JP2001026841A - 冷間鍛造性に優れたBi快削鋼およびその製造方法 - Google Patents

冷間鍛造性に優れたBi快削鋼およびその製造方法

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JP2001026841A JP11202235A JP20223599A JP2001026841A JP 2001026841 A JP2001026841 A JP 2001026841A JP 11202235 A JP11202235 A JP 11202235A JP 20223599 A JP20223599 A JP 20223599A JP 2001026841 A JP2001026841 A JP 2001026841A
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Goro Anami
吾郎 阿南
Toyofumi Hasegawa
豊文 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pbの代わりに被削性改善元素としてBiを
含有する快削鋼において、Bi添加に起因する割れの発
生を有効に抑制し得る冷間鍛造性に優れた新規な鋼を提
供する。 【解決手段】 実質的にPbを含有しないBi含有快削
鋼において、Bを0.0005%以上0.0040%未
満添加することにより、Bi添加による冷間鍛造性の低
下を改善するものであり、Bi:0.001〜0.40
%,N:0.01%以下(0%を含まない)を含有し、
実質的にTiを含有しないものが推奨される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間鍛造性に優れ
たBi快削鋼およびその製造方法に関する。本発明の鋼
は、被削性向上元素として、人体に有害なPbの代わり
にBiを含有するものであるが、Bi添加による冷間鍛
造性の低下をBの添加によって補填しているので、冷間
鍛造性及び被削性の両方に優れた鋼が得られ、特に、冷
間鍛造後に焼入れ焼戻しすることなく切削加工において
製造される部品等に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】Pbは、冷間鍛造性をあまり損なうこと
なく被削性を改善し得る元素である。ところが、Pbは
人体に有害であり、スクラップ中のPbが溶出して人体
に入ると人体に多大な悪影響を及ぼすことが懸念される
につれ、Pbの使用を規制する動きが活発になり、鋼中
へのPb使用の廃止が求められている。
【0003】かかるPbの代替可能な被削性改善元素と
して、Biが有効であることは古くから知られている。
しかし、BiはPbと同様、熱間圧延時の熱間加工性を
劣化させる問題があり、しかもPbより劣化の度合が大
きい。そのため、熱間圧延時に細かな表面割れが生じ、
これが製品表面に疵となって残存する。冷間鍛造時に
は、この疵を起点として割れが発生し易くなるため、当
該疵をグラインダー等で削除する必要があるが、残存し
た表面疵を起点とする割れの発生を有効に防止すること
は困難である。そこで、圧延時に若干の表面疵が残存し
たとしても割れの発生を抑制し得る新規な鋼の提供が切
望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであり、その目的は、Pbの代わり
に被削性改善元素としてBiを含有する快削鋼におい
て、Bi添加に起因する割れの発生を有効に抑制し得る
冷間鍛造性に優れた新規な鋼、及びこの様な鋼を効率よ
く製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明に係る冷間鍛造性に優れたBi快削鋼は、実質的に
Pbを含有しないBi含有快削鋼において、Bを0.0
005%以上0.0040%未満添加することにより、
Bi添加による冷間鍛造性の低下を改善するものである
ところに要旨を有するものであり、Bi:0.001〜
0.40%,N:0.01%以下(0%を含まない)を
含有し、実質的にTiを含有しないものが推奨される。
【0006】具体的には、本発明の鋼は、C :0.6
%以下(0%を含まない),Si:0.3%以下(0%
を含まない),Mn:0.2〜2%,Al:0.05%
以下(0%を含まない),P :0.20%以下(0%
を含まない),S :0.08%以下(0%を含まな
い),Bi:0.001〜0.40%,B :0.00
05%以上0.0040%未満,N :0.01%以下
(0%を含まない)を含有し、残部は、実質的に鉄及び
不純物である。
【0007】また、上記課題を解決し得た本発明の製造
方法とは、上述した鋼を、表面温度が800℃以上とな
る様に加熱した後、800℃以上で熱間加工を終了する
ところに要旨を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、実質的にPbを含
有しないBi含有鋼において、被削性と冷間鍛造性の双
法を向上させるべく鋭意検討してきた。前述した通り、
BiはPbに代わる被削性向上元素として知られてい
が、一方、Bi添加により、冷間鍛造性が低下すること
も指摘されているからである。
【0009】その結果、Bi含有鋼にBを添加すれば、
Bi添加による冷間鍛造性を補填することができること
を突き止めた。即ち、本発明者らの検討結果によれば、
BはBi添加による圧延時の表面疵を起点とした割れ
発生を抑制し得ること;B添加による割れ発生抑制作
用は、固溶Bの存在によって有効に発揮されるものであ
り、固溶BがNと結合してBNを形成し、固溶Bが少な
くなるとB添加による上記作用が有効に発揮されないこ
とが明らかになった。そこで、かかる知見に基づき、更
に鋭意検討した結果、Bi及びBを所定量添加すると共
に、N量を制御することにより、B添加による割れ発生
抑制作用を有効に発揮し得る固溶Bが残存する様調整さ
せれば所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を
完成したのである。
【0010】この様に本発明は、実質的にPbを含有し
ないBi含有快削鋼において、Bを0.0005%以上
0.040%未満添加することにより、Bi添加による
冷間鍛造性の低下を改善するものであるところに特徴が
あり、具体的には、Bi:0.001〜0.40%,B
:0.0005%以上0.0040%未満,及び、N
:0.01%以下(0%を含まない)を含有し、実質
的にTiを含有しないものである。
【0011】尚、本発明の如く、被削性改善元素として
Biを含有するBi含有快削鋼自体は目新しいものでは
なく、例えば下記〜の公報が挙げられる。
【0012】特開平10−8209号公報には、切削
加工時の切屑破砕性向上元素としてBiを選択的に含有
する、冷間鍛造性に優れた非調質鋼が開示されている。
しかしながら、そもそも上記公報は、「中炭素鋼にVを
添加した非調質鋼は素材硬度が高く、充分な冷間加工性
が得られなかった」という問題に鑑みてなされたもので
あり、本発明の如くBi添加による冷間鍛造性の低下を
解決課題とするものではない。従って、上記公報では、
高価なVを必須成分とし、Bについては全く記載されて
いない点で、Vを必須成分とせず、Bを必須成分とする
本発明とは大きく相違するものである。
【0013】特開平6−212352号公報は、仕上
げ面粗さの優れた黒鉛快削鋼に関し、黒鉛快削鋼におけ
る切削仕上げ面粗さを改善すべくなされたものである。
従って、上記公報においても前記と同様、Bi添加に
よる冷間鍛造性の低下改善については全く意図しておら
ず、Bに関する記載は全くない点で本発明とは相違す
る。また、上記公報では黒鉛を組織中に含むため、これ
を起点に割れが発生し易くなり、充分な冷間鍛造性が得
られない。
【0014】上述した及びの公報がいずれもBを添
加しないBi含有鋼であるのに対し、特開昭63−2
16952号公報は、Bi及びBを含有する冷間鍛造用
鋼が開示されている点で、一応、本発明と一致する。し
かしながら、この公報によれば、「BはSi含有量及び
Mn含有量を低下させたことによる焼入性の劣化を補
い、特に高周波焼入後において必要な焼入深さを確保す
るために添加する」旨記載されており、本発明の如く、
Bi添加による冷間鍛造性の低下をBで補填しようとい
う技術的思想は全く存在しない。
【0015】また、特開平2−23950号公報に
も、Bi及びBを含有する熱間延性に優れた快削鋼が開
示されている。しかしながら、この公報によれば、「B
Nは被削性向上に有効である」という観点にたち、BN
を積極的に析出させる為にBを添加している点で、「固
溶BがNと結合してBNを形成すると、割れ発生抑制作
用に有効な固溶Bが少なくなるので、BNは析出させな
い方が良い」本発明とは、BNの作用に対する考え方が
全く相違する。実際のところ、上記公報ではB:0.0
040%以上,N:0.0050%以上と規定している
が、Nを0.0050%以上添加した状態でBを0.0
040%以上添加すると、BNが多量に析出し、冷間鍛
造時の鋼材そのものの加工性が低下し、冷間鍛造性が劣
化することを確認している。これに対し、本発明ではB
の上限を0.0040%未満に定めているので、所望の
冷間鍛造性を有効に発揮させることができる。しかも、
上記公報には、本発明の如く、Bi添加による冷間鍛造
性の低下をBで補填しようという技術的思想は全く存在
しない。
【0016】この様に本発明の他にも、Biを含有する
冷間鍛造用鋼は種々提案されているが、本発明の如く
「Bi添加による冷間鍛造性の低下をB添加により補填
しよう」という技術的思想を有するものは全くない。
「Bi添加による冷間鍛造性の低下」という課題に対
し、固溶Bの存在が有効であるというアプローチを行っ
たものは従来より知られておらず新規であり、この点に
本発明の技術的意義が存在するのである。
【0017】本発明の最重要成分であるBは、一般に焼
入れ性改善元素として用いられており、かかる作用を有
効に発揮させるためには、できるだけBNを形成させな
い様、通常、Tiが同時に添加されていることが多い。
しかしながら、本発明では被削性改善に加え、冷間鍛造
性の向上をも目的とするものであり、Bの焼入れ硬化性
を高めると共に、それ自体鋼を硬化させる作用を有する
Tiの添加は有害であり、避けるべきである。
【0018】ここで、B添加により割れ発生抑制作用が
有効に発揮されることを、図1を用いて説明する。図1
では、割れ発生抑制の指標として、R&D/Vol.2
3,No.2,p90〜96に記載の「割れ発生限界改
善量(限界圧縮率の改善量)」を採用し、図2に示す様
な、切り欠きの入った圧縮試験片を使用した。尚、割れ
発生限界改善量は下式に基づいて算出した。 供試鋼の割れ発生限界改善量[限界圧縮率改善量
(%)]=[(供試鋼の限界圧縮率)−(供試鋼からB
を除いた鋼の限界圧縮率)]×100 図1より、Bを本発明で特定する範囲で添加した鋼は、
割れ発生限界改善量が本発明の目標レベルである5%以
上を達成できたことが分かる。
【0019】以下、本発明鋼を構成する各成分について
説明する。
【0020】Bi:0.001〜0.40% 本発明は、Bi添加による被削性向上をベースとするも
のであり、被削性向上効果を有効に発揮させ、仕上げ面
粗さの優れた鋼を得るためには0.001%以上の添加
が必要である。好ましくは0.005%以上、より好ま
しくは0.04%以上である。但し、0.40%を超え
て添加すると、表面疵が多くなるので、その上限を0.
40%とする。好ましくは0.30%以下である。
【0021】B:0.0005%以上0.0040%未
Bは、Bi添加による表面疵の発生に基づく割れ発生を
防止するために有効な元素である。この様な作用を有効
に発揮させるためには、0.0005%以上の添加が必
要である。好ましくは0.0010%以上である。但
し、Bの添加が多過ぎると、冷間鍛造性を阻害するBN
の析出が多くなるため、割れ易くなるので、その上限を
0.0040%未満とする。好ましくは0.0030%
以下である。
【0022】N:0.01%以下(0%を含まない) NはBと結合してBNを形成し、このBNは被削性を改
善することが知られている。かかる観点からすれば、N
は積極的に添加することが推奨されるが、固溶Bによる
割れ発生抑制作用を有効に発揮させるためには、N量が
過剰になることは好ましくない。N量が過剰に添加され
ると、添加したBが全てBNとなって固溶Bが少なくな
り、固溶Bによる所望の効果が有効に発揮されないから
である。これらを勘案すれば、Nの上限を0.01%に
制御することが必要である。好ましくは0.0050%
以下である。上記作用を鑑みれば、Nの量は少なければ
少ない程好ましいが、コスト上昇とのバランスを考慮す
ると、0.0020%以上とすることが推奨される。
【0023】尚、本発明では前述の如くTi及びVは必
須成分ではない。Tiを添加すると鋼が硬くなり、割れ
易くなるからであり、また、本発明では、高価なVを添
加しなくとも、充分所望の効果が得られるからである。
【0024】C:0.6%以下(0%を含まない) Cは鋼の強度を向上する元素であり、そのためには、
0.10%以上(より好ましくは0.20%以上)添加
することが推奨される。但し、0.6%を超えて添加す
ると工具寿命が低下するので、その上限を0.6%とす
る。好ましくは0.25%以下である。
【0025】Si:0.3%以下(0%を含まない) Siは冷間鍛造後の鋼の強度を向上する元素であり、そ
のためには、0.10%以上(より好ましくは0.20
%以上)添加することが推奨される。但し、0.3%を
超えて添加すると変形抵抗が増大し、工具寿命が低下す
るので、その上限を0.3%とする。好ましくは0.2
%以下、より好ましくは0.05%以下、更により好ま
しくは0.03%以下である。
【0026】Mn:0.2〜2% Mnは冷間鍛造後の鋼の強度を向上する元素である。
0.2%未満ではFeSが生成し、圧延中に液相が生じ
るため、割れが更に多くなる。好ましくは0.5%以上
である。但し、2%を超えて添加すると強度が高くなり
過ぎ、工具寿命が低下する。好ましくは1.5%以下で
ある。
【0027】Al:0.05%以下(0%を含まない) Alは脱酸剤として有用な元素である。但し、0.05
%を超えて添加するとアルミナクラスターが増加し、冷
間鍛造時に割れが発生し易くなる。好ましくは0.01
%以下、より好ましくは0.005%以下である。
【0028】P:0.20%以下(0%を含まない) 0.20%を超えてPを添加すると工具寿命が低下する
ことから、その上限を0.20%とする。好ましくは
0.10%以下である。
【0029】S:0.08%以下(0%を含まない) SはMnと結合してMnS介在物を形成し、冷間鍛造性
を阻害する。従って、その上限を0.08%とする。好
ましくは0.015%以下である。
【0030】本発明の鋼は、実質的に上記元素を基本成
分とし、残部:鉄および不純物であるが、更なる特性の
向上を目指して、Ni:0.5%以下、Sn:0.1%
以下、Zr:0.1%以下、Nb:0.1%以下、M
o:0.5%以下、In:0.1%以下、Cu:0.5
%以下の範囲で、これら元素の少なくとも一種を積極的
に添加しても良い。
【0031】次に、本発明鋼を製造する方法について説
明する。本発明の製造方法は、上述した成分組成からな
る鋼を用い、表面温度が800℃以上となる様に加熱し
た後、800℃以上で熱間加工を終了するところに要旨
を有するものである。表面温度が800℃未満では、B
添加による割れ発生抑制作用を有効に発揮させることが
できない。好ましくは900℃以上、より好ましくは1
000℃以上である。また、圧延終了温度が800℃未
満では、鋼中に残留歪が残存し、冷鍛工具寿命が低下す
る。好ましくは850℃以上、より好ましくは900℃
以上である。
【0032】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述
べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものでは
なく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する
ことは全て本発明の技術範囲に包含される。
【0033】
【実施例】表1及び表2に、本実施例に用いた供試鋼の
化学成分、加熱温度、及び圧延終了温度を記載する。こ
の様にして得られた各供試鋼について、前述の方法に基
づき、限界圧縮率改善量を算出すると共に、下記条件に
より仕上げ面粗さ(Rz)を測定した。 工具:P20,切削速度:100m/分,送り:0.0
5mm/rev,切り込み:1.0mm,潤滑:乾式 これらの結果を表1及び表2に併記する。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表中、A1〜A5はB量を種々変化させた
例である。
【0037】このうちA2〜A4はB量が本発明の範囲
を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が本
発明の目標レベルである5%以上を確保することがで
き、且つ仕上げ面粗さも5μm前後と良好であった。こ
れに対し、A1はB量が本発明の範囲を下回る例;A5
はB量が本発明の範囲を超える例であり、いずれも割れ
発生限界改善量は5%未満と、目標レベルに達しなかっ
た。
【0038】また、B1〜B6はC量を種々変化させた
例である。
【0039】このうちB1〜B5はC量が本発明の範囲
を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が目
標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さも5μm前
後と良好であった。これに対し、B6はC量が本発明の
範囲を超える例であり、冷鍛工具寿命が低下した。
【0040】次に、C1〜C2はSi量を変化させた例
である。
【0041】このうちC1はSi量が本発明の範囲を満
足する例であり、割れ発生限界改善量が目標レベルを遙
に超えると共に、仕上げ面粗さも5μmと良好であっ
た。これに対し、C2はSi量が本発明の範囲を超え、
冷鍛工具寿命が低下した。
【0042】D1〜D5はMn量を種々変化させた例で
ある。
【0043】このうちD2〜D4はMn量が本発明の範
囲を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が
目標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さも5μm
前後と良好であった。これに対し、Mn量が本発明の範
囲を下回るD1は、FeSが生成し易く、圧延中に液相
が生じるため、割れが多くなる結果、熱間圧延割れが多
く見られた。また、Mn量が本発明の範囲を超えるD5
は、強度が高く、冷鍛工具寿命が低い。
【0044】また、E1〜E4はP量を種々変化させた
例である。
【0045】このうちE1〜E3はP量が本発明の範囲
を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が目
標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さも5μm前
後と良好であった。これに対し、P量が本発明の範囲を
超えるE4は靭性が低い。
【0046】F1〜F6はS量を種々変化させた例であ
る。
【0047】このうちF1〜F5はS量が本発明の範囲
を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が目
標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さも5μm前
後と良好であった。これに対し、S量が本発明の範囲を
超えるF6は、割れ発生限界が低い。
【0048】G1〜G4はAl量を種々変化させた例で
ある。
【0049】このうちG1〜G3はAl量が本発明の範
囲を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が
目標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さも5μm
前後と良好であった。これに対し、Al量が本発明の範
囲を超えるG4は、割れ発生限界が低い。
【0050】H1〜H8はBi量を種々変化させた例で
ある。
【0051】このうちH2〜H7はBi量が本発明の範
囲を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が
目標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さ約4〜5
μmと良好であった。これに対し、Bi量が本発明の範
囲を下回るH1は、仕上げ面粗さが8.5μmと粗い。
また、Bi量が本発明の範囲を超えるH8は、表面疵が
多数発生し、該表面疵に基づく割れが多く見られた。
【0052】I1〜I5はN量を種々変化させた例であ
る。
【0053】このうちI1〜I4はN量が本発明の範囲
を満足する例であり、いずれも割れ発生限界改善量が目
標レベルを遙に超えると共に、仕上げ面粗さも約5μm
と良好であった。これに対し、N量が本発明の範囲を超
えるI5は、割れ発生限界改善量が2%と、目標レベル
に達しなかった。
【0054】J1〜J8は、Ni等の各種合金元素添加
による影響を調べた例である。
【0055】このうちNiを添加したJ1,Snを添加
したJ2,Nbを添加したJ5,Moを添加したJ6,
Inを添加したJ7,Cuを添加したJ8は、いずれも
割れ発生限界改善量が目標レベルを遙に超えると共に、
仕上げ面粗さも約5μmと良好であった。これに対し、
Zrを添加したJ3、及びTiを添加したJ4は、いず
れも割れ発生限界圧縮率が低い。
【0056】K1〜K5は、加熱温度及び圧延終了温度
を変化させた例である。
【0057】このうちK1、K3〜K4は、加熱温度及
び圧延終了温度が本発明の範囲を満足する例であり、い
ずれも割れ発生限界改善量が目標レベルを遙に超えると
共に、仕上げ面粗さも約5μmと良好であった。これに
対し、加熱温度が本発明の範囲を下回るK2は、割れ発
生限界改善量が2%と、目標レベルに達しなかった。ま
た圧延終了温度が本発明の範囲を下回るK5は、鋼中に
残留歪が残存し、冷鍛工具寿命が低い。
【0058】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、Pbの代わりに被削性改善元素としてBiを含有す
る快削鋼において、Bi添加に起因する割れの発生を有
効に抑制し得る冷間鍛造性に優れた鋼、及びこの様な鋼
を効率よく製造する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bの含有量と、割れ発生限界改善量との関係を
示すグラフ。
【図2】割れ発生限界改善量の測定に使用した圧縮試験
片の形状を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にPbを含有しないBi含有快削
    鋼において、Bを0.0005%以上(質量%の意味、
    以下同じ)0.0040%未満添加することにより、B
    i添加による冷間鍛造性の低下を改善するものであるこ
    とを特徴とする冷間鍛造性に優れたBi快削鋼。
  2. 【請求項2】Bi:0.001〜0.40%, N :0.01%以下(0%を含まない) を含有し、 実質的にTiを含有しないものである請求項1に記載の
    Bi快削鋼。
  3. 【請求項3】C :0.6%以下(0%を含まない), Si:0.3%以下(0%を含まない), Mn:0.2〜2%, Al:0.05%以下(0%を含まない), P :0.20%以下(0%を含まない), S :0.08%以下(0%を含まない), Bi:0.001〜0.40%, B :0.0005%以上0.0040%未満, N :0.01%以下(0%を含まない) を含有することを特徴とする冷間鍛造性に優れた快削
    鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の鋼を、
    表面温度が800℃以上となる様に加熱した後、800
    ℃以上で熱間加工を終了することを特徴とする冷間鍛造
    性に優れた快削鋼の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100957306B1 (ko) 2007-11-30 2010-05-12 현대자동차주식회사 냉간 단조강 및 그 제조 방법
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