JP2001031412A - 多段式ロータリキルン - Google Patents

多段式ロータリキルン

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JP2001031412A
JP2001031412A JP11204250A JP20425099A JP2001031412A JP 2001031412 A JP2001031412 A JP 2001031412A JP 11204250 A JP11204250 A JP 11204250A JP 20425099 A JP20425099 A JP 20425099A JP 2001031412 A JP2001031412 A JP 2001031412A
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activated carbon
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段式ロータリキルンに係り、処理物の乾
燥、炭化物の製造、活性炭の製造など多目的に使用で
き、しかも、活性炭原料から一貫して連続的に活性炭を
製造できる多段式ロータリキルンを提供することを目的
とする。 【解決手段】 前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾燥用
の各ロータリキルン1,2,3,4 をそれらの入口13,23,33,4
3 と出口14,24,34,44 との方向を交互逆にしてこの順で
上下方向に並べ、前乾燥用ロータリキルン1 で活性炭原
料を乾燥させ、炭化用ロータリキルン2 で炭化させ、賦
活用ロータリキルン3 で賦活し、後乾燥用ロータリキル
ン4 で乾燥させた活性炭を回収する。又、賦活用ロータ
リキルン3の出口34から炭化物又は乾燥処理物を回収す
る炭化物回収手段9 を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理物の乾燥、炭
化物の製造、活性炭の製造など多目的に使用でき、しか
も、活性炭原料から一貫して連続的に活性炭を製造でき
るようにした多段式ロータリキルンに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平6−326440号公報に
は、回転筒型の乾燥炉で粗炭を乾燥させ、引続き該乾燥
炉に同軸状に連結された賦活用ロータリキルン内で粗炭
を賦活させる技術が記載されている。又、この公報に
は、賦活処理中に発生する排ガスをサイクロンに導いて
粒子分を処理する技術も記載されている。
【0003】更に、特開平6−144816号公報に
は、活性炭を製造するロータリキルンとして外熱式ロー
タリキルンを用いる技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら活性炭製造に用
いられるロータリキルンは、既に炭化された炭化物など
の炭素原料から活性炭を製造する装置であり、例えば籾
殻、コーヒー豆殻、椰子の実、おからなどの活性炭原料
を乾燥させる手段、乾燥させた活性炭原料を炭化させる
手段を別に設ける必要がある。
【0005】本発明は、活性炭原料を含む処理物の乾
燥、炭化物の製造、活性炭の製造など多目的に使用で
き、しかも、活性炭原料から一貫して連続的に活性炭を
製造できるようにした多段式ロータリキルンを提供する
ことを目的とする。
【0006】ところで、活性炭原料などの処理物を炭化
させる時には、タールや木酢を含む可燃性の生ガスが発
生することが知られている。
【0007】そこで、本発明においては、この炭化処理
に伴って発生する生ガスからタールや木酢を回収できる
ようにした多段式ロータリキルンや、この炭化処理によ
って発生する生ガスを回収し、前乾燥用、炭化用及び賦
活用のうちの少なくとも一つのロータリキルンの加熱手
段に燃料として供給できるようにした多段式ロータリキ
ルンを提供することも目的に加えられる。
【0008】ところで、従来の活性炭製造に用いられる
ロータリキルンで作られた活性炭は賦活処理において用
いられる水蒸気によって湿っているので、この後、湿っ
た活性炭を乾燥させるために別途活性炭を乾燥させる手
段が必要とされている。
【0009】本発明は、活性炭原料の前乾燥、炭化、及
び賦活の各処理に加えて賦活後の乾燥処理(後乾燥処
理)を一貫して連続処理できるようにした多段式ロータ
リキルンを提供することも目的とする。
【0010】この場合においても、炭化物の回収、ター
ルの回収、木酢の回収、生ガスの再利用などを図ること
ができるようにした多段式ロータリキルンを提供するこ
とが本発明の目的として加えられる。
【0011】ところで、汚泥を燃焼処理するためには、
汚泥を乾燥させる必要があり、この乾燥処理を行うため
にロータリキルンが用いられることがある。この場合、
汚泥を炉本体内で加熱して水分を蒸散させることにより
乾燥させているのであるが、このためには炉長がかなり
長大なロータリキルンが用いられている。
【0012】そこで、本発明は、汚泥などの多量の水分
を含む処理物の乾燥、炭化、賦活にも使用することがで
き、しかも、炉長の短い多段式ロータリキルンを提供す
ることも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多段式ロー
タリキルンは、処理物の乾燥、炭化物の製造、活性炭の
製造など多目的に使用でき、しかも、活性炭の製造に関
しては活性炭原料から一貫して連続的に活性炭を製造で
きるようにするために、炭化物を賦活させる賦活用ロー
タリキルンの前段に処理物を乾燥させる前乾燥用ロータ
リキルンと、乾燥させた処理物(乾燥処理物)を炭化さ
せる炭化用ロータリキルンとを設けたことを特徴とする
多段式ロータリキルン。
【0014】これにより、処理物を乾燥用ロータリキル
ンに投入して乾燥させた後、この乾燥用ロータリキルン
の出口から回収したり、炭化用ロータリキルンの処理物
搬送機能を利用して炭化用ロータリキルンの出口から乾
燥した処理物を回収したり、炭化用ロータリキルンを2
段目の乾燥用ロータリキルンとして使用し、この炭化用
ロータリキルンの出口から回収したり、更に、炭化用ロ
ータリキルン及び賦活用ロータリキルンの乾燥処理物搬
送機能を利用して乾燥した処理物を賦活用ロータリキル
ンの出口まで搬送して回収したり、炭化用ロータリキル
ンと賦活用ロータリキルンとを2段目、3段目の乾燥用
ロータリキルンとして用いて賦活用ロータリキルンの出
口から乾燥した処理物を回収したりすることができる。
【0015】又、乾燥用ロータリキルンで乾燥した処理
物を炭化用ロータリキルンで炭化させた後、炭化用ロー
タリキルンの出口から炭化した処理物、即ち、炭化物を
回収したり、賦活用ロータリキルンの処理物搬送機能を
利用して炭化物を賦活用ロータリキルンの出口に運び、
この賦活用ロータリキルンの出口から回収したり、賦活
用ロータリキルンを2段目の炭化用ロータリキルンとし
て使用し、この賦活用ロータリキルンの出口から炭化物
を回収したりすることができる。
【0016】更に、処理物を乾燥用ロータリキルンに連
続的に投入して乾燥させ、炭化用ロータリキルンで炭化
させた後、賦活用ロータリキルンで賦活して、処理物か
ら一挙に連続的に活性炭を製造することができる。
【0017】本発明の賦活用ロータリキルンは、従来の
賦活用ロータリキルンと同様に構成してあればよく、例
えば緩傾斜軸心回りに回転可能に設けられた炉本体と、
炉本体を回転させる駆動手段と、炉本体内に水蒸気を供
給する水蒸気供給手段と、炉本体内の炭化物を加熱する
加熱手段と、炉本体内を減圧する減圧手段とを備え、前
記炭化用ロータリキルンから供給された炭化物を減圧雰
囲気中、又は、不活性雰囲気中、若しくは減圧不活性雰
囲気中で加熱しながら水蒸気に接触さるせことにより賦
活するように構成すればよい。
【0018】ここで、加熱手段は炉本体内に燃焼炎ない
し加熱エアを供給する内熱式のものであってもよく、
又、炉本体を外側から加熱し、炉本体からその内部への
放射熱や炉本体の内面に接触した炭化物への伝導熱によ
り炉本体内の炭化物を加熱する外熱式のものであっても
よく、更に、内熱式加熱手段と外熱式加熱手段を併用し
てもよいのである。
【0019】又、一般に、この賦活用ロータリキルンは
炭化物を賦活するために炭化物に接触させる水蒸気を供
給する水蒸気供給手段を備えているが、この水蒸気供給
手段の作動を停止して、炉本体内で乾燥処理や炭化処理
を進めることが可能であり、この場合には、賦活用ロー
タリキルンは第2段目の炭化用ロータリキルン又は炭化
用ロータリキルンの後段に設けられる後乾燥用ロータリ
キルンと同視すればよい。
【0020】この賦活用ロータリキルンの前段に設けら
れる前乾燥用ロータリキルンは処理物を乾燥させるよう
に構成してあればよく、例えば水平から少し傾斜した緩
傾斜軸心回りに回転可能に設けられた炉本体と、この炉
本体を回転させる駆動手段と、炉本体内の処理物を加熱
する加熱手段とを備え、必要に応じて、これらに加え
て、炉本体内を減圧する減圧手段を備える。
【0021】前記駆動手段は賦活用ロータリキルンの炉
本体を回転させる駆動手段とは別に設けてもよいが、本
発明の構成を簡単にするために、賦活用ロータリキルン
の炉本体を回転させる駆動手段と、これに前乾燥用ロー
タリキルンの炉本体を連動させる連動機構とで構成する
ことが推奨される。
【0022】又、前乾燥用ロータリキルンの加熱手段
も、内熱式のものであってもよく、又、外熱式のもので
あってもよく、更に、内熱式加熱手段と外熱式加熱手段
とを併用してもよい。
【0023】次に、前記賦活用ロータリキルンの前段に
設けられる炭化用ロータリキルンは、前乾燥用ロータリ
キルンから排出される乾燥した処理物を炭化させること
ができるようにしてあればよく、例えば緩傾斜軸心回り
に回転可能に設けられた炉本体と、炉本体を回転させる
駆動手段と、炉本体内の処理物を加熱する加熱手段と、
炉本体の内圧を減圧する減圧手段とを備え、炉本体内の
処理物を減圧下で加熱することにより、酸化(燃焼)さ
せることなく炭化できるように構成される。
【0024】この炭化用ロータリキルンの駆動手段も、
賦活用ロータリキルンの炉本体を回転させる駆動手段や
前乾燥用ロータリキルンの炉本体を回転させる駆動手段
とは別に設けてもよいが、賦活用ロータリキルンの駆動
手段、又は前乾燥用ロータリキルンの駆動手段、若しく
は賦活用ロータリキルン及び前乾燥用ロータリキルン兼
用の駆動手段など、他のロータリキルンを駆動する駆動
手段と、他のロータリキルンを駆動する駆動手段に炭化
用ロータリキルンの炉本体を連動させる連動機構とで構
成し、多段式ロータリキルン全体としての部品点数を削
減すると共に、構成を簡単にすることか推奨される。
【0025】又、前記炭化用ロータリキルンの加熱手段
は内熱式のものであってもよく、又、外熱式のものであ
ってもよく、更に、内熱式加熱手段と外熱式加熱手段と
を併用してもよい。
【0026】更に、この炭化用ロータリキルンの炉本体
は前乾燥用ロータリキルンの炉本体に連続させてもよい
が、乾燥された処理物を前乾燥用ロータリキルンから回
収し易くするために、炭化用ロータリキルンの炉本体と
前乾燥用ロータリキルンの炉本体とは分割する方が好ま
しい。
【0027】なお、これら炭化用ロータリキルンの炉本
体と前乾燥用ロータリキルンの炉本体とを分割する場合
には、前乾燥用ロータリキルンにおける乾燥処理に続い
て炭化用ロータリキルンおける炭化処理、又は、乾燥処
理、若しくは炭化用ロータリキルンによる乾燥処理物の
搬送を行うために、前乾燥用ロータリキルンの炉本体の
出口から乾燥処理物を受けて炭化用ロータリキルンの炉
本体の入口に投入する乾燥処理物投入手段が設けられ
る。又、乾燥用ロータリキルンの出口から乾燥処理物を
回収する場合には、乾燥用ロータリキルンの出口から乾
燥処理物を回収する乾燥処理物回収手段が設けられる。
【0028】前記乾燥処理物投入手段と乾燥処理物回収
手段とが設けられる場合には、構成を簡単にすると共
に、故障が発生し難くなるようにするために、例えば、
前乾燥用ロータリキルンの出口から乾燥処理物を受けて
貯留するホッパーと、このホッパーの下端から乾燥処理
物を導出する排出路とを前記乾燥処理物投入手段と乾燥
処理物回収手段とに共通する部分として設け、前記乾燥
処理物投入手段にこの排出路の端末を炭化用ロータリキ
ルンの入口に導く投入通路を、乾燥処理物回収手段にこ
の排出路の端末を回収容器に導く回収通路をそれぞれ設
け、前記排出路の接続方向を投入通路と回収通路とに切
り替える方向切替手段を設けることが推奨される。
【0029】前記炭化用ロータリキルンの炉本体と賦活
用ロータリキルンの炉本体とは互いに連続していてもよ
いのであるが、炭化物を炭化用ロータリキルンから回収
し易くするために、これらを分割する方が好ましい。
【0030】これら炭化用ロータリキルンの炉本体と賦
活用ロータリキルンの炉本体とを分割する場合には、炭
化用ロータリキルンによる炭化処理、乾燥処理あるいは
乾燥処理物の搬送に続いて賦活用ロータリキルンによる
賦活処理、炭化処理、乾燥処理、或いは乾燥庶物又は炭
化物の搬送を行うために、炭化用ロータリキルンの出口
から炭化物を受け、賦活用ロータリキルンの入口に投入
する炭化物投入手段が設けられ、必要に応じて炭化用ロ
ータリキルンの出口から炭化物を回収する炭化物回収手
段が設けられる。
【0031】これら炭化物投下手段と炭化物回収手段と
が設けられる場合には、構成を簡単にすると共に、故障
が発生し難くなるようにするために、例えば、炭化用ロ
ータリキルンの出口から炭化物を受けて貯留するホッパ
ーと、このホッパーの下端から炭化物を導出する排出路
とを前記炭化物投入手段と炭化物回収手段とに共通する
部分として設け、前記炭化物投入手段にこの排出路の端
末を賦活用ロータリキルンの入口に導く投入通路を、炭
化物回収手段にこの排出路の端末を回収容器に導く回収
通路をそれぞれ設け、前記排出路の接続方向を投入通路
と回収通路とに切り替える方向切替手段を設けることが
推奨される。
【0032】排出路から賦活用ロータリキルンへの炭化
物の投入や排出路から回収容器への炭化物の回収には、
炭化物の自重落下、風送などを利用すると、構成を簡単
にできる。ここで、炭化物を賦活用ロータリキルンに風
送する場合、搬送風として高温エアを使用し、賦活用ロ
ータリキルンの炉本体内の温度を高くすることが好まし
い。なお、この高温エアとしては、乾燥用、炭化用及び
賦活用の各ロータリキルンの内の少なくとも一つの加熱
手段から排出される排ガスを利用することができる。
【0033】次に、本発明においては、炭化処理に伴っ
て発生する生ガスからタールを回収するため、前記炭化
用ロータリキルンで発生する生ガスを吸引し、この生ガ
スからタールを分離して回収するタール回収手段が設け
られる。
【0034】このタール回収手段は、例えば炭化用ロー
タリキルンの炉体内から生ガスを吸引する吸引手段と、
吸引した生ガスからタールを分離する分離手段と、分離
されたタールを貯留するタールタンクとを備える。
【0035】吸引手段は、炭化用ロータリキルンの炉体
が前乾燥用ロータリキルン及び賦活用ロータリキルンの
それらと分割されている場合には、生ガスを炭化用ロー
タリキルンの入口と出口との両側から、又、炭化用ロー
タリキルンの炉体と前乾燥用ロータリキルンの炉体が連
続している場合には、前乾燥用ロータリキルンの入口と
炭化用ロータリキルンの出口との両側から、更に、炭化
用ロータリキルンの炉体と賦活用ロータリキルンのそれ
とが連続している場合には、炭化用ロータリキルンの入
口と賦活用ロータリキルンの出口との両側から、又更
に、前乾燥用ロータリキルン、炭化用ロータリキルン及
び賦活用ロータリキルンが連続している場合には、前乾
燥用ロータリキルンの入口と賦活用ロータリキルンの出
口との両側から、生ガスを吸引できるように構成され
る。
【0036】又、全体としての構成を簡単にするため、
炭化処理が減圧雰囲気中で行われる場合には、炭化用ロ
ータリキルンの内圧を減圧する減圧手段を前記吸引手段
に兼用すればよい。
【0037】前記タール分離手段としては、特に限定さ
れないが、生ガスを貯留し、タール分を自重落下させる
ことによりガス成分から分離させるレシーバータンクを
用いたり、生ガスを急速冷却してタールを凝縮させるこ
とによりガス成分から分離する急速冷却器などを用いる
ことができる。
【0038】なお、急速冷却器により急冷された生ガス
からは比較的比重が小さい木酢と、比較的比重が大きい
タールとが分離されるので、特に限定はされないが,例
えば前記タール分離手段にはタールと木酢とを分離する
ために、内部に堰を設けた分離タンクが用いられる。こ
の分離タンクには、前記堰の他に、急速冷却器で分離さ
れた木酢を含むタールが導入されるタール回収室と、前
記堰によりタール回収室とは隔てられた木酢回収室とが
設けられ、急速冷却器で分離された木酢を含むタールが
分離タンク内のタール回収室に導入され、このタール回
収室内で比重差によってタールと木酢とが分離される。
比較的比重の大きいタールはこのタール回収室の下部に
回収され、比較的比重の小さい木酢は、前記堰を乗り越
えて木酢回収室に溢れ落ち、この木酢回収室に貯留され
る。タール回収室のタールは必要に応じてタールタンク
に導出して、このタールタンクに貯留し,木酢回収室の
木酢は必要に応じて木酢タンクに導出して、この木酢タ
ンクに貯留される。
【0039】前記生ガスは可燃性であるので、前乾燥
用、炭化用及び賦活用の各ロータリキルンのうちの少な
くとも一つのロータリキルンの加熱手段の燃料として再
利用することが可能である。そこで、本発明において
は、前記炭化用ロータリキルンで発生する生ガスを吸引
し、前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾燥用のうちの少
なくとも一つのロータリキルンの加熱手段に燃料として
供給する生ガス再利用手段が設けられることがある。
【0040】この生ガス再利用手段は、特に限定されな
いが、例えば生ガスを貯留するレシーバータンクと、炭
化用ロータリキルンの炉体内の空間をレシーバータンク
に連通させる吸引路と、レシーバータンクを前乾燥用、
炭化用、賦活用及び後乾燥用のうちの少なくとも一つの
ロータリキルンの加熱手段に接続する供給路と、この吸
引路、又はこの供給路、若しくはこれら吸引路及び供給
路に介在して、炉本体内から吸引路、レシーバタンク、
及び供給路を経て前記加熱手段に生ガスを送る送風手段
とを備える。
【0041】もちろん、この生ガスが供給される加熱手
段は、内熱式加熱手段であっても、外熱式加熱手段であ
ってもよく、内熱式加熱手段と外熱式加熱手段とが併用
される場合にはそのいずれか一方のみに生ガスを供給し
てもよく、又、その両方に生ガスを供給してもよいので
ある。
【0042】又、このことは回収された生ガスを他の加
熱手段や燃焼手段の燃料として使用することを除外する
意味ではなく、回収された生ガスを例えば賦活用ロータ
リキルンに供給する水蒸気を発生する蒸気ボイラの燃料
として用いてもよい。
【0043】ところで、本発明において、賦活用ロータ
リキルンから排出される活性炭は、水蒸気と接触するこ
とにより水に濡れた状態になっており、そのままでは取
扱いが面倒になる。
【0044】そこで、本発明においては、必要に応じ
て、前記賦活用ロータリキルンの後段に後乾燥用ロータ
リキルンが設けられ、賦活用ロータリキルンから排出さ
れる活性炭を後乾燥用ロータリキルンで乾燥させる。
【0045】この場合、後乾燥用ロータリキルンは、賦
活用ロータリキルンで賦活された活性炭を受入れ、乾燥
させるように構成してあればよく、例えば賦活用ロータ
リキルンの炉本体に後乾燥用ロータリキルンの炉本体を
連続させることも可能であるが、賦活用ロータリキルン
の出口から濡れた活性炭、賦活されていない炭化物、炭
化されていない乾燥処理物などを回収するために、賦活
用ロータリキルンの炉本体と後乾燥用ロータリキルンの
炉本体とを分割することが有利である。
【0046】この後乾燥用ロータリキルンは、例えば、
前乾燥用ロータリキルンと同様に構成すればよく、緩傾
斜軸心回りに回転可能に設けられた炉本体と、炉本体を
回転させる駆動手段と、炉本体内の活性炭原料を加熱す
る加熱手段とを備え、必要に応じて、これらに加えて、
炉本体内を減圧する減圧手段を備える。
【0047】この駆動手段、加熱手段に関する詳細な説
明は、前乾燥用ロータリキルンのこれらと同様に構成さ
れるので、重複を避けるために省略する。
【0048】ところで、賦活用ロータリキルンの炉本体
と後乾燥用ロータリキルンの炉本体とを分割した場合、
賦活用ロータリキルンから排出される濡れた活性炭、炭
化物、乾燥処理物などを引続き後乾燥用ロータリキルン
によって乾燥あるいは搬送するためには、賦活用ロータ
リキルンの出口から排出される活性炭、炭化物、乾燥処
理物などを受けて後乾燥用ロータリキルンの入口に投入
する活性炭投入手段が設けられ、賦活用ロータリキルン
から排出される濡れた活性炭、炭化物、乾燥処理物など
を回収する場合には、賦活用ロータリキルンの出口から
排出される活性炭、炭化物、乾燥処理物などを回収する
活性炭回収手段、炭化物回収手段、乾燥処理物回収手段
などが設けられる。
【0049】例えば活性炭投入手段と、炭化物回収手段
とが設けられる場合には、賦活用ロータリキルンの出口
から活性炭又は炭化物を受けて貯留するホッパーと、こ
のホッパーの下端から活性炭又は炭化物を導出する排出
路とを活性炭投入手段と炭化物回収手段とに共通の部分
として設け、前記活性炭投入手段にこの排出路の端末を
後乾燥用ロータリキルンの入口に導く投入通路を、炭化
物回収手段にこの排出路の端末を回収容器に導く回収通
路をそれぞれ設け、前記排出路の接続方向を投入通路と
回収通路とに切り替える方向切替手段を設けることが推
奨される。
【0050】排出路から後乾燥用ロータリキルンへの炭
化物の投入や排出路から回収容器への炭化物の回収に
は、炭化物の自重落下、風送などを利用すると、構成を
簡単にできる。ここで、炭化物を後乾燥用ロータリキル
ンに風送する場合、搬送風として高温エアを使用し、賦
活用ロータリキルンの炉本体内の温度を高くすることが
好ましい。
【0051】なお、この高温エアとしては、乾燥用、炭
化用、賦活用及び後乾燥用の各ロータリキルンの内の少
なくとも一つのロータリキルンの加熱手段から排出され
る排ガスを利用することができる。
【0052】又、賦活用ロータリキルンを炭化用ロータ
リキルンとして使用する場合には、前記賦活用ロータリ
キルンで生成する生ガスからタールを回収するタール回
収手段を設けたり、前記賦活用ロータリキルンで生成す
る生ガスを回収し、前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾
燥用のうちの少なくとも一つのロータリキルンの加熱手
段に燃料として供給する生ガス再利用手段を設けたりす
ることができる。
【0053】なお、賦活用ロータリキルンの炉本体と後
乾燥用ロータリキルンの炉本体とを分割し、水蒸気供給
手段を作動させることにより賦活用ロータリキルンで炭
化物を賦活して活性炭を製造する場合には、この炭化物
回収手段とともに、賦活用ロータリキルンの出口から活
性炭を後乾燥用ロータリキルンの入口に投入する活性炭
投入手段を設け、賦活用ロータリキルンで炭化物を賦活
して得られる活性炭をこの活性炭投入手段で後乾燥用ロ
ータリキルンの入口に投入できるようにすることが必要
である。
【0054】ところで、この多段式ロータリキルンにお
いては、前乾燥用及び炭化用の両ロータリキルンの合計
炉長、前乾燥用、炭化用及び賦活用の各ロータリキルン
の合計炉長、或いは前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾
燥用の各ロータリキルンの合計炉長はかなり長大にな
り、活性炭製造工程における中間生成物である炭化物の
製造、タールや木酢などの副生成物の回収などの目的の
他に活性炭原料よりも水分を多く含む汚泥の乾燥処理に
も用いることが可能になる。
【0055】特に、この多段式ロータリキルンにおい
て、前乾燥用ロータリキルンの入口に処理物を投入する
処理物投入手段が設けられ、この処理物投入手段が、原
料を貯留するホッパーと、ホッパーの下端から原料を導
出する排出管と、排出管の先端と交差し、前乾燥用ロー
タリキルンに向かう高温エアが流通する高温エア通路
と、この高温エア通路に高温エアを供給する高温エア供
給手段とを備えていると、処理物の水分が高温エア通路
を流れる高温エアよって飛ばされて処理物が乾燥しなが
ら、処理物が前乾燥用ロータリキルンに定量供給される
ので、前乾燥用ロータリキルンの炉長を短くすることが
できる。
【0056】又、本発明において、前乾燥用ロータリキ
ルンの炉本体の入口近傍部を外側から加熱する加熱手段
が設けられると、前乾燥用ロータリキルンの入口近傍で
処理物が加熱され、これにより処理物の乾燥が促進され
るので、前乾燥用ロータリキルンの炉長を短くすること
ができる。
【0057】そして、前記処理物投入手段を設け、か
つ、前乾燥用ロータリキルンの炉本体の入口近傍部を外
側から加熱する加熱手段を設けると、処理物としての汚
泥からこれら処理物投入手段と加熱手段とによって多量
の水分を蒸散させ、この加熱手段を通過する頃には処理
物をほぼ完全に乾燥させることができ、前乾燥用ロータ
リキルンの炉長を一層短くすることができる。
【0058】ところで、すでに述べたように、前乾燥用
ロータリキルンの炉本体、炭化用ロータリキルンの炉本
体、賦活用ロータリキルンの炉本体は順に連続させるこ
とができ、又、後乾燥用ロータリキルンが設けられる場
合には、前記前乾燥用ロータリキルンの炉本体、炭化用
ロータリキルンの炉本体、賦活用ロータリキルンの炉本
体及び後乾燥用ロータリキルンの炉本体を順に連続させ
ることができる。
【0059】しかしながら、本発明の多段式ロータリキ
ルンでは、前乾燥用ロータリキルン、炭化用ロータリキ
ルン、及び賦活用ロータリキルンが、或いは、前乾燥用
ロータリキルン、炭化用ロータリキルン、賦活用ロータ
リキルン及び後乾燥用ロータリキルンが、互いに分割し
て形成され、かつ、入口と出口の方向を交互に逆にし
て、この順で上から下に並ぶように配置されたり、平面
視において平行に横に並ぶように配置されたり、上下方
向及び横方向に適当な間隔を置いて並ぶように配置され
ると、装置全体として炉長方向の寸法が短小になる点で
有利になる。
【0060】特に、互いに分割して形成される前乾燥用
ロータリキルン、炭化用ロータリキルン、及び賦活用ロ
ータリキルンが、或いは、前乾燥用ロータリキルン、炭
化用ロータリキルン、賦活用ロータリキルン及び後乾燥
用ロータリキルンが、入口と出口の方向を交互に逆にし
て、この順で上から下に並ぶように配置される場合に
は、炉長宝庫に直角な横方向の寸法も短小にでき、その
敷設平面積を小さくできるので有利である。
【0061】又、前乾燥用ロータリキルン、炭化用ロー
タリキルン、及び賦活用ロータリキルンが、或いは、前
乾燥用ロータリキルン、炭化用ロータリキルン、賦活用
ロータリキルン及び後乾燥用ロータリキルンが、互いに
分割して形成され、かつ、入口と出口の方向を交互に逆
にして、この順で上から下に並ぶように配置されたり、
平面視において平行に横に並ぶように配置されたり、上
下方向及び横方向に適当な間隔を置いて並ぶように配置
される場合に、各ロータリキルンの炉長を揃えると、互
いに上下方向、又は横方向、或いは上下方向及び横方向
に各ロータリキルンの入口や出口が並ぶようになるの
で、各ロータリキルンの炉本体の一方の端部を取り囲む
減圧室と、各ロータリキルンの炉本体の他方の端部取り
囲む減圧室と、両減圧室から空気を吸引する減圧ポンプ
とで各ロータリキルンに共通する減圧手段を構成するこ
とができ、各ロータリキルンごとに減圧手段を設ける場
合に比べて構成を簡単にすることができる。もちろん、
この減圧手段は上述したタール回収手段の吸引手段、木
酢回収手段の吸引手段、或いは、生ガス再利用手段の送
風手段に兼用することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例に係る多段式ロ
ータリキルンを図面に基づいて具体的に説明すれば、以
下の通りである。
【0063】図面中、図1は本発明の一実施例に係る多
段式ロータリキルンの構成図であり、図2はこれを適用
した多目的処理設備の構成図である。
【0064】図1及び図2に示すように、本発明の一実
施例に係る多段式ロータリキルンは、前乾燥用ロータリ
キルン1と、炭化用ロータリキルン2と、賦活用ロータ
リキルン3と、後乾燥用ロータリキルン4とを備えてい
る。
【0065】図1に示すように、この前乾燥用ロータリ
キルン1の炉本体11は、例えば鋼管などの熱伝導性の
高い筒体からなり、該炉本体11の軸心方向に適当な間
隔を置いた複数個所に配置され、かつ、各個所において
炉本体の周方向の左右対象位置に配置された支持ローラ
12によって図上右上がりの緩傾斜軸心回りに回転可能
に支持される。
【0066】なお、この炉本体11の入口13は図上右
端に、出口14は図上左端にそれぞれ開口させてある。
【0067】前記炭化用ロータリキルン2の炉本体21
は、例えば鋼管などの熱伝導性の高い筒体からなり、前
乾燥用ロータリキルン1の炉本体11の入口13の下方
に炭化用ロータリキルン2の炉本体21の出口24が、
前乾燥用ロータリキルン1の炉本体11の出口14の下
方に炭化用ロータリキルン2の炉本体21の入口23が
位置するように配置される。
【0068】又、この炭化用ロータリキルン2の炉本体
21は、炉本体21の軸心方向に適当な間隔を置いた複
数個所に配置され、かつ、各個所において炉本体の周方
向の左右対象位置に配置された支持ローラ22によって
図上左上がりの緩傾斜軸心回りに回転可能に支持され
る。
【0069】前記賦活用ロータリキルン3の炉本体31
は、例えば鋼管などの熱伝導性の高い筒体からなり、炭
化用ロータリキルン2の炉本体21の入口23の下方に
賦活用ロータリキルン3の炉本体31の出口34が、炭
化用ロータリキルン2の炉本体21の出口24の下方に
賦活用ロータリキルン3の炉本体31の入口33が位置
するように配置される。
【0070】又、この賦活用ロータリキルン3の炉本体
31は、該炉本体31の軸心方向に適当な間隔を置いた
複数個所に配置され、かつ、各個所において炉本体の周
方向の左右対象位置に配置された支持ローラ32によっ
て図上右上がりの緩傾斜軸心回りに回転可能に支持され
る。
【0071】前記後乾燥用ロータリキルン4の炉本体4
1は、例えば鋼管などの熱伝導性の高い筒体からなり、
前記賦活用ロータリキルン3の炉本体31の入口33の
下方に後乾燥用ロータリキルン4の炉本体41の出口4
4が、該賦活用ロータリキルン3の炉本体31の出口3
4の下方に後乾燥用ロータリキルン4の炉本体41の入
口43が位置するように配置される。
【0072】又、この後乾燥用ロータリキルン4の炉本
体41は、該炉本体41の軸心方向に適当な間隔を置い
た複数個所に配置され、かつ、各個所において炉本体の
周方向の左右対象位置に配置された支持ローラ32によ
って図上左上がりの緩傾斜軸心回りに回転可能に支持さ
れる。
【0073】このように、前乾燥用ロータリキルン1、
炭化用ロータリキルン2、賦活用ロータリキルン3及び
後乾燥用ロータリキルン4の炉本体11、21、31、
41が、入口13、23、33、43と出口14、2
4、34、44の方向を交互に逆にして、この順で上か
ら下に並べられると、これらの炉本体11、21、3
1、41の各炉長を合計した合計炉長に比べて、装置の
炉長方向への寸法を最小にでき、又、装置の炉長方向に
直交する横方向への寸法を最小にすることができ、装置
全体の敷設面積を著しく小さくすることができる。
【0074】図1及び図2に示すように、この多段式ロ
ータリキルンには、各炉体11、21、31、41の中
央部を外側から加熱する共通の外熱式加熱手段5が設け
られる。図1に示すように、この加熱手段5は、各炉体
11、21、31、41の中央部を包む加熱室51と、
この加熱室51に燃焼炎を噴出する複数のバーナー52
とを備え、又、図2に示すように、これらバーナー52
に燃料として油を供給する燃料供給手段53と、前記加
熱室51に外気を冷却用空気として供給する冷気供給手
段54と、燃焼排ガスを排出する排気路55とを備えて
いる。
【0075】バーナ52の設置数及び設置位置は適当に
設計され、ここでは、後乾燥用ロータリキルン4の炉本
体41の下方に1基のバーナー52を配置すると共に、
炭化用ロータリキルン3の炉本体31と賦活用ロータリ
キルン3との中間の高さに2基のバーナー52を配置し
ている。
【0076】図2に示すように、これらバーナー52に
燃料を供給する燃料供給手段53は、各バーナー52に
組み込まれている油ポンプと、燃料である油を貯留する
油タンク56と、この油タンク56から燃料を各バーナ
ー52に導く燃料供給管57とを備えている。
【0077】前記排気路55には、熱交換器58を介在
させてあり、水タンク59又はクーリングタワーから供
給される冷水により排気温度を200℃以下に低下させ
るようにしている。
【0078】この多段式ロータリキルンには、前乾燥用
ロータリキルン1に活性炭原料などの処理物を投入する
処理物投入手段6が設けられる。図3の断面図に詳細に
示すように、この処理物投入手段6は、処理物を貯留す
るホッパー61と、このホッパー61の下端から原料を
導出する排出管62と、この排出管62の先端と交差
し、前乾燥用ロータリキルン1に向かう高温エアが流通
する高温エア通路63と、この高温エア通路に高温エア
を供給する高温エア供給手段64(図2に示す)とを備
えている。
【0079】なお、前記ホッパー61には図示しないブ
リッジブレーカーを敷設して、その内部で処理物のブリ
ッジ現象を解消できるようにしている。
【0080】図2に示すように、この高温エア供給手段
64は、前記排気路55の熱交換器58よりも上流側か
ら分岐させた高温エア導入路65と、この高温エア導入
路65に接続したたブロアー66とを備え、このブロア
ー66の吐出口に前記高温エア通路63を接続して、高
温エア通路63に供給する高温エアとして加熱手段5の
排ガスを利用することにより、消費エネルギーとランニ
ングコストとを節約している。
【0081】又、この処理物投入手段6によれば、排出
管62の下端から高温エア通路63に落下する処理物に
高温エアを接触させることにより水分を飛ばして処理物
を乾燥させるとともに、一定流量の高温エアを高温エア
通路63に流すことにより前乾燥用ロータリキルン1に
供給する処理物の供給量を一定に安定させることができ
る。更に、高温エアを前乾燥用ロータリキルン1の炉本
体11内に吹き込むことによりこの炉本体11内の温度
が高められ、この炉本体11内での処理物の乾燥が一層
促進されることになる。
【0082】なお、前記高温エア通路63は、処理物の
自重が処理物の前乾燥用ロータリキルン1への移動を促
すように、前乾燥用ロータリキルン1に向かって下るよ
うに緩傾斜させている。
【0083】図1に示すように、前乾燥用ロータリキル
ン1には、炉本体11の入口近傍部を外側から加熱する
別の加熱手段7が設けられる。この加熱手段7は、炉本
体11の入口近傍部を包む加熱室71と、この加熱室7
1に燃焼炎を噴出する複数のバーナー72と、これらバ
ーナー72に燃料として油を供給する燃料供給手段73
(図2に示す)と、燃焼排ガスを加熱室71から排出す
る排気路74とを備えている。
【0084】図2に示すように、この燃料供給手段73
は、前記油タンク56と、この油タンク56から油をバ
ーナー72に導く燃料供給管75と、前記バーナー72
に内蔵した油ポンプとを備えている。
【0085】又、前記排気路74は、各ロータリキルン
1、2、3、4の中間部を包む加熱室51から導出され
た排気路55の熱交換器58よりも上流側に合流させ、
この加熱手段7の排気を前記熱交換器58により200
℃以下に冷却した後、大気中に放出するようにしてい
る。
【0086】このように炉本体11の入口近傍部を外側
から加熱する別の加熱手段7を設けると、処理物投入手
段6によってかなりの程度乾燥させて炉本体11に導入
された処理物が炉本体11の入口近傍部で加熱されて更
に乾燥されるので、例えば多量の水分を含んでいる汚泥
であってもこの炉本体11の入口近傍部で加熱された後
にはほとんど完全に乾燥した状態になる。
【0087】又、このように処理物が乾燥される一方
で、炉本体11の入口近傍部が外部から加熱されるの
で、炉本体11の入口近傍部が高温となり、あたかも高
温のフライパンの上で煎り豆が飛び跳ねるように処理物
が炉本体11の入口近傍部の内面から飛び跳ね、炉本体
11の内面に処理物が付着しなくなる。
【0088】又、この後、処理物が炉本体11内を出口
に向かって進む間に、後述するようにして形成された減
圧不活性雰囲気中で、前記加熱手段5によって加熱する
ことにより処理物は一層乾燥するので、炉本体11の出
口13からは完全に乾燥した処理物(乾燥処理物)が排
出される。
【0089】この炉本体11から排出される乾燥処理物
を回収する乾燥処理物回収手段を設けることは可能であ
るが、この実施例では処理物を炭化用ロータリキルンに
よって炭化したり、更に乾燥させたりするために、図1
に示すように、前乾燥用ロータリキルン1の炉本体11
の出口13から乾燥した処理物を受け、炭化用ロータリ
キルン2の炉本体21の入口23に投入する乾燥処理物
投入手段8が設けられる。
【0090】図4の断面図に示すように、この乾燥処理
物投入手段8は、前乾燥用ロータリキルン1から処理物
を受けて貯留するホッパー81と、このホッパー81の
下端から原料を導出する排出管82と、この排出管82
の先端と交叉し、前乾燥用ロータリキルン1に向かう高
温エアが流通する高温エア通路83と、この高温エア通
路83に高温エアを供給する高温エア供給手段84(図
2に示す)とを備えている。
【0091】図2に示すように、この高温エア供給手段
84は、前記排気路55の熱交換器58よりも上流側か
ら分岐させた高温エア導出路85と、この高温エア導出
路85に接続したブロアー86とを備え、このブロアー
86の吐出口に前記高温エア通路83を接続して、高温
エア通路83に供給する高温エアとして加熱手段5の排
ガスを利用することにより、消費エネルギーとランニン
グコストとを節約している。
【0092】又、この乾燥処理物投入手段8によれば、
排出管82の下端から高温エア通路83に落下する乾燥
処理物に高温エアを接触させることにより乾燥処理物を
加熱すると共に、更にそれに含有される水分を飛ばして
乾燥させる。又、一定流量の高温エアを高温エア通路8
3に流すことにより炭化用ロータリキルン2に供給する
乾燥処理物の供給量を一定に安定させることができる。
更に、加熱エアを高温エア通路83から炭化用ロータリ
キルン2の炉本体21内に吹き込むことにより、該炉本
体21内の温度が高められる。
【0093】なお、前記高温エア通路83は、処理物の
自重が処理物の炭化用ロータリキルン2への移動を促す
ように、炭化用ロータリキルン2に向かって下るように
緩傾斜させてある。
【0094】炭化用ロータリキルン2に投入された乾燥
処理物は、後述するようにして形成された減圧不活性雰
囲気中で加熱手段5によって加熱されることにより炭化
し、炉本体21の出口24から排出される。
【0095】もっとも、前記冷気供給手段54により外
気を加熱室51に導入し、炭化用ロータリキルン2の炉
本体21の温度を下げることにより、炭化用ロータリキ
ルン2で乾燥処理物を炭化させずに乾燥させることもで
きる。
【0096】図1に示すように、この多段式ロータリキ
ルンには、炭化用ロータリキルン2から炭化物(又は乾
燥処理物)を受けて賦活用ロータリキルン3の炉本体3
1の入口33に投入する炭化物投入手段9が設けられ
る。
【0097】図5の断面図に示すように、この炭化物投
入手段9は、炭化用ロータリキルン2から処理物を受け
て貯留するホッパー91と、このホッパー91の下端か
ら原料を導出する排出管92と、この排出管92の先端
と交差し、賦活用ロータリキルン3に向かう高温エアが
流通する高温エア通路93と、図2に示す高温エア供給
手段64とを備え、前記高温エア通路93が高温エア供
給手段64のブロアー66の吐出口に接続される。
【0098】このようにして、高温エア通路93に供給
する高温エアとして加熱手段5の排ガスを利用すること
により、消費エネルギーとランニングコストとを節約す
ることができ、又、高温エア供給手段64を処理物投入
手段6のそれらと兼用することにより、部品点数を削減
し、かつ、構成を簡単にして設備費用を削減することが
できる。
【0099】又、図2に示すように、前記賦活用ロータ
リキルン3には、その炉本体31の入口33に向かう炭
化物に水蒸気を噴出して混合する水蒸気供給手段100
が設けられる。この水蒸気供給手段100は前記水タン
ク59又はクーリングタワーから供給される冷水を加熱
して水蒸気を発生する蒸気ボイラ101と、蒸気ボイラ
101で発生した水蒸気を炉本体31の入口33に導く
水蒸気導管102と、この水蒸気導管102に介在させ
た蒸気ポンプ103及び水トラップと、水蒸気導管10
2の先端から炉本体31の入口33に水蒸気を噴出する
ノズル104(図5に示す)とを備えている。
【0100】図2に示すように、前記蒸気ボイラ101
には、熱源としてバーナー103が設けられる他、熱交
換器58と、前乾燥用ロータリキルン1の入口近傍部を
加熱する加熱手段7とから排ガスを導入し、両加熱手段
5、7の廃熱を利用できるようにしている。又、後述す
るタール回収手段180のレシーバータンク181から
炭化処理に伴い発生する生ガスを供給して蒸気ボイラ1
01内で燃焼させ、蒸気ボイラ101の熱源となるよう
にしている。
【0101】なお、図5に示すように、前記ノズル10
4は前記排出管92の先端開口に向かって開口させて、
排出管92から高温エア通路93に落下する炭化物と水
蒸気との接触効率を高めるようにしてある。又、水蒸気
導管102の端末近傍にはこの水蒸気導管102を開閉
する弁105(全閉可能なコントロールダンパーでもよ
い。)が設けられ、この弁105を閉弁して水蒸気の供
給を停止することにより、賦活用ロータリキルン3を炭
化用のロータリキルンとして使用することができ、又、
水蒸気の供給を停止すると共に、冷気供給手段56によ
り供給される外気で炉本体31を冷却することにより、
賦活用ロータリキルン3を乾燥用のロータリキルンとし
て使用することができる。
【0102】水蒸気と共に賦活用ロータリキルン3に導
入された炭化物は、炉本体31内で後述するようにして
形成した減圧不活性雰囲気中で加熱されることにより賦
活され、活性炭となって炉本体31の出口34から排出
され、余剰の水蒸気は炉本体31の出口34から排出さ
れ、図1に示す蒸気フード105によって回収された
後、廃蒸気導管106を通って排気路55の熱交換器5
8よりも下流側に放出される。
【0103】図1に示すように、この多段式ロータリキ
ルンには、賦活用ロータリキルン3から活性炭を受けて
後乾燥用ロータリキルン4の炉本体41の入口43に投
入する活性炭投入手段110が設けられる。
【0104】図6の構成図に示すように、この活性炭投
入手段110は、賦活用ロータリキルン3から活性炭を
受けて貯留するホッパー111と、このホッパー111
の下端から活性炭を導出する排出管112と、この排出
管112の先端と交差し、後乾燥用ロータリキルン4に
向かう高温エアが流通する高温エア通路113と、この
高温エア通路113に高温エアを供給する前記高温エア
供給手段84(図2に示す)とを備えている。
【0105】前記高温エア通路113をこの高温エア供
給手段84のブロアー86の吐出口に接続して、高温エ
ア通路113に供給する高温エアとして加熱手段5の排
ガスを利用することにより、消費エネルギーとランニン
グコストとが節約され、又、高温エア供給手段84を乾
燥処理物投入手段8のそれと兼用することにより、部品
点数を削減し、かつ、構成を簡単にして設備費用を削減
される。
【0106】上述したように、この多段式ロータリキル
ンにおいては、賦活用ロータリキルン3への水蒸気の供
給を停止することにより、この賦活用ロータリキルン3
を第2段目の炭化用ロータリキルンとして使用したり、
賦活用ロータリキルン3への水蒸気の供給を停止すると
共に賦活用ロータリキルン3の炉本体31を空冷するこ
とによりこの賦活用ロータリキルン3を乾燥用ロータリ
キルンとして使用したりすることができる。又、これら
の場合には、賦活用ロータリキルン3の出口34から十
分に乾燥した炭化物(又は乾燥処理物)が排出されるの
で、後乾燥用ロータリキルン4は使用せずに、賦活用ロ
ータリキルン3の出口34から乾燥した炭化物(又は乾
燥処理物)を回収することができる。
【0107】そこで、図1に示すように、この多段式ロ
ータリキルンでは、前乾燥用、炭化用及び賦活用の各ロ
ータリキルン1、2、3を同期して回転させる駆動手段
120と、この駆動手段120とは独立して後乾燥用ロ
ータリキルン4のみを駆動する駆動手段130とを設
け、後乾燥用ロータリキルン4を使用する時(活性炭製
造時)には、両駆動手段120、130を共に運転し、
後乾燥用ロータリキルン4を使用しない時には、後者を
停止して消費エネルギーを節約すると共に、ランニング
コストを節約するようにしている。
【0108】なお、前乾燥用、炭化用及び賦活用のロー
タリキルン1、2、3の炉本体11、21、31を駆動
する駆動手段120は、共通の減速モーター121と、
この減速モーター121に各炉本体11、21、31を
連動させるチェーン式の連動機構122とを備え、後乾
燥用ロータリキルン4の炉本体41を駆動する駆動手段
130は、前記減速モーター121よりも定速で回転す
る減速モーター131と、この減速モーター131に炉
本体41を連動させるチェーン式の連動機構132とを
備えている。
【0109】もっとも、この実施例では減速モーター1
31の回転数は湿った活性炭を乾燥させるために必要な
活性炭の炉本体41内での滞留時間を考慮して決定され
ているので、必要に応じて、他の炉本体11、21、3
1を駆動する減速モーター121と同じ回転数にした
り、他の炉本体11、21、31を駆動する減速モータ
ー121よりも高回転数にしたりしてもよい。
【0110】又、後乾燥用ロータリキルン4を使用しな
い時には、加熱手段5の加熱室51の下部に設けたバー
ナー52を休止させて、消費エネルギーを節約すると共
に、ランニングコストを節約するようにしてもよい。
【0111】更に、この多段式ロータリキルンにおいて
は、前記賦活用ロータリキルン3から炭化物を回収する
ために、炭化物回収手段140が設けられる。図6に示
すように、この炭化物回収手段140は、前記活性炭投
入手段110のホッパー111、排出管112、及び高
温エア通路113とを共用する他、この高温エア通路1
13から炭化物を導出する導出路141と、この導出路
141から落下する炭化物を受けて貯留する回収タンク
142とを備える。
【0112】前記高温エア通路113は、排出管112
から落下した炭化物を後乾燥用ロータリキルン4に導く
投入通路の役割と、排出管112から落下した炭化物を
回収タンク142に導く回収通路の役割とを担うが、排
出管112から落下した炭化物が自重で後乾燥用ロータ
リキルン4に流入することを防止すると共に、導出管1
41に向かうようにするため、後乾燥用ロータリキルン
4の入口43に向かって昇り、導出管141に向かって
下がるように傾斜させている。又、高温エア通路113
に連なって回収通路の役割う担う前記導出路141は、
排出管112よりも上流側で高温エア通路113に接続
している。
【0113】ここで、活性炭投入手段110と炭化物回
収手段140とに共通するホッパー111、排出管11
2及び高温エア通路113を活性炭投入手段110の一
部分として機能させる場合には高温エア通路113をブ
ロアー86及び後乾燥用ロータリキルン4に接続し、こ
れらホッパー111、排出管112及び高温エア通路1
13を炭化物回収手段140の一部分として機能させる
場合には、高温エア通路113を導出路141に接続
し、ブロアー86から遮断する必要があるので、このよ
うに高温エア通路113の接続方向を切り替える接続切
替手段150が設けられる。
【0114】この接続切替手段150は、特に限定され
ないが、この炭化物回収手段140の導出路141に介
在させた弁151と、高温エア通路113の導出路14
1よりも上流側の部分に介在させた弁152とを備え、
賦活用ロータリキルン3から炭化物を回収する時にのみ
導出路141の弁151を開弁すると共に、高温エア通
路113の弁152を閉弁するようにしている。
【0115】このように、炭化物回収手段140と活性
炭投入手段110とが互い他方に共用される多くの部分
を備えるように構成すると、部品点数が少なく、構成が
簡単になる上、弁151、152以外の可動部品が無く
なるので、故障が発生しにくくなる。
【0116】ところで、賦活用ロータリキルン3が炭化
処理あるいは乾燥処理に使用される時であっても、賦活
用ロータリキルン3から排出される炭化物が活性炭投入
手段110により後乾燥用ロータリキルン4の炉本体4
1に投入される場合がある。もちろん、賦活用ロータリ
キルン3において賦活処理が行われ、この賦活処理によ
り生成された活性炭が活性炭投入手段110により後乾
燥用ロータリキルン4の炉本体41に投入される場合も
ある。
【0117】これらの場合には、この活性炭が、該炉本
体41の入口43から出口44に進む間に、加熱手段5
によって加熱され、乾燥する。
【0118】そして、該炉本体41の出口43から排出
される乾燥した活性炭は、図2及び図7の構成図に示す
製品回収手段160によって回収される。
【0119】図7に詳細に示すように、この製品回収手
段160は、前記炉本体41の出口43から排出される
乾燥した活性炭を受けるホッパー161と、ホッパー1
61の下端から導出された分岐排出管162と、この分
岐排出管162の分岐点に設けた三方弁163と、この
分岐排出管162の一方の分岐先端から排出される活性
炭を受けて貯留する活性炭タンク164と、この分岐排
出管162の他方の分岐先端から排出される乾燥処理物
(乾燥炭化物)を受けて貯留する乾燥タンク165とを
備えている。
【0120】賦活用ロータリキルン3が乾燥のために使
用され、乾燥した炭化物(又は乾燥処理物)が賦活用ロ
ータリキルン3から後乾燥用ロータリキルン4を経て製
品回収手段160に排出される場合には、前記三方弁1
63を乾燥タンク165側に開き、ホッパー161に受
けた乾燥処理物を分岐排出管162により乾燥タンク1
65に導く。又、賦活用ロータリキルン3で炭化物を賦
活させて活性炭を作り、この活性炭を後乾燥用ロータリ
キルン4で乾燥させる場合には、前記三方弁163を活
性炭タンク164側に開き、後乾燥用ロータリキルン4
からホッパー161に受けた活性炭を活性炭タンク16
4に導く。
【0121】ところで、図2に示すように、この多段式
ロータリキルンでは、前乾燥用、炭化用、賦活用及び後
乾燥用の各炉本体11、21、31、41内の雰囲気を
減圧不活性雰囲気にするための減圧手段170が設けら
れる。
【0122】図1に示すように、この減圧手段170
は、炉本体11の入口13、炉本体21の出口24、炉
本体31の入口33、炭化物投入手段9のホッパー9
1、排出管92及び高温エア通路93の端末部を覆い、
炉本体41の出口寄り部分が挿通される第1減圧室17
1と、炉本体11の出口14、乾燥処理物投入手段8の
ホッパー81、排出管82及び高温エア通路83の端末
部、炉本体21の入口23、炉本体31の出口34、活
性炭投入手段110のホッパー111、排出管112及
び高温エア通路113の端末部、並びに炉本体41の入
口43を覆う第2減圧室172とを備え、又、図2に示
すように、この減圧手段170は両減圧室171、17
2から空気を吸引する吸引手段173とを備えている。
【0123】図2に示すように、この吸引手段173
は、ブロアー174と、両減圧室172をブロアー17
4の吸入口に接続する吸引路175を備え、この吸引手
段173により両減圧室171、172内の空気を吸引
することにより、両減圧室171、172及びこれらに
連通する各炉本体11、21、31、41の内圧を減圧
する。
【0124】更に、図示しない窒素ガス供給源から窒素
ガスが両減圧室171、172に供給することにより、
各炉本体11、21、31、41内に減圧不活性雰囲気
が形成される。
【0125】ところで、両減圧室171、172から吸
引される排ガスには、炭化用ロータリキルン2、或いは
この炭化用ロータリキルン2と共に炭化用ロータリキル
ンとして使用される賦活用ロータリキルン3内における
処理物の炭化処理に伴って生成するタール及び木酢が含
まれている。
【0126】このタールや木酢は活性炭製造工程におけ
る副生成品として回収して例えば燃料として使用した
り、直接にこの多段式ロータリキルンの加熱手段5、7
の一方又は両方に供給し、燃料として再利用したりする
ことができる。
【0127】この実施例に係る多段式ロータリキルンで
は、炭化用ロータリキルン2、又は炭化用に使用されて
いる賦活用ロータリキルン3、若しくはこれらの両方の
中で生成したタールを回収するタール回収手段180
と、炭化用ロータリキルン2、又は炭化用に使用されて
いる賦活用ロータリキルン3、若しくはこれらの両方の
中で生成した木酢を回収する木酢回収手段190と、炭
化用ロータリキルン2、又は炭化用に使用されている賦
活用ロータリキルン3、若しくはこれらの両方の中で生
成した生ガスを各炉本体11、21、31、41の中央
部を加熱する加熱手段5の燃料として再利用する生ガス
再利用手段200とが設けられる。
【0128】ここで注目に値することは、前記減圧手段
170が、前記回収手段180、前記木酢回収手段19
0及び前記生ガス再利用手段200の一部分に共用され
ていることであり、このように減圧手段170をタール
回収手段180、木酢回収手段190及び生ガス再利用
手段200の一部分として共用することにより、部品点
数を削減すると共に、全体としての構成を簡単にしてい
ることである。
【0129】又、前記減圧手段170と共用する部分の
他に、図8の構成図に示すように、前記タール回収手段
180、木酢回収手段190及び生ガス再利用手段20
0との間で共用される部分として前記ブロアー174の
吐出口に接続されたレシーバータンク181があり、更
に、前記タール回収手段180と木酢回収手段190と
に共通する部分として、このレシーバータンク181に
生ガス導管182を介して接続される急速冷却器183
と、分離タンク184とがある。
【0130】この急速冷却器183は熱交換器58に水
を供給する水タンク59から供給される冷却水で生ガス
を急冷してタール及び木酢を凝縮させ、凝縮したタール
及び木酢は自重で分離タンク184に流れて行く。
【0131】前記分離タンク184は内部に上流側のタ
ール回収室185と、下流側の木酢回収室186と、こ
れらを区画する堰187とを備え、急速冷却器183か
ら流れて来たタール及び木酢は、まずタール回収室18
5に流入し、このタール回収室185内で比重により上
下に分離し、比重の軽い木酢が堰187を越えて木酢回
収室186に溢れ出る。
【0132】分離タンク184のタール回収室185の
底部にはタール回収手段180のタールタンク188を
連通させてあり、タール回収室185内で木酢から分離
してタール回収室185の底部に沈んだタールがこのタ
ールタンク188に回収されて貯留される。
【0133】又、前記分離タンク184の木酢回収室1
86の底部には木酢回収手段190の木酢タンク191
が接続され、タールと分離されて木酢回収室186に流
入した木酢をこの木酢タンク191に回収して貯留する
ようにしている。
【0134】図2に示すように、前記生ガス再利用手段
200は、前記タール回収手段180及び木酢回収手段
190に共用される部分の他に、前記レシーバータンク
181から導出され、各炉本体11、21、31、41
の中央部を加熱する加熱手段5の加熱室51に連通する
生ガス導管201と、この生ガス導管201の途中に介
在させたブロアー202とを備え、前記レシーバータン
ク181からタール及び木酢を含んだ生ガスを生ガス導
管201を介して前記加熱室51に燃料として供給する
ようにしている。
【0135】なお、前記レシーバータンク181の底部
にはその内部で自然に凝集したタール及び木酢を回収す
る回収タンク189が接続される。
【0136】このように構成した多段式ロータリキルン
によれば、処理物投入手段6において処理物の水分を高
温ガスで吹き飛ばしながら前乾燥用ロータリキルン1に
処理物を定量供給し、前乾燥用ロータリキルン1の入口
近傍部で外熱式の加熱手段7で処理物を加熱乾燥するの
で、例えば汚泥のように多量の水分を含むものでも前乾
燥用ロータリキルン1の入口近傍部を通過する頃にはほ
ぼ乾燥する。
【0137】従って、汚泥を焼却処理するために乾燥さ
せる乾燥炉としてこの多段式ロータリキルンを利用する
ことができる。この場合、汚泥の成分として炭化する物
質がある程度以上含まれていれば、乾燥した汚泥を炭化
用ロータリキルン2において炭化し、活性炭の原料とな
る粗炭を製造したり、焼却処理をより容易にしたり、更
に、炭化用ロータリキルン2において炭化した汚泥を賦
活用ロータリキルンで賦活して活性炭を製造したりする
こともできる。
【0138】要するに、この多段式ロータリキルンは、
処理物の乾燥、炭化、活性炭の製造など多目的に使用で
き、しかも、水分の多い汚泥の乾燥、炭化、汚泥からの
活性炭の製造などにも使用できるのである。
【0139】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の多段式
ロータリキルンは、炭化物を賦活させる賦活用ロータリ
キルンの前段に処理物を乾燥させる前乾燥用ロータリキ
ルンと、乾燥させた処理物を炭化させる炭化用ロータリ
キルンとを設けるので、従来、処理物の乾燥、乾燥処理
物の炭化、炭化処理物の賦活による活性炭の製造と分断
されていた活性炭の製造工程を一貫して連続的に処理で
きる効果が得られる。
【0140】又、この活性炭の製造の他に、賦活用ロー
タリキルンにおいて賦活処理を行なわずに、炭化物を製
造することができる効果が得られる。
【0141】更に、炭化用ロータリキルンにおける炭化
処理と、賦活用ロータリキルンにおける賦活処理とを行
わずに処理物の乾燥のみを行える効果が得られる。
【0142】要するに、本発明の多段式ロータリキルン
は、処理物の乾燥、処理物の炭化、処理物からの活性炭
の製造などの多目的に使用できるのである。
【0143】本発明において、炭化用ロータリキルンの
炉本体と賦活用ロータリキルンの炉本体とが分割され、
炭化用ロータリキルンの出口から炭化物を受け、賦活用
ロータリキルンの入口に投下する炭化物投入手段と、前
記炭化用ロータリキルンの出口から炭化物を回収する炭
化物を回収する炭化物回収手段とが設けられると、炭化
物投入手段により炭化物を賦活用ロータリキルンに投入
し、賦活用ロータリキルンでこの炭化物を賦活すること
により活性炭を製造できる一方、炭化物回収手段により
炭化物を回収し、活性炭原料として市場に流通させた
り、処理物の焼却処理を容易にしたりすることができる
効果が得られる。
【0144】又、本発明において、炭化用ロータリキル
ンで発生する生ガスを吸引し、この生ガスからタールを
回収するタール回収手段が設けられると、燃料その他の
用途に使用されるタールの製造をできる効果が得られ
る。
【0145】又、本発明において、炭化用ロータリキル
ンで発生する生ガスを吸引し、この生ガスから木酢を回
収する木酢回収手段が設けられると、燃料その他の用途
に利用できる木酢の製造をできる効果が得られる。
【0146】又、本発明において、炭化用ロータリキル
ンで発生する生ガスを吸引し、前記前乾燥用、炭化用及
び賦活用のうちの少なくとも一つのロータリキルンの加
熱手段に燃料として供給する生ガス再利用手段が設けら
れると、炭化処理において副生する生ガスを前記前乾燥
用、炭化用及び賦活用のうちの少なくとも一つのロータ
リキルンの加熱手段に燃料として使用し、当該加熱手段
の消費エネルギー及びランニングコストを節約きる効果
が得られる。
【0147】本発明において、前記賦活用ロータリキル
ンの後段に後乾燥用ロータリキルンが設けられ、賦活用
ロータリキルンから排出される活性炭を後乾燥用ロータ
リキルンで乾燥させると、乾燥した活性炭を処理物から
一貫して連続的に製造できる効果が得られる。
【0148】この場合、賦活用ロータリキルンの炉本体
と後乾燥用ロータリキルンの炉本体とを分割し、この賦
活用ロータリキルンの出口から活性炭を受けて後乾燥用
ロータリキルン入口に投入する活性炭投入手段と、炭化
用ロータリキルンとして使用される賦活用ロータリキル
ンの出口から炭化物を回収する炭化物回収手段とが設け
られると、活性炭投入手段を用いて、賦活用ロータリキ
ルンから排出される濡れた活性炭を後乾燥用ロータリキ
ルンに投入し、後乾燥用ロータリキルンで乾燥させ乾燥
した活性炭を製造できる一方、賦活用ロータリキルンに
おける賦活処理を行わずに、炭化物回収手段により賦活
用ロータリキルンから炭化物を回収し、活性炭原料とし
て市場に流通させたり、処理物の焼却処理を容易にした
りすることができる効果が得られる。
【0149】ここで、賦活用ロータリキルンにおいて賦
活処理の代わりに炭化処理を行う場合に、この賦活用ロ
ータリキルン内で発生する生ガスからタールを回収する
タール回収手段が設けられると、燃料その他の用途に使
用されるタールの製造ができる効果を得られる。
【0150】又、賦活用ロータリキルンにおいて賦活処
理の代わりに炭化処理を行う場合に、この賦活用ロータ
リキルン内で発生する生ガスから木酢を回収する木酢回
収手段が設けられると、燃料その他の用途に利用できる
木酢の製造ができる効果を得られる。
【0151】本発明において、前記前乾燥用ロータリキ
ルンの入口に処理物を投入する処理物投入手段が設けら
れ、この処理物投入手段が、処理物を貯留するホッパー
と、ホッパーの下端から処理物を導出する排出管と、こ
の排出管の先端と交叉し、前記前乾燥用ロータリキルン
に向かう高温エアが流通する高温エア通路と、この高温
エア通路に高温エアを供給する高温エア供給手段とを備
えていると、排出管から高温エア通路に落下する処理物
の水分を高温エアで吹き飛ばしながら、処理物を前乾燥
用ロータリキルンに定量供給することができるので、前
乾燥用ロータリキルンの炉長を短縮できる効果を得るこ
とができる。
【0152】又、本発明において、前記前乾燥用ロータ
リキルンの炉本体の入口近傍部を外側から加熱する加熱
手段が設けられると、この加熱手段によって該炉本体の
入口近傍部が加熱され、この入口近傍部から炉本体内に
放射される放射熱や炉本体内の処理物に伝導される伝導
熱により処理物が加熱乾燥されるので、前乾燥用ロータ
リキルンの炉長を短縮できる効果を得ることができる。
【0153】特に、本発明において、上述した処理物投
入手段と前乾燥用ロータリキルンの炉本体の入口近傍部
を外側から加熱する加熱手段とが設けられると、例えば
汚泥のように多量の水分を含む処理物であっても、この
加熱手段を通過する頃には処理物がほぼ乾燥した状態に
なるので、本発明を汚泥の乾燥処理に利用できる他、処
理物に炭化し易い成分が含まれている場合には、処理物
の炭化物の製造や、処理物からの活性炭の製造などを行
うことができるという効果が得られる。
【0154】本発明において、前乾燥用、炭化用及び賦
活用の各ロータリキルンが、入口と出口の方向を交互に
逆にして、この順で上から下に並べられた場合、或い
は、前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾燥用の各ロータ
リキルンが入口と出口の方向を交互に逆にして、この順
で上から下に並べられた場合には、本発明の炉長方向の
寸法及びこれに直交する横方向の寸法を最小にして敷設
平面積を最小にすることができる効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】本発明を用いる多目的処理設備の構成図であ
る。
【図3】本発明の処理物投入手段の断面図である。
【図4】本発明の乾燥処理物投入手段の断面図である。
【図5】本発明の炭化物投入手段の断面図である。
【図6】本発明の活性炭投入手段及び炭化物回収手段の
断面図である。
【図7】本発明の製品回収手段の構成図である。
【図8】本発明のタール回収手段及び木酢回収手段の構
成図である。
【符号の説明】
1 前乾燥用ロータリキルン 2 炭化用ロータリキルン 3 賦活用ロータリキルン 4 後乾燥用ロータリキルン 5 加熱手段 6 処理物投入手段 7 加熱手段 9 炭化物投入手段 11 炉本体 13 入口 14 出口 21 炉本体 23 入口 24 出口 31 炉本体 33 入口 34 出口 41 炉本体 43 入口 44 出口 61 ホッパー 62 排出管 63 高温エア通路 64 高温エア供給手段 83 高温エア通路 84 高温エア供給手段 110 活性炭投入手段 140 炭化物回収手段 180 タール回収手段 190 木酢回収手段 200 生ガス再利用手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10B 57/10 C10B 57/10 4H012 C10C 1/00 C10C 1/00 4H058 5/00 5/00 4K061 F23G 5/027 ZAB F23G 5/027 ZABZ 5/14 ZAB 5/14 ZABF 5/20 ZAB 5/20 ZABA F26B 21/00 F26B 21/00 B F27B 7/02 F27B 7/02 7/08 7/08 7/32 7/32 7/33 7/33 7/34 7/34 Fターム(参考) 3K061 AA07 AB02 AC02 AC20 BA05 KA02 KA13 3K078 AA05 BA08 CA02 3L113 AA06 AB03 AC03 AC44 AC48 BA37 DA14 4D059 AA00 BB05 BB14 BD11 BD22 CC06 4G046 HA01 HC01 HC09 HC14 HC16 HC23 4H012 HB03 HB07 HB10 JA00 JA06 JA08 JA13 RA01 RA05 4H058 AA01 4K061 AA08 BA06 CA25 DA01 DA03 FA04 HA03 HA05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化物を賦活させる賦活用ロータリキル
    ンの前段に活性炭原料を乾燥させる前乾燥用ロータリキ
    ルンと、乾燥させた活性炭原料を炭化させる炭化用ロー
    タリキルンとを設けたことを特徴とする多段式ロータリ
    キルン。
  2. 【請求項2】 炭化用ロータリキルンの炉本体と賦活用
    ロータリキルンの炉本体とが分割され、炭化用ロータリ
    キルンの出口から炭化物を受け、賦活用ロータリキルン
    の入口に投入する炭化物投入手段と、前記炭化用ロータ
    リキルンの出口から炭化物を回収する炭化物回収手段と
    が設けられる請求項1に記載の多段式ロータリキルン。
  3. 【請求項3】 前記炭化用ロータリキルンで発生する生
    ガスを吸引し、この生ガスからタールを分離して回収す
    るタール回収手段が設けられる請求項1又は2に記載の
    多段式ロータリキルン。
  4. 【請求項4】 前記炭化用ロータリキルンで発生する生
    ガスを吸引し、この生ガスから木酢を分離して回収する
    木酢回収手段が設けられる請求項1ないし3のいずれか
    一項に記載の多段式ロータリキルン。
  5. 【請求項5】 前記炭化用ロータリキルンで発生する生
    ガスを吸引し、前乾燥用、炭化用及び賦活用の各ロータ
    リキルンのうちの少なくとも一つのロータリキルンの加
    熱手段に燃料として供給する生ガス再利用手段が設けら
    れる請求項1ないし4のいずれか一項に記載の多段式ロ
    ータリキルン。
  6. 【請求項6】 前記賦活用ロータリキルンの後段に後乾
    燥用ロータリキルンが設けられ、賦活用ロータリキルン
    から排出される活性炭を後乾燥用ロータリキルンで乾燥
    させる請求項1ないし5のいずれか一項に記載の多段式
    ロータリキルン。
  7. 【請求項7】 炭化用ロータリキルンとして使用される
    前記賦活用ロータリキルンの出口から炭化物を回収する
    炭化物回収手段が設けられる請求項6に記載の多段式ロ
    ータリキルン。
  8. 【請求項8】 炭化用ロータリキルンとして使用される
    前記賦活用ロータリキルンで生成する生ガスからタール
    を回収するタール回収手段が設けられる請求項6又は7
    に記載の多段式ロータリキルン。
  9. 【請求項9】 炭化用ロータリキルンとして使用される
    前記賦活用ロータリキルンで生成する生ガスから木酢を
    回収する木酢回収手段が設けられる請求項6ないし8の
    いずれか一項に記載の多段式ロータリキルン。
  10. 【請求項10】 炭化用ロータリキルンとして使用され
    る前記賦活用ロータリキルンで生成する生ガスを回収
    し、前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾燥用のうちの少
    なくとも一つのロータリキルンの加熱手段に燃料として
    供給する生ガス再利用手段が設けられる請求項6ないし
    9のいずれか一項に記載の多段式ロータリキルン。
  11. 【請求項11】 前乾燥用ロータリキルンの入口に処理
    物を投入する処理物投入手段が設けられ、この処理物投
    入手段が、処理物を貯留するホッパーと、ホッパーの下
    端から処理物を導出する排出管と、排出管の先端と交差
    し、前乾燥用ロータリキルンに向かう高温エアが流通す
    る高温エア通路と、この高温エア通路に高温エアを供給
    する高温エア供給手段とを備えている請求項1ないし1
    0のいずれか一項に記載の多段式ロータリキルン。
  12. 【請求項12】 前記前乾燥用ロータリキルンの炉本体
    の入口近傍部を外側から加熱する加熱手段が設けられる
    請求項1ないし10のいずれか1項に記載される多段式
    ロータリキルン
  13. 【請求項13】 前乾燥用、炭化用及び賦活用の各ロー
    タリキルンの炉本体が、入口と出口の方向を交互に逆に
    して、この順で上から下に並べられた請求項1ないし1
    1のいずれか一項に記載の多段式ロータリキルン。
  14. 【請求項14】 前乾燥用、炭化用、賦活用及び後乾燥
    用の各ロータリキルンの炉本体が、入口と出口の方向を
    交互に逆にして、この順で上から下に並べられた請求項
    2ないし10のいずれか一項に記載の多段式ロータリキ
    ルン。
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