JP2002228058A - 管軸方向に補強されたプラスチックパイプ - Google Patents
管軸方向に補強されたプラスチックパイプInfo
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Abstract
となく、管軸方向に優れた抗張力を備えるように補強さ
れたプラスチックパイプを提供する。 【解決手段】 多数のマルチフィラメント糸5を配列し
た帯状シート3を、プラスチック製の管本体1,2に管
軸方向に対し30°以下の緩い角度で螺旋状に配置した
プラスチックパイプ10である。
Description
たプラスチックパイプに関し、さらに詳しくは、深層水
取水管或いは非開削の弧状削進工法で掘削された屈曲穴
への埋設管などとして使用される導管であって、可撓性
を保持しながら管軸方向に高い抗張力を有するプラスチ
ックパイプに関する。
る「深層水」が多量のミネラル分を含有していることが
わかり、この深層水を飲用水、食品、化粧水などに利用
することで健康維持や美容に優れた効果を発揮すること
が明らかにされている。この深層水は、導管を深海まで
敷設して取水が行われている。
表を開削せずに弧状削進工法により屈曲穴を掘削し、そ
の屈曲穴に導管を引き込むようにする方法がある。この
埋設工法は地表の障害物に影響されずに導管を埋設でき
るため、低コストで埋設工事を出来るというメリットが
ある。
設したり、或いは地中の屈曲穴に導管を引き込み敷設す
るには、敷設作業性を容易にするため軽量で取扱い易い
プラスチックパイプが好ましいことがわかっている。し
かし、プラスチックパイプは抗張力が低いため、上記の
ような用途に使用可能にするためには、補強材で補強し
て管軸方向の抗張力を増大する必要がある。しかしなが
ら、プラスチックパイプを管軸方向に補強材で補強する
と、パイプの曲げ剛性が増大して可撓性が低下し、リー
ル又はドラムに巻取りが困難になるという問題がある。
すなわち、工場で製造したプラスチックパイプを敷設現
場へ運搬するには、長尺のままでは運搬が不可能なの
で、必ずリール又はドラムに巻き上げてコンパクトな運
搬し易い状態にする必要があり、そのため単に補強材で
管軸方向に補強しただけでは、プラスチックパイプを上
述した深層水取水管や屈曲穴埋設管等に実用化すること
はできないのである。
スチックパイプ本来の可撓性を損なうことなく、管軸方
向に優れた抗張力を備えるように補強されたプラスチッ
クパイプを提供することにある。
イプは、多数のマルチフィラメント糸を配列した帯状シ
ートを、プラスチック製の管本体に管軸方向に対し30
°以下の緩い角度で螺旋状に配置したことを特徴とする
ものである。
配列した帯状シートを使用し、この帯状シートを管軸方
向に対し30°以下の緩い角度で螺旋状に巻回配置した
ことにより、プラスチックパイプを管軸方向に抗張力を
増大し、しかも螺旋状の配置であるため容易に屈曲させ
ることができる。したがって、リール又はドラムに容易
に巻き付け可能にすることができる。
数本の高強度、高弾性率のマルチフィラメント糸を引き
揃えて帯状に配列した構成からなる。マルチフィラメン
ト糸は無撚り或いは有撚のいずれでもよいが、好ましく
は強力利用率を高くする無撚りである方がよい。また、
帯状シートは、形態安定のため多数本のマルチフィラメ
ント糸の相互間を連結糸(緯糸)或いは粘着シートなど
によって拘束状態にしておくことが好ましい。
置する箇所は、管本体の内層であっても、或いは管本体
の外側であってもよいが、好ましくは管本体の内層に配
置した方がよい。特に、管本体を樹脂製の導管とその外
側の樹脂製の被覆層とから構成し、その導管と被覆層と
の間に帯状シートを配置するようにしたものが好まし
い。このような内層配置の構成にすることにより、形態
をコンパクトにすると共に、帯状シートの損傷を低減
し、耐久性に優れたプラスチックパイプにすることがで
きる。
して30°以下の緩い角度で螺旋状に巻回するものとす
る。このように緩い螺旋角度で配置することにより、プ
ラスチックパイプの抗張力を増大しながら曲げ抵抗を小
さくし、容易に屈曲可能にすることができる。管本体に
螺旋状に配置する帯状シートは、長手方向に密に配置し
てもよいが、補強効果の程度に応じて後述する図示の例
のように間隔を置くようにしてもよい。
との間に帯状シートを挿入する場合、その帯状シートは
導管と被覆層との間で融着或いは接着された固定された
状態であってもよく、或いは導管と被覆層との間に小さ
な隙間を介在させて周方向に横滑りするようになってい
てもよい。帯状シートが螺旋状であることにより、それ
だけでプラスチックパイプの屈曲性は良好になり、リー
ルやドラム等に容易に巻き付け可能になる。しかし、上
記のように横滑り可能にした場合には、屈曲性を一層増
大することができる。
に説明する。
向に補強されたプラスチックパイプを例示したものであ
る。
0は樹脂製の導管1と樹脂製の被覆層2とから管本体が
構成され、その導管1と被覆層2との間に2本の帯状シ
ート3,3が互いにたすき掛けの状態に螺旋状に配置さ
れている。帯状シート3の管軸方向に対する螺旋角度は
30°以下であり、好ましくは5°〜20°の範囲に設
定されている。このような螺旋角度の設定により、プラ
スチックパイプ10は管軸方向に対して高い抗張力を発
揮しながら、しかも屈曲性を容易にすることができる。
て、帯状シート3は1本だけを一方向に螺旋状に巻くだ
けでもよい。しかし、好ましくは図示の例のように2本
又はそれ以上の帯状シート3を使用し、しかも管軸方向
に対して互いに反対方向にたすき掛けにすることが好ま
しい。このように管軸方向に対し互いに反対方向に巻回
することにより、プラスチックパイプ10を管軸方向の
引張ったとき、捩じれを発生させず、常に形態を安定に
することができる。
要に応じて、導管1の外周に不織布等の布帛からなる保
護テープを螺旋状に巻き付けたり、また帯状シート3の
外周に不織布及び/又は樹脂フィルムからなる押さえテ
ープを螺旋状に巻きつけたりしてもよい。
る帯状シート3としては、図2に示すように、多数本の
マルチフィラメント糸5を小間隔に平行に配列し、これ
らマルチフィラメント糸5の相互間を、長手方向に所定
の間隔毎に連結糸7(緯糸)により連結するようにした
ものが好ましい。マルチフィラメント糸5には、高強
度、高弾性率を有する有機繊維又は非金属系無機繊維が
使用される。
を拘束する手段には、上記のような連結糸7を使用する
ほか、図3に示すように、片面に粘着剤を塗布した樹脂
シート又は不織布シート8を使用するようにしてもよ
い。図3の帯状シート3では、樹脂シート又は不織布シ
ート8に粘着剤が塗布された側の表面に、多数本のマル
チフィラメント糸5が平行に配列するように接着させて
ある。このような粘着性のシートを使用する場合、図4
に示すように、別の接着剤付きの樹脂シート又は不織布
シート8の接着剤の塗布面側を被せ、2枚の樹脂シート
又は不織布シート8,8の間に挟むようにしてもよい。
スチックパイプである。
して非開削に掘削した屈曲穴に対する敷設管として好適
であるが、図5に示すプラスチックパイプ10の場合
は、特に深層水取水用管として好適である。
は、導管1と帯状シート3との間に鉛シート等の重錘4
を巻き付けた構成になっている。このように重錘4が付
設されているので、水深300m以上の深海に敷設する
とき、短時間で海底に沈下させ、かつ安定させることが
でき、敷設作業を効率化することができる。
て必ずしも長手方向に連続的に配置する必要はなく、長
手方向に間欠的に間隔をおいて配置してもよい。また、
重錘4は必ずしも導管1と被覆層2との間に配置する必
要はなく、プラスチックパイプの外側に配置してもよ
い。また、重錘4は必ずしもプラスチックパイプに層状
に一体に設ける必要はなく、ブロック状の重錘にして吊
り下げるようにしてもよい。
本体を構成する導管や被覆層に使用する樹脂は特に限定
されないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂がよ
い。なかでもポリエチレンが特に好ましい。
糸は、高強力、高弾性率であれば特に限定されない。好
ましくは、強度900MPa以上で、弾性率35GPa
以上、さらに好ましくは強度15000MPa以上で、
弾性率450GPa以上の有機繊維若しくは非金属系無
機繊維を使用するとよい。
糸としては、パラ系全芳香族ポリアミド繊維、ポリ−P
−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維(PBO繊
維)などが好ましい。また、非金属系無機繊維のマルチ
フィラメント糸としては、ガラス繊維、炭素繊維などが
好ましい。
限定されないが、好ましくは20,000〜1,00
0,000dtexの範囲のものを使用するとよい。
は、従来のプリプレグのように熱硬化性樹脂等の樹脂を
含浸させない状態で使用することが好ましい。このよう
な樹脂非含浸の構成により、単にコストダウンに役立つ
だけでなく、帯状シートの巻付け操作を容易にし、取扱
い性を向上することができる。また、プラスチックパイ
プの可撓性にも寄与させることができる。
マルチフィラメント糸を配列した帯状シートを使用し、
この帯状シートを管軸方向に対し30°以下の緩い角度
で螺旋状に巻回配置したことにより、プラスチックパイ
プを管軸方向に抗張力を増大し、しかも螺旋状の配置で
あるため容易に屈曲させることができる。したがって、
リール又はドラムに容易に巻き付け可能にすることがで
きる。
(A)は被覆層のみを断面にして示す側面図、(B)は
(A)におけるX−X矢視断面図である。
斜視図である。
部分斜視図である。
する部分斜視図である。
示す横断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 多数のマルチフィラメント糸を配列した
帯状シートを、プラスチック製の管本体に管軸方向に対
し30°以下の緩い角度で螺旋状に配置したことを特徴
とする管軸方向に補強されたプラスチックパイプ。 - 【請求項2】 前記帯状シートを少なくとも2本使用
し、該2本の帯状シートを管軸方向を挟んで互いに反対
方向に巻回するように配置した請求項1に記載のプラス
チックパイプ。 - 【請求項3】 前記管本体が内側の導管と外側の被覆層
からなり、前記帯状シートを前記導管と被覆層との間に
介在させた請求項1又は2に記載のプラスチックパイ
プ。 - 【請求項4】 前記管本体の管軸方向に沿って重錘を連
続的または間欠的に配置した請求項1,2又は3に記載
のプラスチックパイプ。 - 【請求項5】 前記マルチフィラメント糸を長手方向に
間隔をあけながら螺旋状に配置すると共に、周方向に位
置ずれ可能にした請求項1〜4のいずれかに記載のプラ
スチックパイプ。 - 【請求項6】 前記マルチフィラメント糸が強度900
MPa以上で、かつ弾性率35GPa以上である請求項
1〜5のいずれかに記載のプラスチックパイプ。 - 【請求項7】 前記マルチフィラメント糸がパラ系全芳
香族ポリアミド繊維又はポリ−P−フェニレンベンズビ
スオキサゾール繊維である請求項6に記載のプラスチッ
クパイプ。 - 【請求項8】 深層水取水管又は弧状削進された連続穴
の埋設管として使用される請求項1〜7のいずれかに記
載のプラスチックパイプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001022921A JP2002228058A (ja) | 2001-01-31 | 2001-01-31 | 管軸方向に補強されたプラスチックパイプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001022921A JP2002228058A (ja) | 2001-01-31 | 2001-01-31 | 管軸方向に補強されたプラスチックパイプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002228058A true JP2002228058A (ja) | 2002-08-14 |
Family
ID=18888264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001022921A Pending JP2002228058A (ja) | 2001-01-31 | 2001-01-31 | 管軸方向に補強されたプラスチックパイプ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2002228058A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008506894A (ja) * | 2004-06-04 | 2008-03-06 | エプシロン コンポジット サルル | 「高剛性複合材料管およびその製造方法」 |
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2001
- 2001-01-31 JP JP2001022921A patent/JP2002228058A/ja active Pending
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