JP2001026464A - ガラス表面の撥水処理方法 - Google Patents
ガラス表面の撥水処理方法Info
- Publication number
- JP2001026464A JP2001026464A JP11199799A JP19979999A JP2001026464A JP 2001026464 A JP2001026464 A JP 2001026464A JP 11199799 A JP11199799 A JP 11199799A JP 19979999 A JP19979999 A JP 19979999A JP 2001026464 A JP2001026464 A JP 2001026464A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- glass surface
- repellent
- coating film
- repellent component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた撥水性と高い耐久性とを有する撥水塗
膜をガラス表面に形成することができるガラス表面の撥
水処理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 フッ素シランまたはその脱水縮合物から
なる撥水成分を含むコーティング液をガラス表面に塗布
した後、前記ガラス表面に形成された撥水塗膜を前記撥
水成分の分解温度を越える温度で加熱することを特徴と
する。
膜をガラス表面に形成することができるガラス表面の撥
水処理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 フッ素シランまたはその脱水縮合物から
なる撥水成分を含むコーティング液をガラス表面に塗布
した後、前記ガラス表面に形成された撥水塗膜を前記撥
水成分の分解温度を越える温度で加熱することを特徴と
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のウ
ィンドやサイドミラーなどのガラス表面に優れた耐久性
と撥水性とを兼備した塗膜を形成することができるガラ
ス表面の撥水処理方法に関する。
ィンドやサイドミラーなどのガラス表面に優れた耐久性
と撥水性とを兼備した塗膜を形成することができるガラ
ス表面の撥水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ガラス表面に撥水塗膜を形成する方法としては、イソプ
ロピルアルコールなどの溶媒中に、ポリジメチルシロキ
サンやポリメチルフェニルシロキサンなどの撥水性分を
分散させたコーティング液を用い、このコーティング液
をガラス表面に塗布し、乾燥させて撥水塗膜を形成する
という方法が知られている。
ガラス表面に撥水塗膜を形成する方法としては、イソプ
ロピルアルコールなどの溶媒中に、ポリジメチルシロキ
サンやポリメチルフェニルシロキサンなどの撥水性分を
分散させたコーティング液を用い、このコーティング液
をガラス表面に塗布し、乾燥させて撥水塗膜を形成する
という方法が知られている。
【0003】ところがこの方法にあっては、ポリジメチ
ルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンなどのシ
リコーン系の撥水成分を含むコーティング液を用いてお
り、これによりガラス表面に形成される撥水塗膜は、き
わめて良好な撥水性を発現する反面、耐久性に乏しいと
いう欠点があった。
ルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンなどのシ
リコーン系の撥水成分を含むコーティング液を用いてお
り、これによりガラス表面に形成される撥水塗膜は、き
わめて良好な撥水性を発現する反面、耐久性に乏しいと
いう欠点があった。
【0004】このような従来例の欠点を改良したもの
が、フルオロアルキルシランなどのフッ素シランを撥水
成分として用い、これをアルコール水溶液に酸触媒と共
に分散したコーティング液をガラス表面に塗布し、乾燥
させて撥水塗膜を形成するという方法である。
が、フルオロアルキルシランなどのフッ素シランを撥水
成分として用い、これをアルコール水溶液に酸触媒と共
に分散したコーティング液をガラス表面に塗布し、乾燥
させて撥水塗膜を形成するという方法である。
【0005】この方法によれば、撥水成分として用いた
フッ素シランの一部が酸触媒と水とによって加水分解し
てシラノール基となってガラス表面と反応し、ここに強
固な結合が発現することになり、優れた耐久性が確保さ
れるという効果が導き出される。
フッ素シランの一部が酸触媒と水とによって加水分解し
てシラノール基となってガラス表面と反応し、ここに強
固な結合が発現することになり、優れた耐久性が確保さ
れるという効果が導き出される。
【0006】このためこの方法によれば、前述のシリコ
ーン系の撥水成分を用いた撥水皮膜の撥水性が約1ヶ月
で低下するのに対し、その6倍、約6ヶ月の間撥水性が
保たれることになる。
ーン系の撥水成分を用いた撥水皮膜の撥水性が約1ヶ月
で低下するのに対し、その6倍、約6ヶ月の間撥水性が
保たれることになる。
【0007】本発明者は、このフッ素シランの優れた撥
水性と耐久性とに着目し、その優れた撥水性をさらに向
上させるべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させ
るに至ったのである。
水性と耐久性とに着目し、その優れた撥水性をさらに向
上させるべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させ
るに至ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】ずなわち請求項1記載の
発明は、フッ素シランまたはその脱水縮合物からなる撥
水成分を含むコーティング液をガラス表面に塗布した
後、前記ガラス表面に形成された撥水塗膜を前記撥水成
分の分解温度を越える温度で加熱することを特徴とする
ガラス表面の撥水処理方法をその要旨とした。
発明は、フッ素シランまたはその脱水縮合物からなる撥
水成分を含むコーティング液をガラス表面に塗布した
後、前記ガラス表面に形成された撥水塗膜を前記撥水成
分の分解温度を越える温度で加熱することを特徴とする
ガラス表面の撥水処理方法をその要旨とした。
【0009】請求項2記載の発明は、フッ素シランが、
フルオロアルキルアルコキシシランであることを特徴と
するガラス表面の撥水処理方法をその要旨とした。
フルオロアルキルアルコキシシランであることを特徴と
するガラス表面の撥水処理方法をその要旨とした。
【0010】請求項3記載の発明は、コーティング液に
おける撥水成分の含有量が0.01〜30重量%である
ことを特徴とするガラス表面の撥水処理方法をその要旨
とした。
おける撥水成分の含有量が0.01〜30重量%である
ことを特徴とするガラス表面の撥水処理方法をその要旨
とした。
【0011】請求項4記載の発明は、撥水塗膜を、16
0〜350℃で5〜60分間加熱することを特徴とする
ガラス表面の撥水処理方法をその要旨とした。
0〜350℃で5〜60分間加熱することを特徴とする
ガラス表面の撥水処理方法をその要旨とした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のガラス表面の撥水
処理方法(以下単に処理方法という)について更に詳し
く説明する。本発明の処理方法におけるコーティング液
は、フッ素シランまたはその脱水縮合物からなる撥水成
分を含んでいる。
処理方法(以下単に処理方法という)について更に詳し
く説明する。本発明の処理方法におけるコーティング液
は、フッ素シランまたはその脱水縮合物からなる撥水成
分を含んでいる。
【0013】フッ素シランとしては、CF3CH2CH2Si(OMe)
3、CF3CH2CH2SiCl3、CF3(CF2)5CH2CH2SiCl3、CF3(CF2)5
CH2CH2Si(OMe)3、CF3(CF2)7CH2CH2SiCl3、CF3(CF2)7CH2
CH2Si(OMe)3 、CF3(CF2)7CH2CH2SiMeCl2、CF3(CF2)7CH2
CH2SiMe(OMe)2 などのフルオロアルキルシラン、CF3CH2
CH2Si(OMe)3 、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)3 、CF3(CF2)5C
H2CH2SiMe(OMe)2 、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3 、CF3(CF
2)7CH2CH2SiMe(OMe)2などのフルオロアルキルアルコキ
シシラン等を挙げることができる。
3、CF3CH2CH2SiCl3、CF3(CF2)5CH2CH2SiCl3、CF3(CF2)5
CH2CH2Si(OMe)3、CF3(CF2)7CH2CH2SiCl3、CF3(CF2)7CH2
CH2Si(OMe)3 、CF3(CF2)7CH2CH2SiMeCl2、CF3(CF2)7CH2
CH2SiMe(OMe)2 などのフルオロアルキルシラン、CF3CH2
CH2Si(OMe)3 、CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)3 、CF3(CF2)5C
H2CH2SiMe(OMe)2 、CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3 、CF3(CF
2)7CH2CH2SiMe(OMe)2などのフルオロアルキルアルコキ
シシラン等を挙げることができる。
【0014】これらのフッ素シランの中から選択された
1種若しくは2種以上の混合物、またはそれらの脱水縮
合物を撥水成分として用いる。この撥水成分のコーティ
ング液における含有量としては、0.01〜30重量%
の範囲が好ましい。含有量が0.01を下回るときには
十分な撥水性が発現せず、30重量%を上回るときに
は、不経済となるばかりではなく、余剰の撥水成分がガ
ラス表面に残存することになる。
1種若しくは2種以上の混合物、またはそれらの脱水縮
合物を撥水成分として用いる。この撥水成分のコーティ
ング液における含有量としては、0.01〜30重量%
の範囲が好ましい。含有量が0.01を下回るときには
十分な撥水性が発現せず、30重量%を上回るときに
は、不経済となるばかりではなく、余剰の撥水成分がガ
ラス表面に残存することになる。
【0015】またこのコーティング液は、さらに酸触媒
とアルコールとを含んでいる。酸触媒としては、塩酸、
硝酸、硫酸、燐酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸、スルホン酸
などを用いることができるが、硫酸や燐酸は塗膜中に取
り込まれシミの原因となる恐れがあり、蟻酸や酢酸は、
触媒効果が低く初期接触角が低いという欠点がある為、
塩酸及び硝酸がより使用に適している。酸触媒の含有量
としては、0.0001〜1重量%の範囲が望ましい。
とアルコールとを含んでいる。酸触媒としては、塩酸、
硝酸、硫酸、燐酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸、スルホン酸
などを用いることができるが、硫酸や燐酸は塗膜中に取
り込まれシミの原因となる恐れがあり、蟻酸や酢酸は、
触媒効果が低く初期接触角が低いという欠点がある為、
塩酸及び硝酸がより使用に適している。酸触媒の含有量
としては、0.0001〜1重量%の範囲が望ましい。
【0016】アルコールとしては、メチルアルコール、
エチルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルア
ルコールなどを挙げることができ、特に入手容易性、価
格、さらには臭気などの点からメチルアルコール、エチ
ルアルコール、あるいはイソプロピルアルコールなどが
望ましい。
エチルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルア
ルコールなどを挙げることができ、特に入手容易性、価
格、さらには臭気などの点からメチルアルコール、エチ
ルアルコール、あるいはイソプロピルアルコールなどが
望ましい。
【0017】尚、コーティング液には、上記撥水成分、
酸触媒、アルコールのほかに、帯電防止剤や架橋剤など
を必要に応じて適宜添加することができる。
酸触媒、アルコールのほかに、帯電防止剤や架橋剤など
を必要に応じて適宜添加することができる。
【0018】このコーティング液をガラス表面に塗布す
ることで、ガラス表面に撥水塗膜を形成するのである。
コーティング液中に含まれる撥水成分(フッ素シラン)
は、3個の反応基を持っており、図1に示すように室温
で反応させたときは、3つの反応基(OCH3基)のう
ち、1個若しくは2個の反応基しか、ガラス表面のOH
基と反応せず、残りは未反応基として存在している。こ
の未反応基は水性であるために、この未反応基部分から
剥離が生じ易くなる。
ることで、ガラス表面に撥水塗膜を形成するのである。
コーティング液中に含まれる撥水成分(フッ素シラン)
は、3個の反応基を持っており、図1に示すように室温
で反応させたときは、3つの反応基(OCH3基)のう
ち、1個若しくは2個の反応基しか、ガラス表面のOH
基と反応せず、残りは未反応基として存在している。こ
の未反応基は水性であるために、この未反応基部分から
剥離が生じ易くなる。
【0019】図2は、100〜120℃の温度で加熱し
たときの状態を模式的に示したものである。図2に示す
ように、加熱処理を施した後、撥水成分(フッ素シラ
ン)の未反応基は無くなり、全ての反応基はガラス表面
のOH基と反応し、未反応基の残存による剥離は大幅に
改善され、耐久性が向上することになる。
たときの状態を模式的に示したものである。図2に示す
ように、加熱処理を施した後、撥水成分(フッ素シラ
ン)の未反応基は無くなり、全ての反応基はガラス表面
のOH基と反応し、未反応基の残存による剥離は大幅に
改善され、耐久性が向上することになる。
【0020】本発明の処理方法では、撥水塗膜を前記撥
水成分の分解温度を越える温度で加熱している。これに
より、撥水塗膜の耐久性はさらに改善されることにな
る。そのメカニズムは明らかではないが、撥水成分の分
解温度を越える温度、具体的には160〜350℃、よ
り好ましくは200〜300℃の温度で、5〜60分、
より好ましくは20〜50分間加熱することにより、撥
水成分(フッ素シラン)の反応基(OCH3基)は、図
3に示すように、分解縮合(フッ素シラン同志の反応)
を起こし、−O−Si−O−の鎖が生成される。
水成分の分解温度を越える温度で加熱している。これに
より、撥水塗膜の耐久性はさらに改善されることにな
る。そのメカニズムは明らかではないが、撥水成分の分
解温度を越える温度、具体的には160〜350℃、よ
り好ましくは200〜300℃の温度で、5〜60分、
より好ましくは20〜50分間加熱することにより、撥
水成分(フッ素シラン)の反応基(OCH3基)は、図
3に示すように、分解縮合(フッ素シラン同志の反応)
を起こし、−O−Si−O−の鎖が生成される。
【0021】−O−Si−O−の鎖の生成によってガラ
ス表面には、フッ素シランの縮合物の被膜が形成される
ことになり、このため、フッ素シランを撥水成分とする
撥水塗膜の耐久性はより一層向上することになると考え
られる。
ス表面には、フッ素シランの縮合物の被膜が形成される
ことになり、このため、フッ素シランを撥水成分とする
撥水塗膜の耐久性はより一層向上することになると考え
られる。
【0022】
【実施例】撥水成分として、CF3(CF2)nCH2C
H2Si(OMe)3 (但し、Me=CH3、n=7)で表
されるフッ素シランの加水分解物を用い、これに硝酸と
イソプロピルアルコールを、フッ素シランが1重量%、
硝酸が0.0075重量%、イソプロピルアルコールが
98.9925重量%となるように配合してコーティン
グ液を調製する。
H2Si(OMe)3 (但し、Me=CH3、n=7)で表
されるフッ素シランの加水分解物を用い、これに硝酸と
イソプロピルアルコールを、フッ素シランが1重量%、
硝酸が0.0075重量%、イソプロピルアルコールが
98.9925重量%となるように配合してコーティン
グ液を調製する。
【0023】次いでこのコーティング液をガラス表面に
塗布する。塗布後、室温(20℃)で5分間放置したも
の(比較例1)、同じく室温(20℃)で60分間放置
したもの(比較例2)、50℃で1時間熱処理したもの
(比較例3)について、各撥水塗膜を形成したガラス表
面をワイパーで0〜120分間往復動させたときのそれ
ぞれの撥水塗膜の接触角を測定し、その耐久性を評価し
た。その結果を図4に示す。
塗布する。塗布後、室温(20℃)で5分間放置したも
の(比較例1)、同じく室温(20℃)で60分間放置
したもの(比較例2)、50℃で1時間熱処理したもの
(比較例3)について、各撥水塗膜を形成したガラス表
面をワイパーで0〜120分間往復動させたときのそれ
ぞれの撥水塗膜の接触角を測定し、その耐久性を評価し
た。その結果を図4に示す。
【0024】図4から、比較例1〜3のいずれも塗膜
も、30分ほどで撥水性が損なわれてしまった。
も、30分ほどで撥水性が損なわれてしまった。
【0025】図5は、比較例1〜3と同じコーティング
液を塗布することで形成されたガラス表面の撥水塗膜を
100℃で60分間熱処理したもの(比較例4)と、同
じく撥水塗膜を150℃で60分間熱処理したもの(比
較例5)とについて、同様にそれらの耐久性を評価した
結果を示すものである。
液を塗布することで形成されたガラス表面の撥水塗膜を
100℃で60分間熱処理したもの(比較例4)と、同
じく撥水塗膜を150℃で60分間熱処理したもの(比
較例5)とについて、同様にそれらの耐久性を評価した
結果を示すものである。
【0026】図5から、比較例4及び5の塗膜は、前述
の比較例1〜3のものに比べ2倍以上の時間、すなわち
70〜80分で撥水性の低下が見られる。これは図2に
示すように、熱処理によって撥水成分(フッ素シラン)
のすべての反応基がガラス表面のOH基と反応して、そ
の耐久性が向上しているからであると考えられる。
の比較例1〜3のものに比べ2倍以上の時間、すなわち
70〜80分で撥水性の低下が見られる。これは図2に
示すように、熱処理によって撥水成分(フッ素シラン)
のすべての反応基がガラス表面のOH基と反応して、そ
の耐久性が向上しているからであると考えられる。
【0027】図6は、比較例1〜3と同じコーティング
液を塗布することで形成されたガラス表面の撥水塗膜を
200℃で60分間熱処理したもの(実施例1)と、同
じく撥水塗膜を250℃で60分間熱処理したもの(実
施例2)と、同じく撥水塗膜を300℃で60分間熱処
理したもの(実施例3)とについて、同様にそれらの耐
久性を評価した結果を示すものである。
液を塗布することで形成されたガラス表面の撥水塗膜を
200℃で60分間熱処理したもの(実施例1)と、同
じく撥水塗膜を250℃で60分間熱処理したもの(実
施例2)と、同じく撥水塗膜を300℃で60分間熱処
理したもの(実施例3)とについて、同様にそれらの耐
久性を評価した結果を示すものである。
【0028】図6から、実施例1〜3の塗膜は、前述の
比較例1〜3のものに比べ3〜4倍以上の時間、すなわ
ち100〜120分で撥水性の低下が見られる。これは
図3に示すように、撥水成分の分解温度を越える温度で
熱処理することによって、撥水成分(フッ素シラン)同
志が反応を起こし、ガラス表面に撥水成分(フッ素シラ
ン)の被膜を形成し、この結果、塗膜の耐久性が著しく
向上したものと考えられる。
比較例1〜3のものに比べ3〜4倍以上の時間、すなわ
ち100〜120分で撥水性の低下が見られる。これは
図3に示すように、撥水成分の分解温度を越える温度で
熱処理することによって、撥水成分(フッ素シラン)同
志が反応を起こし、ガラス表面に撥水成分(フッ素シラ
ン)の被膜を形成し、この結果、塗膜の耐久性が著しく
向上したものと考えられる。
【0029】次に、比較例1〜3と同じコーティング液
を塗布することで形成されたガラス表面の撥水塗膜を、
250℃の温度で、0分、1分、3分、5分、15分、
30分、60分のそれぞれの時間で熱処理し、塗膜の耐
久性の変化を調べた。その結果を図7に示す。
を塗布することで形成されたガラス表面の撥水塗膜を、
250℃の温度で、0分、1分、3分、5分、15分、
30分、60分のそれぞれの時間で熱処理し、塗膜の耐
久性の変化を調べた。その結果を図7に示す。
【0030】図7から、熱処理の時間が、5分を過ぎる
と塗膜の耐久性は急激に向上し、時間が15分、30分
と長くなるにつれて耐久性も高く成っていくことが確認
された。
と塗膜の耐久性は急激に向上し、時間が15分、30分
と長くなるにつれて耐久性も高く成っていくことが確認
された。
【0031】
【発明の効果】本発明の処理方法にあっては、フッ素シ
ランまたはその脱水縮合物からなる撥水成分を含むコー
ティング液をガラス表面に塗布した後、前記ガラス表面
に形成された撥水塗膜を前記撥水成分の分解温度を越え
る温度で加熱するようにしたことから、優れた撥水性を
備え、しかも従来のシリコーン系の撥水成分を用いたも
のに比べて約24倍、同じくフッ素シランを撥水成分と
して用いてはいるものの、撥水成分の分解温度を越える
温度で熱処理していないもののに比べて約4倍もの高い
耐久性を有する撥水塗膜をガラス表面に形成することが
できる。
ランまたはその脱水縮合物からなる撥水成分を含むコー
ティング液をガラス表面に塗布した後、前記ガラス表面
に形成された撥水塗膜を前記撥水成分の分解温度を越え
る温度で加熱するようにしたことから、優れた撥水性を
備え、しかも従来のシリコーン系の撥水成分を用いたも
のに比べて約24倍、同じくフッ素シランを撥水成分と
して用いてはいるものの、撥水成分の分解温度を越える
温度で熱処理していないもののに比べて約4倍もの高い
耐久性を有する撥水塗膜をガラス表面に形成することが
できる。
【図1】 ガラス表面に形成された撥水塗膜を模式的に
示した拡大図。
示した拡大図。
【図2】 ガラス表面に形成された撥水塗膜を熱処理し
たものを模式的に示した拡大図。
たものを模式的に示した拡大図。
【図3】 ガラス表面に形成された撥水塗膜を当該撥水
成分の分解温度を越える温度で熱処理したものを模式的
に示した拡大図。
成分の分解温度を越える温度で熱処理したものを模式的
に示した拡大図。
【図4】 比較例1〜3の撥水塗膜の耐久性を示したグ
ラフ。
ラフ。
【図5】 比較例4及び5の撥水塗膜の耐久性を示した
グラフ。
グラフ。
【図6】 実施例1〜3の撥水塗膜の耐久性を示したグ
ラフ。
ラフ。
【図7】 撥水塗膜の熱処理と耐久性との関係を示した
グラフ。
グラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 フッ素シランまたはその脱水縮合物から
なる撥水成分を含むコーティング液をガラス表面に塗布
した後、前記ガラス表面に形成された撥水塗膜を前記撥
水成分の分解温度を越える温度で加熱することを特徴と
するガラス表面の撥水処理方法。 - 【請求項2】 フッ素シランが、フルオロアルキルアル
コキシシランであることを特徴とする請求項1記載のガ
ラス表面の撥水処理方法。 - 【請求項3】 コーティング液における撥水成分の含有
量が0.01〜30重量%であることを特徴とする請求
項1記載のガラス表面の撥水処理方法。 - 【請求項4】 撥水塗膜を、160〜350℃で5〜6
0分間加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
かに記載のガラス表面の撥水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11199799A JP2001026464A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | ガラス表面の撥水処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11199799A JP2001026464A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | ガラス表面の撥水処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001026464A true JP2001026464A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=16413827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11199799A Pending JP2001026464A (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | ガラス表面の撥水処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001026464A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009519363A (ja) * | 2005-12-15 | 2009-05-14 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 滑らかな無機表面に易洗浄特性を耐摩耗的及び耐候的に施与するための貯蔵安定性のコーティング組成物 |
JP2009519362A (ja) * | 2005-12-15 | 2009-05-14 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 滑らかな無機表面に易洗浄特性を耐摩耗的及び耐候的に施与するための貯蔵安定性のコーティング組成物 |
-
1999
- 1999-07-14 JP JP11199799A patent/JP2001026464A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009519363A (ja) * | 2005-12-15 | 2009-05-14 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 滑らかな無機表面に易洗浄特性を耐摩耗的及び耐候的に施与するための貯蔵安定性のコーティング組成物 |
JP2009519362A (ja) * | 2005-12-15 | 2009-05-14 | エボニック デグサ ゲーエムベーハー | 滑らかな無機表面に易洗浄特性を耐摩耗的及び耐候的に施与するための貯蔵安定性のコーティング組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH05170486A (ja) | ガラス表面用撥水処理剤およびその撥水処理ガラス | |
US5026813A (en) | Polysilsequioxane and polymethyl-N-hexylsilsesquioxane coating compositions | |
JP2005512309A (ja) | フォトリソグラフィー用スピンオン反射防止膜 | |
JP4988598B2 (ja) | C4−燕尾シランを含有する組成物 | |
US5102967A (en) | Process for making polysilsequioxane and polymethyl-n-hexylsilsesquioxane coating compositions and coating compositions formed thereby | |
WO1998040323A1 (en) | A substrate having a treatment surface | |
JP2003534439A (ja) | エマルジョンおよび撥水性組成物 | |
JP2010209280A (ja) | フッ素含有ナノコンポジット粒子およびその製造方法 | |
JP2978421B2 (ja) | 撥水剤組成物 | |
US4981986A (en) | Organosilicon compound | |
JPH10251516A (ja) | シランオリゴマー組成物 | |
JP3572679B2 (ja) | 撥水処理剤 | |
JP2001026464A (ja) | ガラス表面の撥水処理方法 | |
JPH11513359A (ja) | 表面に不粘着性および非湿潤性を与える系 | |
US20020001676A1 (en) | Capped silicone film and method of manufacture thereof | |
JP2007161770A (ja) | 親水性被膜形成用塗布液とその製造方法及び親水性被膜並びに親水性被膜の成膜方法 | |
JP3774917B2 (ja) | 含フッ素有機ケイ素化合物 | |
KR101249782B1 (ko) | 열경화형 침지코팅 조성물 | |
JP2009138228A (ja) | 撥水撥油防汚性貴金属製品とその製造方法 | |
JPH05171111A (ja) | 高耐久撥水皮膜の形成溶液 | |
JP2002029783A (ja) | 表面改質ガラス及びその製造方法 | |
JPH09255941A (ja) | 撥水処理剤およびその製造方法 | |
JP4265925B2 (ja) | 滑水性被膜の製造方法および滑水性被膜形成用塗布液 | |
JP2005255720A (ja) | 撥水・撥油性による防汚性と親水性による高洗浄性をもつガラスの表面組成物及び処理方法 | |
JP2021080314A (ja) | 撥水処理剤、撥水構造体、及び撥水構造体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060706 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080918 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080922 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090203 |