JP4386505B2 - 管軸方向に補強されたプラスチックパイプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は管軸方向に補強されたプラスチックパイプに関し、さらに詳しくは、深層水取水管或いは非開削の弧状削進工法で掘削された屈曲穴に対する埋設管などとして使用される導管であって、可撓性を保持しながら管軸方向に高い抗張力を有するプラスチックパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水深300m以上の深海に存在する「深層水」が多量のミネラル分を含有していることから、この深層水を飲用水、食品、化粧水などに使用することにより健康維持や美容に優れた効果を発揮することが明らかにされたため、注目されている。このような深層水を取水するには、導管を深海まで敷設するようにして行われている。
【0003】
また、導管を地中に埋設する場合、地表を開削せずに弧状削進工法により屈曲穴を掘削し、その屈曲穴に導管を引き込むようにする埋設方法がある。この工法は地表の障害物に影響されずに導管を埋設することができるため、埋設工事を低コストで出来るというメリットがある。
【0004】
しかし、上記のように深層水取水用導管を深海に敷設したり、或いは地中の屈曲穴に導管を引き込み敷設する場合には、導管の管軸方向に大きな荷重が作用するため、プラスチックパイプが軽量で取扱い性の良いことが分かっていても、抗張力が低いために、導管としては専ら金属管が使用されていた。プラスチックパイプを使用するとしても、地中穴への引込み管の場合には屈曲穴が短い場合とか、引込み敷設時にあまり荷重がかからない場合に限られていた。また、深層水取水管の場合には、プラスチックパイプの外周にスチールワイヤを螺旋状に外装する提案はあるが、スチールワイヤの海水に対する耐久性が潜在的問題として懸念されている。
【0005】
したがって、プラスチックパイプを上記のような用途に使用可能にするためには、補強材で補強して管軸方向の抗張力を増大する必要がある。しかし、プラスチックパイプを管軸方向に補強材で補強すると、パイプの曲げ剛性が増大して可撓性が低下するため、リール又はドラムに対する巻取りが困難になるという問題があった。すなわち、工場で製造したプラスチックパイプを敷設現場へ運搬するには、長尺のままでの運搬は不可能なので、必ずリール又はドラムにコンパクトに巻き上げる必要があり、そのため単に補強材で補強するだけでは、プラスチックパイプを上述した深層水取水管や屈曲穴埋設管等に実用化することはできなかったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プラスチックパイプ本来の可撓性を損なうことなく、優れた抗張力を備えるように管軸方向に補強されたプラスチックパイプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラスチックパイプは、樹脂からなる導管と、この導管の外側に配置される樹脂からなる被覆層と、この導管と被覆層との間に挿入される補強層とを有し、前記補強層は、撚り糸又は組紐からなる経糸と無撚りマルチフィラメント糸からなる緯糸とからネット状又はメッシュ状に形成された保持シートと、複数本の補強コードとで構成され、前記複数本の補強コードは、無撚りのマルチフィラメント束を芯にして、その外側を外皮層で覆って構成されるとともに、前記緯糸の無撚りマルチフィラメント糸に、このフィラメントが上下に振り分けられるように挿通することにより保持シートに相対移動可能に支持されて、或いは、並列した前記緯糸に対して上側と下側とに交互に挿通することにより保持シートに相対移動可能に支持されて、この複数本の補強コードを、管本体に対して周方向に互いに隙間を介在させると共に、管軸方向に実質的平行に延長させ、かつ周方向に位置ずれ可能に配置した構成からなることを特徴とするものである。
【0008】
上記のように、複数本の補強コードを管本体の周方向に互いに隙間を介在させると共に、管軸方向に実質的平行に延長するように配置したため、プラスチックパイプは管軸方向の抗張力が増大し、深層水取水用管として深海に敷設したり、非開削で掘削の屈曲穴に敷設管として引き込む場合に有効に使用が可能になる。また、マルチフィラメント糸から構成された補強コードはプラスチックに馴染みがよく、損傷させることがないので、プラスチックパイプに優れた耐久性を与えることができる。
【0009】
また、補強コードが管本体に対して周方向に位置ずれ可能になっているので、プラスチックパイプに曲げ荷重を加えると補強コードは管本体の周方向に位置ずれすることによりパイプが容易に屈曲し、リール又はドラムに容易に巻き付け可能になる。
【0010】
本発明において、上記プラスチックパイプを深層水取水管として使用する場合には、管本体の管軸方向に沿って重錘を連続的または間欠的に配置するようにすることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
プラスチックパイプにおいて、管本体に補強コードを配置する箇所は、管本体の内層であっても、或いは管本体の外側であってもよい。しかし、より好ましくは管本体の内層に対して配置するのがよく、本発明では、樹脂で成形された導管とその外側の樹脂で成形された被覆層との間に配置して、形態をコンパクトにすると共に、補強コードの損傷を少なくし、耐久性に優れたプラスチックパイプにしている。
【0012】
本発明のプラスチックパイプにおいて、上記補強コードは管本体の周方向に位置ずれ可能に配置されている。このように補強コードが周方向に位置ずれを発生するように配置されていることにより、プラスチックパイプに曲げ荷重を加えたとき、曲げの中立軸から曲率半径の外側に位置する補強コードがパイプの周方向に横ずれし、引張り張力を逃がすため、プラスチックパイプは容易に屈曲することができる。
【0013】
以下、図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明の管軸方向に補強されたプラスチックパイプの一例を示したものである。
【0015】
図1に示すように、プラスチックパイプ10は、それぞれ共に樹脂から成形された導管1と被覆層2とを内外に有し、その導管1と被覆層2との間に補強層3を配置するように構成されている。このような導管1と補強層3と被覆層2の配置において、導管1の外周に不織布等の布帛からなる保護テープ7が螺旋状に巻かれ、また補強層3の外周に不織布及び/又は樹脂フィルムからなる押さえテープ8が螺旋状に巻かれている。ただし、これら保護テープ7および押さえテープ8は、プラスチックパイプ10の用途に応じて省略するようにしてもよい。
【0016】
補強層3は、後述する図4〜8で説明するように、マルチフィラメント糸から構成された複数本の補強コード5と保持シート6とから構成され、又は複数本の補強コード5と保持シート6,6’とから構成され(図4,5,7,8)、或いは複数本の補強コード5とその相互間を連結する連結糸7とから構成されている(図6)。上記補強コード5を構成するマルチフィラメント糸条としては、高強力、高弾性率の有機繊維又は非金属無機繊維が使用される。
【0017】
上記のように構成されたプラスチックパイプ10において、導管1と被覆層2との間に介在した複数本の補強コード5は、管本体に対して周方向に互いに隙間を介在させると共に、管軸方向に実質的平行に延長配列した状態になっている。また、これら複数本の補強コード5は、導管1と被覆層2との間において、管本体の周方向に位置ずれ可能になっている。また、上記複数本の補強コード5は、それぞれ管本体の管端において接着用樹脂或いは固定具(図示せず)などにより固定された状態になっている。
【0018】
図2は、本発明の他の実施形態を示すプラスチックパイプである。上記図1のプラスチックパイプは、主として非開削で掘削した屈曲穴に対する敷設管として好適な場合であるが、この図2のプラスチックパイプ10は、特に深層水取水用管として好適に使用されるものである。
【0019】
図2のプラスチックパイプ10は、図1のプラスチックパイプにおいて導管1外周の押さえテープ7の層と補強層3との間に鉛シートからなる重錘4を巻き付けて構成されている。このようにプラスチックパイプ10に重錘4を付設したので、水深300m以上の深海に対して深層水取水用管として敷設するとき、短時間に海底に沈下させ、かつ安定させることができる。
【0020】
上記プラスチックパイプ10に設ける重錘4は、必ずしも管本体の長手方向に連続的に配置する必要はなく、長手方向に間欠的に間隔をおいて配置するようにしてもよい。また、重錘は必ずしも管本体の内部に内層として配置する必要はなく、プラスチックパイプの外側に配置するようにしてもよい。また、重錘は必ずしもプラスチックパイプに層状に一体に設ける必要はなく、ブロック状の重錘にして吊り下げるようにしてもよい。
【0021】
なお、図1,図2に例示したプラスチックパイプ10では、太い複数本(図では8本)の補強コード5が周方向に間欠的に配置されているため、最外層の被覆層2が多角形(八角形)になっているが、この被覆層2は図10や図11に例示するプラスチックパイプのように円形断面にしてもよい。図10のプラスチックパイプ10は、図1に対応するものであり、図11のプラスチックパイプ10は、図2の重錘付きのプラスチックパイプに対応するものである。
【0022】
図4は、上述した図1や図2のプラスチックパイプに使用される補強層を例示したものである。
【0023】
図4に示す補強層3は、撚り糸又は組紐からなる経糸6aと、無撚りマルチフィラメント糸からなる緯糸6bとからネット状又はメッシュ状にした保持シート6を構成し、並列する2本ずつの経糸6a,6a間に、補強コード5を平行に、かつ緯糸6bの無撚りマルチフィラメント糸に上下にフィラメントが振り分けられるように挿通している。このように補強コード5は、上下2本の緯糸6b,6bの間に挟まれた状態であるため左右に位置ずれ可能になっている。また、補強コード5が左右に位置ずれ可能であるため、図1,図2,図10,図11に示すプラスチックパイプ10のように導管1と被覆層2との間に埋設された状態でも、管本体の周方向に位置ずれ可能になる。
【0024】
補強層3は、プラスチックパイプ10の導管1と被覆層2との間に挿入され、複数本の補強コード5が管軸方向と実質的に平行に延長するように配置されている。ここで補強コード5を管軸方向に実質的平行に配置するとは、複数本の補強コード5が管本体に対して実質的同じ長さで配置されていることを意味する。
【0025】
補強コード5は、図4〜図8に例示したように、保持シート6の幅方向に位置ずれ可能に保持されているので、プラスチックパイプ10の導管1と被覆層2との間に管軸方向に実質的平行に配置されると、導管1と被覆層2とは互いに分離した状態になっているので、その両者間で周方向に位置ずれ可能になる。
【0026】
したがって、プラスチックパイプ10を曲げると、管軸(曲げの中立軸)から曲率半径方向の外側に位置する補強コード5は、曲率に応じて導管1と被覆層2との界面で管本体の周方向に横ずれし、引張り応力を緩和させる。そのためプラスチックパイプ10の曲げ抵抗が低下し、プラスチックパイプ本来の可撓性が維持される。また、補強コード5の上記横ずれに応じて、他の補強コードもほぼ同じ長さになるように調整され、所定長さのパイプにおいて補強コードの長さがほぼ同じになるので、管軸方向の引張り荷重に対して補強コードが有効に負荷を分担するようになる。
【0027】
図3で説明すると、プラスチックパイプ10を湾曲させたとき、補強層3の補強コード5は、曲げ変形の中立軸(管軸)から曲率半径方向外側に位置する補強コードは、原長L0 (図3において伸縮変化のない管軸の長さと同じ)からL1 に伸長し、また中立軸より曲率半径方向の内側に位置するコードはL2 に圧縮される。この現象において、もし中立軸から外側に位置する補強コード5が伸長しない場合には、その補強コード5の引張り抵抗力によりプラスチックパイプは曲がらない。しかし、本発明のプラスチックパイプ10では、補強コード5が周方向に横ずれするので、引張り張力を逃がしてプラスチックパイプ10が容易に曲がるようになっている。
【0028】
本発明において、補強コードは、好ましくは長さを管本体の長さよりもやや長めに設定し、管軸方向に対して緩く蛇行した状態にして配置するとよい。しかし、補強コードがあまり長くなりすぎるとプラスチックパイプに対する抗張力向上の効果が低減するので、その上限としては、管本体に使用される樹脂、特に被覆層を構成する樹脂の許容歪(弾性限度歪)以下にすることが望ましい。
【0029】
図5は、本発明のプラスチックパイプに使用される補強層の他の実施形態を示す。
【0030】
この補強層3は、図4の場合と同様に、撚り糸又は組紐からなる経糸6aと、無撚りマルチフィラメント糸からなる緯糸6bとからネット状又はメッシュ状に保持シート6を構成し、この保持シート6の経糸6a,6a間に補強コード5を平行に支持させている。しかし、補強コード5を緯糸6bに対して、上側と下側とに交互に挿通させるようにしている点で、図4の構成と異なっている。しかし、補強コード5が緯糸方向に位置ずれする機能は同じである。
【0031】
図6は、補強層の参考形態を示す。
【0032】
この補強層3は、特に保持シートを使用せずに、複数本の平行に配列した補強コード5を伸縮性の連結糸7で連結したものである。連結糸7が伸縮性であるため、補強コード5が幅方向に位置ずれ可能になっている。
【0033】
図7は、他の参考形態からなる補強層を示す。
【0034】
この補強層3は、複数本の平行に配列した補強コード5を、易伸長性の保持シート6に取り付けたものである。この易伸長性の保持シート6としては、編地などの伸縮性布帛、未延伸樹脂フィルムなどを使用することができる。保持シート6に対する補強コード5の取り付け方法は、接着剤や低融点樹脂で接着してもよく、或いは縫い糸で縫い付けるようにしてもよい。
【0035】
上記のように保持シート6が易伸長性であるため、補強コード5が幅方向に位置ずれ可能になっている。この位置ずれ機能は、前述した図4〜6の場合と同様である。
【0036】
図8は、さらに他の参考形態からなる補強層を示したもので、図7に示す補強層3の表面側に、別の易伸長性の保持シート6’を被覆するようにしたものである。この補強層3は、保持シート6,6’が易伸長性であるため、補強コード5が幅方向に位置ずれ可能になっている。
【0037】
本発明のプラスチックパイプにおいて、導管や被覆層に使用する樹脂は特に限定されないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂がよい。なかでもポリエチレンが特に好ましい。
【0038】
補強コードに使用するマルチフィラメント糸は、高強力、高弾性率であれば特に限定されないが、好ましくは強度100kgf/mm2 以上、弾性率4000kgf/mm2 以上、さらに好ましくは強度200kgf/mm2 以上、弾性率5000kgf/mm2 以上の有機繊維若しくは非金属系無機繊維を使用するとよい。
【0039】
具体的には、有機繊維マルチフィラメント糸としては、パラ系全芳香族ポリアミド繊維、ポリ−P−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維(PBO繊維)などが好ましい。また、非金属系無機繊維のマルチフィラメント糸としては、ガラス繊維、炭素繊維などが好ましい。
【0040】
また、補強コードの太さは特に限定されないが、好ましくは20,000D〜1,000,000Dの範囲のものを使用するとよい。
【0041】
本発明に使用する補強コードは、従来のプリプレグのようにマルチフィラメント糸に熱硬化性樹脂等の樹脂を含浸させない状態にして使用することが好ましい。このような樹脂非含浸の構成により、単にコストダウンに役立つだけでなく、補強層の巻付け操作を容易にし、取扱い性を向上することができる。また、プラスチックパイプの可撓性にも寄与させることができる。
【0042】
補強コードの形態は、強力利用率を大きくする上からは、マルチフィラメント糸を出来るだけ無撚りに近い状態にしたものがよい。本発明では、図9に示すように、上記のような高強力、高弾性率の無撚りのマルチフィラメント束5aを芯にし、その外側を外皮層5bで保護するようにしている。一般に高弾性率の糸は横荷重に対して折れやすい特性があるので、この高弾性率のマルチフィラメント束5aを外皮層5bで覆うことにより、プラスチックパイプの製造過程で補強コード5に与えられる摩擦に対してマルチフィラメント束5aを損傷から保護することができる。
【0043】
上記外皮層5bとしては、耐摩耗性に優れたナイロン繊維、ポリエステル繊維などの編組物を使用するとか、或いは耐摩耗性に優れたプラスチックチューブなどを使用するとよい。
【0044】
補強コードの支持に使用する保持シートは、プラスチックパイプの補強作用に関与させる手段ではないので、専ら補強コードを一定間隔に並べて保持する機能を有するものであれば、特に大きな強度は必要としない。例えば、繊維材料であれば、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成繊維を好適な材料として挙げることができる。
【0045】
図7及び図8の参考形態のように、易伸長性の保持シートに補強コードを貼り付ける手段としては、接着剤または低融点樹脂が使用可能である。接着剤は保持シートの片側全面にコーティングし、その上に複数本の補強コードを配置し、その上面から押圧するようにすれば貼り付けることができる。低融点樹脂の場合は、同じく保持シートの片側全面に低融点樹脂をフィルム状に積層すればよい。このようにフィルム状に積層された低融点樹脂の表面に複数本の平行配列状態の補強コードを配置し、その上から熱を加えることにより低融点樹脂で融着させることができる。
【0046】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、複数本の補強コードを管本体の周方向に互いに隙間を介在させると共に、管軸方向に実質的平行に延長させて配置したため、プラスチックパイプの管軸方向の抗張力が増大し、深層水取水用管として深海に敷設したり、非開削で掘削した屈曲穴に敷設管として引き込む場合にも使用可能にすることができる。また、マルチフィラメント糸から構成された補強コードはプラスチックとの馴染みがよく、損傷させることがないのでプラスチックパイプに優れた耐久性を与えることができる。
【0047】
また、補強コードが管本体に対して周方向に位置ずれ可能になっているので、プラスチックパイプに曲げ荷重を加えたとき、補強コードが管本体の周方向に位置ずれして引張張力を緩和させるため、プラスチックパイプは曲げやすくなり、リール又はドラムへの巻き付けを容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチックパイプの一例を示し、(A)は(B)におけるM−M矢視の横断面図、(B)は縦断面図である。
【図2】本発明のプラスチックパイプの他の実施形態を示し、(A)は(B)におけるN−N矢視の横断面図、(B)は縦断面図である。
【図3】プラスチックパイプを曲げたときの内径側と外径側との軸方向長さの変化を示す説明図である。
【図4】本発明に使用される補強層を例示する部分斜視図である。
【図5】本発明に使用される他の補強層を例示する部分斜視図である。
【図6】補強層の参考形態を例示する部分斜視図である。
【図7】補強層の他の参考形態を例示する部分斜視図である。
【図8】補強層のさらに他の参考形態を例示する部分斜視図である。
【図9】本発明に使用される補強コードの一例を示す部分斜視図である。
【図10】本発明のプラスチックパイプの更に他の実施形態を示し、(A)は(B)におけるX−X矢視の横断面図、(B)は縦断面図である。
【図11】本発明のプラスチックパイプの更に他の実施形態を示し、(A)は(B)におけるY−Y矢視の横断面図、(B)は縦断面図である。
【符号の説明】
1 導管
2 被覆層
3 補強層
4 重錘
5 補強コード
6,6’ 保持シート
7 連結糸
10 プラスチックパイプ
Claims (7)
- 樹脂からなる導管と、この導管の外側に配置される樹脂からなる被覆層と、この導管と被覆層との間に挿入される補強層とを有し、前記補強層は、撚り糸又は組紐からなる経糸と無撚りマルチフィラメント糸からなる緯糸とからネット状又はメッシュ状に形成された保持シートと、複数本の補強コードとで構成され、前記複数本の補強コードは、無撚りのマルチフィラメント束を芯にして、その外側を外皮層で覆って構成されるとともに、前記緯糸の無撚りマルチフィラメント糸に、このフィラメントが上下に振り分けられるように挿通することにより保持シートに相対移動可能に支持されて、この複数本の補強コードを、管本体に対して周方向に互いに隙間を介在させると共に、管軸方向に実質的平行に延長させ、かつ周方向に位置ずれ可能に配置した構成からなる管軸方向に補強されたプラスチックパイプ。
- 樹脂からなる導管と、この導管の外側に配置される樹脂からなる被覆層と、この導管と被覆層との間に挿入される補強層とを有し、前記補強層は、撚り糸又は組紐からなる経糸と無撚りマルチフィラメント糸からなる緯糸とからネット状又はメッシュ状に形成された保持シートと、複数本の補強コードとで構成され、前記複数本の補強コードは無撚りのマルチフィラメント束を芯にして、その外側を外皮層で覆って構成されるとともに、並列した前記緯糸に対して上側と下側とに交互に挿通することにより保持シートに相対移動可能に支持されて、この複数本の補強コードを、管本体に対して周方向に互いに隙間を介在させると共に、管軸方向に実質的平行に延長させ、かつ周方向に位置ずれ可能に配置した構成からなる管軸方向に補強されたプラスチックパイプ。
- 前記複数本の補強コードが互いに実質的同一長さであり、かつ前記管本体の長さよりも僅かに長く、管軸方向に緩やかな蛇行状態になっている請求項1又は2に記載のプラスチックパイプ。
- 前記管本体の管軸方向に沿って重錘を連続的または間欠的に配置した請求項1,2又は3に記載のプラスチックパイプ。
- 前記補強コードを構成するマルチフィラメント糸が強度100kgf/mm2 以上、弾性率4000kgf/mm2 以上である請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックパイプ。
- 前記補強コードを構成するマルチフィラメント糸がパラ系全芳香族ポリアミド繊維又はポリ−P−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維である請求項5に記載のプラスチックパイプ。
- 深層水取水管又は弧状削進された連続穴の埋設管に使用される請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックパイプ。
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