JP3171346U - 可撓性耐圧管 - Google Patents

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Abstract

【課題】単繊維などの補強材を螺旋状に巻き付け、内圧上昇に伴う伸びや捻れなどが少なくなる可燒性耐圧管を提供する。【解決手段】内管部1の外側にモノフィラメント2を螺旋状に巻き付け、モノフィラメント2の外側にマルチフィラメント3を交差するように接触させて螺旋状に巻き付け、マルチフィラメント3の外側に外管部4を積層して、内管部1とモノフィラメント2とマルチフィラメント3と外管部4を一体化する。この構造により、内圧上昇時において内管部1の膨張に伴いモノフィラメント2も同様に伸長するため、モノフィラメント2に対する内管部1の部分的な食い込み量が少なくなって切断され難くなる。【選択図】図1

Description

本考案は、例えばホースやチューブなどの曲げ変形が容易で、折れや潰れなどの変形を解消しつつ、内圧上昇に伴って伸びや捻れなどが発生しない可撓性耐圧管に関する。
詳しくは、モノフィラメント(monofilament:単繊維)などの補強材を螺旋状に巻き付けたものに関する。
従来、この種の可撓性耐圧管として、押出装置により製造された内層側の樹脂層の外周に、補強糸としてモノフィラメントを網目状に巻き付け、次に外層側の樹脂層を同様の押出装置に用いてその上に被覆することにより、内層側の樹脂層と外層側の樹脂層との間にモノフィラメントが介在されると共に、内層側の樹脂層と外層側の樹脂層とが接触する部分は相互に相溶化して接着されるため、網目状のモノフィラメントが移動不能となって固定され位置ズレしないようにした多層耐圧チューブがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−194347号公報
しかし乍ら、このような従来の可撓性耐圧管では、交差部においてモノフィラメント同士が互いに重なり合うように配置される。モノフィラメントは剛性が高いことから重なっても潰れて変形することがほとんど無いため、各交差部の厚さ寸法が他の部分に比べ厚くなって部分的に突出し、それにより管の表面全体に凹凸ができてしまう。
このような可撓性耐圧管の端部を接続するために、その外周を例えばホースバンドなどの締め付け具で締め付けた場合には、管表面の凹凸により周方向全周に亘って均等に締め付けることができず、この接続箇所から管内の流体漏れなどが発生し易くなるという問題があった。
さらに、一般的にモノフィラメントは押出し成形により、その外面が軸方向へ滑らかに形成されるため、一方のモノフィラメントの上に他方のモノフィラメントを重ねて巻き付ける際に、これらの表面同士が滑って巻き付けの際のピッチが位置ズレし易く、この位置ズレによってピッチが広くなった箇所は、可撓性耐圧管として耐圧強度が低くなって破裂し易いという問題もあった。
また、モノフィラメント同士の交差部が互いに変形せずに点接触しているため、外層を積層する際に、これらの交差部に空気が巻き込み易くなって内層と外層の間に気泡が残り、それによって内層と外層の接着力が弱まり剥離し易くなるばかりでなく、少なくとも外層を透明又は半透明の材料で形成した場合には、不規則に残った気泡が目立って商品価値を著しく低下させるという問題もあった。
またさらに、少なくとも外層を共に透明又は半透明の材料で形成してモノフィラメントが透視できるようにした場合には、管の表面全体に生じる凹凸により、螺旋状のモノフィラメントが蛇行しているように見えて外観が劣り、商品価値を著しく低下させるという問題もあった。
そこで、このような問題点を解決するために、モノフィラメント同士の重ね合わせに代えて、下糸としてマルチフィラメントを巻き付け、その外側に上糸としてモノフィラメントを巻き付けることが考えられる。
しかし、この場合には、近年の実験より、内圧上昇時において内層側の樹脂層が膨張しても、その外側に巻き付けられるマルチフィラメントはモノフィラメントに比べて伸長し難いため、マルチフィラメントに対する内層側の樹脂層の部分的な食い込み量が多くなって切れ易く、その切れ目から流体が入り込むことで外層側の樹脂層が破裂し易く、耐圧性能に劣ることが判った。
本考案は、このような問題に対処することを課題とするものであり、耐圧性を向上させることなどを目的とするものである。
このような目的を達成するために本考案は、可撓性材料で円筒状に形成される内管部と、前記内管部の外周面に沿って螺旋状に巻き付けられるモノフィラメントと、前記モノフィラメントの外側にそれと交差するように接触させて螺旋状に巻き付けられるマルチフィラメントと、前記マルチフィラメントの外側に可撓性材料が円筒状に充填されて積層される外管部とを備え、前記モノフィラメント及び前記マルチフィラメントの交差によって形成される空間内に、前記外管部の可撓性材料が充填されて、その内周面を前記内管部の前記外周面と密着させたことを特徴とする。
前述した特徴を有する本考案は、内管部の外側にモノフィラメントを螺旋状に巻き付け、モノフィラメントの外側にマルチフィラメントを交差するように接触させて螺旋状に巻き付け、マルチフィラメントの外側に外管部4を積層して、内管部とモノフィラメントとマルチフィラメントと外管部を一体化することにより、内圧上昇時において内管部の膨張に伴いモノフィラメントも同様に伸長するため、モノフィラメントに対する内管部の部分的な食い込み量が少なくなって切断され難くなるので、耐圧性を向上させることができる。
その結果、内管部の外側にマルチフィラメントを螺旋状に巻き付け、マルチフィラメントの外側にモノフィラメントを交差するように接触させて螺旋状に巻き付け、モノフィラメントの外側に外管部を積層したものに比べて、内圧上昇時においてマルチフィラメントに対する内管部の部分的な食い込みによる内管部の切れが減少し、その切れ目から流体が入り込むことで発生する外管部の破壊を防止でき、それにより、長期に亘る使用が図れる。
さらに、モノフィラメント及びマルチフィラメントの交差によって形成される空間内に、外管部の可撓性材料が充填されて、その内周面を内管部の外周面と密着させたので、モノフィラメントとマルチフィラメントの交差部に空気が巻き込み難くなり、交差部に気泡が残ることを防止することができる。
その結果、モノフィラメント同士の交差部が互いに変形せずに点接触する従来のものに比べ、気泡による内管部と外管部の剥離を確実に防止でき、少なくとも外管部を透明又は半透明の材料で形成しても、気泡が目立つことがなく商品価値を高く維持することができる。
本考案の実施形態に係る可撓性耐圧管の全体構成を示す説明図(一部切欠斜視図)であり、要部を部分拡大して示している。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本考案の実施形態に係る可撓性耐圧管Aは、図1に示すように、合成樹脂やゴムなどの可撓性を有する材料で円筒状に形成される内管部1と、内管部1の外周面1aに沿って螺旋状に巻き付けられるモノフィラメント2と、モノフィラメント2の外側にそれと交差するように接触させて逆向きの螺旋状に巻き付けられるマルチフィラメント3と、マルチフィラメント3の外側に内管部1と同様な可撓性材料が円筒状に充填されて積層される外管部4を、主要な構成要素として備えている。
内管部1及び外管部4は、可撓性材料として、例えば塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂に、適度に柔らかくするための可塑剤、劣化を防ぐための安定剤、その他の滑剤や充填剤や加工助剤や改良材などが所定比率で添加されたものを用い、例えば押出成形機により押出成形するなどして溶融状態の円筒体を連続形成し、それを冷却し固化させることで構成される。
さらに、内管部1と外管部4のいずれか一方又は両方を透明又は半透明な可撓性材料で形成することが好ましい。
モノフィラメント2は、例えばPET(polyethylen terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)などの合成繊維や天然繊維が太く連続した単繊維であり、これを下糸として、内管部1の外周面1aに沿って適宜張力で螺旋状に巻回している。それにより、モノフィラメント2の剛性で可撓性耐圧管Aの全体を潰れ難くして、保形性能の向上が図られている。
モノフィラメント2には、延伸モノフィラメントも含まれる。
マルチフィラメント3は、例えばPETなどのポリエステルやナイロンやアラミド繊維又は細いモノフィラメントなどを撚り合わせて1本の糸としたものであり、これを上糸として、モノフィラメント2の外側に沿って所定の張力で螺旋状に巻回している。
マルチフィラメント3の巻き付け圧、すなわちマルチフィラメント3を巻き付ける際の張力としては、モノフィラメント2とマルチフィラメント3の交差部Cにおいて、マルチフィラメント3の一部内面にモノフィラメント2を部分的に食い込ませるとともに、モノフィラメント2の一部を内管部1の外周面1aに押し込むように設定することが好ましい。
モノフィラメント2とマルチフィラメント3の巻き付け例としては、それぞれ複数本ずつ内管部1の周方向へ適宜ピッチで、互い逆向きの螺旋状に巻き付けて網目状又は格子状にすることが好ましい。つまり、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3は、内管部1の周方向へ等間隔毎に複数本、それぞれが軸線に対して所定角度傾斜するように巻き付けることが好ましい。
モノフィラメント2とマルチフィラメント3の巻き付け角度は、略等しくしつつ、それらの交差角度を軸方向の強度と周方向の強度が等しくなる理論静止角度(109.5度)又はそれに近い角度とすることにより、最も耐圧性能に優れた状態にすることが好ましい。
さらに、モノフィラメント2とマルチフィラメント3の巻き付け後において、その交差部Cを接着させることも可能である。
その具体例として、モノフィラメント2とマルチフィラメント3のどちらか一方又は両方の外周面に、その芯材より低融点の接着層が予め被覆されたものを使用し、この接着層を熱溶融することで、その交差部Cを融着させても良い。
また、必要に応じて図示しないが、内管部1の内側に、内管部1の可撓性材料と相溶性が良好でしかもそれを通る流体に適応した材料からなる最内管部を共押出成形などによって積層したり、外管部4の外側にも外管部4の可撓性材料と相溶性が良好で配置環境に適応した材料からなる最外管部を共押出成形などによって積層したり、するなど図示例以外の形状にすることも可能である。
そして、内管部1の可撓性材料を押出成形するなどして、少なくとも外周面1aが完全に固化されていない状態で、外周面1aに沿ってモノフィラメント2とマルチフィラメント3を順次巻き付け、その後、外管部4の可撓性材料を押出成形するなどして、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3の交差によって形成される網目状又は格子状の空間S内に、外管部4の可撓性材料が充填される。
外管部4の可撓性材料が充填される際に、内管部1の外周面1aと外管部4の内周面4aの間から吸引するなどして、網目状又は格子状の空間Sを負圧にすることにより、外管部4の内周面4aを内管部1の外周面1aと密着させている。
このような可撓性耐圧管Aによると、内管部1の外側にモノフィラメント2が螺旋状に巻き付けられ、モノフィラメント2の外側にマルチフィラメント3が交差して接触するように逆向きの螺旋状に巻き付けられ、マルチフィラメント3の外側に外管部4が積層されて、内管部1とモノフィラメント2とマルチフィラメント3と外管部4が一体化される。
それにより、内管部1内を通る流体の圧力(内圧)が上昇して、それに伴い内管部1が膨張変形しても、モノフィラメント2はマルチフィラメント3に比べて伸長し易い性質を持っているため、内管部1の膨張変形に伴ってモノフィラメント2も同様に伸長し、モノフィラメント2に対する内管部1の部分的な食い込み量が少なくなって、内管部1が切断され難くなる。
したがって、可撓性耐圧管Aの耐圧性を向上させることができる。
さらに、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3の交差によって形成される網目状の空間S内に、外管部4の可撓性材料が充填されて、その内周面4aを内管部1の外周面1aと密着させたので、モノフィラメント2とマルチフィラメント3の交差部Cに空気が巻き込み難くなる。
それにより、交差部Cに気泡が残ることがない。
特に、モノフィラメント2とマルチフィラメント3の交差部Cにおいて、マルチフィラメント3の巻き付け圧で、マルチフィラメント3の内面にモノフィラメント2を食い込ませるとともに、モノフィラメント2を内管部1の外周面1aに押し込むように設定した場合には、マルチフィラメント3の巻き付け圧により、細い繊維が何本も集まって1本の糸となっているマルチフィラメント3の一部内面に、モノフィラメント2の外面が部分的に食い込んで、マルチフィラメント3の一部内面が凹むため、その分だけ各交差部Cの厚さ寸法が薄くなると同時に、交差部Cを中心としてモノフィラメント2の一部が内管部1の外周面1a内に押し込まれて、内管部1の外周面1aからの突出量が減少するため、外管部4の外表面4bにおいて交差部Cとそれ以外の箇所で凹凸が発生しない。また、内管部1の外周面1a内へのモノフィラメント2の押し込みにより、内管部1に対してモノフィラメント2が滑り移動不能に位置決めされ、マルチフィラメント3の内面へのモノフィラメント2の食い込みにより両者が係合して、モノフィラメント2に対しマルチフィラメント3が滑り移動不能に位置決めされる。
それにより、管表面を平滑化しながらモノフィラメント2及びマルチフィラメント3の巻き付け時における位置ズレを防止することができる。
その結果、網目の交差部分においてモノフィラメント同士が互いに点接触して潰れ変形しない従来のものに比べ、可撓性耐圧管の端部を接続するために、その外周を例えばホースバンドなどの締め付け具で締め付けても全周に亘って均等に締め付けることができ、管内の流体漏れなどを完全に防止できる。さらに、モノフィラメント同士を重ねて巻き付ける際にこれらの表面同士が滑ってピッチが位置ズレし易い従来のものに比べ、網目のピッチが部分的に大きくならないから、部分的な耐圧強度の低下を防止できる。
次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1に示すように、内管部1の外周面1aに沿って複数本のモノフィラメント2を、それぞれがほぼ平行となるように内管部1の軸線に対し所定角度で螺旋状に巻き付け、その外側には、複数本のマルチフィラメント3を、それぞれがほぼ平行となるように各モノフィラメント2と逆向きの螺旋状に巻き付けて、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3の交差によって網目状又は格子状の空間Sが略菱形に形成される場合を示すものである。
そして、このような本考案の実施例に係る可撓性耐圧管Aの耐圧性能を比較するために、試料として、前述した実施例に係る可撓性耐圧管Aと、下糸として複数本のマルチフィラメント3を、その外側に上糸として複数本のモノフィラメント2をそれぞれ同様に巻き付けた比較例を、それぞれ同じサイズ(長さ:25.0mm × 外径:33.0mm)で6本ずつ用意し、実施例の試料No.1−6及び比較例の試料No.1−6について、それぞれ同じ計測条件で耐圧試験(破壊試験)を行った結果を、下記の表1に示す。
比較例は、内管部1の外側に下糸としてマルチフィラメント3を螺旋状に巻き付け、マルチフィラメント3の外側に上糸としてモノフィラメント2を交差するように接触させて螺旋状に巻き付け、モノフィラメント2の外側に外管部4を積層することにより、下糸と上糸の交差で、前述した実施例に係る可撓性耐圧管Aの空間Sと同じ略菱形の空間が形成されるようにしている。
耐圧試験では、実施例の試料No.1−6及び比較例の試料No.1−6に対し、それぞれ継手金具を接続するとともに、水などの流体の供給源と配管する。この接続状態で、常温(23℃)の流体を供給する常温使用時と、加熱(60℃)された流体を供給する加熱使用時において、管内に掛ける流体の圧力(内圧)が、通常使用の許容圧力(0.6MPa)よりも遙かに高い設定圧まで上昇させ、各資料の状況変化を観測して、破裂などの使用不能となったところで試験修了とした。
設定圧としては、内圧を … 1.8MPa、2.4MPa、3.0MPa、3.6MPa … と徐々に上昇させていき、それぞれの設定圧で3分(180秒)間に亘り保持している間に、前記の状況変化が発生した場合には、その設定圧を保持した時間を計測した。
Figure 0003171346
耐圧試験の結果、常温使用時(23℃)において、実施例の試料No.1−3と比較例の試料No.1は、モノフィラメント2よりも伸び難いマルチフィラメント3の一部が切れることで、部分的に耐圧性能が低下し、それに伴って内管部1及び外管部4が部分的に破裂した。
比較例の試料No.2は、内管部1及び外管部4の膨張変形により継手金具から抜けてしまった。
比較例の試料No.3は、内管部1に切れが発生しその切れ目から流体が外管部4との間に入り込むことで外管部4が破裂した。なお、比較例の試料No.3は、設定圧を3.0MPa から 3.6MPaに上昇させる過程で、内管部1の切れと外管部4の破裂が一連で発生した。
また、加熱使用時(60℃)において、比較例の試料No.4−6は、内管部1の切れによって外管部4が破裂した。これに対し、実施例の試料No.4−6は、比較例の試料No.4−6と同じ設定圧又はそれよりも高い設定圧であっても、内管部1に切れが発生せず、マルチフィラメント3の切れによって内管部1及び外管部4が部分的に破裂した。
内圧上昇による各資料の最終形態として、マルチフィラメント3の切れによる内管部1及び外管部4の部分的な破裂は、破裂箇所の面積が比較的に小さいため、流体の漏れが小規模で、漏れ事故の対処も容易である。
これに対し、内管部1及び外管部4の膨張変形による継手金具から抜けや、内管部1の切れによる外管部4の破裂は、瞬間的に発生し、且つ破裂箇所の面積も比較的に大きいため、流体の漏れが大規模になり、漏れ事故の対処も緊急性が求められる。
比較例の試料No.3−6のように、先に内管部1が切れる理由としては、流体による内圧上昇に伴って内管部1が膨張変形するものの、下糸のマルチフィラメント3は伸び難いため、低い設定圧であっても膨張変形した内管部1に対し下糸のマルチフィラメント3が部分的に食い込むことで切れ目が発生し、僅かな切れ目でも流体が入り込むことに伴って切れ目が瞬間的に大きくなり、短時間で外管部4が破裂したと推測される。
一方、実施例の試料No.1−6のように、先に上糸のマルチフィラメント3が切れる理由としては、流体による内圧上昇に伴って内管部1が膨張変形すると同時に、下糸のモノフィラメント2も伸長して拡径変形するため、内管部1に切れが発生せず、これら内管部1及びモノフィラメント2の変形を上糸のマルチフィラメント3により抑えることで、継手金具からの抜けを防止している。しかし、さらに内圧が上昇すると、内管部1の膨張変形と螺旋状モノフィラメント2の拡径変形を抑え切れなくなって、内管部1の切れや継手金具からの抜けよりも前の時点で、上糸のマルチフィラメント3の一部が破断すると推測される。
したがって、前述した実施例に係る可撓性耐圧管Aは、下糸としてマルチフィラメント3を上糸としてモノフィラメント2を巻き付けた比較例よりも耐圧性能が改善されたことが解った。
さらに、図示される例では、外管部4を透明又は半透明な可撓性材料で形成して、マルチフィラメント3及びモノフィラメント2が、外管部4の外表面4bから透視可能している。
また、その他の例として、内管部1と外管部4を透明又は半透明な可撓性材料で形成して、マルチフィラメント3及びモノフィラメント2と内管部1を通る流体が、外管部4の外表面4bから透視できるようにすることも可能である。
このような場合には、前述したように外管部4の外表面4bが平滑化されることで、外管部4の外表面4bからマルチフィラメント3及びモノフィラメント2を透視しても、マルチフィラメント3やモノフィラメント2が曲がって見えることがない。
それにより、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3を螺旋状に透視することができる。
その結果、管の表面全体に生じる凹凸により、螺旋状のモノフィラメントが蛇行しているように透視されるものに比べ、外観が向上して商品価値を高めることができるという利点がある。
なお、モノフィラメント2及びマルチフィラメント3の本数、それらの線径、巻き付けピッチなどは図示されたものに限定されず、所定の耐圧性能を得るために変更させても良い。
1 内管部 1a 外周面
2 モノフィラメント 3 マルチフィラメント
4 外管部 4a 内周面
C 交差部 S 空間

Claims (3)

  1. 可撓性材料で円筒状に形成される内管部と、
    前記内管部の外周面に沿って螺旋状に巻き付けられるモノフィラメントと、
    前記モノフィラメントの外側にそれと交差するように接触させて螺旋状に巻き付けられるマルチフィラメントと、
    前記マルチフィラメントの外側に可撓性材料が円筒状に充填されて積層される外管部とを備え、
    前記モノフィラメント及び前記マルチフィラメントの交差によって形成される空間内に、前記外管部の可撓性材料が充填されて、その内周面を前記内管部の前記外周面と密着させたことを特徴とする可撓性耐圧管。
  2. 前記モノフィラメントと前記マルチフィラメントの交差部において、前記マルチフィラメントの巻き付け圧で、前記マルチフィラメントの内面に前記モノフィラメントを食い込ませるとともに、前記モノフィラメントを前記内管部の前記外周面に押し込むようにしたことを特徴とする請求項1記載の可撓性耐圧管。
  3. 前記外管部を透明又は半透明な可撓性材料で形成したことを特徴とする請求項2記載の可撓性耐圧管。
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