JP4229738B2 - ヒートパイプ式放熱ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子部品などの高発熱半導体素子の熱をヒートパイプを用いて放熱するヒートパイプ式放熱ユニットに関する。特に狭い空間に配置された高発熱半導体素子の熱を放熱するためのヒートパイプ式放熱ユニットに関する。
【0002】
【従来技術】
近年は電子機器の処理性能の高速化が著しく、半導体の発熱量も急速に大きくなっている。特に電子機器装置では、IGBTや小型集積回路などの高発熱半導体素子をプリント基板上に高密度で実装し、このプリント基板を非常に狭い筐体内に配置するようになっている。このような高発熱半導体素子の熱対策としてコンピュ−タ等の空冷電子機器装置では一般に個々の高発熱半導体素子に対して、フィンと冷却ファンを一体化した冷却構造体もしくは冷却するために十分な大きさを持ったフィンを搭載して、高い発熱量を有する個々の半導体素子を集中して冷却することが行われている。
【0003】
例えば、ファン付きフィンを用いた冷却方法については、特開平7−235623に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−235623
【特許文献2】
特開平10−66305
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電子機器装置を小型化するためには、プリント基板上に高集積化された電子部品を高密度で実装し、狭い隙間に配置する必要があり、これに伴って発生する発熱密度も大幅に増大している。このため、電子機器装置内での発熱量が著しく増大するにもかかわらず、電子機器装置の小型化により、内部には個々の高発熱半導体素子に放熱装置を配置するだけの十分なスペースが取れないという問題が発生した。
従って、電子機器内のスペースに合った大きさのファン付きヒートシンクやフィンしか配置することができず、発熱素子から十分に熱を放熱することができず、IGBTや小型集積回路などの高発熱半導体素子の温度が上昇し、動作しなくなったり、最悪の場合には破壊してしまうという問題が発生した。また、仮に各素子を個別に冷却することができたとしても、狭い筐体内に詰め込んで様々な部品が配置されているため、高温になった筐体内の空気が筐体外に排出されずらくなり、発熱素子の冷却効率を落としてしまうという問題も発生する可能性があった。また、別途筐体に筐体内の空気を排気するためのファンを取り付けた場合、該ファンを取り付けるための空間が必要になり、省スペース化のためには問題となった。
以上のように、従来の空冷方式では配置スペースが十分に取ることができず、冷却能力に限界がきている。しかし、放熱器の実装スペースはますます狭くなりつつあり、電子機器装置の熱放散は極めて困難な状況になってきている。
従って、上記従来技術の様に個々の発熱素子にファン付きフィンや単独のフィンを取り付けたのでは、電装機器の小型化のために困難になってきている。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、異なる高発熱量を有する単数もしくは複数の半導体素子を省スペースで冷却でき、信頼性を向上したヒートパイプ式放熱ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、細孔トンネルプレート型ヒートパイプを用いた細孔トンネルプレート型ヒートパイプ式放熱ユニットにおいて、
単数もしくは複数の熱源から一箇所の放熱部へ熱を移送するため、各熱源と放熱部との間を細孔トンネルプレート型ヒートパイプで結び、
前記単数もしくは複数の細孔トンネルプレート型ヒートパイプを放熱装置が配置されている放熱部において重ねて配置し、
前記放熱装置として、銅などの熱伝導性のよい金属板でできたコルゲート形状の放熱フィンを、複数の細孔トンネルプレート型ヒートパイプの放熱部において固着し、
前記コルゲート形状の放熱フィンの細孔トンネルプレート型ヒートパイプと接していない側の折り曲げ面の一部を切り欠いて
該切り欠き部にコルゲート形状の放熱フィンを空冷するためのファンを嵌め込んで配置することにより冷却風がコルゲート形状の放熱フィンの表と裏の両面に流れるようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、前記放熱装置は、少なくとも2セットのコルゲート形状の放熱フィンを交互にずらして配置したことを特徴とする。
【0008】
【実施例】
図1、図2及び図3は、本発明によるヒートパイプ式放熱ユニットの第一実施例である。図1は第1実施例の正面図、図2は第1実施例のA方向から見た図、図3はB方向から見た横断面図である。
【0009】
本実施例による放熱ユニットにおける細孔トンネルプレート型ヒートパイプ101は、例えば図9及び10の様な蛇行細孔トンネルプレート型ヒートパイプもしくは平行細孔トンネルプレート型ヒートパイプで構成されている。これら細孔トンネルプレート型ヒートパイプについて蛇行細孔トンネルプレート型ヒートパイプを例にとって説明する。なお、ここで、蛇行細管ヒートパイプとは、以下の特性を有するヒートパイプのことである(特開平4−190090号参照)。
(1)細管(熱媒体通路)の両端末が相互に流通自在に連結されて密閉されている。
(2)細管のある部分は受熱部、他のある部分は放熱部となっている。
(3)受熱部と放熱部が交互に配設されており、両部の間を細管が蛇行している。
(4)細管内には2相凝縮性作動流体が封入されている。
(5)細管の内壁は、上記作動流体が常に管内を閉塞した状態のままで循環又は移動することが出来る最大流体直径以下の直径である。
このような細管ヒートパイプを用いることにより、発熱体への細管ヒートパイプの取り付け姿勢に関係なく熱輸送させることができる。
【0010】
プレート型の蛇行細孔トンネルプレート型ヒートパイプは、アルミニウムやマグネシウム等の軽金属の多孔扁平管を用いる。この多孔扁平管51(61)は、全体として平板状の外形を有し、内部に平行に配置された多数の貫通細孔57a及び57b(68a及び68b)が押し出し成形により形成されている。貫通細孔の端面の隔壁を所定の深さだけ切除し、反対側の端面でも切除する。各細孔は端部で連通して一連の蛇行トンネル(熱媒体通路)となり、ここに作動流体が封入される。
この細孔トンネルプレート型ヒートパイプ101のプレート平面部に図1、図2及び図3に見る様に銅などの熱伝導性のよい金属板でできたコルゲート形状の放熱フィン103及び105を半田やろう付けの方法により固着し、容易に放熱ユニットを製作することができる。コルゲートフィン103及び105は103の山部と105の谷部が互いに隣り合うように配置される。さらにコルゲートフィンに対して細孔トンネルプレート型ヒートパイプ101と反対側にはコルゲートフィンを空冷するためのファン107が配置される。このような構成にすることにより、ファンからの風は互いに山と谷が隣り合うように配置したコルゲート形状の放熱フィン103及び105の表と裏の両面に風が流れることにより放熱効率を上げることができる。
113は発熱体としてのCPUであり細孔トンネルプレート型ヒートパイプ101に熱を伝えやすくするための銅板115を挟んで密着している。
【0011】
次に図4,5,6を用いて本件発明の第2実施例を示す。細孔トンネルプレート型ヒートパイプ201のプレート平面部に図4、図5及び図6に見る様に銅などの熱伝導性のよい金属板でできたコルゲート形状の放熱フィン203を半田やろう付けの方法により固着し、容易に放熱ユニットを製作することができる。コルゲートフィン203は細孔トンネルプレート型ヒートパイプ201と接していない側の203部分を切り欠いて該切り欠き部205に配置されたコルゲートフィンを空冷するためのファン207からの風がコルゲート形状の放熱フィン203の表と裏の両面に風が流れるようにすることにより放熱効率を上げることができる。
213は発熱体としてのCPUであり細孔トンネルプレート型ヒートパイプ201に熱を伝えやすくするための銅板215を挟んで密着している。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、コルゲート形状の放熱フィンの表裏面にファンからの風を効率よく通すことができ、放熱効率を上げることができる。さらに放熱装置を省スペースとすることができる。
請求項2の発明によれば、コルゲート形状の放熱フィンの表裏面に風を容易に通すことができ、放熱効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の第1実施例の正面図。
【図2】本件発明の第1実施例のA方向視図。
【図3】本件発明の第1実施例の横断面図。
【図4】本件発明の第2実施例の正面図。
【図5】本件発明の第2実施例のA方向視図。
【図6】本件発明の第2実施例の横断面図
【図7】本件発明の蛇行細トンネル型プレートヒートパイプの経路図。
【図8】本件発明の平行細孔トンネル型プレートヒートパイプの経路図。
【符号の説明】
57a,57b,68a,68b 貫通細孔
51,61 多孔扁平管
101、201 細孔トンネルプレート型ヒートパイプ
103,105、203 コルゲートフィン
113、213 CPU
115、215 銅板

Claims (2)

  1. 細孔トンネルプレート型ヒートパイプを用いた細孔トンネルプレート型ヒートパイプ式放熱ユニットにおいて、
    単数もしくは複数の熱源から一箇所の放熱部へ熱を移送するため、各熱源と放熱部との間を細孔トンネルプレート型ヒートパイプで結び、
    前記単数もしくは複数の細孔トンネルプレート型ヒートパイプを放熱装置が配置されている放熱部において重ねて配置し、
    前記放熱装置として、銅などの熱伝導性のよい金属板でできたコルゲート形状の放熱フィンを、複数の細孔トンネルプレート型ヒートパイプの放熱部において固着し、
    前記コルゲート形状の放熱フィンの細孔トンネルプレート型ヒートパイプと接していない側の折り曲げ面の一部を切り欠いて
    該切り欠き部にコルゲート形状の放熱フィンを空冷するためのファンを嵌め込んで配置することにより冷却風がコルゲート形状の放熱フィンの表と裏の両面に流れるようにしたことを特徴とする
    細孔トンネルプレート型ヒートパイプ式放熱ユニット。
  2. 前記放熱装置は、少なくとも2セットのコルゲート形状の放熱フィンを交互にずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の細孔トンネルプレート型ヒートパイプ式放熱ユニット。
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