JP2001026875A - ガス処理方法 - Google Patents

ガス処理方法

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JP2001026875A
JP2001026875A JP11201357A JP20135799A JP2001026875A JP 2001026875 A JP2001026875 A JP 2001026875A JP 11201357 A JP11201357 A JP 11201357A JP 20135799 A JP20135799 A JP 20135799A JP 2001026875 A JP2001026875 A JP 2001026875A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理ガスラインからの処理ガスの供給を停止
した際に、処理ガスライン内に処理ガスが残存し難いガ
ス処理方法を提供すること。 【解決手段】 処理ガスを供給する処理ガスライン55
と、この処理ガスライン55と合流するとともに処理ガ
スをキャリアするキャリアガスを供給するキャリアガス
ライン56と、被処理基板Wが配置され、キャリアガス
によってキャリアされた処理ガスが導入されるチャンバ
ー11とを有するガス処理装置100を用いて基板に対
してガス処理を行うにあたり、キャリアガスとして分子
量が30以下のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CVD成膜等のガ
ス処理を行うガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、被処理体で
ある半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)に配線パ
ターンを形成するために、あるいは配線間のホールを埋
め込むために、W(タングステン)、WSi(タングス
テンシリサイド)、Ti(チタン)、TiN(チタンナ
イトライド)、TiSi(チタンシリサイド)等の金属
あるいは金属化合物を堆積させて薄膜を形成している。
【0003】これらの中で、WSiを成膜する際には、
処理ガスとして例えばWF(六フッ化タングステン)
とSiH(シラン)またはSiHCl(ジクロル
シラン)とが用いられる。また、キャリアガスとしてA
rが用いられている。
【0004】WSi膜を成膜する際には、上記処理ガス
をキャリアガスによりキャリアさせてチャンバー内に導
入し、チャンバー内のウエハを加熱することにより処理
ガスを反応させる。この際に、初期段階においてWF
の流量を厳密に制御して所望のニュークリエーション膜
を形成することにより膜質の向上を図っており、このた
め、流量を厳密に制御することが可能なニュークリエー
ション膜用のWFガスラインと通常のWFガスライ
ンとを設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
ガスラインを切換えた際、従前のガスラインのバルブ下
流側部分のWFガス残存量が多い場合には、この残存
ガスがキャリアガスによって吸い出され、チャンバー内
には制御外の処理ガスが供給されることとなり、形成さ
れた膜が所要の膜質とならない場合が生じる。
【0006】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、処理ガスラインからの処理ガスの供給を停止
した際に、処理ガスライン内に処理ガスが残存し難いガ
ス処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、処理ガスを供給する処理ガスラインと、
この処理ガスラインと合流するとともに処理ガスをキャ
リアするキャリアガスを供給するキャリアガスライン
と、被処理基板が配置され、キャリアガスによってキャ
リアされた処理ガスが導入されるチャンバーとを有する
ガス処理装置を用いて基板に対してガス処理を行うにあ
たり、前記キャリアガスとして分子量が30以下のもの
を用いることを特徴とするガス処理方法を提供する。
【0008】図1は処理ガスとキャリアガスが混合する
部分の代表的な構造を示す模式図であるが、この図に示
すように、処理ガスライン1とキャリアガスライン2の
合流点において、処理ガスを停止した場合に、処理ガス
ライン1のバルブ3の下流側の残存ガスは、キャリアガ
スと混合して下流に流出する。この場合に、本発明者ら
の検討結果によれば、残存した処理ガスがキャリアガス
と混合して下流側に流れるのは、キャリアガスと処理ガ
スの相互拡散が原因であり、その程度は拡散係数に依存
する。つまり、拡散係数が大きいほどキャリアガスによ
る残存処理ガスの流出効果が大きい。ここで、拡散係数
はキャリアガスの分子量および処理ガスの分子量が小さ
くなるほど大きくなるから、キャリアガスとして分子量
の小さいものを使用するほど残存処理ガス流出効果が大
きくなる。従来はこのような観点からの検討は行われて
おらず、従来キャリアガスとして用いられているArガ
スは、分子量が39.948と比較的大きく、処理ガス
が残存しやすかったが、本発明のようにキャリアガスと
して分子量が30以下のものを用いることにより、従来
よりも処理ガスラインに処理ガスを残存し難くすること
ができる。
【0009】本発明において、前記処理ガスラインの処
理ガスの供給をバルブにより停止した際に、前記処理ガ
スラインのバルブより下流側のいずれの部分においても
残存する処理ガスの濃度がその部分のガス全体に対して
1%以下であることが好ましい。このような範囲であれ
ば、残存ガスがプロセスに悪影響を与えない。
【0010】また、前記キャリアガスの流量が100s
ccm以上であることが好ましい。これにより、キャリ
アガスの流量に依存せず残存処理ガス濃度を略一定にす
ることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について具体的に説明する。図2は、本発明
の実施に用いられるCVD装置を模式的に示す断面図で
あり、WSi膜成膜用のものを示す。
【0012】図2に示すように、CVD装置100は、
例えばアルミニウム等により円筒状に形成されたチャン
バー11を有しており、その上に蓋体12が設けられて
いる。このチャンバー11内には、チャンバー11の底
部から起立させた支持部材13上に、保持部材14を介
してウエハWを載置する載置台15が設けられている。
なお、この支持部材13の径方向内側は、熱線を反射す
るように形成されており、載置台15は、厚さ2mm程
度の例えばカーボン素材、セラミックス等で形成されて
いる。
【0013】この載置台15の下方には、ウエハWを載
置台15から持ち上げるためのリフトピン16が例えば
3本設けられており、このリフトピン16は、保持部材
17を介して押し上げ棒18に支持されていて、この押
し上げ棒18がアクチュエータ19に連結している。こ
れにより、アクチュエータ19が押し上げ棒18を昇降
させると、押し上げ棒18および保持部材17を介して
リフトピン16が昇降し、ウエハWが昇降するようにな
っている。このリフトピン16は、熱線を透過する材
料、例えば石英により形成されている。また、リフトピ
ン16に一体的に支持部材20が設けられており、この
支持部材20にシールドリング21が取り付けられてい
る。このシールドリング21は、後述するハロゲンラン
プ26の熱線が上方に照射されることを防止するととも
に、クリーニング時にクリーニングガスの流路を確保す
る機能を有している。載置台15には、さらに、ウエハ
Wの加熱時にウエハWの温度を計測するための熱電対2
2が埋設されており、この熱電対22の保持部材23が
支持部材13に取付けられている。
【0014】載置台15の真下のチャンバー底部には、
石英等の熱線透過材料よりなる透過窓24が気密に設け
られており、その下方には、透過窓24を囲むように箱
状の加熱室25が設けられている。この加熱室25内に
は、例えば4個のハロゲンランプ26が反射鏡をも兼ね
る回転台27に取付けられており、この回転台27は、
回転軸28を介して加熱室25の底部に設けられた回転
モータ29により回転されるようになっている。したが
って、このハロゲンランプ26から放出された熱線は、
透過窓24を透過して載置台15の下面を照射してこれ
を加熱し得るようになっている。この加熱室25の側壁
には、この室内や透過窓24を冷却するための冷却エア
を導入する冷却エア導入口30およびこのエアを排出す
るための冷却エア排出口31が設けられている。
【0015】載置台15の外周側には、多数の整流孔を
有するリング状の整流板32が、環状に形成した支持コ
ラム33の上端に設けられた水冷プレート34に載置さ
れている。この水冷プレート34の内周側には、上方の
処理ガスが下方に流れることを防止するためのリング状
の石英製またはアルミニウム製のアタッチメント35が
設けられている。これら整流板32、水冷プレート34
およびアタッチメント35の下側には、成膜処理時、処
理ガスと反応しない不活性ガス例えば窒素ガス等をバッ
クサイドガスとして供給し、これにより、処理ガスが載
置台15の下側に回り込んで余分な成膜作用を及ぼすこ
とを防止している。
【0016】また、チャンバー11の底部の四隅には、
排気口36が設けられており、この排気口36には、図
示しない真空ポンプが接続されている。これにより、チ
ャンバー1内は、例えば100Torr〜10−6To
rrの真空度に維持し得るようになっている。
【0017】チャンバー11の天井部には、処理ガス等
を導入するためのシャワーヘッド40が設けられてい
る。このシャワーヘッド40は、蓋体12に嵌合して形
成されたシャワーベース41を有しており、このシャワ
ーベース41の上部中央には、処理ガス等を通過させる
オリフィスプレート42が設けられている。さらに、こ
のオリフィスプレート42の下方に、2段の拡散プレー
ト43,44が設けられており、これら拡散プレート4
3,44の下方に、シャワープレート45が設けられて
いる。オリフィスプレート42の上側にはガス導入部材
46が配置されており、このガス導入部材46にはガス
導入口47が設けられている。このガス導入口47には
チャンバー11内へ処理ガス等を供給するガス供給機構
50が接続されている。
【0018】ガス供給機構50は、第1のWFガス供
給源51、キャリアガス供給源52、第2のWFガス
供給源53、SiHガスまたはSiHClガス供
給源54を有しており、第1のWFガス供給源51に
はガスライン55、キャリアガス供給源52にはガスラ
イン56、第2のWFガス供給源53にはガスライン
57、SiHガスまたはSiHClガス供給源5
4にはガスライン58が接続されている。ガスライン5
5にはマスフローコントローラ59とその前後の開閉バ
ルブ60,61とが設けられ、ガスライン56にはマス
フローコントローラ62とその前後の開閉バルブ63,
64とが設けられ、ガスライン57にはマスフローコン
トローラ65とその前後の開閉バルブ66,67とが設
けられ、ガスライン58にはマスフローコントローラ6
8とその前後の開閉バルブ69,70とが設けられてい
る。処理ガスラインであるガスライン55,57,58
は、キャリアガスラインであるガスライン56に合流す
るようになっており、これらが合流し、ガスライン56
に連続するガスライン71が上述のガス導入口47に接
続されている。本発明では後述するように、キャリアガ
ス供給源52から供給されるキャリアガスとして分子量
が30以下のものを用いる。
【0019】このように構成されるCVD装置100に
より、ウエハWの表面にWSi膜を成膜する際には、ま
ず、チャンバー11の側壁に設けられた図示しないゲー
トバルブを開いて搬送アームによりチャンバー11内に
ウエハWを搬入し、リフトピン16を押し上げることに
よりウエハWをリフトピン16側に受け渡し、押し上げ
棒18を降下させることによりリフトピン16を押し下
げて、ウエハWを載置台15上に載置する。
【0020】次いで、排気口36から内部雰囲気を吸引
排気することによりチャンバー11内を所定の真空度例
えば0.1Torr〜80Torrの範囲内の値に設定
し、後述するようにしてガス供給源50からシャワーヘ
ッド40を介してチャンバー11内に処理ガスであるW
ガスおよびSiHガスを導入し、これと同時に加
熱室25内のハロゲンランプ26を回転させながら点灯
し、ハロゲンランプ26からの熱線を載置台15に照射
する。これにより、所定の反応が生じてウエハW上にW
Si膜が成膜される。
【0021】次に、ガス供給機構50による処理ガスの
供給について詳細に説明する。上述したように、ガス供
給機構50から処理ガスを供給する際には、キャリアガ
ス供給源52からガスライン56にキャリアガスを流し
つつ、まず第1のWF ガス供給源51から、高精度の
マスフローコントローラ59で厳密に流量を制御しつ
つ、ニュークリエーションのためのWFガスをガスラ
イン55に流すとともに、SiHガスまたはSiH
Clガス供給源54からもう一方の処理ガスであるS
iHガスまたはSiHClガスをガスライン58
に流す。ガスライン55からのWFガスおよびガスラ
イン58からのSiHガスまたはSiHClガス
はガスライン56に合流してキャリアガスにキャリアさ
れ、ガスライン71およびシャワーヘッド40を介して
チャンバー11内に供給される。
【0022】所定時間経過後、ガスライン55のバルブ
61が閉じられ、第1のWFガス供給源51からのニ
ュークリエーション用のWFガスの供給が停止され、
代わりに第2のWFガス供給源53に接続されたガス
ライン57のバルブ67が開かれメインのWFガスが
ガスライン57からガスライン56に合流する。
【0023】この場合に、ガスライン55のバルブ61
下流側部分にはWFガスが残存しており、この残存ガ
スを速やかに流出させないと、その部分には多量のWF
ガスが残存することとなる。この状態で、メインのW
ガスを供給して成膜すると、残存ガスがキャリアガ
スによって徐々に吸い出され、チャンバー内には制御外
の処理ガスが供給されることとなり、膜質が悪くなるお
それがある。従来はキャリアガスとしてArガスが用い
られており、実際にこのような問題が生じていたが、キ
ャリアガスとして分子量が30以下のものを用いること
により、処理ガスの残存量を少なくすることができる。
【0024】以下、このような結論に至ったシミュレー
ション結果について説明する。図3に示すような、処理
ガスとキャリアガスが混合する部分の代表的な構造を用
いてシミュレーションを行った。処理ガスライン81お
よびキャリアガスライン82はいずれもφ6mmであ
り、処理ガスライン81のバルブ83下流側の長さを1
0cmと設定した。処理ガスはバルブ83により供給を
遮断し、処理ガスライン81のバルブ83下流側の部分
に残存しているものとした。
【0025】キャリアガスとしてArガス、Heガスを
用い、処理ガスとしてWF,SiHを用いて、これ
らガスの4通りの組合せで、キャリアガスの流量を5,
50、250,500sccmとして、バルブの直下部
分(図中点B)および処理ガスライン81とキャリアガ
スライン82との交点中央(図中点A)における処理ガ
ス残存濃度をシミュレーションにより求めた。なお、シ
ミュレーションには汎用解析プログラムであるFLUE
NTを用いた。
【0026】その際に用いた解析チャートの例を図4に
示す。実際のチャートはガス濃度が色彩で示されてお
り、濃度分布が明確に把握することができるようになっ
ている。
【0027】また、図5にキャリアガスの流量を変化さ
せた場合の点Aにおける定常状態での処理ガス残存濃度
を示し、図6に同じくキャリアガス流量を変化させた場
合の点Bにおける定常状態での処理ガス残存濃度を示
す。これらの図に示すように、点Aおよび点Bのいずれ
においても、キャリアガスとしてHeガスを用いたほう
がArガスを用いた場合よりも処理ガスの残存濃度が約
3桁低いことが確認された。
【0028】図4の実際のチャートから、残存した処理
ガスがキャリアガスと混合して下流に流出するのは主に
キャリアガスとプロセスガスの相互拡散が原因であるこ
とが把握された。このように処理ガスがキャリアガスと
混合して下流に流出する原因が主にキャリアガスと処理
ガスとの相互拡散にある場合、その程度は拡散係数に依
存する。つまり、拡散係数が大きいほどキャリアガスに
よる残存処理ガスの流出効果が大きい。
【0029】いま、キャリアガスの分子量をM、処理
ガスの分子量をMとすると、拡散係数DCPは以下の
(1)で表すことができる。
【0030】
【数1】
【0031】ただし T:系の温度[K] P:系の圧力[Pa] σCP:レナードジョーンズポテンシャルモデルのサイ
ズパラメータ[A] ΩDCP:ガス1(ここではキャリアガス(成分C))
とガス2(ここでは処理ガス(成分P))の衝突により
定まる衝突積分
【0032】ここで、成分C,Pのレナードジョーンズ
パラメータσおよびσを用いて、平均サイズパラメ
ータσCPと平均エネルギーパラメータεCP/κを次
の(2)、(3)式で求める。 σCP=(σ+σ)/2 ……(2) εCP/κ=(ε・ε1/2/κ ……(3) 次にεCP/κより係数を求める温度Tに対する規格化
温度Tを以下の(4)式により求める。 T=T/(εCP/κ) ……(4) このTにより衝突積分ΩDCPを以下の(5)式によ
り求める。
【0033】
【数2】
【0034】上記式(1)からガスの分子量が小さくな
るほど拡散係数DCPが大きくなることが確認される。
上述したように、拡散係数が大きいほどキャリアガスに
よる残存処理ガスの流出効果が大きいから、キャリアガ
スの分子量が小さいほど処理ガスライン中のガスがより
多く流出し処理ガスの残存量が少なくなる。
【0035】本シミュレーションに用いたArガス、H
eガス、WFガス、SiHガスの分子量を表1に、
これらの組合せによる拡散係数DCPを表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1に示すように、Heガスの分子量はA
rガスの分子量の約1/10であり、それとは逆にHe
ガスを用いた場合には拡散係数は大きくなる。例えば、
処理ガスとしてWFを用いた場合、拡散係数DCP
Heガスでは2.9632×10−4、Arガスでは
5.5786×10−5であって、HeガスがArガス
の5.31倍となる。したがって、キャリアガスとして
Heガスを用いたほうが残存処理ガスの流出効果が大き
い。
【0039】上記図5、6に示すシミュレーション結果
は、このことを示すものであり、上述したように、点A
および点Bのいずれにおいても、キャリアガスとしてH
eガスを用いたほうがArガスを用いた場合よりも処理
ガスの残存濃度が約3桁低い。そして、この傾向は処理
ガスとしてWFおよびSiHのいずれを用いた場合
にも存在することから、処理ガスの種類に依存しない。
また、キャリアガスが約100sccm以上では、処理
ガスの残存濃度がほとんど変化せず、キャリアガスの流
量に依存しないことがわかる。つまり、キャリアガスが
約100sccm以上で安定した処理を行うことができ
る。
【0040】残存ガスがプロセスに悪影響を与えない観
点からは、処理ガスラインの処理ガスの供給を停止した
際に、処理ガスラインのバルブより下流側のいずれの部
分においても残存する処理ガスの濃度がその部分のガス
全体に対して1%以下であることが好ましい。図5、6
を見るとキャリアガスとしてHeを用いた場合には、点
Aおよび点Bのいずれにおいても、これよりも十分に低
い濃度であることがわかる。これに対してArガスを用
いた場合には、点Bにおいては残存濃度がその部分のガ
ス全体の1%を超えており、Arガスはキャリアガスと
して好ましくないことが把握される。したがって、Ar
ガスよりも拡散係数が高くなるガス、つまりArガスよ
りも分子量が小さいガスをキャリアガスとして用いるこ
とが好ましい。なお、処理ガスとしてWFを用い、キ
ャリアガスとしてHeを用いて、処理ガスラインのバル
ブ下流側部分の長さが10cmとしてシミュレーション
を行った場合には、残存処理ガス濃度1%となる位置
が、処理ガスラインおよびキャリアガスラインの交点か
ら94.6m上流側の部分となる。つまり、残存処理ガ
ス濃度が1%となる配管距離が著しく長いことが確認さ
れた。
【0041】図7に、処理ガスとしてWFを用い、キ
ャリアガスとして種々の不活性ガスを用いた場合におけ
る拡散係数とキャリアガスの分子量との関係を示す。こ
の図に示すように、Arガスよりも分子量が小さく、し
たがって拡散係数が大きい不活性ガスとしては、Heガ
ス以外にNガスおよびNeガスが存在する。これらの
ガスをキャリアガスとして用いれば、処理ガスラインに
残存する処理ガスの濃度をArガスの場合よりも小さく
することができ、処理ガスラインのバルブ下流側のいず
れの部分においても残存する処理ガスの濃度がその部分
のガス全体に対してほぼ1%以下にすることができると
考えられる。そして、Nガスの分子量は約28である
から、本発明ではキャリアガスの分子量を30以下と規
定している。
【0042】このように、本発明ではキャリアガスの分
子量を30以下と規定し、その範囲内に含まれるものと
しては、Heガス、NeガスおよびNガスがあるが、
分子量が小さいほど残存処理ガスの流出効果が大きいか
ら、これらの中ではHeガスが最も好ましい。
【0043】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態で
は本発明をWSiのCVD成膜に規定したが、これに限
らず、他の材料、例えばW、Ti、TiN等のCVD成
膜に適用することができるし、また、CVD以外の他の
ガス処理にも適用することができる。また、被処理基板
はウエハに限られるものではなく、他の基板であっても
よい。さらに、キャリアガスとしてはHeガス等の不活
性ガスを例示したが、これに限らず、NH、NO、
NO等の無機系ガスや気化または蒸発した有機溶媒等の
有機系ガスのように、処理ガスの一部として機能するも
のであってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
キャリアガスの分子量を30以下としたことにより、処
理ガスラインからの処理ガスの供給を停止した際に、処
理ガスライン内の処理ガス残存濃度を低くすることがで
き、処理ガスラインに残存した処理ガスが処理へ悪影響
を与えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための模式図。
【図2】本発明の実施に用いられるCVD装置を模式的
に示す断面図。
【図3】本発明を導いたシミュレーションの条件を示す
模式図。
【図4】シミュレーション結果を示すチャート。
【図5】シミュレーション結果に基づいて点Aにおける
キャリアガス流量と処理ガス残存濃度との関係を示すグ
ラフ。
【図6】シミュレーション結果に基づいて点Bにおける
キャリアガス流量と処理ガス残存濃度との関係を示すグ
ラフ。
【図7】拡散係数と分子量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1;処理ガスライン 2;キャリアガスライン 3;バルブ 11;チャンバー 15;載置台 40;シャワーヘッド 50;ガス供給機構 55,57、58;ガスライン(処理ガスライン) 56;ガスライン(キャリアガスライン) 61,64,67,70;バルブ W……半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA04 AA06 AA16 AA18 EA01 EA11 JA05 JA06 5F045 AB30 AC01 AC02 AC05 AC17 EC07 EE14 EF05 EK14 EM10 EN04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理ガスを供給する処理ガスラインと、
    この処理ガスラインと合流するとともに処理ガスをキャ
    リアするキャリアガスを供給するキャリアガスライン
    と、被処理基板が配置され、キャリアガスによってキャ
    リアされた処理ガスが導入されるチャンバーとを有する
    ガス処理装置を用いて基板に対してガス処理を行うにあ
    たり、前記キャリアガスとして分子量が30以下のもの
    を用いることを特徴とするガス処理方法。
  2. 【請求項2】 前記処理ガスラインの処理ガスの供給を
    バルブにより停止した際に、前記処理ガスラインのバル
    ブより下流側のいずれの部分においても残存する処理ガ
    スの濃度がその部分のガス全体に対して1%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記キャリアガスの流量が100scc
    m以上であることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のガス処理方法。
  4. 【請求項4】 前記キャリアガスは、Heガス,Neガ
    ス,Nガスのいずれかであることを特徴とする請求項
    1ないし請求項3のいずれか1項に記載のガス処理方
    法。
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JP2015046588A (ja) * 2013-07-31 2015-03-12 京セラ株式会社 薄膜形成方法および太陽電池素子の製造方法

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