JP2001021067A - プラスチックパイプ - Google Patents

プラスチックパイプ

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JP2001021067A
JP2001021067A JP11194752A JP19475299A JP2001021067A JP 2001021067 A JP2001021067 A JP 2001021067A JP 11194752 A JP11194752 A JP 11194752A JP 19475299 A JP19475299 A JP 19475299A JP 2001021067 A JP2001021067 A JP 2001021067A
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reinforcing fiber
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正行 津永
Masahiro Sato
政広 佐藤
Rokuro Sakai
麓郎 酒井
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栄次 細田
Toshiyuki Sugimoto
敏幸 杉本
Atsushi Tsunoda
角田  敦
Tetsuro Maruo
哲朗 圓尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼帯に比べて軽量かつ可撓性を有する補強用
シートを使用することにより、生産性に優れ、かつ優れ
た耐久性と保形性とを備えたプラスチックパイプを提供
する。 【解決手段】 プラスチックからなる導管21と防食層
22との間に補強用シート10(10’)を配置した構
成からなるプラスチックパイプであって、その補強用シ
ート10(10’)が複数本の補強繊維フィラメント束
1を相互に隙間gを介在させて平行配列し、該平行配列
した補強繊維フィラメント束1の片面または両面に保持
シート2(2’)を貼り付けた構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックパイプ
に関し、さらに詳しくは、特に鋳鉄管や鋼管等の金属パ
イプの代替として、軽量で優れた耐久性能を有するプラ
スチックパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に上水、下水などの送水管、海水の
取水管、放流管等の用途に使用されるパイプは、特に大
きな強度が要求されるため鋳鉄管や鋼管等の金属パイプ
が使用されている。しかし、金属パイプは重量が大きい
ため施工現場への搬入や敷設作業に多大の労力が必要に
なって工事期間が長くなること、可撓性を有しないため
地震などの大きな負荷を受けると破損しやすいこと、ま
た錆を発生するため耐腐蝕性が低いことなどの問題があ
った。
【0003】かかる金属パイプが有する問題の対策とし
て、金属パイプに比べて軽量で可撓性を有し、かつ耐腐
蝕性にも優れているプラスチックパイプが注目され、こ
のプラスチックパイプは金属パイプに比べて強度が低い
という問題があったが、これを導管に補強材として薄い
テープ状の鋼帯を巻き付けることにより解決し、実用化
されるに至っている。
【0004】しかし、プラスチックパイプの補強に使用
される鋼帯は剛性が大きいため、巻き付け時の曲げ抵抗
によりパイプ導管の外周面に馴染みにくく、また鋼帯は
過度の曲げ変形が与えられると永久変形し、それを元の
形状に戻そうとしても曲げ癖が残ってしまうという問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋼帯
に比べて軽量かつ可撓性を有する補強用シートを使用す
ることにより、生産性に優れ、かつ優れた耐久性と保形
性とを備えたプラスチックパイプを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のプラスチックパイプは、プラスチックからなる導管
と防食層との間に補強用シートを配置した構成からな
り、前記補強用シートが複数本の補強繊維フィラメント
束を相互に隙間を介在させて平行配列し、該平行配列し
た補強繊維フィラメント束の片面または両面に保持シー
トを貼り付けた構成からなることを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明のプラスチックパイプは、プラスチ
ックからなる内防食層と補強繊維フィラメント束を主材
とする補強用シートとから構成されているので軽量で可
撓性を有し、大きな曲げ荷重を受けても容易に追従変形
すると共に弾性回復することができるため、優れた耐久
性と保形性とを示すことができる。
【0008】また本発明に使用される補強用シートは、
補強繊維フィラメント束を主材としているため軽量かつ
可撓性であり、重量で高い剛性をもつ鋼帯に比べると、
プラスチックパイプ導管の円筒形状に容易に馴染むこと
ができる。したがって、プラスチックパイプ加工時には
優れたハンドリング性が得られるため、生産性を向上す
ることができる。
【0009】また、補強用シートは複数本の補強繊維フ
ィラメント束を隙間を介して平行配列するため、補強繊
維フィラメント束の種類や本数の選択により鋼帯と同等
以上の補強性能を発揮し、また要求性能に応じて本数と
隙間を適宜設計することにより、その要求性能を最低の
補強繊維フィラメント束の使用量で達成することができ
る。また補強用シートは複数本の補強繊維フィラメント
束を保持シートに単に貼り付けるだけで得られ、よこ糸
を使用する必要がないので低コストで得ることができ
る。
【0010】また、補強繊維フィラメント束は保持シー
トに保持されているので、プリプレグのように熱硬化性
樹脂等の樹脂を含浸させる必要はないので、補強用シー
トの可撓性を一層高くし、ハンドリング性の向上を測る
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックパイプは、
導管と防食層とがプラスチックからなり、その導管と防
食層との間に補強用シートを配置することにより構成さ
れている。用途としては特に限定されるものではない
が、特に従来から鋳鉄管や鋼管が使用されていた上水、
下水などの送水管、海水の取水管、放流管等の用途に好
ましく使用される。管径としては、20〜800mmが
好ましく使用される。
【0012】導管と防食層に使用されるプラスチックの
種類は、特に限定されないが、好ましくはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどの
樹脂を使用するのがよい。
【0013】補強用シートのプラスチックパイプにおけ
る配置方法は、その補強用シートを長手方向(補強繊維
フィラメント束の長手方向)を円筒状プラスチック導管
の外周に少なくとも1層螺旋状に巻き付けたり、或いは
円筒状プラスチック導管の長手方向に実質的平行に配置
するようにすればよい。前者の場合は、主としてプラス
チックパイプの径方向の膨張を抑制する補強を行い、ま
た後者の場合は、プラスチックパイプの長手方向の伸長
を抑制する補強を行う。
【0014】補強用シートを螺旋状に2層以上巻き付け
る場合には、各層の補強用シートを同一方向に螺旋方向
に巻き付けてもよく、或いは互いに逆方向に交差するよ
うに巻き付けてもよい。また、螺旋状に巻き付ける補強
用シートと、長手方向に直線状に配置する補強用シート
とを併用するようにしてもよい。
【0015】本発明に使用される補強用シートは、複数
本の補強繊維フィラメント束が互いに隙間を介して平行
に長手方向の一方向だけに配列し、この長手方向と交差
する方向によこ糸を配置していないことが特徴である。
複数本の各補強繊維フィラメント束が、上記のようによ
こ糸を設けずに保持シートの表面に直線状に貼り付けら
れていることにより、補強繊維フィラメント束の強力が
有効に利用されるようになっている。
【0016】長手方向に配列する補強繊維フィラメント
束と交差する方向によこ糸を配置すると、例えば織機な
どを使用して長手方向のたて糸によこ糸を挿入する織物
構造になるため、補強繊維が余分に必要になるコストだ
けでなく、手間も多くなるため生産性が低下し、コスト
アップになることが避けられない。この問題はよこ糸が
補強繊維でない場合でも同様である。また、よこ糸を配
置すると、よこ糸が横切る箇所でたて糸の補強繊維フィ
ラメント束が屈曲変形した状態になるため、その屈曲変
形した箇所により材料力学上の補強繊維フィラメント束
の強力利用率が低下する。
【0017】本発明に使用される補強用シートは、軽量
かつ可撓性の補強繊維フィラメント束が複数本平行に配
列した状態で、単に保持シートの表面に貼り付けられた
だけの構成であるので全体に高い可撓性を有し、パイプ
の円筒形状に容易に馴染むため優れたハンドリング性を
有する。また、複数本の補強繊維フィラメント束は互い
に隙間を介して配列しているため、要求特性に応じて補
強繊維フィラメント束の本数と隙間を適宜選択すること
により、その要求特性を最低の補強繊維フィラメント束
の使用量で達成することができる。
【0018】本発明において、補強繊維フィラメント束
に使用する繊維は、高強力、高弾性率の繊維であれば特
に限定されないが、好ましくは強度が100 kgf/mm2
以上、弾性率が4000 kgf/mm2 以上の繊維、さらに
好ましくは強度が200 kgf/mm2 以上、弾性率が50
00 kgf/mm2 以上の繊維を使用するとよい。具体的に
は、補強繊維フィラメント束の繊維としては、芳香族ポ
リアミド繊維、ポリ−P−フェニレンベンズビスオキサ
ゾール繊維(PBO繊維)、炭素繊維、ガラス繊維など
が好ましい。
【0019】補強繊維フィラメント束は、従来のプリプ
レグのように熱硬化性樹脂等の樹脂を含浸させずに、単
繊維相互を無拘束状態にすることが好ましい。このよう
な構成により単にコストダウンに役立つだけでなく、巻
き付け時の曲げ操作を容易にし、ハンドリング性を向上
することができる。
【0020】また、補強繊維フィラメント束には、甘撚
り程度の撚りを付与しておくことが好ましい。具体的な
撚り数としては10〜200回/m、さらに好ましくは
20〜100回/mがよい。10回/mよりも少ない撚
りであると、補強繊維フィラメント束の集束性が不足す
るため、保持シートに貼り付けたとき単繊維が乱れ、保
持を不安定にする。また、撚りが200回/mよりも多
いと、補強繊維フィラメント束の強力利用率が低下す
る。
【0021】補強繊維フィラメント束の太さは特に限定
されないが、好ましくは1000d〜7000dの範囲
のものを使用するとよい。また、補強繊維フィラメント
束の横断面形状は、好ましくは円形よりも、偏平にした
ものの方がよい。補強繊維フィラメント束を偏平にする
ことにより、保持シート上で横ずれや屈曲を起さないよ
うに安定した直線状態に配列しやすくすることができ
る。しかも、補強繊維フィラメント束の単位容積当たり
の補強効果を向上することができる。
【0022】補強繊維フィラメント束を偏平にして使用
する場合は、その幅wを1〜8mm、厚さtを1mm以
下にすることが好ましい。このような範囲にすることに
より、保持シートに対する形態保持を安定させ、かつそ
の安定な形態保持により補強効果を向上することができ
る。
【0023】また、隣接し合う補強繊維フィラメント束
間の隙間gとしては、片側の保持シート上の接着剤又は
低融点樹脂を他側の保持シートに転写可能にする程度の
大きさであればよい。好ましくは、補強用シートにおけ
る隙間gの合計幅が補強用シート全幅Wの30%以上、
好ましくは30〜80%にするとよい。一つ当たりの隙
間gの幅としては、この隙間gを介して接着剤又は低融
点樹脂が他方の保持シート側に転写可能になる程度の大
きさであればよいが、補強用シートにおける隙間gの合
計幅を上記の通りにした上で、好ましくは1〜5mmに
するとよい。
【0024】補強用シートの保持シートは専ら補強繊維
フィラメント束を一定間隔に並べて保持する機能を有し
ていれば十分であり、被補強体の補強作用に関与させる
手段として使用するものではない。したがって、保持シ
ートの強度としては、補強繊維フィラメント束の保持に
支障のない程度を有していればよく、特に大きな値を有
する必要はない。
【0025】このような観点から、保持シートとして
は、合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布が使用され
る。合成樹脂フィルムは、無延伸フィルムであっても、
延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムの場合は一
軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。また、合
成繊維不織布は、メルトブロー法、スパンボンド法、ニ
ードルパンチ法のいずれの加工法で製造されたものであ
ってもよい。
【0026】保持シートの素材としては、合成樹脂フィ
ルムおよび合成繊維不織布のいずれの場合でも、熱可塑
性樹脂が好ましい。例えば、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂を挙げる
ことができる。
【0027】保持シートに補強繊維フィラメント束を貼
り付ける手段としては、接着剤または低融点樹脂が使用
される。接着剤は保持シートの片側全面にコーティング
し、その上に複数本の平行配列状態の補強繊維フィラメ
ント束を配置し、その上面から押圧することにより貼り
付けることができる。このように接着剤をコーティング
する保持シートは、合成樹脂フィルムおよび合成繊維不
織布のいずれであってもよいが、好ましくは合成樹脂フ
ィルムの方にコーティングするのがよい。
【0028】また、低融点樹脂の場合は、同じく保持シ
ートの片側全面に低融点樹脂をフィルム状に積層すれば
よい。このようにフィルム状に積層された低融点樹脂の
表面に複数本の平行配列状態の補強繊維フィラメント束
を配置し、その上から熱を加えることにより低融点樹脂
を溶融して融着させることができる。低融点樹脂がコー
ティングされる保持シートとしては、接着剤の場合と同
様に合成樹脂フィルムおよび合成繊維不織布のいずれで
あってもよいが、好ましくは合成樹脂フィルムに積層さ
せる方がよい。
【0029】複数本の平行配列した補強繊維フィラメン
ト束の両側に保持シートを配置する場合の組合せとして
は、一方の保持シートを合成樹脂フィルムにし、他方の
保持シートを合成繊維不織布にする態様、両側の保持シ
ートとも合成樹脂フィルムにする態様、或いは両側の保
持シートとも合成繊維不織布にする態様のいずれであっ
てもよい。しかし、好ましくは一方の保持シートを合成
樹脂フィルムにし、他方の保持シートを合成繊維不織布
にする第一番目の組合せがよい。
【0030】上述のように構成された補強用シートの総
幅Wは特に限定されるものではないが、プラスチックパ
イプの管径にもよるが、30〜400mmの範囲が好ま
しい。また、補強用シートの50mm幅当たりの補強繊
維フィラメント束の配列本数は、3000dの補強繊維
フィラメント束を基準として、10〜20本/50mm、
好ましくは13〜18本/50mmがよい。
【0031】図1は、本発明のプラスチックパイプの一
例を示したものである。図1において、プラスチックパ
イプ20は内側の導管21と外側の防食層22とがプラ
スチックから成形され、その中間に、後述する図4又は
図5に例示する構成からなる補強用シート10(1
0’)が挿入されている。補強用シート10(10’)
は、導管21と防食層22との間において、補強繊維フ
ィラメント束1の長手方向をプラスチックパイプ20の
軸方向に対して角度θをなすように導管21の外周に螺
旋状に巻回されている。
【0032】このように螺旋状に巻回された補強用シー
ト10(10’)は、主としてプラスチックパイプ20
の径方向の膨張を抑制する。補強用シート10(1
0’)のパイプ軸方向に対する巻付け角度θ(螺旋角
度)は45°以上、90°未満とし、好ましくは50°
以上、80°以下にするとよい。
【0033】図2は、本発明の他の実施形態からなるプ
ラスチックパイプを示す。この実施形態では、補強用シ
ート10(10’)が内外2層に螺旋状に巻き付けられ
ている。内側に巻き付けられた補強用シート10(1
0’)の両縁が接合する螺旋状境界線の上面を、外側の
補強用シート10(10’)が同じ螺旋角度θで覆うよ
うに巻き付けられている。
【0034】ここで補強用シートの両縁が接合する螺旋
状の境界線は、必ずしも縁部同士が接している必要はな
く、互いに隙間を介して離れていても、或いは互いに一
部をオーハラップさせるようになっていてもよい。
【0035】図3は、本発明の更に他の実施形態からな
るプラスチックパイプを示す。この実施形態は、図2と
同様に補強用シート10(10’)が内外2層に螺旋状
に巻き付けられているが、内側の補強用シート10(1
0’)の螺旋方向と外側の補強用シート10(10’)
の螺旋方向とがパイプ軸方向を挟んで互いに反対方向に
なっている。すなわち、内側の補強用シートと外側の補
強用シートとがパイプ軸方向を挟んで交差するようにな
っている。この実施形態では、補強用シートがプラスチ
ックパイプの径方向の膨張抑制と共に、捩じれ抑制にも
有効に作用する。
【0036】図4は、プラスチックパイプの補強に使用
される補強用シートを例示したものである。図4の補強
用シート10は、複数本の補強繊維フィラメント束1を
相互間に隙間gを介在させて平行に配列し、これらを帯
状の保持シート2の表面に長手方向に沿って接着剤によ
り貼り付けて構成されている。保持シート2は、合成樹
脂フィルムまたは合成繊維不織布からなり、また補強繊
維フィラメント束1は40回/mの撚りを有し、かつ偏
平に押し広げられ、その偏平な面を保持シート2の表面
に沿わせるようにしている。
【0037】また、図5は別の実施形態からなる補強用
シートを示す。図5の補強用シート10’は、上述した
図4の構成において、さらに補強繊維フィラメント束1
の上面側に別の保持シート2’を貼り合わせるようにし
たものである。上面に被覆した保持シート2’は、保持
シート2と同様に合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織
布から構成されている。両側の保持シート2と2’は、
一方が合成樹脂フィルムで、他方が合成繊維不織布であ
るような組合せにしてもよく、或いは両方とも合成樹脂
フィルムまたは合成繊維不織布であるようにしてもよ
い。
【0038】この補強用シート10’において、保持シ
ート2に塗布された接着剤は、補強繊維フィラメント束
1,1の間の隙間gに滲出し、この滲出した接着剤を介
して反対側の保持シート2’が保持シート2に接着する
ようになっている。互いに接着した保持シート2,2’
は、複数の補強繊維フィラメント束1を挟持することに
よって拘束し、これら補強繊維フィラメント束1が横ず
れしたり、或いは交錯したりしないようにする。
【0039】図6は、上述した補強用シート10又は1
0’を使用してプラスチックパイプを連続的に成形する
装置を例示したものである。最初に押出機31が溶融樹
脂を図7(A)に示すような横断面をもつ導管21とし
て押し出し、その押し出した導管21を次のシート巻付
機32へ送り出すようにする。
【0040】シート巻付機32は、導管21の外側で同
軸に回転する回転胴34を有し、その回転胴34に斜め
放射状に延びる一対の支持軸35a,35bを固定し、
その各支持軸35a,35bにそれぞれ補強用シート1
0(10’)が巻かれたボビン36a,36bを回転可
能に支持している。シート巻付機32は、矢印方向に走
行する導管21に対し、回転胴34を回転させながらボ
ビン36a,36bから補強用シート10(10’)を
1本ずつ解除しつつ導管21の外周に平行に螺旋状に巻
き付け、図7(B)に示す横断面の管状積層体にし、そ
の管状積層体を次の押出機33へ送り出すようにする。
【0041】押出機33は、上記のように送り出された
管状積層体の外周に対して、溶融樹脂を防食層22とし
て被覆し、図7(C)のような横断面を有するプラスチ
ックパイプ20に成形する。
【0042】
【実施例】保持シート2としてゴム系接着剤がコーティ
ングされた幅100mm、厚さ40μmの一軸延伸ポリ
プロピレンフィルム、保持シート2’として目付40g
/m2 、幅100mmのポリエステル長繊維スパンボン
ド不織布、また補強繊維フィラメント束1として300
0dの芳香族ポリアミド繊維フィラメント束(東レ・デ
ュポン製“ケブラー”29)をそれぞれ使用し、該芳香
族ポリアミド繊維フィラメント束35本が上記保持シー
ト2に略等間隔で平行配列するように貼り付けた補強用
シートAを製造した。
【0043】また、比較のため厚さ0.15mm、幅1
00mmのステンレス鋼(SUS)の帯板からなる補強
用シートBを用意した。
【0044】上記2種類の補強用シートA及びBを使用
し、それぞれ図6の製造装置を使用し、導管と防食層が
ポリエチレンからなり、巻付け角度θが68°の螺旋状
に巻付け、外径が114mm、全肉厚が9mmの同一寸
法からなる本発明のプラスチックパイプ(補強用シート
Aに基づく)と、比較例のプラスチックパイプ(補強用
シートBに基づく)との2種類を成形した。
【0045】上記のようにして得られた2種類のプラス
チックパイプについて、それぞれ内圧をかけて破壊強力
を測定したところ、両パイプとも内圧65 kgf/cm2
も破壊することがなく、優れた破壊圧力を有していた。
【0046】次いで、各プラスチックパイプに曲げ荷重
を加えて約30度まで曲げたのち、その曲げ荷重を解除
したところ、本発明のプラスチックパイプは元のストレ
ートな状態に復帰したが、比較例のプラスチックパイプ
は、元のストレートな状態に戻らず屈曲変形したままで
あった。その屈曲変形を強制的に直線状に戻したとこ
ろ、屈曲部分が偏平状の歪んだ断面として残った。
【0047】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、プラス
チックの内防食層と補強繊維フィラメント束を主材とす
る補強用シートとから構成されているので軽量かつ可撓
性を有し、大きな曲げ荷重に対して容易に追従変形する
と共に、元の形状に簡単に弾性回復するので、優れた耐
久性と保形性とを有している。
【0048】また本発明に使用される補強用シートは、
補強繊維フィラメント束が主材であるため軽量かつ可撓
性であり、プラスチックパイプ導管の円筒形状に容易に
馴染むことができるので、プラスチックパイプの加工時
に優れたハンドリング性が得られ、著しく生産性を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチックパイプの一例について一
部破断して示す部分正面図である。
【図2】本発明のプラスチックパイプの他の例について
一部破断して示す部分正面図である。
【図3】本発明のプラスチックパイプの更に他の例につ
いて一部破断して示す部分正面図である。
【図4】本発明に使用される補強用シートの一例を示す
部分斜視図である。
【図5】本発明に使用される他の補強用シートの例を示
す部分斜視図である。
【図6】本発明のプラスチックパイプの製造装置を例示
する概略図である。
【図7】(A),(B),(C)は、それぞれ図6のA
−A矢視、B−B矢視、C−C矢視の断面図である。
【符号の説明】
20 プラスチックパイプ 21 導管 22 防食層 1 補強繊維フィラメント束 2,2’ 保持シート 10,10’補強用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津永 正行 大分県大分市大字勢家字春日浦843−18 三井金属エンジニアリング株式会社大分工 場内 (72)発明者 佐藤 政広 大分県大分市大字勢家字春日浦843−18 三井金属エンジニアリング株式会社大分工 場内 (72)発明者 酒井 麓郎 静岡県島田市細島1349番地の1 サカイ産 業株式会社内 (72)発明者 細田 栄次 静岡県島田市細島1349番地の1 サカイ産 業株式会社内 (72)発明者 杉本 敏幸 静岡県島田市細島1349番地の1 サカイ産 業株式会社内 (72)発明者 角田 敦 東京都中央区日本橋本町1−5−6 東 レ・デュポン株式会社内 (72)発明者 圓尾 哲朗 東京都中央区日本橋本町1−5−6 東 レ・デュポン株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA01 AA02 BA15 BA25 BA26 BA28 CB04 CB05 CC03 CC04 CC07 DA26 DB03 DB05 4F100 AD11C AG00C AK01A AK01D AK01E AK47C AK80C AR00D AR00E AT00D AT00E BA05 BA07 BA10B BA22 DA11 DG04C DG15D DG15E DH00C GB07 JB02 JB02B JL03 JL09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックからなる導管と防食層との
    間に補強用シートを配置した構成からなり、前記補強用
    シートが複数本の補強繊維フィラメント束を相互に隙間
    を介在させて平行配列し、該平行配列した補強繊維フィ
    ラメント束の片面または両面に保持シートを貼り付けた
    構成からなるプラスチックパイプ。
  2. 【請求項2】 前記平行配列した補強繊維フィラメント
    束の両面に配置した保持シートが前記隙間を介して互い
    に接着している請求項1に記載のプラスチックパイプ。
  3. 【請求項3】 前記補強繊維フィラメント束が撚り数1
    0〜200回/mであると共に偏平であり、その偏平な
    面を前記保持シートの表面に沿わせて接着してなる請求
    項1または2に記載のプラスチックパイプ。
  4. 【請求項4】 前記保持シートが合成樹脂フィルム又は
    合成繊維不織布である請求項1,2または3に記載のプ
    ラスチックパイプ。
  5. 【請求項5】 前記補強繊維フィラメント束を構成する
    繊維が、芳香族ポリアミド繊維、ポリ−P−フェニレン
    ベンズビスオキサゾール繊維、炭素繊維又はガラス繊維
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチッ
    クパイプ。
  6. 【請求項6】 前記平行配列した補強繊維フィラメント
    束の両面に配置した保持シートの一方が合成樹脂フィル
    ムであり、他方が合成繊維不織布である請求項1〜5の
    いずれかに記載のプラスチックパイプ。
  7. 【請求項7】 前記保持シートが合成樹脂フィルムであ
    り、該合成樹脂フィルムにコーティングした接着剤又は
    低融点樹脂を介して前記補強繊維フィラメント束が貼り
    付けられてなる請求項1〜6のいずれかに記載のプラス
    チックパイプ。
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