JP2001018310A - 補強用シート及びその製造方法 - Google Patents

補強用シート及びその製造方法

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JP2001018310A
JP2001018310A JP11194750A JP19475099A JP2001018310A JP 2001018310 A JP2001018310 A JP 2001018310A JP 11194750 A JP11194750 A JP 11194750A JP 19475099 A JP19475099 A JP 19475099A JP 2001018310 A JP2001018310 A JP 2001018310A
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reinforcing
fiber filament
reinforcing fiber
holding
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JP11194750A
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English (en)
Inventor
Rokuro Sakai
麓郎 酒井
Eiji Hosoda
栄次 細田
Toshiyuki Sugimoto
敏幸 杉本
Masayuki Tsunaga
正行 津永
Masahiro Sato
政広 佐藤
Atsushi Tsunoda
角田  敦
Tetsuro Maruo
哲朗 圓尾
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Mesco Inc
Du Pont Toray Co Ltd
Sakai Sangyo KK
Original Assignee
Mesco Inc
Du Pont Toray Co Ltd
Sakai Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドリング性に優れ、かつ鋼帯と同等以上
の補強性能を発揮する補強用シート及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 複数本の補強繊維フィラメント束1を相
互に隙間gを介在させて平行配列状態にし、該平行配列
状態の補強繊維フィラメント束1の片面または両面に保
持シート2,2’を貼り付けた補強用シートでなる。製
造方法は、複数本の補強繊維フィラメント束1を相互に
隙間gを介在させて平行配列状態で走行させながら、こ
れら平行配列状態の補強繊維フィラメント束1の少なく
とも片側に帯状の保持シート2,2’を貼り付けて製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック成形体
等の補強に使用する補強用シート及びその製造方法に関
し、さらに詳しくは、特にプラスチックパイプの補強用
として優れた補強性能を発揮する補強用シート及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に上水、下水などの送水管、海水の
取水管、放流管等の用途に使用されるパイプは、特に大
きな強度が要求されるため鋳鉄管や鋼管等の金属パイプ
が使用されている。しかし、金属パイプは重量が大きい
ため施工現場への搬入や敷設作業に多大の労力が必要に
なって工事期間が長くなること、可撓性を有しないため
地震などの大きな負荷を受けると破損しやすいこと、ま
た錆を発生するため耐腐蝕性が低いことなどの問題があ
った。
【0003】かかる金属パイプが有する問題の対策とし
て、金属パイプに比べて軽量で可撓性を有し、かつ耐腐
蝕性にも優れているプラスチックパイプが注目され、こ
のプラスチックパイプは金属パイプに比べて強度が低い
という問題があったが、これを導管に補強材として薄い
テープ状の鋼帯を巻き付けることにより解決し、実用化
されるに至っている。
【0004】しかし、プラスチックパイプの補強に使用
される鋼帯は剛性が大きいため、巻き付け時の曲げ抵抗
によりパイプ導管の外周に馴染みにくく、また鋼帯は過
度の曲げ変形が与えられると永久変形し、それを元の形
状に戻そうとしても曲げ癖が残ってしまうという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の鋼帯に比べ軽量かつ可撓性であることによりハンドリ
ング性に優れ、かつ鋼帯と同等以上の補強性能を発揮す
ることができる補強用シート及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0006】本発明の他の目的は、特に鋳鉄管や鋼管の
代替用プラスチックパイプの成形において優れたハンド
リング性が得られることにより生産性を向上し、かつ鋼
帯と同等以上の補強性能を発揮する補強用シート及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の補強用シートは、複数本の補強繊維フィラメント束
を相互に隙間を介在させて平行配列状態にし、該平行配
列状態の補強繊維フィラメント束の片面または両面に保
持シートを貼り付けてなることを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明の補強用シートは、鋼帯に比べて軽
量かつ可撓性の高い補強繊維フィラメント束から構成さ
れているため、被成形物の形状如何に関わらず、その形
状に容易に馴染むことができるので優れたハンドリング
性を発揮し、被成形物の生産性を向上する。
【0009】また、複数本の補強繊維フィラメント束を
隙間を介して平行配列するため、補強繊維フィラメント
束の種類や本数の選択により鋼帯と同等以上の補強性能
を発揮し、また要求性能に応じて本数と隙間を適宜設計
することにより、その要求性能を最低の補強繊維フィラ
メント束の使用量で達成することができる。また、補強
シートは複数本の補強繊維フィラメント束を保持シート
に単に貼り付けるだけで得られ、よこ糸を使用する必要
がないので低コストで得ることができる。
【0010】また、補強繊維フィラメント束は保持シー
トに保持されているので、プリプレグのように熱硬化性
樹脂等の樹脂を含浸させる必要はないので、補強用シー
トの可撓性を一層高くし、ハンドリング性の向上を図る
ことができる。
【0011】上記のような特徴を有する本発明の補強用
シートは、複数本の補強繊維フィラメント束を相互に隙
間を介在させて平行配列状態にして走行させながら、該
平行配列状態の補強繊維フィラメント束の片面または両
面に帯状の保持シートを貼り付けることにより容易に製
造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の補強用シートは、複数本
の補強繊維フィラメント束が互いに隙間を介して平行に
長手方向の一方向だけに配列し、この長手方向と交差す
る方向によこ糸を配置していないことが特徴である。複
数本の各補強繊維フィラメント束は保持シートの表面に
直線状に貼り付けられており、このように補強繊維フィ
ラメント束がよこ糸を設けず、かつ直線状に保持されて
いることにより、補強繊維フィラメント束の強力が有効
に利用される。
【0013】長手方向に配列する補強繊維フィラメント
束と交差する方向によこ糸を配置する場合には、例えば
織機などを使用して長手方向のたて糸によこ糸を挿入し
て織物構造にするため、補強繊維が余分に必要になるコ
ストだけでなく、手間も多くなるため生産性が低下し、
コストアップになることは避けられない。この問題はよ
こ糸が補強繊維でない場合でも同様である。また、よこ
糸を配置すると、よこ糸が横切る箇所でたて糸の補強繊
維フィラメント束が屈曲変形した状態になるため、その
屈曲変形した箇所により材料力学上の補強繊維フィラメ
ント束の強力利用率が低下する。
【0014】本発明の補強用シートは、軽量かつ可撓性
の補強繊維フィラメント束が複数本平行に配列した状態
で、単に保持シートの表面に貼り付けられただけの構成
であるので、全体に高い可撓性を有しており、被成形物
の形状如何に関わらず複雑な形状にも馴染むため優れた
ハンドリング性を得ることができる。また、複数本の補
強繊維フィラメント束は互いに隙間を介して配列してい
るため、要求特性に応じて補強繊維フィラメント束の本
数と隙間を適宜選択することにより、その要求特性を最
低の補強繊維フィラメント束の使用量で達成することが
できる。
【0015】本発明の補強用シートをプラスチックパイ
プの補強用に使用するときは、その導管と防食層との間
に、導管の外周に螺旋状に巻き付けるようにして挿入す
るとよい。このように補強用シートを中間層に螺旋状に
巻き付けて配置することにより、主としてプラスチック
パイプの径方向の膨張を抑制するように補強することが
できる。
【0016】本発明において、補強繊維フィラメント束
に使用する繊維は、高強力、高弾性率の繊維であれば特
に限定されないが、好ましくは強度が100 kgf/mm2
以上、弾性率が4000 kgf/mm2 以上の繊維、さらに
好ましくは強度が200 kgf/mm2 以上、弾性率が50
00 kgf/mm2 以上の繊維を使用するとよい。具体的に
は、補強繊維フィラメント束の繊維としては、芳香族ポ
リアミド繊維、ポリ−P−フェニレンベンズビスオキサ
ゾール繊維(PBO繊維)、炭素繊維、ガラス繊維など
が好ましい。
【0017】補強繊維フィラメント束は、従来のプリプ
レグのように熱硬化性樹脂等の樹脂を含浸させずに、単
繊維相互を無拘束状態にすることが好ましい。このよう
な構成により単にコストダウンに役立つだけでなく、巻
き付け時の曲げ操作を容易にし、ハンドリング性を向上
することができる。
【0018】また、補強繊維フィラメント束には、甘撚
り程度の撚りを付与しておくことが好ましい。具体的な
撚り数としては10〜200回/m、さらに好ましくは
20〜100回/mがよい。10回/mよりも少ない撚
りであると、補強繊維フィラメント束の集束性が不足す
るため、保持シートに貼り付けたとき単繊維が乱れ、保
持を不安定にする。また、撚りが200回/mよりも多
いと、補強繊維フィラメント束の強力利用率が低下す
る。
【0019】補強繊維フィラメント束の太さは特に限定
されないが、好ましくは1000d〜7000dの範囲
のものを使用するとよい。また、補強繊維フィラメント
束の横断面形状は、好ましくは円形よりも、偏平にした
ものの方がよい。補強繊維フィラメント束を偏平にする
ことにより、保持シート上で横ずれや屈曲を起さないよ
うに安定した直線状態に配列しやすくすることができ
る。しかも、補強繊維フィラメント束の単位容積当たり
の補強効果を向上することができる。
【0020】補強繊維フィラメント束を偏平にして使用
する場合は、その幅wを1〜8mm、厚さtを1mm以
下にすることが好ましい。このような範囲にすることに
より、保持シートに対する形態保持を安定させ、かつそ
の安定な形態保持により補強効果を向上することができ
る。
【0021】また、隣接し合う補強繊維フィラメント束
間の隙間gとしては、片側の保持シート上の接着剤又は
低融点樹脂を他側の保持シートに転写可能にする程度の
大きさであればよい。好ましくは、補強用シートにおけ
る隙間gの合計幅が補強用シート全幅Wの30%以上、
好ましくは30〜80%にするとよい。一つ当たりの隙
間gの幅としては、この隙間gを介して接着剤又は低融
点樹脂が他方の保持シート側に転写可能になる程度の大
きさであればよいが、補強用シートにおける隙間gの合
計幅を上記の通りにした上で、好ましくは1〜5mmに
するとよい。
【0022】本発明の補強用シートにおいて、保持シー
トは専ら補強繊維フィラメント束を一定間隔に並べて保
持する機能を有していれば十分であり、被補強体の補強
作用に関与させる手段として使用するものではない。し
たがって、保持シートの強度としては、補強繊維フィラ
メント束の保持に支障のない程度を有していればよく、
特に大きな値を有する必要はない。
【0023】このような観点から、保持シートとして
は、合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布が使用され
る。合成樹脂フィルムは、無延伸フィルムであっても、
延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムの場合は一
軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。また、合
成繊維不織布は、メルトブロー法、スパンボンド法、ニ
ードルパンチ法のいずれの加工法で製造されたものであ
ってもよい。
【0024】保持シートの素材としては、合成樹脂フィ
ルムおよび合成繊維不織布のいずれの場合でも、熱可塑
性樹脂が好ましい。例えば、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂を挙げる
ことができる。
【0025】保持シートに補強繊維フィラメント束を貼
り付ける手段としては、接着剤または低融点樹脂が使用
される。接着剤は保持シートの片側全面にコーティング
し、その上に複数本の平行配列状態の補強繊維フィラメ
ント束を配置し、その上面から押圧することにより貼り
付けることができる。このように接着剤をコーティング
する保持シートは、合成樹脂フィルムおよび合成繊維不
織布のいずれであってもよいが、好ましくは合成樹脂フ
ィルムの方にコーティングするのがよい。
【0026】また、低融点樹脂の場合は、同じく保持シ
ートの片側全面に低融点樹脂をフィルム状に積層すれば
よい。このようにフィルム状に積層された低融点樹脂の
表面に複数本の平行配列状態の補強繊維フィラメント束
を配置し、その上から熱を加えることにより低融点樹脂
を溶融して融着させることができる。低融点樹脂がコー
ティングされる保持シートとしては、接着剤の場合と同
様に合成樹脂フィルムおよび合成繊維不織布のいずれで
あってもよいが、好ましくは合成樹脂フィルムに積層さ
せる方がよい。
【0027】複数本の平行配列した補強繊維フィラメン
ト束の両側に保持シートを配置する場合の組合せとして
は、一方の保持シートを合成樹脂フィルムにし、他方の
保持シートを合成繊維不織布にする態様、両側の保持シ
ートとも合成樹脂フィルムにする態様、或いは両側の保
持シートとも合成繊維不織布にする態様のいずれであっ
てもよい。しかし、好ましくは一方の保持シートを合成
樹脂フィルムにし、他方の保持シートを合成繊維不織布
にする第一番目の組合せがよい。
【0028】上述のように補強繊維フィラメント束、保
持シート、接着剤または低融点樹脂から構成された補強
用シートは、その総幅Wは特に限定されるものではない
が、特にプラスチックパイプ補強用に使用するものとし
ては、プラスチックパイプの管径にもよるが、30〜4
00mmの範囲にすることが好ましい。また、補強用シ
ートの50mm幅当たりの補強繊維フィラメント束の配
列本数としては、3000dの補強繊維フィラメント束
を基準として、10〜20本/50mm、好ましくは13
〜18本/50mmがよい。
【0029】本発明の補強用シートは、プラスチック成
形体の補強用として使用できるほか、土木構造物や建築
構造物に対する補強用にも使用することができる。
【0030】プラスチック成形体では、特に鋳鉄管や鋼
管等の金属パイプの代替として使用されるプラスチック
パイプの補強用に優れている。適用するプラスチックパ
イプの大きさは特に限定されないが、好ましくは管径2
0〜800mmのものに対して優れた効果を発揮する。
【0031】また、建築構造物では、繊維強化樹脂製タ
ンクの壁面の補強に使用することができ、特に円筒形外
壁の周方向の補強に有効である。例えば、フィラメント
ワインド方式で成形した繊維強化樹脂製タンクに対し、
その巻付け方向に沿って本発明の補強シートを巻き付け
るとよい。また、土木用建造物では、鉄筋コンクリート
製の橋脚に、周方向に巻き付けたり、或いは上下方向に
貼り付けたりするとよい。図1及び図2は、それぞれ本
発明の補強用シートを例示したもので、特にプラスチッ
クパイプ用の補強用シートを示したものである。
【0032】図1の補強用シート10は、複数本の補強
繊維フィラメント束1を相互間に隙間gを介在させて平
行に配列し、これらを帯状の保持シート2の表面に長手
方向に沿って接着剤により貼り付けて構成されている。
保持シート2は、合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織
布からなり、また補強繊維フィラメント束1は40回/
mの撚りを有し、かつ偏平に押し広げられ、その偏平な
面を保持シート2の表面に沿わせるようにしている。
【0033】図2は別の実施形態からなる補強用シート
10’を示す。この補強用シート10’は、上述した図
1の構成において、さらに補強繊維フィラメント束1の
上面側に別の保持シート2’を貼り合わせるようにした
ものである。上面に被覆した保持シート2’は、保持シ
ート2と同様に合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布
から構成されている。両側の保持シート2と2’は、一
方が合成樹脂フィルムで、他方が合成繊維不織布である
ような組合せにしてもよく、或いは両方とも合成樹脂フ
ィルムまたは合成繊維不織布であるようにしてもよい。
【0034】この補強用シート10’において、保持シ
ート2に塗布された接着剤は、補強繊維フィラメント束
1,1の間の隙間gに滲出し、この滲出した接着剤を介
して反対側の保持シート2’が保持シート2に接着する
ようになっている。互いに接着した保持シート2,2’
は、複数の補強繊維フィラメント束1を挟持することに
よって拘束し、これら補強繊維フィラメント束1が横ず
れしたり、或いは交錯したりしないようにする。図5
は、上記補強用シート10(又は10’)を使用して補
強したプラスチックパイプ20を例示したものである。
【0035】プラスチックパイプ20は内側の導管21
と外側の防食層22とがプラスチックから成形され、そ
の中間に補強用シート10(10’)が挿入されてい
る。補強用シート10(10’)は、導管21と防食層
22との間において、補強繊維フィラメント束1の長手
方向をプラスチックパイプ20の軸方向に対して角度θ
をなすように導管21の外周に螺旋状に巻回されてい
る。
【0036】このように螺旋状に巻回した補強用シート
10(10’)は、プラスチックパイプ20の径方向の
膨張を抑制する。補強用シート10(10’)のパイプ
軸方向に対する巻付け角度θ(螺旋角度)は45°以
上、90°未満とし、好ましくは50°以上、80°以
下にするとよい。
【0037】本発明の補強用シートは、図3や図4に例
示するような製造装置により製造することができる。図
3の製造装置は、図2の実施形態の補強用シート10’
を製造する装置である。33,33’はガイドローラ、
34,34’はニップローラであり、その下方に保持シ
ート2を巻回したパッケージ30が配置され、上方に保
持シート2’を巻回したパッケージ30’が配置されて
いる。このうちパッケージ30に巻かれた保持シート2
は、その片面に接着剤がコーティングされていると共
に、その接着剤の表面に帯状の離型紙31が貼り合わさ
れている。ただし、離型紙31については、保持シート
2として接着力がそれ程強くない接着フィルムが使用さ
れる場合は、必ずしも必要ではない。
【0038】上記製造装置のニップローラ34,34’
に対して、複数本が平行に配列された補強繊維フィラメ
ント束1が水平方向に供給され、その上面側にパッケー
ジ30’から解舒された保持シート2’が重ねられる。
他方、下方のパッケージ30から解舒された保持シート
2が、離型紙31をボビン32に巻き取られ、剥離され
ながら、補強繊維フィラメント束1の下面側に供給され
る。
【0039】このように平行に配列された複数本の補強
繊維フィラメント束1に、その上面と下面とに保持シー
ト2’と2とが重ね合わされるように供給され、ニップ
ローラ34,34’の間にニップされると、保持シート
2の表面にコーティングされた接着剤によって補強繊維
フィラメント束1が保持シート2に貼り付けられ、さら
に接着剤の一部が補強繊維フィラメント束間の隙間gを
介して上面側の保持シート2’に接着し、補強繊維フィ
ラメント束1と保持シート2,2’とを一体化した補強
用シート10’を形成する。このようにして形成された
補強用シート10’はパッケージ35として連続的に巻
き取られる。
【0040】図4は、他の実施形態からなる補強用シー
トの製造装置を示す。この実施形態は、パッケージ30
に巻かれた保持シート2に予め接着剤がコーティングさ
れていない場合である。すなわち、保持シート2はパッ
ケージ30から解舒されたのち、コーティング装置36
を経由することにより、そこで接着剤を塗布され、次い
でガイドローラ33を経てニップローラ34,34’へ
供給される。その他の構成は図3の場合と同様である。
【0041】接着剤を保持シート2に塗布するためのコ
ーティング装置36は、接着剤が貯留されたトラフ37
を有し、その中に塗布ローラ38の一部を浸漬するよう
にしている。塗布ローラ38は回転することにより、そ
の表面に接着剤の塗膜を形成し、その塗膜をナイフコー
タ39で一定の膜厚にされたのち、押圧ローラ40を介
して保持シート2の表面に転写するようになっている。
【0042】上述した図3および図4の製造装置は、い
ずれも図2のように両側に保持シート2,2’を有する
補強用シート10’を製造するものであるが、図1のよ
うに片側だけに保持シート2を有する補強用シート10
の場合は、図3および図4の製造装置において、それぞ
れパッケージ30’を省略した形態にすることにより製
造することができる。
【0043】
【実施例】図3の製造装置を使用し、保持シート2とし
てゴム系接着剤がコーティングされた幅100mm、厚
さ40μmの一軸延伸ポリプロピレンフィルム、保持シ
ート2’として目付40g/m2 、幅100mmのポリ
エステル長繊維スパンボンド不織布、また補強繊維フィ
ラメント束1として3000dの芳香族ポリアミド繊維
フィラメント束(東レ・デュポン製“ケブラー”29)
をそれぞれ使用し、該芳香族ポリアミド繊維フィラメン
ト束35本が上記保持シート2に略等間隔で平行配列す
るように貼り付けた本発明の補強用シートAを製造し
た。
【0044】また、比較のため厚さ0.15mm、幅1
00mmのステンレス鋼(SUS)の帯板からなる補強
用シートBを用意した。
【0045】上記2種類の補強用シートA及びBを、そ
れぞれ外径114mm、肉厚9mmのポリエチレン製の
プラスチックパイプの中間補強層として、軸方向に対す
る巻付け角度θを68°にして巻き付けた2種類のプラ
スチックパイプを成形した。
【0046】なお、補強用シートA及びBの巻き付け方
としては、それぞれ上層と下層との2枚を巻き付け、下
層を1/3幅の隙間を介して螺旋巻きすると共に、その
下層の1/3幅の隙間の上を上層が覆うように同じく1
/3幅の隙間を介して螺旋巻きした。
【0047】上記のようにして得られた2種類のプラス
チックパイプについて、それぞれ内圧をかけて破壊強力
を測定したところ、両パイプとも内圧65 kgf/cm2
も破壊することがなく、優れた破壊圧力を有していた。
【0048】次いで、各プラスチックパイプに曲げ荷重
を加えて約30度まで曲げたのち、その曲げ荷重を解除
したところ、本発明の補強用シートAで補強したプラス
チックパイプは元のストレートな状態に復帰した。しか
し、補強用シートBで補強したプラスチックパイプは、
元のストレートな状態に戻らす屈曲変形したままになっ
た。その屈曲変形を強制的に直線状に戻したところ、屈
曲部分が偏平状の歪んだ断面として残った。
【0049】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、鋼帯に
比べて軽量かつ可撓性の高い補強繊維フィラメント束に
よって構成されているため、被成形物の形状如何に関わ
らず、その形状に容易に馴染むため優れたハンドリング
性を発揮し、被成形物の生産性を向上する。また、複数
本の補強繊維フィラメント束を隙間を介して平行配列す
るため、その本数や隙間の選択により鋼帯と同等以上の
補強性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強用シートの一例を一部を省略して
示す斜視図である。
【図2】本発明の補強用シートの他の例を一部を省略し
て示す斜視図である。
【図3】本発明の補強用シートを製造する製造装置の一
例を示す概略図である。
【図4】本発明の補強用シートを製造する製造装置の他
の例を示す概略図である。
【図5】本発明の補強用シートで補強されたプラスチッ
クパイプを一部破断して示す部分正面図である。
【符号の説明】
1 補強繊維フィラメント束 2,2’ 保持シート 10,10’補強用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 麓郎 静岡県島田市細島1349番地の1 サカイ産 業株式会社内 (72)発明者 細田 栄次 静岡県島田市細島1349番地の1 サカイ産 業株式会社内 (72)発明者 杉本 敏幸 静岡県島田市細島1349番地の1 サカイ産 業株式会社内 (72)発明者 津永 正行 大分県大分市大字勢家字春日浦843−18 三井金属エンジニアリング株式会社大分工 場内 (72)発明者 佐藤 政広 大分県大分市大字勢家字春日浦843−18 三井金属エンジニアリング株式会社大分工 場内 (72)発明者 角田 敦 東京都中央区日本橋本町1−5−6 東 レ・デュポン株式会社内 (72)発明者 圓尾 哲朗 東京都中央区日本橋本町1−5−6 東 レ・デュポン株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AD11A AG00A AK01B AK01C AK07B AK41C AK47A AK80A BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA15 DC22A DG04A DG04C DG06A DG15B DG15C EC032 EC182 EH461 GB90 JB02 JK01 JL05 YY00A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の補強繊維フィラメント束を相互
    に隙間を介在させて平行配列状態にし、該平行配列状態
    の補強繊維フィラメント束の片面または両面に保持シー
    トを貼り付けてなる補強用シート。
  2. 【請求項2】 前記平行配列状態の補強繊維フィラメン
    ト束の両面に配置した保持シートが前記隙間を介して互
    いに接着している請求項1に記載の補強用シート。
  3. 【請求項3】 前記補強繊維フィラメント束が撚り数1
    0〜200回/mであると共に偏平であり、その偏平な
    面を前記保持シートの表面に沿わせて接着している請求
    項1または2に記載の補強用シート。
  4. 【請求項4】 前記保持シートが合成樹脂フィルム又は
    合成繊維不織布である請求項1,2または3に記載の補
    強用シート。
  5. 【請求項5】 前記補強繊維フィラメント束を構成する
    繊維が、芳香族ポリアミド繊維、ポリ−P−フェニレン
    ベンズビスオキサゾール繊維、炭素繊維又はガラス繊維
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強用シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記平行配列状態の補強繊維フィラメン
    ト束の両面に配置した保持シートの一方が合成樹脂フィ
    ルムであり、他方が合成繊維不織布である請求項1〜5
    のいずれかに記載の補強用シート。
  7. 【請求項7】 前記保持シートが合成樹脂フィルムであ
    り、該合成樹脂フィルムにコーティングした接着剤又は
    低融点樹脂を介して前記補強繊維フィラメント束が貼り
    付けられている請求項1〜6のいずれかに記載の補強用
    シート。
  8. 【請求項8】 複数本の補強繊維フィラメント束を相互
    に隙間を介在させて平行配列状態にして走行させなが
    ら、該平行配列状態の補強繊維フィラメント束の片面ま
    たは両面に帯状の保持シートを貼り付ける補強用シート
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記保持シートの表面に接着剤又は低融
    点樹脂をコーティングし、該接着剤又は低融点樹脂の表
    面に前記平行配列状態の補強繊維フィラメント束を貼り
    付ける請求項8に記載の補強用シートの製造方法。
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