JP2001033649A - 余長収納トレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光接続部をみだりに動かないように保持で
き、かつ、光接続部の径や長さ等のサイズが異なる場合
に容易に対応できるようにする。 【解決手段】 余長収納トレイ１１のトレイ底板部１２
の光接続部収納領域２４に光接続部群ホルダ２６を着脱
可能に設ける。光接続部群ホルダ２６は、複数の保護ス
リーブ（光接続部）を保持可能である。光接続部群ホル
ダ２６を交換することで、単心線用の保護スリーブにも
リボン心線用の保護スリーブにも対応できる。専用の光
接続部群ホルダであり、単心線用の保護スリーブとリボ
ン心線用の保護スリーブが同じ長さでも、何ら支障なく
保持することができ、海外仕様にも対応できる。保護ス
リーブを保持リブで挟持する方式を採用でき、堅固に固
定でき、光クロージャ設置作用の作業性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光クロー
ジャ等において、光ファイバどうしの光接続部および余
長を収納する余長収納トレイに関する。

【０００２】

【従来の技術】光線路における光ファイバケーブルの接
続個所に設置される光クロージャとして、光ファイバど
うしの光接続部および余長を収納する余長収納トレイを
内部に積層配置するトレイ方式のメカニカル光クロージ
ャが広く採用されている。この種の光クロージャにおけ
る前記余長収納トレイは、例えば光ファイバどうしを融
着接続し保護スリーブで保護してなる光接続部を収納す
る場合、光接続部を保持する保持リブを複数対、トレイ
底板部に一体に設けた構造の例えばプラスチック成形品
が一般に採用されている。

【０００３】図９は前記のように保持リブで光接続部を
保持する方式の従来の余長収納トレイの一例を示すもの
で、トレイ底板部の要部の平面図である。保持リブで光
接続部を保持する方式を採用する場合、従来は、同図に
示すように、トレイ底板部１に、両側に厚肉部２ａを持
ち中間部に薄肉部２ｂを持つ複数の保持リブ２を並べて
配置する構造の余長収納トレイが使用されている。この
保持リブ２は、一つの余長収納トレイで、単心線用（単
心光ファイバ心線用）の保護スリーブおよびリボン心線
用（リボン光ファイバ心線用）の保護スリーブのいずれ
にも対応できるようにしたものである。すなわち、一般
に、図９に示すように、単心光ファイバ心線３ａの接続
部に用いる保護スリーブ４ａは細くかつ長く、リボン光
ファイバ心線３ｂの接続部に用いる保護スリーブ４ｂは
太くかつ短いため、前記の厚肉部２ａと薄肉部２ｂとを
持つ保持リブ２は、図示の通り、薄肉部２ｂ間に形成さ
れる幅の広いスペースのみでリボン心線用の保護スリー
ブ４ｂを保持することができ、両側の厚肉部２ａ間に形
成される幅の狭いスペースで単心線用の保護スリーブ４
ａの両側を保持することができる。なお、この保持リブ
２は入口が狭くなっており、保護スリーブ４ａ、４ｂは
その狭い入口から押し込んで図９のように収容するよう
になっているので、力を加えずに保持部（保持リブ２間
のスペース）から飛び出すことはない。

【０００４】また、図１０に示すように、長さ方向外側
の保持リブ８の間隔を狭く、長さ方向中央側の保持リブ
９の間隔を広く設け、長さ方向外側の保持リブ８で径の
小なる単心線用保護スリーブ４ａを挟持し、長さ方向中
央側の保持リブ９で径の大なるリボン心線用保護スリー
ブ４ｂを挟持するようにした構造のものもある。なお、
１０は径の大なるリボン心線用保護スリーブ４ｂに合わ
せた浅い凹部である。この構造では、保護スリーブ４
ａ、４ｂは保持リブ８または９で強く挟持されるので、
保護スリーブ４ａ，４ｂは確実に固定される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記の図９の構造で
は、保持リブ２が保護スリーブ４ａ、４ｂを強く挟持す
るものではなく、これを完全に固定しないので、光クロ
ージャが設置作業等の際に激しく動けば、保護スリーブ
４ａ、４ｂが動き、保持部（保持リブ２間のスペース）
から飛び出してしまう場合がある。

【０００６】一方、図１０の構造は、保持リブ８、９が
保護スリーブ４ａ、４ｂを挟持して確実に固定するの
で、保護スリーブ４ａ、４ｂが動くという問題は解消さ
れるが、別な問題が発生する。すなわち、図１０の構造
では、単心線用保護スリーブ４ａとリボン心線用保護ス
リーブ４ｂの長さが異なって始めて、固定可能となる構
造である。日本で使用されている一般的な保護スリーブ
の場合は、前述した通り、単心線用保護スリーブ４ａと
リボン心線用保護スリーブ４ｂの長さに差があるので、
図１０の構造が有効であるが、海外では単心線用保護ス
リーブの長さがリボン心線用保護スリーブと同じ場合が
あり、そのような場合には、この構造は適用できない。

【０００７】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、光ファイバどうしの光接続部、例えば保護スリーブ
部分等をみだりに動かないように保持することができる
とともに、光接続部の径や長さ等のサイズが異なる場合
に容易に対応できる余長収納トレイを提供することを目
的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】光ファイバどうしの光接
続部および余長を収納する余長収納トレイであって、ト
レイ底板部の光接続部収納領域に、複数の光接続部を保
持可能な光接続部群ホルダを着脱可能に設けたことを特
徴とする。

【０００９】請求項２は、請求項１記載の余長収納トレ
イにおける光接続部群ホルダが、前記トレイ底板部の光
接続部収納領域に着脱可能な平板部の上面に、光ファイ
バどうしの融着接続部を保護部材で保護してなる概ね筒
状の光接続部を保持する複数対の保持リブを備えたこと
を特徴とする。

【００１０】請求項３は、請求項１記載の余長収納トレ
イにおける光接続部群ホルダが、その平板部の下面に、
トレイ底板部の光接続部収納領域にあけた係合穴に係合
する係合爪を備えたことを特徴とする。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図７を参照して説明する。図１は本発明の一実施形態
の余長収納トレイ１１の斜視図、図２は図１の余長収納
トレイ１１の平面図である。この余長収納トレイ１１
は、ポリプロピレン等のプラスチック成形品であり、細
長い概ね長円状のトレイ底板部１２の周囲を、これと一
体の直線状の側壁１３および概ねＣ字形の側壁１４で囲
み、側壁１３、１４の上縁部の複数個所から心線押さえ
用舌片１５がそれぞれ内方に延出している。なお、トレ
イ底板部１２の心線押さえ用舌片１５の下方位置は穴１
２ｅとなっている。また、直線状の側壁１３の両端部と
Ｃ字形の側壁１４の両端部との間のスペースを光ファイ
バ口１６としている。図示例では仕切板１７で光ファイ
バ口１６を２分割している。余長収納トレイ１１の光フ
ァイバ口１６のある一辺側の側壁（側壁１３）の外面に
はヒンジ部２０が設けられ、他辺側の側壁（側壁１４の
直線部）には、係合爪２１および係合凹部２２が設けら
れている。この係合爪２１と係合凹部２２は、後述する
ように、積層した余長収納トレイ１１の隣接するものど
うしをロックするためのものである。

【００１２】この余長収納トレイ１１のトレイ底板部１
２の両側部分は余長収納部２３とされ、中央部分は光接
続部収納領域２４とされている。前記光接続部収納領域
２４は、詳細は後述する光接続部群ホルダ２６を装着す
る部分であり、図３（イ）、（ロ）に拡大して示すよう
に、概ね矩形板状の光接続部群ホルダ２６が嵌まり込む
浅く平坦な矩形凹所１２ａ、この矩形凹所１２ａの四隅
の係合穴１２ｂ、中央の係合穴１２ｃを備えている。四
隅の係合穴１２ｂは図３（ロ）に示すように、全体が貫
通する穴でなく、裏面側に段部１２ｄを持つ。

【００１３】前記光接続部群ホルダ２６の詳細構造を説
明すると、図４（イ）、（ロ）、（ハ）に示した光接続
部群ホルダ２６は、リボン光ファイバ心線用ものであ
り、矩形の平板部２８の上面に、リボン心線用の保護ス
リーブ４ｂを挟持する保持リブ２９を複数対備えるとと
もに、下面の四隅にトレイ底板部１２の前記係合穴１２
ｂに係合する係合爪２８ｂを備え、中央に前記係合穴１
２ｃに係合する係合爪２８ｃを備えている。

【００１４】図５に単心光ファイバ心線用の光接続部群
ホルダ２６’を示す。この単心光ファイバ心線用の光接
続部群ホルダ２６’は、平板部２８および下面の係合爪
２８ｂ、２８ｃは前述のリボン光ファイバ心線用の光接
続部群ホルダ２６と同じであるが、平板部２８の上面に
設けた保持リブ２９’は、高さ方向の中央部が若干くび
れた８の字形の保持部を持つ形状で、単心線用の保護ス
リーブ４ａを上下２段に保持する。

【００１５】光ファイバケーブル接続時の作業について
説明すると、図２において、一方（左側）の光ファイバ
ケーブル３１から取り出された光ファイバ心線３と、他
方（右側）の光ファイバケーブル３１から取り出された
光ファイバ心線３とは、光ファイバ融着接続機で裸ファ
イバどうしの融着接続を行なった後、その融着接続部が
保護スリーブ４（４ａまたは４ｂ）で保護される。次い
で、接続した光ファイバ心線３の光接続部すなわち保護
スリーブ４の部分を前述の光接続部群ホルダ２６（２
６’）上の保持リブ２９（２９’）にそれぞれ嵌め込ん
で、各保護スリーブ４を挟持する。なお、単心線かリボ
ン心線かに応じて単心線用光接続部群ホルダ２６’また
はリボン心線用光接続部群ホルダ２６を用いる。そし
て、左右の光ファイバ心線３を左右の光ファイバ口１６
からそれぞれ導き入れ、余長収納部２３に廻らせて収納
するとともに、各保護スリーブ４を保持した光接続部群
ホルダ２６を光接続部収納領域２４に装着する。これに
より、光ファイバ心線３の光接続部（保護スリーブ４の
部分）およびその両側の余長部がこの余長収納トレイ１
１内に収容される。

【００１６】各保護スリーブ４を保持した光接続部群ホ
ルダ２６を光接続部収納領域２４に装着した状態は図６
に示す通りであり、平板部２８が光接続部収納領域２４
の矩形凹所１２ａに嵌まり込むとともに、四隅の係合爪
２８ｂおよび中央の係合爪２８ｃが係合穴１２ｂ、１２
ｃに差し込まれ係合する。この場合、光接続部収納領域
２４に浅い矩形凹所１２ａを設けているので、光接続部
群ホルダ２６の平板部２８がトレイ底板部１２の上面か
ら突出しない。また、係合穴１２ｂに段部１２ｄを形成
しているので、係合爪２８ｂ、２８ｃはトレイ底板部１
３の裏面から突出しない。なお、図６に示したものはリ
ボン光ファイバ心線用の光接続部群ホルダ２６であり、
リボン心線用保護スリーブ４ｂが挟持間隔の広い保持リ
ブ２９で挟持されている。光ファイバ心線が単心光ファ
イバ心線の場合は、図５に示した光接続部群ホルダ２
６’を用いる。単心線はリボン心線より細いので、単心
線用の光接続部群ホルダ２６’の保持リブ２９’の保持
間隔は、リボン心線用の保持リブ２９の間隔より狭い。

【００１７】上記のように、この余長収納トレイ１１
は、着脱可能な単心線用およびリボン心線用のそれぞれ
専用の光接続部群ホルダ２６（２６’）を備えているの
で、それを交換することで、単心光ファイバ心線にもリ
ボン光ファイバ心線にも対応することができる。したが
って、保護スリーブ４の種類によって、余長収納トレイ
を変える必要がなく、経済性がよい。また、専用の光接
続部群ホルダ２６（２６’）であり、保護スリーブ４の
保持手段が保護スリーブ４の長さに依存せず、同一でも
特に支障はないので、海外での使用に問題は生じない。
また、光接続部群ホルダ２６（２６’）は光接続部（保
護スリーブ４の部分）を保持リブ２９（２９’）で挟持
するので、堅固に固定することができ、光接続部（保護
スリーブ４）がみだりに動くことはない。したがって、
光クロージャ設置作用の作業性が向上する。また、複数
の光接続部を保持した光接続部群ホルダ２６毎交換する
ので、１回の交換作業ですべての保持部の交換が可能で
あり、この点でも作業性が向上する。

【００１８】図７は上記の余長収納トレイ１１を積層配
置した光クロージャ３５を模式的に示したもので、光ク
ロージャ３５は、例えば円筒状等のプラスチックスリー
ブ３６、両側の端面板３７、端面板３７にあけたケーブ
ル貫通穴部分をシールするシール部材３８、光ファイバ
ケーブル３１を把持するケーブル把持金具３９、両側の
ケーブル把持金具３９間を一体連結する連結棒４０、光
ファイバケーブル３１のテンションメンバ（スロットロ
ッド等）４１を把持するテンションメンバ把持金具４２
等を備え、例えば前記連結棒４０に余長収納トレイ１１
が積層して配置される。

【００１９】図７のように積層された各余長収納トレイ
１１は、図８にも示すように上下に隣接するものどうし
がヒンジ部２０で相対的に上下方向に回動可能に連結さ
れ、かつ、下側の余長収納トレイ１１の係合爪２１（図
１参照）が上側の余長収納トレイ１１の係合凹部２２に
係合して、互いにロックされる。

【００２０】なお、実施形態では余長収納トレイ１１を
積層して用いているが、積層しない使用も当然可能であ
る。また、上記の実施形態では、光ファイバの融着接続
部を保護スリーブで保護する例で説明したが、他の保護
構造でもよいし、また、融着接続でなく、コネクタ接続
による光接続部の場合にも適用できる。この場合は、光
接続部群ホルダの上面に光コネクタを着脱可能にする。
また、本発明の余長収納トレイは、通常は光クロージャ
内に設置されるが、光ファイバどうしの光接続部および
余長を収納する必要のある種々の接続個所に適用可能で
ある。

【００２１】

【発明の効果】本発明の余長収納トレイは、トレイ底板
部の光接続部収納領域に、複数の光接続部を保持可能な
光接続部群ホルダを着脱可能に設けた構成であるから、
単心線用およびリボン心線用の専用の光接続部群ホルダ
を用意し、それを交換することで、単心線にもリボン心
線にも対応することができる。したがって、保護スリー
ブの種類によって、余長収納トレイを変える必要がな
く、経済性がよい。また、専用の光接続部群ホルダであ
り、例えば光接続部が保護スリーブである場合に、保護
スリーブの保持手段が保護スリーブの長さに依存せず、
同一でも特に支障はないので、海外での使用に問題は生
じない。また、光接続部群ホルダは光接続部を保持リブ
で挟持するので、堅固に固定することができ、光接続部
がみだりに動くことはない。したがって、光クロージャ
設置作用の作業性が向上する。また、複数の光接続部を
保持した光接続部群ホルダ毎交換できるので、１回の交
換作業ですべての保持部の交換が可能であり、この点で
も作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の余長収納トレイの斜視図
である。

【図２】図１の余長収納トレイの平面図である。

【図３】（イ）は上記余長収納トレイのトレイ底板部の
ホルダ取付部の詳細拡大図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ断
面図である。

【図４】上記余長収納トレイのホルダ取付部に取り付け
られる光接続部ホルダを示すもので、（イ）は平面図、
（ロ）は正面図、（ハ）は左側面図である。

【図５】上記余長収納トレイのホルダ取付部に取り付け
られる光接続部ホルダの他の実施形態を示すもので、
（イ）は平面図、（ロ）は正面図、（ハ）は左側面図で
ある。

【図６】図４の光接続部ホルダを余長収納トレイのホル
ダ取付部に取り付けた状態の断面図で、図３（ロ）に対
応する図である。

【図７】上記余長収納トレイを備えた光クロージャを模
式的に示した断面図である。

【図８】上記余長収納トレイを複数個積層した状態の側
面図である。

【図９】従来の余長収納トレイにおける光接続部収納部
の要部平面図である。

【図１０】従来の余長収納トレイにおける光接続部収納
部の他の例を示す要部平面図である。

【符号の説明】

３ 光ファイバ心線 ３ａ 単心光ファイバ心線（単心線） ３ｂ リボン光ファイバ心線（リボン心線） ４ 保護スリーブ（光接続部） ４ａ 単心線用保護スリーブ ４ｂ リボン心線用保護スリーブ １１ 余長収納トレイ １２ トレイ底板部 １２ａ 矩形凹所 １２ｂ、１２ｃ 係合穴 １２ｄ 段部 １３、１４ 側壁部 １５ 心線押さえ用舌片 １６ 光ファイバ口 ２０ ヒンジ部 ２１ 係合爪 ２２ 係合凹部 ２３ 余長収納部 ２４ 光接続部収納領域 ２６、２６’ 光接続部群ホルダ ２８ 平板部 ２８ｂ、２８ｃ 係合爪 ２９、２９’ 保持リブ ３１ 光ファイバケーブル ３５ 光クロージャ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバどうしの光接続部および余長
   を収納する余長収納トレイであって、 トレイ底板部の光接続部収納領域に、複数の光接続部を
   保持可能な光接続部群ホルダを着脱可能に設けたことを
   特徴とする余長収納トレイ。
2. 【請求項２】 前記光接続部群ホルダは、前記トレイ底
   板部の光接続部収納領域に着脱可能な平板部の上面に、
   光ファイバどうしの融着接続部を保護部材で保護してな
   る概ね筒状の光接続部を保持する複数対の保持リブを備
   えたことを特徴とする請求項１記載の余長収納トレイ。
3. 【請求項３】 前記光接続部群ホルダは、その平板部の
   下面に、トレイ底板部の光接続部収納領域にあけた係合
   穴に係合する係合爪を備えたことを特徴とする請求項１
   記載の余長収納トレイ。