は、補助吸気供給経路の患者側の末端部に補助供給挿入管を設けたため、患者の肺の深部に直接吸気を送り込むことが可能となり、換気効率の向上が図られている。
【0108】
請求項4記載の発明は、補助供給挿入管と気管内挿入管とを内部が合流することなく且つ一体的に形成したため、患者の気管への挿入を円滑に行うことが可能となり、且つ、補助供給挿入管から供給される吸気が直接気管内挿入管から排気されることなく効果的に肺の換気を行うことが可能となる。
【0109】
請求項5記載の発明では、補助吸気供給経路内の吸気流動一定周期で規制する断続吸気供給手段を設けたので、補助吸気供給経路からの吸気供給が断続的な吐出の繰り返しとなり、肺内での酸素の拡散効果を高め、換気効率を向上することが可能となる。
【0110】
請求項6記載の発明では、補助経路加湿手段を設けたので、補助吸気供給経路から供給する吸気に対して加湿を行うことが可能となる。従って、肺内の乾燥を防止し、良好な状態で人工呼吸器を行うことが可能となる。
【0112】
請求項7記載の発明は、第一及び第二の調節手段を設けたので、患者側経路と補助吸気供給経路とでそれぞれ吸気流量及び吸気の酸素濃度を個別に調節することが可能となる。従って、患者の様態に応じて換気効率の微妙な調節を行うことが可能となり、また、肺内圧力の調節も円滑に行うことが可能となる。
【0113】
請求項8記載の発明は、圧力センサの出力に応じて第一の調節手段の吸気流量制御を行う第一の流量制御部を備えるので、吸気圧力の過度の上昇又は下降を抑制することも可能となり、常に患者の肺に負担を与えることなく人工呼吸器を行うことが可能となり、また、人為的な操作を行うことなく吸気流量調節及び吸気圧力調節を行うことが可能となる。
【0114】
請求項9記載の発明は、圧力センサの出力に応じて第二の調節手段の吸気流量制御を行う第二の流量制御部を備えるので、吸気圧力の過度の上昇又は下降を抑制することも可能となり、常に患者の肺に負担を与えることなく人工呼吸器を行うことが可能となり、また、人為的な操作を行うことなく吸気流量調節及び吸気圧力調節を行うことが可能となる。
【0115】
請求項10記載の発明は、圧力センサの出力に応じて流量調節バルブの吸気流量制御を行うバルブ制御部を備えるので、吸気圧力の過度の上昇又は下降を抑制することも可能となり、常に患者の肺に負担を与えることなく人工呼吸器を行うことが可能となり、また、人為的な操作を行うことなく呼気流量調節及び吸気圧力調節を行うことが可能となる。
【0116】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、従来にない優れた高頻度人工呼吸器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態たる高頻度人工呼吸器の構成を示すブロック図である。
【図2】図1で開示した流量調節バルブの詳細を示す断面図である。
【図3】図1で開示した気管内挿入管及び補助供給挿入管を示す説明図であり、図3(A)にその一例を示し、図3(B)に他の一例を示し、図3(C)にさらに他の一例を示す。
【図4】高頻度人工呼吸器の制御系を示すブロック図である。
【図5】第二の実施形態たる高頻度人工呼吸器の構成を示すブロック図である。
【図6】比較試験結果を示す図表である。
【図7】従来例を示すブロック図である。
【図8】従来例の高頻度人工呼吸時における三方分岐管付近の内部圧力の変化を示した線図である。
【符号の説明】
30 補助吸気供給部
31 補助吸気供給経路
32,32A 第二の調節手段
33 断続吸気供給手段
34 加湿器(補助経路加湿手段)
35 薬液供給手段
36 補助供給挿入管
41 第一の流量制御部
50 振動空気圧付勢部
60 患者側経路
62 吸気導入部
70 排気経路
81 気管内挿入管
93 患者側圧力センサ(圧力センサ)
170 三方分岐管(分岐管)
607 流量調節バルブ
621 ブレンダ(第一の調節手段)
X 患者
Claims (10)
- 患者への酸素を含んだ吸気を供給する吸気導入部と、この吸気導入部から前記吸気を前記患者へ案内する患者側経路と、この患者側経路を流れる吸気に前記患者の呼吸周期よりも高い周期の振動空気圧を付勢する振動空気圧付勢部と、前記患者から出された二酸化炭素を含んだ呼気を大気中に排出する排出経路とを備える高頻度人工呼吸器において、
前記患者側経路が、前記吸気導入部側から前記排気経路側へと前記患者側へとに分岐する分岐管と、当該分岐管の患者側の端部に装備された前記患者の口元から気管内に挿入可能な気管内挿入管とを有し、
前記患者側経路とは別の経路で前記患者の肺近くまで吸気を供給する補助吸気供給部を備えると共に、
この補助吸気供給部が、吸気の供給源と、前記患者側経路とは別の経路で前記供給源から前記患者の肺内まで吸気を案内する補助吸気供給経路と該補助吸気供給経路内に薬液を供給する薬液供給手段を有することを特徴とする高頻度人工呼吸器。 - 前記補助吸気供給部の吸気の供給源を、前記吸気導入部と兼用し、
前記補助吸気供給経路は、前記吸気導入部で発せられた吸気を前記患者側経路とは別の経路で前記患者の肺内に案内することを特徴とする請求項1記載の高頻度人工呼吸器。 - 前記補助吸気供給部は、前記補助吸気供給経路の患者側の末端部に装備した前記患者の気管内に挿入可能な補助供給挿入管を有することを特徴とする請求項1又は2記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記補助供給挿入管と前記気管内挿入管とを各々の内部が合流することなく且つ一体的に形成したことを特徴とする請求項3記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記補助吸気供給部は、前記補助吸気供給経路内の吸気の流動を繰り返される一定の周期で規制する断続吸気供給手段を有することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記補助吸気供給部は、前記補助吸気供給経路を流れる吸気に加湿を行う補助経路加湿手段を有することを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記患者側経路を流れる吸気の酸素濃度と流量とを調節する第一の調節手段と、前記補助吸気供給経路を流れる吸気の酸素濃度と流量とを調節する第二の調節手段とを有することを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記患者の肺近傍の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力に基づいて前記第一の調節手段を介して前記吸気流量を調節する第一の流量制御部を有することを特徴とする請求項7記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記患者の肺近傍の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力に基づいて前記第二の調節手段を介して前記吸気流量を調節する第二の流量制御部を有することを特徴とする請求項7記載の高頻度人工呼吸器。
- 前記排気経路に前記呼気の流量を調節する流量調節バルブを設けると共に、
前記患者の肺近傍の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの出力に基づいて前記流量調節バルブのバルブ開度を調節するバルブ制御部を有することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の高頻度人工呼吸器。
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