JP2001029783A - 親和性固定化金属樹脂 - Google Patents

親和性固定化金属樹脂

Info

Publication number
JP2001029783A
JP2001029783A JP19961299A JP19961299A JP2001029783A JP 2001029783 A JP2001029783 A JP 2001029783A JP 19961299 A JP19961299 A JP 19961299A JP 19961299 A JP19961299 A JP 19961299A JP 2001029783 A JP2001029783 A JP 2001029783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
pdc
metal
chelating agent
protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19961299A
Other languages
English (en)
Inventor
Kuangu Min Toran
クアング ミン トラン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP19961299A priority Critical patent/JP2001029783A/ja
Publication of JP2001029783A publication Critical patent/JP2001029783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02C10/08

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属キレート・アフィニティー・クロマトグ
ラフィーに好適な新規キレート形成剤の提供。 【解決手段】 アフィニティー・クロマトグラフィーに
5化学基金属キレート形成剤(PDC)樹脂が使用され
る。この樹脂は、5つの配位点を占有することによって
Cu2+,Ni2+,Zn2+及びCo2+などの多価
金属イオンと八面体形状の錯体を形成することができ
る。従って、この樹脂からは、極めて安定な錯体が得ら
れ、1つの配位点が隣接のシステイン/ヒスチジン、特
に、タンパク質やペプチドなどのような生体分子を含む
ヒスチジンとの相互作用及び選択結合のために残され
る。Cu−PDCは、タンパク質溶液の体積を減少させ
る濃縮用樹脂として利用できる。また、水溶性カルボジ
イミドを使用して、すべてのタンパク質を共有固定化す
る万能支持体としても利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規の金属キレ
ート形成樹脂とその製法に係わる。
【0002】
【従来の技術】Porath et al.が提案した
親和性固定化金属樹脂(Nature,258,589
(1975))を使用し、隣接ヒスチジン残基を含むタ
ンパク質の精製に利用される金属キレート・アフィニテ
ィー・クロマトグラフィー(Metal Chelat
e Affinity Chromatograph
y,MCAC)(固定化金属イオン・アフィニティー・
クロマトグラフィー(Immobilized Met
al ion Affinity Chromatog
raphy,IMAC)とも呼称される)は、今や天然
及び組換え6xヒスチジン標識(または無標識)タンパ
ク質及びペプチドを精製するための強力かつフレキシブ
ルな手段となっている。
【0003】Porath et al.が使用したリ
ガンドは、イミノジ酢酸(Iminodiacetic
Acid,IDA)であった。電子常磁性共鳴及び吸
収スペクトルによる分析の結果、IDAは金属イオンに
配位される3個の化学基を有するリガンドであり、錯体
IDA−M2+(1:1)(ただしM2+=2価金属イ
オン)の形状は、正四面体または四面体であることが判
明している(R.Dallocchio et a
l.;J.Coord.Chem.,25,265(1
992))。このことは、固定化IDAがイオンCu
2+及びZn2+とは安定的錯体を形成できるが、安定
的な形状として八面体であることを必要とする他の重金
属イオンとは安定的錯体を形成できない理由を示唆して
いる。
【0004】ヒスチジンが例えばヒスチジン−M2+
ヒスチジンのように、種々の多価金属イオンと八面体錯
体を形成できる唯一のα−アミノ酸であることも公知で
ある(B.Rao et al.;J.Inorg.N
ucl.Chem.;33,809(1971);M.
M.Harding et al.;Acta Cry
st.,16,643(1963)): −それぞれのヒスチジンは、M2+に対して3つの配位
結合を与える。即ち、イミダゾール環の3−N基と、ア
ミノ酸のNH 及びCOOH基である;イミダゾール
環の1−NH基は、錯体形成に関与しない(C.C.M
c.Donald et al.;JACS,85,3
736(1963))。 −錯体形成は、立体選択性である(J.H.Ritsm
a et al.;Recueil,88,411(1
969))。 −ヒスタミン及びイミダゾールの錯体化学は、すでに論
述されている(W.R.Walker et al.;
J.Coord.Chem.,3,77(1973);
Aust.J.Chem.,23,1973(197
0))。
【0005】さらに、単結晶X−線分析(Simon
H.Whitlow;Inorg.Chem.,12,
2286(1973))及び赤外線スペクトル分析
(Y.Tomita et al.;JACS,36,
1069(1963)及びJ.Phys.Chem.,
69,404(1965))の結果、ニトリロトリ酢酸
三ナトリウム(NaNTA)が種々の多価金属イオン
2+に対して4個の錯体形成化学基を有するリガンド
であり、対応の錯体NTA−M2+が八面体形状を有す
ることが判明している。 −NTAは、pH5.5〜10.0の、HN(CH
−COO とN(CH −COO の混
合物であればよい。 −カルボン酸塩と非荷電N基だけが配位結合に関与す
る。カルボキシル及び荷電N基は結合に関与しない。
【0006】従って、E.Hochuli et a
l.(J.Chromatogr.,411,177
(1987))及び米国特許第4,877,830号
(1989)が提案しているアガロースに固定したNT
A誘導体は、タンパク質を含むヒスチジンの精製方法と
して興味深い方法と云える。そのリガンドはHN−
(CH −CH(COOH)−N(CH−COO
H)(ただし、n=2,4)であり、得られる樹脂
は:樹脂−NH−(CH−CH(COOH)−
N(CHCOOH)(ただし、n=2,4)であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、公
知化合物よりもすぐれた特性を有し、金属キレート・ア
フィニティー・クロマトグラフィーに好適な新規のキレ
ート形成剤を提供することにある。
【0008】この発明は、このような樹脂の製法にも係
わる。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、IMAC用
の新規の樹脂を容易に、迅速に、かつ低コストで製造す
る方法、及び以下の説明において8化学基キレート形成
剤(Pentadentate chelator,P
DC)樹脂と呼称する前記樹脂に係わり、前記樹脂はM
2+イオンに対して5つの配位結合を与えることができ
る。前記配位結合は、得られる八面体形状の錯体の安定
性を高める効果を有し、1つの配位点が、隣接のシステ
イン/ヒスチジン、特に、タンパク質またはペプチドか
ら成るグループから選択されることが好ましい生体分子
を含むヒスチジンとの相互作用及び選択結合のために残
される。
【0010】前記PDC樹脂は、Cu2+,Ni2+
Zn2+,Co2+など種々の多価金属イオンとキレー
ト形成することにより、以下の説明においてCu−PD
C,Ni−PDC,Zn−PDC及びCo−PDCと呼
称するそれぞれ対応の金属キレート樹脂を提供すること
ができる。これら4種類の樹脂は、天然及び組換えタン
パク質またはペプチドを含むヒスチジンの精製に使用さ
れる。
【0011】この発明は、前記PDC樹脂にも係わり、
この樹脂の細孔へはタンパク質が進入できない(定義に
よれば、タンパク質の分子量は5000ダルトン以
上)。前記樹脂としては、(スウェーデン、ウプサラ
市、Pharmacia社製のSephadex(商品
名)G−25から得られる)PDC−Sephadex
G−25が好ましい。
【0012】また、タンパク質を含むヒスチジンと金属
キレートとの結合は、錯体である金属−PDCと、ヒス
チジン残基の接近度とによって左右され、前記接近度
は、問題のタンパク質の形状に左右される。従って、生
体分子を含むヒスチジンとCu 2+,Ni2+,Zn
2+及びCo2+との結合度を予示する普遍法則は存在
しない。
【0013】この発明は、好ましくはタンパク質または
ペプチドから成るグループから選択される天然及び組換
え生体分子の精製に最も好適な金属キレートを決定する
4つの別々のカラムCu−PDC,Ni−PDC,Zn
−PDC及びCo−PDCから成るPDCキットにも係
わる。
【0014】この発明のCu−PDC樹脂は、水溶性カ
ルボジイミドを使用してタンパク質を共有固定する際の
万能支持体として利用され、タンパク質溶液の体積を減
少させるための濃縮用樹脂としても利用される。
【0015】この発明は、多価金属イオンを含まない水
及び緩衝液を得ることを目的とする金属イオンに配位す
る5個の化学基を有するキレート形成剤(PDC)樹
脂、特に、PDC−Sephadex G−25に係わ
る。具体的には、この発明のPDC−Sephadex
G−25は、重金属イオンを含まない金属タンパク質
または重金属イオンを含まないタンパク質を固定化金属
イオン・アフィニティー・クロマトグラフィーによっ
て、調製するのに有用である。
【0016】
【発明の実施形態】Y.Tomita et al.が
論述しているように(JACS,36,p.1069
(1963)及びJ.Phys.Chem.690,4
04(1965))、生理的pHにおいて、NTA(ニ
トリロトリ酢酸,nitrilotriacetat
e)及び場合によっては固定化NTA誘導体は、金属イ
オンM に対する3化学基及び4化学基リガンドの混
合物である。従って、八面体形状錯体NTA−M2+
濃度は、生理的pHの全NTAの濃度よりもはるかに低
い。
【0017】この発明の5化学基キレート形成剤(PD
C)樹脂、特に、下記式で表わされるキレート形成剤樹
脂は、この問題を解決する上で理想的である:樹脂−N
(CH −COOH)−(CH −CH(CO
OH)−N(CH −COOH) 。生理的pHにお
いて、前記樹脂は、金属イオンM2+に対する4化学基
及び5化学基リガンドの混合物である。従って、八面体
形状錯体PDC−M2+の濃度も、タンパク質を含むヒ
スチジンに対する作用も理想的である。
【0018】この発明は、ビス−リジン−M2+、特
に、ビス−リジン−Cu2+と式:樹脂−O−CH
−エチレンエポキシドで表わされる活性化樹脂または有
機化合物を含む−NH と反応可能なその他の活性化
マトリックスとを反応させることによって合成される
式:樹脂−ω−N−リジンの製法にも係わる。上記製法
に使用されるキャリヤー・マトリックスは、親和樹脂の
製造に使用される官能化または活性化樹脂であることが
好ましく、特に、Sepharose(商品名)CL−
4B,CL−6B,Fast Flow,及びSeph
adex G−25樹脂(スウェーデン、ウプサラ市、
Pharmacia社)、セルロース及び/またはコッ
トンから成るグループから選択された樹脂が好ましい。
【0019】この発明は、塩基性媒質中における前記樹
脂−ω−N−リジンと過剰量のハロゲン酢酸、好ましく
はブロモ酢酸との反応プロセスにも係わり、この反応プ
ロセスによって、この発明の5化学基樹脂の形成を可能
にする:即ち、塩基性媒質中における樹脂−ω−N−リ
ジン+Br−CH−COOH→樹脂−N(CH−C
OOH)−(CH−CH(COOH)−N(CH
−COOH)
【0020】
【実施例】この発明の詳細を実験例に基づいて以下に説
明する。
【0021】(実験例1)水酸化ナトリウム33g及び
蒸留水330mlから成る溶液にモノクロル水化リジン
75gを溶解させた。この溶液に、CuSO 51.
6gを蒸留水150mlに溶解させた溶液を加えた(完
全に溶解するまで30℃に加熱した)。以後のステップ
には、精製せずに対応の錯体を使用した。(ただし、混
和不能な相が形成されるまでエタノールを添加すること
によって精製できる。)
【0022】(実験例2)蒸留水で充分洗浄したSep
harose CL−4B 300mlを、蒸留水45
0ml及びエピクロロヒドリン75mlで希釈したNa
OHの2M溶液195mlで2時間にわたって40℃で
活性化した。中性pHとなるまで、対応の活性化樹脂を
蒸留水で洗浄した。この活性化樹脂に対して、NaOH
の2M溶液及び実験例1で得た溶液150mlを加え
た。この混合物を、3時間にわたって40℃で、さらに
1晩50℃でゆっくり撹拌した。
【0023】得られた樹脂を、廃水のpHが7.0に達
するまで蒸留水で充分洗浄し、次いで、水性希釈酸溶液
で充分洗浄し、最後に、樹脂が完全に脱色されるまで余
剰の蒸留水で洗浄した。この樹脂は、そのまま以後のス
テップに使用できる程度に純粋であった。
【0024】(実験例3)NaOHの2M溶液及びブロ
モ酢酸75gの溶液405mlとNaOHの2M溶液2
70mlを実験例2で得た樹脂300mlに加えた。こ
の混合物を4℃で3時間にわたって、次いで室温で1晩
撹拌した。次いで樹脂を、廃水のpHが7.0に達する
まで蒸留水で充分洗浄し、NaN0.02%(w/
v)の存在においてNaClの0.5M溶液中に貯蔵し
た。
【0025】(実験例4)蒸留水800mlにMCl
またはMSO (M=CuまたはZnまたはNiまた
はCo)10gを溶解させた溶液に、実験例3で得た樹
脂300mlを加えた。この混合物を5分間ゆっくりと
撹拌した。金属キレート樹脂を濾過し、蒸留水500m
lで3回、pH4.0の0.1M NaHPO50
0mlで3回、pH8.0の0.1M NaHPO
500mlで3回、最後に、pH7.5の0.1M N
aHPO500mlで1回洗浄した。NaN0.
05%(w/v)の存在において、pH7.5のNaH
POの0.1M溶液中に樹脂を貯蔵した。このよう
にして得られた樹脂をそれぞれCu−PDC,Ni−P
DC,Zn−PDC及びCo−PDCと命名した。
【0026】(実験例5)実験例4で得た4種類の樹
脂、即ち、Cu−PDC,Ni−PDC,Zn−PDC
及びCo−PDCをそれぞれ4本の小さいポリエチレン
・カラムに1mlずつ充填した。これら4本のカラムか
ら成るセットをPDCキットと命名した。下記実験例
6,7,8,9,10において、このPDCキットを利
用し、以下に述べるようにして問題のタンパク質を精製
した。 −リン酸緩衝液に食塩を加えたPBS(Phospha
te Buffered Saline)、即ち、Na
PO50mMとNaCl 300mMの混合液
(pH7.5)にNaN0.1%(w/v)を添加し
た緩衝液Aで各カラムを平衡させた。 −緩衝液A中に問題のタンパク質を含む粗清澄ライゼー
トを、実験例に指摘した量だけ各カラムに送入した。 −各カラムを緩衝液A 2mlで3回、緩衝液B(緩衝
液A+pH7.5の尿素の4M溶液)2mlで3回、緩
衝液C(緩衝液A+pH7.5の尿素の8M溶液)で3
回、緩衝液D 2ml(pH6.0に調整された緩衝液
A)で1回、最後に緩衝液A 2mlで1回洗浄した。 −緩衝液E(緩衝液A+pH7.5のイミダゾール10
0mM溶液)2mlで3回、緩衝液F(緩衝液A+pH
7.5のイミダゾールの200mM溶液)2mlで3
回、各カラムを溶離した。 −各精製ステップから得た画分を、最適のシステム、例
えば、280nmにおける光学密度(O.D.)、ドデ
シル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミド・ゲル電気泳
動(Sodium Dodecylsulfate−P
olyacreylamide Gel Electr
ophoresis,SDS−PAGE)などを利用し
て分析した。
【0027】(実験例6:PDCキット(実験例5参
照)によるタンパク質の精製) −大腸菌に発現させたヘリコピロリ菌から得た6xヒス
チジン標識HSP60(熱ショック・タンパク質)の粗
清澄ライゼート(HSP60の濃度:約5mg/ml) −PDCキットの各カラムに送入したサンプル量:50
0μl(図1参照)。
【0028】(実験例7:PDCキット(実験例5参
照)によるタンパク質の精製) −大腸菌に発現させたヘリコピロリ菌から得た6xヒス
チジン標識ウレアーゼの粗清澄ライゼート(ウレアーゼ
の濃度:約1mg/ml) −PDCキットの各カラムに送入したサンプル量:2m
【0029】(結果):SDS−PAGE分析の結果、
天然ウレアーゼを精製するにはNi−PDCを使用すれ
ばよく、ウレアーゼのα−鎖(MW60,000ダルト
ン)及びβ−鎖(MW30,000ダルトン)を得るに
はZn−PDCを使用すればよいことが立証された。
【0030】(実験例8:PDCキット(実験例5参
照)によるタンパク質の精製) −大腸菌から得た6xヒスチジン標識ペニシリン結合タ
ンパク質5(MW=70,000ダルトン)の粗清澄ラ
イゼート(ペニシリン結合タンパク質5の濃度:約0.
1mg/ml) −PDCキットの各カラムに送入したサンプル量:2m
【0031】(結果):SDS−PAGE分析の結果、
この精製にはNi−PDCが最適であることが立証され
た。
【0032】(実験例9:PDCキット(実験例5参
照)によるタンパク質の精製) −プソイドモナス・アエルギノーサIFO(大阪発酵研
究所)3455から得たMW50,000ダルトンの中
温アルカリ性プロテアーゼ(Znタンパク質)を含む粗
抽出物(再溶解硫酸アンモニウム沈殿物)(アルカリ性
プロテアーゼの濃度:約1mg/ml) −PDCキットの各カラムに送入したサンプル量:1m
l(図2参照)。
【0033】(実験例10:PDCキット(実験例5参
照)によるタンパク質の精製)大腸菌から得た突然変異
トリオース・リン酸イソメラーゼの粗清澄ライゼート1
0mlをカラムに充填した。このサンプルは8個のヒス
チジン残基を含むものであった(8個のうち、アクセス
可能な残基は5個)。
【0034】(結果):Ni−PDCを使用することで
突然変異トリオース・リン酸イソメラーゼをワンステッ
プで精製することができた。SDS−PAGE分析の結
果、ウェット・ゲル1ml当りのタンパク質回収量は1
5mgであることが判明した。
【0035】(実験例11)緩衝液A(実験例5参照)
50mlに溶解させたヒトのチロキシン結合グロブリン
(Thyroxine Binding Globul
in,TBG)10mgの溶液を1ml Cu−PDC
カラムに送入した。フロースルーの280nmにおける
光学密度は、TBGの全量がカラムによって保持された
ことを示唆した。緩衝液E(実験例5参照)2mlによ
って溶離させたTBGの回収率は、約95%(9.5m
g)であった。放射線免疫吸着検定(radioimm
unoassay,RIA)の結果、その活性に変化の
ないことが判明した。
【0036】(実験例12)5mlの緩衝液A(実験例
5参照)に20mgのウシ血清アルブミン(Bovin
e Serum Alubmin,BSA)を溶解させ
た溶液を、同じ緩衝液であらかじめ平衡させた1mlの
Cu−PDCと15分間にわたって混合した。得られた
懸濁液を濾過し、pHを8.0に調整した5mlの緩衝
液Aで、次いで、pHを4.0に調整した5mlの緩衝
液Aで、さらに、pHを5.5に調整した5mlの緩衝
液Aで洗浄した。
【0037】各洗浄ステップにおける濾液の280nm
光学密度から、BSAのほぼ全量がCu−PDCによっ
て保持されたことが確認された。
【0038】1mlの蒸留水に10mgの1−エチル3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・ハ
イドロクロライドを溶解させた溶液を、4mlのpH
5.5緩衝液Aに先に得た1mlの錯体BSA−Cu−
PDC樹脂を混入した懸濁液に加えた。この混合液を4
℃で1晩ゆっくりと撹拌した。
【0039】樹脂を濾過し、緩衝液Aで充分に洗浄し
た。pH7.4のEDTA(エチレンジアミノテトラ酢
酸)0.1M溶液でCu2+イオンを樹脂から分離させ
た。次いで樹脂を、pH4.0に調整した25mlの緩
衝液Aで、次いで、pH8.0に調整した25mlの緩
衝液Aでそれぞれ洗浄し、pH7.5の緩衝液A中に貯
蔵した。
【0040】こうして得られた共有固定化BSA−PD
Cの回収量は、定量的であった。
【0041】(実験例13)5mgのCuCl,5m
gのNiSO,5mgのZnCl,5mgのCo
Cl及び1mgのCaClを含む緩衝液A(実験例
5参照)にウシ血清アルブミン(BSA)1gを加えた
もの100mlを、10mlのPDC−Sephade
x G−25を含む断面の大きいカラムに送入した。こ
うして得られたBSA溶液は、多価金属イオンを全く含
まなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例6の結果を示す図。
【図2】実験例9の結果を示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/765 C07K 14/765 C09K 3/00 108 C09K 3/00 108A C12N 9/52 C12N 9/52 9/90 9/90 (71)出願人 599098334 Rue de l’Yser 304,B− 4430 ANS,BELGIUM Fターム(参考) 4B050 DD02 FF14E 4D017 AA09 BA07 CA13 DA03 DB02 EA01 4G066 AB07A AB07B AB10D AB24A AB24B AC27A AC27B AC33A AC33B AD07A AD07B AD15A AD15B AE05A AE05B BA23 CA54 EA02 FA33 4H045 AA50 GA10 GA20 HA03 4J100 AU39P BA16H BA16P BA29P CA01 CA31 DA01 HA61 HC04 HC27 JA17

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 樹脂−N(CH−COOH)−(CH−CH
    (COOH)−N(CH −COOH) で表わされる5化学基金属キレート形成剤樹脂(Pen
    tadentate Chelator resin,
    PDC樹脂)。
  2. 【請求項2】 分子量が5000ダルトンより大きいタ
    ンパク質の透過を許さない細孔を持つ樹脂を含むことを
    特徴とする請求の範囲第1項に記載のPDC樹脂。
  3. 【請求項3】 M2+がCu2+,Zn2+,Ni2+
    及びCo2+から成るグループから選択された多価金属
    イオンであることを特徴とする請求の範囲第1項または
    第2項に記載の5化学基金属キレート形成剤(M2+
    DC)樹脂。
  4. 【請求項4】 4つの別々の5化学基金属キレート形成
    剤(M2+PDC)樹脂から成る5化学基金属キレート
    形成剤キット(PDCキット)であって、M2+がそれ
    ぞれ多価金属イオンCu2+,Zn2+,Ni2+及び
    Co2+であることを特徴とする5化学基金属キレート
    形成剤キット(PDCキット)。
  5. 【請求項5】 請求の範囲第1項または第2項に記載の
    5化学基金属キレート形成剤(PDC)樹脂の製法であ
    って、樹脂のキャリヤーマトリックスを式:ビス−リジ
    ン−Cu2+で表わされる金属キレート形成剤と反応さ
    せることによって、以後のステップにおいて塩基性媒質
    中で余剰のハロゲン酢酸と反応する式:樹脂−ω−N−
    リジンで表わされる化合物を得るステップと、得られた
    5化学基金属キレート形成剤(PDC)樹脂を回収する
    ステップとから成ることを特徴とする前記製法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン酢酸がブロモ酢酸であることを
    特徴とする請求の範囲第5項に記載の製法。
  7. 【請求項7】 式:樹脂−ω−N−リジンで表わされる
    中間生成物。
  8. 【請求項8】 好ましくはヒスチジン残基を含む天然及
    び/または組換えタンパク質またはペプチドの精製を目
    的とする請求の範囲第3項に記載の5化学基金属キレー
    ト形成剤(M2+PDC)樹脂および請求の範囲第4項
    に記載のPDCキットいずれかの利用。
  9. 【請求項9】 緩衝液から重金属を含まない水を精製す
    ることを目的とする請求の範囲第2項に記載の5化学基
    金属キレート形成剤(PDC)樹脂の利用。
  10. 【請求項10】 固定化金属イオン・アフィニティー・
    クロマトグラフィー処理により“金属タンパク質”また
    は重金属イオンを含まないタンパク質を調製することを
    目的とする請求の範囲第2項に記載の5化学基金属キレ
    ート形成剤樹脂の利用。
  11. 【請求項11】 M2+が多価金属イオンCu2+であ
    る場合の請求の範囲第3項に記載の5化学基金属キレー
    ト形成剤(M2+PDC)樹脂の利用であって、水溶性
    カルボジイミドを使用してタンパク質を共有固定化し、
    タンパク質溶液を減容することを目的とする前記利用。
JP19961299A 1999-07-13 1999-07-13 親和性固定化金属樹脂 Pending JP2001029783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19961299A JP2001029783A (ja) 1999-07-13 1999-07-13 親和性固定化金属樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19961299A JP2001029783A (ja) 1999-07-13 1999-07-13 親和性固定化金属樹脂

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001029783A true JP2001029783A (ja) 2001-02-06

Family

ID=16410763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19961299A Pending JP2001029783A (ja) 1999-07-13 1999-07-13 親和性固定化金属樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001029783A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023087270A1 (zh) * 2021-11-19 2023-05-25 辽宁凯莱英医药化学有限公司 酶固定化载体及其制备方法、固定化酶及其制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6344947A (ja) * 1986-07-10 1988-02-25 エフ・ホフマン―ラ ロシュ アーゲー 金属キレ−ト樹脂
JPS6355117A (ja) * 1986-08-26 1988-03-09 Agency Of Ind Science & Technol ガリウム及びインジウムの分別回収方法
JPS6356503A (ja) * 1986-08-26 1988-03-11 Agency Of Ind Science & Technol アミノポリカルボン酸型キレ−ト樹脂及びその製造方法
JPH02251504A (ja) * 1989-03-24 1990-10-09 Agency Of Ind Science & Technol アミノポリカルボン酸型キレート樹脂の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6344947A (ja) * 1986-07-10 1988-02-25 エフ・ホフマン―ラ ロシュ アーゲー 金属キレ−ト樹脂
JPH0899944A (ja) * 1986-07-10 1996-04-16 F Hoffmann La Roche Ag 新規ニトリロトリ酢酸誘導体及びその塩、並びに それらの製造方法
JPS6355117A (ja) * 1986-08-26 1988-03-09 Agency Of Ind Science & Technol ガリウム及びインジウムの分別回収方法
JPS6356503A (ja) * 1986-08-26 1988-03-11 Agency Of Ind Science & Technol アミノポリカルボン酸型キレ−ト樹脂及びその製造方法
JPH02251504A (ja) * 1989-03-24 1990-10-09 Agency Of Ind Science & Technol アミノポリカルボン酸型キレート樹脂の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023087270A1 (zh) * 2021-11-19 2023-05-25 辽宁凯莱英医药化学有限公司 酶固定化载体及其制备方法、固定化酶及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4423158A (en) Ion adsorbent for metals having a coordination number greater than two
Hochuli Purification of recombinant proteins with metal chelate adsorbent
US4877830A (en) Metal chelate resins
JP3946772B2 (ja) 組み換えタンパク質の精製法
US7456276B2 (en) Peptide purification by means of metal ion affinity chromatography
JPH0214325B2 (ja)
US8999157B2 (en) Method for preparation of a biomolecule adsorbent
US6441146B1 (en) Affinity immobilized metal resins
JP3768485B2 (ja) 血清アルブミンの精製方法
JP2761881B2 (ja) 抗体を固定化したアフイニテイクロマトグラフイ用担体
JPH05504978A (ja) アフィニティークロマトグラフィー用のポリマー性担体を活性化する方法およびそれらから製造された組成物
JP2001029783A (ja) 親和性固定化金属樹脂
JPS61192342A (ja) 吸着剤
EP0085661A1 (en) Metal ion adsorbent
US20220258130A1 (en) Chromatography Media
CN101185881A (zh) 用于免疫球蛋白类蛋白质分离纯化的色谱介质及其制备方法
JP3613585B2 (ja) リガンドまたはリガンドが結合している化合物の固定化方法
CN107876017B (zh) 具有双功能基团的疏水性电荷诱导层析介质的制备方法
CN110339828B (zh) 以苯并噻唑基硫代羧酸为功能配基的层析介质及其制备方法
JPS595198A (ja) 光学分割剤、その合成法およびそれを使用した光学分割方法
CN118043639A (zh) 聚集体分离方法
JPS5834179B2 (ja) 蛋白吸着体及び該蛋白吸着体を用いるウロキナ−ゼの精製方法
Hochuli CH-4002 BASEL
CN115724904A (zh) 一种adc样品高dar值的盐析方法
JPS5811503A (ja) 細菌のルシフエラ−ゼの単離

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091118

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110607

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120221