JP2001037774A - 高周波焼灼装置 - Google Patents

高周波焼灼装置

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JP2001037774A
JP2001037774A JP11211178A JP21117899A JP2001037774A JP 2001037774 A JP2001037774 A JP 2001037774A JP 11211178 A JP11211178 A JP 11211178A JP 21117899 A JP21117899 A JP 21117899A JP 2001037774 A JP2001037774 A JP 2001037774A
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power supply
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signal
frequency
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JP11211178A
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Takashi Mitsubori
貴司 三堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無効電力を低減し、装置全体の効率を上げ、
省エネ化を目論むことができる高周波焼灼装置を提供す
る。 【解決手段】 高周波電力生成部に直流電力を供給する
直流電源回路部14は商用電源側の前置電源回路15
と、その後段の可変電源回路16とからなり、前置電源
回路15は主電源スイッチがONされるとダイオードブ
リッジ34で整流した脈流波でダイオード36を経て平
滑用コンデンサ38を充電し、さらに操作パネル12の
スイッチ操作により制御回路17を介して第1の起動信
号S1がゲート制御部40に入力されることにより脈流
波をMOSFET37のスイッチングにより、インダク
タ35で蓄積したエネルギでコンデンサ38をより高い
電圧まで充電するようにし、また、可変電源回路16は
出力スイッチ4のON操作により、第2の起動信号S2
でゲート制御部47を起動して、DC−DC変換動作を
行うことにより、無効電力を低減し、装置全体の効率を
上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波電力を生体組
織に印加して治療のための焼灼処置を行う高周波焼灼装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波焼灼装置(電気メス装置とも言
う)では、装置の性質上、数百kHz程度の高周波電力
を発生させる為、非常に高いレベルの輻射ノイズが発せ
られる事は周知の事実である。従って、装置内部回路か
ら輻射されるノイズは非常に高レベルであり、各種のセ
ンサ信号に重畳する事も有り、そのセンサ信号により制
御される制御系での誤動作を誘発する要因となってい
た。
【0003】また、電子機器の軽薄短小化傾向に伴い、
高周波電力を生成させる上で必要な直流電源回路も後述
するシリーズ方式からスイッチングレギュレータ化に移
行しており、更に装置内部で発生するノイズレベルは上
昇傾向にある。これらの不要輻射ノイズは他の医療機器
に干渉して誤動作を誘発する要因であり、また、他の医
療機器だけではなく、電気メス装置自体に対する干渉も
引き起こす為、誤動作、或いは誤制御などを引き起こす
要因となっている。
【0004】図9は高周波焼灼装置(電気メス装置とも
言う)に搭載される第1の従来例の電源回路71の一例
であり、シリーズ方式と呼ばれる電源回路方式である。
図示しない絶縁トランスにて絶縁された商用電源は、ダ
イオードブリッジDBにより整流された後、コンデンサ
Caにて平滑され、直流電圧となる。この時、コンデン
サCaにより平滑された直流電圧は、定電圧化されてい
ない為、負荷条件により電圧レベルは変動する為、この
まま高周波電力生成部に供給する事は出来ない。
【0005】その為、ダイオードブリッジDBとコンデ
ンサCaにより平滑された直流電圧は、図9の電圧制御
部72に入力されて、この部分で所定の電圧レベルに調
整されて安定化された後、高周波電力生成部に供給され
る。この電圧制御部72ではダイオードブリッジDBと
コンデンサCaにより平滑された直流電圧を入力電圧V
inとして、制御トランジスタTr1のコレクタ−エミ
ッタを通して出力端から出力電圧Voを出力する。
【0006】出力電圧Voは抵抗RaとRbで所定の分
圧比に分圧設定され、その分圧された電圧と基準電圧源
による基準電圧Vrが誤差増幅器Eaの非反転及び反転
入力端に印加され、この誤差増幅器Eaで分圧された電
圧と基準電圧Vrとの差が増幅されて制御トランジスタ
Tr2のベースに入力される。
【0007】制御トランジスタTr2のコレクタには、
ベースに入力された信号に基づいて決定されたレベルの
電圧が発生する事になり、これが制御トランジスタTr
1のベースに供給されて、制御トランジスタTr1のコ
レクタからは制御トランジスタTr1のベースに応じて
電圧レベルが発生する事になる。なお、制御トランジス
タTr1のベースとコレクタとは抵抗Rcが接続されて
いる。
【0008】即ち、図9中の分圧抵抗Ra、Rb、誤差
増幅器Ea、基準電圧Vr及び制御トランジスタTr
1、Tr2から構成される制御ループにより、出力電圧
Voは下式から表される電圧に定電圧制御され、負荷状
態に依らずに、一定の電圧を維持する事が可能となる。
【0009】 Vo=(1+Ra/Rb))×Vr (1)この第1
の従来例ではまず、電気メス装置の制御部からは、ユー
ザにより選択された出力モード、並びに出力設定値に応
じて基準電圧Vrを電圧制御部72の誤差増幅器Eaの
反転入力端子に送出する。一方、誤差増幅器Eaの非反
転入力端子には図9中の出力電圧Voを所定の分圧比に
設定された抵抗RaとRbで分圧された電圧が入力さ
れ、この信号と、電圧Vrとの差を増幅した信号が、制
御トランジスタTr2のベースに入力される。図9の第
1の従来例は以下の長所、及び短所がある。
【0010】長所:(1)回路構成が極めて簡単であ
り、比較的容易に構成できる。 (2)不要輻射ノイズが極めて低く、他の装置、並びに
自装置に対するノイズ干渉を抑制出来る。
【0011】短所:(1)上図9中に図示していない絶
縁トランスが低周波用のものでなければならない為、装
置全体の大型化、重量化を招く(近年の軽薄短小化と逆
行する)。 (2)図9中の制御トランジスタTr1での損失が高
く、効率が低いと同時に大型の放熱器が必要。
【0012】また、第2の従来例として図10に示すよ
うな電気メス装置に搭載される電源回路71′があり、
これはスイッチングレギュレータ方式と呼ばれる電源回
路方式である。
【0013】商用電源電圧は、ダイオードブリッジDB
により整流された後、コンデンサCaにて平滑され、直
流電圧となる。この直流電圧は、定電圧化されていない
為、負荷条件により電圧レベルは変動する為、このまま
高周波電力生成部に供給する事は出来ない。ここまで
は、第1の従来例に示した構成と同様である。
【0014】第1の従来例と第2の従来例との大きな違
いは、定電圧制御を行う方法にある。図9では、基準電
圧Vrと出力電圧の分圧値との差を誤差増幅器Eaによ
り増幅し、この増幅信号により制御トランジスタTr1
を制御する事で定電圧化を図っていた(誤差増幅器出力
信号により、制御トランジスタTr1のコレクタ−エミ
ッタ間電圧を制御する事で定電圧化が図られていた)。
【0015】一方、図10に示したスイッチング方式に
よる電源回路71′では、図10中の電圧制御部72′
内のSW素子(より具体的にはパワーMOSFET)T
r3の駆動波形の時比率(デューティーサイクル)をゲ
ート制御部73を介して制御する事で定電圧化を図って
いる。
【0016】図10ではダイオードブリッジDBで整流
され、コンデンサCaで平滑された直流電圧は出力トラ
ンスTのセンタタップに印加され、出力トランスTの両
端の一端は整流用ダイオードDaを介して接地され、他
端はMOSFET Tr3のドレイン−ソースを介して
接地されている。出力トランスTの2次巻線の両端は直
列の抵抗Rd及びコンデンサCbが接続され、また、整
流用のダイオードDb、Dc、チョークコイルLa、平
滑用コンデンサCcと分圧用の抵抗Ra,Rb等が接続
されている。
【0017】ダイオードDb、Dcの両カソードは正極
側の出力端に接続され、また抵抗Ra、Rbで分圧され
た電圧はゲート制御部73を介してゲート駆動部74に
印加され、このゲート駆動部74のゲート駆動信号は抵
抗Reを介してMOSFETTr3のゲートに印加され
る。このMOSFET Tr3のゲートは抵抗Rfを介
して接地されている。また、そのドレイン−ソース間に
は直列接続の抵抗Rg及びコンデンサCdと逆方向ダイ
オードDdが接続されている。
【0018】この様な構成にして、PWM(パルス幅変
調方式)でMOSFET Tr3のドレイン−ソースを
ON,OFFする。その基本原理を図11に示す。尚、
図11の回路構成は、図10中のゲート制御部73に該
当する。まず、電気メス装置の制御部からは、ユーザに
より選択された出力モード、並びに出力設定値に応じて
基準信号Vrを図11(A)中の誤差増幅器Eaの反転
入力端子に送出すると同時に、誤差増幅器Eaの非反転
入力端子には、電源回路からの出力電圧Voを抵抗Ra
とRbとで決定される所定の分圧比によって分圧された
信号が入力される。
【0019】誤差増幅器Eaからは、上記の基準電圧V
rと出力電圧の分圧値の差が増幅した直流レベルの信号
が出力され、この信号が誤差増幅器Eaの後段に配置さ
れたPWMコンパレータCpの非反転入力端子に送出さ
れる。一方、PWMコンパレータCpの反転入力端子に
は、基準となる所定の周波数で発振する三角波発振器7
5からの三角波状の波形が入力され、前記した誤差増幅
器出力信号レベルと比較する事により、パルス幅を決定
する。
【0020】例えば、図11(B),(C)のタイムチ
ャートを参照して動作を説明すると、比較的負荷が軽い
状態図11(B)の場合(低出力電圧、或いは、負荷電
流レベル小)、誤差増幅器Eaからの出力信号レベルは
増加する為、PWMコンパレータCpにより基準三角波
と比較して得られるパルス幅は短くなる。
【0021】一方、図11(C)のタイムチャートに示
した様に、比較的負荷が重くなった場合(高出力電圧、
或いは負荷電流レベル大)、誤差増幅器Eaからの出力
信号レベルは低下する為、PWMコンパレータCpによ
り基準三角波と比較して得られるパルス幅は長くなる。
ここで、図11(B)中に示したデットタイムとは、負
荷増大時にパルス幅が所定のパルス幅以上に広がらない
様にする為の信号であり、これにより、最大パルス幅が
決定される(図10中のスイッチ素子Tr3の保護)。
【0022】上記した様にゲート制御部73で制御され
たパルス信号(パルス幅変調されたパルス)は、図10
中のスイッチング素子としてのMOSFET TR3に
供給され、このMOSFET TR3では、このパルス
信号に応じてON/OFF動作を繰り返す事になる。ス
イッチング方式の電源回路には、種々の方式があり、こ
れらの回路方式の選択は、使用用途や出力仕様などによ
り決定される。電気メス装置では比較的高い出力電力が
必要である事から、図10では、フォワードコンバータ
方式を選択して開示している。以下、その動作について
説明する。
【0023】上記した様に、ゲート制御部73では、選
択された出力モード、出力設定値に応じて一定の電圧が
得られるようにフィードバック制御を行っており、ここ
では、スイッチング素子を駆動するパルス波形の時比率
(パルス幅)を随時変化させる事で実現している。
【0024】ここで、パルスが発生している期間には、
スイッチング素子が導通して、ダイオードブリッジDB
及び平滑コンデンサCaにより得られた直流電源部の負
荷は短絡状態となる。この間に、トランスTの1次巻線
には電流が流れ、磁束としてエネルギが蓄積されると同
時に、トランスTの2次側の整流ダイオードDbが導通
する為、トランスTの1次側に蓄積されたエネルギがダ
イオードDbを介して負荷に放出される(図10中のK
1の経路で電流が流れて、負荷に電力が供給される)。
【0025】更に、この時にトランスTの2次側に流れ
る負荷電流により、チョークコイルLaにもエネルギが
蓄積される。即ち、ゲート制御部73により決定された
パルス幅は、トランスTの1次側巻線に蓄積するエネル
ギ量を決定しており、これにより、負荷側に送出される
エネルギ量が決定されるわけである。
【0026】一方、スイッチング素子がOFFになった
期間では、このスイッチング素子はOFF状態となり導
通しない。従って、トランスTの1次側巻線には電流が
流れず、更にトランスTの2次側の整流ダイオードDb
も遮断状態となる為、トランスTの1次側から2次側へ
電力伝達は成されないが、トランスTの2次側のチョー
クコイルLaには逆起電圧が発生し、これにより還流ダ
イオードDcが導通状態となる。
【0027】この時、スイッチング素子が導通状態の時
にトランスTの2次側に流された負荷電流によりチョー
クコイルLaに蓄積されたエネルギが還流ダイオードD
cを介して流れてこれが負荷電流として負荷に対して供
給される(図10中のK2の経路で電流が流れる)。
【0028】図10に示す第2の従来例は以下の長所及
び短所がある。 長所:(1)上記の様に一度整流平滑して得られた直流
電圧を、高い周波数でスイッチングさせ、一度高周波電
力に変換した後に、再度整流平滑して直流電力に変換し
ている為、絶縁用のトランスは高周波用のトランスが使
用できる事に成り、装置の小型化が可能となる。 (2)スイッチング動作による制御である為、スイッチ
ング素子には理論的には損失が発生しない(電圧と電流
が同時に加わらない)為、効率が高く、シリーズ方式に
比べると放熱スペースを省く事も可能。即ち、高効率
で、装置の小型軽量化が可能となる。
【0029】短所:(1)スイッチング動作の為、電
圧、或いは電流の立ち上がり/立ち下がり部分に於いて
高調波成分を含んでおり、不要輻射ノイズが増大し、他
の装置、或いは自装置に対してノイズが干渉する可能性
大。 (2)回路構成が複雑。 (3)第1の従来例と第2の従来例に共通する事である
が、定電圧回路に電力を供給する為の整流/平滑回路が
コンデンサインプット型である為、入力電流波形がパル
ス状波形となり、電源回路の力率が低下する事により同
じ負荷電力を得る為に必要な入力皮相電力が高くなり全
体的な電力変換効率が低下すると同時に、電圧歪みが発
生したり、他の装置に対して高調波電流障害を引き起こ
す。
【0030】尚、皮相電力とは、有効電力と無効電力の
積が言い、この皮相電力に占める有効電力の割合を力率
と言う(図12参照)。つまり、 力率=有効電力/皮相電力 である。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の従来例
及び第2の従来例に共通する問題点として、入力段の整
流平滑部の問題がある。従来の整流平滑部の構成は図9
及び図10に示すようなダイオードブリッジDBと平滑
コンデンサCaから成るコンデンサインプット型と呼ば
れているが、この様な方式の場合、入力電流波形が電圧
と同様の正弦波状とはならず、図12(C)に示すよう
にパルス状電流波形となり、基本周波数である50/6
0Hzに対して逓倍の高調波成分が含まれる事になり、
他の装置の入力コンデンサの異常温度上昇や、絶縁トラ
ンスからの異常発生など、その障害が今、問題になって
いる。
【0032】図9等に示すように、コンデンサインプッ
ト型整流回路の場合、入力側からコンデンサCaに対し
て電流が流れる期間は、整流された脈流電圧波形が、コ
ンデンサCaに蓄積されたコンデンサ端子電圧Vcより
も高くなった時にしか流れない為、図12(B)に示す
コンデンサCaの電圧波形において、図12(C)の様
に入力電流の導通角(実際にコンデンサに電流が流れる
期間)が短くなり、入力電流波形がパルス状となってい
る。
【0033】また、電源回路からの出力電流は、上記の
平滑コンデンサCaに流れる電流、即ちパルス状電流の
平均値と一致する為、負荷が重くなって、出力電流レベ
ルが高くなると、このコンデンサCaへの充電電流の平
均値レベルも上昇する。入力電流波形の平均値とは、即
ちパルス状電流波形の面積で表され、コンデンサCaへ
電流が流れる期間(導通角)は負荷条件に依らずに一定
であるから、このパルス状電流の平均値(図12(C)
に示した電流波形の面積)を上昇させる為には、電流値
の波高値を高くしてやる以外にない。これは、負荷電流
レベルが高くなるにつれて、入力電流の波高値も高くな
る事を意味する。
【0034】この様に、入力電流波形の波高値が高くな
る事により、商用電源電圧の電圧歪みが発生するなど、
商用電源自体の品質低下に繋がると同時に、入力電流の
実効値レベルも上昇する事になり、先述した様な他の装
置の入力コンデンサCaの異常発熱や、トランスからの
異音発生など他の装置に与える被害も甚大となる。ま
た、焼灼装置に関しても、同じ負荷電力が得る為に必要
な入力電流実効値が上昇する為、電力変換効率の低下に
繋がるなど弊害が大きい。
【0035】そこで、近年では、上記した様な弊害を防
止する為の前置電源手段としてアクティブ平滑フィルタ
方式が注目されてきている。このアクティブ平滑フィル
タの基本概念図を図13〜図15に示す。
【0036】図13〜図15は、アクティブ平滑フィル
タの基本概念を示しており、図13はアクティブ平滑フ
ィルタ全体構成図、図14は、アクティブ平滑フィルタ
制御部の構成図、そして図15はアクティブ平滑フィル
タの作用を示したものである。まず、図13を使ってア
クティブ平滑フィルタの全体的な動作概念を説明する。
【0037】商用電源は入力フィルタ部81を経てダイ
オードブリッジDB、ブーストインダクタL、スイッチ
ング電流検出回路82及びスイッチング回路83を経て
アクティブ平滑フィルタ84に入力されると共に、整流
用ダイオード85,平滑用コンデンサ86,抵抗87を
経て出力端から出力される。整流用ダイオード85は高
周波でスイッチングされた電力を整流する。このダイオ
ード85は高速で、かつソフトリカバリ特性が要求され
る。
【0038】上記出力端の電圧は図14に示すように抵
抗91、92で分圧されて出力安定化させる帰還信号を
伝送する信号線88によりアクティブ平滑フィルタ制御
部84に入力される。
【0039】スイッチング回路83はアクティブ平滑フ
ィルタ制御部84の出力信号でスイッチングし、このス
イッチング動作でブーストインダクタLの充放電が行わ
れて負荷側に電力を供給する。スイッチング電流検出回
路82はトランス,抵抗、コンデンサで構成され、その
出力はアクティブ平滑フィルタ制御部84に入力され
る。このスイッチング電流検出回路82はスイッチング
回路83に流れる電流を検出し、この検出した信号は最
終的にスイッチング回路83の駆動信号のパルス幅を決
定するファクタとなる。
【0040】また、ダイオードブリッジDBの脈流電流
も入力電流波形制御信号として信号線89を経てアクテ
ィブ平滑フィルタ制御部84に入力される。この場合、
入力電圧と相似形の電流波形とするために抵抗を介して
脈流波形状の電流を入力する。この信号は出力安定化さ
せる帰還信号と掛け合わされて最終的にはこの掛け算信
号と、スイッチング電流検出信号との比較により、スイ
ッチング回路を駆動するパルス波形のパルス幅が決定さ
れる。
【0041】なお、ダイオードブリッジDBによる脈流
波の波形を図15(A)に示す。また、アクティブ平滑
フィルタ制御部84はスイッチング回路83の抵抗を経
てMOSFET90のゲートにスイッチングさせる制御
パルスを送る。この制御パルスの波形を図15(B)に
示す。
【0042】図14に示すようにアクティブ平滑フィル
タ制御部84は、抵抗91、92で分圧された電圧を基
準電圧源93の電圧と比較してその誤差信号を出力する
オペアンプ94を有し、このオペアンプ94の出力は抵
抗を経て乗算器95に入力され、この乗算器95で脈流
電流(電圧)波形と乗算されて、PWMコンパレータ9
7に、スイッチング電流入力、基準電圧源96の基準電
圧とともに入力され、このPWMコンパレータ97から
出力されるパルス波形はパルス発生器98の出力と共
に、フリップフロップ99に入力され、このフリップフ
ロップ99からパルスを出力する。
【0043】アクティブ平滑フィルタは、図13に示す
通り、一種のスイッチング電源であり、トポロジとして
は昇圧コンバータに属する。従って、アクティブ平滑フ
ィルタの出力電圧は、商用入力電圧を直流した電圧より
も高い電圧となる。
【0044】アクティブ平滑フィルタ制御部84から
は、スイッチング回路83を駆動する為のパルス波形が
出力され、このパルス波形に応じてスイッチング回路8
3中のスイッチ素子(パワーMOSFET)がON/O
FF動作を繰返す。
【0045】まず、このスイッチ素子がONした時に
は、ダイオードブリッジDB、ブーストインダクタL、
スイッチング電流検出回路82、スイッチング回路83
中のスイッチ素子(パワーMOSFET)の経路で電流
が流れ、この電流により、ブーストインダクタLにはエ
ネルギが蓄積される。この時、整流ダイオード85のア
ノード端子の電位は基準電位GNDとなる為、整流ダイ
オード85は導通状態にはならず、負荷側に対してエネ
ルギの伝達は成されない。
【0046】そして、スイッチング回路83中のスイッ
チ素子(パワーMOSFET)が、OFF状態となった
時、ブーストインダクタLには逆起電圧が発生し、整流
ダイオード85が導通状態となる。この時、スイッチ素
子がONしていた期間にブーストインダクタLに蓄積さ
れたエネルギが、整流ダイオード85を介して全て負荷
側に供給される事になる。このブーストインダクタLか
ら流れる電流波形を図15(A)に示す。
【0047】スイッチング回路83の動作パルス波形の
制御は、図14に示すように決定される。出力電圧を所
定の分圧比で分圧し、誤差増幅器94の入力端子に入力
し、誤差増幅器94の他の入力端子に基準電圧を入力
し、その誤差を増幅するところまでは、前記した第2の
従来例中のスイッチング方式の電源回路のPWM方式と
同じであるが、アクティブ平滑フィルタ方式の場合は、
その誤差増幅器94の後段に乗算器95が設けられてい
る事が大きな特徴である。
【0048】この乗算器95の一方の入力端子には、前
記した誤差増幅器94の出力信号(直流レベル)が入力
され、もう一方の入力端子には、商用電源を整流した後
に得られる脈流状の電圧波形を電流信号として入力して
いる。従って、乗算器出力信号は、出力電圧に応じた直
流的な信号と、入力電圧波形に応じた信号を掛け合わせ
た脈流状の信号が出力される事になる。
【0049】上記の乗算器95から出力された脈流状の
信号は、PWMコンパレータ97の入力端子に入力さ
れ、PWMコンパレータ97の他の入力端子に入力され
たスイッチ素子に流れる電流と、基準電流レベルとを比
較する事により、所定のパルス幅を有するパルス波形が
生成される。そして、ここで決定されたパルス波形によ
って、スイッチング回路83が駆動される事になる。
【0050】この様に、アクティブ平滑フィルタ制御部
84では、アクティブ平滑フィルタ出力電圧と、入力電
圧波形の2つのパラメータに則って制御される為、出力
電圧の定電圧制御と、入力電流の正弦波化制御(力率改
善制御)の2通りの制御を同時に行っている事になる。
これにより、以下に示す様な効果が得られる。
【0051】(1)力率改善制御により入力電流波形が
電圧と同様、正弦波化となり(図15中のブーストイン
ダクタに流れる電流波形が入力電流波形となる)、力率
が改善され、電源回路に於ける電力変換効率が上昇する
と同時に、入力電流の高調波成分含有量が著しく低下
し、高調波電流による障害を防ぐ事が可能となる。
【0052】(2)アクティブ平滑フィルタ自体、定電
圧制御を行っている為、後段に接続されるDC−DCコ
ンバータに入力される電圧が一定となり、DC−DCコ
ンバータの設計が容易になる。
【0053】(3)整流された脈流電圧信号(厳密に言
えば、脈流電圧を電流信号に変換した信号)に則ってス
イッチング回路駆動パルス波形を決定している為、入力
電圧仕様をワールドワイド(例えば90〜264V)自
動切換えとする事が可能となる。
【0054】(4)但し、ワールドワイド入力対応とす
ると、回路構成が昇圧型コンバータであり、入力電圧よ
りも出力電圧仕様を高くしなければならない事から、ア
クティブ平滑フィルタの出力電圧仕様は400Vdc程
度となる。
【0055】従って、主電源スイッチを投入した直後に
このアクティブ平滑フィルタを起動させると、瞬間的に
図12の平滑コンデンサ(整流ダイオード85後段に設
けられた平滑用のコンデンサ)86を0から400Vま
で充電しなければならず、その時に流れるラッシュ電流
は極めて高くなる。そのため、商用電源電圧の低下や歪
み発生を起こし、電源系統の遮断を引き起こす事があ
る。
【0056】その為、従来、アクティブ平滑フィルタを
盛り込んだ回路では、主電源スイッチが投入されて、上
記した平滑コンデンサ86が所定のレベル(このレベル
は商用入力電圧レベルに依存する。例えば100V入力
の場合は、主電源スイッチ投入時の平滑コンデンサの充
電電圧は約140Vdc程度となる)まで充電された後
にアクティブ平滑フィルタを起動する様に、タイムシー
ケンスにより制御されているが(例えば図16参照)、
電気メス装置に搭載する場合、アクティブ平滑フィルタ
は高周波出力を行う時のみ動作していれば良く、待機時
に動作させる必要はない。
【0057】更に言えば、待機時に置いて、アクティブ
平滑フィルタを動作させる事は、電気メス装置の待機時
中に於ける消費電力を増やすだけであり、これは全く無
効電力となる為、省エネルギの観点からいっても、不要
である。
【0058】以上述べた内容を簡単に整理すると、従来
技術では以下に示すような問題が有った。 (1)近年の電子機器は軽薄短小化傾向が進んでおり、
医療機器に関しても同様の要望が高い。特に電気メス装
置の様に高電力を扱う機器では、装置全体で電源回路が
占める割合が高いが、第1の従来例に示した様なシリー
ズ方式の電源回路では、低周波用絶縁トランスが必要で
ある事、及び制御トランジスタの損失が高い為、放熱ス
ペースが必要と言う観点から小型化、軽量化には向いて
いなかった。
【0059】(2)近年の電子機器の小型化、軽量化、
並びに高効率化のニーズ高揚に伴い、最近では(1)に
示した様なシリーズ方式の電源回路方式から、スイッチ
ング方式の電源(第2の従来例)に置き換わりつつあ
る。しかしながら、高電力をスイッチングすると言う動
作形態から、スイッチ動作がONからOFF、及びその
逆の動作遷移時に於ける不要輻射ノイズレベルが高く、
自他装置を問わず、ノイズ干渉による誤動作が懸念され
ていた。
【0060】また、この電源回路からの出力電力は高周
波電力を生成する上で必要であるが、高周波電力を出力
する必要がない期間、即ち待機時に於いては動作させる
必要はない(無駄な消費電力が増大すると同時に、処置
を行うのではなく、観察している最中に、他の観測装置
へのノイズ干渉による画像劣化を引き起こす)。
【0061】(3)また、上記した電源回路方式(シリ
ーズ方式、及びスイッチング方式)に依らず、従来の電
源回路の入力部はダイオードブリッジと平滑用コンデン
サから成る整流平滑コンデンサを採用していたが、この
回路方式では、入力電流波形がパルス状となる為、入力
電流波形に高調波成分を含有する事になり、各種高調波
電流障害を引き起こすと同時に、電源回路の力率が低下
し、全体的な電力変換効率を低下させてしまうと言う問
題がある。
【0062】(4)上記(3)に示した問題点を解決す
る為に、近年ではアクティブ平滑フィルタ回路が注目さ
れているが、電気メス装置でこの回路方式を使用する場
合、アクティブ平滑フィルタを動作させるのは、術者が
高周波出力を行う時だけで充分である。
【0063】従って、従来のようにアクティブ平滑フィ
ルタの起動を主電源スイッチを投入してから、所定時間
後に行っていたのでは、起動時の突入電流を抑制させる
事は出来ても、待機時に於ける無効消費電力が増大する
などの問題が有った。
【0064】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
ので、 (1)無効電力を低減し、装置全体の効率を上げ、省エ
ネ化を目論むことができる高周波焼灼装置を提供するこ
とを目的とする。
【0065】(2)装置のダウンサイジングを図ると同
時に、不要輻射ノイズを低減し、他の医療機器や、高周
波焼灼装置本体に対するノイズ干渉を抑制することがで
きる高周波焼灼装置を提供することを目的とする。
【0066】(3)高周波焼灼装置内に配置されている
種々のセンサ信号に対するノイズ干渉を低減し、装置の
誤制御、誤動作を抑制することができる高周波焼灼装置
を提供することを目的とする。
【0067】
【課題を解決するための手段】高周波電流を組織に供給
する事により組織を切除、或いは/及び凝固するための
高周波電力生成部と、高周波電力を生成させる為の直流
電源生成部とを備えた高周波焼灼装置に於いて、高周波
電力生成部に対して、設定値に応じた直流電力を供給す
る為の、第1の調整された出力電圧を生成する第1の制
御電源手段と、前記第1の制御電源手段の前段に設けら
れており、前記第1の制御電源手段に供給する電源電圧
を昇圧し、所定の電圧にして出力する調整して出力する
第2の制御電源手段と、から成り、前記第1の制御電源
手段は、高周波電力の出力を制御する為の出力スイッチ
が操作された時点で起動するようになっており、前記第
2の制御電源手段は主電源スイッチが投入された後に、
ユーザの設定スイッチの操作状態に応じて起動するよう
に制御した事により、この第1の制御電源手段は、ユー
ザが出力スイッチを操作しない限り動作しない為、スイ
ッチング電源のように動作時に高レベルのノイズを発す
る回路を搭載しても、実際に高周波出力を行なう時のみ
動作する為、それ以外の待機状態においては動作しな
い。故に、不要輻射ノイズが発せられる事もなく、他の
医療機器に対するノイズ干渉を防止する事が可能となる
と同時に、高周波電力を発生させる必要のない時には動
作しない為、無駄な電力消費を削減できる様になる。
【0068】更に、第1の制御電源手段に供給する為の
第2の制御電源手段の起動を、主電源スイッチを投入し
た後に、ユーザが更にフロントパネル上等に設けた設定
スイッチを押す事で起動させる構成としている為、やは
り、上記した通り、無駄な電力を削減できると同時に、
第2の制御電源手段起動時に於けるラッシュ電流を分散
させる事が可能となり、瞬間的な入力電源電圧の低下な
どを抑制する事が可能となる。
【0069】また、高周波電流を組織に供給する事で組
織切除、或いは/及び凝固するための高周波電力を生成
する高周波電力生成部を備えた高周波焼灼装置におい
て、高周波焼灼装置の出力状況、或いは/及び異常状態
を監視する為の各種センサ、上記各種センサにより得ら
れた信号を、直流信号に変換する為の第1の信号変換回
路と、上記第1の信号変換回路により変換された信号
を、特定の周期でサンプリング及びホールドする為のサ
ンプル/ホールド回路と、上記サンプルホールド回路に
よりホールドされた信号をデジタル信号に変換する為の
第2の信号変換回路と、から成り、上記サンプル/ホー
ルド回路は、高周波電力生成部から高周波電力を出力さ
せる出力期間と出力を休止させる休止期間とを周期的に
持つように駆動する駆動信号に基づいて前記休止期間に
サンプリングをし、前記出力期間にはホールドするサン
プル/ホールド駆動信号により駆動されるように信号処
理を行うようにすることにより、各種センサ信号を高周
波電力が出力されていない休止期間にサンプリングを行
い、出力期間にホールドして、デジタル信号に変換して
制御部などに取り込むことにより、そのデジタル信号に
は高周波電力の出力期間におけるノイズが重畳しにくく
なり、高周波焼灼装置等の装置の誤動作を防止すること
ができるようにしている。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施の形態)図1ないし図7は本発明の第1の
実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の高周波焼
灼装置を使用例で示し、図2は高周波焼灼装置の全体構
成を示し、図3は前置電源回路と可変電源回路の構成を
示し、図4は高周波電力を生成するパワーアンプ及び電
流検出部の構成を示し、図5は信号処理部としての電流
検出回路の構成を示し、図6は図5の動作説明図を示
し、図7は本実施の形態におけるパワーアンプの出力波
形を従来例との比較で示す。
【0071】図1に示すように高周波電流により切除、
凝固等の処置を行う高周波焼灼装置1は、電源コード2
のプラグ2aを商用電源のコンセントに接続し、(主)
電源スイッチ3をONすることにより、商用電源が供給
されるようになっている。
【0072】この高周波焼灼装置1には、高周波電流の
ON/OFFを行う例えばフットスイッチで構成された
出力スイッチ4が接続されており、術者はこのフットス
イッチを踏む操作により高周波電流のON/OFFを行
う。
【0073】また、この高周波焼灼装置1の前面には、
例えば電源スイッチ3に隣接して生体組織5のポリープ
等の処置部位6に対して高周波電流を流すための処置具
電極7が先端に接続されたアクティブコード8の基端が
接続されるアクティブコード端子9Aと、生体組織5に
広い面積で接触する対極板10に接続された対極板接続
端子9B、9Cと、処置具電極7が内視鏡11のチャン
ネルを通して使用される場合に該内視鏡11の金属部に
接続される内視鏡接続端子9Dとが設けてあると共に、
出力スイッチ4に接続された接続コードが接続される出
力スイッチ接続端子9Eとが設けてある。
【0074】また、この高周波焼灼装置1の前面には、
操作パネル12が設けてあり、この操作パネル12を操
作して、切除或いは凝固等の処置に応じて処置部位6に
対する処置に応じて高周波駆動波形を設定したり、出力
値等を設定することができるようにしている。図2は高
周波焼灼装置1の内部構成を示す。
【0075】電源コード2により供給される商用電源は
直流電源回路部14を構成する前置電源回路15に入力
され、この前置電源回路15により力率改善を行った直
流電力を生成した後、操作パネル12での設定値に応じ
た直流電力を生成する可変電源回路16に入力される。
【0076】前置電源回路15及び可変電源回路16は
これを制御する制御回路17と接続されている。また、
この制御回路17は出力スイッチ4とスイッチ検知を行
うスイッチ検知回路18を介して接続されると共に、操
作パネル12とも接続されている。
【0077】そして、制御回路17は操作パネル12に
より設定したモードに応じて前置電源回路15を制御す
る第1の起動信号S1を出力し、可変電源回路16に所
定の基準電圧信号を送出する。また、出力スイッチ検知
回路18は出力スイッチ4のON操作を検知した場合の
第2の起動信号S2を可変電源回路16に印加して、可
変電源回路16を動作状態に設定したり、出力スイッチ
4のOFF操作を検知して可変電源回路16を待機状態
に設定したりする制御を行う。
【0078】可変電源回路16の電源は高周波電力を生
成するパワーアンプ(高周波電力生成部)21の電源端
に印加され、その電源の元で波形成形回路19の出力波
形の信号をパワーアンプ21で増幅することにより高周
波電力に変換して、出力トランス22の1次巻線に印加
する。
【0079】そして、トランス22の2次巻線から高周
波電流を検出する電流検出回路23a、23bを経た
後、さらにカップリング用コンデンサ部24のコンデン
サ24a及び24b、24cを経てアクティブコード端
子9A及び対極板接続端子9B、9Cから出力される。
また、内視鏡接続端子9Dもコンデンサ24dを介して
電流検出回路23cと接続されている。
【0080】これら3つの電流検出回路23a〜23c
の検出出力は信号変換回路(より具体的にはAC/DC
変換回路)25に入力され、直流信号に変換された後、
信号比較回路26により高周波の漏れ等が無いか比較さ
れ、その比較結果は制御回路17に入力される。
【0081】また、信号変換回路(AC/DC変換回
路)25の出力信号はさらに信号変換回路(より具体的
にはA/D変換回路)27に入力され、デジタルの信号
に変換された後、制御回路17に入力され、これらの入
力信号をもとに制御回路17は可変電源回路16及び波
形成形回路19を制御する。
【0082】また、電流検出回路23b及び23cとカ
ップリングコンデンサ部24と各接続部も電流検出回路
23dに接続され、電流を検出した出力信号は接続/断
線検知回路28に入力され、電流検出回路23dの出力
信号により、分割された2枚の対極板を用いた場合も含
めてその断線の有無(つまり、接続状態或いは断線状
態)を検知し、その検知結果を制御回路17に出力す
る。
【0083】制御回路17は接続/断線検知回路28の
検知結果に応じて波形生成回路19及び可変電源回路1
6の出力を制御する。
【0084】また、電流検出回路23bとカップリング
コンデンサ部24との接続部はインピーダンス検知回路
29と接続され、分割された2枚の対極板の場合のイン
ピーダンスの検出によりそれらが生体に接触しているか
否かを検出し、その検出信号は信号変換回路(AC/D
C変換回路)31に入力され、直流信号に変換された
後、その出力信号はさらに信号変換回路(A/D変換回
路)32に入力され、デジタルの信号に変換された後、
制御回路17に入力され、インピーダンス検知回路29
の検出信号をもとに制御回路17は前置電源回路15及
び波形成形回路19の動作を制御する。
【0085】図3は直流電源回路部14、つまり前置電
源回路15と可変電源回路16の構成を示す。
【0086】商用の交流電源33から交流電力はダイオ
ードブリッジ34を経て全波整流された後、その陽極側
端子はブーストインダクタ35を経て、整流用のダイオ
ード36のアノードに印加されると共に、スイッチング
素子としてのMOSFET37のドレインに印加され
る。
【0087】ダイオード36のカソードには平滑用コン
デンサ38の一端が接続され、その他端はダイオードブ
リッジ34の負極側端子に接続され、このコンデンサ3
8の両端が前置電源回路15の出力端となっている。
【0088】また、MOSFET37のドレインは抵抗
39を介してダイオードブリッジ34の負極側端子に接
続され、またそのゲートはゲート制御部40の出力端に
接続されている。
【0089】このゲート制御部40はダイオードブリッ
ジ34の陽極側端子とダイオード36のカソードの電圧
が入力され、また制御回路17から操作パネル12の操
作による第1の起動信号S1が制御回路17を介して入
力されるようにしている。
【0090】つまり、電源スイッチが単にONされた状
態では制御回路17はゲート制御部40に第1の起動信
号S1をMOSFET37に出力しない状態で、このM
OSFET37は常時OFFであり、ユーザにより操作
パネル12が操作されると、その操作パネル12の操作
信号を検出すると、制御回路17はゲート制御部40を
起動する第1の起動信号S1を出力し、ゲート制御部4
0この第1の起動信号S1を受けてスイッチング信号を
MOSFET37に出力する。
【0091】そして、単に電源スイッチのONにより、
ダイオードブリッジ34で商用電源を整流した脈流でコ
ンデンサ38を急速に充電した状態において、さらにユ
ーザにより操作パネル12が操作されると、ゲート制御
部40は動作状態となり、MOSFET37を商用電源
の周波数よりもはるかに周波数が高い周波数(数10k
Hz〜数100kHz)で高速にスイッチング動作させ
ることにより、脈流の直流電源の状態でのスイッチング
動作により、MOSFET37をON時にチョークコイ
ル35にエネルギを蓄積し、OFF時にそのエネルギを
放出させてダイオード36を介してコンデンサ38側に
出力させるようにして、単なるコンデンサインプット型
の電源回路の場合よりも、負荷側へ供給できる電力を大
きくしている。
【0092】つまり、脈流波を直接スイッチングした
後、整流して平滑化するため、入力電流を正弦波状にす
ることが可能となり、従来例で説明したコンデンサイン
プット型の電源回路の場合の流通角が小さいパルス状の
入力電流の場合の力率が低い状態を改善できる力率改善
回路として機能する。また、流通角が小さいパルス状の
入力電流の場合の高調波成分が多く含まれることを低減
化することができるようにしている。
【0093】また、電源スイッチのONの時にコンデン
サ38を急速に充電するラッシュ電流と、操作パネル1
2をONした場合にコンデンサ38を急速に充電するラ
ッシュ電流との2回に分けてコンデンサ38を充電する
構成にすることにより、1回で充電する場合よりもラッ
シュ電流を小さくして、このラッシュ電流時における放
射ノイズを低減化できるようにしている。
【0094】DC−DCコンバータとして機能する可変
電源回路16は、前置電源回路15の出力端に接続され
たその入力端にはトランス41の1次巻線を介してスイ
ッチング素子としてのMOSFET42のドレイン−ソ
ースが接続され、このトランス41の2次巻線のの一端
にはダイオード43のアノードが接続され、また2次巻
線の他端はダイオード44を介して前記ダイオード43
のカソードに接続され、両カソードはチョークコイル4
5を介してコンデンサ46の一端に接続され、このコン
デンサ46の他端は2次巻線の他端に接続され、コンデ
ンサ46の両端が可変電源回路16の直流出力端となっ
ている。
【0095】また、MOSFET42のゲートは、この
MOSFET42をそのゲートに印加する第2の起動信
号S2でMOSFET42をスイッチング動作させるこ
とにより、DC/DCコンバータとして動作をさせるゲ
ート制御部47の出力端に接続され、このゲート制御部
47には可変電源回路16の陽極側出力端の電圧が入力
されると共に、出力スイッチ検知回路18からの第2の
起動信号S2が入力されるようになっている。
【0096】そして、出力スイッチ4がONされた時
間、出力スイッチ検知回路18は第2の起動信号S2を
ゲート制御部47に出力し、このゲート制御部47は第
2の起動信号S2が出力されている時間、MOSFET
42のゲートにスイッチング信号を印加して、このMO
SFET42のドレイン−ソース間をON/OFFし、
前置電源回路15の出力端からの直流電力を可変電源回
路16でDC/DC変換して、出力端から負荷側に供給
する。
【0097】図4は高周波電力を生成するパワーアンプ
21及び出力電流検出部の構成を示す。可変電源回路1
6の電力は出力トランス22のセンタタップに印加さ
れ、その両端には逆方向ダイオードD1とスイッチング
回路52の出力端がそれぞれ接続されている。
【0098】また、波形生成回路19の出力信号S3は
パワーアンプ21のプリアンプ53を経てスイッチング
回路52に入力される。このプリアンプ53は波形生成
回路19からの出力信号S3が抵抗R1を介して相補的
接続で、それぞれコレクタが電源端とグランドに接続さ
れたトランジスタQ1及びQ2のベースに印加され、増
幅されてスイッチング回路52に入力される。
【0099】スイッチング回路52に入力された信号は
抵抗R2を経てMOSFETT3のゲートに印加され、
このゲートは抵抗R3を介して接地され、ドレインは出
力トランス22に接続され、ソースは接地されている。
また、ドレイン−ソース間は抵抗R4及びコンデンサC
1と、逆方向ダイオードD2とが並列に接続されてい
る。
【0100】また、波形生成回路19の出力信号S3は
位相反転回路54により位相反転された信号に変換され
た後、この信号はドライバ55を介して電流検出信号変
換回路56にサンプル/ホールド駆動信号S4として入
力される。このドライバ55はプリアンプ53と同様に
抵抗R5と相補的接続のトランジスタQ4及びQ5で構
成されている。
【0101】この電流検出信号変換回路56には出力ト
ランス22の2次側に配置され、高周波電流を検出する
電流センサ57a、57b、57cの出力信号が入力さ
れる。また、この電流検出信号変換回路56は図5に示
すような構成である。なお、図4の電流検出信号変換回
路56は図3の3つの同じ構成の電流検出回路23a〜
23cをまとめて示し、図5ではその1つの電流検出回
路を示している。
【0102】電流センサの検出信号は整流回路61に入
力され、整流して平滑回路62に出力する。つまり、電
流センサの検出信号は抵抗R6を介して演算増幅器(オ
ペアンプと略記)A1の反転入力端に印加され、非反転
入力端は抵抗R7を介して接地されている。また、反転
入力端は逆方向ダイオードD3を介してその出力端に接
続され、この出力端は逆方向ダイオードD4を介して整
流回路61の出力端に接続され、また、この出力端は抵
抗R8を介してオペアンプA1の反転入力端に接続され
ている。
【0103】整流回路61の出力信号は平滑回路62を
構成する抵抗R9を経てオペアンプA2の反転入力端に
印加され、このオペアンプA2の非反転入力端は抵抗R
10を介して接地されている。また、オペアンプA2の
反転入力端は並列接続の抵抗R11及びコンデンサC2
を介してその出力端に接続されている。この出力端は平
滑回路62の出力端となり、この平滑回路62で平滑さ
れた出力信号は、サンプル/ホールド回路63を構成す
る抵抗R12を介してオペアンプA3の非反転入力端に
印加され、このオペアンプA3の反転入力端は抵抗R1
3を介して接地されると共に、抵抗R14を介して次段
のオペアンプA4の反転入力端に接続されている。
【0104】また、オペアンプA3の出力端は次段のオ
ペアンプA4の非反転入力端に接続されると共に、MO
SFETQ6のドレインと接続され、そのソースはホー
ルド用コンデンサC3を介して接地され、そのゲートに
は図4に示すドライバ55からのサンプル/ホールド駆
動信号S4が印加される。なお、図5では点線でサンプ
ル/ホールド駆動信号発生回路65で示し、このサンプ
ル/ホールド駆動信号発生回路65はサンプル/ホール
ド駆動信号S4をMOSFETQ6のゲートに印加す
る。
【0105】このサンプル/ホールド回路63の出力信
号はフィルタ64を通り、さらに信号変換回路(A/D
変換回路)32を経て制御回路17に入力され、この制
御回路17は信号変換回路32の出力に応じて、つまり
正常に高周波電流が流れている状態か漏電等の異常な状
態であるかに応じて波形成形回路19及び直流電源回路
部14の出力の継続/遮断制御を行い、安全性を確保す
る。
【0106】本実施の形態における図4及び図5の構成
による電流検出の信号処理部では、図6(A)に示すよ
うに波形生成回路19の出力信号S3は期間TaでHi
gh、期間TbでLowとなる周期Ta+Tbの矩形波
状の波形であり、この信号S3によって駆動されるパワ
ーアンプ21、つまり高周波出力の出力波形は図6
(B)に示すように期間Taでパルス形状となり、期間
Tbで休止期間を持つ出力電圧(出力電流)の波形とな
る。
【0107】そして、電流を検出する電流検出の信号処
理部では電流センサ57a〜57cの検出信号を図6
(C)に示すように、高周波出力が停止している期間T
bにサンプリングして、高周波出力期間Taではホール
ドするようにして、高周波出力期間Taにおけるノイズ
の発生の影響を殆ど受けることなく、電流検出の信号を
制御回路17に送ることができるようにしている。
【0108】本実施の形態の高周波焼灼装置1では図2
或いは図3に示すように直流電源回路部14を高周波電
力生成部に対し、設定値に応じた直流電力を供給する第
1の制御電源手段としての可変電源回路16と、この可
変電源回路16の前段に設けられ、出力電圧を昇圧して
この可変電源回路16に供給する第2の制御電源手段と
しての前置電源回路15との2段構成にしてる。また、
操作パネル12の設定により、制御回路17を介して前
置電源回路15を起動し、出力スイッチ4のON操作に
より可変電源回路16を起動させるようにしていること
が特徴となっている。
【0109】次に本実施の形態の作用を説明する。ユー
ザは図1に示すように設定した状態で、電源スイッチ3
をON(投入)すると、まず図2中のコンデンサ38が
入力電源電圧レベルに応じて所定の電圧まで充電され
る。
【0110】そして、その後、ユーザが操作パネル12
中のスイッチを操作する事により、第2の制御電源手段
としての前置電源回路15が動作を開始し、図2中のコ
ンデンサ38を更に高い電圧、つまり第1の制御電源手
段としての可変電源回路16側で必要とする所定の電圧
まで充電させる。
【0111】この様に、電源スイッチ3を投入時と、第
2制御電源手段起動時とに、コンデンサ38を充電させ
る為に必要な突入電流を段階的に流すようにした為、瞬
間的な突入電流レベルを低下させる事が可能となり、商
用電源電圧の瞬間的な低下や、商用電源電圧歪を抑制出
来る。
【0112】更に、ユーザが操作パネル12を押さない
限り、第2の制御電源手段は動作しない為、高周波焼灼
装置1の待機中に於ける無効電力を低減させる事が可能
となる。
【0113】更に、第1制御電源手段は、ユーザが高周
波出力電力のON/OFFを制御する出力スイッチ4を
操作した時のみに動作する為、操作待機中に於ける無効
電力の消費を抑制でき、且つ操作待機中に於ける第1制
御電源手段からの不要輻射ノイズは発生せず、他の内視
鏡システムに対して干渉を及ぼす事がない。
【0114】上記操作パネル12により設定した出力モ
ード、及び出力設定値に応じて、制御回路17から波形
生成回路19、及び可変直流電源回路16に対して波形
選択信号、及び所定の基準電圧信号をそれぞれ送出し、
図4に示すようにプリアンプ53、スイッチング回路5
2、及び出力トランス22の一次巻線から成る高周波電
力生成部に所定の駆動波形、及び直流電力を供給する。
この高周波電力生成部により変換された高周波電力は、
出力トランス22により、絶縁及び昇圧された後、高周
波焼灼装置1の出力端子側に供給される。
【0115】一方、波形生成回路19から出力された波
形は、位相反転器54及びドライバ55を通して、電流
検出信号変換回路56中の図5に示すサンプル/ホール
ド回路63に供給され、サンプル/ホールド回路63を
駆動する。
【0116】電流検出信号変換回路56では整流回路6
1、及び平滑回路62で直流信号に変換された出力電流
検出信号は、高周波電力が出力されている期間(図6中
のTaの期間)にはサンプル/ホールド回路63が駆動
されていない期間になる為、検出信号はサンプルリング
されない。
【0117】次に、高周波電力が出力されない期間(図
6中のTbの期間)にはサンプル/ホールド回路63が
駆動される為、この時に出力電流検出信号をサンプリン
グ、ホールドしてデジタル信号に変換した後に制御回路
17へ伝送する。
【0118】これにより、最もノイズが検出信号に重畳
しやすい高周波電力出力中には検出信号が取り込まれる
事はなく、高周波電力が出力されていない期間、即ち、
ノイズが発生していない期間に検出信号を取り込めるよ
うになる為、検出信号にノイズが重畳する事がなく、結
果的に誤動作や誤制御を防止する事が可能となる。
【0119】このように、電気メス装置内部に配置され
ている種々のセンサー信号を、高周波電力が出力されて
いない期間にサンプリング、ホールドして、デジタル信
号に変換して制御部へ取り込む為、制御部に取り込まれ
た信号にはノイズが重畳しにくくなり、装置の誤作動を
防止する事が可能となる。
【0120】また、高周波電力生成部に供給する第1の
制御電源手段の前段に、別の第2の制御電源手段を設
け、この第2の電源手段により、第1の制御電源手段に
供給する電圧を安定化すると同時に、電源の力率を改善
させる事が可能な為、入力電流波形を電圧と相似形であ
る正弦波状にする事が可能となり、結果的に、高調波電
流障害の対応、消費電力の低減、並びに商用電源電圧の
瞬間的な低下(入力電圧歪)を抑制する事が可能とな
る。
【0121】また、本実施の形態では図6(B)或いは
図7(A)に示すようにパルス状の出力波形であり、こ
れに対し従来例は図7(B)に示すように正負の値を持
つ正弦波状の出力波形であった。
【0122】従来例では正弦波状の出力波形であり、常
に高周波電力を組織に対して供給することになる。これ
により組織侵襲度が高くなり、電極の操作方法次第では
周辺組織を充分に凝固できない状態で緊縛力だけで切除
してしまい、出血を引き起こす可能性が大きい。
【0123】これに対し、本実施の形態ではパルス状の
出力波形であり、高周波電力の休止期間が存在する。こ
の為、止血作用が強くなる為、周辺組織を充分に凝固す
る事が可能。また、パルス状波形とする事で、出力波形
のクレストファクタが高くなり、結果的に同じ電力を出
力した際に於ける出力電圧のピーク値が正弦波形よりも
高くなり、出力端部に於けるアーク放電を安定して維持
できる為、組織切除能力を高める事が可能となる。
【0124】本実施の形態は以下の効果を有する。 (1)高周波電力を生成する為に必要な直流電源を2段
構成とし、前置電源手段を設ける事で電源回路の力率を
改善でき、省エネ化を目論むと同時に高調波電流規制へ
の対応、及び入力電源電圧の歪を抑制する事が可能とな
る。 (2)高周波電力を生成する為に必要な直流電源をスイ
ッチング電源化する事が可能な為、装置の小型軽量化が
図れ、尚且つ、上記電源回路は必要な時(高周波電力を
実際に出力する時)にしか動作しない為、装置待機時に
おける不要輻射ノイズを抑制し、他の医療機器へのノイ
ズ干渉を防止できる。
【0125】(3)2段構成とした各制御電源手段は、
それぞれ、ユーザが必要時に起動させる事が可能な為、
装置待機中に於ける無効電力を抑制できる。また、前置
電源手段への突入電流を分散化させる事で、瞬間的なラ
ッシュ電流レベルを抑える事が可能となり、商用電源電
圧の瞬間的な低下を抑制できる。
【0126】(4)装置内部のセンサ信号は、高周波電
力が出力されていない期間にサンプル/ホールドされる
為、最終的に制御回路に取り込まれるセンサ信号にはノ
イズが重畳しにくく、誤動作を防止できる。
【0127】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態を図8を参照して説明する。図8は第2の実
施の形態における高周波電力生成部の構成を示す。第1
の実施の形態における信号処理部は図4に示す構成であ
り、波形成形回路19の出力信号S3を位相反転回路5
4で位相反転して、ドライバ55を経てサンプル/ホー
ルド信号S4を電流検出信号変換回路56に印加するよ
うにしていたが、本実施の形態では、例えば出力信号S
3をモノステーブルマルチバイブレータ(以下、モノマ
ルチと略記)59に入力して、この出力信号S3の立ち
上がりエッジでモノマルチ59をトリガして、図6のT
aに期間より長く、かつTa+Tbより短いパルス幅の
パルスを出力させ、それを位相反転回路54で反転させ
た信号をドライバ55を経てサンプル/ホールド信号S
4′として電流検出信号変換回路56に印加するように
している。なお、モノマルチ59による出力パルスの幅
は外付けするコンデンサと抵抗の時定数の設定で上記の
ようなパルス幅に設定できる。その他は第1の実施の形
態と同様の構成であり、その説明を省略する。
【0128】つまり、本実施の形態では、高周波電力の
出力が休止する期間Tb内で、その期間Tbより短い期
間Tcに電流センサの出力信号をサンプリングし、それ
を期間Taを含む期間(Ta+Tb−Tc)だけ、ホー
ルドするようにしたものである。その他は第1の実施の
形態と同様である。換言すると、休止する期間Tb内で
サンプリングし、少なくとも高周波電力が出力される期
間(実際にはこの期間以上)、サンプリングした信号を
ホールドするようにしている。
【0129】図8の構成にすると、高周波電流がパルス
状に流れる出力期間(図6のTaの期間)の境界付近
で、高周波電力が出力される際の電流と電圧との位相ず
れが存在しても、その場合のノイズを受ける影響を少な
く電流検出の動作を行うことができる。
【0130】[付記] 1.高周波電流を組織に供給する事により組織を切除、
或いは/及び凝固するための高周波電力生成部と、高周
波電力を生成させる為の直流電源生成部とを備えた高周
波焼灼装置に於いて、高周波電力生成部に対して、設定
値に応じた直流電力を供給する為の、第1の調整された
出力電圧を(スイッチング手段を用いて)生成する第1
の制御電源手段と、前記第1の制御電源手段の前段に設
けられており、前記第1の制御電源手段に供給する電源
電圧を(スイッチング手段を用いて)昇圧し、所定の電
圧にして出力する第2の制御電源手段と、から成り、前
記第1の制御電源手段は、高周波電力の出力を制御する
為の出力スイッチが操作された時点で起動するようにな
っており、前記第2の制御電源手段は主電源スイッチが
投入された後に、ユーザの設定スイッチの操作状態に応
じて起動するように制御した事を特徴とする高周波焼灼
装置。
【0131】2.高周波電流を組織に供給する事で組織
切除、或いは/及び凝固するための高周波電力生成部を
備えた高周波焼灼装置において、高周波焼灼装置の出力
状況、或いは/及び異常状態を監視する為の各種セン
サ、上記各種センサにより得られた信号を、直流信号に
変換する為の第1の信号変換回路と、上記第1の信号変
換回路により変換された信号を、特定の周期でサンプリ
ング及びホールドする為のサンプル/ホールド回路と、
上記サンプルホールド回路によりホールドされた信号を
デジタル信号に変換する為の第2の信号変換回路と、か
ら成り、上記サンプル/ホールド回路は、高周波電力生
成部から高周波電力を出力させる出力期間と出力を休止
させる休止期間とを周期的に持つように駆動する駆動信
号に基づいて前記休止期間にサンプリングをし、前記出
力期間にはホールドするサンプル/ホールド駆動信号に
より駆動されるように信号処理を行う事を特徴とする高
周波焼灼装置。
【0132】3.高周波電流を組織に供給する事によ
り、組織を切除、或いは/及び凝固する高周波焼灼装置
内に設置されて高周波電力を生成させる為の高周波焼灼
装置用直流電源回路に於いて、高周波電力生成部に電力
を供給する為の第1の調整された出力電圧を生成する第
1の制御電源手段と、前記第1の制御電源手段の前段に
設けられており、前記第1の制御電源手段に供給する電
源電圧を調整する為の第2の制御電源手段と、から成
り、上記第2の制御電源手段内では、前記第1の制御電
源手段に供給する電圧を調整するだけでなく、直流電源
回路の力率改善制御を同時に行なっている事を特徴とし
た高周波焼灼装置用直流電源回路。4.高周波電流を組
織に通電して、処置部位を切開、或いは/及び凝固する
高周波焼灼装置に於いて、切開出力時に置いて高周波電
力生成部から出力される電圧波形、或いは/及び電流波
形がパルス状の波形で出力するようにした事を特徴とす
る高周波焼灼装置。
【0133】(付記4の背景)QOL(Quolity
of Life)の認識が高まりつつある昨今では、
患者に対する処置も低侵襲で、且つ質の高い処置が望ま
れており、この様な要望に対して従来から内視鏡で体内
を観測しながらポリープ切除などの処置が可能な電気メ
ス装置が開発されている。通常、この様に処置部位を切
除するような症例では切開モードが使用され、正弦波形
に近い連続的な高周波電流が供給されるが、この様な波
形の場合、常に連続的に高周波電流が組織に対して供給
される為、組織への侵襲度が高く、尚且つ電極の操作の
仕方によっては周辺組織を充分に凝固できない状態でス
ネアなどの緊縛力だけで切除してしまう事が有った為、
出血を伴ったり、或いは過剰電力の供給により穿刺を引
き起こすなどの弊害が懸念されていた。
【0134】(付記4の目的)電極操作によらず、組織
切除モードに於いても確実に周辺組織を凝固でき、短時
間で、安全に処置が可能な電気メス装置を提供する事を
目的とする。これを達成するために付記4の構成にし
た。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
周波電流を組織に供給する事により組織を切除、或いは
/及び凝固するための高周波電力生成部と、高周波電力
を生成させる為の直流電源生成部とを備えた高周波焼灼
装置に於いて、高周波電力生成部に対して、設定値に応
じた直流電力を供給する為の、第1の調整された出力電
圧を生成する第1の制御電源手段と、前記第1の制御電
源手段の前段に設けられており、前記第1の制御電源手
段に供給する電源電圧を昇圧し、所定の電圧にして出力
する調整して出力する第2の制御電源手段と、から成
り、前記第1の制御電源手段は、高周波電力の出力を制
御する為の出力スイッチが操作された時点で起動するよ
うになっており、前記第2の制御電源手段は主電源スイ
ッチが投入された後に、ユーザの設定スイッチの操作状
態に応じて起動するように制御しているので、この第1
の制御電源手段は、ユーザが出力スイッチを操作しない
限り動作しない為、スイッチング電源のように動作時に
高レベルのノイズを発する回路を搭載しても、実際に高
周波出力を行なう時のみ動作する為、それ以外の待機状
態においては動作しない。故に、不要輻射ノイズが発せ
られる事もなく、他の医療機器に対するノイズ干渉を防
止する事が可能となると同時に、高周波電力を発生させ
る必要のない時には動作しない為、無駄な電力消費を削
減できる。
【0136】更に、第1の制御電源手段に供給する為の
第2の制御電源手段の起動を、主電源スイッチを投入し
た後に、ユーザが更にフロントパネル上等に設けた設定
スイッチを押す事で起動させる構成としている為、やは
り、上記した通り、無駄な電力を削減できると同時に、
第2の制御電源手段起動時に於けるラッシュ電流を分散
させる事が可能となり、瞬間的な入力電源電圧の低下な
どを抑制する事が可能となる。
【0137】また、高周波電流を組織に供給する事で組
織切除、或いは/及び凝固するための高周波電力を生成
する高周波電力生成部を備えた高周波焼灼装置におい
て、高周波焼灼装置の出力状況、或いは/及び異常状態
を監視する為の各種センサ、上記各種センサにより得ら
れた信号を、直流信号に変換する為の第1の信号変換回
路と、上記第1の信号変換回路により変換された信号
を、特定の周期でサンプリング及びホールドする為のサ
ンプル/ホールド回路と、上記サンプルホールド回路に
よりホールドされた信号をデジタル信号に変換する為の
第2の信号変換回路と、から成り、上記サンプル/ホー
ルド回路は、高周波電力生成部から高周波電力を出力さ
せる出力期間と出力を休止させる休止期間とを周期的に
持つように駆動する駆動信号に基づいて前記休止期間に
サンプリングをし、前記出力期間にはホールドするサン
プル/ホールド駆動信号により駆動されるように信号処
理を行うようにしているので、各種センサ信号を高周波
電力が出力されていない休止期間にサンプリングを行
い、出力期間にホールドして、デジタル信号に変換して
制御部などに取り込むことにより、そのデジタル信号に
は高周波電力の出力期間におけるノイズが重畳しにくく
なり、高周波焼灼装置等の装置の誤動作を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の高周波焼灼装置を
使用例で示す外観図。
【図2】高周波焼灼装置の全体構成を示すブロック図。
【図3】前置電源回路と可変電源回路の構成を示す回路
図。
【図4】高周波電力を生成するパワーアンプ及び電流検
出部の構成を示す回路図。
【図5】信号処理部としての電流検出回路の構成を示す
回路図。
【図6】図5の動作説明図。
【図7】本実施の形態におけるパワーアンプの出力波形
を従来例との比較で示す図。
【図8】第2の実施の形態におけるパワーアンプ及び電
流検出部の構成を示す回路図。
【図9】第1の従来例におけるシリーズ方式の電源回路
を示す図。
【図10】第2の従来例におけるスイッチング方式の電
源回路を示す図。
【図11】パルス幅変調方式のゲート制御手段の基本構
成及び動作説明の図。
【図12】コンデンサインプット型の電源回路の構成及
びその動作説明の図。
【図13】アクティブ平滑フィルタ方式の電源回路の構
成を示す回路図。
【図14】アクティブ平滑フィルタ制御部の構成を示す
図。
【図15】図13の動作説明の波形図。
【図16】図13をタイムシーケンスで動作させた場合
の出力電圧の変化の様子を示す図。
【符号の説明】
1…高周波焼灼装置 3…(主)電源スイッチ 4…出力スイッチ 5…生体組織 7…処置具電極 8…アクティブコード 9A…アクティブコード端子 9B,9C…対極板接続端子 9D…内視鏡接続端子 12…操作パネル 14…直流電源回路部 15…前置電源回路 16…可変電源回路 17…制御回路 18…出力スイッチ検知回路 19…波形成形回路 21…パワーアンプ 22…トランス 23a〜23d…電流検出回路 25,31,32…信号変換回路 26…信号比較回路 28…接続/断線検知回路 29…インピーダンス検知回路 32…商用電源 34…ダイオードブリッジ 35…インダクタ 36,43,44…ダイオード 37,42…MOSFET 38,46…コンデンサ 40,47…ゲート制御部 41…トランス 52…スイッチング回路 53…プリアンプ 54…反転器 55…ドライバ 56…電流検出信号変換回路 57a〜57c…電流センサ 61…整流回路 62…平滑回路 63…サンプル/ホールド回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電流を組織に供給する事により組
    織を切除、或いは/及び凝固するための高周波電力生成
    部と、高周波電力を生成させる為の直流電源生成部とを
    備えた高周波焼灼装置に於いて、 高周波電力生成部に対して、設定値に応じた直流電力を
    供給する為の、第1の調整された出力電圧を生成する第
    1の制御電源手段と、 前記第1の制御電源手段の前段に設けられており、前記
    第1の制御電源手段に供給する電源電圧を昇圧し、所定
    の電圧にして出力する第2の制御電源手段と、 から成り、前記第1の制御電源手段は、高周波電力の出
    力を制御する為の出力スイッチが操作された時点で起動
    するようになっており、前記第2の制御電源手段は主電
    源スイッチが投入された後に、ユーザの設定スイッチの
    操作状態に応じて起動するように制御した事を特徴とす
    る高周波焼灼装置。
  2. 【請求項2】 高周波電流を組織に供給する事で組織切
    除、或いは/及び凝固するための高周波電力生成部を備
    えた高周波焼灼装置において、 高周波焼灼装置の出力状況、或いは/及び異常状態を監
    視する為の各種センサ、 上記各種センサにより得られた信号を、直流信号に変換
    する為の第1の信号変換回路と、 上記第1の信号変換回路により変換された信号を、特定
    の周期でサンプリング及びホールドする為のサンプル/
    ホールド回路と、 上記サンプルホールド回路によりホールドされた信号を
    デジタル信号に変換する為の第2の信号変換回路と、 から成り、上記サンプル/ホールド回路は、高周波電力
    生成部から高周波電力を出力させる出力期間と出力を休
    止させる休止期間とを周期的に持つように駆動する駆動
    信号に基づいて前記休止期間にサンプリングをし、前記
    出力期間にはホールドするサンプル/ホールド駆動信号
    により駆動されるように信号処理を行う事を特徴とする
    高周波焼灼装置。
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