JP3171346U - 可撓性耐圧管 - Google Patents
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Abstract
Description
詳しくは、モノフィラメント(monofilament:単繊維)などの補強材を螺旋状に巻き付けたものに関する。
このような可撓性耐圧管の端部を接続するために、その外周を例えばホースバンドなどの締め付け具で締め付けた場合には、管表面の凹凸により周方向全周に亘って均等に締め付けることができず、この接続箇所から管内の流体漏れなどが発生し易くなるという問題があった。
さらに、一般的にモノフィラメントは押出し成形により、その外面が軸方向へ滑らかに形成されるため、一方のモノフィラメントの上に他方のモノフィラメントを重ねて巻き付ける際に、これらの表面同士が滑って巻き付けの際のピッチが位置ズレし易く、この位置ズレによってピッチが広くなった箇所は、可撓性耐圧管として耐圧強度が低くなって破裂し易いという問題もあった。
また、モノフィラメント同士の交差部が互いに変形せずに点接触しているため、外層を積層する際に、これらの交差部に空気が巻き込み易くなって内層と外層の間に気泡が残り、それによって内層と外層の接着力が弱まり剥離し易くなるばかりでなく、少なくとも外層を透明又は半透明の材料で形成した場合には、不規則に残った気泡が目立って商品価値を著しく低下させるという問題もあった。
またさらに、少なくとも外層を共に透明又は半透明の材料で形成してモノフィラメントが透視できるようにした場合には、管の表面全体に生じる凹凸により、螺旋状のモノフィラメントが蛇行しているように見えて外観が劣り、商品価値を著しく低下させるという問題もあった。
そこで、このような問題点を解決するために、モノフィラメント同士の重ね合わせに代えて、下糸としてマルチフィラメントを巻き付け、その外側に上糸としてモノフィラメントを巻き付けることが考えられる。
しかし、この場合には、近年の実験より、内圧上昇時において内層側の樹脂層が膨張しても、その外側に巻き付けられるマルチフィラメントはモノフィラメントに比べて伸長し難いため、マルチフィラメントに対する内層側の樹脂層の部分的な食い込み量が多くなって切れ易く、その切れ目から流体が入り込むことで外層側の樹脂層が破裂し易く、耐圧性能に劣ることが判った。
その結果、内管部の外側にマルチフィラメントを螺旋状に巻き付け、マルチフィラメントの外側にモノフィラメントを交差するように接触させて螺旋状に巻き付け、モノフィラメントの外側に外管部を積層したものに比べて、内圧上昇時においてマルチフィラメントに対する内管部の部分的な食い込みによる内管部の切れが減少し、その切れ目から流体が入り込むことで発生する外管部の破壊を防止でき、それにより、長期に亘る使用が図れる。
さらに、モノフィラメント及びマルチフィラメントの交差によって形成される空間内に、外管部の可撓性材料が充填されて、その内周面を内管部の外周面と密着させたので、モノフィラメントとマルチフィラメントの交差部に空気が巻き込み難くなり、交差部に気泡が残ることを防止することができる。
その結果、モノフィラメント同士の交差部が互いに変形せずに点接触する従来のものに比べ、気泡による内管部と外管部の剥離を確実に防止でき、少なくとも外管部を透明又は半透明の材料で形成しても、気泡が目立つことがなく商品価値を高く維持することができる。
本考案の実施形態に係る可撓性耐圧管Aは、図1に示すように、合成樹脂やゴムなどの可撓性を有する材料で円筒状に形成される内管部1と、内管部1の外周面1aに沿って螺旋状に巻き付けられるモノフィラメント2と、モノフィラメント2の外側にそれと交差するように接触させて逆向きの螺旋状に巻き付けられるマルチフィラメント3と、マルチフィラメント3の外側に内管部1と同様な可撓性材料が円筒状に充填されて積層される外管部4を、主要な構成要素として備えている。
さらに、内管部1と外管部4のいずれか一方又は両方を透明又は半透明な可撓性材料で形成することが好ましい。
モノフィラメント2には、延伸モノフィラメントも含まれる。
マルチフィラメント3の巻き付け圧、すなわちマルチフィラメント3を巻き付ける際の張力としては、モノフィラメント2とマルチフィラメント3の交差部Cにおいて、マルチフィラメント3の一部内面にモノフィラメント2を部分的に食い込ませるとともに、モノフィラメント2の一部を内管部1の外周面1aに押し込むように設定することが好ましい。
モノフィラメント2とマルチフィラメント3の巻き付け角度は、略等しくしつつ、それらの交差角度を軸方向の強度と周方向の強度が等しくなる理論静止角度(109.5度)又はそれに近い角度とすることにより、最も耐圧性能に優れた状態にすることが好ましい。
その具体例として、モノフィラメント2とマルチフィラメント3のどちらか一方又は両方の外周面に、その芯材より低融点の接着層が予め被覆されたものを使用し、この接着層を熱溶融することで、その交差部Cを融着させても良い。
また、必要に応じて図示しないが、内管部1の内側に、内管部1の可撓性材料と相溶性が良好でしかもそれを通る流体に適応した材料からなる最内管部を共押出成形などによって積層したり、外管部4の外側にも外管部4の可撓性材料と相溶性が良好で配置環境に適応した材料からなる最外管部を共押出成形などによって積層したり、するなど図示例以外の形状にすることも可能である。
外管部4の可撓性材料が充填される際に、内管部1の外周面1aと外管部4の内周面4aの間から吸引するなどして、網目状又は格子状の空間Sを負圧にすることにより、外管部4の内周面4aを内管部1の外周面1aと密着させている。
それにより、内管部1内を通る流体の圧力(内圧)が上昇して、それに伴い内管部1が膨張変形しても、モノフィラメント2はマルチフィラメント3に比べて伸長し易い性質を持っているため、内管部1の膨張変形に伴ってモノフィラメント2も同様に伸長し、モノフィラメント2に対する内管部1の部分的な食い込み量が少なくなって、内管部1が切断され難くなる。
したがって、可撓性耐圧管Aの耐圧性を向上させることができる。
それにより、交差部Cに気泡が残ることがない。
それにより、管表面を平滑化しながらモノフィラメント2及びマルチフィラメント3の巻き付け時における位置ズレを防止することができる。
その結果、網目の交差部分においてモノフィラメント同士が互いに点接触して潰れ変形しない従来のものに比べ、可撓性耐圧管の端部を接続するために、その外周を例えばホースバンドなどの締め付け具で締め付けても全周に亘って均等に締め付けることができ、管内の流体漏れなどを完全に防止できる。さらに、モノフィラメント同士を重ねて巻き付ける際にこれらの表面同士が滑ってピッチが位置ズレし易い従来のものに比べ、網目のピッチが部分的に大きくならないから、部分的な耐圧強度の低下を防止できる。
次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
設定圧としては、内圧を … 1.8MPa、2.4MPa、3.0MPa、3.6MPa … と徐々に上昇させていき、それぞれの設定圧で3分(180秒)間に亘り保持している間に、前記の状況変化が発生した場合には、その設定圧を保持した時間を計測した。
比較例の試料No.2は、内管部1及び外管部4の膨張変形により継手金具から抜けてしまった。
比較例の試料No.3は、内管部1に切れが発生しその切れ目から流体が外管部4との間に入り込むことで外管部4が破裂した。なお、比較例の試料No.3は、設定圧を3.0MPa から 3.6MPaに上昇させる過程で、内管部1の切れと外管部4の破裂が一連で発生した。
また、加熱使用時(60℃)において、比較例の試料No.4−6は、内管部1の切れによって外管部4が破裂した。これに対し、実施例の試料No.4−6は、比較例の試料No.4−6と同じ設定圧又はそれよりも高い設定圧であっても、内管部1に切れが発生せず、マルチフィラメント3の切れによって内管部1及び外管部4が部分的に破裂した。
これに対し、内管部1及び外管部4の膨張変形による継手金具から抜けや、内管部1の切れによる外管部4の破裂は、瞬間的に発生し、且つ破裂箇所の面積も比較的に大きいため、流体の漏れが大規模になり、漏れ事故の対処も緊急性が求められる。
したがって、前述した実施例に係る可撓性耐圧管Aは、下糸としてマルチフィラメント3を上糸としてモノフィラメント2を巻き付けた比較例よりも耐圧性能が改善されたことが解った。
また、その他の例として、内管部1と外管部4を透明又は半透明な可撓性材料で形成して、マルチフィラメント3及びモノフィラメント2と内管部1を通る流体が、外管部4の外表面4bから透視できるようにすることも可能である。
それにより、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3を螺旋状に透視することができる。
その結果、管の表面全体に生じる凹凸により、螺旋状のモノフィラメントが蛇行しているように透視されるものに比べ、外観が向上して商品価値を高めることができるという利点がある。
2 モノフィラメント 3 マルチフィラメント
4 外管部 4a 内周面
C 交差部 S 空間
Claims (3)
- 可撓性材料で円筒状に形成される内管部と、
前記内管部の外周面に沿って螺旋状に巻き付けられるモノフィラメントと、
前記モノフィラメントの外側にそれと交差するように接触させて螺旋状に巻き付けられるマルチフィラメントと、
前記マルチフィラメントの外側に可撓性材料が円筒状に充填されて積層される外管部とを備え、
前記モノフィラメント及び前記マルチフィラメントの交差によって形成される空間内に、前記外管部の可撓性材料が充填されて、その内周面を前記内管部の前記外周面と密着させたことを特徴とする可撓性耐圧管。 - 前記モノフィラメントと前記マルチフィラメントの交差部において、前記マルチフィラメントの巻き付け圧で、前記マルチフィラメントの内面に前記モノフィラメントを食い込ませるとともに、前記モノフィラメントを前記内管部の前記外周面に押し込むようにしたことを特徴とする請求項1記載の可撓性耐圧管。
- 前記外管部を透明又は半透明な可撓性材料で形成したことを特徴とする請求項2記載の可撓性耐圧管。
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JP2011004763U JP3171346U (ja) | 2011-08-12 | 2011-08-12 | 可撓性耐圧管 |
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