JP2001035275A - 透明導電膜付き透明基板の製造方法、およびこれを用いた光電変換装置 - Google Patents
透明導電膜付き透明基板の製造方法、およびこれを用いた光電変換装置Info
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Abstract
り成膜された透明導電膜は、耐薬品性などには優れてい
るが、高い導電性を得ることが難しい。 【解決手段】 ガラス板などの透明基板上に、熱分解酸
化反応により透明導電膜を形成し、この透明導電膜を熱
処理する。熱処理は、大気中などの酸化雰囲気中で行っ
てから、さらに、窒素中などの非酸化雰囲気中において
行う。この透明導電膜上にさらに光電変換ユニットを形
成すれば、光電変換特性が改善された光電変換装置とす
ることができる。
Description
を形成した透明基板の製造方法およびこの透明基板を用
いた光電変換装置に関するものである。
導電体として、光電変換装置や、液晶表示素子、プラズ
マディスプレイパネルなどの画像表示装置に広く利用さ
れている。また、建築物では、Low−Eガラス、電磁
遮蔽ガラスなどの窓ガラスとして利用されている。さら
に、店舗用冷蔵庫のくもり止め機能付きガラスや複写機
の原稿台としても利用されている。透明導電膜として
は、フッ素やアンチモンなどの微量成分をドープした酸
化錫、錫をドープした酸化インジウム(ITO)などが
知られている。透明導電膜は、スパッタリング法、真空
蒸着法などのいわゆる物理蒸着法によっても成膜される
が、スプレー法や化学気相法(CVD法)など熱分解酸
化反応を伴う化学蒸着法によっても成膜される。
された透明導電膜、特に酸化錫を主成分とする透明導電
膜は、耐薬品性などに優れ、安価な原料で成膜できると
いう利点を有する。しかし、熱分解酸化反応を伴う方法
により成膜すると、高い導電性(低い比抵抗)を有する
透明導電膜を得ることが難しい。そこで、特開昭63−
184210号公報には、熱分解酸化反応を伴う方法に
より成膜した透明導電膜を、窒素雰囲気中や水素雰囲気
中で熱処理することにより、透明導電膜の導電性を改善
することが開示されている。
電膜の導電性は、上記各種のデバイスや装置の性能に直
結する特性であり、さらに改善することが求められてい
る。そこで、本発明は、熱分解酸化反応を伴いながら
も、従来よりもさらに高い導電性を備えた透明導電膜付
き透明基板を製造する方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、この基板を用いた光電変換装置を
提供することを目的とする。
に、本発明の透明導電膜付き透明基板の製造方法は、透
明基板上に熱分解酸化反応により透明導電膜を形成し、
この透明導電膜を、酸化雰囲気において熱処理してから
非酸化雰囲気中で熱処理することを特徴とする。本発明
によれば、酸化雰囲気中および非酸化雰囲気中における
熱処理により、透明導電膜の導電性を向上させることが
できる。
る熱処理により、透明導電膜の導電性が改善される理由
は、必ずしも明らかではないが、酸化雰囲気中で熱処理
することにより、透明導電膜の表面がより還元されやす
くなったためと推察される。
用いた光電変換装置も提供する。この光電変換装置は、
上記透明導電膜導電膜付きガラス板の透明導電膜上に、
少なくとも1つの光電変換ユニットおよび裏面電極がこ
の順に積層されていることを特徴とする。この光電変換
装置は、ガラス板側を光線入射側として使用される。
について説明する。透明導電膜は、酸化錫を主成分とす
る膜が好ましい。この透明導電膜には、適宜、フッ素、
アンチモンなどの微量成分を添加して導電性を高めるこ
とが好ましい。一方、透明基板としては、各種のガラス
板、またはガラス板製造工程におけるガラスリボンが好
適である。
D法のような、被膜形成原料の熱分解酸化反応を伴う方
法が適用される。スプレー法としては、金属化合物を含
む溶液を高温のガラス板上に噴霧する溶液スプレー法、
上記溶液に代えて金属化合物の微粒子を液体に分散させ
た分散液を用いる分散液スプレー法、上記溶液に代えて
金属化合物の粉末を用いる粉末スプレー法などが挙げら
れる。これに対し、CVD法では、少なくとも錫を含む
被膜形成用の蒸気が用いられる。なお、熱分解酸化反応
を伴う上記方法では、成膜時のガラス板の温度を400
℃以上700℃以下とすることが好ましい。
きるという利点があるが、液滴の制御や排気されるべき
生成物(反応生成物、未分解生成物など)の制御が難し
いために均一な膜厚を得にくい。また、ガラスの歪みも
大きくなる。このため、透明導電膜の成膜法としては、
総合的にはCVD法が優れている。
の大きさに切断し、加熱したガラス板にガス状の原料が
吹きつけることにより行うことができる。例えば、ガラ
ス板をメッシュベルトに載せて加熱炉を通過させる間に
原料を供給し、所定温度にまで加熱したガラス板の表面
で原料を反応させれば、透明導電膜を成膜できる。ま
た、CVD法による透明導電膜の成膜は、フロート法に
よるガラス製造工程において行うこともできる。この好
ましい製法は、ガラス成形時の熱エネルギーを利用で
き、大面積のガラス板への成膜にも有利である。特に、
CVD法を錫フロート槽空間で行えば、軟化点以上の温
度を有するガラス表面にも成膜が行えるので、膜の性能
および成膜反応速度、成膜反応効率の向上が可能とな
る。また、ピンホール(膜抜け)などの欠点も抑制され
る。
D法により成膜するための装置の一形態を図1に示す。
図1に示したように、この装置では、溶融炉(フロート
窯)11から錫フロート槽(フロートバス)12内に流
れ出し、錫浴15上を帯状に移動するガラスリボン10
の表面から所定距離を隔て、所定個数のコータ16、
(図示した形態では3つのコータ16a,16b,16
c)が錫フロート槽内に配置されている。コータの数や
配置は、形成する被膜の種類や厚さに応じて適宜選択さ
れる。これらのコータからは、ガス状の原料が供給さ
れ、ガラスリボン10上に連続的に被膜が形成されてい
く。また、複数のコータを利用すれば、ガラスリボン1
0上に、複数の膜をCVD法により連続的に形成するこ
ともできる。透明導電膜を含む被膜が形成されたガラス
リボン10は、ローラ17により引き上げられて、徐冷
炉13へと送り込まれる。なお、徐冷炉13で徐冷され
たガラス板は、図示を省略するフロート法汎用の切断装
置により、所定の大きさのガラス板へと切断される。
四塩化錫、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロ
ライド、テトラメチル錫、テトラブチル錫、ジオクチル
錫ジクロライド、モノブチル錫トリクロライド、ジブチ
ル錫ジアセテートなどが挙げられる。錫原料から酸化錫
を得るために用いられる酸化原料としては、酸素、水蒸
気、乾燥空気などが挙げられる。また、フッ素原料とし
ては、フッ化水素、トリフルオロ酢酸、ブロモトリフル
オロメタン、クロロジフルオロメタン、ジフルオロエタ
ンなどが挙げられる。また、アンチモンを添加する場合
には、五塩化アンチモン、三塩化アンチモンなどを用い
ることができる。
他公知の方法によりガラス板上に形成された透明導電膜
は、引き続いて熱処理される。熱処理の回数に制限はな
いが、少なくとも一回は酸化雰囲気中において行われ、
その後に非酸化雰囲気中における熱処理が少なくとも一
回行われる。
中)で行うことが好ましい。また、空気に、酸素、オゾ
ン、などを適宜混入させたガスを用いてもよい。一方、
非酸化雰囲気中の熱処理は、アルゴンなどの不活性ガス
中、水素中、窒素中またはこれらの混合ガス中において
行うことができる。非酸化雰囲気としては、窒素雰囲気
が好ましい。
る限り特に制限されないが、透明導電膜の成膜温度(成
膜時の基板温度)以下の基板温度で熱処理することが好
ましい。熱処理時の基板温度は、例えば300℃以上6
00℃以下である。
膜との間に、下地膜を形成した形態においても、上記熱
処理により、透明導電膜の導電性を改善することは可能
である。特に、アルカリ成分を含有するガラス板を用い
る場合には、ガラス板から透明導電膜へと拡散したアル
カリ成分が透明導電膜の導電性を劣化させないように、
ガラス板と透明導電膜との間に下地膜を形成することが
好ましい。好ましい下地膜としては、酸化シリコンや酸
化アルミニウムを主成分とする膜が挙げられる。下地膜
は、例えば珪素と錫の酸化物(SiSnO)のように2
以上の金属を含む酸化物を主成分としていてもよい。下
地膜の別の好ましい例としては、例えば酸炭化珪素(S
iOC)のような上記金属の酸炭化物や酸窒化物を主成
分とする膜が挙げられる。炭素や窒素の導入により、酸
炭化物膜や酸窒化物膜では酸化物膜よりも屈折率がやや
高くなる。下地膜の膜厚は、5nm以上90nm以下が
好ましい。
薄膜光電変換装置用基板として好適である。本発明の基
板を用いた薄膜シリコン系光電変換装置の一形態の断面
を図2に示す。
ラス板35上に下地膜31および透明導電膜33がこの
順に形成された透明導電膜付きガラス板30上に、光電
変換ユニット37層が形成され、さらに裏面電極39が
形成されている。なお、複数の光電変換ユニットを積層
してもよい。
ン系薄膜を光電変換層としたユニット(以下、光電変換
ユニットを「非晶質シリコン系薄膜光電変換ユニット」
のように光電変換層の種類を引用して表記する)が挙げ
られる。
は、pin型の順にプラズマCVD法により各半導体層
を堆積して形成される。具体的には、例えば、導電型決
定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープ
されたp型微結晶シリコン系層、光電変換層となる真性
非晶質シリコン層、および導電型決定不純物原子である
リンが0.01%以上ドープされたn型微結晶シリコン
系層をこの順に堆積すればよい。しかし、これら各層は
上記に限定されず、例えばp型微結晶シリコン系層にお
いて不純物原子をアルミニウムなどとしてもよく、p型
層として非晶質シリコン系層を用いてもよい。また、p
型層として、非晶質または微結晶のシリコンカーバイ
ド、シリコンゲルマニウムなどの合金材料を用いてもよ
い。
ン系層の膜厚は、3nm以上100nm以下が好まし
く、5nm以上50nm以下がさらに好ましい。
法によって下地温度を450℃以下として形成すること
が好ましい。この層は、導電型決定不純物原子の密度が
1×1018cm-3以下である実質的に真性半導体である
薄膜として形成される。真性非晶質シリコン層の膜厚は
0.05μm以上0.5μm以下が好ましい。ただし、
非晶質シリコン系薄膜光電変換ユニットでは、真性非晶
質シリコン層に代えて、合金材料である非晶質シリコン
カーバイド層(例えば10原子%以下の炭素を含有する
非晶質シリコンからなる非晶質シリコンカーバイド層)
や非晶質シリコンゲルマニウム層(例えば30原子%以
下のゲルマニウムを含有する非晶質シリコンからなる非
晶質シリコンゲルマニウム層)などを形成してもよい。
代えて、結晶質シリコン系薄膜光電変換ユニットを用い
てもよい。結晶質シリコン系薄膜光電変換ユニットも、
非晶質シリコン系薄膜光電変換ユニットと同様の手順で
pin型各半導体層をこの順にプラズマCVD法により
堆積して形成されうる。
u,PtおよびCrから選ばれる少なくとも1つの材料
からなる少なくとも1層の金属層をスパッタリング法ま
たは蒸着法により形成することが好ましい。また、光電
変換ユニットと金属電極との間に、ITO、SnO2、
ZnOなどの導電性酸化物からなる層を形成しても構わ
ない。
んでいても体積結晶化分率50%以上であれば「結晶
質」に相当するものとする。また、「シリコン系」の材
料には、非晶質または結晶質のシリコンに加え、非晶質
シリコンゲルマニウムなどシリコンを50原子%以上含
む半導体材料も該当するものとする。
発明は以下の実施例により制限されるものではない。
CVD法により、ガラスリボン上に、酸化シリコン膜
(SiO2膜)とフッ素をドープした酸化錫膜(Sn
O2:F膜)とをこの順に成膜した。錫フロート槽内に
は、1500〜1600℃に加熱された溶融炉で溶融し
た通常の板ガラス組成のソーダライムシリカガラスを流
し込んだ。槽内におけるガラスリボンの温度は600〜
750℃程度であり、表面に膜を形成する部分における
ガラスリボンの温度は約650℃であった。
位置するコータから、モノシラン、エチレン、酸素およ
び窒素からなる混合ガスを供給し、ガラスリボン上に、
膜厚が25nmのSiO2膜を成膜した。引き続いて、
下流側のコータから、モノブチル錫トリクロライド(蒸
気)、酸素、窒素、およびフッ化水素(蒸気)からなる
混合ガスを供給し、SiO2膜上に、膜厚が900nm
のSnO2:F膜を成膜した。成膜後、ガラスリボンは
徐冷炉で徐冷し、さらに搬送下流側に配置した切断機に
より、所定寸法に切断した。
膜)の面積抵抗値(シート抵抗値)は、13.9Ω/ス
クエア(Ω/□)であった。
板を、大気中、450℃で3時間熱処理し、さらに、窒
素雰囲気中、450℃で3時間熱処理した。熱処理後の
SnO2:F膜の面積抵抗値は、10.8Ω/□となっ
た。
の透明導電膜付きガラス板を、窒素雰囲気中、450℃
で3時間熱処理したが、熱処理後もSnO2:F膜の面
積抵抗値は同一であった。
となるように切断した厚さ1.1mmの無アルカリガラ
ス(コーニング社製7059)を洗浄し、さらに乾燥さ
せた。このガラス板上に、大気開放型の搬送炉内におい
て、CVD法により、SnO2:F膜を成膜した。成膜
は、ガラス板を、メッシュベルトを用いて約650℃に
加熱された炉内を搬送しながら行った。炉内に設置した
コータから、モノブチル錫トリクロライド(蒸気)、酸
素、窒素、およびトリフルオロ酢酸(蒸気)からなる混
合ガスを供給し、ガラス板上に膜厚が600nmのSn
O2:F膜を成膜した。
膜)の面積抵抗値は、18.3Ω/□であった。
板を、大気中、450℃で1時間熱処理し、さらに、窒
素雰囲気中、450℃で3時間熱処理した。熱処理後の
SnO2:F膜の面積抵抗値は12.6Ω/□となっ
た。
の透明導電膜付きガラス板を、窒素雰囲気中、450℃
で3時間熱処理したところ、熱処理後のSnO2:F膜
の面積抵抗値は、14.5Ω/□となった。
果をまとめて表1に示す。 (表1) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 熱処理条件 面積抵抗値(Ω/□) (温度はすべて450℃) 熱処理前 熱処理後 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例1 大気中3時間の後、窒素雰囲気中で3時間 13.9 10.8 比較例1 窒素雰囲気中で3時間 13.9 13.9 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例2 大気中1時間の後、窒素雰囲気中で3時間 18.3 12.6 比較例2 窒素雰囲気中で3時間 18.3 14.5 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
窒素雰囲気中で熱処理を行うと、窒素雰囲気中において
のみ熱処理を行う場合よりも、SnO2:F膜を低抵抗
化できることが確認できた。
透明導電膜付きガラス板の可視光透過率は83%であ
り、実施例2および比較例2で得られた透明導電膜付き
ガラス板の可視光透過率は、85%であった。また、各
実施例および各比較例において、熱処理前後の可視光透
過率に変化は認められなかった。
ラスリボン上に以下のように膜を形成した(実施例3〜
6)。
チル錫ジクロライド(蒸気)、酸素、ヘリウムおよび窒
素からなる混合ガスを供給し、ガラスリボン上に、膜厚
が30nmのSnO2膜を成膜した。次いで、下流側の
コータから、モノシラン、エチレン、酸素および窒素か
らなる混合ガスを供給し、膜厚が30nmのSiO2膜
を成膜した。引き続いて、さらに下流側のコータから、
ジメチル錫ジクロライド(蒸気)、酸素、水蒸気、窒素
およびフッ化水素(蒸気)からなる混合ガスを供給し、
膜厚が600nmのSnO2:F膜を成膜した。
膜)の面積抵抗値は、17.5Ω/□であった。
ブチル錫トリクロライド(蒸気)、酸素、ヘリウムおよ
び窒素からなる混合ガスを供給し、ガラスリボン上に、
膜厚が85nmのSnO2膜を成膜した。次いで、下流
側のコータから、モノシラン、エチレン、酸素および窒
素からなる混合ガスを供給し、膜厚が7nmのSiO2
膜を成膜した。引き続いて、さらに下流側のコータか
ら、モノブチル錫トリクロライド(蒸気)、酸素、水蒸
気、窒素およびフッ化水素(蒸気)からなる混合ガスを
供給し、膜厚が480nmのSnO2:F膜を成膜し
た。
膜)の面積抵抗値は、19.4Ω/□であった。
を供給せず、下流側のコータから、モノシラン、エチレ
ン、酸素および窒素からなる混合ガスを供給し、ガラス
リボン上に、膜厚が65nmのSiOC膜を成膜した。
ここでは、エチレンの含有率を増やして膜に炭素を導入
した。次いで、さらに下流側のコータから、ジメチル錫
ジクロライド(蒸気)、酸素、水蒸気、窒素およびトリ
フルオロ酢酸(蒸気)からなる混合ガスを供給し、膜厚
が550nmのSnO2:F膜を成膜した。
膜)の面積抵抗値は、15.7Ω/□であった。
ブチル錫トリクロライド(蒸気)、酸素、ヘリウム、窒
素およびテトラエトキシシラン(蒸気)からなる混合ガ
スを供給し、ガラスリボン上に、膜厚が55nmの錫と
珪素の酸化物(SnSiO)膜を成膜した。次いで、下
流側のコータから、テトラエトキシシラン(蒸気)、酸
素、窒素およびモノブチル錫トリクロライド(蒸気)か
らなる混合ガスを供給し、膜厚が35nmの珪素と錫の
酸化物(SiSnO)膜を成膜した。引き続いて、さら
に下流側のコータから、ジメチル錫ジクロライド(蒸
気)、酸素、水蒸気、窒素およびフッ化水素(蒸気)か
らなる混合ガスを供給し、膜厚が430nmのSn
O2:F膜を成膜した。なお、SnSiO膜では、錫原
子が珪素原子よりも多く、SiSnO膜では、その逆と
なるように、原料比を調整した。
膜)の面積抵抗値は、18.6Ω/□であった。
板についても、上記と同様、熱処理による面積抵抗値の
変化を測定した。ここでも、各実施例に対応する比較例
として、窒素雰囲気中のみにおける熱処理を併せて行っ
た。結果をまとめて表2に示す。
透明導電膜付きガラス板の可視光透過率は82.4%で
あり、実施例4および比較例4で得られた透明導電膜付
きガラス板の可視光透過率は82.8%であり、実施例
5および比較例5で得られた透明導電膜付きガラス板の
可視光透過率は81.6%であり、実施例6および比較
例6で得られた透明導電膜付きガラス板の可視光透過率
は82.4%であった。ここでも、熱処理前後の可視光
透過率に変化は認められなかった。このように、上記各
実施例では、80%以上の高い可視光透過率を維持しな
がらも、透明導電膜の面積抵抗値を低下させることがで
きた。
ラス板に非晶質シリコン光電変換ユニットからなる薄膜
光電変換装置をプラズマCVD法により形成した。非晶
質シリコン光電変換ユニットに含まれるpin接合にお
いて、用いたp型非晶質シリコンカーバイド層の厚さは
15nm、n型非晶質シリコン層の厚さは30nmとし
た。また、真性非晶質シリコン層(i型)はRFプラズ
マCVD法により形成した。成膜条件としては、シラン
の反応ガス、約40Paの反応室内圧力、15mW/c
m2のRFパワー密度、および150℃の成膜温度を用
いた。このような成膜条件と同じ条件でガラス基板上に
直接300nmの厚さまで堆積された真性非晶質シリコ
ン膜の暗導電率は5×10-10S/cmであった。な
お、真性非晶質シリコン層の膜厚は300nmとした。
最後に、裏面電極として厚さ80nmのITO膜と厚さ
300nmのAg膜とをこの順にスパッタリング法によ
り堆積した。
変換面積1cm2)に入射光としてAM1.5の光を1
00mW/cm2の光量で照射したときの出力特性を測
定した。その結果、開放端電圧が0.89V、短絡電流
密度が16.2mW/cm2、曲線因子が71.5%、
そして変換効率が10.3%であった。さらに48℃に
おいてAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照
射して光劣化試験を行ったところ、550時間の照射後
に変換効率が8.3%まで劣化した。
透明導電膜を、酸化雰囲気中において熱処理し、さらに
非酸化雰囲気中において熱処理することにより、被膜形
成原料の熱分解酸化反応により透明基板上に形成した透
明導電膜をさらに低抵抗化することができる。この透明
導電膜を用いれば、各種デバイスや装置の性能向上を実
現できる。本発明により提供される光電変換装置は、従
来よりも光電変換特性に優れたものとなる。特に薄膜光
電変換装置におけるシリーズ抵抗を下げることができる
ため、大面積基板を用いた集積構造を採用する場合に本
発明の効果が顕著となる。もっとも、本発明の透明導電
膜付き透明基板は、例えば画像表示装置、複写機などの
部品として、あるいは窓ガラスなどとしても、優れた効
果を発揮できる。
構成を示す図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 透明基板上に熱分解酸化反応により透明
導電膜を形成し、前記透明導電膜を、酸化雰囲気におい
て熱処理してから非酸化雰囲気中で熱処理することを特
徴とする透明導電膜付き透明基板の製造方法。 - 【請求項2】 透明基板上に下地膜を形成し、前記下地
膜上に透明導電膜を形成する請求項1に記載の透明導電
膜付き透明基板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法によ
り得た透明導電膜付き透明基板を含み、透明導電膜上
に、少なくとも1つの光電変換ユニットおよび裏面電極
がこの順に積層されていることを特徴とする光電変換装
置。
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---|---|---|---|
JP2000080958A JP4485642B2 (ja) | 1999-05-18 | 2000-03-22 | 透明導電膜付き透明基板の製造方法、およびこれを用いた光電変換装置 |
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JP11-137662 | 1999-05-18 | ||
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