JP5542354B2 - 可撓性補強ホース - Google Patents

可撓性補強ホース Download PDF

Info

Publication number
JP5542354B2
JP5542354B2 JP2009066704A JP2009066704A JP5542354B2 JP 5542354 B2 JP5542354 B2 JP 5542354B2 JP 2009066704 A JP2009066704 A JP 2009066704A JP 2009066704 A JP2009066704 A JP 2009066704A JP 5542354 B2 JP5542354 B2 JP 5542354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hose
reinforcing
resin
fiber
fiber reinforcement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009066704A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010216623A (ja
Inventor
宏之 福居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tigers Polymer Corp
Original Assignee
Tigers Polymer Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tigers Polymer Corp filed Critical Tigers Polymer Corp
Priority to JP2009066704A priority Critical patent/JP5542354B2/ja
Publication of JP2010216623A publication Critical patent/JP2010216623A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5542354B2 publication Critical patent/JP5542354B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Description

本発明は、軟質合成樹脂などの軟質樹脂材料を用いてホース壁を形成した可撓性ホースに関し、特に、ホース壁内部に繊維補強体が埋設された可撓性補強ホース及びその製造方法に関する。
かねてより、空気や液体・冷媒などを搬送するためや、空気圧や油圧などを伝達するために可撓性ホースが使用されている。これら可撓性ホースにおいては、特にホースの耐圧性が要求される場合が多く、補強コード(糸)や補強布をホース壁内に埋設一体化したような可撓性補強ホースが広く用いられている。
可撓性補強ホースとしては、例えば、特許文献1に開示されたようなホースが知られており、特許文献1には、所定幅のターポリン生地(補強布)をその両側端部が互いに重ね合わせられるように螺旋状に捲回し、その外周にさらに半溶融状態の樹脂テープを捲回してターポリン生地と熱融着一体化させてホース壁を形成した可撓性補強ホースが開示されている。
また、特許文献2には、補強糸で補強した耐圧ホースに関し、ホースの内層と外層の間に複数本の補強糸をブレード編組(ブレーディング)した補強層を設けるとともに、該補強層においては、複数本の補強糸が、互いに逆巻き方向の螺旋となるよう、互いに交差して捲回され、かつ、補強糸を螺旋状に捲回する際の角度をホースの軸方向にわたって変化させた耐圧ホースが開示されている。
特開2008−89096号公報 特開2007−255541号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような構造のホースにおいては、補強布が重ね合わせられる部分で剥離が起こると、ホースの強度、特にホース軸方向の強度が低下してしまう。そのため、これらホースにおいては、ターポリン生地を構成する補強布の素材が樹脂材料との接着性に優れるものに実質的に限定されてしまい、補強繊維として使用できる繊維素材が限定されてしまうため、その改善が望まれている。
また、特許文献2に記載されたような構造の、いわゆるブレーディングにより補強された構造のホースにおいては、ホースの製造工程において、複数の補強糸を互いに逆方向の螺旋巻き方向となるようにホース内層に対して捲回するために、ホース成形軸の外周を取り囲むようにブレーディング装置と呼ばれる専用の装置を設ける必要がある。また、ブレーディング装置が専用の装置であるため、ホースに供給する補強糸の本数を自由に変更できず、ホースの径の変更や樹脂材料の特性に応じて補強糸の間隔を調整する自由度が制限されていた。したがって、このような専用の装置を用いなくても良いようなホースの構造やその製造方法が求められるに至った。
したがって、本発明の目的は、補強繊維をホース壁に効果的に一体化してホース壁の補強効果を高めるとともに、ホース壁に使用可能な補強繊維の選択の幅を拡大することにある。
また、本発明の他の目的は、補強糸のブレーディング装置といった専用の装置を使用せずに、あるいは既存の専用装置の改造を要することなく、汎用のホース製造設備や既存の設備を活用して補強繊維入りのホースを製造することを可能として、ホース製造設備の利用効率を改善することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、所定幅の網状の繊維補強体を樹脂条帯と共に特定の形態で捲回し、繊維補強体の網目部分を通じて樹脂条帯同士を接着一体化させると、上記目的が達成されることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、繊維補強体と樹脂が一体化された層を有する可撓性補強ホースであって、前記層は、所定幅の条帯に形成された網状の繊維補強体と樹脂条帯とを重ね合わせて螺旋状に捲回して形成されたものであり、前記繊維補強体を構成する補強糸や補強コードが交差する部分は、交差部がずれないように補強糸や補強コードの交差部が互いに固定されており、前記層内において、繊維補強体がその隣接する側縁部同士が互いに重なり合うように螺旋状に捲回されるとともに、樹脂条帯が、互いに重なりあう繊維補強体の側縁部の間に挟み込まれるようにされ、繊維補強体の網目部分を通じて、繊維補強体の両側に存在する樹脂条帯同士が互いに接着一体化しており、かつ、繊維補強体と樹脂が一体化された層の、ホースの内周面側または外周面側の少なくとも一方の側において、樹脂条帯の側縁部が先行または後続して捲回された樹脂条帯の部分に直接接着されて、繊維補強体の側縁部を被覆していることを特徴とする可撓性補強ホースである。
本発明においては、繊維補強体が互いに直交する経糸と緯糸を有しており、繊維補強体の条帯の方向に沿って経糸と緯糸のいずれか一方が配向されていることが好ましい(請求項2)。また、更に、経糸がホースに対し螺旋状に捲回される方向に配向され、緯糸がホースに対しホース軸線と平行に近い角度で配向され、経糸の強度が緯糸よりも高くされ、緯糸の柔軟性が経糸よりも高くされることが好ましい(請求項3)。
本発明によれば、ブレーディング装置のような補強糸をブレード編組するための専用の装置を必要とせずに、汎用のホース製造設備を活用して、可撓性補強ホースを製造することができるという効果が得られる。また、本発明のホースの構成に加えて、さらに補強糸をブレード編組する場合であっても、ブレード編組の仕様を変更することなく、既存のブレーディング装置を活用して可撓性補強ホースを製造することができるという効果が得られる。
また、本発明の可撓性補強ホースは、ホース壁に埋設一体化された繊維補強体により、ホースの周方向にもホース軸方向にもホース壁が補強されるとともに、ホース壁を構成する樹脂材料との接着性がよくない補強繊維を使用した場合であっても、繊維補強体を効果的にホース壁に埋設一体化して固定でき、補強効果を得ることができるので、ホース壁の樹脂材料や補強繊維の材料選択の幅を広げることができる。
また、本発明の可撓性補強ホースによれば、繊維補強体の側縁部がホースの内周面や外周面に露出することが確実に防止されるので、繊維補強体がホース内を通流する液体などにより汚れたり、繊維補強体を通じてホースの内外の気密度が低下したりすることが効果的に防止される。また、本発明の可撓性補強ホースでは、前記繊維補強体を構成する補強糸や補強コードが交差する部分は、交差部がずれないように補強糸や補強コードの交差部が互いに固定されているので、繊維補強体の補強効果が高い。また、請求項3の発明のように、ホースに対し螺旋状に捲回される方向に配向される経糸と、ホースに対しホース軸線と平行に近い角度で配向される緯糸とが、経糸による強度が緯糸よりも高くされ、緯糸の柔軟性が経糸よりも高くされた場合には、ホースの強度を高めつつホースの柔軟性を高めることができる。
本発明の第1実施形態のホース壁断面を示す図である。 本発明の第1実施形態のホースの製造方法を示す模式図である。 本発明の第2実施形態のホース壁断面を示す図である。 本発明の第3実施形態のホース壁断面を示す図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の可撓性補強ホース1のホース壁の構造を示す断面図である。可撓性補強ホース1は、円筒状に形成された内層2の外周に外層3が円筒状に積層一体化されてホース壁が形成され、その外周に、内層や外層を構成する樹脂材料よりも比較的硬質の樹脂材料からなる硬質補強体4が螺旋状に接着一体化された可撓性ホースである。
本発明の可撓性補強ホースは、例えば液体材料などを圧送するための液体供給用のホースとして、または、モルタルなどを圧送するためのモルタル用ホースとして、好ましく使用することができる。
内層2は、後述する製造方法により製造される特定の構造を有する層であり、内層2には、網状の繊維補強体21が、樹脂中に埋設一体化されており、本実施形態においては、内層2が繊維補強体21と一体化された補強層となっている。
内層2の構造を詳細に説明すると、内層2は、所定幅の条帯に形成された網状の繊維補強体21と樹脂条帯22とを重ね合わせた状態で螺旋状に捲回して形成されるものであり、内層2内部において、繊維補強体21がその隣接する側縁部21a,21b同士が互いに重なり合うように螺旋状に捲回されるとともに、樹脂条帯22の一部が、互いに重なりあう繊維補強体の側縁部21a、21bの間に挟み込まれるようにされてなるものである。換言すれば、内層2は樹脂条帯22と繊維補強体21とが互いにサンドイッチ状に重なり合うように螺旋状に捲回されて形成されており、本実施形態においては、内層2にはホース軸方向に沿って、繊維補強体21の側縁部が2重に重ね合わせられた部分2aと繊維補強体が一重の部分2bとが交互に螺旋状に設けられている。
また、内層2において、繊維補強体の網目部分を通じて、繊維補強体21の両側に存在する樹脂条帯22同士が互いに直接接着一体化(本実施形態においては、融着)している。
さらに、本実施形態では、ホース内周面側において、樹脂条帯の側縁部22aが後続して捲回された樹脂条帯の部分22bに直接接着されて、繊維補強体の側縁部21aを被覆した構造となり、ホース外周面側において、樹脂条帯の側縁部22cが先行して捲回された樹脂条帯の部分22dに直接接着されて、繊維補強体の側縁部21bを被覆した構造となっている。
樹脂からなる外層3は、内層2の外周に、所定幅の樹脂条帯を、その両側縁部が互いに付き合わせられるように螺旋状に捲回し、突合せ部分を接着一体化して形成した円筒状の樹脂層である。
硬質補強体4は、外層3の外周に螺旋状に接着一体化された、内層2や外層3を構成する樹脂材料よりも比較的硬質の樹脂材料からなるコイル状の部材であり、ホースが潰れたりするのを防止し、ホースの保形性を保つ働きをする。
網状の繊維補強体21について以下に詳述する。
本発明において、内層(補強層)2に一体化される繊維補強体21は、補強繊維を含む糸やコードの複数本を網状にし、所定幅の条帯にしたものである。
ここで、網状とは、繊維補強体21を構成する糸やコードが比較的疎に配置されて、これら糸やコードの間の隙間によって、条帯の表面と裏面とが互いに連絡できるようなものをいう。本発明においては、繊維補強体21の網目を通じて、両側の樹脂条帯22同士が直接接着一体化できるように、糸やコードの間隔が糸やコードの太さよりも大きかったり、糸やコードの間隔が繊維補強体21の厚みよりも大きかったりするように構成されることが好ましい。
繊維補強体21は、繊維補強体の条帯の方向に沿ってまたは直交して経糸と緯糸が配向されたものであることが好ましく、そのようなものとして、ガーゼ状に織製された織布や、経糸や緯糸を所定間隔で配置し交差する箇所を接着剤などにより固定した繊維集合体などが例示できる。また、網状の繊維補強体は、スパンボンド製法などにより比較的疎に形成された不織布などであっても良い。
繊維補強体21が織布である場合には、所定幅に直接織製されたものであっても良いし、幅広に織製されたものを所定幅に裁断したものであっても良い。また、繊維補強体を構成する糸やコードが交差する部分は、通常の織布のように、経糸と緯糸とが互いに固定されていないものであってもよいが、経糸と緯糸がずれないようにバインダ処理されたものなどを使用することが、繊維補強体の補強効果を高める上でより好ましい。同様に、繊維補強体が、他の構造からなる繊維補強体である場合にも、繊維や糸やコードの交差部が互いに接着材やバインダなどにより固定されているものが好ましい。
網状の繊維補強体21が、経糸と緯糸からなるものである場合には、経糸と緯糸の間で、材料や太さや密度(間隔)を変えても良い。例えば、ホースに対し螺旋状に捲回される方向に配向される経糸については、ホースに対しホース軸線と平行に近い角度で配向される緯糸に比べ、経糸による補強強度が高まるように経糸の構成材料や太さ、繊維の配合、密度(間隔)を決定することが好ましく、同様に、緯糸については、経糸に比べ、ホースの柔軟性が高まるように緯糸の構成材料や太さ、配合、密度を決定することが好ましい。
繊維補強体21を構成している補強繊維を含む糸やコードは、複数本の長繊維や短繊維を集合させた糸であっても良いし、それらをより合せたより糸であっても良い。また、1本または複数本のモノフィラメント繊維であっても良い。補強繊維としては、種々の繊維が使用でき、綿や麻やウールやパルプなどの天然繊維、ガラス繊維やカーボン繊維や金属繊維(ステンレス繊維など)などの無機繊維、ポリプロピレン樹脂や塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの合成樹脂からなる合成樹脂繊維などが使用できる。繊維補強体21には、これら繊維を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
繊維補強体21を構成している補強繊維を含む糸やコードは、弾力性や伸縮性を有するものであっても良いし、弾力性や伸縮性に乏しいものであっても良い。ホース壁を補強する観点からは、弾力性や伸縮性の程度がホース壁を構成する樹脂材料よりも弾力性や伸縮性に乏しいものであることが好ましい。また、ホースの可撓性の観点からは、繊維補強体21を構成している補強繊維を含む糸やコードは、弾力性や伸縮性を有するものであることが好ましい。
内層2を構成する樹脂条帯22や外層3の樹脂材料としては種々の樹脂材料が使用でき、例えば、軟質塩化ビニル樹脂や酢酸ビニル樹脂やEVA樹脂や低密度ポリエチレン樹脂などの軟質熱可塑性樹脂や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーやポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーや、天然ゴムやアクリロニトリルブタジエンゴムやシリコーンゴムなどのゴムが使用できる。特に熱可塑性の材料が、後述するホース成形軸上での製造におけるホース成形速度の点で、有利に使用できる。ホース壁に使用する樹脂材料としては、特に硬度50度〜80度程度(JIS A硬度)の軟質樹脂材料を使用することが好ましい。
本発明において繊維補強体21と一体化される樹脂条帯22の材料としては、網状の繊維補強体21と接着性を有する材料であることが好ましいが、非接着の材料であっても良い。また、成形工程において繊維補強体の網目を通じて効率的に接着一体化できるように、熱融着が可能な材料の中から選択することが特に好ましい。
また、本実施形態においては、外層3と内層2に使用される樹脂材料は互いに接着(好ましくは熱融着)可能な材料から選択することが好ましい。
硬質補強体4を形成する樹脂材料は、外層3に接着可能で、外層3や内層2の樹脂材料よりも比較的硬質でホースの保形性を良好に保つことができる材料であれば種々の樹脂材料が使用できる。
なお、硬質補強体4は、外層3と内層2の間に埋設したり、外層3や内層2の内部に埋設したりして設けることもできるが、その場合は、硬質補強体4の材質としては、鋼線などの金属材料を使用することもでき、内層2や外層3の樹脂材料と非接着の材料であっても良い。
本発明の可撓性補強ホース1の製造方法について説明する。図2は、熱可塑性樹脂をホースの原材料として可撓性補強ホース1を製造する際の製造工程を示す模式図である。可撓性補強ホース1は、リボン(条帯)状の材料を順次公知のホース成形軸5に供給し、ホース成形軸5上でそれら材料を螺旋状に捲回一体化することにより製造できる。ここで、ホース成形軸が1回転する際の送りピッチ(ホースの成形ピッチ)をPとする。
まず押出機6aから、内層2を形成する樹脂材料を半溶融状態で樹脂条帯T1として押し出す。樹脂条帯の断面は薄い長方形断面とすればよく、必要に応じて端部を面取り形状とした平行四辺形形状としても良い。樹脂条帯T1はその幅W1が送りピッチPの3倍程度となるように調整されて、ホース成形軸5に巻きつけられる。この樹脂条帯T1はホースの内層2の樹脂条帯22(図1)となるものである。
一方、あらかじめ所定幅W2のリボン状にされた網状の繊維補強体21を供給ボビン7から繰り出して、ホース成形軸5に供給し、樹脂条帯T1とともに巻きつける。繊維補強体の幅W2は本実施形態では送りピッチPの2倍程度としている。本発明においては捲回した状態で繊維補強体21の両側端部が互いに重なり合うことが必要であるので、繊維補強体の幅W2は送りピッチPよりも大きい、すなわちW2>Pである必要がある。
網状の繊維補強体21は樹脂条帯T1と共に、重ね合わせられるようにしてホース成形軸5に捲回される。すなわち、繊維補強体21は、先行して捲回された樹脂条帯T1の外周に巻きつけられ、さらにその外周に、後続して捲回される樹脂条帯T1が巻きつけられる。このようにして、樹脂条帯T1と繊維補強体21とは互いにサンドイッチ状に積層した状態で螺旋状に捲回され、繊維補強体21が重なり合う部分の間に樹脂条帯T1(図1では22)が挟み込まれ、図1に示したような、内層2の積層構造が形成される。このような積層構造を確実に実現するためには、樹脂条帯T1の幅W1が繊維補強体21の幅W2よりも大きい、すなわちW1>W2であることが好ましい。また樹脂条帯T1の先行する捲回部分と後続する捲回部分の間に繊維補強体21が挟み込まれる位置については、繊維補強体21の側縁部が樹脂条帯T1の幅からはみ出さないようにするのが好ましく、このようにすれば、形成される内層2の内周面や外周面に繊維補強体21が露出しなくなる。
以上のように樹脂条帯T1と繊維補強体21が螺旋状に捲回されると、半溶融状態の樹脂条帯T1が融着して内層2が完成される。この際、半溶融状態の樹脂が繊維補強体21の網目の部分に入り込んで、繊維補強体21の網目を通じて、繊維補強体の内周面側と外周面側の樹脂条帯が互いに融着一体化するようにする。そのために、ローラや、後続して捲回される外層材料などを利用して、圧迫を加えることが好ましい。
この融着の際に繊維補強体が溶けずに繊維状態を維持するよう、繊維補強体を構成する補強繊維には、合成樹脂条帯T1を構成する樹脂よりも融点や軟化点が高い繊維材料を含むように構成することが好ましい。こうすることで、補強繊維が繊維状態を保ったままホース壁に一体化され、ホースの柔軟性と強度をバランスよく向上できる。
内層2の形成においては、上記工程の説明では、樹脂条帯T1と繊維補強体21の供給はそれぞれ別の装置からホース成形軸に供給し、ホース成形軸上で捲回時に重ね合わせる製造工程の形態を説明したが、繊維補強体21と樹脂条帯T1とを共押出するなどして、互いに重ねあわておいたものをホース成形装置5に供給するようにしても良い。図2や上記工程の説明にように、樹脂条帯T1と繊維補強体21をホース成形軸上で重ね合わせるようにすれば、繊維補強体21と樹脂条帯T1とをあらかじめ一体化しておく前処理工程が不要となる上、共押出しのための専用押出型もいらなくなり、設備利用効率を高める点でより好ましい。
さらに、別の押出機6bから半溶融状態の樹脂条帯T2を押し出して、ホース成形軸5上に形成された内層2の外周面に捲回し、外層3を形成する。樹脂条帯T2の形状や捲回の形態については、公知の形態が採用でき、例えば、略平行四辺形断面の条帯T2として、それを、その両側縁部が互いに対向するように捲回させればよい。捲回された樹脂条帯T2は内層2の樹脂材料や隣接する先行捲回部や後続捲回部と融着して、ホースの外層3となる。
さらに別の押出機6cから半溶融状態の樹脂ストランドS1を押し出して、ホース成形軸5上に形成された外層3の外周面に螺旋状に捲回し、硬質補強体4を形成する。樹脂ストランドS1の形状や捲回の形態については、公知の形態が採用できる。
以上のようにして、ホース成形軸5上に、内層2、外層3、硬質補強体4が一体に形成され、これを冷却装置8により冷却することにより、半溶融状態の樹脂材料を固化させて、本発明の可撓性補強ホースを完成させることができ、不定長の可撓性補強ホース1が製造できる。
ホースの原材料が熱可塑性樹脂以外の樹脂、例えばゴムなどの熱硬化性樹脂である場合には、ホース成形軸を加熱してホース成形軸上に捲回した状態でゴムの加硫(架橋)を行うようにすれば同様の工程で可撓性補強ホースが製造できる。
また、各層の内部や層間を一体化する際の接着の形態は、融着に限られず、接着剤による接着や、粘着材の使用、架橋、加硫、などの接着形態を採用することができ、使用する樹脂材料に応じ適宜選択して接着すればよい
本発明の可撓性補強ホース1の作用効果について説明する。
まず、本ホースは従来の補強糸でブレーディングしたホースのように、ホース製造装置にブレーディング用の専用装置を設ける必要がない。したがって、ホース成形軸設備だけで繊維補強体を埋設した補強ホースが製造でき、製造設備の利用効率が高くなり、ホースが安価に製造できる。
また、ブレーディング装置を必要としないため、従来ブレーディング装置による制限を受けていた事項、例えば、補強糸の間隔や本数などを、装置の制限を受けずに自由に変更することが可能となり、可撓性補強ホースの設計自由度が高められる。
また、本発明によれば、繊維補強体21により、周方向と軸方向のいずれの方向にもホース壁面が強化された補強ホースが得られる。すなわち、繊維補強体が一体化された層内において、繊維補強体21がその隣接する側縁部同士が互いに重なり合うように螺旋状に捲回され樹脂条帯22と一体となっているので、ホース軸方向についても十分な補強効果が得られる。
また、本発明の可撓性補強ホースにおいては、樹脂条帯22が、互いに重なりあう繊維補強体の側縁部の間に挟み込まれるようにされ、繊維補強体21の網目を通じて、樹脂条帯22同士が接着一体化されているので、繊維補強体21を構成する糸やコードが樹脂条帯22を構成する樹脂中に完全に埋設されて固定される。そのため、樹脂条帯22と接着性の悪い繊維補強体21であっても、ホース構成部材の層間剥離を引き起こすことが予防・抑制される。したがって、繊維補強体21と樹脂条帯22との材料選択の制限が緩和され、より広い範囲から材料が選択可能となる。
特に本発明の可撓性補強ホース1においては、繊維補強体21が重ね合わせられる部分において、繊維補強体21の間に樹脂条帯22が挟み込まれているので、その製造工程において、繊維補強体の網目の隙間に確実に半溶融状態の樹脂がいきわたって、樹脂条帯が強固に接着される。これに対し、繊維補強体が直接重ね合わせられて捲回されるような形態では、それら重ね合わせ部分において、樹脂条帯の樹脂がゆきわたりにくく、融着不良が起こりやすい。
さらに、本発明の可撓性補強ホース1においては、繊維補強体21の重ね合わせ部に樹脂条帯22が挟み込まれるようになっているので、樹脂条帯21の弾性変形(特にせん断変形)によって、捲回一体化された繊維補強体21がなお変形することが許容されている。そのため、補強されたホースが剛直なものとなってしまうことが防止される。
さらに、上記実施形態のように、繊維補強体21と樹脂が一体化された層が、ホースの内周面側や外周面側において、樹脂条帯の側縁部が先行/後続して捲回された樹脂条帯の部分に直接接着されて、繊維補強体の側縁部を被覆するように構成された場合には、繊維補強体の端部がホース内周面や外周面に露出しないので、繊維補強体がホース内を通流する液体などにより汚れたり、繊維補強体の繊維間の隙間を通じてホース壁の気密性が損なわれたりすることが防止される。上記製造工程において説明したように、樹脂条帯を繊維補強体よりも幅広にして、捲回工程において樹脂条帯と繊維補強体を重ね合わせる際に、繊維補強体21の両側端部が樹脂条帯の側端部よりも幅方向内側となるようにして、樹脂条帯の両側縁部が直接先行/後続する樹脂条帯と接着するようにすれば、より効果的にこの効果が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその説明を省略する。
図3には、本発明の第2実施形態である可撓性補強ホース30のホース壁の断面を示す。本実施形態は、内層32ではなく外層33に繊維補強体331が一体化されている点、繊維補強体331の重なり合いの程度が大きい点、硬質補強体を有しない点において、第1実施形態と異なるが、他の点は同様にされている。本実施形態に示されるように、補強繊維体が一体化される層は、内層や外層のほか、中間層であっても良い。また、硬質補強体は本発明の必須の構成ではない。
本実施形態においては、繊維補強体331は、第1の実施形態と比べ、繊維補強体同士の重なり合いの程度が大きくなるように螺旋状に捲回されている。すなわち、繊維補強体331が3重に重ね合わせられた部分33aと、繊維補強体331が2重に重ね合わせられた部分33bとが、ホース軸方向に沿って交互に並んで螺旋状に設けられるように、繊維補強体の両側縁部が重ね合わせられている。
本実施形態によれば、繊維補強体331の重ね合わせの程度が大きくなっているので、ホースの補強効果をより高めることができる。また、繊維補強体331の間に挟まれる樹脂条帯の数も増えているので、繊維補強体331の変形を許容する程度がより高められ、ホースの柔軟性も高められる。
図4には、本発明の第3実施形態である可撓性補強ホース40のホース壁の断面を示す。
本実施形態は、外層43に硬質補強体44が埋設一体化されている点、繊維補強体431が一体化された内層42の外側にブレード編組された補強糸45,45を配している点において、第1実施形態と異なるが、他の点は同様にされている。
このようにホースの保形性を高めるための螺旋状の硬質補強体は、ホース壁面内に埋設しても良い。
なお、本実施形態に示すように、本発明は、ブレード編組された補強糸の構成を追加して実施することも可能である。この場合は、その製造工程においてブレーディング装置が不要となるわけではないが、既存のブレーディング装置をそのまま使用し、ブレード編組の補強糸の本数や間隔を変更することなく、より高い補強効果を持った本発明の可撓性補強ホースが製造でき、既存設備の有効活用を図ることができる。
本実施形態のように、繊維補強体431が一体化されたホース内層の外周に補強糸45,45をブレード編組すると、ホースの補強効果をさらに高めることができる。また、補強糸をブレード編組した従来構造のホースにおいて、ホース壁を構成する樹脂材料に比較的強度の低い非塩ビ軟質材料を使用したりすると、補強糸が樹脂材料に食い込んでホース壁が破壊されてしまうおそれがあるが、本実施形態によれば、比較的強度の低い樹脂材料を使用したとしても、ブレード編組された補強糸を、繊維補強体と一体に構成される層(内層42)によって支持することができるため、ホース壁の強度を効果的に高めることができる。このような効果を得るためには、ブレード編組される補強糸の間隔よりも、網状の繊維補強体431を構成する補強繊維糸の間隔が小さくなるように繊維補強体431を構成することが好ましい。
本発明の可撓性補強ホースは、補強効果が高いホースをさまざまな樹脂材料や補強繊維材料により製造することを可能とするものであり、本発明のホースの製造も、既存のホース製造設備を活用して行うことができる。また、本発明の可撓性補強ホースは、特に耐圧性が要求されるホースとしての使用に好適であり、産業上の利用価値が高い。
1 可撓性補強ホース
2 内層
21 繊維補強体
22 樹脂条帯
3 外層
4 硬質補強体
5 ホース成形軸
6a、6b、6c 押出機
7 ボビン
8 冷却機
30、40 可撓性補強ホース
32、42 内層
33、43 外層
44 硬質補強体
45 補強糸
331、431 繊維補強体

Claims (3)

  1. 繊維補強体と樹脂が一体化された層を有する可撓性補強ホースであって、
    前記層は、所定幅の条帯に形成された網状の繊維補強体と樹脂条帯とを重ね合わせて螺旋状に捲回して形成されたものであり、
    前記繊維補強体を構成する補強糸や補強コードが交差する部分は、交差部がずれないように補強糸や補強コードの交差部が互いに固定されており、
    前記層内において、繊維補強体がその隣接する側縁部同士が互いに重なり合うように螺旋状に捲回されるとともに、樹脂条帯が、互いに重なりあう繊維補強体の側縁部の間に挟み込まれるようにされ、
    繊維補強体の網目部分を通じて、繊維補強体の両側に存在する樹脂条帯同士が互いに接着一体化しており、
    かつ、繊維補強体と樹脂が一体化された層の、ホースの内周面側または外周面側の少なくとも一方の側において、
    樹脂条帯の側縁部が先行または後続して捲回された樹脂条帯の部分に直接接着されて、繊維補強体の側縁部を被覆していることを特徴とする可撓性補強ホース。
  2. 繊維補強体が互いに直交する経糸と緯糸を有しており、繊維補強体の条帯の方向に沿って経糸と緯糸のいずれか一方が配向されている請求項1に記載の可撓性補強ホース。
  3. 経糸がホースに対し螺旋状に捲回される方向に配向され、緯糸がホースに対しホース軸線と平行に近い角度で配向され、経糸の強度が緯糸よりも高くされ、緯糸の柔軟性が経糸よりも高くされた請求項2に記載の可撓性補強ホース。
JP2009066704A 2009-03-18 2009-03-18 可撓性補強ホース Expired - Fee Related JP5542354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009066704A JP5542354B2 (ja) 2009-03-18 2009-03-18 可撓性補強ホース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009066704A JP5542354B2 (ja) 2009-03-18 2009-03-18 可撓性補強ホース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010216623A JP2010216623A (ja) 2010-09-30
JP5542354B2 true JP5542354B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=42975675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009066704A Expired - Fee Related JP5542354B2 (ja) 2009-03-18 2009-03-18 可撓性補強ホース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5542354B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2458253A1 (de) * 2010-11-24 2012-05-30 NORRES Schlauchtechnik GmbH & Co. KG Wickelschlauch
JP5898467B2 (ja) * 2011-11-14 2016-04-06 エバック株式会社 合成樹脂製ホースとその製造方法
EP3215359A1 (en) * 2014-08-13 2017-09-13 Isil Mühendislik Makine ve Insaat Sannai Ve Ticaret Anonim Sirketi A flexible ventilation duct and a related production method
ITUA20161459A1 (it) * 2016-03-08 2017-09-08 Merlett Tecnoplastic Procedimento per fabbricare una struttura di tubo di plastica leggero, in particolare per ambienti cantieristici, industriali ed agricoli, e struttura di tubo di plastica leggero fabbricata mediante il procedimento
JP2018173178A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社竹中工務店 空調ダクト
JP2021095981A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 株式会社ブリヂストン 高圧ホース

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2748805A (en) * 1953-03-02 1956-06-05 Hedwin Corp Reinforced spiral plastic pipe
US4196755A (en) * 1977-09-19 1980-04-08 Automation Industries, Inc. Reinforced flexible duct with integral molded liner
JPS56151581U (ja) * 1981-03-12 1981-11-13
JPS6298884U (ja) * 1985-12-12 1987-06-24
JPS648024A (en) * 1987-06-30 1989-01-12 Seikei Giken Kk Pressure resistant synthetic resin tube
JP3304049B2 (ja) * 1997-02-17 2002-07-22 タイガースポリマー株式会社 可撓性ホース
US6158477A (en) * 1998-12-18 2000-12-12 Flexible Technologies, Inc. Flexible duct and method of making same
DE60009951T2 (de) * 1999-12-15 2005-03-24 N.V. Bekaert S.A. Stützstruktur für steife verbundbauteile
JP2005016580A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Totaku Industries Inc 合成樹脂管
JP4814042B2 (ja) * 2006-10-03 2011-11-09 タイガースポリマー株式会社 可撓性ホース及びその製造方法
JP5070526B2 (ja) * 2007-08-23 2012-11-14 株式会社トヨックス 多層耐圧ホース

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010216623A (ja) 2010-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5542354B2 (ja) 可撓性補強ホース
JP5592078B2 (ja) 断熱ホース及びその製造方法
JP5497465B2 (ja) 繊維補強ホース
CN111051755A (zh) 层和包括这种层的管道
KR101349977B1 (ko) 내압용 호스
JP2006194430A (ja) 耐圧ホース
JP5070526B2 (ja) 多層耐圧ホース
KR101350042B1 (ko) 내압용 호스
JP4814042B2 (ja) 可撓性ホース及びその製造方法
JP5578537B2 (ja) 積層補強ホース
JPS62117845A (ja) 丸織布とこれを組合わせたホ−ス
KR101350009B1 (ko) 내압용 호스
US20110253244A1 (en) Hose with improved flow
JPWO2007111051A1 (ja) 合成樹脂管およびその製造方法
WO2010095569A1 (ja) 多層耐圧管及びその製造方法
JP5044744B2 (ja) 可撓性積層ホースの製造方法
GB1146872A (en) Improvements in hose pipes
JP5762890B2 (ja) 可撓性ホース及びその製造方法
CN209705450U (zh) 一种增强型hdpe-ptfe复合缠绕管
JP5898467B2 (ja) 合成樹脂製ホースとその製造方法
JP5570051B2 (ja) 多層耐圧ホース
JP5542424B2 (ja) 複合ホース
JP3171346U (ja) 可撓性耐圧管
KR101350113B1 (ko) 내압용 호스 및 그 제조장치
JP2012037033A (ja) 多層耐圧管及び多連管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5542354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees