JP3572679B2 - 撥水処理剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラス等の表面を処理することにより得られる撥水性能はもとより、耐久性に優れた表面処理を行うことができる撥水処理剤に関するもので、車輛用、船舶用、航空機用あるいは建築用等のウィンドウガラス及びミラー等に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来の撥水処理剤としては、スーパーレインX(米国、ユネルコ社製、商品名)に代表される自動車用撥水処理剤のように、イソプロピルアルコールにポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンを分散したものが、自動車用ケミカルパーツとして市販されている。また、近年ウォッシャー液に混合してフロントウィンドウを洗浄することにより撥水性を付与するウォッシャー液混合用撥水剤等も市販されており、例えばリンダ(横浜油脂株式会社製、商品名)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の撥水処理剤にあっては、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンを、アルコール等の溶媒に単に分散した撥水処理剤であるため、処理対象基材の表面に薄く塗りのばされるだけであり、化学結合がないため耐久性に乏しく、約1ケ月弱で撥水性能が低下してくる。また、基本骨格が炭化水素系であるため、初期の水との接触角が低いという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、その目的は、密着性、耐候性に優れた撥水処理を行うことができ、更には保存安定性に優れた撥水処理剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、本願第1発明に係る撥水処理剤は、0.0002〜0.01重量%の酸触媒、1〜10重量%のフルオロアルキルシラン及びフルオロアルキルシラン量に対し1〜15倍モルの水をアルコールに溶解し、加熱還流することにより加水分解してなることを特徴とする。また、本願第2発明に係る撥水処理剤は、前記本願第1発明に係る撥水処理剤を、水又は自動車用窓ガラス用ウォッシャー液に1〜10重量%混合することを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明は、フッ素含有基を有するフルオロアルキルシランをアルコールに分散し、しかもこのフルオロアルキルシランの一部を酸触媒および水により加水分解してガラスと反応性の高いシラノール基を得るものである。
【0007】
更に本発明は、前記加水分解した撥水処理剤を、ウォッシャー液又は水に混合し、また塗膜に影響を及ぼさないよう加水分解時の酸の濃度を調製し、ウォッシャー液や水によるフロントウインドウの洗浄時に撥水処理が行なえるようにしたものである。
【0008】
本発明において使用するフルオロアルキルシランの種類としては、
CF3CH2CH2Si(OMe)3, CF3CH2CH2SiCl3, CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)3, CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)Cl3, CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3, CF3(CF2)7CH2CH2SiCl3, CF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2, CF3(CF2)7CH2CH2SiMe(Cl)2 等を挙げることができる。
フルオロアルキルシラン量を1〜10重量%とするのは、酸触媒および水によって加水分解反応が行われる場合に、1〜10重量%は作業性に著しく優れた範囲にあり、加水分解物を製造し易いためである。
【0009】
更に、本発明における酸はフルオロアルキルシランを加水分解する際の触媒として働き、塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、ぎ酸、しゅう酸、酢酸等から成る群より選択されるが、硫酸およびりん酸は塗膜等に付着した場合に塗膜中に取り込まれてシミ等の原因となり、またぎ酸等の有機酸は触媒効果が低く撥水性能が低くなるため、塩酸又は硝酸を使用することが望ましい。
また、酸触媒量は、0.0002重量%未満では添加効果がなく、0.001 重量%を超えると処理剤中でフルオロアルキルシラン同士の重縮合が促進されるため、液の保存低性が低下し好ましくない。
【0010】
また、本発明で使用するアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール及びアミルアルコールから成る群より選択されるが、塗装に付着した場合や臭気を考慮してメチルアルコール、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールから成る群から選択される一種またはに二種以上を混合して用いることが望ましい。
【0011】
また、水の添加量は、フルオロアルキルシラン量に対し等モル未満であれば加水分解反応が困難で、15倍モルを超えれば液の保存安定性が低下するため、1〜15倍モルが好ましい。
【0012】
本願第1発明における撥水処理剤は、上記所定量の酸触媒、フルオロアルキルシラン及び水をアルコールに溶解し、好ましくは70〜90℃の温度で加熱還流することにより得られる。
【0013】
更に、本願第二発明における撥水処理剤は、上記本願の第一発明で得られた撥水処理剤を、水又は自動車用窓ガラス用ウォッシャー液に1〜10重量%混合分散して成るものである。
【0014】
前記したウォッシャー液は、市販のウォッシャー液の使用が可能である。市販のウォッシャー液には、各種界面活性剤、グリコール等の添加剤、各種金属防剤錆剤、着色剤等が添加されているが、これらが混合されてもよい。
【0015】
混合量を、水又は自動車用ウォッシャー液に対して、1〜10重量%とするのは、ウォッシャー液タンクに本願第1発明で得られた混合溶液を投入し、ワイパーを作動させながらウォッシャー液を噴霧し、撥水性能およびワイパージャダーを評価し(図1参照)、塗膜に対するシミの発生について評価した(図2参照)結果から、1重量%未満では充分な撥水性能が得られず、10重量%を超えるとワイパージャダーが発生しやすくなり、更には、塗装塗膜に付着した場合、シミ等の不具合や腐食の原因となり好ましくないからである。シミ等の不具合がなく90°以上の接触角を得るには1〜10重量%の混合量が好ましい。
【0016】
【実施例】
本発明を次の実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 硝酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0017】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を、約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。
【0018】
作製した撥水処理剤を、自動車のフロントウィンドウに塗布し撥水処理し、初期接触角および耐久性について評価した。また、撥水処理剤をガラス瓶に入れ密栓した状態で室温下に放置し、撥水処理剤としてのポットライフも評価した。接触角測定は、撥水処理剤をガラス基板に塗布し、その後室温で5分間乾燥し、さらにイソプロピルアルコールでふき取り仕上げ、大気中での水滴との接触角を測定した。接触角が100 °を切るまでの放置日数を、撥水処理剤のポットライフとして評価した。また、撥水処理ガラスとしての耐久性評価は、実車走行にて行った。
【0019】
撥水処理剤の組成および得られた初期接触角、耐久性並びにポットライフを表1に示す。得られた撥水処理剤のポットライフは、約6ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約7ケ月となり充分優れるものであった。
【0020】
実施例2
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 15.1g
(3) 硝酸 (0.14重量%) 0.9g
【0021】
具体的てには(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を組成とともに表1にまとめて示す。
【0022】
得られた撥水処理液のポットライフは、約8ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約6ケ月となり充分優れるものであった。
【0023】
実施例3
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として塩酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 塩酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0024】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の塩酸及び(4) の水を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を組成とともに表1に示す。
【0025】
得られた撥水処理剤のポットライフは、約6ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約7ケ月となり充分優れるものであった。
【0026】
実施例4
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として塩酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 15.1g
(3) 塩酸 (0.14重量%) 0.9g
【0027】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン及び(3) の塩酸を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を組成とともに表1に示す。
【0028】
得られた撥水処理剤のポットライフは、約8ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約6ケ月となり充分優れるものであった。
【0029】
実施例4
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 硝酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0030】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。このように作製した撥水処理剤を25g 採取し、日産純正ウォッシャー液を475gと混合し、ウォッシャー液混合撥水処理剤とした。
なお、日産純正ウォッシャー液は、メタノールを35重量%、界面活性剤を0.1 重量%、エチレングリコールを3重量%、金属防錆剤を0.4 重量%、残部は水から構成されている。
【0031】
作製したウォッシャー液混合撥水処理剤を自動車のウォッシャー液混合タンクに投入し、ワイパーを作動させながら、ウォッシャー液を噴霧し撥水処理した。撥水処理剤の組成およびウォッシャー液を噴霧し撥水処理したガラスの初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0032】
実施例6
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として塩酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 塩酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0033】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。このように作製した撥水処理剤を25g 採取し、日産純正ウォッシャー液を475gと混合し、ウォッシャー液混合撥水処理剤とした。
【0034】
作製したウォッシャー液混合撥水処理剤を自動車のウォッシャー液混合タンクに投入し、ワイパーを作動させながら、ウォッシャー液を噴霧し撥水処理した。撥水処理剤の組成およびウォッシャー液を噴霧し撥水処理したガラスの初期接触角、耐久性ポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
自動車ウインドウォッシャー液混合用市販品、製品名リンダ(横浜油脂株式会社製)を使用し、500gのウォッシャー液混合撥水処理剤を作製した。
作製したウォッシャー液混合撥水処理剤を自動車のウォッシャー液混合タンクに投入し、ワイパーを作動させながら、ウォッシャー液を噴霧し撥水処理した。撥水処理剤の組成およびウォッシャー液を噴霧し撥水処理したガラスの初期接触角及び耐久性を実施例1に従って評価し、その結果を表1に示す。
初期接触角は80°と悪く、耐久性も1ケ月と悪いものとなった。
【0036】
比較例2
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.75g
(3) 硝酸 (1.5 重量%) 0.01g
【0037】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン及び(3) の硝酸を混合した溶液を、約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。このように作製した撥水処理剤の組成及び、実施例1に従って評価した初期接触角を表1に示す。得られた撥水性ガラスは、初期接触角が70°と悪いものとなった。
【0038】
比較例3
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 24.5g
(3) 硝酸(0.035重量%) 8.1g
(4) 水 5.9g
【0039】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を、約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の組成、初期接触角、耐久性及びポットライフを表1に示す。
得られた撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約6ケ月となって充分優れるものの、ポットライフは約1ケ月と短いものとなった。
【0040】
比較例4
実施例1において、撥水処理剤を作製する際の加熱還流を実施せず、室温(約25℃)で3時間攪拌して撥水処理剤を作製したこと以外は、実施例1と同様に製造した。
撥水処理剤の組成および初期接触角を表1に示す。
得られた撥水性ガラスは、初期接触角が70°と悪いものとなった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の撥水処理剤は、密着性、撥水性、耐候性等に優れるもので、格段に撥水性能が優れた耐候性を示すものであり、建築用もしくは自動車用窓材をはじめ、各種ガラス物品等に好適に採用でき、有用な保存安定性に優れたものである。更に本発明の撥水処理剤を用いることにより、光学特性を損なうことなく、手軽に容易に撥水ガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水処理剤のフルオロアルキルシラン含有量と接触角の関係を示す線図である。
【図2】本発明の撥水処理剤の触媒量と接触角の関係を示す線図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラス等の表面を処理することにより得られる撥水性能はもとより、耐久性に優れた表面処理を行うことができる撥水処理剤に関するもので、車輛用、船舶用、航空機用あるいは建築用等のウィンドウガラス及びミラー等に有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来の撥水処理剤としては、スーパーレインX(米国、ユネルコ社製、商品名)に代表される自動車用撥水処理剤のように、イソプロピルアルコールにポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンを分散したものが、自動車用ケミカルパーツとして市販されている。また、近年ウォッシャー液に混合してフロントウィンドウを洗浄することにより撥水性を付与するウォッシャー液混合用撥水剤等も市販されており、例えばリンダ(横浜油脂株式会社製、商品名)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の撥水処理剤にあっては、ポリジメチルシロキサンやポリメチルフェニルシロキサンを、アルコール等の溶媒に単に分散した撥水処理剤であるため、処理対象基材の表面に薄く塗りのばされるだけであり、化学結合がないため耐久性に乏しく、約1ケ月弱で撥水性能が低下してくる。また、基本骨格が炭化水素系であるため、初期の水との接触角が低いという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、その目的は、密着性、耐候性に優れた撥水処理を行うことができ、更には保存安定性に優れた撥水処理剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、本願第1発明に係る撥水処理剤は、0.0002〜0.01重量%の酸触媒、1〜10重量%のフルオロアルキルシラン及びフルオロアルキルシラン量に対し1〜15倍モルの水をアルコールに溶解し、加熱還流することにより加水分解してなることを特徴とする。また、本願第2発明に係る撥水処理剤は、前記本願第1発明に係る撥水処理剤を、水又は自動車用窓ガラス用ウォッシャー液に1〜10重量%混合することを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明は、フッ素含有基を有するフルオロアルキルシランをアルコールに分散し、しかもこのフルオロアルキルシランの一部を酸触媒および水により加水分解してガラスと反応性の高いシラノール基を得るものである。
【0007】
更に本発明は、前記加水分解した撥水処理剤を、ウォッシャー液又は水に混合し、また塗膜に影響を及ぼさないよう加水分解時の酸の濃度を調製し、ウォッシャー液や水によるフロントウインドウの洗浄時に撥水処理が行なえるようにしたものである。
【0008】
本発明において使用するフルオロアルキルシランの種類としては、
CF3CH2CH2Si(OMe)3, CF3CH2CH2SiCl3, CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)3, CF3(CF2)5CH2CH2Si(OMe)Cl3, CF3(CF2)7CH2CH2Si(OMe)3, CF3(CF2)7CH2CH2SiCl3, CF3(CF2)7CH2CH2SiMe(OMe)2, CF3(CF2)7CH2CH2SiMe(Cl)2 等を挙げることができる。
フルオロアルキルシラン量を1〜10重量%とするのは、酸触媒および水によって加水分解反応が行われる場合に、1〜10重量%は作業性に著しく優れた範囲にあり、加水分解物を製造し易いためである。
【0009】
更に、本発明における酸はフルオロアルキルシランを加水分解する際の触媒として働き、塩酸、硝酸、硫酸、りん酸、ぎ酸、しゅう酸、酢酸等から成る群より選択されるが、硫酸およびりん酸は塗膜等に付着した場合に塗膜中に取り込まれてシミ等の原因となり、またぎ酸等の有機酸は触媒効果が低く撥水性能が低くなるため、塩酸又は硝酸を使用することが望ましい。
また、酸触媒量は、0.0002重量%未満では添加効果がなく、0.001 重量%を超えると処理剤中でフルオロアルキルシラン同士の重縮合が促進されるため、液の保存低性が低下し好ましくない。
【0010】
また、本発明で使用するアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール及びアミルアルコールから成る群より選択されるが、塗装に付着した場合や臭気を考慮してメチルアルコール、エチルアルコールおよびイソプロピルアルコールから成る群から選択される一種またはに二種以上を混合して用いることが望ましい。
【0011】
また、水の添加量は、フルオロアルキルシラン量に対し等モル未満であれば加水分解反応が困難で、15倍モルを超えれば液の保存安定性が低下するため、1〜15倍モルが好ましい。
【0012】
本願第1発明における撥水処理剤は、上記所定量の酸触媒、フルオロアルキルシラン及び水をアルコールに溶解し、好ましくは70〜90℃の温度で加熱還流することにより得られる。
【0013】
更に、本願第二発明における撥水処理剤は、上記本願の第一発明で得られた撥水処理剤を、水又は自動車用窓ガラス用ウォッシャー液に1〜10重量%混合分散して成るものである。
【0014】
前記したウォッシャー液は、市販のウォッシャー液の使用が可能である。市販のウォッシャー液には、各種界面活性剤、グリコール等の添加剤、各種金属防剤錆剤、着色剤等が添加されているが、これらが混合されてもよい。
【0015】
混合量を、水又は自動車用ウォッシャー液に対して、1〜10重量%とするのは、ウォッシャー液タンクに本願第1発明で得られた混合溶液を投入し、ワイパーを作動させながらウォッシャー液を噴霧し、撥水性能およびワイパージャダーを評価し(図1参照)、塗膜に対するシミの発生について評価した(図2参照)結果から、1重量%未満では充分な撥水性能が得られず、10重量%を超えるとワイパージャダーが発生しやすくなり、更には、塗装塗膜に付着した場合、シミ等の不具合や腐食の原因となり好ましくないからである。シミ等の不具合がなく90°以上の接触角を得るには1〜10重量%の混合量が好ましい。
【0016】
【実施例】
本発明を次の実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 硝酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0017】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を、約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。
【0018】
作製した撥水処理剤を、自動車のフロントウィンドウに塗布し撥水処理し、初期接触角および耐久性について評価した。また、撥水処理剤をガラス瓶に入れ密栓した状態で室温下に放置し、撥水処理剤としてのポットライフも評価した。接触角測定は、撥水処理剤をガラス基板に塗布し、その後室温で5分間乾燥し、さらにイソプロピルアルコールでふき取り仕上げ、大気中での水滴との接触角を測定した。接触角が100 °を切るまでの放置日数を、撥水処理剤のポットライフとして評価した。また、撥水処理ガラスとしての耐久性評価は、実車走行にて行った。
【0019】
撥水処理剤の組成および得られた初期接触角、耐久性並びにポットライフを表1に示す。得られた撥水処理剤のポットライフは、約6ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約7ケ月となり充分優れるものであった。
【0020】
実施例2
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 15.1g
(3) 硝酸 (0.14重量%) 0.9g
【0021】
具体的てには(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を組成とともに表1にまとめて示す。
【0022】
得られた撥水処理液のポットライフは、約8ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約6ケ月となり充分優れるものであった。
【0023】
実施例3
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として塩酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 塩酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0024】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の塩酸及び(4) の水を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を組成とともに表1に示す。
【0025】
得られた撥水処理剤のポットライフは、約6ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約7ケ月となり充分優れるものであった。
【0026】
実施例4
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として塩酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 15.1g
(3) 塩酸 (0.14重量%) 0.9g
【0027】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン及び(3) の塩酸を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を組成とともに表1に示す。
【0028】
得られた撥水処理剤のポットライフは、約8ケ月と優れ、またこの撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約6ケ月となり充分優れるものであった。
【0029】
実施例4
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 硝酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0030】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。このように作製した撥水処理剤を25g 採取し、日産純正ウォッシャー液を475gと混合し、ウォッシャー液混合撥水処理剤とした。
なお、日産純正ウォッシャー液は、メタノールを35重量%、界面活性剤を0.1 重量%、エチレングリコールを3重量%、金属防錆剤を0.4 重量%、残部は水から構成されている。
【0031】
作製したウォッシャー液混合撥水処理剤を自動車のウォッシャー液混合タンクに投入し、ワイパーを作動させながら、ウォッシャー液を噴霧し撥水処理した。撥水処理剤の組成およびウォッシャー液を噴霧し撥水処理したガラスの初期接触角、耐久性及びポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0032】
実施例6
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として塩酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 3g
(3) 塩酸(0.035重量%) 1g
(4) 水 0.2g
【0033】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。このように作製した撥水処理剤を25g 採取し、日産純正ウォッシャー液を475gと混合し、ウォッシャー液混合撥水処理剤とした。
【0034】
作製したウォッシャー液混合撥水処理剤を自動車のウォッシャー液混合タンクに投入し、ワイパーを作動させながら、ウォッシャー液を噴霧し撥水処理した。撥水処理剤の組成およびウォッシャー液を噴霧し撥水処理したガラスの初期接触角、耐久性ポットライフを実施例1に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0035】
比較例1
自動車ウインドウォッシャー液混合用市販品、製品名リンダ(横浜油脂株式会社製)を使用し、500gのウォッシャー液混合撥水処理剤を作製した。
作製したウォッシャー液混合撥水処理剤を自動車のウォッシャー液混合タンクに投入し、ワイパーを作動させながら、ウォッシャー液を噴霧し撥水処理した。撥水処理剤の組成およびウォッシャー液を噴霧し撥水処理したガラスの初期接触角及び耐久性を実施例1に従って評価し、その結果を表1に示す。
初期接触角は80°と悪く、耐久性も1ケ月と悪いものとなった。
【0036】
比較例2
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 0.75g
(3) 硝酸 (1.5 重量%) 0.01g
【0037】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン及び(3) の硝酸を混合した溶液を、約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。このように作製した撥水処理剤の組成及び、実施例1に従って評価した初期接触角を表1に示す。得られた撥水性ガラスは、初期接触角が70°と悪いものとなった。
【0038】
比較例3
アルコールとしてイソプロピルアルコール、フルオロアルキルシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、酸として硝酸をそれぞれ用い、次に示す配合で撥水処理剤を調製した。
成分 配合量
(1) イソプロピルアルコール 150g
(2) ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン 24.5g
(3) 硝酸(0.035重量%) 8.1g
(4) 水 5.9g
【0039】
具体的には、(1) のイソプロピルアルコールに、(2) のヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、(3) の硝酸及び(4) の水を混合した溶液を、約80℃で3時間加熱還流し、冷却して撥水処理剤を作製した。作製した撥水処理剤の組成、初期接触角、耐久性及びポットライフを表1に示す。
得られた撥水処理剤にて処理した撥水性ガラスは、初期接触角が110 °、耐久性が約6ケ月となって充分優れるものの、ポットライフは約1ケ月と短いものとなった。
【0040】
比較例4
実施例1において、撥水処理剤を作製する際の加熱還流を実施せず、室温(約25℃)で3時間攪拌して撥水処理剤を作製したこと以外は、実施例1と同様に製造した。
撥水処理剤の組成および初期接触角を表1に示す。
得られた撥水性ガラスは、初期接触角が70°と悪いものとなった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の撥水処理剤は、密着性、撥水性、耐候性等に優れるもので、格段に撥水性能が優れた耐候性を示すものであり、建築用もしくは自動車用窓材をはじめ、各種ガラス物品等に好適に採用でき、有用な保存安定性に優れたものである。更に本発明の撥水処理剤を用いることにより、光学特性を損なうことなく、手軽に容易に撥水ガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撥水処理剤のフルオロアルキルシラン含有量と接触角の関係を示す線図である。
【図2】本発明の撥水処理剤の触媒量と接触角の関係を示す線図である。
Claims (4)
- 0.0002〜0.01重量%の酸触媒、1〜10重量%のフルオロアルキルシラン及びフルオロアルキルシラン量に対し1〜15倍モルの水をアルコールに溶解し、加熱還流することにより加水分解してなることを特徴とする撥水処理剤。
- 0.0002〜0.01重量%の酸触媒、1〜10重量%のフルオロアルキルシラン及びフルオロアルキルシラン量に対し1〜15倍モルの水をアルコールに溶解し、加熱還流することにより加水分解したものを、水又は自動車用窓ガラス用ウォッシャー液に1〜10重量%混合することを特徴とする撥水処理剤。
- 請求項1又は2に記載の撥水処理剤において、酸触媒は塩酸又は硝酸であることを特徴とする撥水処理剤。
- 請求項1又は2に記載の撥水処理剤において、加熱還流を、温度70〜80℃で行うことを特徴とする撥水処理剤。
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