JP2001032798A - 電動送風機及び電気掃除機 - Google Patents

電動送風機及び電気掃除機

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JP2001032798A
JP2001032798A JP11207136A JP20713699A JP2001032798A JP 2001032798 A JP2001032798 A JP 2001032798A JP 11207136 A JP11207136 A JP 11207136A JP 20713699 A JP20713699 A JP 20713699A JP 2001032798 A JP2001032798 A JP 2001032798A
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Toru Hirose
徹 広瀬
Tomoyuki Kikukawa
智之 菊川
Toshifumi Miyahara
敏文 宮原
Masakuni Soejima
雅邦 副島
Yoshinori Murakami
芳則 村上
Akira Sadamoto
晃 貞本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波の風きり音の少ない電動送風機並びに
電気掃除機を提供する。 【解決手段】 複数のブレード21を有したインペラ本
体20と、周囲に配置された複数の静翼27を有するエ
アガイド26と、これらを内包し中央に吸気口28aを
有したファンケース28と、インペラ本体20を回転駆
動する電動機24を備え、空気通路の途中に円筒形で通
路断面積を拡大する拡大部41を有した円筒形消音器3
8を介在させることにより、気流通路の圧力損失を増加
させずに、電動送風機13で発生する気流の脈動に起因
する特定周波数の騒音を共鳴を利用して消音でき、低騒
音で高効率な電動送風機13を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動送風機及びそ
れを利用した電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に従来の電動送風機について図12
に基づいて説明する。
【0003】1はインペラ本体であり中央に吸気口1a
を有しており、複数枚のブレード2を板金製の後シュラ
ウド3とこれに対向する板金製の前シュラウド4で挟持
し構成している。5はインペラ本体1を駆動する電動機
で、6は複数の静翼7を設けたエアガイドで、隣り合う
静翼7間でボリュート室8を形成している。9はインペ
ラ本体1とエアガイド6を内包し、かつ電動機5の外周
に気密に取り付けられた中央部に吸気口10を有するフ
ァンケースである。13は電動送風機全体を12は電動
機排気口を示している。
【0004】以上の構成における動作について説明する
と、インペラ本体1が電動機5により高速回転すると、
インペラ本体1の吸込口1aから流入した空気流は、ブ
レード2で回転運動エネルギを与えられ、インペラ本体
1外周部から排出される。さらに空気流はエアガイド6
に形成された複数の静翼7で形成されるボリュート室8
を通過しながら減速し運動エネルギを静圧に変換し、そ
の後電動機5内部を通過し電動機5のフレーム11に設
けられた。電動機排気口12より排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この電動送風機13に
おいて、ブレード2の枚数は有限のため内部を通過する
気流に圧力脈動を生じる。そしてこの脈動の周波数はイ
ンペラ本体1の毎秒回転数とブレード枚数の積で表わさ
れる。
【0006】気流の脈動は、脈動周波数及びその高調波
成分を有する大きな騒音となり、吸気口10及び電動機
排気口12から外部へ伝搬する。これら騒音は、ブレー
ド枚数を増やすあるいは、インペラ本体1とエアガイド
6の静翼7との距離を大きくするなどして圧力脈動を緩
和して低減するが、いずれも電動送風機13の効率を悪
くする。他の性能への影響を小さくしかつ騒音を低減す
る事が電動送風機を家電機器に使用する際の大きな課題
になっている。
【0007】本発明は上記課題を解決し、電動送風機の
損失を増大させずに、騒音を低減することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、複数のブレードを有したインペラと、周囲
に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これら
を内包し中央に吸気口を有したファンケースと、インペ
ラを回転駆動する電動機を備え、空気通路の途中に円筒
形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を介在
させた電動送風機を実現することにより、気流通路の圧
力損失を増加させずに、電動送風機で発生する気流の脈
動に起因する特定周波数の騒音を共鳴を利用して消音で
き、低騒音で高効率な機器を実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、複数のブレードを有したインペラと、周囲に配置さ
れた複数の静翼を有するエアガイドと、これらを内包し
中央に吸気口を有したファンケースと、インペラを回転
駆動する電動機を備え、空気通路の途中に円筒形で通路
断面積を拡大する拡大部を有した消音器を介在させた電
動送風機を実現することにより、電動送風機の効率を低
下させることなく、風きり騒音の低減が可能になる。
【0010】本発明の請求項2に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機を備え、前記吸気口に、途中に短い円筒形で通路断
面積を拡大する拡大部を有した消音器を取着した電動送
風機を実現することにより、電動送風機の効率を低下さ
せることなく集塵室から透過する風きり音の低減が可能
になる。
【0011】本発明の請求項3に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機と、前記電動機の排気口を覆うと共に排気口を設け
た防音筒とを備え、前記排気口に、途中に短い円筒形で
通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を有した電
動送風機を実現することにより、電動送風機の効率を低
下させることなく、掃除機の本体排気口から伝搬する風
きり音を低減できる。
【0012】本発明の請求項4に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機から成り、ファンケースの前部を覆うと共に吸気口
Aを有する防音筒を備え、前記防音筒吸気口Aに、途中
に短い円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消
音器を有した電動送風機を実現することにより、更に効
果的に吸気側から伝搬する風きり音を低減でき、しかも
電動送風機の損失を増やすことも無い。
【0013】本発明の請求項5に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機から成り、電動送風機全体を覆うと共に前後に吸気
口Bと排気口を有する防音筒とを備え、前記吸気口B、
排気口のそれぞれに、途中に短い円筒形で通路断面積を
拡大する拡大部を有した消音器を設けた電動送風機を実
現することにより、吸気側、排気側から伝搬する風きり
音を両者とも効果的に低減でき、より広い使用条件で騒
音が低減でき、又電動送風機の損失に与える影響も少な
い。
【0014】本発明の請求項6に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機から成り、電動機の排気口に、途中に短い円筒形で
通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を取着した
電動送風機を実現することにより、電動送風機の効率を
低下させることなく、コンパクトな形状で風きり音を低
減できる。
【0015】本発明の請求項7に記載の発明は、塵挨吸
引用の電動送風機と、塵埃を捕集する集塵室と、前記集
塵室に連通する吸い込み部と、前記電動送風機の排気を
排出する本体排気口を備え、前記排気口に、途中に短い
円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を
設置した電気掃除機を実現することにより、より簡単な
構造で安価に風きり音の低減が可能になる。
【0016】本発明の請求項8に記載の発明は、電動送
風機を請求項1〜6のいずれか1項記載の電動送風機と
した、請求項7記載の電気掃除機を実現することによ
り、消音器を2段に構成することができ風きり音の低減
効果をより大きくすることができる。
【0017】本発明の請求項9に記載の発明は、塵埃を
捕集する集塵室と、前記集塵室に連通するように接続さ
れる吸い込み部と、請求項1〜6のいずれか1項記載の
電動送風機を備えた電気掃除機を実現することにより、
風きり音の小さな電気掃除機を実現できる。
【0018】
【実施例】(実施例1)以下本発明の第1の実施例を図
1、図2を用いて説明する。図1は電動送風機並びにイ
ンペラを、図2は、消音器の拡大図をそれぞれ示す。
【0019】20は電動送風機13のインペラ本体であ
り、複数枚のブレード21を板金製の後シュラウド22
とこれに対向する板金製の前シュラウド23で挟持し構
成している。20aはインペラ本体20の吸い込み口を
示している。
【0020】24はインペラ本体20を駆動する電動機
を示し、固定子29を内包したフレーム30、ブラケッ
ト31に、回転子32を固着した回転軸25を軸受け前
33、軸受け後34を介して支持することにより構成さ
れている。44は電力を回転子32に供給するための整
流子であり、回転軸25に固着されている。45はフレ
ームに固定されたブラシを示す。すなわち、この電動機
24は交流整流子型の電動機である。その回転軸25の
先端部には、インペラ本体20が固着されている。26
は複数の静翼27を設けたエアガイドで、インペラ本体
20の周囲に、インペラ本体20の外周と近接して設置
され、ブラケット31に載置されている。
【0021】28はインペラ本体20とエアガイド26
を内包し、かつ電動機24のブラケット31の外周に気
密に取り付けられ、中央部に吸気口28aを有するファ
ンケースである。ファンケース28の内面28bは前記
静翼27の上端部27aと当接し、かつ隣り合う静翼2
7間で独立したボリュート室35を形成している。
【0022】ファンケース28の吸気口28aには円筒
形消音器38が固定されている。図2に示すようにこの
円筒形消音器38は、板金で作られたファンケース28
の吸気口28aに挿入される筒部28dと筒部28dと
一体に形成された円盤状の取り付け部28cと取り付け
部28cの周囲に、圧入固定される管部40aと円板部
40bからなる消音器前部40から成り、途中に、長さ
の短い、円板形の拡大部41が構成される。
【0023】以上の構成における動作について説明する
と、インペラ本体20が電動機24により高速回転する
と、円筒形消音器38を通り、インペラ本体20の吸込
口20aから流入した空気流は、ブレード21で回転運
動エネルギを与えられ、インペラ本体20外周部から排
出される。さらに空気流はエアガイド26に形成された
複数の静翼27で形成されるボリュート室35を通過し
ながら減速し運動エネルギを静圧に変換し、エアガイド
裏面の戻り通路36を通り、ブラケット31の連通孔4
2を通り、その後電動機24内部を通過し電動機24の
フレーム30に設けられた電動機排気口43より排出さ
れる。
【0024】この電動送風機39において、ブレード2
1の枚数は有限のため内部を通過する気流に圧力脈動を
生じる。そしてこの脈動の周波数はインペラ本体20の
毎秒回転数とブレード枚数の積で表わされる。
【0025】インペラ(動翼)20、とその周りに静翼
27を配置したファンでは、有限枚数のインペラ20と
同じく有限枚数の静翼27それぞれの枚数の組み合わせ
により干渉音が生じ、特定の伝搬モードを有した高次モ
ード波が生じやすくなる。特に最近この種の電動送風機
13は小型化のための高速化がすすみ、発生する周波数
自身も高くなり、高次モード波が伝搬しやすくなってい
る。
【0026】音波を減衰させるためには、通常その伝搬
通路の中に断面積を急拡大させる拡大部を設ける事がよ
くあるが、通常の平面波に近い音では拡大部の長さが必
要であり、そのため、流路としての圧力損失が大きくな
り、又大きな設置スペースが必要になる。
【0027】特開平4―66711号公報、日本機会学
会論文集59巻568号C編「ダクト壁に設けた細いス
リットによる高次モード波を含む円形ダクト内音波の消
音」等の文献にも明らかなように、本実施例のように高
次モード波として伝搬する音波は平面波と違い、周方向
に一様でなく正弦波的な分布を有している。平面波が半
波長以上のスリット幅すなわち拡大部41の長さが必要
なのに比べ、高次モード波のように分布した音波の伝搬
に影響を与えるには細いスリット(拡大部41の長さ
L)でも原理的に可能であり、スリットの幅は波長の1
/10程度で充分な効果が期待でき1/100程度でも
数dBの効果はあらわれる。又拡大部41の径方向の内
径寸法Dとは、伝搬する音波の1/4波長あるいはその
整数倍付近のスリット深さを有しておれば音波が伝搬し
にくくなる。
【0028】高次モード波として伝搬するこの種のファ
ン騒音は、吸気口28a及び電動機排気口43から外部
へ伝搬する。本発明では、吸気口28a部分に円筒形消
音器38がファンケース28に設けられているため上記
圧力変動に起因する高次モード波の風きり音が減衰、消
音される。すなわち吸気口28aから伝搬する風きり音
は円筒形消音器28の途中にある円筒形拡大部41でそ
の位相が反転し、圧力脈動を緩和し風きり音を低減す
る。又円筒形拡大部41の径を調整することにより位相
が反転する周波数を調整することが可能である。本実施
例では円筒形拡大部41の溝深さに比べその幅は1/5
程度に設定されている。この程度の幅では気流の乱れは
殆ど無く電動送風機39の効率に悪影響を与えない。又
円筒形消音器38はファンケース28に固着されるため
組立隙間が生じたり、管部40aと吸気口28aの軸芯
がずれたりする事による空気性能への悪影響も無い。
【0029】(実施例2)以下本発明の第2の実施例を
図3を用いて説明する。なお、上記第1の実施例と同一
の部分は同一番号を付してその説明を省略する。
【0030】50は電動送風機39の後部を覆う防音筒
を示し、前部の開口端50bがファンケース28の外周
に圧入固着され、後部に排気口50aが設けられ、さら
に排気口50aに、途中に短い円筒形の通路面積を拡大
させる拡大部51を設けた円筒形の消音器52が挿入固
着されている。消音器52は、入り口管部53、円筒形
拡大部51、出口管部54から構成されている。
【0031】次に動作について述べる。消音の基本原理
は実施例1で述べたとおりであるが本実施例では電動機
排気口36から伝搬する騒音は、防音筒50内で一旦拡
大消音される。しかし、この時点ではブレード21の枚
数と毎秒回転数の積で決まる周波数を持つ高次モード波
は減衰されず、又新たなモード波が防音筒50内で形成
され、排気口50aへと伝搬する。このとき排気口50
aに取り付けた消音器52の働きで、上記高次モード波
の風きり騒音は減衰し、機器本体に設けた排気側への伝
搬が低減される。前述したとおり消音の原理は実施例1
に述べた内容と同一であるが、本実施例では電動機排気
口43から防音筒50へ排気されるときの急拡大により
圧力脈動が緩和され更に消音器の効果が足されるため、
消音効果は大きくなる。
【0032】又図4は、他の例を示すもので、ファンケ
ース28を覆うように吸気口28a側に吸気側防音筒5
5を設け、前記吸気側防音筒55の上部中央に設けた吸
気口A55aに円筒形消音器52を設ければ、吸気側へ
伝搬する風きり騒音が低減され、その消音効果は実施例
1の場合より吸気側防音筒55で拡大消音される分、効
果のある周波数範囲が広くなる。
【0033】さらに、図5に示すように電動送風機39
全体を覆う防音筒57を設置し、吸気側の吸気口B57
aと排気側の排気口57bの両方に入り口管部53、出
口管部54、短い拡大部51から成る円筒形消音器52
を設置しても良く、吸排気両側へ伝搬する風きり音を大
幅に低減できる。
【0034】なお、上記実施例では、円筒形消音器52
を防音筒の外方に取り付けたが図6に示すように、防音
筒50の内側に円筒形消音器52を設けても効果は同一
である。
【0035】(実施例3)次に本発明の第3の実施例を
図7を用いて説明する。上記実施例と同一の部分は同一
番号を付してその説明を省略する。
【0036】62は、入り口管部59と、出口管部60
の途中に短い円筒形の拡大部58を有した円筒形消音器
を示し、円形の電動機排気口61に挿入固着されてい
る。この電動機排気口61はフレーム30側面の対称な
位置2カ所に設けられており円筒形消音器62もそれぞ
れに設置されている。44、25は電動機排気口61か
ら見える整流子、回転軸を示す。45はブラシを示す。
【0037】電動機排気口61からの排気は圧力脈動に
起因する風きり騒音が伝搬するが、本実施例ではその電
動送風機39の一部又は全体を覆う防音筒を使用せず、
電動機排気口61に直接円筒形消音器62が固着されて
いるため、風きり音を効率よく低減でき、しかもコンパ
クトに構成できる。
【0038】消音の原理は実施例1の中で記述したとお
りであるが、電動機排気口61に伝搬する圧力脈動に起
因する風きり騒音は高次モード波であるため、電動機排
気口61での音波分布は一様では無く、短い円筒形の拡
大部58を有した消音器で充分な消音効果が発生する。
【0039】(実施例4)次に本発明の第4の実施例を
図8を用いて説明する。
【0040】63は電気掃除機を示し、電動送風機3
9、集塵用紙袋64を内包した掃除機本体68と、塵埃
を吸引する吸い込み部65と、掃除機本体と接続する延
長管66、ホース67より構成される。掃除機本体68
は、集塵用紙袋64を内包する集塵室69と電動送風機
39を内包する電動機室71から構成される。電動送風
機39は弾性体70で吸排気のシールを行い同時に本体
に防振支持している。72は電動送風機39のフレーム
30に設けられた電動機排気口、73は本体内の排気通
路で、この排気通路73は本体排気口74に連通してい
る。本実施例では本体排気口74に、入り口管部77と
出口管部78の途中に短い円筒形の拡大部76を有した
円筒形消音器75が設けられている。
【0041】動作について説明する。電気掃除機に通電
し運転すると電動送風機39により吸引力が働き吸い込
み部65より塵埃が吸引され、集塵室69で塵埃が分離
された後排気は、電動機排気口72、排気通路73を経
て本体排気口74に至り外部に排出される。電動送風機
39で発生する特定の周波数を有した風きり音は、この
排気と共に伝搬する。この種の騒音は周波数が高く、排
気通路73の径方向寸法は波長に比べ充分に小さくな
く、又元々高次モード波であるため、本体排気口74で
はその音波は均一一様な分布をせず、高次モード波に似
通った分布をする。
【0042】本実施例では本体排気口74に円筒形消音
器75が取り付けてあり、この高次モード波に似通った
騒音を効果的に低減ができる。電気掃除機は、塵埃の
量、床面の状態などにより、吸引される流量が変化する
と共に電動送風機39の回転数も変化し、風きり音の周
波数は使用状態によって様々に変化する。このため掃除
機本体68、排気通路73の空間で前記風きり音が共鳴
する事がしばしば起こるがこの共鳴周波数に会わせて円
筒形消音器75の拡大部76の径を設定すればより効果
的に風きり音を低減できる。
【0043】また、図9に示すように、実施例1〜5に
示すような途中に短い拡大部80aを設けた円筒型消音
器80を有した電動送風機39を電気掃除機63内に組
み込めば、風きり音の小さな掃除機が実現できる。79
は格子状開口部を有した本体の排気口である。
【0044】さらに、図10の様に途中に短い拡大部8
1aを設けた円筒型消音器A81を備えた電動送風機3
9を電気掃除機63に搭載し、しかも電気掃除機63の
本体排気口82に同様の短い拡大部83aを設けた円筒
型消音器B83を設置すればより効果的に風きり音を低
減できることは云うまでもない。
【0045】又、円筒形消音器A81、円筒形消音器B
83の大きさを変え、効果の発生する周波数域を違えて
おけばより幅広い範囲で風きり音の低減が可能になる。
【0046】図11の様に電動送風機39を防音筒84
で覆い、この排気口85に途中に短い拡大部86aを設
けた円筒形消音器A86を取り付け、しかも電気掃除機
63の本体排気口82に同様の短い拡大部83aを設け
た円筒型消音器B83を設置すれば図10に示す例と同
様に効果的に風きり音を低減できる。
【0047】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の発明は、複数
のブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数
の静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸
気口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する
電動機を備え、空気通路の途中に円筒形で通路断面積を
拡大する拡大部を有した消音器を介在させた電動送風機
とすることにより、特定の周波数を有した風きり音を低
減でき、しかも気流の圧力損失もほとんど生じない。
【0048】本発明の請求項2に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機を備え、前記吸気口に、途中に短い円筒形で通路断
面積を拡大する拡大部を有した消音器を取着した電動送
風機とすることにより、吸気側に伝搬する、特定の周波
数を有した風きり音を低減でき、しかも気流の圧力損失
も殆ど生じない。
【0049】本発明の請求項3に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機と、前記電動機の排気口を覆うと共に排気口を設け
た防音筒とを備え、前記排気口に、途中に短い円筒形で
通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を有した電
動送風機とすることにより、排気から伝搬する風きり音
を効果的に低減でき、しかも気流により圧力損失も殆ど
生じない。
【0050】本発明の請求項4に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機から成り、ファンケースの前部を覆うと共に吸気口
Aを有する防音筒を備え、前記防音筒吸気口Aに、途中
に短い円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消
音器を有した電動送風機とする事により、ファンケース
の吸気口から伝搬する風きり音は、いったん防音筒内部
で拡大消音され、その後円筒型消音器で更に消音される
ため、効果的に風きり音の低減が可能になる。又気流の
圧力損失も殆ど生じず、効率の良い、低騒音の電動送風
機が実現できる。
【0051】本発明の請求項5に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機から成り、電動送風機全体を覆うと共に前後に吸気
口Bと排気口を有する防音筒とを備え、前記吸気口B、
排気口のそれぞれに、途中に短い円筒形で通路断面積を
拡大する拡大部を有した消音器を設けた電動送風機とす
ることにより、吸気側、排気側から伝搬する風きり音両
者とも効果的に消音することができ、効率の良いしかも
幅広い条件で使用可能な低騒音の電動送風機を実現でき
る。
【0052】本発明の請求項6に記載の発明は、複数の
ブレードを有したインペラと、周囲に配置された複数の
静翼を有するエアガイドと、これらを内包し中央に吸気
口を有したファンケースと、インペラを回転駆動する電
動機から成り、電動機の排気口に、途中に短い円筒形で
通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を取着した
電動送風機とすることにより、コンパクトな形状で、排
気側から伝搬する風きり音の低減ができ、効率の良い低
騒音でコンパクトな電動送風機が実現できる。
【0053】本発明の請求項7に記載の発明は、塵挨吸
引用の電動送風機と、塵埃を捕集する集塵室と、前記集
塵室に連通する吸い込み部と、前記電動送風機の排気を
排出する本体排気口を備え、前記排気口に、途中に短い
円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を
設置した電気掃除機とすることにより、風きり音が小さ
く、コンパクトで効率のよい電気掃除機を実現できる。
【0054】本発明の請求項8に記載の発明は、電動送
風機を請求項1〜6のいずれか1項記載の電動送風機と
した、請求項7記載の電気掃除機とする事により、風き
り音が伝搬する経路に複数の消音器を設置することがで
き、幅広い周波数範囲で風きり音の低減ができ、更に静
音な電気掃除機を実現できる。
【0055】本発明の請求項9に記載の発明は、塵埃を
捕集する集塵室と、前記集塵室に連通するように接続さ
れる吸い込み部と、請求項1〜6のいずれか1項記載の
電動送風機を備えた電気掃除機とすることにより、風き
り音の小さい掃除機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の実施例を示す電動送風機
のインペラ、エアガイドを示す平面断面図 (b)同電動送風機の断面図
【図2】(a)同電動送風機に取着された円筒型消音器
の平面図 (b)同円筒型消音器の断面図 (c)同円筒型消音器の分解図
【図3】(a)本発明の第2の実施例を示す電動送風機
の断面図 (b)同電動送風機の後面図
【図4】(a)他の実施例を示す電動送風機の平面図 (b)同電動送風機の断面図
【図5】(a)他の実施例を示す電動送風機の断面図 (b)同電動送風機の後面図
【図6】(a)他の実施例を示す電動送風機の断面図 (b)同電動送風機の後面図
【図7】(a)本発明の第3の実施例を示す電動送風機
の正面図 (b)同電動送風機の側面図
【図8】本発明の第4の実施例を示す電気掃除機の部分
断面図
【図9】他の実施例を示す電気掃除機の部分断面図
【図10】他の実施例を示す電気掃除機の部分断面図
【図11】他の実施例を示す電気掃除機の部分断面図
【図12】(a)従来の電動送風機のインペラ、エアガ
イドを示す平面断面図 (b)同電動送風機の断面図
【符号の説明】
20 インペラ本体 21 ブレード 24 電動機 26 エアガイド 27 静翼 28 ファンケース 38 円筒形消音器 39 電動送風機 41 拡大部 42 連通孔 43 電動機排気口 50 防音筒 50a 防音音筒排気口 51 拡大部 52 円筒形の消音器 53 入り口管部 54 出口管部 55 吸気側防音筒 55a 吸気口A 56 円筒形消音器 57 防音筒 57a 吸気口B 57b 排気口 58 拡大部 61 電動機排気口 62 円筒形消音器 63 電気掃除機 65 吸い込み部 69 集塵室 74 本体排気口 75 円筒形消音器 76 拡大部 79 本体排気口 80 円筒型消音器 80a 拡大部 81 円筒型消音器A 81a 拡大部 82 本体排気口 83 円筒型消音器B 83a 拡大部 84 防音筒 85 排気口 86 円筒型消音器 86a 拡大部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮原 敏文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 副島 雅邦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村上 芳則 茨城県つくば市桜2−21−7 (72)発明者 貞本 晃 茨城県つくば市竹園2丁目807−202 Fターム(参考) 3B006 FA02 LA11 LA12 3H034 AA02 AA13 BB02 BB06 BB20 CC03 DD01 EE06 3H035 DD01 DD05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のブレードを有したインペラと、周
    囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これ
    らを内包し中央に吸気口を有したファンケースと、イン
    ペラを回転駆動する電動機を備え、空気通路の途中に円
    筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を介
    在させた電動送風機。
  2. 【請求項2】 複数のブレードを有したインペラと、周
    囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これ
    らを内包し中央に吸気口を有したファンケースと、イン
    ペラを回転駆動する電動機を備え、前記吸気口に、途中
    に短い円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消
    音器を取着した電動送風機。
  3. 【請求項3】 複数のブレードを有したインペラと、周
    囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これ
    らを内包し中央に吸気口を有したファンケースと、イン
    ペラを回転駆動する電動機と、前記電動機の排気口を覆
    うと共に排気口を設けた防音筒とを備え、前記排気口
    に、途中に短い円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を
    有した消音器を有した電動送風機。
  4. 【請求項4】 複数のブレードを有したインペラと、周
    囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これ
    らを内包し中央に吸気口を有したファンケースと、イン
    ペラを回転駆動する電動機から成り、ファンケースの前
    部を覆うと共に吸気口Aを有する防音筒を備え、前記防
    音筒吸気口Aに、途中に短い円筒形で通路断面積を拡大
    する拡大部を有した消音器を有した電動送風機。
  5. 【請求項5】 複数のブレードを有したインペラと、周
    囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これ
    らを内包し中央に吸気口を有したファンケースと、イン
    ペラを回転駆動する電動機から成り、電動送風機全体を
    覆うと共に前後に吸気口Bと排気口を有する防音筒とを
    備え、前記吸気口B、排気口のそれぞれに、途中に短い
    円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を有した消音器を
    設けた電動送風機。
  6. 【請求項6】 複数のブレードを有したインペラと、周
    囲に配置された複数の静翼を有するエアガイドと、これ
    らを内包し中央に吸気口を有したファンケースと、イン
    ペラを回転駆動する電動機から成り、電動機の排気口
    に、途中に短い円筒形で通路断面積を拡大する拡大部を
    有した消音器を取着した電動送風機。
  7. 【請求項7】 塵挨吸引用の電動送風機と、塵埃を捕集
    する集塵室と、前記集塵室に連通する吸い込み部と、前
    記電動送風機の排気を排出する本体排気口を備え、前記
    排気口に、途中に短い円筒形で通路断面積を拡大する拡
    大部を有した消音器を設置した電気掃除機。
  8. 【請求項8】 電動送風機を請求項1〜6のいずれか1
    項記載の電動送風機とした、請求項7記載の電気掃除
    機。
  9. 【請求項9】 塵埃を捕集する集塵室と、前記集塵室に
    連通するように接続される吸い込み部と、請求項1〜6
    のいずれか1項記載の電動送風機を備えた電気掃除機。
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