JP2001030085A - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

抵抗スポット溶接方法

Info

Publication number
JP2001030085A
JP2001030085A JP2000222995A JP2000222995A JP2001030085A JP 2001030085 A JP2001030085 A JP 2001030085A JP 2000222995 A JP2000222995 A JP 2000222995A JP 2000222995 A JP2000222995 A JP 2000222995A JP 2001030085 A JP2001030085 A JP 2001030085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
round bar
resistance spot
spot welding
welding method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000222995A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuji Yashiro
勝治 八代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RINEI KK
Original Assignee
RINEI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RINEI KK filed Critical RINEI KK
Priority to JP2000222995A priority Critical patent/JP2001030085A/ja
Publication of JP2001030085A publication Critical patent/JP2001030085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Welding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金製の板材と丸棒材を接合す
ることができる抵抗スポット溶接方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金製の板材15の表面に
突起16を形成し、同突起16の頂点において同じくア
ルミニウム合金製の丸棒材Mを接触保持する。即ち、板
材15と丸棒材Mとは突起16を介して互いに局部接触
させる。この状態で、板材15と丸棒材Mとを対向する
電極17a, 17bで挟み、両電極17a, 17bにて
加圧しながら通電する。すると、溶接電流は突起16の
頂点に集中して流れ、同突起16における電流密度が著
しく向上する。この結果、突起16は容易に溶融してつ
ぶれ、同溶融部が凝固することにより板材15と丸棒材
Mとが接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに当接させた
両アルミニウム合金材を対向する電極で挟んだ状態で通
電し、この溶接電流によるジュール熱を利用して両アル
ミニウム合金材を接合する抵抗スポット溶接方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、抵抗スポット溶接は、薄板等の
両アルミニウム合金材を突起を介して接触させ、両合金
部材を対向する電極で挟んだ状態で加圧し、大電流の短
時間通電によるジュール熱を利用して接合する。即ち、
両アルミニウム合金材の接触部位が通電によるジュール
熱により溶融した後、凝固することにより両アルミニウ
ム合金材が接合される。
【0003】従来特開昭64−18583号公報に示す
アルミニウム板等の抵抗スポット溶接方法が提案されて
いる。この溶接方法は、二枚のアルミニウム板のうち一
方のアルミニウム板の溶接部位に予め接合面側が突出し
反対面が凹む突起を形成し、このアルミニウム板を他方
のアルミニウム板に重ねる。前記突起を囲む環状の端面
形状をもつ上下の中空電極で突起部位の周囲を挟んで加
圧しながら通電し、電流を一方向の電極から突起に向け
て集中した後、他方の電極に向けて分散させるようにな
っている。
【0004】上記の溶接方法によれば、アルミニウム板
と電極が当接する部分の電流密度を小さくし、突起部分
の電流密度を大きくしたので、電極にナゲットは付着せ
ず、小電流で溶接ができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の抵抗
スポット溶接方法は、小電流で溶接できるとしている
が、アルミニウム合金の種類と溶接条件との関係が具体
的に言及されておらず、小電流とはどの程度の電流値な
のか不明でアルミニウム合金の種類に応じて適正な溶接
を行うことができないという問題があった。
【0006】前記アルミニウム合金材の接触部位はジュ
ール熱により溶融軟化するものであることから、効率よ
く溶融させるために電気抵抗が高く、熱伝導率が小さい
アルミニウム合金を用いることが望ましい。このため合
金材料の組成を改良した発明も提案されている。しか
し、熱伝導率及び電気伝導率が軟鋼等の他金属に比べて
非常に高い材料、例えばJIS規格の5000番系(A
l−Mg系)のアルミニウム合金、6000番系(Al
−Mg−Si系)のアルミニウム合金製の部材は、抵抗
スポット溶接しても、両アルミニウム合金材の接触部、
即ち溶接箇所の十分な発熱が得られない。このため、溶
接箇所の熱集中不足による溶接不良が生じ易く、従来か
ら5000番系及び6000番系のアルミニウム合金の
抵抗スポット溶接は困難であった。
【0007】従って、アルミニウム合金製部材を溶接す
る場合には、アルミニウム合金製部材の接触面に発生す
るジュール熱を利用しないアルゴンアークスポット溶接
が従来から多く利用されている。ところが、このアルゴ
ンアークスポット溶接は、抵抗スポット溶接に比べて、
作業時間がかかると共に、溶接1点当たりのコストが高
くなる。このため、特に溶接箇所の多い製品については
製品単価が増大する傾向がある。
【0008】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的はアルミニウム合金製丸棒
材と板材を適正に接合することができる抵抗スポット溶
接方法を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的はアルミニウム合金製丸
棒材同士を適正に接合することができる抵抗スポット溶
接方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、JIS規格で5000
番系(Al−Mg系)又は6000番系(Al−Mg−
Si系)のアルミニウム合金製の丸棒材と板材を互いに
局部接触させ、前記丸棒材と板材を対向する電極で挟
み、両電極にて加圧しながら通電し、溶接電流を丸棒材
と板材の局部接触面に集中させ、この溶接電流によるジ
ュール熱を利用して、前記丸棒材と板材を接合する抵抗
スポット溶接方法に際し、溶接条件を、前記丸棒材の直
径3mmφ〜8mmφの場合に、以下のように設定した
ことを要旨とする。
【0011】 請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記直径
3mmφ〜8mmφの各丸棒材と板材は加圧力200〜
300Kgfで、8〜10サイクルの初期加圧をそれぞ
れ行うようにしたことを要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2におい
て、通電停止後に初期加圧力200〜300Kgfと同
じ加圧力で、4〜5サイクルの加圧保持時間を設けたこ
とを要旨とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、JIS規格で5
000番系(Al−Mg系)又は6000番系(Al−
Mg−Si系)のアルミニウム合金製の丸棒材と丸棒材
を互いに局部接触させ、前記両丸棒材を対向する電極で
挟み、両電極にて加圧しながら通電し、溶接電流を両丸
棒材の局部接触面に集中させ、この溶接電流によるジュ
ール熱を利用して、前記両丸棒材を接合する抵抗スポッ
ト溶接方法に際し、溶接条件を、前記丸棒材の直径3m
mφ〜8mmφの場合に、以下のように設定したことを
要旨とする。
【0014】 請求項5に記載の発明は、請求項4において、両丸棒材
は加圧力200〜300Kgfで8〜10サイクルの初
期加圧を行うようにしたことを要旨とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5におい
て、通電停止後に初期加圧力200〜300Kgfと同
じ加圧力で、4〜5サイクルの加圧保持時間を設けたこ
とを要旨とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、JIS規格で5
000番系(Al−Mg系)又は6000番系(Al−
Mg−Si系)のアルミニウム合金製の板材同士を互い
に局部接触させ、前記両板材を対向する電極で挟み、両
電極にて加圧しながら通電し、溶接電流を両板材の局部
接触面に集中させ、この溶接電流によるジュール熱を利
用して、前記両板材を接合する抵抗スポット溶接方法に
際し、溶接条件を以下のようにしたことを要旨とする。
【0017】 請求項8に記載の発明は、請求項7において、両板材は
加圧力200〜300Kgfで8〜10サイクルの初期
加圧を行うようにしたことを要旨とする。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項8におい
て、通電停止後に初期加圧力200〜300Kgfと同
じ加圧力で、4〜5サイクルの加圧保持時間を設けたこ
とを要旨とする。
【0019】請求項10に記載の発明は、請求項1又は
7において、突起を有する板材は押し出し成形時に同時
成形され、突起は板材の表面に連続的に設けられたもの
であることを要旨とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自転車用のフロン
トバスケットに具体化した一実施形態を図1〜図4に従
って説明する。
【0021】図1に示すように、フロントバスケット1
1は第1外枠部材12、第2外枠部材13、複数の中枠
部材14、及び複数の板材15を備えており、各部材1
2〜15はそれぞれJIS規格の5000番系合金とし
て知られるAl−Mg系のアルミニウム非熱処理合金
(A5052P,A5056P,A5082P,A51
82P合金等)により形成されている。又、JIS規格
の6000番系合金として知られるAl−Mg−Si系
のアルミニウム熱処理合金(A6009P,A6010
P,A6063P)により形成してもよい。
【0022】第1外枠部材12及び第2外枠部材13
は、それぞれ丸棒材Mからなる四角環状の枠体が平面視
コ字状及び側面視L字状に折り曲げられることにより形
成されている。第1外枠部材12及び第2外枠部材13
の各丸棒材Mの断面形状はそれぞれ直径5mmの円形と
されている。中枠部材14は丸棒材MによりU字状、L
字状及び直線状に適宜形成されており、その丸棒材Mの
断面形状は直径4mmの円形とされている。
【0023】帯状の板材15は幅25mm、肉厚2mm
の板材により平面視U字状に形成されており、そのU字
状における内側の面(以下、「U字内面」という。)に
は複数の半円筒状の突起16が同U字内面に沿って所定
間隔毎に設けられている。各突起16は押出型(図示
略)を使用する押出加工により板材15のU字内面側に
突出高さが1.5〜2.0mmとなるように形成されて
いる。板材15の前記U字内面とは反対側の面、即ちU
字外面には前記押出型による複数の凹部16aが形成さ
れている。
【0024】第1外枠部材12、第2外枠部材13、複
数の中枠部材14、及び複数の板材15は、それぞれ格
子状、且つ上部が開口した箱体状をなすように適宜組み
合わせられ、各交点で抵抗スポット溶接により接合され
ている。つまり、板材15と各部材12〜14とはそれ
ぞれ前記突起16を介して接合されている。
【0025】第1外枠部材12、第2外枠部材13、複
数の中枠部材14、及び複数の板材15はそれぞれアル
ミニウム合金材を構成する。抵抗スポット溶接はアーク
溶接等に比べて大電流と強圧力を得るために抵抗スポッ
ト溶接機(図示略)が使用される。
【0026】次に、前記フロントバスケット11におけ
る抵抗スポット溶接の方法及び作用を次の2つの場合に
分けて説明する。1つ目は板材15と第1外枠部材1
2、第2外枠部材13、中枠部材14とをそれぞれ接合
する場合である。2つ目は第1外枠部材12と中枠部材
14、第2外枠部材13と中枠部材14、中枠部材14
同士を接合する場合である。
【0027】まず、板材15と前記各枠部材12,1
3,14の丸棒材Mとを接合する場合について説明す
る。表1は各種の溶接条件を示す。図4は溶接方法のグ
ラフである。
【0028】
【表1】 前記直径3mmφ〜8mmφの各丸棒材と板材は加圧力
200〜300Kgfで、8〜10サイクルの初期加圧
をそれぞれ行うようにしている。又、通電停止後にも初
期加圧力200〜300Kgfと同じ加圧力で、4〜5
サイクルの加圧保持時間を設けている。
【0029】(1−1) この場合、予め板材15のU
字内面には前記複数の突起16を形成しておく。各突起
16は押出型(図示略)を使用する押出加工により板材
15のU字内面側に突出高さが1.5〜2.0mmとな
るように形成され、この各突起16が板材15における
溶接箇所となる。 (1−2) 次に、図2(a), (b)に示すように、
板材15の突起16の頂点と丸棒材Mとを交差させた状
態に保持する。突起16は半円筒状であるため、同突起
16の頂点と丸棒材Mの外周面とは互いに局部接触す
る。なお、本実施形態における「局部接触」とは、2つ
の部材が例えば点接触したり線接触したりする微少な接
触面にて接触することをいう。
【0030】(1−3) この状態で、板材15と丸棒
材Mとを外方、即ち図2(a), (b)における上下両
方向から互いに対向する一対の銅合金製の電極17a,
17bにより挟持する。又、両電極17a, 17bによ
り、突起16と丸棒材Mとを互いに近接する方向に加圧
する。この通電前の初期加圧により、板材15と突起1
6との接触抵抗の分布が均一化し、良好な溶接が可能と
なる。この初期加圧時間は板材15と突起16とが確実
に圧接されるのに十分な時間に設定され、本実施形態に
おいては、表1に示すように、丸棒材Mの直径が3mm
〜8mmのいずれの場合も9±1サイクル(cycle )
に設定されている。
【0031】(1−4) 初期加圧時間経過後、加圧状
態を保持しながら両電極17a, 17b間にコンデンサ
に充電された所定の電圧を印加する。すると、突起16
の頂点と丸棒材Mの外周面とが局部接触していることに
より、同突起16の頂点には所定の溶接電流が集中して
流れると共に、電流密度が著しく高くなる。このため、
突起16の頂点はジュール熱によりたちまち溶融軟化す
る。溶接電流は丸棒材Mにおける突起16との接触部位
よりも突起16の頂点に集中することにより、突起16
の溶融量は丸棒材Mにおける突起16との接触部位の溶
融量よりも多くなる。
【0032】そして、図3(a), (b)に示すよう
に、突起16と丸棒材Mとが両電極17a, 17bによ
って互いに近接する方向に加圧されていることにより、
丸棒材Mは溶融軟化した突起16に対して相対的に埋没
する。即ち、板材15と丸棒材Mとの接触面積が拡大し
て溶接電流が四方に分流することにより、板材15と丸
棒材Mとの接触部位の過熱が防止される。又、板材15
と丸棒材Mとの接触面積が拡大することにより十分な溶
接強度が確保可能となる。
【0033】表1に示すように、本実施形態において、
溶接電流の大きさは丸棒材Mの直径が4mmの場合1
0.1kA、5mmの場合10.8kAに設定されてい
る。各場合における溶接電流はそれぞれ±0.1kAの
範囲において変更可能とされている。溶接電流が許容範
囲を越える場合、溶融部が過剰に大きくなり、溶けたア
ルミ合金が板材15の表面に飛び出すおそれがある。
又、溶接電流が許容範囲未満の場合、接触部位が十分に
発熱せず、溶接不良となるおそれがある。これらは、板
材15と丸棒材Mとの接触部位における発熱量が、電流
の2乗に比例することに起因する。なお、前記電極17
a, 17bは内部に冷却水が循環され、この冷却水によ
り通電時の電極17a, 17bが冷却される水冷式とな
っている。 (1−5) 所定の通電時間経過後、両電極17a, 1
7b間の電圧印加を停止して溶接電流を遮断する。表1
に示すように、本実施形態において、溶接電流の通電時
間は丸棒材Mの直径が4mmの場合8〜9cycle 、5m
mの場合12〜13cycle に設定されている。
【0034】(1−6) そして、溶接電流遮断後、所
定の加圧保持時間が経過するまで板材15及び丸棒材M
への加圧状態を保持する。板材15及び丸棒材Mの溶融
部は、通電時間が1秒に満たない短時間であること、及
び水冷式の電極17a, 17bの冷却作用により、加圧
保持時間内に板材15の表面に拡大することなく凝固す
る。そして、所定の加圧保持時間が経過した後、板材1
5及び丸棒材Mへの加圧を解除する。すると、板材15
と丸棒材Mは十分な溶接強度にて溶接される。表1に示
すように、本実施形態において、溶接電流遮断後の加圧
保持時間は、丸棒材Mの直径が3mm〜8mmのいずれ
の場合も4〜5cycle に設定されている。
【0035】以上で、板材15及び各枠部材12,1
3,14の丸棒材Mにおける1つの溶接箇所の接合が完
了となる。次に、前記枠部材12,13,14の丸棒材
M同士を接合する場合について説明する。表2は各種の
溶接条件を示す。
【0036】
【表2】 前記直径3mmφ〜8mmφの丸棒材と丸棒材は加圧力
200〜300Kgfで、8〜10サイクルの初期加圧
をそれぞれ行うようにしている。又、通電停止後にも初
期加圧力200〜300Kgfと同じ加圧力で、4〜5
サイクルの加圧保持時間を設けている。
【0037】(2−1) まず、図5(a), (b)に
示すように、両丸棒材Mを交差させた状態に保持する。
両丸棒材Mは、その形状から互いの外周面にて局部接触
する。即ち、丸棒材M同士を接合する場合には、突起1
6を形成する必要がない。
【0038】(2−2) この状態で、丸棒材M同士を
それぞれの外側から両電極17a,17bにより挟持す
ると共に、両丸棒材Mを互いに近接する方向に加圧す
る。表2に示すように、本実施形態において、通電前の
初期加圧時間は両丸棒材Mの直径が4mm同士、及び4
mmと5mmとのいずれの場合も9±1サイクル(cycl
e ) に設定されている。
【0039】(2−3) 初期加圧時間が経過した後、
加圧状態を保持しながら両電極17a, 17b間に所定
の電圧を印加すると、両丸棒材Mの接触部分には溶接電
流がほぼ均等に集中して流れる。このため、両丸棒材M
の接触部分には十分なジュール熱が発生する。そして、
両丸棒材Mの接触部分の温度がアルミ合金の融点に達す
ると、同接触部分が溶融し始め、溶融部が形成される。
【0040】両丸棒材Mの接触部位における溶融量は、
両丸棒材Mの接触部位に均等に溶接電流が流れることに
よりほぼ同等となる。又、両丸棒材Mの接触部位におけ
る溶融量は、前記突起16における溶融量よりも少い。
このため、両丸棒材Mが両電極17a, 17bによって
互いに近接する方向に加圧されても、前記板材15と各
枠部材12,13,14の丸棒材Mとを接合する場合ほ
ど、両丸棒材Mが互いの溶融部位に入り込むことはな
い。従って、本実施形態においては、両丸棒材Mが互い
の溶融部位のいずれか一方に片寄って入り込むことはな
い。
【0041】表2に示すように、本実施形態において、
溶接電流の大きさは丸棒材Mの直径が4mm同士の場
合、8.0kA、4mmと5mmとの場合9.3kAに
設定されている。両溶接電流はそれぞれ±0.1kAの
範囲において変更可能とされており、溶接電流がこの許
容範囲を外れた場合の作用は、前述の板材15と丸棒材
Mとを接合する場合の作用と同様である。
【0042】(2−4) 所定の通電時間経過後、溶接
電流を遮断する。この後、所定の加圧保持時間が経過す
るまで両丸棒材Mへの加圧状態を保持する。両丸棒材M
の接触部分付近の溶融部は、前記(1−6)に記載の理
由により、加圧保持時間内に丸棒材Mの表面に拡大する
ことなく凝固する。そして、加圧保持時間が経過した
後、両丸棒材Mへの加圧を解除する。
【0043】表2に示すように、本実施形態において、
溶接電流の通電時間は丸棒材Mの直径が4mm同士の場
合、7cycle に、4mmと5mmの場合、10cycle に
設定されている。又、溶接電流遮断後の加圧保持時間
は、丸棒材Mの直径が4mm同士、及び4mmと5mm
とのいずれの場合も4〜5cycle に設定されている。
【0044】以上で、各枠部材12,13,14の丸棒
材M同士における1つの溶接箇所の接合が完了となる。
以後、(1−1)〜(1−6)及び(2−1)〜(2−
4)の作業をフロントバスケット11における各部材1
2〜16の交点毎、即ち各溶接箇所毎に1ヶ所ずつ繰り
返す。
【0045】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (1) 板材15と丸棒材M、及び丸棒材M同士を局部
接触させた状態で通電することにより、溶接電流が板材
15と丸棒材M及び丸棒材M同士の接触部位に集中して
流れるようにした。このため、溶接電流が分流すること
なく、各接触部位における電流密度が向上し、比較的熱
伝導率及び電気伝導率が大きなアルミ合金製の板材15
と丸棒材M及び丸棒材M同士においても、接触部位はジ
ュール熱により十分に溶融する。即ち、十分な溶接強度
を確保可能な程度の溶融部が形成される。従って、板材
15と丸棒材M及び丸棒材M同士、即ちアルミ合金同士
を抵抗スポット溶接により効率よく接合することができ
る。又、板材15と丸棒材M及び丸棒材M同士の接触部
位が充分に溶融することにより、充分な接合強度を確保
することができる。
【0046】(2) 板材15と丸棒材Mとを接合する
場合、板材15の表面に突起16を形成し、同突起16
の頂点において丸棒材Mを局部接触させた状態で通電す
るようにした。このため、溶接電流は突起16の頂点に
集中して流れる。従って、簡単な構成にもかかわらず接
触部位の電流密度を増大させることができ、ひいてはア
ルミ合金同士を抵抗スポット溶接により効率よく接合す
ることができる。
【0047】(3) 前記突起16を板材15の長さ及
び面積等の大きさに対応して複数形成したため、溶接箇
所の強度が十分に確保されると共に、各溶接箇所間にお
ける溶接強度のばらつきが防止される。
【0048】(4) 抵抗スポット溶接によりアルミ合
金製丸棒材M同士の接合を可能とした。抵抗スポット溶
接は従来のアルゴンアークスポット溶接による接合の場
合に比べて、溶接1点当たりの加工コストが安くなると
共に、加工時間が短縮される。従って、溶接箇所の多い
商品の製品単価を低減することができる。
【0049】(5) 前記突起16を半円筒状に形成し
た。このため、接触箇所、即ち溶接箇所に所定の長さが
あり、例えば、突起16を先端(頂点)の尖った円錐状
等に形成した場合と異なり、丸棒材Mを突起16の頂点
に容易に接触保持させることができる。従って、溶接作
業効率を向上させることができる。
【0050】なお、前記実施形態は以下のように変更し
て実施してもよい。 ・ 本実施形態に係る抵抗スポット溶接方法をアルミ合
金製の板材同士の接合に応用してもよい。この場合、突
起16は半球状に形成する。即ち、図6(a)及び図7
に示すように、少なくとも一方の板材21に半球状の突
起22を形成し、この突起22の頂点にて他方の板材2
1を接触保持する。又、図6(b)及び図7に示すよう
に、両板材21にそれぞれ突起22を形成し、両突起2
2の頂点を互いに突き合わせて接触保持する。そして、
両板材21を互いに近接する方向に加圧しながら通電す
る。このようにしても、両板材21の接触面積を微少な
ものとし、両板材21を抵抗スポット溶接にて接合する
ことができる。
【0051】上記の溶接の条件は、表3に示すが前述し
た表1と同じである。
【0052】
【表3】 前記板材と板材は加圧力200〜300Kgfで、8〜
10サイクルの初期加圧をそれぞれ行うようにしてい
る。又、通電停止後にも初期加圧力200〜300Kg
fと同じ加圧力で、4〜5サイクルの加圧保持時間を設
けている。
【0053】・ 本実施形態においては、突起16を押
出形成したが、図8(a)に示すように、プレス等によ
る塑性加工により突起23を形成してもよい。 ・ 図8(b)に示すように、単に突起24を板材15
の表面に突設するのみでもよい。この場合には板材15
の押し出し成形時に突起24が同時成形されるので、突
起24を後工程で形成する必要がなく突起24を容易に
形成することができる。
【0054】・ 本実施形態においては、溶接箇所を1
つずつ接合したが、複数の溶接箇所を同時に接合するよ
うにしてもよい。この場合、溶接電流を溶接箇所に対応
して増加させる。各溶接箇所におけるアルミニウム合金
材は互いに局部接触しており、この接触部に溶接電流が
集中して流れる。このため、複数の溶接箇所を同時に接
合しても、溶接電流が隣接する溶接箇所に分流すること
がない。従って、溶接強度を十分に確保することができ
る。
【0055】次に、前記実施形態から把握できる請求項
記載の発明以外の技術的思想について、以下にそれらの
効果と共に記載する。 ・ 前記突起を半円筒形状に形成する請求項1に記載の
抵抗スポット溶接方法。このようにすれば、突起に所定
の長さがあるため、例えば丸棒材Mを突起の頂点に容易
に接触させることができる。
【0056】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、丸
棒材と板材を強固に接合することができる。
【0057】請求項4〜6に記載の発明によれば、丸棒
材と板材を効率よく強固に接合することができる。請求
項7〜9に記載の発明によれば、板材相互を効率よく強
固に接合することができる。
【0058】請求項10記載の発明によれば、押し出し
成形された突起を有する板材をそのまま利用することが
でき、特別の後加工を不要にして製造を容易に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるフロントバスケットの斜
視図。
【図2】 (a)は、溶接前における丸棒材と板材の接
触部の正面図、(b)は、溶接前における丸棒材と板材
の接触部の側面図。
【図3】 (a)は、溶接後における丸棒材と板材の接
触部の正面図、(b)は、溶接後における丸棒材と板材
の接触部の側面図。
【図4】 溶接方法を説明するグラフ。
【図5】 (a)は、丸棒材同士の接触部の斜視図、
(b)は、丸棒材同士の接触部の正面図。
【図6】 (a), (b)は、別の実施形態における板
材同士の接触部の正断面図。
【図7】 別の実施形態における突起の斜視図。
【図8】 (a), (b)は、別の実施形態における突
起の正断面図。
【符号の説明】
11…フロントバスケット、12…丸棒材としての第1
外枠部材、13…丸棒材としての第2外枠部材、14…
丸棒材としての中枠部材、15…板材、16, 22…突
起、17a, 17b…電極、21…板材、M…丸棒材。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS規格で5000番系(Al−Mg
    系)又は6000番系(Al−Mg−Si系)のアルミ
    ニウム合金製の丸棒材と板材を互いに局部接触させ、前
    記丸棒材と板材を対向する電極で挟み、両電極にて加圧
    しながら通電し、溶接電流を丸棒材と板材の局部接触面
    に集中させ、この溶接電流によるジュール熱を利用し
    て、前記丸棒材と板材を接合する抵抗スポット溶接方法
    に際し、溶接条件を、前記丸棒材の直径3mmφ〜8m
    mφの場合に、以下のように設定した抵抗スポット溶接
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記直径3mmφ〜
    8mmφの各丸棒材と板材は加圧力200〜300Kg
    fで、8〜10サイクルの初期加圧をそれぞれ行うよう
    にした抵抗スポット溶接方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、通電停止後に初期加
    圧力200〜300Kgfと同じ加圧力で、4〜5サイ
    クルの加圧保持時間を設けた抵抗スポット溶接方法。
  4. 【請求項4】 JIS規格で5000番系(Al−Mg
    系)又は6000番系(Al−Mg−Si系)のアルミ
    ニウム合金製の丸棒材と丸棒材を互いに局部接触させ、
    前記両丸棒材を対向する電極で挟み、両電極にて加圧し
    ながら通電し、溶接電流を両丸棒材の局部接触面に集中
    させ、この溶接電流によるジュール熱を利用して、前記
    両丸棒材を接合する抵抗スポット溶接方法に際し、溶接
    条件を、前記丸棒材の直径3mmφ〜8mmφの場合
    に、以下のように設定した抵抗スポット溶接方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、両丸棒材は加圧力2
    00〜300Kgfで8〜10サイクルの初期加圧を行
    うようにした抵抗スポット溶接方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、通電停止後に初期加
    圧力200〜300Kgfと同じ加圧力で、4〜5サイ
    クルの加圧保持時間を設けた抵抗スポット溶接方法。
  7. 【請求項7】 JIS規格で5000番系(Al−Mg
    系)又は6000番系(Al−Mg−Si系)のアルミ
    ニウム合金製の板材同士を互いに局部接触させ、前記両
    板材を対向する電極で挟み、両電極にて加圧しながら通
    電し、溶接電流を両板材の局部接触面に集中させ、この
    溶接電流によるジュール熱を利用して、前記両板材を接
    合する抵抗スポット溶接方法に際し、溶接条件を以下の
    ようにした抵抗スポット溶接方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、両板材は加圧力20
    0〜300Kgfで8〜10サイクルの初期加圧を行う
    ようにした抵抗スポット溶接方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、通電停止後に初期加
    圧力200〜300Kgfと同じ加圧力で、4〜5サイ
    クルの加圧保持時間を設けた抵抗スポット溶接方法。
  10. 【請求項10】 請求項1又は7において、突起を有す
    る板材は押し出し成形時に同時成形され、突起は板材の
    表面に連続的に設けられたものである抵抗スポット溶接
    方法。
JP2000222995A 1999-07-23 2000-07-24 抵抗スポット溶接方法 Pending JP2001030085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000222995A JP2001030085A (ja) 1999-07-23 2000-07-24 抵抗スポット溶接方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-209370 1999-07-23
JP20937099 1999-07-23
JP2000222995A JP2001030085A (ja) 1999-07-23 2000-07-24 抵抗スポット溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001030085A true JP2001030085A (ja) 2001-02-06

Family

ID=26517414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000222995A Pending JP2001030085A (ja) 1999-07-23 2000-07-24 抵抗スポット溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001030085A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101277779B (zh) 凸焊用的螺栓及其焊接方法
JPH11342477A (ja) スポット溶接方法
JP2002103056A (ja) プロジェクション同士突き合わせ拡散接合方法及び溶接物品
KR100232390B1 (ko) 고체동편의 접합방법
JP4139375B2 (ja) 抵抗溶接用電極及び抵抗溶接方法
JP3569591B2 (ja) Fe系部材とAl系部材との抵抗溶接方法
JP2007301606A (ja) 抵抗スポット溶接による異種金属の接合方法及び接合構造
WO2003018245A1 (en) Conductive heat seam welding
US20190363328A1 (en) Robust Reaction Metallurgical Joining
JP2001030085A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP4351365B2 (ja) アルミニウム合金製丸棒材のバット溶接方法
KR101500042B1 (ko) 용접구조
JP2011177763A (ja) 片側スポット溶接による接合品の製造方法
JP2003320462A (ja) プロジェクション溶接方法、および抵抗溶接用プロジェクション
JP5597370B2 (ja) 金網の接合方法
CN212734696U (zh) 一种立柱焊接用拼装装置
JPH01306075A (ja) 溶接方法
JP2000197976A (ja) スポット抵抗溶接法
JPH067957A (ja) アルミニウム合金の抵抗スポット溶接方法
JPH03128179A (ja) タングステン電極を用いた抵抗溶接方法
JPS6232715Y2 (ja)
JP2005288487A (ja) スポット溶接法
JPS5976684A (ja) 溶接またはろう付け用電極
JP4344962B2 (ja) スポット抵抗溶接機におけるシ−ルドガス供給装置
JPS63144876A (ja) クラツド鋼板の溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091110