JP2001031623A - 2−置換プロピオン酸の製造方法 - Google Patents

2−置換プロピオン酸の製造方法

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JP2001031623A
JP2001031623A JP11207085A JP20708599A JP2001031623A JP 2001031623 A JP2001031623 A JP 2001031623A JP 11207085 A JP11207085 A JP 11207085A JP 20708599 A JP20708599 A JP 20708599A JP 2001031623 A JP2001031623 A JP 2001031623A
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halomethylstyrene
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alkyl group
carbon atoms
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Tadasuke Watanabe
宰輔 渡辺
Shuichi Tajima
秀一 田島
Kazuharu Suyama
和晴 須山
Yasuo Matsumura
泰男 松村
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ハロメチルスチレンを他のスチレン誘導体に
変換して、カルボニル化における自己重合性を低減する
ことにより、従来法よりも効率的な2−置換プロピオン
酸の製造方法を提供する。 【解決手段】 2−シクロペンタノンカルボン酸エステ
ルを塩基の存在下にハロメチルスチレンとカップリング
させ、得られた化合物を金属触媒の存在下に一酸化炭
素、および水またはアルコールと反応させることにより
カルボニル化することを含む式IIIの2−置換プロピオ
ン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗炎症、鎮痛およ
び解熱などの作用を示す2−置換プロピオン酸の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−置換プロピオン酸類は、特公昭58
−4699号公報に見られるように、抗炎症、鎮痛およ
び解熱の作用を示す。特に、2−[4−(2−オキソシク
ロペンタン−1−イルメチル)フェニル]プロピオン酸
(いわゆるロキソプロフェン)は、優れた鎮痛剤として
市販されているため、これまで様々な製法が開発されて
きた。例えば国際公開公報WO97/47581号に
は、遷移金属錯体触媒の存在下に、p−クロロメチルス
チレンのカルボニル化を経てロキソプロフェンを製造す
る方法が提案されている。このカルボニル化反応を利用
する方法は、置換スチレン構造を容易に置換プロピオン
酸エステル構造に変換することができるために、工業的
にも有利な方法である。
【0003】しかしながら、p−クロロメチルスチレン
はベンゼン環に置換したクロロメチル基の存在により、
熱、光、圧力などによる重合活性が高い。特に遷移金属
錯体触媒の存在下におけるカルボニル化においては、p
−クロロメチルスチレンは重合しやすい。このことは市
販p−クロロメチルスチレンには多くの場合重合禁止剤
が添加されていることや、上記国際公開公報、第6頁に
おいて、カルボニル化に際し重合禁止剤を添加してもよ
いとしていることなどによっても理解される。このよう
に、p−クロロメチルスチレンは自己重合しやすいた
め、前記国際公開公報によれば、上記のようにカルボニ
ル化反応時に重合禁止剤を添加するほか、カルボニル化
の実施例においては、いずれも基質であるp−クロロメ
チルスチレンに対し、容積比で数倍から数十倍、多くの
場合十数倍の溶媒を使用することが必要とされている。
しかしながら、基質のp−クロロメチルスチレンに対し
上記のように大量の溶媒を用いる必要があることは工業
的に不利である。
【0004】このように、反応性の高いビニル基を複数
工程の最初の工程で反応させて、より反応性の低い他の
置換基に変換する上記国際公報記載の方法は、実験室ス
ケールにおいては合理的であるが、工業的スケールでは
必ずしも合理的とはいい難い。以上のように、ロキソプ
ロフェンの製造方法としては未だ最適な方法は見出され
ておらず、さらに効率的な方法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロメチル
スチレンを他のスチレン誘導体に変換することにより、
後のカルボニル化における自己重合性を低減し、それに
よって従来法よりも効率的な2−置換プロピオン酸の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、(i)
初めのカップリング反応においてもハロメチルスチレン
の自己重合活性が低いこと、および(ii)これにより得
られる、ハロメチル基が特定の置換基で置換されたスチ
レン誘導体の自己重合性も低いことを見出した結果に基
づくものである。これによりカルボニル化において特に
多量の溶媒は不要になり、従来法よりも効率的に2−置
換プロピオン酸を製造することが可能になった。すなわ
ち、本発明の第1は、2−シクロペンタノンカルボン酸
エステルを塩基の存在下にハロメチルスチレンとカップ
リングさせることにより、一般式〔I〕
【化6】 で表わされる化合物(I)(式中、Rは炭素数4以下の
アルキル基を示す)を得て、次いで上記化合物(I)
を、金属触媒の存在下に、一酸化炭素および水またはア
ルコールと反応させることにより、一般式〔II〕
【化7】 で表わされる化合物(II)(式中、Rは炭素数4以下の
アルキル基を、R'は水素原子または炭素数4以下のア
ルキル基を示す)を得ることを特徴とする化合物(II)の
製造方法に関するものである。
【0007】本発明の第2は、下記工程(1)から
(3)を含むことを特徴とする一般式〔III〕
【化8】 で表わされる2−置換プロピオン酸(「化合物(II
I)」)の製造方法に関するものである。 工程(1):2−シクロペンタノンカルボン酸エステル
を塩基の存在下にハロメチルスチレンとカップリングさ
せることにより、一般式〔I〕
【化9】 で表わされる化合物(I)(式中、Rは炭素数4以下の
アルキル基を示す)を得る工程、 工程(2):上記化合物(I)を、金属触媒存の在下
に、一酸化炭素および水またはアルコールと反応させる
ことにより、一般式〔II〕
【化10】 で表わされる化合物(II)(式中、Rは炭素数4以下の
アルキル基を、R'は水素原子または炭素数4以下のア
ルキル基を示す)を得る工程、および 工程(3):上記化合物(II)を、脱炭酸・加水分解す
ることにより化合物(III)を得る工程。
【0008】本発明の第3は、本発明の第1または第2
において、2−シクロペンタノンカルボン酸エステル
が、2−シクロペンタノンカルボン酸メチルまたは2−
シクロペンタノンカルボン酸エチルである製造方法に関
する。本発明の第4は、本発明の第1から第3のいずれ
かにおいて、ハロメチルスチレンがクロロメチルスチレ
ンである製造方法に関する。
【0009】本発明の方法によれば、ハロメチルスチレ
ンのハロメチル基を特定の置換基に置換して、ビニル基
部の自己重合性を低減させることにより、カルボニル化
において特に多量の溶媒を使用する必要がなく、従来法
よりも効率的に2−置換プロピオン酸を製造することが
可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】工程(1):[カップリング] 工程(1)においては、2−シクロペンタノンカルボン
酸エステルに溶媒中で塩基を加え、さらにハロメチルス
チレンとカップリングさせることにより化合物(I)を
得る。このカップリング反応は、塩基の存在下、2−シ
クロペンタノンカルボン酸エステルの二つのカルボニル
基の間に存在する水素原子(エステル基の結合する炭素
原子上の水素原子)を塩基で引き抜いてカルボアニオン
を生成させ、これをハロメチルスチレンのハロゲン原子
と置換するものである。
【0011】2−シクロペンタノンカルボン酸エステル
としては、Me(メチル)、Et(エチル)、n−Pr
(プロピル)、iso−Pr、n−Bu(ブチル)、iso−B
u、sec−Buもしくはtert−Buの各基を有するエステル
が用いられるが、好ましくはMe、Et、n−Prもしく
はiso−Pr、さらに好ましくはMeもしくはEt基を有す
るエステルである。ハロメチルスチレンとしては、フル
オロ−、クロロ−、ブロモ−もしくはヨードメチル基を
有するスチレンが用いられ、好ましくはクロロもしくは
ブロモメチルスチレン、さらに好ましくはクロロメチル
スチレンである。特に好ましいものはp−クロロメチル
スチレンである。
【0012】塩基は、市販されている一般的なものを使
用することができる。具体的には、LiOH、NaOH、
KOHなどのアルカリ金属水酸化物、NaCO、K
COなどのアルカリ金属炭酸塩、NaNHなどの
金属アミド、tert-BuOKなどのアルカリ金属アルコキ
シドなどが挙げられるが、特にKCO、NaOHも
しくはKOHが好ましい。反応溶媒は、用いる塩基によ
って適当なものを選ぶが、極性溶媒(例えばアセトン、
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエ
ーテル、水など)、非極性溶媒(例えばベンゼン、トル
エン、キシレンなど)、もしくはこれらの混合溶媒を用
いることが可能である。これらの中でもトルエン、ジメ
チルホルムアミドもしくはアセトンが好ましく、さらに
トルエンもしくはアセトンが好ましい。
【0013】これらの溶媒の中において、前述の塩基と
2−シクロペンタノンカルボン酸エステルを、0〜20
0℃、好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは室
温〜60℃の温度範囲で、24時間以内、好ましくは6
時間以内、さらに好ましくは2時間以内で反応させる。
塩基は、2−シクロペンタノンカルボン酸エステルに対
して1当量以上、好ましくは1〜5当量、さらに好まし
くは1〜3当量使用する。反応溶媒は、2−シクロペン
タノンカルボン酸エステルに対し容積比で100倍以
下、好ましくは2〜20倍、さらに好ましくは3〜10
倍使用することが好ましい。
【0014】このようにして得られた反応混合物に、ハ
ロメチルスチレンを2−シクロペンタノンカルボン酸エ
ステルに対して0.1〜20当量、好ましくは0.5〜2
当量、さらに好ましくは0.7〜1.5当量加えて反応さ
せる。反応温度は、0〜150℃、好ましくは20〜1
50℃、さらに好ましくは室温から還流温度までの範囲
である。反応時間は、24時間以下、好ましくは0.1
〜20時間、さらに好ましくは数時間から十数時間であ
る。反応後は、酸で残存する塩基をクエンチし、水に可
溶の反応溶媒は減圧下で除去し、抽出および水洗を行
い、抽出溶媒を除去する。
【0015】上記の方法により高純度の化合物(I)を
得ることができ、これを次にカルボニル化の工程(2)
に用いる。抽出溶媒は必ずしも全て除去する必要はな
く、残存する抽出溶媒は工程(2)における希釈溶媒と
して利用することができる。上記工程(1)において
は、比較的穏やかな反応条件で反応が進行すること、ま
たカルボニル化反応のように金属系触媒を用いる必要が
ないなどの理由により、ハロメチルスチレン、例えばク
ロロメチルスチレンが自己重合することは少ない。なお
得られた生成物中には一般式〔IV〕
【化11】 で表わされる化合物(以下、「化合物(IV)」という)
などが微量に生成することもあるが、最終的には目的化
合物(III)になるので混入していても差し支えない。
【0016】工程(2):[カルボニル化] 工程(1)で用いるハロメチルスチレンは自己重合しや
すい性質を有する。特にこれを加熱加圧系で扱う場合に
は、自己重合がさらに加速する傾向がある。このため、
ハロメチルスチレンをカルボニル化する場合は、前記の
ように大量の溶媒を用いて反応系を希釈することが必要
になるが、これは工業的には経済的負担が大きい。しか
しながら、ハロメチルスチレンをシクロペンタノンカル
ボン酸エステルとカップリングさせて得られる化合物
(I)は、自己重合し難い性質を有し、本発明の実施例
が示すように、化合物(I)のカルボニル化において用
いる希釈溶媒は、基質に対して数倍以下の少量で十分で
ある(参考例参照)。また本発明の方法においては、ハ
ロメチルスチレンの自己重合物の副生は少なく、廃棄物
処理の上でも好ましい。従って本発明の方法は、従来の
(i)p−クロロメチルスチレンのカルボニル化、(i
i)シクロペンタノンカルボン酸エステルとのカップリ
ング、および(iii)脱炭酸・加水分解からなる方法よ
りも効率が格段に優れている。
【0017】工程(2)においては、前記工程(1)で
得た化合物(I)を、触媒と希釈溶媒の存在下に、場合
によっては重合禁止剤を加え、一酸化炭素、および水ま
たはアルコールと反応させることにより化合物(II)を
得る。ここで触媒とは、(i)金属錯体そのもの、(i
i)金属錯体と配位子からなるもの、および(iii)金属
錯体と配位子および添加物からなるもののいずれかを意
味する。(ii)もしくは(iii)の触媒を用いる場合に
は、金属錯体もしくは金属錯体と添加物とを、反応に用
いるアルコールと混合した後、配位子を加えることによ
り、触媒活性を発生させる手法が望ましい。
【0018】金属錯体としては、遷移金属錯体、好まし
くはVIII族遷移金属錯体が用いられ、さらに好ましくは
コバルト、ロジウム、白金もしくはパラジウム錯体であ
る。具体例としては、Co(CO)、RhCl(PP
h)(Phはフェニル基を表わす)、RhCl(CO)(P
Ph)、HPtCl、Pdカーボン、Pdブラック、
Pd(PPh)、Pd(PPhBu)、Pd(PB
u)、Pd(P(OPh))、Pd(P(OEt))、P
d(C)(PPh)、Pd(PhCN)(BF)
Pd(MeCN)(BF)、Pd(PhCN)(PPh)
(BF)、Pd(MeCN)(PPh)(B
)、Pd(acac)(acacはアセチルアセトナト基を
表わす)、Pd(dba)CHCl、Pd(dba)(以
上、dbaはジベンジリデンアセトンを表わす)、PdO、
PdS、Pd(NO)、PdSO、PdX(XはC
l、Br、I、OCOCFまたはOCOMeを表わ
す)、PdX(PhCN)、PdX(MeCN)、Pd
(CO)(以上、XはCl、BrまたはIを表わ
す)、Pd(COD)、PdX(COD)(以上、Xは
Cl、BrまたはIを、CODは1,5−シクロオクタジ
エンを表わす)、Pd(MA)(PPh)(MAは無水マ
レイン酸を表わす)、MPdX(XはCl、Br、I
またはOCOMeを、MはH、NH、Li、Naまたは
Kを表わす)、PdX(PArAr'Ar")(XはCl、
BrまたはIを、Ar,Ar',Ar"は同一もしくは異なるア
リール基を表わす)、PdX(PPh)、PdX(P
RPh)、PdX(PRPh)、PdX(PR)
、Pd(PR)(以上、XはCl、Brまたは
Iを、RはMe、Et、Pr、Bu、OPh、メンチル基ま
たはシクロヘキシル基を表わす)、PdX (dppf)(X
はCl、BrまたはIを、dppfはビス(ジフェニルホスフ
ィノ)フェロセンを表わす)、PdX(PhP(CH)
PPh)(XはCl、BrまたはIを、nは1から4の
整数を表わす)、PdR(PR')(RおよびR'は
Me、Et、Pr、Bu、OPhまたはPhを表わす)、Pd
XR(PR')(XはCl、BrまたはIを、RはH、
Me、Et、Pr、Bu、Ph、CHPhまたはCOMe
を、R'はMe、Et、Pr、Bu、OPh、Phまたはシク
ロヘキシル基を表わす)、[Pd(η-CHCHC
)X]、[Pd(η-CHCHCH)X(PP
h)]、[Pd(η-CHCHCHCHX)X](以
上、XはCl、BrまたはIを表わす)、Pd(η-CH
CHCH)、Pd(η-CHCHCH)(η-
)などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。金属錯体の使用量は、化合物(I)に対
て、1当量以下、好ましくは0.00001〜0.1当
量、さらに好ましくは0.0001〜0.01当量の範囲
である。
【0019】配位子は、配位性化合物であり、好ましく
はホスフィン系もしくはホスファイト系化合物、さらに
好ましくはトリアリールホスフィンが用いられる。具体
例としては、PPh、PArAr'Ar"(Ar、Ar'、A
r"は同一もしくは異なるアリール基を表わす)、PRP
h、PRPh、PR(以上、RはMe、Et、n−P
r、iso−Pr、n−Bu、メンチル基またはシクロヘキシ
ル基を表わす)、PhP(CH)PPh(nは1〜
4の整数を表わす)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェ
ロセン、P(OPh)などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。配位子の使用量は、金属錯体1
当量に対して10当量以下、好ましくは5当量以下、さ
らに好ましくは2〜4当量である。
【0020】添加物としては無機物が用いられ、好まし
くは塩化スズ、酸化銅、アルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属塩、さらに好ましくはアルカリ金属塩である。
具体例としては、SnCl、CuCl、MgCl、Ca
Cl、NaCl、NaBr、LiCl、LiBr、KCl、KB
rなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。添加物は、用いる金属錯体によっては、ブレンステ
ッド酸もしくはルイス酸でもよい。ブレンステッド酸
は、そのカウンターアニオンが金属原子に弱く配位する
ものもしくは全く配位しないものが好ましい。具体的に
は、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸、トリフルオロ酢酸、HBF、HBAr(Ar
はアリール基を表わす)、HPFなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。扱いやすさの点
で、パラトルエンスルホン酸が特に好ましい。ルイス酸
は一般的なものを用いることができるが、B、Al、T
i、Zn、Sn、Sbなどを含む化合物が好ましく、B、A
l、Tiなどを含む化合物がさらに好ましい。これらの元
素に結合するものはアルコキシ基、ハロゲン、酸素、水
素などが挙げられるが、特にハロゲンが好ましい。ルイ
ス酸の具体例としては、TiX、BX、AlX、Z
nX、SnX、SbX(以上のXはハロゲン原子を
表わす)、Ti(OR)4−n(Rはメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、ブチル基を、Xはハロゲン原子
を表わし、nは1から4の整数を表わす)、TiHCl
4−n(nは1から3の整数を表わす)、Al(O
R)、Zn(OR)(以上Rはメチル基、エチル基、イ
ソプロピル基を表わす)、TiO、Al 、ZnO
、SnO、Sbなどが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。これらのルイス酸はそれ自体
の取り扱いが困難であるため、水、エーテル、アルコー
ル、エステル、カルボン酸、THF(THFはテトラヒ
ドロフランを表わす)などが配位した錯体として用いる
ことが好ましい。具体的にはBF・OEt、BF
OH、BF・(THF)、TiCl・(THF)、A
lCl・(HO)などが例示される。添加物の使用量
は、金属錯体1当量に対して20当量以下、好ましくは
0.1〜10当量、さらに好ましくは1〜4当量であ
る。
【0021】希釈溶媒としては、一般に市販されている
有機溶媒を用いることができる。具体例としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、アセ
トン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。希釈溶媒の使
用量は、化合物(I)に対し容積比で20倍以下、好ま
しくは10倍以下、さらに好ましくは0.5〜3倍であ
る。
【0022】重合禁止剤としては、カルボニル化とその
後の反応に支障を招かない化合物を使用することができ
る。具体的には、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ヒド
ロキノン、CuCl、FeCl、4−tert−ブチルカテ
コール、ニトロフェノール、ニトロクレゾール、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−メト
キシフェノールなどが挙げられるが、特に限定されな
い。また任意の重合禁止剤を2種類以上混合して用いて
もよい。重合禁止剤の添加量は、化合物(I)に対し重
量比で10%以下、好ましくは1%以下、さらに好まし
くは0.1%以下である。
【0023】一酸化炭素は、純度20%以上、好ましく
は50%以上、さらに好ましくは80%以上のものを用
いる。一酸化炭素の量は、化合物(I)に対して1当量
以上供給し得るように用意する。なお、一酸化水素と共
に水素が共存している場合には、共存する水素の分だけ
一酸化水素の分圧が低下するのでその影響はあるが、本
工程の反応は何ら支障なく進行する。
【0024】アルコールとしては、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プ
ロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコールおよびiso−ブ
チルアルコールが用いられ、好ましくはメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコールもしく
はiso−プロピルアルコール、さらに好ましくはメチル
アルコールもしくはエチルアルコールである。アルコー
ルの使用量は、化合物(I)に対し1当量以上、好まし
くは1〜30当量、さらに好ましくは1〜3当量であ
る。
【0025】前記触媒、化合物(I)、水もしくはアル
コール、および希釈溶媒をオートクレーブに仕込み、反
応温度40〜200℃、好ましくは50〜140℃、さ
らに好ましくは70〜100℃において、一酸化炭素を
0.1〜30MPa、好ましくは0.2〜10MPa、さら
に好ましくは2.5〜7MPaに加圧し、0.1〜100
時間、好ましくは6〜30時間、さらに好ましくは8〜
24時間攪拌する。また触媒、アルコールおよび希釈溶
媒をオートクレーブ中で混合し、前記条件の下に、反応
系中に化合物(I)を逐次添加していく方法で行っても
よい。この場合には、化合物(I)を0.1〜100時
間、好ましくは5〜20時間、さらに好ましくは7〜2
0時間をかけて供給する方法が望ましい。反応の終了
後、一酸化炭素を除去し常温常圧とする。反応混合物中
に触媒が沈殿している場合は、濾過により回収して再利
用することができる。適宜に触媒を濾過した後、減圧下
で蒸留分離することにより、高純度の化合物(II)を得
ることができる。特に化合物(II)のm−体とp−体の
混合物は沸点に差があるため、これらを精密蒸留により
分離することが可能である。これによりロキソプロフェ
ン前駆体であるp−体が高純度で得られる。
【0026】本工程で行うカルボニル化反応において
は、比較的高温であり、しかも金属系触媒が存在するに
もかかわず、ハロメチルスチレン、例えばクロロメチル
スチレンのクロロメチル基が特定の置換基で置換されて
いるために、ビニル基の重合活性が抑制され、その結果
より効率の高い反応が達成される。なお本カルボニル化
反応においては、化合物(II)の異性体である一般式
〔V〕
【化12】 で表わされる化合物(式中、Rは炭素数4以下のアルキ
ル基を、R'は水素原子または炭素数4以下のアルキル
基を示す)(以下、「化合物(V)」という)も少量生
成する。また化合物(IV)がカルボニル化された一般式
〔VI〕
【化13】 で表わされる化合物(R'は水素原子または炭素数4以
下のアルキル基を示す)なども微量生成するが、最終的
には目的化合物(III)になるので混入していても支障
はない。
【0027】工程(3):[脱炭酸・加水分解] 本工程においては、例えば前記国際公開公報の方法に従
い、硫酸、塩酸等の酸を用いて加水分解および脱炭酸を
行う。そのほか、前記工程(2)で得た化合物(II)
を、水および酸と共に溶媒の存在下で加熱し、脱炭酸と
加水分解を段階的に進行させて化合物(III)を得るこ
ともできる。酸は、一般に市販されている鉱酸でよい。
具体例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒
としては、親水性有機溶媒が好ましい。親水性有機溶媒
の存在下で行うと、反応時間を短縮することが可能であ
るため好ましい。親水性有機溶媒の具体例としては、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、酢酸
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。特に酢酸が好ましい。酸の使用量は、化合物(II)
に対し重量比で20倍以下、好ましくは0.001〜1
0倍、さらに好ましくは0.001〜5倍である。親水
性有機溶媒は、化合物(II)に対し重量比で20倍以
下、好ましくは0.5〜10倍、さらに好ましくは1〜
5倍使用する。
【0028】これらの酸、溶媒および化合物(II)を反
応容器に仕込み、室温から150℃、好ましくは50℃
から120℃、さらに好ましくは90℃から110℃に
おいて、1〜100時間、好ましくは2〜24時間、さ
らに好ましくは6〜12時間攪拌する。この加熱攪拌中
に、ディーン−シュタルク装置などを用いて副生するア
ルコールを系外へ除去することにより、反応時間は短縮
される。反応後はトルエンなどの親油性有機溶媒で抽出
し、溶媒を除去することにより未精製の化合物(III)
が得られる。さらにエーテルなどの良溶媒とヘキサンな
どの貧溶媒で再結晶することにより、高純度の化合物
(III)を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。 <実施例1> (工程1の1)KCO22.9g(0.17mol)お
よび2−シクロペンタノンカルボン酸メチル(純度98
%)11.0g(0.08mol)を室温でアセトン200ml
に加え、40分間攪拌を行った。この混合物に、クロロ
メチルスチレン(純度95%;ニトロクレゾール、ニト
ロフェノールおよび4−tert−ブチルカテコールを合計
500ppm含む;パラ体:メタ体比=96:4)10.6
g(0.07mol)を加え、6時間加熱還流を行った。反
応混合物に水100mlと濃塩酸25mlを加え、減圧下で
アセトンを除去した。残留物をトルエン200mlで抽出
し、水50mlで洗浄した。減圧下で溶媒を除去すること
により、淡黄色のオイル状物質22.1gを得た。化合
物(I)(R=Me)のガスクロマトグラフィー純度は7
5.6%(パラ体:メタ体比=96:4、トルエン17.
2%)であった。
【0030】(工程1の2)2−シクロペンタノンカル
ボン酸メチル(純度98%)120.2g(0.83mol)
とトルエン900mlの溶液にtert-BuOK 93.8g
(0.84mol)を室温で加え、90分間攪拌を行った。
この混合物に、クロロメチルスチレン(純度95%;ニ
トロクレゾール、ニトロフェノールおよび4−tert−ブ
チルカテコールを合計500ppm含む;パラ体:メタ体
比=96:4)121.0g(0.75mol)を室温で加
え、6時間加熱還流を行った。反応混合物に水300ml
を加えて分液抽出し、トルエン層を0.4%塩酸水溶液
200mlで洗浄した。減圧下で溶媒を除去することによ
り、淡黄色のオイル状物質232.9gを得た。化合物
(I)(R=Me)のガスクロマトグラフィー純度は7
0.2%(パラ体:メタ体比=96:4、トルエン20.
6%)であった。得られたオイル状物質140mgを薄層
クロマトグラフィーにより処理して(展開溶媒:酢酸エ
チル/ヘキサン=30/70、Rf=0.75)、無色の
オイル状物質である化合物(I)(R=Me)のパラ体9
6mgを単離した。以下の分光学的データおよび質量スペ
クトルによりこの構造を確認した: H NMR(CDCl、400MHz):δ 1.62
(m,1H)、1.82−2.10(m,3H)、2.33
−2.45(m,2H)、3.10(d,J=13.7Hz,
1H)、3.19(d,J=13.7Hz,1H)、3.72
(s,3H)、5.22(dd,J=10.8,1.0Hz,1
H)、5.71(dd,J=17.6,1.0Hz,1H)、
6.67(dd,J=17.6,10.8Hz,1H)、7.0
8(d,J=8.3Hz,2H)、7.30(d,J=8.3H
z,2H)。13 C NMR(CDCl、100MHz):δ 19.
47、 31.69、38.36、38.85、52.6
4、61.48、113.68、126.23、130.3
3、136.17、136.22、136.67、171.
34、214.74. 質量スペクトル:258(M)、199、198、1
41、128、117(100%)、115、104,
91。
【0031】(工程2の1)200mlオートクレーブ
に、化合物(I)(R=Me)(純度94%;パラ体:メ
タ体比=96:4、4−tert−ブチルカテコールを1,
000ppm添加した)5.17g(20mmol)、PdCl
(PPh) 140mg(0.2mmol)、エタノール1
0ml(172mmol)およびトルエン8.3mlを仕込
み、温度80℃で一酸化炭素4.0MPaの加圧下におい
て16時間反応を行った。反応終了後、反応混合物をガ
スクロマトグラフィーおよびゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーにより分析した結果、化合物(II)(R
=Me、R'=Et)の収率は69%(パラ体:メタ体比
=95:5)であった。化合物(II)(R=Me、R'=
Et)のパラ体と化合物(V)(R=Me、R'=Et)の
パラ体の生成比は90:10であった。
【0032】(工程2の2)200mlオートクレーブ
中で、PdCl 138mg(0.78mmol)とNaCl95
mg(1.63mmol)をメタノール 10.0g(0.31mo
l)に溶解し、これにトルエン10.0gに溶解したPPh
432mg(1.63mmol)を加えた。この混合物に、
メタノール 20.0g(0.62mol)とトルエン10.0
gを加えた後、温度90℃で一酸化炭素4.0MPaの加
圧下において、工程1の1と同様に合成した化合物
(I)(R=Me)127.7g(純度82.0%;化合物
(I)(R=Me)の実質モル量388.7mmol、パラ
体:メタ体比=95:5、トルエン11.9%、4−ter
t−ブチルカテコールを1,000ppm添加した)を、1
6時間かけてポンプで逐次添加した。その後同条件下で
5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物をガスク
ロマトグラフィーおよびゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより分析した結果、反応率99.1%、化
合物(II)(R=R'=Me)の収率87%(パラ体:メ
タ体比=96:4)であった。化合物(II) (R=R'
=Me)のパラ体と化合物(V) (R=R'=Me)のパラ
体の生成比は93:7であった。得られた混合物の一部
を真空フラッシュ蒸留に付したところ、沸点220〜2
30℃(400Pa、3mmHg)の液体を得た。化合物(I
I)(R=R'=Me)のガスクロマトグラフィー純度は9
1.2%(パラ体:メタ体比=97:3)であった。
【0033】(工程2の3)5リットルオートクレーブ
中で、PdCl 2.06g(0.012mol)とNaCl
1.43g(0.024mol)をメタノール 148g(3.
65mol)に溶解し、これにトルエン160gに溶解した
PPh 6.41g(0.024mol)を加えた。この混合
物に、メタノール 300.0g(7.41mol)とトルエ
ン300gを加えた後、温度90℃で一酸化炭素4.0M
Paの加圧下において、工程1の1と同様に合成した化
合物(I)(R=Me)の溶液 2,820g(純度55.8
%;化合物(I)(R=Me)の実質モル量 4.93mol、
パラ体:メタ体比=96:4、トルエン40.7%、4
−tert−ブチルカテコールを1,000ppm添加した)を
18時間かけてポンプで逐次添加した。反応終了後、反
応生成物をガスクロマトグラフィーおよびゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーで分析した結果、反応率9
9.9%、化合物(II)(R=R'=Me)の収率83%
(パラ体:メタ体比=96:4)であった。化合物(I
I)(R=R'=Me)のパラ体と化合物(V)(R=R'=
Me)のパラ体の生成比は92:8であった。得られた
混合物を真空フラッシュ蒸留に付したところ、沸点22
4℃(667Pa、5mmHg)の液体1,285gを得た。
化合物(II)(R=R'=Me)のガスクロマトグラフィ
ー純度は83.8%(パラ体:メタ体比=95:5)で
あった。フラッシュ蒸留で得られた液体910gをさら
に真空蒸留に付したところ、沸点221℃(533P
a、4mmHg)の液体558gが得られた。化合物(II)
(R=R'=Me)のガスクロマトグラフィー純度は99.
2%(パラ体:メタ体比=100:0)であった。
【0034】(工程3)工程2の3で得た化合物(II)
(R=R'=Me)10.00g(純度99.2%;パラ体:
メタ体比=100:0)を25%硫酸水溶液/酢酸混合
溶媒(50ml/50ml)中において、バス温度120
℃で33時間攪拌還流を行った。これをトルエン150
mlで抽出し、この層を水150mlで洗浄した。トルエ
ン層より溶媒を除去することにより黄色オイル状の化合
物(III)7.68gを得た。この化合物(III)の液体ク
ロマトグラフィー純度は99.2%(パラ体:メタ体比
=100:0)であった。このオイル状化合物0.88g
を、エーテル/ヘキサン(11ml/27ml)により室
温で再結晶させることにより、白色結晶状のロキソプロ
フェン0.66gを得た。その液体クロマトグラフィー純
度は99.8%であった。得られたロキソプロフェンの
NMRデータおよび液体クロマトグラフィーデータは標
品のそれと完全に一致した。
【0035】<参考例>国際公開公報WO97/475
81号に記載された実施例4と同様の実験を20倍のス
ケールで行ったところ、ほぼ同じ値の結果が得られた
(参考例1)。これはガスクロマトグラフィーとゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーの測定結果を用いる
ことにより、正確な収率を算出し得ることを示すもので
ある。スケールを20倍に拡大した理由は実験操作を簡
便にするためである。参考例1のトルエン量を1/6に
したところ、収率の大幅な低下が見られた(参考例
2)。なお参考例2と同一の条件下で行った本発明の化
合物(I)のカルボニル化(実施例中、工程2の1)に
おける目的物の収率は、参考例2における目的物の収率
を上回る。
【0036】<参考例1>200mlオートクレーブ
に、クロロメチルスチレン(純度95%;ニトロクレゾ
ール、ニトロフェノールおよび4−tert−ブチルカテコ
ールを合計500ppm含む;パラ体:メタ体比=95:
5)3.06g(20mmol)、PdCl(PPh)14
0mg(0.2mmol)、エタノール10ml(172mmol)
およびトルエン50mlを仕込み、温度80℃で一酸化
炭素4.0MPaの加圧下において16時間反応を行っ
た。反応終了後、反応混合物をガスクロマトグラフィー
およびゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
分析した結果、2−(クロロメチルフェニル)プロピオン
酸エチルの収率は92%(パラ体:メタ体比=95:
5)であった。2−(4−クロロメチルフェニル)プロピ
オン酸エチルと3−(4−クロロメチルフェニル)プロピ
オン酸エチルの生成比は99:1であった。
【0037】<参考例2>200mlオートクレーブ
に、クロロメチルスチレン(純度95%;ニトロクレゾ
ール、ニトロフェノールおよび4−tert−ブチルカテコ
ールを合計500ppm含む;パラ体:メタ体比=95:
5)3.06g(20mmol)、PdCl(PPh) 14
0mg(0.2mmol)、エタノール10ml(172mmol)
およびトルエン8.3mlを仕込み、温度80℃で一酸化
炭素4.0MPaの加圧下において16時間反応を行っ
た。反応終了後、反応混合物をガスクロマトグラフィー
およびゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
分析した結果、2−(クロロメチルフェニル)プロピオン
酸エチルの収率は55%(パラ体:メタ体比=95:
5)であった。2−(4−クロロメチルフェニル)プロピ
オン酸エチルと3−(4−クロロメチルフェニル)プロピ
オン酸エチルの生成比は79:21であった。
【0038】
【発明の効果】本発明は、製造が簡便な新規中間体を経
ることにより、市販の出発物質を用いて、短い工程で効
率よくロキソプロフェンを得る工業的な製造方法を提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 AC29 AC46 AC80 BA02 BA03 BA05 BA06 BA11 BA20 BA24 BA25 BA26 BA32 BA34 BA37 BA40 BA42 BA44 BA45 BA48 BA66 BA94 BB11 BB16 BB17 BB20 BB42 BB43 BC10 BC19 BC35 BR70 BS10 BT22 FC22 4H039 CA29 CA65 CF10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−シクロペンタノンカルボン酸エステ
    ルを塩基の存在下にハロメチルスチレンとカップリング
    させることにより、一般式〔I〕 【化1】 で表わされる化合物(式中、Rは炭素数4以下のアルキ
    ル基を示す;以下、「化合物(I)」という)を得て、
    次いで上記化合物(I)を、金属触媒の存在下に、一酸
    化炭素、および水またはアルコールと反応させることに
    より、一般式〔II〕 【化2】 で表わされる化合物(式中、Rは炭素数4以下のアルキ
    ル基を、R'は水素原子または炭素数4以下のアルキル
    基を示す;以下、「化合物(II)」という)を得ること
    を特徴とする化合物(II)の製造方法。
  2. 【請求項2】 下記工程(1)から(3)を含むことを
    特徴とする一般式〔III〕 【化3】 で表わされる2−置換プロピオン酸(以下、「化合物
    (III)」という)の製造方法、 工程(1):2−シクロペンタノンカルボン酸エステル
    を塩基の存在下にハロメチルスチレンとカップリングさ
    せることにより、一般式〔I〕 【化4】 で表わされる化合物(I)(式中、Rは炭素数4以下の
    アルキル基を示す)を得る工程、 工程(2):上記化合物(I)を、金属触媒の存在下
    に、一酸化炭素、および水またはアルコールと反応させ
    ることにより、一般式〔II〕 【化5】 で表わされる化合物(II)(式中、Rは炭素数4以下の
    アルキル基を、R'は水素原子または炭素数4以下のア
    ルキル基を示す)を得る工程、および 工程(3):上記化合物(II)を、脱炭酸・加水分解す
    ることにより化合物(III)を得る工程
  3. 【請求項3】 前記2−シクロペンタノンカルボン酸エ
    ステルが、2−シクロペンタノンカルボン酸メチルまた
    は2−シクロペンタノンカルボン酸エチルである請求項
    1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ハロメチルスチレンが、クロロメチ
    ルスチレンである請求項1から3のいずれかに記載の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113121342A (zh) * 2019-12-31 2021-07-16 浙江医药股份有限公司新昌制药厂 一种沙库必曲中间体的制备方法及应用
CN114436824A (zh) * 2022-03-04 2022-05-06 浙江普洛家园药业有限公司 一种洛索洛芬钠降解杂质的制备方法

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