JP2001031667A - 光学活性テトラヒドロフラニル基を含有するニトログアニジン誘導体、その製造方法およびそれらを有効成分とする殺虫剤 - Google Patents

光学活性テトラヒドロフラニル基を含有するニトログアニジン誘導体、その製造方法およびそれらを有効成分とする殺虫剤

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JP2001031667A
JP2001031667A JP20146799A JP20146799A JP2001031667A JP 2001031667 A JP2001031667 A JP 2001031667A JP 20146799 A JP20146799 A JP 20146799A JP 20146799 A JP20146799 A JP 20146799A JP 2001031667 A JP2001031667 A JP 2001031667A
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methyl
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tetrahydrofuryl
nitro
guanidine
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JP20146799A
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Hiromoto Matsuno
裕泉 松野
Takeshi Oura
剛 大浦
Seiji Arai
清司 新井
Atsuko Kawahara
敦子 河原
Oma Oe
桜麻 大江
Masahiko Nakamura
雅彦 中村
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性テトラヒドロフラニル基を含有する
ニトログアニジン誘導体、その製造方法およびそれらを
有効成分とする殺虫剤を提供する。 【解決手段】 式(1)で表される(S)−1−メチル
−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチ
ル]グアニジン、その製造方法およびそれらを有効成分
とする殺虫剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は(S)−1−メチル
−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチ
ル]グアニジンとその製造方法、およびそれらを有効成
分とする殺虫剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−
テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンは、特許掲載
公報第2766848号に記載のとおり、高い殺虫活性
を示すことが既に知られている。この化合物のテトラヒ
ドロフラン環部位には不斉点が存在するため、2種の光
学異性体が存在する。則ち、これまで報告されている1
−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンはラセミ体であり、光学活性体
の殺虫活性差に関しては検討されていなかった。近年の
新農薬の低薬量化に伴い、より高活性な光学異性体を見
出すことは重要な課題であるが、本化合物に関して、い
ずれの光学異性体が活性発現により大きく寄与している
は不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1−
メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンのうち、より高い殺虫活性を有
する(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テ
トラヒドロフリル)メチル]グアニジンを提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−
テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンの2種の光学
異性体を製造し、それぞれの殺虫活性について検討し
た。その結果、(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンが高
い活性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち本発明は、以下の通りである。 1.式(1)(化5)
【0006】
【化5】 で表される(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン。 2.上記1記載の(S)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを
有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。 3.(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−
テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを光学分割す
ることを特徴とする上記1記載の(S)−1−メチル−
2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチ
ル]グアニジンの製造方法。 4.式(2)(化6)
【0007】
【化6】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1
〜4のアルキルチオ基を表す。)で表される化合物を光
学分割した後にメチルアミンと反応させることを特徴と
する上記1記載の(S)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンの
製造方法。 5.式(3)(化7)
【0008】
【化7】 (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で
表される化合物を光学分割した後に分解させることを特
徴とする上記1記載の(S)−1−メチル−2−ニトロ
−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジ
ンの製造方法。 6.式(4)(化8)
【0009】
【化8】 で表される(S)−テトラヒドロフラン−3−メタノー
ルを原料として用いることを特徴とする上記1記載の
(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラ
ヒドロフリル)メチル]グアニジンの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
式(2)又は式(3)で表される化合物から式(1)で
表される(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3
−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを製造する
方法において、炭素数1〜4のアルキル基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル
基、i−ブチル基、t−ブチル基等を、炭素数1〜4ア
ルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ
基等を、炭素数1〜4のアルキルチオ基としては、メチ
ルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピ
ルチオ基、ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等をそれぞ
れ例示することができる。
【0011】式(1)で表される本発明の(S)−1−
メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンは、反応式(1)(化9)に記
載の方法により製造することができる。
【0012】
【化9】 反応式(1)において、式(5)で表される(RS)−
1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフ
リル)メチル]グアニジンを光学分割することにより式
(1)で表される(S)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを
製造することができる。
【0013】反応式(1)で表される反応に用いられる
光学分割剤としては、光学異性体分離HPLC用カラム
等を挙げることができる。反応式(1)で表される反応
に用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジク
ロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、エチルエー
テル、イソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタ
ン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキ
サン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル等のニトリル類等を挙げることができる。上記反応の
反応温度および反応時間は広範囲に変化させることがで
きる。一般的には、反応温度は−20〜60℃が好まし
く、より好ましくは0〜40℃、反応時間は0.01〜
50時間が好ましく、より好ましくは0.1〜1時間で
ある。反応式(1)の式(5)で表される化合物は、特
許掲載公報2766848号に記載の方法により製造で
きる。
【0014】式(1)で表される本発明の化合物は、反
応式(2)(化10)に記載の方法によっても製造する
ことができる。
【0015】
【化10】 [式中、R1 は式(2)(化6)と同じ意味を表す。] 即ち、式(2)で表される化合物を反応式(1)で表さ
れる方法と同様に光学分割して式(6)で表される化合
物を製造し、続いて溶媒中、メチルアミンと反応させる
ことにより、式(1)で表される(S)−1−メチル−
2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチ
ル]グアニジンを製造することができる。
【0016】反応式(2)で表される反応に用いられる
光学分割剤および溶媒としては、反応式(1)で示され
るものと同様のものが使用できる。反応式(2)で表さ
れる反応に用いられるメチルアミンの当量は式(6)で
表される化合物に対し、1〜2当量が好ましく、より好
ましくは1〜1.2当量である。上記反応の反応温度お
よび反応時間は広範囲に変化させることができる。一般
的には、反応温度は−20〜200℃であり、好ましく
は0〜100℃である。反応時間は0.01〜50時間
であり、好ましくは0.1〜15時間である。反応式
(2)の式(2)で表される化合物は公知化合物であ
り、例えば特許掲載公報2766848号に記載の方法
により製造できる。
【0017】式(1)で表される本発明の化合物は、反
応式(3)(化11)に記載の方法によっても製造する
ことができる。
【0018】
【化11】 [式中、R2 は式(3)(化7)と同じ意味を表す。] 即ち、式(3)で表される化合物を反応式(1)で表さ
れる方法と同様に光学分割して式(7)で表される化合
物を製造し、続いて溶媒中、分解反応を行うことによ
り、式(1)で表される(S)−1−メチル−2−ニト
ロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニ
ジンを製造することができる。
【0019】反応式(3)で表される反応に用いられる
光学分割剤および溶媒としては、反応式(1)で示され
るものと同様のものが使用できる。反応式(3)におけ
る分解反応の例は、塩酸水溶液・硫酸水溶液等の酸性水
溶液による酸加水分解やアミン・アンモニア等による分
解反応等が挙げられる。反応式(3)で表される反応に
用いられる光学分割剤および溶媒としては、反応式
(1)で示されるものと同様のものが使用できる。上記
反応の反応温度および反応時間は広範囲に変化させるこ
とができる。一般的には、反応温度は−20〜200℃
であり、好ましくは0〜100℃である。反応時間は
0.01〜50時間であり、好ましくは0.1〜15時
間である。
【0020】式(1)で表される本発明の化合物は、反
応式(4)(化12)に記載の方法によっても製造する
ことができる。
【0021】
【化12】 即ち、式(4)で表される(S)−テトラヒドロフラン
−3−メタノールを、例えば特許掲載公報276684
8号に記載の方法により、式(1)で表される(S)−
1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフ
リル)メチル]グアニジンへ誘導することで製造するこ
とができる。
【0022】式(4)で表される化合物はJ.Org.
Chem.,27.,921(1962)やHeter
ocycl.,28,283(1989)等に記載の方
法や反応式(5)(化13)に記載の方法によっても製
造することができる。
【0023】
【化13】 [式中、R3 は水素または炭素数1〜4のアルキル基を
表し、R4 は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、
ベンジル基を表す。] 即ち、式(8)で表される化合物を溶媒中、還元剤によ
り還元することにより、式(4)で表される(S)−テ
トラヒドロフラン−3−メタノールを製造することがで
きる。
【0024】反応式(5)で表される反応に用いられる
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン
(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサ
ン等のエーテル類等を挙げることができる。反応式
(5)で表される反応に用いられる還元剤としては水素
化リチウムアルミニウム等の水素化アルカリ金属ナトリ
ウム類や水素化ナトリウムホウ素、水素化ナトリウムシ
アノホウ素等の水素化アルカリ金属ホウ素類を挙げるこ
とができる。反応式(5)で表される反応に用いられる
還元剤の当量は、式(8)で表される化合物に対して1
〜10当量が好ましく、より好ましくは1〜2当量であ
る。上記反応の反応温度および反応時間は広範囲に変化
させることができる。一般的には、反応温度は−20〜
200℃であり、好ましくは0〜100℃である。反応
時間は0.01〜50時間であり、好ましくは0.1〜
15時間である。
【0025】式(8)で表される化合物は、反応式
(6)(化14)に記載の方法によって製造することが
できる。
【0026】
【化14】 [式中、R3 、R4 は式(8)(化13)と同じ意味を
表す。] 即ち、式(9)で表される化合物を反応式(1)で表さ
れる方法と同様に光学分割することにより式(8)で表
される化合物を製造することができる。
【0027】反応式(6)で表される反応に用いられる
光学分割剤および溶媒としては、反応式(1)で示され
るものと同様のものが使用できる。
【0028】式(9)で表される化合物は、反応式
(7)(化15)に記載の方法によって製造することが
できる。
【0029】
【化15】 [式中、R3 、R4 は式(8)(化13)と同じ意味を
表す。] 即ち、公知の式(10)で表される化合物を溶媒中、塩
基存在下で公知の式(11)で表される化合物と反応さ
せることにより式(9)で表される化合物を製造するこ
とができる。
【0030】反応式(7)で表される反応に用いられる
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン
(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサ
ン等のエーテル類等、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジ
ノン等の非プロトン性極性溶媒類、アセトニトリル、プ
ロピオニトリル等のニトリル類を挙げることができる。
反応式(7)で表される反応に用いられる塩基としては
水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ
金属類、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムア
ミド等のアルカリ金属アミド類、メチルリチウム、ブチ
ルリチウム等のアルキルリチウム類、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキ
シド類を挙げることができる。反応式(7)で表される
反応に用いられる塩基の当量は、式(10)で表される
化合物に対して1〜2当量が好ましく、より好ましくは
1〜1.2当量である。上記反応の反応温度および反応
時間は広範囲に変化させることができる。一般的には、
反応温度は−100〜200℃であり、好ましくは−8
0〜100℃である。反応時間は0.01〜50時間で
あり、好ましくは0.1〜15時間である。
【0031】本発明の式(1)で表される(S)−1−
メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンは強い殺虫作用を持ち、殺虫剤
として農業、園芸、畜産、林業、防疫、家屋等の多様な
場面において使用することができる。また、本発明の式
(1)で表わされる誘導体は植物、高等動物、環境等に
対して害を与えることなく、有害昆虫に対して的確な防
除効果を発揮する。
【0032】そのような害虫としては例えば、アワヨト
ウ、タマナヤガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨト
ウ、カブラヤガ、ヨトウガ、タマナギンウワバ、ニカメ
イガ、コブノメイガ、ハイマダラメイガ、イネツトム
シ、ワタアカミムシ、ジャガイモガ、モンシロチョウ、
ノシメマダラメイガ、チャノコカクモンハマキ、キンモ
ンホソガ、ミカンハモグリガ、ナシヒメシンクイ、マメ
シンクイガ、モモシンクイガ、ブドウスカシバ、コナ
ガ、イガ等の鱗翅目害虫;タバココナジラミ、オンシツ
コナジラミ、ミカントゲコナジラミ、ワタアブラムシ、
ユキヤナギアブラムシ、リンゴワタムシ、モモアカアブ
ラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラム
シ、マメアブラムシ、ミカンクロアブラムシ、ムギミド
リアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、チャノ
ミドリヒメヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ、ヒメトビ
ウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコ
バイ、タイワンツマグロヨコバイ、ヤノネカイガラム
シ、クワコナカイガラムシ、ミカンコナカイガラムシ、
イセリアカイガラムシ、ミナミアオカメムシ、ホソヘリ
カメムシ、ナシグンバイ等の半翅目害虫;イネミズゾウ
ムシ、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、コロラド
ハムシ、ウリハムシ、Diabrotica spp.、コクゾウム
シ、ニジュウヤホシテントウ、アズキゾウムシ、マメコ
ガネ、ゴマダラカミキリ、タバコシバンムシ、ヒメマル
カツオブシムシ、コクヌストモドキ、ヒラタキクイムシ
等の鞘翅目害虫;アカイエカ、チカイエカ、ヒトスジシ
マカ、イネハモグリバエ、ダイズサヤタマバエ、イネカ
ラバエ、イネミギワバエ、イエバエ、タマネギバエ、ウ
リミバエ、ミカンコミバエ、マメハモグリバエ等の双翅
目害虫;ネギアザミウマ、カキクダアザミウマ、ミナミ
キロアザミウマ、イネアザミウマ、チャノキイロアザミ
ウマ等のアザミウマ目昆虫;クロゴキブリ、ヤマトゴキ
ブリ、ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ、コバネイナ
ゴ、トノサマバッタ等の直翅目害虫;カブラハバチ等の
膜翅目害虫;イエダニ、ツツガムシ類、ケナガコナダニ
等のダニ目害虫;その他イヌノミ、アタマジラミ、ヤマ
トシロアリ、ヤケヤスデ、ゲジなどをあげることができ
る。
【0033】本発明の式(1)で表わされる(S)−1
−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンを実際に施用する場合には、他
の成分を加えずに単味の形でも使用できるが、防除薬剤
として使いやすくするため担体を配合して適用するのが
一般的である。本発明化合物の製剤化に際しては、何ら
の特別の条件を必要とせず、一般農薬に準じて当業技術
の熟知する方法によって乳剤、水和剤、粉剤、粒剤、微
粒剤、フロアブル剤,マイクロカプセル剤,油剤、エア
ゾール、薫煙剤,毒餌等の任意の剤型に調整でき、これ
らをそれぞれの目的に応じた各種用途に供しうる。
【0034】ここでいう担体とは、処理すべき部位への
有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の貯蔵、輸
送、取扱いを容易にするために配合される液体、固体ま
たは気体の合成または天然の無機または有機物質を意味
する。
【0035】適当な固体担体としては例えばモンモリロ
ナイト、カオリナイト、ケイソウ土、白土、タルク、バ
ーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリカゲル、
硫安等の無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉、ペクチン、
メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ワセリン、
ラノリン、流動パラフィン、ラード、植物油等の有機物
質等があげられる。
【0036】適当な液体担体としては例えばトルエン、
キシレン、クメン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水
素類、ケロシン、鉱油等のパラフィン系炭化水素類、メ
チレンクロリド、クロロホルム、4塩化炭素等のハロゲ
ン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテル等のエーテル類、酢酸エチルエステル、酢酸ブ
チルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル
類アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類メ
タノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノ
ール、エチレングリコール等のアルコール類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水等があげられ
る。
【0037】さらに本発明の式(1)で表わされる
(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラ
ヒドロフリル)メチル]グアニジンの効力を増強するた
めに、製剤の剤型、適用場面等を考慮して目的に応じて
それぞれ単独に、または組合わせて以下のような補助剤
を使用することもできる。乳化、分散、拡展、湿潤、結
合、安定化等の目的で使用する助剤としてはリグニンス
ルホン酸塩類等の水溶性塩基類、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩類、アルキル硫酸エステル類、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル類、多価アルコールエス
テル類等の非イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシ
ウム、ワックス等の滑剤、イソプロピルヒドロジエンホ
スフェート等の安定剤、その他メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム等が
あげられる。しかし、これらの成分は以上のものに限定
されるものではない。
【0038】さらにこれら本発明の式(1)で表わされ
る(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テト
ラヒドロフリル)メチル]グアニジンは2種以上の配合
使用によって、より優れた殺虫活性を発現させることも
可能であり、また他の生理活性物質、例えばアレスリ
ン、テトラメトリン、レスメトリン、フェノトリン、フ
ラメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメ
トリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパト
リン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フルシトリ
ネート、フルバリネート、アクリナトリン、テフルトリ
ン、ビフェントリン、エンペントリン、ベータサイフル
スリン、ゼータサイパーメスリン等の合成ピレスロイド
系殺虫剤およびこれらの各種異性体あるいは除虫菊エキ
ス;DDVP、シアノホス、フェンチオン、フェニトロ
チオン、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プ
ロパホス、メチルパラチオン、テメホス、ホキシム、ア
セフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP,E
PN、エチオン、メカルバム、ピリダフェンチオン、ダ
イアジノン、ピリミホスメチル、エトリムホス、イソキ
サチオン、キナルホス、クロルピリホスメチル、クロル
ピリホス 、ホサロン、ホスメット、メチダチオン、オ
キシデブロホス、バミドチオン、マラチオン、フェント
エート、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エ
チルチオメトン、ホレート、テルブホス、プロフェノホ
ス、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、モノ
クロトホス、ナレド、ホスチアゼート等の有機リン系殺
虫剤、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、XM
C、PHC、MPMC、エチオフェンカルブ、ベンダイ
オカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラ
カルブ、メソミル、オキサミル、アルジカルブ、等のカ
ーバメート系殺虫剤、エトフェンプロックス、ハルフェ
ンプロックス等のアリールプロピルエーテル系の殺虫
剤、シラフルオフェン等のシリルエーテル系化合物。硫
酸ニコチン、ポリナクチン複合体、アベルメクチン、ミ
ルベメクチン、BT剤等の殺虫性天然物、カルタップ、
チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、ク
ロルフルアズロン、テフルベンズロン、 トリフルムロ
ン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ヘキサ
フルムロン、フルアズロン、イミダクロプリド、ニテン
ピラム、アセタミプリド、ピメトロジン、フィプロニ
ル、ブプロフェジン、フェノキシカルブ、ピリプロキシ
フェン、メトプレン、ハイドロプレン、キノプレン、エ
ンドスルファン、ジアフェンチウロン、トリアズロン、
テブフェノジド、ベンゾエピン等の殺虫剤、ジコホル、
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジ
ホン、CPCBS、BPPS、キノメチオネート、アミ
トラズ、ベンゾメート、ヘキシチアゾックス、酸化フェ
ンブタスズ、シヘキサチン、ジエノクロル、クロフェン
テジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、フェナザ
キン、テブフェンピラド、ピリミジナミン等の殺ダニ
剤、その他殺菌剤、肥料、土壌改良剤、植物成長調節剤
等の植物保護剤や資材等と混合することによりさらに効
力の優れた多目的組成物をつくることもでき、また相乗
効果も期待できる。
【0039】なお、本発明の式(1)で表わされる
(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラ
ヒドロフリル)メチル]グアニジンは光、熱、酸化等に
安定であるが、必要に応じ酸化防止剤あるいは紫外線吸
収剤、例えばBHT(2,6−ジ− t− ブチル− 4
− メチルフェノール)、BHA(ブチルヒドロキシア
ニソール)のようなフェノール誘導体、ビスフェノール
誘導体、またフェニル−α− ナフチルアミン、フェニ
ル− β− ナフチルアミン、フェネチジンとアセトンの
縮合物等のアリールアミン類あるいはベンゾフェノン系
化合物類を安定剤として適量加えることによって、より
効果の安定した組成物を得ることができる。
【0040】本発明の式(1)で表わされる化合物の殺
虫剤は該化合物を0.0000001〜95重量%、好
ましくは0.0001〜50重量%含有させる。本発明
殺虫剤を施用するには、一般に有効成分0.001〜5
000ppm、好ましくは0.01〜1000ppmの
濃度で使用するのが望ましい。また、10aあたりの施
用量は、一般に有効成分で1〜300gである。
【0041】
【実施例】次に、実施例および参考例により本発明の内
容を具体的に説明する。 実施例1 (S)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(化
合物1)の製造 1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフ
リル)メチル]グアニジン0.5gを光学異性体分離用
カラム(ダイセル化学社、分取用キラルセルAD)を要
した分取HPLCを用いて分割(溶媒:ヘキサン/エタ
ノール=85/15)することで、目的とする(S)−
1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフ
リル)メチル]グアニジン50mgを得た。1 H-NMR(CDCl3,ppm):1.62-1.71(1H,m),2.05-2.16(1H,m),
2.58-2.67(1H,m),2.97(3H,d,J=5.3Hz),3.36(2H,br-t),
3.62-3.66(1H,m),3.71-3.84(2H,m),3.89-3.95(1H,m),6.
04(1H,br-s),9.35(1H,br-s). IR(KBr,cm-1):3340,3298,2953,2880,1618,1552,1491,14
57,1441,1419,1318,1231,1169,1146,1048,891. m.p.:69.4-71.0℃. [α]D 27:+17.3°(C=1.09,CHCl3).
【0042】実施例2 (S)−1−メチル−2−ニト
ロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニ
ジン(化合物1)の製造 (S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラ
ヒドロフリル)メチル]イソチオウレア2.00gのメ
タノール20mL溶液にメチルアミン(40%メタノー
ル溶液)0.74gを加え、室温にて3時間撹拌した。
反応液を減圧濃縮して得られた油状物を再結晶すること
で、目的とする(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン1.
44gを無色の結晶として得た。なお、物性値は実施例
1と同様であった。
【0043】実施例3 (S)−1−メチル−2−ニト
ロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニ
ジン(化合物1)の製造 1,5−ジメチル−2−(ニトロイミノ)−3−[3−
(テトラヒドロフリル)メチル]−1,3,5−ヘキサ
ヒドロトリアジン1.00gを光学異性体分離用カラム
(ダイセル化学社、分取用キラルセルOD)を要した分
取HPLCを用いて分割(溶媒:ヘキサン/エタノール
=85/15)し、得られた(S)−1,5−ジメチル
−2−(ニトロイミノ)−3−[3−(テトラヒドロフ
リル)メチル]−1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン
をメタノール10mL中で塩酸水溶液(2M、1mL)
と反応させることにより、目的とする(S)−1−メチ
ル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メ
チル]グアニジン65mgを無色の結晶として得た。な
お、物性値は実施例1と同様であった。
【0044】実施例4 (S)−1−メチル−2−ニト
ロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]イソチ
オウレアの製造 1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフ
リル)メチル]イソチオウレア25.0gを光学異性体
分離用カラム(ダイセル化学社、分取用キラルセルA
D)を要した分取HPLCを用いて分割(溶媒:ヘキサ
ン/エタノール=85/15)することで、目的とする
(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラ
ヒドロフリル)メチル]イソチオウレア7.90gを無
色の結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3,ppm):1.62-1.74(1H,m),2.11-2.26(1H,m),
2.52(3H,s),2.55-2.70(1H,m),3.42-3.48(2H,m),3.61-3.
66(1H,m),3.73-3.86(2H,m),3.92-4.00(1H,m),10.14(1H,
br-s). IR(KBr,cm-1):3355,1563,1453,1192. [α]D 27:+14.2°(C=1.06,CHCl3).
【0045】実施例5 (S)−1−メチル−2−ニト
ロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニ
ジン(化合物1)の製造 (S)−テトラヒドロフラン−3−メタノール1.00
gおよびトリエチルアミン1.09gのテトラヒドロフ
ラン10mL溶液に氷冷下にて塩化メタンスルホニル
1.23gを5分かけて滴下した。反応液を氷冷下にて
10分間、室温にて1時間撹拌した後、不溶物をろ別
し、ろ液を減圧濃縮した。得られた油状物をフタルイミ
ドカリウム1.81gのN,N−ジメチルホルムアミド
10mL懸濁溶液に加えた後、80℃にて3時間撹拌し
た。反応液を室温まで放冷した後、酢酸エチルを加え、
これを水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾
燥した後、減圧濃縮することで、(S)−N−[3−
(テトラヒドロフリル)メチル]フタルイミド1.70
gを黄色の結晶として得た。これをエタノール17mL
に懸濁させた後、ヒドラジン一水和物0.24gを加
え、2時間加熱還流した。反応液を50℃まで冷却した
後、濃塩酸0.4mLを加え、30分間撹拌した。不溶
物をろ別し、ろ液を減圧濃縮して得られた油状物に10
%水酸化ナトリウム水溶液20mLを加えた。水層をジ
クロロメタンにて抽出した後、有機層を無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥し、有機層を常圧濃縮して(S)−[3
−(テトラヒドロフリル)メチル]アミンを得た。この
アミンを1,3−ジメチル−2−ニトロイソウレア0.
50gの水5mL懸濁溶液に加え、室温にて3時間撹拌
した。反応液をジクロロメタンにて抽出した後、有機層
を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮して得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2
0:1 クロロホルム/メタノール)にて精製して再結
晶(酢酸エチル−ヘキサン)を行うことにより、目的と
する(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テ
トラヒドロフリル)メチル]グアニジン0.50gを無
色の結晶として得た。なお、物性値は実施例1と同様で
あった。
【0046】参考例1 (S)−テトラヒドロフラン−
3−メタノールの製造 水素化リチウムアルミニウム0.83gのテトラヒドロ
フラン50mL懸濁溶液に氷冷下にて(4S,3’S)
−4−ベンジル−3−[(3’−テトラヒドロフラン)
カルボニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン5.
00gを15分かけて加えた。反応液を氷冷下にて6時
間撹拌した後、硫酸ナトリウム10水和物2.82gを
15分間かけて加え、室温にて20分間撹拌した。不溶
物をろ別し、ろ液を減圧濃縮して得られた油状物を減圧
蒸留することで目的とする(S)−テトラヒドロフラン
−3−メタノール1.94gを無色の油状物として得
た。1 H-NMR(CDCl3,ppm):1.58-1.70(2H,m),1.96-2.09(1H,m),
2.39-2.50(1H,m),3.54-3.91(6H,m). b.p.4=74℃. [α]D:+29.27°(C=2.026,MeOH). 参考文献値:[α]D:+24.83°(C=2.14,MeOH), >99%ee.He
terocycl.28,283(1989).
【0047】参考例2 (4S,3’S)−4−ベンジ
ル−3−[(3’−テトラヒドロフラン)カルボニル]
−1,3−オキサゾリジン−2−オンの製造 (4S)−4−ベンジル−3−[(3’−テトラヒドロ
フラン)カルボニル]−1,3−オキサゾリジン−2−
オン15.0gを光学異性体分離用カラム(ダイセル化
学社、分取用キラルパックAS)を要した分取HPLC
を用いて分割(溶媒:ヘキサン/2−プロパノール=9
0/10)することで、目的とする(4S,3’S)−
4−ベンジル−3−[(3’−テトラヒドロフラン)カ
ルボニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン5.8
gを無色の結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3,ppm):2.06-2.19(1H,m),2.28-2.39(1H,m),
2.76-2.85(1H,m),3.24-3.31(1H,m),3.81-3.89(1H,m),3.
94-4.28(6H,m),4.65-4.74(1H,m),7.19-7.38(5H,m). [α]D 27:+104.6°(C=1.04,CHCl3).
【0048】参考例3 (4S)−4−ベンジル−3−
[(3’−テトラヒドロフラン)カルボニル]−1,3
−オキサゾリジン−2−オンの製造 (S)−4−ベンジル−1,3−オキサゾリジン−2−
オン12.5gのテトラヒドロフラン120mL溶液に
−78℃にてn−ブチルリチウム(1.5M,ヘキサン
溶液)49,4mLを15分かけて滴下した。反応液を
−78℃で1時間撹拌した後、テトラヒドロフラン−3
−カルボニルクロリド9.50gのテトラヒドロフラン
10mL溶液を−78℃にて15分かけて滴下した。反
応液を−78℃にて3時間撹拌した後、水を加え、水層
をジクロロメタンにて抽出した。有機層を無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥した後、減圧濃縮して得られた油状物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:1 ヘキ
サン/酢酸エチル)で精製することで、標記化合物(4
S)−4−ベンジル−3−[(3’−テトラヒドロフラ
ン)カルボニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン
15.7gを無色の油状物として得た。1 H-NMR(CDCl3,ppm):2.08-2.39 (2H,m),2.74-2.84(1H,
m),3.24-3.33(1H,m),3.80-4.28(7H,m),4.64-4.73(1H,
m),7.18-7.37(5H,m). [α]D 27:+66.9°(C=1.04,CHCl3).
【0049】次に製剤例を挙げて本発明の殺虫組成物を
具体的に説明する。なお部は重量部を表す。 製剤例 1 本発明化合物20部、ソルポール355S(東邦化学
製、界面活性剤)10部、キシレン70部、以上を均一
に攪拌混合して乳剤を得た。
【0050】製剤例 2 本発明化合物10部、アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ホ
ワイトカーボン5部、ケイソウ土82部、以上を均一に
攪拌混合して水和剤100部を得た。
【0051】製剤例 3 本発明化合物0.3部、ホワイトカーボン0.3部を均
一に混合し、クレー99.2部、ドリレスA(三共製)
0.2部を加えて均一に粉砕混合し、粉剤100部を得
た。
【0052】製剤例 4 本発明化合物2部、ホワイトカーボン2部、リグニンス
ルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト94部、以上を
均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒
剤100部を得た。
【0053】製剤例 5 本発明化合物20部およびポリビニルアルコールの20
%水溶液5部を充分攪拌混合した後、キサンタンガムの
0.8%水溶液75部を加えて再び攪拌混合してフロア
ブル剤100部を得た。
【0054】製剤例 6 本発明化合物10部、カルボキシメチルセルロース3
部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ジオクチルス
ルホサクシネートナトリウム塩1部、水84部を均一に
湿式粉砕し、フロアブル剤100部を得た。
【0055】次に、本発明の式(1)で表わされる化合
物が優れた殺虫活性を有することを明確にするために以
下の試験例により具体的に説明する。 試験例 1 ヒメトビウンカに対する効果 本発明化合物を所定濃度のアセトン溶液とし、数本に束
ねたイネ苗(約3葉期)に2.5ml散布する。風乾
後、処理苗を金網円筒で覆い、内部へヒメトビウンカ雄
成虫10頭ずつを放って25℃の恒温室に置き、48時
間後に死亡率を調査した。結果を第1表(表1)に示し
た。
【0056】
【表1】 比較化合物1:(R)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン 比較化合物2:(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン
【0057】試験例 2 トビイロウンカに対する効
果 本発明化合物を所定濃度のアセトン溶液とし、数本に束
ねたイネ苗(約3葉期)に2.5ml散布する。風乾
後、処理苗を金網円筒で覆い、内部へトビイロウンカ雄
成虫10頭ずつを放って25℃の恒温室に置き、48時
間後に死亡率を調査した。結果を第2表(表2)に示し
た。
【0058】
【表2】 比較化合物1:(R)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン 比較化合物2:(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン
【0059】試験例 3 ハスモンヨトウに対する効
果 本発明化合物を所定濃度のアセトン溶液とし、蒸留水で
希釈した後、展着剤(新グラミン水、三共株式会社製)
を0.02%になるように添加して所定濃度に調製す
る。そこへサツマイモ葉を充分に浸漬して風乾させた
後、直径9cm、深さ4cmのプラスチックカップに移
し、ハスモンヨトウ2令幼虫を10頭づつに摂食させ、
25℃下、72時間後に死虫率を調査した。結果を第3
表(表3)に示した。
【0060】
【表3】 比較化合物1:(R)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン 比較化合物2:(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン
【0061】試験例 4 チャバネゴキブリに対する
効果 直径9cm、高さ9cmの腰高シャーレ底面に、本発明
化合物のアセトン所定濃度液を1mlずつ滴下し、風乾
してドライフィルムを作った。腰高シャーレ内壁にバタ
ーを塗り、チャバネゴキブリ雄成虫をシャーレあたり1
0頭放飼したのち蓋をして、48時間後に死亡率を調査
した。結果を第4表(表4)に示した。
【0062】
【表4】 比較化合物1:(R)−1−メチル−2−ニトロ−3−
[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン 比較化合物2:(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3
−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン
【0063】
【発明の効果】本発明の式(1)で表される(S)−1
−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンは、既に高い殺虫力と広い殺虫
スペクトラムを有することが知られている(RS)−1
−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンや、光学異性体の(R)−1−
メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンに比べてより優れた化合物であ
る。また、本発明の式(1)で表される(S)−1−メ
チル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)
メチル]グアニジンを含有する殺虫剤は、(RS)−1
−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
ル)メチル]グアニジンや(R)−1−メチル−2−ニ
トロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グア
ニジンを含有する殺虫剤と比較してより優れた殺虫効果
を具備しており有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 敦子 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 大江 桜麻 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 中村 雅彦 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4C037 CA10 4H006 AA02 AA03 AB02 AC83 AD17 BB11 BB12 BB14 BB15 BB21 BB25 BB31 4H011 AC01 AC02 AC03 AC05 BA05 BB11 BC01 BC07 BC18 BC20 DA02 DA15 DA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)(化1) 【化1】 で表される(S)−1−メチル−2−ニトロ−3−
    [(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載の(S)−1−メチル
    −2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチ
    ル]グアニジンを有効成分として含有することを特徴と
    する殺虫剤。
  3. 【請求項3】(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−
    [(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジンを光
    学分割することを特徴とする請求項1記載の(S)−1
    −メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラヒドロフリ
    ル)メチル]グアニジンの製造方法。
  4. 【請求項4】 式(2)(化2) 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1
    〜4のアルキルチオ基を表す。)で表される化合物を光
    学分割した後にメチルアミンと反応させることを特徴と
    する請求項1記載の(S)−1−メチル−2−ニトロ−
    3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 式(3)(化3) 【化3】 (式中、R2 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で
    表される化合物を光学分割した後に分解させることを特
    徴とする請求項1記載の(S)−1−メチル−2−ニト
    ロ−3−[(3−テトラヒドロフリル)メチル]グアニ
    ジンの製造方法。
  6. 【請求項6】 式(4)(化4) 【化4】 で表される(S)−テトラヒドロフラン−3−メタノー
    ルを原料として用いることを特徴とする請求項1記載の
    (S)−1−メチル−2−ニトロ−3−[(3−テトラ
    ヒドロフリル)メチル]グアニジンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001328983A (ja) * 2000-05-19 2001-11-27 Mitsui Chemicals Inc 二置換ニトログアニジンの製造方法
CN111567549A (zh) * 2020-06-13 2020-08-25 江西啄木蜂科技有限公司 一种用于防治红松球果害虫的注射液剂组合物及其应用

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