JP2001025640A - 還元された触媒溶液を再循環させることによる硫化水素含有ガスの処理方法およびその装置 - Google Patents
還元された触媒溶液を再循環させることによる硫化水素含有ガスの処理方法およびその装置Info
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Abstract
多価金属イオンによるキレートを含む触媒溶液を用いた
酸化還元によるプロセスにおいて、吸収段階後の微細な
硫黄粒子の数を減らす方法を開発する。 【解決手段】 少なくとも下記の段階、すなわち (a) 硫化水素の硫黄への酸化と多価金属イオンの還元
反応が起こるのに適した条件下で、キレート化剤と多価
金属イオンによるキレートを含む触媒溶液と供給ガスを
接触させる段階 (b) 一方で硫化水素を実質的に含まない供給ガスを回
収し、他方で少なくとも還元されて元素状硫黄を含む触
媒溶液を回収する段階 (c) 微細な硫黄粒子の数を減らすために、少なくとも
還元されて固体の元素状硫黄を含む、前記触媒溶液の少
なくともフラクションF1を再循環する段階からなる硫
化水素含有ガスを脱硫するための改良方法。
Description
まれており、接触段階後に化学的酸化還元反応によって
生成した元素状硫黄を従来以上に容易に除去する硫化水
素含有ガスの改良脱硫法に関する。硫黄粒子の平均粒径
を大きくすることおよび特に、微細な硫黄粒子の数を減
らすことを可能にする選択された条件下で、元素状硫黄
を含む接触段階後の触媒溶液の少なくとも一部を吸着段
階へ再循環させる。
給ガスを接触させる、少なくとも硫化水素を含むガスを
脱硫するいわゆる『酸化還元』タイプの方法に適用され
る。触媒溶液は、例えば、硫化水素の元素状硫黄への酸
化反応および随伴するキレート化された多価金属イオン
の高酸化レベルから低酸化レベルへの還元反応に適した
条件下で、少なくとも1種類のキレート化剤でキレート
化された多価金属イオンを含む。吸収段階の後で、一方
では硫化水素を実質的に含まない流出ガスを回収し、他
方では少なくとも一部は還元されて浮遊粒子の形の元素
状硫黄を含む触媒溶液を回収する。触媒溶液の少なくと
も一部は、例えば、硫黄粒子のサイズを大きくするため
に吸収段階に再循環させる。硫黄を含む触媒溶液の再循
環させない部分は、分離段階の間に懸濁物質として存在
する硫黄の大部分を除いて、例えば吸収段階において使
用する前に、再生段階、すなわち空気による再生段階に
送る。
とおよび方法中に生成した元素状硫黄を回収することが
可能な多くの酸化還元法およびその関連装置が記載され
ている。
元反応段階からなっている。
いて、処理すべきガスに存在する硫化水素は、式(1)に
従ってキレート化された鉄(III)イオンと反応する。
っている。この硫黄は、以下の記述においては、『自然
硫黄(native sulfur)』と称する。
って、鉄(II)イオンは空気中の酸素によって再び酸化さ
れる。
明細書、同第4,859,436号明細書および同第4,
532,118号明細書ならびに国際公開特許明細書第
92/17,401号(DE 34 44,252号)に記載
されているが、これらの資料には、精製して再生するた
めに触媒溶液中の(細かな)自然硫黄の量を減らすよう、
少なくとも一部は還元されて元素状硫黄を含む触媒溶液
の一部をアブソーバに再循環させることについては、記
述も示唆もない。ただし、米国特許第5,753,189
号には、吸収ゾーンの硫黄濃度を調節するために、硫黄
を除いた還元された触媒溶液の一部を再循環することが
記載されている。
れる水性触媒溶液は、概して、硫黄をほとんど溶かさな
い溶媒である。従って、微細な自然硫黄の存在は、これ
らの工程の進行を妨げかねない。
分離などの機械的方法を用いる硫黄分離装置が含まれて
いる。微細な硫黄粒子が存在すると、例えば頻繁にろ紙
の目詰まりが起こって、この分離操作が妨げられる。
きは、この方法には、通常、空気による再生の前に硫黄
含有触媒溶液を予備的に減圧(expansion)させる段階が
含まれる。この減圧により溶液の脱気が起こり、その
際、微細な硫黄粒子によって増幅される発泡問題が発生
する。
の再生過程を、1気圧の空気と接触させて遂行し、通
常、浮遊および/または傾瀉によって硫黄を回収すると
き、微細な硫黄粒子の存在により回収効率が低下する可
能性がある。
来技術の上記のような欠点を克服するために、少なくと
も吸収段階後の微細な硫黄粒子の数を減らすことからな
る新規な方法の開発である。この目的を達成するため
に、少なくとも一部は還元されて元素状硫黄を含む触媒
溶液の少なくとも一部を用いて、吸収段階に再循環させ
る。
を意図した改良方法に関するものであり、少なくとも下
記の段階、すなわち a) 硫化水素の硫黄への酸化反応および随伴する多価金
属の高酸化レベルから低酸化レベルへの還元反応が起こ
るのに適した条件下で、少なくとも1種類のキレート化
剤によってキレート化された少なくとも1種類の多価金
属イオンを含む触媒溶液(catalytic solution)と供給ガ
スを接触させる段階(吸収段階) b) 一方で硫化水素を実質的に含まない供給ガスを回収
し、他方で少なくとも一部は還元されて元素状硫黄を含
む触媒溶液を回収する段階からなる、硫化水素含有供給
ガスを脱硫するための改良方法に関する。
めに、少なくとも一部は還元されて元素状硫黄を含む上
記の触媒溶液の少なくともフラクションF1を吸収段階
(a)に再循環させることを特徴とする。
生成する還元触媒溶液の全体に相当することはできな
い。このフラクションF1は、粒子径を選択できるよう
な硫黄を含んでいる。
後で少なくとも一部は還元された触媒溶液に懸濁してい
る硫黄粒子の大きさを、例えば測定し、また、粒子径分
布を所定の範囲内に維持するように再循環させた該溶液
のフラクションF1の量を調節する。
再循環量も、供給液中の硫黄含量に従って調節すること
ができる。通常、供給液中の硫黄含量が大きくなれば、
再循環率を小さくする。都合の良いのは、この選択した
粒子径の硫黄を含む再循環量が、還元された溶液の1〜
95質量%の範囲、例えば20〜90質量%、好ましく
は30〜85質量%、さらに好ましくは50〜80%の
範囲にある場合である。
させないフラクションF2(段階c)から固体の元素状硫黄
を分離することである。
は実質的に全ての硫黄が除かれ還元された触媒溶液の少
なくとも一部を再生させることができること (d) 再生した触媒溶液の少なくとも一部分を、少なく
とも硫化水素を少しでも含む供給ガスと再生溶液とを接
触させる段階に再循環させること、である。
取り除かれ還元された触媒溶液の一部を接触段階(a)に
再循環することができる。
た硫黄は、それにしみ込んでいる触媒溶液を回収するた
めに水洗してもよいし、該触媒溶液の水分量を調節する
ためには触媒溶液を逆浸透操作で処理する。
み込んでいる触媒溶液を回収するために水洗してもよい
し、触媒溶液は、触媒溶液中の水分量および低分子量の
イオン含量を調節するためにナノろ過(nanofiltration)
にかけることもできる。
によって遂行することができ、ろ過方法に従って硫黄粒
子の粒子径分布を選択する。
で得られた還元された触媒溶液の少なくとも一部分を、
例えば減圧する。
除いた、段階(c)の後に得られた上記触媒溶液は、フラ
クションF4とF3に分別し、減圧しないフラクションF
4は、吸収段階(a)に再循環させる。
分離段階の前に測定し、フラクションF3およびF4の容
量を測定し、鉄(III)イオン対鉄(II)イオンの比率を0.
1〜100の範囲、好ましくは0.5〜20の範囲に維
持するように、上記フラクションの量を調節する。
の範囲の圧力で遂行される。
供給ガスの脱硫を意図した装置に関連し、上記装置は、
硫化水素の元素状硫黄への酸化および随伴するキレート
化された金属イオンの高酸化レベルから低酸化レベルへ
の還元に適した条件下で少なくとも1種類のキレート剤
によってキレート化された多価金属イオンを含む触媒溶
液と上記供給ガスを接触させるための少なくとも1つの
接触室、大部分の硫黄を除いたガスを放出するための装
置および少なくとも一部は還元されて元素状硫黄粒子を
含む触媒溶液F0からなる混合液を排出するための装置
からなる。
のフラクションF1とF2に分別する少なくとも1個の装
置、硫黄粒子の粒子径を調節する装置および再循環させ
るフラクションF1の容量を調節および/あるいは規制す
るための装置からなることを特徴とする。
ら固体の硫黄元素を分離する装置、すなわち上記還元さ
れた触媒溶液再生ゾーンを含むことができる。上記再生
ゾーンには、酸素含有気体移送の装置も含まれる。
シュドラムの後に設置した少なくとも1個の減圧装置が
含まれることもある。
然ガス、水素処理プラントで循環している水素に富んだ
ガスのような精製ガス、コークス炉ガスなどの脱硫に適
用される。
を参照して、方法の非限定的具体例および関連装置の下
記説明を読めば、明らかになるであろう。・図1は、本
発明による装置および方法の1例を示す。・図2は、触
媒溶液のしみ込んだ硫黄の水洗およびこの触媒溶液の処
理という追加段階からなる図1に示した例の変形を示
す。
るために、以下の説明は、少なくとも硫化水素を含むガ
スの脱硫を意図した方法に関するものである。その際、
硫化水素の元素状硫黄への酸化および随伴するキレート
化された多価金属イオンの高酸化レベルから低酸化レベ
ルへの還元を遂行するために、少なくとも1種類のキレ
ート剤によってキレート化された多価金属イオンを含む
触媒溶液、例えばキレート化された鉄イオン溶液を用い
る。一方で硫化水素をほとんど取り除いた流出ガスが回
収され、他方で少なくとも一部還元されて懸濁固体とし
て元素状硫黄を含んでいる触媒溶液が回収される。
形をしている。
る装置は、処理すべきガスを触媒溶液と接触させるため
の接触室すなわちアブソーバ1を含む。その中で酸化還
元反応(1)が起こる。
ライン2、触媒溶液導入用のライン3(アブソーバ内で
は2つの流れが、例えば並行して循環する)、ならびに
少なくとも部分的に還元されて懸濁硫黄粒子を含む触媒
溶液および大部分の硫黄が除かれたガスからなる混合体
の排出用ライン4が装備されている。アブソーバの圧力
は、実質的に、処理すべきガスの圧力であり、通常0.
1〜20MPaの範囲にある。
置と結合している。ドラムは、その上部に、硫黄を含ま
ないガスの放出用ライン6および、その下部に、少なく
とも一部は還元されて懸濁硫黄粒子を含む触媒溶液の放
出用ライン7からなっている。このドラムの圧力は、実
質的にアブソーバの圧に等しい。溶液は、ポンプ8によ
ってライン9を通して、少なくとも2つのフラクショ
ン、F1とF2に溶液を分離することのできるジャンクシ
ョンのような装置10に送られる。
含むフラクションF1は、ライン11を通してアブソー
バに移送され、微細な粒子の数を減らすために使用され
る。ライン11は、フラクションF1の流量の調節およ
び規制をする一連の装置12、すなわちバルブおよび/
または流量計または他の適当な装置を装備している。少
なくとも一部は還元された触媒溶液中に懸濁した硫黄の
粒径分布を知ることのできる測定装置13は、例えば、
ジャンクション10の上流に配置される。測定装置13
は、1個またはそれ以上の超音波またはレーザー技術を
利用した粒度分析器であってもよい。
に、硫黄を含まない触媒溶液のフラクションF4と混合
することおよびろ過して再生する触媒溶液のフラクショ
ンF3と混合することもできる。
に送る。このフラクションF2は、例えば、ライン14
を通って元素状硫黄分離装置15、すなわち、例えばア
ブソーバ中の圧に近い圧での分離に適したフィルターに
送る。
る。
部分を除かれた触媒溶液をライン17を通して装置18
に送り、そこで例えば2つのフラクション、F3とF4に
分離する。装置18は、例えば装置21に働きかけるこ
とによってフラクションF3とF4の比率を制御、調節す
るために、少なくとも一部は還元されて硫黄の大部分を
取り除かれた触媒溶液の電位を測定する装置19を装備
している。
ン対鉄(II)イオンの比率を制御し、この比を0.1〜1
00、好ましくは0.5〜20の範囲に維持することが
できる。
流量調節バルブおよび流量計のような流量制御器21を
具備しているライン20を通して再循環させる。
例えばバルブのような減圧装置23に送る。減圧によ
り、高圧溶液に溶けたガスの脱気が起こる。少なくとも
一部は還元されかつ少なくとも少しは膨張した触媒溶液
をフラッシュドラム24に入れる。減圧の間に生成した
気体は、ライン25を通してフラッシュドラムの上部で
回収する。処理した気体の類別によると、気体は、低分
子炭化水素、CO2、水素または有機硫黄化合物であ
る。一部は還元されて脱気した触媒溶液をドラムの底部
で回収して、ライン26に通し、さらに再生ゾーン27
に送る。
化剤を移送するためのライン28、反応しなかった過剰
空気を放出するためのライン29および再生した触媒溶
液を排出するためのライン30が装備されている。触媒
溶液は、例えば、ポンプ31により元に戻し、ライン3
を通して接触室1に再循環させる。
の硫黄の分離により、従来技術の低圧方法での硫黄回収
の際に起こる発泡問題および本方法を遂行するために使
用する装置の目詰まりを免れることができる。
911号に記載されているような高圧フィルターを用い
て遂行する。
硫黄粒子が沈殿するフィルターカートリッジを含む。そ
れは、例えば、交互に作動させるろ過器である。沈殿し
た硫黄は、向流する液体によるカートリッジの目詰まり
落し(湿式剥離)または気体による目詰まり落し(乾式剥
離)によって回収する。剥離操作の間はその装置をフィ
ルターとして使用せず、溶液のろ過は別の装置で続け
る。硫黄は、ケーキ状または濃縮液の形で回収する。
る圧力で操作するタイプを選択する。
ーバの出口に存在する微細な硫黄粒子の数を減らすこと
にある。硫黄粒子が互いにぶつかる確率は、上で定義し
たフラクションF1を吸収段階(1)に再循環することに
よって増す。
定すること。 ・例えば、供給ガス中に存在するH2Sの量、使用する
フィルターおよび/または再生段階を遂行する方法に従
って選択した粒子径分布を維持するために、再循環フラ
クションF1の流量を変えること。
で示す。そこでは、分離後に生成した硫黄を水洗し、次
いで希釈した触媒溶液を逆浸透法またはナノろ過操作で
処理する。
した触媒溶液を大量に用いて硫黄にしみ込ませる。
上げると、大量の硫黄が生成し、それにより触媒溶液の
大きな損失が伴う。さらに、触媒溶液には、副反応から
生じる低分子量イオンが含まれる。
るために、硫黄を、ライン16を通して洗浄段階へ送
る。洗浄段階は、例えば硫黄の水洗および洗浄した硫黄
と洗浄後得られた希釈した触媒溶液との分離のための装
置41、水の入口42、硫黄にしみ込んだ触媒溶液の少
なくとも一部を除いた硫黄を排出するためのライン4
3、ならびに希釈した触媒溶液を排出するためのライン
44からなっている。上記希釈した触媒溶液を、ライン
44を通してライン30に送る。この希釈溶液を、再生
した溶液とともに、アブソーバの圧に実質的に等しい圧
まで再圧縮する高圧ポンプ31に送る。この再圧縮した
触媒溶液の少なくとも一部は、例えば処理すべき溶液の
フラクションを調節することのできるバルブ46を装備
したライン45を通して処理装置47に送る。処理は、
逆浸透法またはナノろ過操作によって行う。処理装置4
7は、例えば、水分子だけを通す(逆浸透)、または水分
子および副反応で生成する低分子量のイオンを通す(ナ
ノろ過)、膜48を含む。膜48は、触媒(少なくとも1
種類のキレート化剤によってキレート化された多価金属
イオン)を通過させない。ライン49を通して水の一部
および副反応由来のイオンのおそらく一部を排出し、お
そらく上記イオンの一部が除かれた再濃縮した触媒溶液
は、ライン50を通して吸収段階に送り返す。
より、少なくとも一部は還元されたろ過後の触媒溶液の
フラクションを逆浸透またはナノろ過処理ゾーンへ移送
することができる。
なので、ポンプは、通常、処理すべき溶液を圧縮するた
めに膜の前に設置する。都合の良いことに、本発明の方
法によれば、触媒溶液には圧がかかっていて、ポンプを
追加する必要はない。このことは、エネルギーおよび費
用の節約になる。
過段階があるため、装置内に蓄積しやすい過剰の水を減
らすこと、従って触媒溶液の触媒含量を調節することが
可能であるという事実である。例えばアブソーバ中の化
学反応による水の生成または凝縮水といった、硫黄の洗
浄以外によって出てきた水は、逆浸透またはナノろ過に
よって排出することができる。
のための装置は、他の方法において、または他の装置と
ともに、使用することもできる。
よる方法は、他の方法の中で、または他の装置とともに
使用することもできる。
法]1000m3/h(Normal)の流速でライン2を通して、メタ
ン、1容量%のCO2および16ppm(容量)のH2Sを含
むガスをアブソーバ1に供給する。
0.5mol/LのNTAを含む触媒水溶液と接触させる。そ
の際の溶液の流速は800L/hである。
MPaであり、気体および触媒溶液の温度は20℃であ
る。
8mg/Lの元素状硫黄を含む一部には還元された触媒溶
液が回収される。
通すことによって、触媒溶液から硫黄を取り除くことが
できる。フィルター周辺での圧力降下が0.2MPaに達
したら、すなわち平均4時間ごとに、ろ過した触媒溶液
を逆方向に流してフィルターの目詰まりを落す。ろ過し
た触媒溶液をフラクションF4とフラクションF3に分離
し、前者は、流速720L/hで直接アブソーバ1へ再循
環させ、後者は、流速80L/hで減圧後フラッシュドラ
ム24へ、次いで空気による再生段階27へ移す。再生
したフラクションは、その後、ポンプ31を通してアブ
ソーバに再循環させる。空気は、流速1.1m3/h(Norma
l)で再生段階に送る。
る。
出口でのFe3+/Fe2+比は約12である。溶液F0に懸濁
した硫黄は、平均粒径が10μmの粒子である。その粒
子は0.1μmオーダーの粒径を持つ小結晶(crystallit
e)の集合体からなる。
めに触媒溶液のフラクションを再循させることを伴う、
本発明による方法の遂行]1000m3/h(Normal)の流速でラ
イン2を通して、メタン、1容量%のCO2および16p
pm(容量)のH2Sを含むガスをアブソーバに供給する。
L、鉄イオン 0.25mol/LおよびNTA0.5mol/Lを含む
触媒水溶液と接触させる。その際の溶液の流速は800
L/hである。
および触媒溶液の温度は20℃である。
び114mg/Lの元素状硫黄を含む一部は還元された触
媒溶液F0が回収される。
クションF2に分割し、前者は、流速600L/hでアブソ
ーバ1に直接再循環させ、後者は、流速200L/hでフ
ィルターに送る。
ィルター周辺での圧力降下が0.2MPaに達したら、す
なわち平均4時間ごとに、ろ過した触媒溶液を逆方向に
流してフィルターの目詰まりを落す。ろ過した触媒溶液
は、主要なフラクションF 4と少量のフラクションF3に
分離し、前者は流速120L/hで直接アブソーバ1へ再
循環させ、後者は流速80L/hで減圧後フラッシュドラ
ム24へ、次いで空気による再生段階27へ移し、さら
に、ポンプ31を通してアブソーバに再循環させる。空
気は、流速1.1m3/h(Normal)で触媒溶液の再生段階に
送る。
出口での触媒溶液F0中のFe3+/Fe 2+比は約12であ
る。この溶液Fに懸濁した硫黄は、平均粒径が16μm
の粒子である。粒子は0.1μmオーダーの粒径を持つ
小結晶の集合体からなる。
スの流速、アブソーバへ供給される溶液の総流量、フィ
ルターの目詰まりを落す頻度および処理する硫黄の量な
どを同一にした場合、硫黄含有触媒溶液のフラクション
をろ過前に直接再循環させることにより、硫黄粒子の大
きさを顕著に増すことができることおよび特に、設置し
たフィルターの表面積を1/2に減らすこと、従ってフ
ィルターのコストを1/2に減らすことが可能であると
いうことである。
図1および図2に示す例に限るものではない。
による方法は、方法のパターンおよびろ過手段を条件に
適応させて、高圧ガスまたは低圧ガスに対しても適用可
能である。
以下のリストから選択した少なくとも1個の反応器/接
触装置からなる。充填材を積み重ねた反応器または充填
材をランダムに入れた反応器、スタティックミキサー、
乱流ジェットのインパクター、ハイドロエジェクター、
アトマイザー、ワイヤ接触塔または気泡塔(wire conta
ct or bubble column)。
した気体と部分的に還元した溶液は、元素状硫黄の分離
段階の前または後に分離ドラムの中で分離する。
併流で処理すべきガスを循環させることができる。
媒溶液の再循環は、接触ゾーンの同一場所でまたは別の
場所で遂行することができる。
る。
水溶液。例:例えば鉄およびアンモニウムまたはカリウ
ムの硫酸塩、硝酸塩、チオ硫酸塩、塩化物、酢酸塩、蓚
酸塩、燐酸塩、鉄(II)イオンおよびアンモニウムの硫酸
塩のような可溶性塩、Fe(III)アンモニウム蓚酸塩、F
e(III)カリウム蓚酸塩などのFe(II)イオンまたはFe(I
II)イオンから作成した鉄イオンのキレート化合物の水
溶液。
物であるキレート剤は、例えば単独でまたは混合で使用
される。例:アセチルアセトン、クエン酸、サリチル
酸、スルホサリチル酸、タイロン(カテコールジスルホ
ン酸)、ジメルカプト-2,3-プロパノールならびにED
TA(エチレンジアミン四酢酸)、HEDTA(ヒドロキ
シ-2-エチレンジアミントリ酢酸)、NTA(ニトリロ三
酢酸)、DCTA(ジアミノ-1,2-シクロヘキサン四酢
酸)、DPTA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)、ID
A(イミノ二酢酸)。
属キレート化合物(ii)からなる有機物溶液を使用するこ
とができる。
ルミルモルホリン、モルホリン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、プロピレンカ
ーボネート、1,4-ジオキサン、4-ヒドロキシ-4-メ
チル-2-ペンタノン、プロピレングリコールメチルエー
テル、2-ブトキシエタノール、4-メチル-2-ペンタノ
ン、2,4-ペンタンジオン、以上単独または混合物とし
て。
をもつ多価金属キレート化合物である。ここで、LはR
1COCH2COR2なる形をしており、R1およびR
2は、CH3、C2H5、C6H5、CF3またはC4H3Sの
中から選択されたものであり、Mは少なくとも2個の酸
化状態で存在する多価金属イオンを示す。
解した硫黄が飽和した後にはじめて硫黄粒子が溶液内に
現れる。
段階は、例えば、上記溶液の循環速度を上げることによ
って、触媒溶液の中に極めて細かな気泡として気体を分
散させるのに適した条件下で、酸素を含む気体と循環す
る触媒溶液を接触させることによって遂行することがで
きる。そのために、ハイドロエジェクターを使用しても
よい。
装置のために挙げたリストから選択した気液接触装置を
用いることによっても遂行することができる。
を持つ。 ・本方法では、吸収段階で再循環溶液中に存在する粒子
の上に凝集または顆粒化(これにより小さい硫黄粒子の
数が減少する)によって生成した『自然(native)』硫黄
の採取が容易である。 ・本方法では、硫黄粒子が大きくなるので、アブソーバ
の下方に設置された硫黄ろ過装置の操作が容易になる。
ろ過器の上に生成する硫黄『ケーキ』は厚くなるので、
目詰まりを落とす操作の頻度を減らすことができる、ま
たは設置するろ過材の表面積を小さくできる。 ・本方法では、ろ過効率が改善される。特にろ過表面に
プリコートが生成するろ過操作の初期に、ろ過表面を通
過する粒子数が大いに減少する。 ・従って、本方法では、触媒溶液の再生効率が向上す
る。
媒溶液の処理という追加段階からなる図1に示した例の
変形を示す。
0)
Claims (16)
- 【請求項1】 少なくとも硫化水素を含む供給ガスの脱
硫方法であって、少なくとも下記の2段階、すなわち (a)硫化水素の元素状硫黄への酸化反応および随伴する
多価金属イオンの高酸化レベルから低酸化レベルへの還
元反応(吸収段階)に適した条件下で、少なくとも1種類
のキレート剤によってキレート化された少なくとも1種
類の多価金属イオンを含む触媒溶液と供給ガスを接触さ
せる段階および(b)一方で実質的に硫化水素を含まない
流出ガスを回収し、他方で少なくとも還元されて元素状
硫黄を含む触媒溶液を回収する段階を含み、 微細な硫黄粒子の数を減らすために、少なくとも還元さ
れて固体の元素状硫黄を含む上記触媒溶液の少なくとも
フラクションF1を吸収段階(a)に再循環させることを特
徴とする、硫化水素を含む供給ガスの改良された脱硫方
法。 - 【請求項2】 粒径分布を所定の範囲内に維持するため
に、段階(a)の後で少なくとも一部は還元された触媒溶
液中に懸濁している硫黄粒子の粒径を測定し、それによ
り再循環させる上記溶液のフラクションF1の量を調節
する請求項1に記載の脱硫方法。 - 【請求項3】 段階(c)において、再循環させない触媒
溶液のフラクションF2から固体の元素状硫黄を分離す
る請求項1または2に記載の脱硫方法。 - 【請求項4】 (a)上記の、硫黄を激減させ還元された
触媒溶液を少なくとも一部は再生させることおよび(b)
少なくとも硫化水素を含む供給ガスと再生溶液を接触さ
せる段階に再生触媒溶液の少なくとも一部を再循環させ
る請求項3に記載の脱硫方法。 - 【請求項5】 硫黄にしみ込んでいる触媒溶液を回収す
るために分離段階(c)で生成した硫黄を水洗することお
よび上記触媒溶液の含水量を調節するために逆浸透法で
触媒溶液を処理する請求項3または4に記載の脱硫方
法。 - 【請求項6】 硫黄にしみ込んでいる触媒溶液を回収す
るために分離段階(c)で生成した硫黄を水洗することお
よび触媒溶液中の水と低分子イオンとの比率を調節する
ために該触媒溶液をナノろ過によって処理する請求項3
に記載の脱硫方法。 - 【請求項7】 分離段階(c)をろ過によって行うことお
よびろ過手段に応じて硫黄粒子の粒径分布を選択する請
求項3に記載の脱硫方法。 - 【請求項8】 分離段階で得られる、元素状硫黄の大部
分を除いた還元された触媒溶液の少なくとも一部を減圧
させる請求項1〜3のいずれかに記載の脱硫方法。 - 【請求項9】 上記の、段階(c)から出た元素状硫黄を
激減させ還元された触媒溶液をフラクションF4および
とフラクションF3に分別することおよび減圧しないフ
ラクションF4を吸収段階(a)に再循環させる請求項3に
記載の脱硫方法。 - 【請求項10】 分別段階の前に上記還元された触媒溶
液の電位を測定することおよびフラクションF3および
フラクションF4の量を定量し、Fe(III)イオン/Fe(I
I)イオンの比を0.1〜100の範囲に維持するよう上
記フラクションの量を調節する請求項9に記載の脱硫方
法。 - 【請求項11】 前記Fe(III)イオン/Fe(II)イオンの
比を0.5〜20の範囲に維持するよう上記フラクショ
ンの量を調節する請求項10に記載の脱硫方法。 - 【請求項12】 少なくとも硫化水素を含む供給ガスの
脱硫装置であって、該供給ガスと、少なくとも1種類の
キレート剤によってキレート化された多価金属イオンを
含む触媒溶液とを、硫化水素の元素状硫黄への酸化反応
および随伴する多価金属イオンキレート化合物の高酸化
状態から低酸化状態への還元反応に適した条件下で接触
させるための接触室(1)と、 硫黄の大部分を除いたガスの排出装置、 および少なくとも一部は還元されて元素状硫黄粒子を含
む触媒溶液F0を含む混合液の排出装置からなる脱硫装
置において、 少なくとも、該溶液F0を少なくとも2個のフラクショ
ンF1およびF2に分別する装置(10)、 該フラクションF1を接触用接触室の入口へ再循環する
手段(11)、 硫黄粒子の粒径を調節する手段(19)および再循環する
フラクションF1の量を調節および/または制御する手段
(12)を有することを特徴とする脱硫装置。 - 【請求項13】 前記還元された触媒溶液から元素状硫
黄を分離する装置(15)および前記還元された触媒溶液
の再生ゾーン(27)を有し、該再生ゾーン(27)は酸素
を含むガスの放出装置(28)を含んでいる、請求項12
に記載の脱硫装置。 - 【請求項14】 前記分離装置(15)およびフラッシュ
ドラム(24)の後方に設置した少なくとも1個の減圧装
置(23)を有する請求項12または13に記載の脱硫装
置。 - 【請求項15】 請求項1〜10のいずれかに記載の脱
硫方法を用いた天然ガスの脱硫方法。 - 【請求項16】 請求項11〜14のいずれかに記載の
脱硫装置を含む天然ガスの脱硫装置。
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