JP2001025080A - 映像機器用音響レンズ付きスピーカ装置 - Google Patents
映像機器用音響レンズ付きスピーカ装置Info
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Abstract
くとも一方に位置するスピーカ2の音を画面前方中央部
寄りに定位させ、スピーカが直接視聴者に見えにくいよ
うな映像機器用スピーカ装置を提供することである。 【解決手段】 スピーカ装置1は、スピーカ2と、スピ
ーカ2の前方にあって音を装置外部に伝える音導管3
と、音導管3の外部への出口を形成する端部の周辺に設
けられ、音を外部へ反射するように形成されたスピーカ
バッフル4と、スピーカバッフル4の前面に設けられた
フィン5と、スピーカバッフル4とフィン5との間隙に
形成された音導空間6と、音導空間6から装置外部へ開
かれた開口部7とを備える。このような構成によって、
画面中央部寄りに定位が得られ、映像機器の視聴者の方
から見るとスピーカが直接に見えにくいので美観を損ね
ることもない。
Description
ば、ディスプレイモニタ、テレビ、パソコン等に用いら
れるスピーカ装置に関し、より特定的には、音響レンズ
を有する映像機器用スピーカ装置に関するものである。
り付けられることが多い。音響レンズは、主として、ス
ピーカ装置の指向性を所望の方向に設定するために用い
られる。そして、従来、音響レンズを有するスピーカ装
置には、音響レンズとして複数のフィンを備えるものが
多い。そのような従来例としては、特開平6−3548
9号公報に記載されたものが知られている。
ンズを有するテレビ用スピーカ装置を備えたテレビの斜
視図である。図14において、テレビは、テレビ筐体1
1と、テレビ筐体11の中央前面に設けられたブラウン
管10と、テレビ筐体11の前面上部の左右および前面
下部の左右にそれぞれ設けられた左右チャンネル用スピ
ーカ部12と、テレビ用筐体11の前面上部の中央付近
および前面下部の中央付近に設けられたセンターチャン
ネル用スピーカ部13と、テレビ用筐体11の前面にあ
って各スピーカ部の前方に設けられた複数の音響レンズ
用フィン5とを備える。
ンズを有するテレビ用スピーカ装置の構成によれば、以
下のような問題点がある。まず、フィンの構造が複雑で
あることから、美観上好ましくない。また、テレビの視
聴者の方から見ると、フィン後方に設けられた各スピー
カ部がフィンの隙間からよく見えるので、美観上好まし
くない。さらに、音の指向性は、フィンの向いている方
向にしか確保されず、そのために広がり感が少なくなっ
てしまう。また、上下のうちの一方のみにスピーカを配
置する構成によれば、音像定位がかたよってしまうこと
になる。
のうちの一方のみに配置されたとしても、その音像が画
面前方中央部寄りに定位し、映像機器の視聴者の方から
見るとスピーカが直接に見えにくいような映像機器用ス
ピーカ装置を提供することである。
発明は、音響レンズを有するスピーカ装置であって、前
方へ音を放射させるスピーカと、スピーカの前方にあっ
て、放射された音が通過する通過口部が設けられたスピ
ーカバッフルと、スピーカバッフルとの間に音が通過す
る開口部が形成されるように、スピーカに対向して設け
られ、スピーカに対向する面の中央部が後方に凸である
断面形状を有するフィンとを備え、スピーカから放射さ
れた音は、通過口部を通って、フィンおよびスピーカバ
ッフルの間で反射されることにより、開口部から装置外
部へ放射されることを特徴とする。
機器の視聴者の方から見て、スピーカが直接に見えにく
いので、美観を損ねることのないスピーカ装置を提供す
ることができる。また、開口部が狭くなって、点音源に
近づくため、指向性を広くとることが可能となる。
器用スピーカ装置であって、フィンは、スピーカバッフ
ルに設けられた通過口部を、映像機器の前面から見て完
全に覆い隠さないような形状であることを特徴とする。
の発明において、フィンによって音圧を減少させること
がなく、十分な音量を保つことができる。また、開口部
が狭開口となり点音源に近づくため指向性が広がる。
器用スピーカ装置であって、フィンは、スピーカから放
射される音の放射中心軸とは交差しない位置に設けられ
ていることを特徴とする。
の発明において、スピーカの中心部分から放射される音
の一部は、フィンによって妨げられることがない。した
がって、特に、高音域の音は、直接開口部から出力され
るので、スピーカの高音域特性を変化させずに、音を出
力させることができる。
器用スピーカ装置であって、放射中心軸は、フィンとス
ピーカバッフルとの間に形成された開口部を通り、スピ
ーカから放射された音の一部は、開口部から装置外部へ
直接に放射されることを特徴とする。
の発明において、スピーカの中心部分から放射される高
音域の音は、直接開口部から出力される。したがって、
特に、指向性の鋭い高音域の音がフィンの影響を受けず
に出力されるので、スピーカの高音域特性を変化させず
に、音を出力させることができる。
器用スピーカ装置であって、フィンは、映像機器の前面
から見た面形状が長方形であることを特徴とする。
の発明において、フィンが長方形であることによって、
映像機器の前面の各辺に沿って配置をすることができ
る。したがって、美観を保ちつつ、広い指向性を得るこ
とができる。
器用スピーカ装置であって、フィンには、一つないし複
数の孔があけられており、スピーカから放射された音の
一部は、当該孔を通って装置外部へ放射されことを特徴
とする。
の発明において、フィンに孔があけられていることによ
って、中高音域の音、特に高音域の音が充分に再生され
ることになる。
器用スピーカ装置であって、フィンとスピーカバッフル
との間に形成された開口部の総面積は、スピーカバッフ
ルに設けられた通過口部の面積と、ほぼ等しいことを特
徴とする。
の発明において、開口部の総面積を、スピーカバッフル
の後方に設けられた通過口部の面積と、ほぼ等しくする
ことによって、音響抵抗等を非常に小さくすることがで
きる。そのことによって、音響特性や位相を安定させ、
特に、中高音域における音響特性を改善することができ
る。
器用スピーカ装置であって、フィンは、その後方に凸で
ある面の中央部が、スピーカバッフルに設けられた通過
口部よりも、さらにスピーカへ近くなるように設けられ
ることを特徴とする。
の発明において、音響抵抗が開口部に向かって均一とな
り、特性や位相が安定するとともに、開口部が狭くなっ
て、点音源に近づくため、指向性が広がる。
器用スピーカ装置であって、映像機器の前面上部および
/または前面下部に設けられることを特徴とする。
の発明において、上下両方とも、あるいは、どちらか一
方にスピーカを備えた場合でも、上下方向に広い指向性
を得ることができる。
機器用スピーカ装置であって、映像機器の前面左右に設
けられることを特徴とする。
1の発明において、映像機器の前面左右にスピーカを備
えた場合、左右方向に広い指向性を得ることができる。
機器用スピーカ装置であって、映像機器の前面上部およ
び/または前面下部と、映像機器の前面左右とに設けら
れることを特徴とする。
1の発明において、上下どちらか一方にスピーカを備え
た場合でも、音像を容易に、画面前方中央部寄りに定位
させることができる。また、映像機器前面左右に設けら
れたスピーカーによって、横方向の指向性の広がりを得
ることができるので、視聴者が感じる音の広がり感を向
上させることができる。
像機器用スピーカ装置であって、映像機器の前面左右に
設けられたスピーカ装置は、専ら高音域に使用されるこ
とを特徴とする。
11の発明において、上下どちらか一方にスピーカを備
えた場合でも、低いコストで、音像を容易に画面前方中
央部寄りに定位させることができる。また、映像機器前
面左右に設けられたスピーカーによって、高音域での横
方向の指向性の広がりを得ることができるので、視聴者
が感じる音の広がり感を向上させることができる。
収納した映像機器筐体と、当該映像機器筐体の前面上部
および/または前面下部に設けられる第1のスピーカ装
置と、当該映像機器筐体の前面左右に設けられ、専ら高
音域に使用される第2のスピーカ装置とを備える映像機
器であって、第1のスピーカ装置は、前方へ音を放射さ
せるスピーカと、スピーカの前方にあって、放射された
音が通過する通過口部が設けられたスピーカバッフル
と、スピーカバッフルとの間に音が通過する開口部が形
成されるように、スピーカに対向して設けられ、スピー
カに対向する面の中央部が後方に凸である断面形状を有
するフィンとを備え、スピーカから放射された音は、通
過口部を通って、フィンおよびスピーカバッフルの間で
反射されることにより、開口部から装置外部へ放射され
ることを特徴とする。
面にもフィンの付いたスピーカ装置が設けられる構成よ
りも、映像機器筐体側面をコンパクトに形成することが
できる。また、上下どちらか一方にスピーカを備えた場
合でも、低いコストで、音像を容易に、画面前方の中央
部寄りに定位させることができる。さらに、映像機器前
面左右に設けられたスピーカーによって、横方向の指向
性の広がりを得ることができるので、視聴者が感じる音
の広がり感を向上させることができる。
明の第1の実施形態に係るスピーカ装置を含む、テレビ
の外観を示す斜視図である。図1において、テレビは、
テレビ筐体11と、テレビ筐体11の前面中央付近に設
けられたブラウン管10と、テレビ筐体11の前面上部
の左右および前面下部の左右にそれぞれ設けられ、さら
に、テレビ筐体11の前面上部の中央付近および前面下
部の中央付近に設けられたスピーカ装置1とを備える。
は、必ずしも、テレビ筐体11の前面上部および前面下
部に設けられる必要はなく、その一方にのみ設けられて
もよい。また、これらのスピーカは、テレビ筐体11の
前面左右に設けられてもよい。したがって、その設置さ
れる位置は、特に限定されない。また、本実施例以下に
おいては、テレビを例に説明するが、テレビ以外の映像
機器、例えば、ディスプレイモニタ、パソコン等であっ
てもよい。
に係るスピーカ装置を、側面方向から見た断面の模式図
である。
係るスピーカ装置1は、スピーカ2と、スピーカ2の前
方にあって音を装置外部に伝える音導管3と、音導管3
の外部側の端部周辺に設けられ、音を外部へ反射するよ
うに形成されたスピーカバッフル4と、スピーカバッフ
ル4の前面に設けられたフィン5と、スピーカバッフル
4とフィン5との間隙に形成された音導空間6と、音導
空間6から装置外部へ開かれた開口部7とを備える。
は、必ずしも必要な構成要素ではない。したがって、音
導管3を省略し、スピーカ2が、スピーカバッフル4の
すぐ後方に設けられるような構成にしてもよい。
係るスピーカ装置を、前面から見た部分図である。図3
においても、スピーカ装置1の構成は同じである。
の第1の実施形態に係るスピーカ装置1は、スピーカバ
ッフル4およびフィン5の形状と、これらによって形成
される音導空間6および開口部7について特徴を有して
いる。
1の実施形態に係るスピーカ装置1におけるフィン5
は、スピーカバッフル4の前面にあって、スピーカ2の
形成する面と対向する位置に、ほぼ平行になるように設
けられる。そして、スピーカ2に対向するフィン5の面
は、フィン5の上下方向における端部よりも、中央部の
方が、よりスピーカ2に近くなるように、後方へ膨らん
だ、凸形状を有する。
断面は、典型的には、上下端部が薄く、中央部付近が厚
い形状を有する。しかし、スピーカに面するフィン5の
後面のみが、上述のような形状を有していれば足りるの
であるから、その前面の形状は問われない。
の凸形状に対応する凹形状であって、ほぼ同一の厚みを
有する板を湾曲するようにして構成されたものであって
もよい。また、フィン5の後面の形状にかかわらず、そ
の前面の形状は、ブラウン管10が設けられた平面に平
行な平たい面形状であってもよい。
ン5を前面から見た形状は、典型的には、長方形である
が、楕円形でも、円形でもよく、特にその形状は問わな
い。したがって、例えば、フィン5は、その周囲より中
央部が後方へ膨らんだ凸形状を有する円盤状のものであ
ってもよい。
ピーカ装置1におけるフィン5の中央部は、対応するス
ピーカバッフル4の中央部よりも前方に位置するもので
ある。このように、フィン5を設置することにより、ス
ピーカ2より放射された音は、後方へ凸の形状を有する
フィン5の面に反射される。そして、反射された音のう
ちのいくらかは、さらにスピーカバッフル4に反射さ
れ、開口部7から装置外部へ放射される。
バッフル4との間には、音導空間6が形成され、音導空
間6から装置外部へ開かれた開口部7が設けられる。そ
して、フィン5の上下方向の長さが、音導管3の出口の
直径よりも、やや小さいものとする。
部7は、狭く形成され、音源は、点音源に近くなる。図
4は、本発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置の、
上下方向における音の放射方向を表した模式図である。
そして、点音源は、最も広く指向性を取ることができ
る。したがって、以上のように構成すれば、本実施形態
に係るスピーカ装置において、指向性を広くとることが
可能になる。
音導管3の出口の直径と同じか、やや長い場合であると
しても、フィン5とスピーカバッフル4との間隔を或る
大きさだけあけることにより、開口部7を形成すること
ができる。したがって、フィン5の上下方向の長さは問
わない。ただし、フィン5の上下方向の長さが、音導管
3の出口の直径以下の場合には、フィン5による全反射
が少なく、高音域の音に影響を与える音響抵抗と音響質
量が小さくなる。したがって、このような場合には、高
音域の音が十分に再生されることになるので、好まし
い。
る一つないし複数の孔を有する形状であってもよい。フ
ィン5において、孔があけられる位置や孔の大きさは、
特に限定されないが、美観を損ねない配置や大きさが望
まれる。このように、フィン5に孔を開口することによ
って、特に高音域の音が充分に再生されることになる。
なぜなら、フィン5に孔があけられることによって、フ
ィン5による反射が少なくなり、特に高音域の音に影響
を与える音響抵抗と音響質量を小さくすることができる
からである。
指向性が狭くなる。したがって、孔の開口面積は、指向
性を広く取りつつ、高音域の音を充分に再生することが
できるものであることが好ましい。
の実施形態に係るスピーカ装置の断面を表した模式図で
ある。また、図6は、当該スピーカ装置を前面から見た
部分図である。その構成品の機能は、図2と同様である
ので、図2と同一の番号を付して説明を省略し、図2と
異なる点についてのみ、以下に説明する。
カ2から放射される音の放射中心軸とは交差しない位置
にある。そして、スピーカ2から放射される音の放射中
心軸は、開口部7を通過するので、当該放射中心軸上に
放射された音は、装置外部へ直接放射されることにな
る。そして、図6に示されるように、視聴者が、上記の
ような構成のスピーカ装置1を前方から見れば、スピー
カ2の振動板中央に形成されるダストキャップ8が、開
口部7から確認できることになる。
放射される高音域の音は、開口部7から直接、装置外部
へ放射されることになる。そのことによって、スピーカ
の高音域特性を変化させることなく、音を出力させるこ
とができる。
の実施形態に係るスピーカ装置を表した模式図である。
その構成品の機能は、図2と同様であるので、図2と同
一の番号を付して説明を省略し、図2と異なる点につい
てのみ、以下に説明する。
に位置する通過口部の面積、すなわち、音導管3の出口
部の面積と、開口部7の総面積とがほぼ等しくなるよう
な間隔をあけて、フィン5は、スピーカバッフル4とほ
ぼ等間隔になるように設けられる。
ィン5の上下に形成された2つの開口部7においてほぼ
均一となり、音響特性や位相を安定させることができ
る。また、開口部7は、狭く形成されて、点音源に近づ
くため、指向性を広げることができる。
に位置する通過口部の面積、すなわち、音導管3の出口
部の面積と、開口部7の総面積とがほぼ等しくなるよう
に、フィン5とスピーカバッフル4との間隔を離して構
成することが、最も上述の効果を発揮する。そして、そ
の効果を測定した結果を表したグラフが、図8および図
9である。以下、図8および図9の結果と、その結果が
得られた理由について考察する。
ッフル4との間隔を変化させたときに、当該スピーカ装
置の音響特性がどのように変わるかを測定した結果を表
すグラフである。なお、測定に使用されたスピーカ装置
における音導管の開口径は44mm、音導管の長さは2
70mm、音導管の容積は0.3リットルである。
バッフル4との間隔は0mmであり、図8(b)におい
て、その間隔は、5mmである。また、図9(a)にお
いて、その間隔は、10mmであり、図9(b)におい
て、その間隔は、15mmである。図8および図9は、
以上のような間隔をあけた状態で、スピーカ装置の音響
特性を調べ、縦軸を音圧(単位:dB)、横軸を周波数
(単位:Hz)で表したグラフである。
は、横線の入った棒グラフで示されている。そして、や
や大きめに重ねて記載されている空白の棒グラフは、フ
ィン5を取り外した状態において測定した値を示してい
る。これは、音響特性がどの程度劣化しているかを、容
易に比較できるように記載されている。
スピーカバッフル4との間隔を0mmとした場合には、
中高音域、特に高音域における音響特性の劣化が著し
い。この劣化の原因は、以下のように考えることができ
る。すなわち、音導管の開口部を直接塞ぐと、音導管
は、閉じられた閉管となる。結果として、音導管は、容
積を持ったスピーカボックスとなる。このため、音導管
の開口部は、スピーカボックスのバスレフポートと同様
の、中高音域の音を通しにくいローパスフィルターにな
る。以上が、音響特性が劣化した原因であると考えられ
る。
mにすると、やや中高音域における音響特性が改善され
る。この改善の原因は、以下のように考えられる。すな
わち、音導管の開口部をフィン5によって塞がずに、フ
ィン5は、音導管の開口部から浮かせた状態の位置に設
けられる。このことによって、音響抵抗と音響質量を低
減することができる。そして、音響抵抗等を低減するこ
とは、ローパスフィールタの効果を弱めることになる。
以上のことが、音響特性が改善された原因であると考え
られる。
mにすると、音響特性はかなり改善される。これは、音
導管3の出口部の面積、すなわち、スピーカバッフル4
の後方に位置する音の通過口部の面積と、開口部7の総
面積とがほぼ等しくなることにより、さらに空気の粘性
抵抗による影響と音響質量が小さくなって、中高音域に
おける音響特性が改善されることが原因であると考えら
れる。
mmにすると、音響特性がやや劣化してしまう。ここ
で、開口面積がさらに大きくなるのであれば、特性が劣
化することにはならないはずである。にもかかわらず、
劣化した原因は、開口部7が広くなりすぎたために、指
向性が狭くなりすぎていることが影響しているものと考
えられる。
形成されていれば、点音源に近くなって、指向性を広く
とることが可能となる。しかし、開口部7が広く形成さ
れれば、指向性が狭くなる。そして、狭い指向性の範囲
外では、音響特性が劣化するものと考えられる。
フル4との間隔が、約10mmであれば、スピーカバッ
フル4の後方に位置する音の通過口部の面積と、開口部
7の総面積とがほぼ等しくなる。このように、スピーカ
バッフル4の後方に位置する音の通過口部の面積と、開
口部7の総面積とがほぼ等しくなれば、指向性を広く取
りながら、空気の粘性抵抗による影響を小さくして音響
特性を改善することができるので、最も良好な音響特性
を得ることができる。
図2とほぼ同様の形状のように図示されている。しか
し、フィン5の形状は、次の図10と同様の形状でもよ
いし、別の形状でもよく、特に限定されない。また、フ
ィン5の位置も、図2と同様でもよく、特に限定されな
い。
4の実施形態に係るスピーカ装置を表した模式図であ
る。その構成品の機能は、図2と同様であるので、図2
と同一の番号を付して説明を省略し、図2と異なる点に
ついてのみ、以下に説明する。
ビの側面方向から見た、当該スピーカ装置1の断面を表
した模式図である。図10(a)において、スピーカ2
に対向するフィン5の面は、フィン5の上下方向の端部
よりも、中央部の方がよりスピーカ2に近くなるよう
に、後方へ膨らんだ凸形状を有する。そして、フィン5
の後方中央部は、対応するスピーカバッフル4の後方中
央部よりも、さらに後方に位置し、音導管3の内部に達
するものである。そして、テレビの側面方向から見たフ
ィン5の断面は、図10(a)に示されるように、半球
状の形状を有する。
装置は、図10(a)とほぼ同様に、スピーカ2に対向
するフィン5の面は、フィン5の上下方向の端部より
も、中央部の方がよりスピーカ2に近くなるように、後
方へ膨らんだ凸形状を有する。ただし、テレビの側面方
向から見たフィン5の断面が、三角形の形状である点が
異なる。
開口部7に向かって、空気の粘性によって生じる音響抵
抗が均一となる。そうすれば、スピーカ装置1の音響特
性や、放射される音の位相が安定することになる。
によって受ける音響抵抗が小さければ、音響特性が改善
される。そして、その音響抵抗は、音を反射するフィン
5の面の角度が、音の放射方向に対して垂直に近くなる
ほど、大きくなる。したがって、フィン5の中央部が、
対応するスピーカバッフル4の中央部よりも後方に位置
し、音導管3の内部に達するように、フィン5の面形状
を工夫する。そうすれば、スピーカ2から放射される音
の方向に対して、フィン5の面が形成する角度は、小さ
くなる。したがって、音響抵抗が小さくなり、スピーカ
装置1の音響特性が改善されることになる。
部7が狭くなって、点音源に近づく。したがって、本発
明の第1の実施形態に係るスピーカ装置と同様に、指向
性が広がることになる。
5の実施形態に係るスピーカ装置の構成と、当該スピー
カー装置を含むテレビの構成を示す図である。その構成
品の機能は、図1と同様であるので、図1と同一の番号
を付して説明を省略し、図1と異なる点についてのみ、
以下に説明する。もっとも、テレビは、さらに、高音域
用スピーカ14を備える点で異なる。
は、テレビ筐体11の前面左右に設けられ、その前面に
フィン5が設けられる。このような構成によれば、全音
域について良好な特性を有する高価なスピーカ装置を使
用する必要がないので、スピーカ装置全体のコストを下
げることができる。また、テレビ筐体11の前面上下ど
ちらか一方にスピーカ装置が設けられた場合でも、音像
を画面中央付近に定位させることができる。
カ14が設けられることによって、高音域での横方向の
指向性の広がりを得ることができる。したがって、視聴
者が感じる音の広がり感を向上させることができる。
高音域に使用されるものであってもよいし、中高音、特
に高音域で使用されるものであってもよい。また、高音
域用スピーカ14は、スピーカ装置1と同じく、音域を
限定されないスピーカ装置であってもよい。このような
場合には、全音域での横方向の指向性の広がりを得るこ
とができるので、視聴者が感じる音の広がり感を向上さ
せることができる。
スピーカ14の、上下方向における音の放射方向を表し
た模式図である。図12に示されるように、例えば、テ
レビ筐体11の前面下部にスピーカ装置1が設けられた
場合でも、音像を画面中央付近に定位させることができ
る。
6の実施形態に係るスピーカ装置の構成と、当該スピー
カー装置を含むテレビの構成を示す図である。その構成
品の機能は、図11と同様であるので、図11と同一の
番号を付して説明を省略し、図11と異なる点について
のみ、以下に説明する。もっとも、本実施形態に係るス
ピーカ装置を含むテレビは、高音域用スピーカ14の前
方に、フィン5が取り付けられていない点で異なる。
る開口部7が、テレビ筐体11の前面左右および左右側
面に設けられる構成を示す図である。図13に示される
ように、高音域用スピーカ14が、テレビ筐体11の左
右に設けられる。また、当該高音域用スピーカ14に対
応する開口部7は、テレビ筐体11の前面左右および左
右側面の、一方または双方に設けられる。このことによ
って、開口部7をコンパクトに形成することができるの
で、テレビ筐体側面幅を小さくすることができる。
ビ前面左右に高音域用スピーカ14が設けられることに
よって、高音域での横方向の指向性の広がりを得ること
ができる。したがって、視聴者が感じる音の広がり感を
向上させることができる。
ビを例に説明した。しかし、以上の各実施形態に係るス
ピーカ装置は、テレビ以外の映像機器、例えば、ディス
プレイモニタ、パソコン等に用いられてもよいことは言
うまでもない。
含む、テレビの構成を示した斜視図である。
おける、音の放射軸と開口部の構造を側面方向からみた
断面図である。
おける、音の放射軸と開口部の構造を前面から見た部分
図である。
の、上下方向における音の放射方向を表した模式図であ
る。
おける、音の放射軸と開口部の構造を側面方向からみた
断面図である。
おける、音の放射軸と開口部の構造を前面から見た部分
図である。
おける、フィンとバッフルの位置関係の構造を示した模
式図である。
おいて、フィンとバッフルの位置関係と音響特性の関係
を表したグラフである。
おいて、フィンとバッフルの位置関係と音響特性の関係
を表したグラフである。
における、フィンの形状を示した模式図である。
における、開口部の構造を示したテレビの斜視図であ
る。
における、スピーカ装置および高音域用スピーカの、上
下方向における音の放射方向を表した模式図である。
における、開口部の構造を示したテレビの斜視図であ
る。
カ装置を備えたテレビジョン受像機の構造を示した斜視
図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 音響レンズを有するスピーカ装置であっ
て、 前方へ音を放射させるスピーカと、 前記スピーカの前方にあって、放射された音が通過する
通過口部が設けられたスピーカバッフルと、 前記スピーカバッフルとの間に音が通過する開口部が形
成されるように、前記スピーカに対向して設けられ、前
記スピーカに対向する面の中央部が後方に凸である断面
形状を有するフィンとを備え、 前記スピーカから放射された音は、前記通過口部を通っ
て、前記フィンおよび前記スピーカバッフルの間で反射
されることにより、前記開口部から装置外部へ放射され
ることを特徴とする、映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項2】 前記フィンは、前記スピーカバッフルに
設けられた通過口部を、前記映像機器の前面から見て完
全に覆い隠さないような形状であることを特徴とする、
請求項1に記載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項3】 前記フィンは、前記スピーカから放射さ
れる音の放射中心軸とは交差しない位置に設けられてい
ることを特徴とする、請求項2に記載の映像機器用スピ
ーカ装置。 - 【請求項4】 前記放射中心軸は、前記フィンと前記ス
ピーカバッフルとの間に形成された開口部を通り、 前記スピーカから放射された音の一部は、前記開口部か
ら装置外部へ直接に放射されることを特徴とする、請求
項3に記載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項5】 前記フィンは、前記映像機器の前面から
見た面形状が長方形であることを特徴とする、請求項1
に記載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項6】 前記フィンには、一つないし複数の孔が
あけられており、 前記スピーカから放射された音の一部は、当該孔を通っ
て装置外部へ放射されことを特徴とする、請求項1に記
載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項7】 前記フィンと前記スピーカバッフルとの
間に形成された開口部の総面積は、前記スピーカバッフ
ルに設けられた通過口部の面積と、ほぼ等しいことを特
徴とする、請求項1に記載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項8】 前記フィンは、その後方に凸である面の
中央部が、前記スピーカバッフルに設けられた通過口部
よりも、さらに前記スピーカへ近くなるように設けられ
ることを特徴とする、請求項1に記載の映像機器用スピ
ーカ装置。 - 【請求項9】 前記映像機器の前面上部および/または
前面下部に設けられることを特徴とする、請求項1に記
載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項10】 前記映像機器の前面左右に設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の映像機器用スピー
カ装置。 - 【請求項11】 前記映像機器の前面上部および/また
は前面下部と、前記映像機器の前面左右とに設けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の映像機器用スピー
カ装置。 - 【請求項12】 前記映像機器の前面左右に設けられた
スピーカ装置は、専ら高音域に使用されることを特徴と
する、請求項11に記載の映像機器用スピーカ装置。 - 【請求項13】 映像機器用回路セットを収納した映像
機器筐体と、当該映像機器筐体の前面上部および/また
は前面下部に設けられる第1のスピーカ装置と、当該映
像機器筐体の前面左右に設けられ、専ら高音域に使用さ
れる第2のスピーカ装置とを備える映像機器であって、 前記第1のスピーカ装置は、 前方へ音を放射させるスピーカと、 前記スピーカの前方にあって、放射された音が通過する
通過口部が設けられたスピーカバッフルと、 前記スピーカバッフルとの間に音が通過する開口部が形
成されるように、前記スピーカに対向して設けられ、前
記スピーカに対向する面の中央部が後方に凸である断面
形状を有するフィンとを備え、 前記スピーカから放射された音は、前記通過口部を通っ
て、前記フィンおよび前記スピーカバッフルの間で反射
されることにより、前記開口部から装置外部へ放射され
ることを特徴とする、映像機器。
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