JP2001030110A - 丸鋸及びそれを用いた非鉄金属材料の切断方法 - Google Patents

丸鋸及びそれを用いた非鉄金属材料の切断方法

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JP2001030110A
JP2001030110A JP11206979A JP20697999A JP2001030110A JP 2001030110 A JP2001030110 A JP 2001030110A JP 11206979 A JP11206979 A JP 11206979A JP 20697999 A JP20697999 A JP 20697999A JP 2001030110 A JP2001030110 A JP 2001030110A
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cutting
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circular saw
finishing
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Isao Hashimoto
橋本  勲
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HASHIMOTO TOKUSHU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速で切断できるとともにその切断端面の精度
の良好な丸鋸を提供する。 【解決手段】円板状台金2の外周縁に硬質チップからな
る鋸刃を固着した丸鋸である。この鋸刃は、高さの高い
複数の切断刃10と高さの低い複数の仕上刃20とが
1:1で交互に配置され、仕上刃20は、台金2平面に
直交して設けられるとともにロー付け角が付されたトッ
プ刃先21とトップ刃先21の両端に設けられるととも
に左右対称に横逃げ角及びラジアル角が付された鋭角な
エッジ刃23とを備えている。この仕上刃20のエッジ
刃23は、切断刃10のエッジ刃12よりも左右対称に
両側にはみ出して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、銅、アルミニウ
ム、などの非鉄金属材を切断する丸鋸に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、円板状台金の外周縁に硬質チップ
からなる鋸刃を固着した丸鋸が知られている。このよう
な丸鋸は、それぞれ切削性能や寿命を向上するために、
鋼板からなる鋸の台金(ボデー)の周面に超硬チップや
ダイヤモンドチップなどの鋸刃を固着した構成とされ、
そのチップとしてはダイヤモンド焼結体、CBN焼結
体、超硬合金、サーメット、セラミックなどの超硬質材
料が主として用いられている。
【0003】このような丸鋸を用いて切断端面の面粗度
の良好な切削物を得るには、肉厚の台座を備えた丸鋸で
あって刃幅の厚い丸鋸が使用される。このような肉厚の
丸鋸を高速回転させつつ、ゆっくりと被切削物(ワー
ク)を切断すれば、丸鋸がワークと接触した際の横振れ
が少なくなり、切断端面が良好となる。また、長尺のワ
ークを用いる場合には、ワークを適宜の長さに切断し、
フライス盤により切断端面を加工して寸法出しする方法
も採用されている。
【0004】特開平6−287408号公報によれば、
主として切削を受け持つ切削刃と、側方の切削面をさら
える仕上刃とを具備することにより、高速度で精度の高
い切削加工を行うことのできる丸鋸が開示されている。
【0005】また、特開平8−29325号公報によれ
ば、刃厚の異なる2種類の丸鋸を用いた往復行程による
切断装置が開示され、行きの切断は刃幅の薄い丸鋸によ
り高速切断を行い、帰りの切断では、行きの丸鋸よりや
や刃幅の厚い丸鋸により行きの切断で形成された不規則
なカットマーク(凹凸)を一様に平面研削する技術が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
銅、アルミニウムなどの非鉄金属材料であって、切断端
面の面粗度の良好な材料が自動車用途などに多用される
ようになった。
【0007】ワークをゆっくりと加工する方法やフライ
ス盤を用いる方法では、加工効率が悪く、納期を間に合
わせることが困難である。また、特開平8−29325
号公報に従う切削装置では特殊設備を必要とするという
課題がある。
【0008】一方、特開平6−287408号公報に開
示の技術は、従来の一般的な丸鋸装置を用いることがで
きるので、設備投資を必要としない良好な方法と考えら
れる。しかしながら、このような特開平6−28740
8号公報に開示の技術は、仕上刃が面取りされているた
めか、端面の面粗度の向上が目標精度に対して不十分で
あった。
【0009】そこで、この発明は、高速で切断できると
ともにその切断端面の精度の良好な丸鋸を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1に記載された発明は、円板状台金の外周縁
に硬質チップからなる鋸刃を固着した丸鋸であって、前
記鋸刃は、高さの高い複数の切断刃と高さの低い複数の
仕上刃とが1:1で交互に配置され、前記切断刃は、前
記台金平面に直交して設けられるとともにロー付け角及
びすくい角が付されたトップ刃先と、該トップ刃先の両
端に設けられるとともに左右対称に横逃げ角及びラジア
ル角が付されたエッジ刃とを備え、前記仕上刃は、前記
台金平面に直交して設けられるとともにロー付け角が付
されたトップ刃先と、該トップ刃先の両端に設けられる
とともに左右対称に横逃げ角及びラジアル角が付された
鋭角なエッジ刃とを備え、前記仕上刃のエッジ刃は、前
記トップ刃のエッジ刃よりも左右対称に両側にはみ出し
て形成されていることを特徴とする丸鋸である。
【0011】このように構成された丸鋸では、円板状台
金の外周縁に硬質チップからなる鋸刃を固着した丸鋸で
あって、鋸刃は、高さの高い複数の切断刃を備えている
ので、この高さの高い切断刃によりワークが切断され
る。
【0012】この切断刃は、円板状台金平面に直交して
設けられるとともにロー付け角及びすくい角が付された
トップ刃先と、該トップ刃先の両端に設けられるととも
に左右対称に横逃げ角及びラジアル角が付されたエッジ
刃とを備えているので、丸鋸の回転円周方向の左右の振
れが生じにくい。
【0013】この切断刃により切断された切断端面は、
切断刃と1:1で交互に設けられた仕上刃によりその端
面が仕上げられる。この仕上刃は、切断刃よりも高さが
低いので、切断刃による切断に後行して作用する。ま
た、この仕上刃は、前記円板状台金平面に直交して設け
られるとともにロー付け角が付されたトップ刃先と、該
トップ刃先の両端に設けられるとともに左右対称に横逃
げ角及びラジアル角が付されているので、回転円周方向
左右の振れが生じにくい。また、この仕上刃は、切断刃
のトップ刃のエッジ刃よりも僅かに左右対称に両側には
み出して形成された鋭角なエッジ刃を備えているので、
このエッジ刃に基づく切断刃により切断された切断両端
面の僅かな凹凸を平滑に仕上げることができる。また、
このときの仕上刃にかかる力は切断端面から左右対称に
かかるので、この仕上げエッジ刃先の円周方向左右の振
れが少ない。
【0014】これにより、高速で切断できるとともにそ
の切断端面の精度の良好な丸鋸を提供することができ
る。
【0015】また、仕上刃のラジアル角を切断刃のラジ
アル角よりも小さく設定することにより切断端面の面粗
度は同様に良好となる。たとえば、この切断刃のラジア
ル角を30分よりも大きく設定し、仕上刃のラジアル角
を30分よりも小さく設定するのが好ましい。
【0016】また、この切断刃及び仕上刃は、台金の周
縁に沿って交互に形成された浅い切欠と深い切欠とにそ
れぞれ固着され、切断刃のすくい面と浅い切欠とから浅
い円弧状の刃室が形成され、仕上刃のすくい面と浅い切
欠とから深い円弧状の刃室が形成されていることが好ま
しい。これにより、切断刃により切断された切粉は、浅
い刃室により効率よく排出され、仕上刃により切断され
た微細な切粉は深い刃室により効率的に排出され、切断
端面の面粗度が向上される。
【0017】また、切断刃の刃先が描く円周と前記仕上
刃の刃先が描く円周との高低差は、1mm〜4mmの範囲に
設定されていることが好ましく、この範囲では、切断効
率よく、また、切断端面の面粗度を向上させることがで
きる。
【0018】また、切断刃及び仕上刃の刃高を互いに等
しく設定すれば、切断刃と仕上刃との高低差を最適に保
持した状態で切断刃と仕上刃とを研磨して再利用して
も、切断刃の刃高と仕上刃の刃高との比は略一定に保持
されるので、切断端面の面粗度の低下を抑えることがで
きる。
【0019】このように形成された丸鋸を高速で回転さ
せつつ回転する丸鋸に非鉄金属材料から構成されるワー
クを進入させて、該ワークを先行する切断刃により切断
し、続いて、後行する仕上刃により切断端面を切断する
ことにより、非鉄金属材料を切断端面の面粗度を向上さ
せて切断させることができる。このとき、木材では、丸
鋸が高速で回転されるので、この丸鋸とワークの切断端
面との摩擦熱により切削くず(切粉)の融着が起こる場
合がある。
【0020】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態1について、図面を参照しつつ説明する。
【0021】図1は、この発明の実施の形態1の丸鋸1
を示すものである。この丸鋸1は、円板状鋼板からなる
台金2と、その周縁に沿って交互にろう付けなどにより
略同ピッチで固着された切断刃10と仕上刃20とから
大略構成され、超硬チップからなる台金2の円周中心部
には取り付け孔などの回転切断工具の回転軸に取り付け
るための取付部(不図示)が設けられている。
【0022】この切断刃10及び仕上刃20を構成する
超硬チップとしては、タングステンカーバイド、チタン
カーバイド、アルミナ系カーバイド、ダイヤモンドチッ
プなどの硬質チップが用いられるが、非鉄金属切断用に
はタングステンカーバイドなどの超硬合金が好んで用い
られる。
【0023】この切断刃10の形状は、図2に示すよう
に、台金2の台金の回転方向中心線O2に対して左右対
称であり、以下の条件を満足していれば、非鉄金属材料
の切断用の切断刃に用いられるものがそのまま用いられ
る。その形状は、図2,図3に示すように、前面10
a、背面10b、両側面10c、10c、底面10d及
び前面10aから背面10bに向かって傾斜したトップ
面10eとから構成される略角柱である。
【0024】この切断刃10は、適宜の刃幅(刃厚)S
10及び適宜の刃高(チップサイズ)L10を有する。
また、前面10aとトップ面10eとで形成される縁に
は平坦なトップ刃先11が形成され、このトップ刃先1
1は台金2の平面に直交して配置されている。このトッ
プ刃先11が描く円周C1の接線Q1とトップ面10e
との間には鋭角のロー付け角(正面逃げ角)β10が設
けられ、トップ刃先11の前面10aはすくい面とな
り、適宜のすくい角α10が付されている。
【0025】また、トップ刃先11の両側には鋭角なエ
ッジ12、12が形成され、前面10aと側面10cと
で形成される縁には平坦なエッジ刃先13が形成されて
いる。このエッジ刃先13には台金2の平面方向に平行
な平面P2との間の角度で定義される適宜の傾斜の横逃
げ角γ10及びラジアル角αr10が付されている。
【0026】一方、仕上刃20の形状は、台金2の台金
の回転方向中心線O2に対して左右対称であり、次の条
件を満たすものであれば、非鉄金属材料の切断用の切断
刃に用いられるものがそのまま用いられる。その形状
は、図2,図4に示すように、前面20a、背面20
b、両側面20c、20c、底面20d及び前面20a
から背面20bに向かって傾斜したトップ面20eとか
ら構成される略角柱である。
【0027】この仕上刃20は、適宜の刃幅(刃厚)S
20及び適宜の刃高(チップサイズ)L20を有する。
また、前面20aとトップ面20eとで形成される縁に
は平坦なトップ刃先21が形成され、このトップ刃先2
1は台金2の平面に直交して配置されている。
【0028】この仕上刃20の刃幅S20は刃幅S10
に比べて僅かに大きく、幅差ΔSだけ左右対称に両側面
に突出され、この突出部にエッジ22が形成されてい
る。この幅差ΔSは、切削端面の精度に強く影響し、通
常1mmよりも狭い間隔で設けられており、好ましくは、
0.01〜0.5mmの範囲内の大きさで、両側に向かっ
て対称に設けられている。
【0029】トップ刃先21が描く円周C2の接線Q2
とトップ面20eとの間には鋭角のロー付け角(正面逃
げ角)β20が設けられている。また、トップ刃先21
の前面20aはすくい面となり、適宜のすくい角α20
が付されているが、この仕上刃20のすくい角α20は
0゜でもよい。
【0030】また、前面20aと側面20cとで形成さ
れる縁には平坦なエッジ刃先23が形成されている。こ
のエッジ刃先23には台金の平面方向に平行な平面P2
との間の角度で定義される適宜の傾斜の横逃げ角γ20
及びラジアル角αr20が付されている。このラジアル
角αr20は、切断刃10のラジアル角αr10よりも
小さく設定することにより切断端面の面粗度は同様に良
好となる。たとえば、この切断刃10のラジアル角αr
10を30分よりも大きく設定し、仕上刃20のラジア
ル角αr20を30分よりも小さく設定することにより
高低差Δh1(後述)が小さい場合にも切断端面の面粗
度を良好にすることができる。
【0031】切断刃10は、図1に示すように、すくい
面10aとともに浅い切欠からなる刃室3を備え、その
刃室3の刃底3a付近はゆるく湾曲している。また、仕
上刃20は、すくい面20aとともに深い切欠からなる
刃室4を備え、その刃室4の刃底付近4aはゆるく湾曲
している。これにより、切断刃10と仕上刃20とは、
一対となり一つの刃として作用される。
【0032】また、この切断刃10及び仕上刃20の刃
数Z10、Z20は限定されないが、一般には、10対
以上の複数個が、円周に対して略等間隔に設けられてい
るのが高速回転して切削、切断する際のバランスが良好
であるのでよい。
【0033】このような丸鋸1が回転された場合、切断
刃10のトップ刃先11が描く円周C11と仕上刃20
のトップ刃先21が描く円周C21とは高低差Δh1を
有する。この高低差Δh1は、ある程度大きいほど被切
削物としてのワークの切削端面の面粗度は良好となる。
通常、この高低差Δh1は0.5mm以上であり、1mm以
上が好ましく、特には2mm〜4mmの範囲内であることが
一層好ましい。この高低差Δh1を所定の範囲に設定す
ることにより、切断面の面粗度は向上される。
【0034】以上のように構成された丸鋸は一般的な切
削機械に取り付けられて使用される。たとえば、取り付
け孔に切削機械の回転軸が挿通されて、切削機械に毎分
2,000〜5,000mの高速度で回転可能に取り付
けられる。
【0035】この丸鋸1を高速で回転させつつ、図5に
示すように、回転する丸鋸1に非鉄金属材料から構成さ
れるワークWを進入させると、ワークWは高さの高い切
断刃10によりまず切断され、切断部W1を形成する。
なお、ワークWの進入は、丸鋸の位置を固定してワーク
を移動させても、ワークの位置を固定して丸鋸を移動さ
せても、双方を移動させてもよい。
【0036】この切断刃10は、それぞれのトップ刃先
11…が台金平面に直交してそれぞれ平行に、回転平面
に対して左右対称に設けられているので、丸鋸の回転円
周方向の左右の振れが生じにくいが、その切断部W1の
端面の面粗度はまだ粗い。
【0037】ついで、図6に示すように、ワークWを更
に進入させると、ワークWの切断部W1は、高さの低い
僅かに幅(左右方向)が均等に突出された仕上刃20の
エッジ刃先23に接触して、このエッジ刃先23により
切断され、切断部W2を形成する。この仕上刃20は、
エッジ刃先23がトップ刃の側面よりも僅かに左右対称
に両側にはみ出して形成されていること、また、このエ
ッジ刃先23は、左右対称に横逃げ角γ20及びラジア
ル角αr20が付されていることにより、回転円周方向
左右の振れが生じにくい。
【0038】切断刃10、仕上刃20により切断された
切断片または切粉は、これらの刃室3、4において円弧
状に前に巻き込まれるとともに丸鋸1の遠心力により良
好に排出される。これにより、切断部W1に形成された
僅かな凹凸を精確に切断して得られた切断部W2の切断
端面の面粗度を向上させることができる。
【0039】このとき、仕上刃20の側面20cとワー
クWの切断面W2とは、高速で接触されるので、摩擦熱
が発生するが、ワークWとして、非鉄金属を用いれば、
サーマルクラックが発生することがない。
【0040】以下、実施例により本発明の効果を具体的
に説明する。 (実施例1)この実施例1の丸鋸1は、台金2として
は、HRC硬さが約38〜45となるように焼入処理さ
れ、適宜の腰入れ処理された肉厚3mmの円板状鋼板が用
いられる。
【0041】この台金の周縁に沿って交互に形成された
浅い切欠3と深い切欠4とが形成され、その切欠3,4
には、それぞれろう付けによりタングステンカーバイド
などの超硬合金からなる切断刃、仕上刃が交互に固着さ
れている。この切断刃10の刃数Z10及び仕上刃20
の刃数Z20は、ともに40(合計刃数Zは80)であ
る。
【0042】この切断刃10は、図2、図3に示すよう
に、刃幅S10が3.6mm、高さ(チップサイズ)L1
0が6.5mmの略角柱であり、台金2の平面に直交して
配置されたトップ刃先11とその両側に形成されたエッ
ジ刃12とから構成されている。また、このロー付け角
(正面逃げ角)β10は15゜であり、トップ刃先11
のすくい面14には13゜のすくい角α10が付されて
いる。また、エッジ刃12には12/100の傾斜の横
逃げ角γ10及び45分のラジアル角αr10が付され
ている。
【0043】一方、仕上刃20は、図2,図4に示すよ
うに、刃幅S20が3.8mm、高さ(チップサイズ)L
20が6.5mmの略角柱であり、台金2の平面に直交し
て配置されたトップ刃先21とその両側に形成されたエ
ッジ刃先23とを備えている。このエッジ刃先23は、
図2に示すように、左右対称にΔSが0.1mmづつ、左
右に均等に僅かに突出されている。また、この仕上刃2
0のロー付け角(正面逃げ角)β20は15゜であり、
トップ刃先21のすくい面24には13゜のすくい角α
20が付されている。また、エッジ刃先23には30/
100の傾斜の横逃げ角γ20及び15分のラジアル角
αr20が付されている。
【0044】また、この切断刃10のトップ刃先11が
描く円周C1の外周径は、405mmであり、仕上刃20
のトップ刃先21が描く円周C2の外周径は、397mm
であり、高低差Δh1は2mmである。また、この切断刃
10の刃底3aが描く円周C4の外周径は、389mmで
あり、仕上刃20の刃底4aが描く円周C6の外周径
は、381mmである。
【0045】この丸鋸1は切削機械に回転可能に取り付
け、ワークとして厚み12.5mmのアルミニウム合金シ
ートを用い、丸鋸を高速で回転させ、切断刃10の線速
度を毎分4,000mに調整し、ワークの送り速度を3
00mm/分に設定して切断を行った。切断端面の面粗度
をJIS−’94に準じて数カ所測定したところ、最大
値3.5s、最小値3.5s、平均値3.5sと安定し
ていた。
【0046】また、仕上刃20のすくい角α10を、た
とえば0゜に設定して同様に仕上刃を固着した場合に
も、切断端面の面粗度は影響を受けず、仕上刃のすくい
角は広く設定できることが確認されている。また、切断
刃と仕上刃とは1:1の交互に配列することが最も良好
な面粗度を与えることも確認されている。 (比較例1)実施例1の仕上刃として、ラジアル角が切
断刃と同じ45分のものを用いた以外は、実施例1と同
様にしてワークの切断を行い、その切断端面の面粗度を
数カ所測定したところ、最大値9.7s、最小値8.7
s、平均値9.3sと切断端面の面精度は不充分であっ
た。
【0047】実施例1と比較例1との対比により、仕上
刃のラジアル角が切断刃のラジアル角よりも小さいこと
が面粗度を上げる上で重要であることが確認される。 (実施例2)実施例1の仕上刃として、切断刃との高低
差Δh1を4mmとして以外は実施例1と同様にしてワー
クの切断を行い、その切断端面の面粗度を数カ所測定し
たところ、最大値2.4s、最小値1.5s、平均値
1.9sと切断端面の面精度は良好であった。
【0048】実施例1と実施例2とから、仕上刃と切断
刃との高低差が1〜4mmの範囲内では面粗度が向上され
ることが確認される。 (比較例2)仕上刃を用いずに、丸鋸の全周にわたって
実施例1と同じ切断刃を80個設けた丸鋸を用いる以外
は、実施例1と同様にしてワークを切断した。その切断
端面の面粗度は、最大値7.5s、最小値5.7s、平
均値6.7sであった。 (比較例3)実施例1の仕上刃20に換えて、図7に示
す仕上刃220を用いた、この仕上刃220は、トップ
刃先221の両端222に0.2mmのアールRによって
面取りされている以外は、大略仕上刃20と同一であ
る。
【0049】この丸鋸を用いて実施例1と同様にしてワ
ークを切断したところ、面取りの影響により、切断端面
の面粗度は目視で凹凸を認めることができた。
【0050】これにより、仕上刃として面取りしたもの
を本発明の丸鋸に適用することは不適切であることが理
解される。
【0051】
【発明の実施の形態2】以下、本発明の具体的な実施の
形態2について、図面を参照しつつ説明する。なお、実
施の形態1と同一または均等な部位、部材は同一符号を
付して詳細な説明を省略する。
【0052】この実施の形態2は、丸鋸を研磨して再利
用した場合の切断端面に与える面粗度が、常に研磨以前
の丸鋸と等しい精度を与える丸鋸を説明するものであ
る。
【0053】この実施の形態2の丸鋸は、図1〜図4に
示すように、切断刃10の底面10dが描く円周C10
dと仕上刃20の底面20dが描く円周C20dとの高
低差Δh2が、トップ刃先間の高低差Δh1と略等しく
設定されている。このような丸鋸は刃高Lが等しい切断
刃と仕上刃とが固着可能な台金2を用いることにより得
られる。
【0054】たとえば、高低差Δh1、Δh2を2〜4
mmの範囲で等しく設定し、刃高Lが6.5mm程度で等し
い切断刃10及び仕上刃20を用いる。丸鋸を研磨して
再利用する場合には、その研磨量は、トップ面の研磨量
を1とするとすくい面の研磨量は0.2程度であり、ト
ップ面の与える影響が大きい。そこで、トップ面を2〜
4mm(たとえば、3mm)程度研磨して使用した場合、そ
の切断刃10の刃高L10は3.5mm(研磨率は46%
と)となり、仕上刃20の刃高L20も3.5mm(研磨
率は約46%)となるが、それぞれの刃高比は1:1と
変化しない。
【0055】これにより、このように高低差Δh1とΔ
h2とを等しく設定して(切断刃及び仕上刃の刃高を等
しく設定して)本発明に係る丸鋸を用いる場合には、研
磨して再利用しても、刃高比が変化しない。これによ
り、切断端面の面粗度に影響するエッジ刃の影響が少な
く、得られる切断面の面粗度の低下を少なくすることが
できる。
【0056】これに対して、図8に示すように、従来の
等ピッチで等しい深さに切欠のある台金102を使用
し、刃高の異なる2種類の超硬チップをろう付けするこ
とにより、高刃110及び低刃120を設け、その高低
差Δh1を2mmに設定した丸鋸101を得ることができ
る。この場合には、切断刃110として刃高6.5mmの
ものを使用して、高低差Δh1が2mmになるように刃高
の低い仕上刃120を用いるとその刃高比は、略1:
0.7となる。
【0057】ここで、トップ面の研磨量を3mmとした場
合、切断刃110の刃高は3.5mm(研磨率は略46
%)となるが、仕上刃20の刃高は1.5mm(研磨率は
略67%)となり、それぞれの刃高比は略1:0.4と
拡大する。このように高低差Δh2を0にした場合に
は、研磨量によりより切断刃110と仕上刃120との
バランスが拡大し、このような丸鋸101を使用する
と、初期の面粗度の向上が不充分であるのみならず、研
磨する度に得られる切断面の面粗度は低下する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従えば、
高速で切断できるとともにその切断端面の精度の良好な
丸鋸を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る丸鋸1の刃の形状を説明する
部分拡大図である。
【図2】図1の丸鋸の刃の配列状態を説明する図であ
る。
【図3】図2の丸鋸の切断刃10の形状を説明する図で
あり、図3(a)は正面から見た模式図、図3(b)は
側面から見た模式図である。
【図4】図2の丸鋸の仕上刃20の形状を説明する図で
あり、図4(a)は正面から見た模式図、図4(b)は
側面から見た模式図である。
【図5】本発明に係る丸鋸の切断状態を説明する説明図
である。
【図6】本発明に係る丸鋸の切断状態を説明する説明図
であり、図6(a)は、部分拡大模式図、図6(b)
は、図6(a)の仕上刃20による切断状態を示す図で
ある。
【図7】対照例としての仕上刃の形状を説明する図であ
る。
【図8】対照例としての丸鋸の刃の形状を説明する部分
拡大図である。
【符号の説明】
1丸鋸 2台金 10 切断刃 11 トップ刃先 20 仕上刃 21 トップ刃先 22 エッジ 23 エッジ刃先

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状台金の外周縁に硬質チップからな
    る鋸刃を固着した丸鋸であって、 前記鋸刃は、高さの高い複数の切断刃と高さの低い複数
    の仕上刃とが1:1で交互に配置され、 前記切断刃は、前記台金平面に直交して設けられるとと
    もにロー付け角及びすくい角が付されたトップ刃先と、
    該トップ刃先の両端に設けられるとともに左右対称の横
    逃げ角及びラジアル角が付されたエッジ刃とを備え、 前記仕上刃は、前記台金平面に直交して設けられるとと
    もにロー付け角が付されたトップ刃先と、該トップ刃先
    の両端に設けられるとともに左右対称の横逃げ角及びラ
    ジアル角が付された鋭角なエッジ刃とを備え、 前記仕上刃のエッジ刃は、前記トップ刃先のエッジ刃よ
    りも両側に左右対称にはみ出して形成されていることを
    特徴とする丸鋸。
  2. 【請求項2】 前記仕上刃のラジアル角は前記切断刃の
    ラジアル角よりも小さいことを特徴とする請求項1に記
    載の丸鋸。
  3. 【請求項3】 前記切断刃及び仕上刃は、前記台金の周
    縁に沿って交互に形成された浅い切欠と深い切欠とにそ
    れぞれ固着され、前記切断刃のすくい面と浅い切欠とか
    ら浅い円弧状の刃室が形成され、前記仕上刃のすくい面
    と前記浅い切欠とから深い円弧状の刃室が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の丸鋸。
  4. 【請求項4】 前記切断刃の刃先が描く円周と前記仕上
    刃の刃先が描く円周との高低差は、1mm〜4mmの範囲に
    設定されていることを特徴とする請求項1に記載の丸
    鋸。
  5. 【請求項5】 前記切断刃及び仕上刃の刃高は互いに等
    しく設定されていることを特徴とする請求項4に記載の
    丸鋸。
  6. 【請求項6】 非鉄金属材料からなるワークを丸鋸で切
    断するに際して、 前記丸鋸として請求項1に記載の丸鋸を用い、該丸鋸を
    高速で回転させつつ該回転する丸鋸に前記ワークを進入
    させて、該ワークを先行する切断刃により切断し、続い
    て、後行する仕上刃により切断端面を切断することを特
    徴とする非鉄金属材料の切断方法。
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