JP2001027255A - 転がり軸受のクリープ防止装置付回転機械装置 - Google Patents
転がり軸受のクリープ防止装置付回転機械装置Info
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Abstract
図れ、しかもこのクリープの発生を防止する事による効
果が著しい構造を実現する。 【解決手段】 複数の玉軸受3、3を構成する外輪4の
一部外周面に、全周に亙り凹溝を形成する。そして、こ
れら各凹溝内にOリング22を装着し、このOリング2
2を、これら各凹溝の底面とハウジング1の内周面との
間で弾性的に圧縮する。回転軸2は、互いに別体の部材
である、第一、第二の軸部材5、6を、軸方向に亙り互
いに直列に配置して成る。又、上記ハウジング1と外輪
4とは、熱膨張係数が互いに異なる材料から成る。
Description
置等の各種回転機械装置に組み込んだ、転がり軸受のク
リープの発生防止を図る構造の改良に関する。
ミニウム合金製のハウジングの内側に、回転軸を支承す
る為の転がり軸受を組み込む場合が多い。そして、組み
込み状態では、この転がり軸受を構成する外輪を上記ハ
ウジングの内側に、締り嵌めにより内嵌固定している。
ところで、ハウジングを構成するアルミニウム合金の熱
膨張係数は、転がり軸受の外輪を構成する軸受鋼の熱膨
張係数よりも大きい。この為、何らの対策を施さなかっ
た場合には、温度上昇時に(例えば約60℃以上で)上
記ハウジングに対する外輪の締め代が低下し(若しくは
喪失し)、このハウジングの内側で外輪が回転する、所
謂クリープが発生する。この様なクリープが発生する
と、ハウジングと外輪との間の嵌め合い面に、異常摩
耗、焼き付き、変形等を生じ、結果的に回転機械装置の
各部に損傷を生じる原因となる。
来から、例えば特開平10−82428号公報、同10
−299785号公報に記載された様な転がり軸受のク
リープ防止装置が知られている。このうち、特開平10
−82428号公報に記載されたクリープ防止装置の場
合、弾性を有する合成樹脂製の偏心リングを、転がり軸
受を構成する外輪の外周面に形成された偏心溝内に装着
している。そして、上記偏心リングの一部外周面がハウ
ジングの一部内周面に広く当接する事により、転がり軸
受のクリープの発生防止を図っている。
に記載されたクリープ防止装置の場合、弾性体を、転が
り軸受を構成する外輪又はハウジングのうち、少なくと
も一方の周面の周方向に亙り形成した収納溝内に装着し
ている。又、この収納溝を形成しない部材の周面に設け
た凹部又はこの収納溝の一部に設けた拡大部内に、上記
弾性体の一部に直径方向に突出する状態で設けた膨出部
を挿入している。そして、この弾性体が、上記ハウジン
グの内周面と外輪の外周面とに弾性的に当接すると共
に、上記膨出部が上記凹部又は拡大部の側面に係合する
事で、上記クリープの発生防止を図っている。
た従来の転がり軸受のクリープ防止装置の場合、この転
がり軸受のクリープ防止装置の存在に基づき、このクリ
ープ防止装置を組み込んだ回転機械装置の組み立て或は
分解作業が面倒になり、コストが嵩む可能性がある。先
ず、上記特開平10−82428号公報に記載された回
転機械装置の場合、偏心リングを偏心溝内に装着する際
に、これら偏心リングと偏心溝との円周方向位置を規制
する手間を必要とする為、組み付け作業が面倒である。
又、回転機械装置の長期間の使用により修理・点検の為
に転がり軸受を着脱する必要が生じた場合に、この転が
り軸受の着脱の際に、合成樹脂製の偏心リングの一部が
アルミニウム合金製のハウジングの内周面に食い込ん
で、このハウジングの一部を損傷する可能性がある。こ
の場合には、高価なハウジングを交換する必要が生じ
て、回転機械装置の修理・点検に要するコストが嵩む原
因となる。
に記載された回転機械装置の場合には、ハウジング又は
外輪のうち、少なくも一方の周面に凹部又は拡大部を形
成する作業が必要になり、製造コストが嵩む原因とな
る。又、転がり軸受のクリープの発生を防止する為の弾
性体は、一部に膨出部を設けた特殊な形状のものを使用
する為、その分やはり製造コストが嵩む原因となる。
転軸のうちの少なくとの一方が、互いに別体である複数
の部材を軸方向に亙り互いに直列に配置して成るものと
した場合には、製造上不可避な組み付け誤差や加工上の
誤差等に基づき、これら複数の部材の中心軸同士が互い
に偏心した状態になり易い。この様に偏心した状態で
は、転がり軸受を構成する外輪とハウジングとの間に加
わるラジアル荷重が、円周方向の一部で大きくなり、上
記外輪がハウジングに対して転がり接触状態となる。こ
の為、上記クリープを生じ易くなる。従って、この様な
回転機械装置には、特に、クリープを有効に防止する装
置を設ける必要がある。本発明の転がり軸受のクリープ
防止装置付回転機械装置は、上述の様な事情に鑑みて発
明したものである。
リープ防止装置付回転機械装置は、前述した従来構造と
同様に、ハウジングに内嵌され、内周面に外輪軌道を有
する外輪と、このハウジングの内側に配置した軸に外嵌
され、外周面に内輪軌道を有する内輪と、この内輪軌道
と上記外輪軌道との間に転動自在に設けた複数の転動体
とを備える。
係数が異なる材料から成り、上記ハウジングと軸とのう
ちの少なくとの一方が、互いに別体である複数の部材を
軸方向に亙り直列に配置して成る。そして、上記外輪の
一部外周面に全周に亙り形成された凹溝と、この凹溝内
に装着されて、この凹溝の底面と上記ハウジングの内周
面との間でラジアル方向に亙り弾性的に圧縮されたOリ
ングとにより、クリープ防止装置を構成している。
ープ防止装置付回転機械装置によれば、転がり軸受のク
リープの発生防止を有効に図る事ができる。即ち、本発
明の場合、外輪の外周面に形成した凹溝内に装着したO
リングが、この凹溝の底面とハウジングの内周面との間
でラジアル方向に亙り弾性的に圧縮される事により、ク
リープ防止装置を構成している。従って、回転機械装置
の使用時の温度上昇に伴い、外輪とハウジングとの間の
締め代が低下し(若しくは喪失し)、上記ハウジングと
軸との相対回転に伴って、上記外輪が上記ハウジングに
対し回転する傾向となった場合でも、上記Oリングがこ
の回転を阻止して、クリープの発生防止を図る。更に、
本発明の場合には、このOリングを上記凹溝内に装着す
るのに、特に面倒な手間を必要としない。又、ゴム等の
弾性材製のOリングは、転がり軸受を着脱する際に、上
記ハウジングの一部を損傷する事がなく、回転機械装置
の修理・点検に要するコストが嵩む事はない。更に、本
発明の場合には、クリープの発生防止を図る為に上記凹
溝以外の凹部等を形成する必要がなく、しかも上記Oリ
ングとして一般的に用いられている形状のものを使用す
る事ができる為、回転機械装置の製造コストの低減を図
れる。
ハウジングと外輪とが互いに熱膨張係数が異なる材料か
ら成り、しかも、上記ハウジングと軸とのうちの少なく
との一方が、互いに別体である複数の部材を互いに軸方
向に亙り直列に配置して成る。この様な回転機械装置に
組み込む転がり軸受は、特にクリープを生じ易いが、本
発明の場合には、クリープ防止装置をこの様な回転機械
装置に設ける事で、有害なクリープの発生を有効に防止
できる。
の第1例を示している。クリープ防止装置を組み込むべ
き、本発明の回転機械装置は、ハウジング1と、このハ
ウジング1の内側に配置した回転軸2と、これらハウジ
ング1と回転軸2との間に設けた複数の玉軸受3、3と
を備える。本発明の回転機械装置の場合には、これら各
玉軸受3、3を構成する外輪4が、上記ハウジング1に
対して回転(クリープ)する事を防止するクリープ防止
装置を有する。
いに別体の複数の部材である、第一、第二の軸部材5、
6同士を、軸方向に亙り直列に配置する事により構成し
ている。即ち、第一の軸部材5は、全体を中実円柱状と
しており、中間部外周面に第一の駆動ギヤ7を設けてい
る。又、上記第二の軸部材6は、全体を中空円筒状とし
ており、一端寄り部分(図1の左端寄り部分)外周面
に、第二の駆動ギヤ8を設けている。そして、上記第一
の軸部材5の他端部(図1の右端部)に設けた小径部9
を、上記第二の軸部材6の一端部内側に挿入すると共
に、これら小径部9の外周面と第二の軸部材6の一端部
内周面との間に、ラジアル軸受10を設けている。この
ラジアル軸受10は、上記第一の軸部材5と第二の軸部
材6との間に加わるラジアル荷重を支承する。又、上記
第一の軸部材5の他端面と上記第二の軸部材6の一端面
との間には、スラスト軸受11を設けている。このスラ
スト軸受11は、上記第一の軸部材5と第二の軸部材6
との間に加わるスラスト荷重を支承する。それぞれが上
述の様に構成される、第一の軸部材5と第二の軸部材6
とは、軸方向に亙り互いに直列に配置しており、これら
第一の軸部材5と第二の軸部材6とが、上記回転軸2を
構成している。
5の両端部外周面と、上記ハウジング1の中間部内周面
との間には、本例でクリープを防止する転がり軸受であ
る、1対の深溝型の玉軸受3、3を設けている。又、上
記第二の軸部材6の外周面で、上記第二の駆動ギヤ8よ
りも軸方向他側部分と上記ハウジング1の中間部内周面
との間にも、1対の深溝型の玉軸受3、3を設けてい
る。これら各深溝型の玉軸受3、3は、外周面に深溝型
の内輪軌道12を有する内輪13と、内周面に深溝型の
外輪軌道14を有する外輪4と、上記内輪軌道12と外
輪軌道14との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設け
た玉15、15とから成る。そして、上記各外輪4を上
記ハウジング1の中間部内周面に、上記各内輪13を上
記第一の軸部材5又は第二の軸部材6の中間部外周面
に、それぞれ締り嵌めにより嵌合固定している。
5、15は、全体を円環状に形成した保持器16に設け
た複数のポケット17内に、それぞれ1個ずつ転動自在
に保持している。この保持器16は、波形保持器と呼ば
れるもので、それぞれを金属板材をプレス成形する事に
より造り、全体を波形で円環状に形成した1対の素子を
互いに組み合わせて成る。又、上記各玉軸受3、3を構
成する外輪4の両端部内周面と、内輪13の両端部外周
面との間に、それぞれ円環状のシールリング18、18
を設けている。これら各シールリング18、18は、複
数個の玉15、15が存在する空間19内に外部から異
物が進入するのを防止すると共に、この空間19内に潤
滑の為に存在するグリースが外部に漏洩するのを防止し
ている。
との間には、図示しないクラッチ機構を設けている。そ
して、このクラッチ機構の断接により、上記第一の軸部
材5と第二の軸部材6とを一体的に回転させるか、又は
これら第一の軸部材5と第二の軸部材6とを互いに独立
して回転させるかを、選択自在としている。そして、上
記第一の軸部材5の一端部を、図示しないエンジンの出
力軸等の動力源に結合している。従って、上記クラッチ
機構の断接を切り替える事により、上記動力源の出力
を、前記第一の駆動ギヤ7のみ、又は、この第一の駆動
ギヤ7及び上記第二の駆動ギヤ8から、図示しない従動
ギヤを介して取り出し自在としている。
ルミニウム合金製とし、上記各玉軸受3、3を構成する
外輪4を、一般的に使用される軸受鋼製としている。従
って、これらハウジング1と各外輪4とは、互いに熱膨
張係数が異なる材料から成る。
6に外嵌固定した1対の玉軸受3、3は、それぞれの外
輪4、4を、上記ハウジング1の内周面複数個所に形成
した段部20、20の片側面にそれぞれ突き当てる事に
より、軸方向に亙るずれ止めを図っている。
端寄り部分外周面には、凹溝21を全周に亙り形成して
いる。そして、これら各凹溝21に弾性を有するゴム製
のOリング22を、それぞれ装着している。これら各凹
溝21と各Oリング22とは、それぞれ全周に亙り同じ
形状を有する。上記各外輪4、4を上記ハウジング1の
内周面に、それぞれ締り嵌めにより嵌合固定した状態で
は、上記各Oリング22は、上記各凹溝21の底面と上
記ハウジング1の内周面との間でラジアル方向に弾性的
に圧縮される。従って、上記各Oリング22の内外両周
縁は、これら底面及び内周面に、全周に亙り弾性的に当
接している。本発明では、上述の様に構成する凹溝21
とOリング22とにより、前記クリープ防止装置を構成
している。
クリープ防止装置付回転機械装置によれば、複数の玉軸
受3、3のクリープの発生防止を、低コストでしかも有
効に図る事ができる。即ち、本発明の場合、これら各玉
軸受3、3を構成する外輪4の外周面に形成した凹溝2
1内に装着した、ゴム等の弾性材製のOリング22が、
これら各凹溝21の底面及びハウジング1の内周面に全
周に亙り弾性的に当接する事により、クリープ防止装置
を構成している。従って、回転機械装置の使用時の温度
上昇に伴い、外輪4とハウジング1との間の締め代が低
下し(若しくは喪失し)、上記回転軸2の回転に伴って
上記各外輪4が、上記ハウジング1に対し回転する傾向
となった場合でも、上記各Oリング22の内外両周縁
と、上記底面及び内周面との間に作用する摩擦力が、上
記各外輪4が上記ハウジング1の内側で回転する事を阻
止し、クリープの発生防止を図る。
グ22を上記各凹溝21内に装着するのに、互いの円周
方向位置を規制する等の、特に面倒な手間を必要としな
い。又、上記各Oリング22はゴム等の弾性材製である
為、回転機械装置の修理・点検の為に玉軸受3、3を着
脱する際に、上記各Oリング22により上記ハウジング
1の一部に損傷を生じる事がなく、回転機械装置の修理
・点検に要するコストが嵩む事がない。
発生防止を図る為に、上記各凹溝21以外の凹部等を形
成する必要を生じず、しかも上記各Oリング22として
一般的に用いられている形状のもの(汎用品)を使用で
きる。従って、本発明によれば、クリープ防止装置を有
する回転機械装置の製造コストの低減を図れる。特に、
本発明の回転機械装置の場合、上記ハウジング1と各外
輪4とが互いに熱膨張係数が異なる材料から成り、しか
も、上記回転軸2が、互いに別体である第一、第二の軸
部材5、6を互いに軸方向に亙り直列に配置して成る。
この様な回転機械装置に組み込む玉軸受3、3は、特に
クリープを生じ易いが、本発明の場合には、クリープ防
止装置をこの様な回転機械装置に設ける事で、有害なク
リープの発生を有効に防止できる。
例を示している。本例の場合には、回転軸2だけでな
く、ハウジング1aも、互いに別体である部材を、軸方
向に亙り互いに直列に配置して成る。即ち、ハウジング
1aは、互いに別体である、第一のハウジング部材23
と、第二のハウジング部材24とから成り、これら第
一、第二のハウジング部材23、24は、軸方向に亙り
互いに離隔した状態で配置している。従って、本例の場
合には、これら第一、第二のハウジング部材23、24
の中心軸同士の間での偏心を生じ易く、上述した第1例
の場合よりも、更に上記回転軸1aとハウジング2との
間に設ける各玉軸受3、3はクリープを生じ易い。従っ
て、本例の場合には、この様にクリープを生じ易い回転
機械装置にクリープ防止装置を設ける事で、有害なクリ
ープの発生を防止する事の効果を、より有効に得られ
る。その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例
の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して
重複する図示並びに説明を省略する。
付回転機械装置は、以上に述べた通り構成され作用する
ので、有害な転がり軸受のクリープの発生を防止する事
の効果を有効に得られる。
図。
受をOリングを装着した状態で示す、半部断面図。
様の図。
Claims (1)
- 【請求項1】 ハウジングに内嵌され、内周面に外輪軌
道を有する外輪と、このハウジングの内側に配置した軸
に外嵌され、外周面に内輪軌道を有する内輪と、この内
輪軌道と上記外輪軌道との間に転動自在に設けた複数の
転動体とを備え、 上記ハウジングと外輪とが互いに熱膨張係数が異なる材
料から成り、 上記ハウジングと軸とのうちの少なくとの一方が、互い
に別体である複数の部材を軸方向に亙り直列に配置して
成るものであり、 上記外輪の一部外周面に全周に亙り形成された凹溝と、
この凹溝内に装着されて、この凹溝の底面と上記ハウジ
ングの内周面との間でラジアル方向に亙り弾性的に圧縮
されたOリングとによりクリープ防止装置を構成した転
がり軸受のクリープ防止装置付回転機械装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200297A JP2001027255A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | 転がり軸受のクリープ防止装置付回転機械装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200297A JP2001027255A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | 転がり軸受のクリープ防止装置付回転機械装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001027255A true JP2001027255A (ja) | 2001-01-30 |
JP2001027255A5 JP2001027255A5 (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=16421984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11200297A Pending JP2001027255A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | 転がり軸受のクリープ防止装置付回転機械装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001027255A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-07-14 JP JP11200297A patent/JP2001027255A/ja active Pending
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