JP2001035976A - 電子機器冷却装置 - Google Patents

電子機器冷却装置

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JP2001035976A JP11146867A JP14686799A JP2001035976A JP 2001035976 A JP2001035976 A JP 2001035976A JP 11146867 A JP11146867 A JP 11146867A JP 14686799 A JP14686799 A JP 14686799A JP 2001035976 A JP2001035976 A JP 2001035976A
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    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
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    • F28D15/0233Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes the conduits having a particular shape, e.g. non-circular cross-section, annular

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレートフィンタイプ放熱器等の放熱部と電
子機器の間の距離が長くても十分な冷却能力を有し、設
計の自由度を高めることのできる電子機器冷却装置を提
供する。 【解決手段】 本発明の電子機器冷却装置1は、空冷又
は液冷の放熱部と、電子機器又は基板と放熱部との間で
熱輸送を行う蛇行細管ヒートパイプを具備する。放熱部
は平板状の外形を有するプレートフィンタイプ放熱器2
1からなる。また、蛇行細管ヒートパイプは平板状の外
形を有するプレート型ヒートパイプ13であり、放熱部
に対して蛇行細管13cが沿うように接続されている。
蛇行細管ヒートパイプの熱輸送量はきわめて大きく、か
つ熱を遠くまで低熱抵抗で送ることができるので、基板
と放熱部とを離すことが可能となる。したがって、電子
機器の配置及び放熱部の配置の自由度が上がり、さまざ
まな形態の装置を設計・製作できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源回路用のトラ
ンジスタ等の電子機器を冷却する装置に関する。特に
は、プレートフィンタイプ放熱器等からなる放熱部と電
子機器との間の距離が長くても十分な冷却能力を有し、
設計の自由度の高い電子機器冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
電子機器の集積度や搭載密度はますます上がっており、
電子機器冷却の効率アップは重要なテーマである。特
に、IGBT(インシュレーティッド・ゲート型バイポ
ーラ・トランジスタ)等のいわゆるパワーICは、単な
る信号伝達だけのものでなく他の機器に駆動電源をも供
給するものであるので発熱量が大である。したがって、
その冷却は容易なことではない。
【0003】図10は、従来の空冷式の電子機器冷却装
置の構成を模式的に示す斜視図である。この例では電子
機器(素子等、図示されず)を搭載するプリント基板5
19が4枚平行に並べられている。基板519の上下端
には、プレートフィンタイプ放熱器(放熱部)511、
515が配置されている。各プレートフィンタイプ放熱
器511、515はハニカム状の通風孔511a、51
5aを有し、図の矢印のように風が送られている。基板
519上の素子の発する熱の大部分は、基板519を伝
わり、プレートフィンタイプ放熱器511、515に伝
わり放熱される。なお、基板519内の熱伝導を高くす
るために、アルミニウム材を基板中に埋め込んでいるも
のもある。
【0004】図10の従来の電子機器冷却装置にあって
は、プレートフィンタイプ放熱器を基板の周りに接して
配置しなければならない。そのため、設計の自由度に乏
しいとともに、プレートフィンタイプ放熱器の体積が大
で装置全体が大型化する。また、冷却能力を増大させた
いときには、冷却装置全体のサイズに制限がある場合、
ほとんどの場合機体システム側に放熱器入口空気温度を
下げることを要求できる可能性が少なく、さらに放熱器
単体効率の向上には限界があるため、空気流量を増大す
る(ファンの大型化または回転数の増大等)対処が必要
になる。空気流量増大が見込めない条件下では、放熱器
の体積が増加せざるを得ず、装置全体が大型化する。す
なわち、以上3例のように、設計の自由度が乏しいこと
になる。
【0005】図11は、従来の水冷式の電子機器冷却装
置の構成を模式的に示す側面断面図である。この例で
は、基板619の周りに水冷熱交換器611が配置され
ている。水冷熱交換器611内には、ハニカム状の通水
路611aが設けられており冷却水(液)が流れる。
【0006】図11の水冷式の電子機器冷却装置は、図
10の空冷式の電子機器冷却装置よりも熱交換器の伝熱
量が大きく冷却性能が高い。しかしながら、この水冷式
の電子機器冷却装置は、冷却水の循環管路や熱交換器等
の水冷設備が必要である。そのため、空冷式に比較して
装置が複雑化・大型化し、システム構成要素もより多く
なるため、冷却装置を含めた水冷設備全体システムが複
雑になる等の問題が生じる。また、冷却能力を増大させ
たい時には、冷却装置全体のサイズに制限がある場合、
殆どの場合放熱器入口冷却水温度を下げることを機体シ
ステム側に要求できる可能性が少なく、更に放熱器単体
効率の向上には限界があるため、冷媒循環流量を増大す
る(循環ポンプの大型化または回転数増大等)対処が必
要になる。また、冷媒循環流量増大が見込めない条件下
では、熱交換器の体積が増加せざるを得ず。装置全体が
大型化する。即ち、空冷同様に設計の自由度が乏しいこ
とになる。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、プレートフィンタイプ放熱器等の放熱部と電
子機器の間の距離が長くても十分な冷却能力を有し、設
計の自由度を高めることのできる電子機器冷却装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】上
記課題を解決するため、本発明の電子機器冷却装置は、
電子機器又は該電子機器を搭載する基板を冷却する装
置であって、 空冷又は液冷の放熱部と、上記電子機器
又は基板と放熱部との間で熱輸送を行う蛇行細管ヒート
パイプと、 を具備することを特徴とする。
【0009】蛇行細管ヒートパイプの熱輸送量はきわめ
て大きく、かつ熱を遠くまで低熱抵抗で送ることができ
るので、電子機器又はそれを搭載する基板と放熱部との
距離が長くなっても、電子機器等の温度上昇を抑制でき
る。そのため、基板と放熱部とを離すことも可能となる
ので、電子機器の配置及び放熱部の配置の自由度が上が
り、さまざまな形態の装置を設計・製作できる。また、
より高密度の電子機器(素子等)の実装を行うことがで
き、装置の小型化を達成できる。
【0010】ここで、蛇行細管ヒートパイプとは、以下
の特性を有するヒートパイプのことである(特開平4−
190090号参照)。 (1)細管の両端末が相互に流通自在に連結されて密閉
されている。 (2)細管のある部分は受熱部、他のある部分は放熱部
となっている。 (3)受熱部と放熱部が交互に配設されており、両部の
間を細管が蛇行している。 (4)細管内には2相凝縮性作動流体が封入されてい
る。 (5)細管の内壁は、上記作動流体が常に管内を閉塞し
た状態のままで循環又は移動することが出来る最大直径
以下の直径である。
【0011】このような蛇行細管ヒートパイプの例は、
特開平4−190090号、特開平7−63487号、
特開平9−49692号に開示されている。このうち、
後者2件は、蛇行細管が比較的薄い平板の中に作り込ま
れており(プレート型ヒートパイプという)、基板及び
放熱部(プレートフィンタイプ放熱器等)との接続部の
設計・組立が楽である。さらに、特開平9−49692
号に開示されているプレート型ヒートパイプは、素材と
して多数の小孔を有するアウミニウム押し出し材を使用
するので、材料費・加工費が低減できる特質がある。
【0012】本発明の電子機器冷却装置においては、
上記放熱部が、外形が平板状の外形を有する放熱フィン
の集合体(プレートフィンタイプ放熱器)からなり、
上記蛇行細管ヒートパイプが、平板状の外形を有するプ
レート型ヒートパイプであり、 上記放熱部に対して上
記蛇行細管ヒートパイプが沿うように接続されているこ
とが好ましい。
【0013】放熱部に対して蛇行細管ヒートパイプが沿
うように接続されているので、ヒートパイプと放熱部と
の接触面積を広くとれ、両者の接触部における熱抵抗を
低減できる。なお、プレートフィンタイプ放熱器の替わ
りに、ティーエスヒートロニクス社製の剣山形ヒートシ
ンク(特開平5−315482)を用いてもよい。
【0014】本発明の具体的態様の電子機器冷却装置
は、 並んで配列されている複数の電子機器搭載基板を
冷却する装置であって、 空冷又は液冷のプレートフィ
ンタイプ放熱器と、 上記基板の端面と放熱部との間で
熱輸送を行うプレート型の蛇行細管ヒートパイプと、
を具備し、 上記蛇行細管ヒートパイプが、電子機器冷
却装置の側壁を構成する部分、及び、該側壁の一端から
折れ曲がった部分であって上記放熱部に沿うように接続
される部分、 を有することを特徴とする。
【0015】この態様の電子機器冷却装置では、電子機
器を搭載する基板と放熱部との距離が長くなっても、電
子機器の温度上昇を抑制できるため、電子機器等の搭載
密度を向上しつつ十分に冷却できる。
【0016】本発明の電子機器冷却装置においては、上
記放熱部と蛇行細管ヒートパイプとの接続部(接触面)
における熱抵抗が0.001℃/W〜3.00℃/Wであ
り、同部の熱流束が0.01W/cm2 〜30W/cm2 である
ことが好ましい。このような範囲において、ヒートパイ
プと放熱部との接触部における温度上昇を一定以下とし
つつ、かつ十分な熱輸送を実現できる。同部におけるよ
り好ましい熱抵抗の範囲は、0.01℃/W〜0.50℃
/Wであり、熱流束の範囲は0.01W/cm2 〜10W/cm2
である。
【0017】本発明の電子機器冷却装置においては、上
記基板の端面と蛇行細管ヒートパイプの接触面における
熱抵抗が0.001℃/W〜3.00℃/Wであり、同部の
熱流束が0.01W/cm2 〜30W/cm2 であることが好ま
しい。このような範囲において、基板の端面と蛇行細管
ヒートパイプの接触面における温度上昇を一定以下とし
つつ、かつ十分な熱輸送を実現できる。同部におけるよ
り好ましい熱抵抗の範囲は、0.01℃/W〜0.50℃
/Wであり、熱流束の範囲は0.01W/cm2 〜10W/cm2
である。
【0018】本発明の電子機器冷却装置においては、上
記基板の端面とプレート型蛇行細管ヒートパイプとの間
に基板を固定するブラケットが設けられており、このブ
ラケットがヒートパイプに対してビス及び半田付けによ
り固定されていることが好ましい。基板のヒートパイプ
に対する取り付け強度を十分に確保しつつ基板からヒー
トパイプの熱伝導を良くすることができる。
【0019】本発明の電子機器冷却装置においては、
上記蛇行細管ヒートパイプとプレートフィンタイプ放熱
器とがネジ締結により固定されており、 上記プレート
フィンタイプ放熱器にネジ孔(メネジ)が形成されてお
り、 このメネジが、同熱交換器に挿入されたロックイ
ンサート中に形成されていることが好ましい。
【0020】この種の冷却装置の材料として、熱伝導率
及び加工性が良くかつ軽いアルミニウム(及びその合
金)が用いられることが多い。しかし通常のアルミニウ
ムは比較的軟らかく、メネジを切ったときにそのメネジ
が損傷しやすい。その場合、他部品との組み立て部を強
固に締め合わせることができなくなる。そうすると、両
部品間の熱伝導が悪くなって有害な熱抵抗を生むことと
なる。そこで、プレートフィンタイプ放熱器にロックイ
ンサートを挿入してそこにメネジを形成することにより
強固にネジ締結を行い、蛇行細管ヒートパイプとプレー
トフィンタイプ放熱器とをしっかりと接触させるように
して有害な熱抵抗を極力排除するのである。
【0021】本発明の他の態様の電子機器冷却装置は、
空冷又は液冷の放熱部と、 上記基板と上記放熱部と
の間で熱輸送を行うプレート型の蛇行細管ヒートパイプ
と、を具備し、 上記蛇行細管ヒートパイプが、基板の
面に沿うように貼り付けられていることを特徴とする。
この場合、基板の熱をすぐ裏にあるヒートパイプが取り
去るので、基板内を長い距離に渡って熱輸送する必要が
ない。そのため、特に冷却機能に優れる。
【0022】以下、図面を参照しつつ説明する。図1は
本発明の1実施例に係る電子機器冷却装置の構成を模式
的に示す図である。(A)は全体の斜視図であり、
(B)はブラケットとヒートパイプとの詳細を拡大して
示す断面図である。この電子機器冷却装置1は、全体と
して四角い箱の形をしており、フタ11、プレート型ヒ
ートパイプ13、プレートフィンタイプ放熱器21等の
主要な部分を有する。図1(A)の高さ(H)方向を上
下と呼び、幅(B)方向を左右といい、奥行き(L)方
向を前後という。
【0023】フタ11は、アルミ材等からなる平板で、
図の左右のヒートパイプ13(側壁13b)の上端部の
間に掛け渡されている。このフタ11は内部機器保護の
ためのものである。
【0024】ヒートパイプ13は、電子機器冷却装置1
の左右の側壁を構成している。ヒートパイプ13は、ア
ルミニウム等からなる比較的薄い平板であって、ループ
をなす蛇行細管13cが内部に形成されている。この蛇
行細管13c内には、フロン(HCFC−123、HF
C−134a等)、水、ブタン等の熱媒体が封入されて
いる。このようなプレート型ヒートパイプの詳細例は、
特開平7−63487号や特開平9−49692号に開
示されている。
【0025】ヒートパイプ13は、側面形状がL字形を
している。すなわち、ヒートパイプ13は、電子機器冷
却装置1の側壁をなす側辺(側壁13b)と、同辺に対
して直角につながる底辺(接続部13a)とを有する。
接続部13aの下面は、プレートフィンタイプ放熱器2
1の上面に沿って接している。蛇行細管13cは、側壁
13b及び接続部13a内に、両者の間を行ったり来た
りするように蛇行している。
【0026】ヒートパイプ側壁13bの内側には、図1
(B)に拡大して示すようにブラケット15が取り付け
られている。ブラケット15は、横方向に口の開いたコ
の字状断面を有する部材である。ブラケット15は、ヒ
ートパイプ13の奥行き(L)方向に延びており、その
長さはLとほぼ同じである。
【0027】ブラケット15は、ヒートパイプ13に対
してビス31及びハンダ33で止まっている。ビス31
はブラケット15のコの字状の底面を貫通してヒートパ
イプ13にネジ込まれている。なお、ヒートパイプ13
のネジ穴は蛇行細管13cから外れた位置に形成されて
いる。ハンダ33は、ブラケット15の両側面の隅に付
けられている。このような固定方法により、ブラケット
15の位置決めと高熱伝導を確保している。なお、ハン
ダ33の材質は、例えばヒートパイプ母材アルミ(A1
100)の場合は、アルミ半田である。
【0028】図1(A)に示すように、ブラケット15
の内部には、基板19の端部が入り込んでおり、同端部
の上にはウェッジクランプ17が配置されている。基板
19上には、図示省略されているがパワートンラジスタ
や抵抗器等の素子が配置されている。この図では4枚基
板19が、左右のヒートパイプ側壁13b間を掛け渡す
ように、並列に配置されている。ウェッジクランプ17
は、くさびとそれを動かすネジ(いずれも図示されず)
からなり、基板19端部をブラケット15の内面に押し
付けるものである。ウェッジクランプ17はこの種の電
子機器冷却装置では一般的なものであって、例えば、E
G&G社製のWedge−LOK等を使用できる。
【0029】基板19を取り付けるときはウェッジクラ
ンプ17を緩めて図の手前から奥方向に基板19を差し
込む。その後ウェッジクランプ17を締めて基板19の
端部をブラケット15の内面に押し付ける。これによ
り、基板19の端部とブラケット15間の良好な熱伝導
を確保できる。
【0030】プレートフィンタイプ放熱器(放熱部)2
1は、内部にハニカム状の多数の通気孔21aを有す
る。この通気孔21aは図の左右方向に延びており、左
右端面に開口している。通気孔21aに風を通してこの
電子機器冷却装置を冷却する。プレートフィンタイプ放
熱器21は、通常、アルミの薄肉シート材(A3003
等)を波状に折り連ねて熱交換フィンとして用いる。
【0031】図2は、プレートフィンタイプ放熱器とヒ
ートパイプとの接続部の詳細を拡大して示す正面断面図
である。ヒートパイプ13のL字形の底辺である接続部
13aは、熱交換器21の上面に接している。そして両
者はボルト35で締め付けられている。
【0032】熱交換器21側のメネジ37aは、ロック
インサート37の中に形成されている。ロックインサー
ト37は、ステンレス鋼等の比較的硬い材料からなり、
内面にメネジ37aを有する中空円筒状のものである。
ロックインサート37は、熱交換器21中の穴に、自身
のスプリング力とオネジ部との摩擦等により固定されて
いる。このロックインサート37があるため、メネジ3
7aの強度を高めることができ、ボルト35を強固に締
め付けることができる。その結果、ヒートパイプ接続部
13aと熱交換器21との接触が密となって両者間の熱
抵抗を下げることができる。なお、ヒートパイプ接続部
13aと熱交換器21の上面の間には、高熱伝導グリー
ス(例えば、Emerson&Cuming社製STY
CAST910−50−40)や高熱伝導シート(例え
ば、Comerics社製THERMATTACH T
APE)を挟むこともできる。また、高熱伝導ゲル(例
えば、鈴木操業のSiゲル)を挟んで、接合面の凸凹か
ら空気層を無くし密着性を高めることもできる。
【0033】図1の電子機器冷却装置では、基板19上
の素子(図示されず)から出る熱が基板19に伝わり、
その熱は基板19を左右方向に伝わってブラケット15
に伝わる。さらに熱はブラケット15からヒートパイプ
側壁13bに伝わり、ヒートパイプ13中を経て、ヒー
トパイプ接続部13aから熱交換器21に伝わる。熱交
換器21は空冷されており、熱を大気中に放熱する。
【0034】このとき、ヒートパイプ13中では熱媒体
が側壁13bで蒸発し、接続部13aで凝縮する。熱媒
体は、ヒートパイプ13中の蛇行細管を循環する。この
熱媒体の蒸発・凝縮に伴う熱輸送はきわめて効率的であ
り、ヒートパイプ13内を低い熱抵抗で長い距離に渡っ
て熱を輸送できる。なお、通常、ヒートパイプ13の厚
さは0.5〜15mm、蛇行細管の径は0.2〜10mm、
蛇行細管のピッチは0.3〜20mm、熱抵抗は0.01
〜2.00℃/W程度である。
【0035】図3は、本実施例の電子機器冷却装置の基
本設計のフローチャートである。まず客先仕様が与えら
れる(S1)。客先仕様は、基板の発熱量、基板の寸法
・枚数、電子機器冷却装置の寸法、放熱部の寸法、通風
(水)量、気温・水温等を含む。
【0036】これに基づいて、電子機器冷却装置の形状
(一次)を決定する(S2)。また熱負荷を算出する
(S3)。次に、各部の熱流束を算出する(S4)とと
もに放熱部の形状等を設計する(S5)。熱流束につい
ては、判定1(S6)において、好ましい範囲(前述)
となっているか否かを判定する。この判定がNOの場
合、S2に戻って電子機器冷却装置の形状を修正する。
放熱部の設計についても判定2(S7)において、か否
かを判定する。この判定がNOの場合、S5に戻って放
熱部の諸元、形状を修正する。
【0037】S6、S7の判定がいずれもYESの場
合、次に電子機器冷却装置の詳細部分の検討を行い(S
8)、次いで各部の熱抵抗を算出する(S9)。次にこ
の熱抵抗が好ましい範囲(前述)に入っているか否かを
判定する(S10)。この判定がNOの場合、S2に戻
って設計をやり直す。判定がYESの場合はこれで本設
計修了である(S11)。
【0038】図4は、本実施例の電子機器冷却装置の熱
伝導モデル(各部の熱抵抗)を示す図である。図中の記
号は以下の意味である。 R1−2:基板の中央から端部までの間の熱抵抗 R2−3:基板端部及びウェッジクランプとブラケット
間の熱抵抗 R3−4:ブラケットとヒートパイプ側壁の間の熱抵抗 R4−5:ヒートパイプ側壁内の熱抵抗 R5−5:ヒートパイプ側壁内の熱抵抗 R5−6:ヒートパイプ接続部内の熱抵抗 R6−7:ヒートパイプ接続部とプレートフィンタイプ
放熱器間の熱抵抗 R7−8:プレートフィンタイプ放熱器内の熱抵抗 R0−8:冷却空気流の熱抵抗
【0039】図5は、本実施例の電子機器冷却装置にお
ける熱抵抗の計算例を示すグラフである。横軸は熱抵抗
〔℃/W〕を示し、縦軸は温度上昇を示す。破線は本実施
例の電子機器冷却装置の特性を表し、実線は比較例の特
性を示す。比較例は、実施例のヒートパイプを同じ寸法
のアルミニウムの板で置き換えたものである。
【0040】図に示すように、本実施例ではトータルの
熱抵抗が小さく(約1.1℃/W)、基板の温度上昇も低
い(約40℃→154℃、114℃上昇)。一方、比較
例ではトータルの熱抵抗が大きく(約2.1℃/W)、基
板の温度上昇も高い(約40℃→295℃、255℃上
昇)。この原因は、ヒートパイプ内の熱抵抗が約0.1
℃/Wときわめて低いのに対して、アルミニウム板内の熱
抵抗が約0.9℃/Wと大きいためである。このように、
本実施例の電子機器冷却装置は、高効率の熱輸送を行う
ことができ、基板や素子を有効に冷却することができ
る。
【0041】図6は、本発明の他の1実施例に係る電子
機器冷却装置の構成を模式的に示す側面図である。この
電子機器冷却装置101では、ヒートパイプ113の接
続部113aを、熱交換器121の幅の全面に渡って設
けている。これにより、両者の間の熱抵抗をさらに下げ
ることができる。なお、符号119はプリント基板であ
る。
【0042】図7は、本発明の変形例を模式的に示す図
である。この例では、素子220を搭載する基板219
の下面全面にプレート型ヒートパイプ214を沿わせる
ように貼っている。この場合、基板219の熱をすぐ裏
にあるヒートパイプ214が取り去るので、基板219
内を長い距離に渡って熱輸送する必要がない。そのた
め、特に冷却機能に優れる。
【0043】図8は、図7の変形例を模式的に示す図で
ある。この例では基板314そのものをヒートパイプで
構成している。この場合には、基板とヒートパイプ間の
熱抵抗もなくなるのでさらに熱抵抗が下がる。
【0044】図9は、図8のヒートパイプ製基板を有す
る電子機器冷却装置の構成を模式的に示す図である。こ
の例では、基板414を全てヒートパイプ製としてい
る。そして、ヒートパイプ側壁413を介してプレート
フィンタイプ放熱器(放熱部)421に熱を伝えてい
る。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、プレートフィンタイプ放熱器等の放熱部と電
子機器との間の距離が長くても十分な冷却能力を有し、
設計の自由度を高めることができる電子機器冷却装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る電子機器冷却装置の構
成を模式的に示す図である。(A)は全体の斜視図であ
り、(B)はブラケットとヒートパイプとの接続部の詳
細を拡大して示す断面図である。
【図2】プレートフィンタイプ放熱器とヒートパイプと
の接続部の詳細を拡大して示す正面断面図である。
【図3】本実施例の電子機器冷却装置の基本設計のフロ
ーチャートである。
【図4】本実施例の電子機器冷却装置の熱伝導モデル
(各部の熱抵抗)を示す図である。
【図5】本実施例の電子機器冷却装置における熱抵抗の
計算例を示すグラフである。
【図6】本発明の他の1実施例に係る電子機器冷却装置
の構成を模式的に示す側面図である。
【図7】本発明の変形例を模式的に示す図である。
【図8】図7の変形例を模式的に示す図である。
【図9】図8のヒートパイプ製基板を有する電子機器冷
却装置の構成を模式的に示す図である。
【図10】従来の空冷式の電子機器冷却装置の構成を模
式的に示す斜視図である。
【図11】従来の水冷式の電子機器冷却装置の構成を模
式的に示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 電子機器冷却装置 11 フ
タ 13 プレート型ヒートパイプ 13a
接続部 13b 側壁 13c
蛇行細管 15 ブラケット 17
ウェッジクランプ 19 プリント基板 21 プレートフィンタイプ放熱器 21a
通気孔 31 ビス 33
ハンダ 35 ボルト 35a
オネジ 37 ロックインサート 37a
メネジ 113 ヒートパイプ 113a
接続部 119 プリント基板 121
熱交換器 214 プレート型ヒートパイプ 219
基板 220 素子 314
基板 413 ヒートパイプ側壁 414
基板 421 プレートフィンタイプ放熱器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器又は該電子機器を搭載する基板
    を冷却する装置であって、 空冷又は液冷の放熱部と、 上記電子機器又は基板と放熱部との間で熱輸送を行う蛇
    行細管ヒートパイプと、 を具備することを特徴とする電子機器冷却装置。
  2. 【請求項2】 上記放熱部が、平板状の外形を有する放
    熱フィンの集合体(プレートフィンタイプ放熱器)から
    なり、 上記蛇行細管ヒートパイプが、平板状の外形を有するプ
    レート型ヒートパイプであり、 上記放熱部に対して上記蛇行細管ヒートパイプが沿うよ
    うに接続されていることを特徴とする請求項1記載の電
    子機器冷却装置。
  3. 【請求項3】 並んで配列されている複数の電子機器搭
    載基板を冷却する装置であって、 空冷又は液冷のプレートフィンタイプ放熱器と、 上記基板の端面と放熱部との間で熱輸送を行うプレート
    型の蛇行細管ヒートパイプと、 を具備し、 上記蛇行細管ヒートパイプが、電子機器冷却装置の側壁
    を構成する部分、及び、該側壁の一端から折れ曲がった
    部分であって上記放熱部に沿うように接続される部分、
    を有することを特徴とする電子機器冷却装置。
  4. 【請求項4】 上記放熱部と蛇行細管ヒートパイプとの
    接続部(接触面)における熱抵抗が0.001℃/W〜
    3.00℃/Wであり、同部の熱流束が0.01W/cm2
    30W/cm2 であることを特徴とする請求項2又は3記載
    の電子機器冷却装置。
  5. 【請求項5】 上記基板の端面と蛇行細管ヒートパイプ
    の接触面における熱抵抗が0.001℃/W〜3.00℃
    /Wであり、同部の熱流束が0.01W/cm2 〜30W/cm2
    であることを特徴とする請求項2記載の電子機器冷却装
    置。
  6. 【請求項6】 上記基板の端面とプレート型蛇行細管ヒ
    ートパイプとの間に基板を固定するブラケットが設けら
    れており、 このブラケットがヒートパイプに対してビス及び半田付
    けにより固定されていることを特徴とする請求項3記載
    の電子機器冷却装置。
  7. 【請求項7】 上記蛇行細管ヒートパイプとプレートフ
    ィンタイプ放熱器とがネジ締結により固定されており、 上記プレートフィンタイプ放熱器にネジ孔(メネジ)が
    形成されており、 このメネジが、同熱交換器に挿入されたロックインサー
    ト中に形成されていることを特徴とする請求項2又は3
    記載の電子機器冷却装置。
  8. 【請求項8】 電子機器搭載基板を冷却する装置であっ
    て、 空冷又は液冷の放熱部と、 上記基板と上記放熱部との間で熱輸送を行うプレート型
    の蛇行細管ヒートパイプと、 を具備し、 上記蛇行細管ヒートパイプが、基板の面に沿うように貼
    り付けられていることを特徴とする電子機器冷却装置。
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