JP4802044B2 - 補強繊維シート - Google Patents
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Description
[1] 補強繊維が引き揃えられ、撚り合わされずにもしくは撚り合わされてなる補強繊維群を一単位として、それが一方向に配列された補強繊維シートにおいて、該繊維シートの両面には、被覆補助繊維が上記補強繊維群の長さ方向に配置され、かつ、各被覆補助繊維は、該繊維シートの反対面に配置された被覆補助繊維と絡み合って袋状経編組織を形成しており、上記補強繊維群は、該袋状経編組織に経挿入されていることを特徴とする補強繊維シート、
[2] 上記補強繊維群は多段挿入されている前項[1]に記載の補強繊維シート、
[3] 上記補強繊維群において、補強繊維は撚り係数Kが2000〜7000で撚り合わされたている前項[1]または[2]に記載の補強繊維シート、
ただしK=T×(DT)1/2
T :撚り合わせ数(回/m)
DT:撚り糸の総繊度(dtex)
[4] 上記補強繊維群の配列密度が10〜200本/2.54cmである前項[1]〜[3]のいずれか1に記載の補強繊維シート、
[5] 上記経編組織の緯方向密度が片面あたり10〜150コース/2.54cmである前項[1]〜[4]のいずれか1に記載の補強繊維シート、
[6] 上記被覆補助繊維の繊度が200dtex以下である前項[1]〜[5]のいずれか1に記載の補強繊維シート、
[7] 上記被覆補助繊維の初期引張抵抗度が10〜200cN/dtexである前項[1]〜[6]のいずれか1に記載の補強繊維シート、
[8] 上記被覆補助繊維がポリオレフィン系繊維である前項[1]〜[7]のいずれか1に記載の補強繊維シート、
[9] 上記補強繊維の引張強度が15〜60cN/dtex以上である前項[1]〜[8]のいずれか1に記載の補強繊維シート、
[10] 上記補強繊維群の繊度が1000〜50000dtexである前項[1]〜[9]のいずれか1に記載の補強繊維シート、および
[11] 上記補強繊維が芳香族ポリアミド繊維である前項[1]〜[10]のいずれか1に記載の補強繊維シート
に関する。
本発明の繊維補強シートのうち、補強繊維が多段挿入されている態様は、補強繊維の強度利用率が高く、編幅あたりの強力が特に大きいシートとすることができる。
本発明の繊維補強シートのうち、補強繊維が撚り係数K=2000〜7000で撚り合わされている態様は、補強繊維群の形態保持性にも優れる。
本発明の繊維補強シートのうち、初期引張抵抗値が10〜200cN/dtexである態様は、補強繊維シートの耳部のカールを防止できるという効果も有する。
本発明の繊維補強シートのうち、被覆補助繊維の融点が190℃以下である態様は、被覆補助繊維を融解させやすいため、例えば樹脂を含浸して使用する場合には該樹脂中に被覆補助繊維を溶かしてしまうことができるという効果も有する。
本発明の繊維補強シートのうち、被覆補助繊維がポリオレフィン繊維である態様は、ポリオレフィン樹脂パイプの補強に特に好適である。
K=T×(DT)1/2
なお、上式において、Tは撚り数(回/m)を表わし、DTは撚り糸の総繊度(dtex)を表わす。
1.撚り数(回/m):
JIS(1999) L1013 8.13.1の撚り数項の記載に従って測定した。
2.補強繊維群の配列密度(本/2.54cm):
シート幅3cm間の補強繊維群を抜き出して本数(単位数)を実測し、2.54cmあたりの本数に換算した。
3.袋状経編組織の緯密度(コース/2.54cm):
JIS(1999) L1018 8.8項記載の密度に従った。
4.繊度(dtex):
JIS(1999) L1013 B法に従った。
5.初期引張抵抗度(cN/dtex):
JIS(1999) L1013 8.19.1項B法に従った。
6.引張強度(cN/dtex):
JIS(1999) L1013 8.5.1項に従った。
7.シートの引張強さ(N/2.54cm):
JIS(1999) L1018 8.13項 カットストリップ法に従った。なお、30mm幅の試験片を用いて測定した値を2.54cm幅あたりの強さに換算した。
8.補強繊維の強度利用率(%):
補強繊維の原糸での強度S0、シートの引張強さL1(N/30mm)、該シート30mm幅中の補強繊維の合計繊度D(dtex)をそれぞれ測定して、下記式により算出した。
式: [強度利用率(%)]={(L1/D)/S0}×100
編地のカール性を、カールが少ないほど良好であるとして以下の基準で官能的に評価した。
極めて良好 ◎
良好 〇
やや不良 △
不良 ×
10.樹脂含浸性:
エポキシ樹脂(セメダイン社製、♯1500)とアミン系硬化剤の3対1の混合液を用いてシートに付着させた。付着量は、付着前のシートの質量に対して10質量%とした。樹脂硬化後に、シートの曲げ硬さを官能的に調べて、曲げ硬さが硬いほど含浸性が良好であるとして以下の基準で評価した。
極めて良好 ◎
良好 〇
やや不良 △
不良 ×
11.シート取り扱い性:
曲げ柔らかさおよび巻きつけ性を官能評価した。
極めて良好 ◎
良好 〇
やや不良 △
不良 ×
12.総合評価:
シートの特性値、樹脂含浸性、シート取り扱い性および編成性などから総合的に評価した。
極めて良好 ◎
良好 〇
やや不良 △
不良 ×
補強繊維群としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レデュポン株式会社製「ケブラー
(商標登録)29 」)の3300dtex、単繊維フィラメント繊度が1.6dtex、強度18.9cN/dtexのものにS撚り71回/mの撚りを施したものを補強繊維群の一単位として、3段経挿入で、補強繊維群3本を合わせた総繊度が9900dtexとなるようにして用いた。
被覆補助繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製「テトロン(登録商標)」)の56dtex/単繊維フィラメント数12本(実施例1)および84dtex/単繊維フィラメント数24本(実施例4)のもの、ポリアミド繊維(同社製「アミラン(登録商標)」)の22dtexモノフィラメント(実施例3)、ポリエチレン繊維の56dtexモノフィラメント(実施例2)をそれぞれ用いた。なお、各実施例において、被覆補助繊維はおもて面とうら面で同じ繊維を使用した。
上記繊維を、補強繊維群が3段の経挿入となるようにラッセル経編機に供給して、図1および2に示す組織を構成し、表1に示す補強繊維シートを得た。なお、編地の設計条件としては、ウェール(W/2.54cm)18.0、コース(C/2.54cm)36.0、筬5枚とした。
参考例として、被覆補助繊維以外にからみ補助繊維を用い、特開平10−37051号公報に記載の袋状経編組織と同様の組織に補強繊維群が経挿入された補強繊維シートを作製した。
補強繊維群としては、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(東レデュポン株式会社製「ケブラー (商標登録)29 」)の9900dtex、単繊維フィラメント繊度が1.6dtex、強度18.9cN/dtexのものに撚りをかけずに交絡させたものを補強繊維群の一単位として、1段挿入で用いた。
被覆補助繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製「テトロン(登録商標)」)の56dtex/単繊維フィラメント数24本を、からみ補助繊維として同じくポリエチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製「テトロン(登録商標)」)の56dtex/単繊維フィラメント数24本を用いた。
上記繊維を用いて、ラッセル経編機にて、特開平10−37051号公報の図1に記載された組織に準ずる組織を構成して、比較用の補強繊維シートを得た。
各実施例間での被覆補助繊維を変えたことの影響を考察すると、被覆補助繊維にポリエチレンを用いた実施例2では、ポリエチレンテレフタレート繊維を用いた実施例1および4よりも補強繊維の強度利用率がさらに優れており、カール性やシート取扱い性にもより優れている。
なお、いずれも被覆補助繊維にポリエチレンテレフタレート繊維を用いた場合で、該被覆補助繊維の繊度が56dtexである実施例1よりも84dtexに太くした実施例4の方が強度利用率に勝る結果となったのは、補強繊維群の並行度が高まったためと推察される。
2 おもて面の被覆補助繊維
3 うら面の被覆補助繊維
Claims (11)
- 補強繊維が引き揃えられ、撚り合わされずにもしくは撚り合わされてなる補強繊維群を一単位として、その補強繊維群が一方向に配列された補強繊維シートにおいて、
該補強繊維シートの一方の面と反対側の面には、それぞれ、上記補強繊維群と交差する被覆補助繊維が補強繊維群の長さ方向に沿ってジグザグ状に配置され、一方の面に配置された被覆補助繊維は反対側の面に配置された被覆補助繊維と絡み合って袋状経編組織を形成し、上記補強繊維群の長さ方向は該袋状経編組織の経方向と同一であることを特徴とする補強繊維シート。 - 上記補強繊維群が、上記補強繊維シートの厚さ方向に、補強繊維群の長さ方向を上記袋状経編組織の径方向と同一になるようにして、更に複数本配置されていることを特徴とする請求項1に記載の補強繊維シート。
- 上記補強繊維群において、補強繊維は撚り係数Kが2000〜7000で撚り合わされている請求項1または2に記載の補強繊維シート。
ただしK=T×(DT)1/2
T :撚り合わせ数(回/m)
DT:撚り糸の総繊度(dtex) - 上記補強繊維群の配列密度が10〜200本/2.54cmである請求項1〜3のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記袋状経編組織の緯方向密度が片面あたり10〜150コース/2.54cmである請求項1〜4のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記被覆補助繊維の繊度が200dtex以下である請求項1〜5のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記被覆補助繊維の初期引張抵抗度が10〜200cN/dtexである請求項1〜6のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記被覆補助繊維がポリオレフィン系繊維である請求項1〜7のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記補強繊維の引張強度が15〜60cN/dtexである請求項1〜8のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記補強繊維群の繊度が1000〜50000dtexである請求項1〜9のいずれか1に記載の補強繊維シート。
- 上記補強繊維が芳香族ポリアミド繊維である請求項1〜10のいずれか1に記載の補強繊維シート。
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