JP2001020087A - 銅の化学機械研磨用水系分散体 - Google Patents

銅の化学機械研磨用水系分散体

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JP2001020087A
JP2001020087A JP19079999A JP19079999A JP2001020087A JP 2001020087 A JP2001020087 A JP 2001020087A JP 19079999 A JP19079999 A JP 19079999A JP 19079999 A JP19079999 A JP 19079999A JP 2001020087 A JP2001020087 A JP 2001020087A
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copper
ion
polishing
hydrogen peroxide
aqueous dispersion
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JP19079999A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yano
博之 矢野
Fukugaku Minami
学 南幅
Katsuya Okumura
勝弥 奥村
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Masayuki Motonari
正之 元成
Akira Iio
章 飯尾
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Toshiba Corp
JSR Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅の化学機械研磨に用いられ、安定性に優
れ、研磨速度が大きく、且つスクラッチ等の発生が少な
い、半導体装置の製造において有用な水系分散体を提供
する。 【解決手段】 炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオン、
クエン酸イオン、シリカ粒子並びに過酸化水素及び/又
は過酸化水素イオンを含有し、pH3〜10の範囲にお
いて、銅の化学機械研磨に有用な水系分散体を得る。ク
エン酸イオンは、クエン酸アンモニウム等より生成させ
ることができる。シリカ粒子としては、ヒュームド法シ
リカ等を用いることができる。炭酸水素イオン及び/又
は炭酸イオンの濃度は0.0002〜0.02モル/リ
ットル、クエン酸イオンの濃度は0.0002〜0.5
モル/リットル、シリカ粒子の含有量はは0.3〜15
重量%、及び過酸化水素の含有量は0.01〜5重量%
とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅の化学機械研磨
用水系分散体に関する。更に詳しくは、本発明は、安定
性に優れ、研磨速度が大きく効率的に研磨することがで
き、且つスクラッチ、エッチング、シンニング、ディッ
シング及びキーホールなどの発生が少なく、精度の高い
仕上げ面が得られる水系分散体に関する。本発明の水系
分散体は、誘電率の低い多孔質の絶縁膜に対しても損傷
を与えることがなく、半導体装置の製造において有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造における最近の技術と
して、プロセスウェーハ上の絶縁膜に形成された孔若し
くは溝などに銅などの配線材料を埋め込んだ後、絶縁膜
の表面より上の配線材料を研磨によって除去することに
よって配線を形成する手法がある。この研磨において
は、機械的な研磨と化学的作用とを効果的に組み合わせ
ることが必要であり、機械的効果と化学的効果のバラン
スが精度の高い良好な仕上げ面を得るうえで重要であ
る。機械的研磨が強すぎると機械的損傷が大きくスクラ
ッチの原因となる。また、化学的作用として、金属をイ
オン化して溶解する作用が強すぎるとエッチング、シン
ニング、ディッシング、キーホールなどの問題が発生す
る。
【0003】金属をイオン化し、溶解する化学的作用を
高めた研磨剤では、研磨速度は大きくなるものの、研磨
面に腐食痕が発生することがあり、配線材料が過度にエ
ッチングされて精度の高い良好な仕上げ面を得ることが
できない。一方、アルミナ或いはジルコニア等の硬い砥
粒を用いることにより、機械的効果を高めた研磨剤も使
用されている。しかし、この研磨剤では、配線材料ばか
りでなく、絶縁膜までも過度に研磨されてしまって良好
なダマシン配線とすることができないという問題があ
る。特に、誘電率の低い多孔質の絶縁膜では、大きなス
クラッチが発生することもあり、場合によっては絶縁膜
が剥離してしまうこともある。
【0004】特開平10−163141号公報には、三
価の鉄化合物を含有する銅用研磨剤組成物が記載されて
いる。しかし、鉄イオンは研磨剤のpHが中性である場
合は水酸化物として析出してしまい、化学的作用がほと
んどなくなって配合する意味がない。化学的作用を有効
に働かせるため鉄イオンのままで含有される研磨剤とす
るためには、そのpHを低い領域に保持すればよいが、
低pH領域では、半導体を浸漬した際の銅膜のエッチン
グが大きく、銅配線のディッシング、エロージョン等も
問題になる。更に、銅の研磨において銅以外の金属を含
む研磨剤を使用することは金属汚染の観点からもあまり
好ましくなく、被研磨面に付着した他の金属を完全に除
去するためには特殊な洗浄液を使用する必要がある等の
問題もある。
【0005】また、特開平9−555363号公報に
は、銅と反応し、水に難溶であり、且つ銅よりも機械的
に脆弱な銅錯体を生成する水溶性の有機酸、研磨砥粒及
び水を含有する銅系金属用研磨液が開示されている。し
かし、このような特性を有する水溶性の有機酸である2
−キノリンカルボン酸は一般に極めて高価である。その
ため、このような酸を含有する研磨剤は、コストの面で
使用分野が制約されるとの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題を解決するものであり、安定性に優れ、研磨速度
が大きく、効率よく研磨することができ、且つスクラッ
チ、エッチング、シンニング、ディッシング及びキーホ
ールなどの発生が少なく、精度の高い良好な仕上げ面を
得ることができる、銅の化学機械研磨用水系分散体を提
供することを目的とする。更に、本発明は、鉄などの他
の金属による汚染もなく、誘電率の低い多孔質の絶縁膜
であっても、スクラッチ或いは剥離等を生ずることなく
研磨することができ、半導体装置の製造において有用な
銅の化学機械研磨用水系分散体を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】シリカ粒子を砥粒とし、
銅の研磨において優れた安定性と研磨性能とを有する水
系分散体を得ることを目的とし検討した結果、特に、炭
酸水素イオン及び/又は炭酸イオン、クエン酸イオン並
びに過酸化水素及び/又は過酸化水素イオンを含有する
水系分散体とした場合に、シリカ粒子の凝集が抑えら
れ、安定性に優れ、より研磨速度が大きく、且つスクラ
ッチ、ディッシング、エロージョン等の発生も少ないこ
とが見出された。本発明は、このような知見に基づいて
なされたものである。
【0008】第1発明の銅の化学機械研磨に用いられる
水系分散体は、炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオン、
クエン酸イオン、シリカ粒子並びに過酸化水素及び/又
は過酸化水素イオンを含有し、pHが3〜10であるこ
とを特徴とする。上記「銅」には、純銅ばかりでなく、
銅−シリコン、銅−アルミニウム等、95重量%以上の
銅を含有する合金も含まれるものとする。
【0009】上記「炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオ
ン」は、炭酸水素塩或いは炭酸塩をイオン交換水等に添
加すること等によって生成させることができる。この炭
酸水素塩としては、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモ
ニウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等を使
用することができる。また、炭酸塩としては、炭酸カリ
ウム、炭酸アンモニウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウ
ム等を用いることができる。これらのうちカリウム塩及
びアンモニウム塩は、半導体装置への悪影響が少ないう
え、高純度品が安価に得られるため好ましい。炭酸水素
塩或いは炭酸塩は、シリカ粒子の凝集を特に中性域にお
いて抑制し、水系分散体の安定性を維持する作用を有
し、この作用に優れる炭酸水素カリウムがより好まし
い。
【0010】これらの炭酸水素イオン等は、必ずしも炭
酸水素塩などを水に溶解させて生成させる必要はなく、
シリカ粒子の調製時に使用される炭酸水素塩等から生成
し、必然的に水系分散体に含有されることになるもので
あってもよい。尚、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム等のナトリウム
塩、リチウム塩も使用し得るが、半導体装置に悪影響を
及ぼす恐れがあるため、その含有量等に留意する必要が
ある。
【0011】上記「クエン酸イオン」は、1価、2価及
び3価のいずれであってもよく、これらのクエン酸イオ
ンの対の陽イオンは、水素イオン、アンモニウムイオ
ン、カリウムイオン等、特に限定はされない。クエン酸
イオンは、クエン酸及びクエン酸アンモニウム、クエン
酸カリウム等のクエン酸塩を水(イオン交換水等)に添
加することによって生成させることができる。クエン酸
を使用する場合は、通常、クエン酸の添加の前又は後に
アルカリ化合物を加えてpHを調整する。
【0012】上記「シリカ粒子」としては高純度なシリ
カ粒子が好ましい。そのようなシリカ粒子としては、ヒ
ュームド法シリカ粒子、テトラエトキシシランから合成
されるシリカ粒子、精製によりナトリウムイオンなどの
金属不純物が除去されたコロイダルシリカ、真空中で合
成されたシリカ粒子(ナノフェーズテクノロジー社製)
などが挙げられる。これらのシリカ粒子のうちで特に好
ましいものは、気相法により合成され、表面積が20〜
400m2/g、特に30〜150m2/gのヒュームド
法シリカ粒子である。このシリカ粒子の表面積が20m
2/g未満であると、1次粒子径が大きく、凝集、沈降
を防止することが容易ではなく、銅と絶縁膜とをバラン
スよく研磨することができないとの問題もある。一方、
表面積が400m2/gを超える場合は、1次粒子径が
小さすぎて銅を十分な速度で研磨することができないこ
とがある。
【0013】上記「過酸化水素及び/又は過酸化水素イ
オン」は酸化剤として使用されるものであり、過酸化水
素の一部が解離して生成する過酸化水素イオンも、酸化
剤としての同様の作用、効果を有する。また、過酸化水
素は、硝酸鉄等の金属塩からなる酸化剤のように、金属
イオンによる被研磨面等の汚染などの問題がないため酸
化剤として特に好ましいものである。
【0014】第2発明の銅の化学機械研磨用水系分散体
は、第1発明において、炭酸水素イオン及び/又は炭酸
イオン濃度、クエン酸イオン濃度、シリカ粒子含有量並
びに過酸化水素及び/又は過酸化水素イオン含有量(イ
オンの場合は過酸化水素に換算する。)の推奨される範
囲を明らかにしたものである。炭酸水素イオン及び/又
は炭酸イオンの濃度は、0.0002〜0.02モル/
リットルとすることが好ましく、特に0.0005〜
0.01モル/リットルとすることがより好ましい。炭
酸水素イオン及び/又は炭酸イオンの濃度が0.000
2モル/リットル未満であると、或いは0.02モル/
リットルを超える場合は、シリカ粒子が凝集し易く、沈
降してしまう傾向にあり、安定な水系分散体とすること
ができないため好ましくない。この炭酸水素イオン等の
濃度はイオンクロマトグラフィーによって測定すること
ができる。
【0015】クエン酸イオンの濃度は、0.0002〜
0.5モル/リットルとすることが好ましく、特に0.
001〜0.1モル/リットルとすることがより好まし
い。クエン酸イオンの濃度が0.0002モル/リット
ル未満であると、研磨速度が低下する傾向にある。一
方、この濃度が0.5モル/リットルを超える場合は、
被研磨面が腐食し、精度の高い良好な仕上げ面が得られ
ないことがある。このクエン酸イオンの濃度はイオンク
ロマトグラフィーによって測定することができる。
【0016】シリカ粒子の含有量は、0.3〜15重量
%とすることが好ましく、特に1〜12重量%、更には
3〜10重量%とすることがより好ましい。シリカ粒子
の含有量が0.3重量%未満であると、水系分散体が研
磨剤として十分に機能しないことがある。一方、15重
量%のシリカ粒子を含有しておれば、十分な性能を有す
る研磨剤とすることができ、15重量%を超えて含有さ
せてもコストの上昇を招くばかりである。
【0017】過酸化水素及び/又は過酸化水素イオンの
含有量は、0.01〜5重量%とすることが好ましく、
特に0.1〜3重量%、更には0.5〜2.5重量%と
することがより好ましい。この過酸化水素等の含有量
は、特に1〜2重量%とすることが好ましいが、0.3
〜0.4重量%とすることもでき、0.1重量%程度で
あっても所要性能を備える水系分散体とすることができ
る。過酸化水素等の含有量が0.01重量%未満である
と、研磨速度が不十分となり、この含有量が5重量%を
超える場合は、被研磨面が腐食することがある。
【0018】上記「水系分散体」のpHは「3〜10」
であり、特に5〜10、更には7〜9の範囲に調整する
ことが好ましい。このpHの調整は硝酸、硫酸等の酸、
或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア
等のアルカリによって行うことができる。水系分散体の
pHが3未満であると、銅に対するエッチングの作用が
強いため、ディッシング及びエロージョン等が発生す
る。一方、このpHが10を超えると、特にシルセスキ
オキサンを主成分とする絶縁膜のように、誘電率が低く
多孔質の絶縁膜である場合に、絶縁膜が過度に研磨さ
れ、良好なダマシン配線が得られないとの問題がある。
【0019】第3発明は、第1又は2発明の銅の化学機
械研磨用水系分散体において、更にアンモニウムイオン
が含有されていることを特徴とする。アンモニウムイオ
ンを含有させることによって、より研磨速度の大きい水
系分散体とすることができる。このアンモニウムイオン
は、クエン酸アンモニウムを使用することにより、クエ
ン酸イオンとともに生成させることができる。また、無
機酸のアンモニウム塩及びアンモニア水などを用いるこ
とによって生成するアンモニウムイオンであってもよ
い。
【0020】第4発明は、第1乃至第3発明の水系分散
体を、シルセスキオキサンを主成分とする絶縁膜を有す
る半導体の銅膜研磨に使用することを特徴とする。この
シルセスキオキサンを主成分とする絶縁膜としては、膜
厚が0.2〜20μmであり、密度が0.3〜1.85
g/cm3であって、孔径100nm以下の微細な空孔
を有する多孔質なもの等が挙げられるが、第1乃至第3
発明の水系分散体を使用すれば、特に、この絶縁膜を有
する半導体の銅膜を研磨する場合にも、過度に研磨され
たり、スクラッチが発生したり、絶縁膜が剥離したりす
ることが抑えられる。
【0021】更に、この水系分散体のpHの調整によ
り、Ta或いはTaN等からなるバリアメタルと銅との
研磨速度等のバランスを制御することもできる。pHが
6〜8付近では、銅を研磨する速度が大きく、バリアメ
タルを研磨する速度は小さい。そのため、バリアメタル
層がストッパー層として機能し、この中性の水系分散体
は、半導体製造時、まず1段目用の研磨剤によって銅膜
のみを研磨し、引き続いて、2段目用の研磨剤によって
バリアメタル層を除去する、所謂、2段階研磨法におけ
る1段目の研磨剤に適している。一方、pHが3〜6の
酸性側及びpHが8〜10のアルカリ性側では銅を研磨
する速度が小さくなる一方で、バリアメタルを研磨する
速度は大きくなる。そのため、この酸性又はアルカリ性
の水系分散体は銅とバリアメタルを同時に研磨すること
ができ、2段階研磨法における2段目の研磨剤に適して
いる。また、銅、バリアメタル及び絶縁層の組成等によ
って適宜pHを調整することにより、1段目及び2段目
のいずれにも使用可能な水系分散体とすることもでき
る。
【0022】第1乃至第3発明の水系分散体を使用し、
後記の実施例における(3)水系分散体の性能評価の
エッチング速度の項に記載の方法によって測定した銅膜
付きウェーハのエッチング速度は、1000Å/分以
下、特に500Å/分以下とすることができ、更には3
0〜200Å/分とすることができる。また、後記の実
施例における(3)水系分散体の性能評価の研磨速度
の項に記載の方法によって銅膜を研磨した場合の研磨速
度は、3000Å/分以上、特に4000Å/分以上と
することができ、更には2500〜9000Å/分とす
ることができる。更に、第1乃至第3発明では、上記の
方法によって評価したエッチング速度が1000Å/分
以下、特に500Å/分以下、更には30〜200Å/
分であって、且つ研磨速度が3000Å/分以上、特に
4000Å/分以上、更には2500〜9000Å/分
である水系分散体とすることもできる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を更
に詳しく説明する。 (1)誘電率の低い多孔質の絶縁膜の製造例 ポリシロキサンゾルの調製 101.5gのメチルトリメトキシシラン、276.8
gのメトキシプロピオン酸メチル及び9.7gのテトラ
イソプロポキシチタン/アセト酢酸エチル錯体からなる
混合溶液を60℃に加熱し、この混合溶液に112.3
gのγ−ブチロラクトンと水との混合物(重量比で4.
58)を1時間かけて滴下した。混合物の滴下終了後、
60℃で1時間反応させ、ポリシロキサンゾルを得た。
【0024】絶縁膜の製造 で得られたポリシロキサンゾル15gと、ポリスチレ
ン粒子1gとを混合し、得られた混合物をITO基板上
にスピンコート法によって塗布し、膜厚1.39μmの
塗膜を形成した。その後、80℃で5分間、続いて20
0℃で5分間加熱し、次いで、真空下、340℃、36
0℃及び380℃の順でそれぞれ30分間加熱し、更に
450度で1時間加熱して無色透明の皮膜を形成した。
この皮膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
微細な空孔が形成されていることが確認された。また、
誘電率は1.98であり、空隙率は15%であった。
【0025】(2)水系分散体の調製 実施例1 炭酸水素カリウム、クエン酸三アンモニウム、ヒューム
ド法シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名
「アエロジル#50」)及び過酸化水素を、それぞれ
0.01重量%、1重量%、5重量%及び1重量%の濃
度となるようにイオン交換水に配合し、pH7.4の水
系分散体を調製した。
【0026】実施例2〜10 炭酸水素カリウム、クエン酸三アンモニウム及び過酸化
水素を表1のように変量した他は実施例1と同様にして
特定のpHを有する水系分散体を調製した。但し、実施
例9ではクエン酸三アンモニウムに代えてクエン酸(p
Hが第1発明の範囲内である場合)を、実施例10では
クエン酸三アンモニウムに代えてクエン酸三カリウムを
使用した。
【0027】比較例1〜11 表2のように、炭酸水素カリウムを配合せず、過酸化水
素を0.5重量%とし(比較例1)、クエン酸三アンモ
ニウムをクエン酸(pHが第1発明の範囲を外れる場
合)に代え(比較例2)、ヒュームド法シリカ粒子をヒ
ュームド法アルミナ粒子(デグサ社製、商品名「Alumin
ium Oxide C」)に代え(比較例3)、過酸化水素を配
合せず(比較例4)及び硝酸又は水酸化カリウムによっ
てpHを第1発明の範囲外とした(比較例5〜6)他
は、実施例1と同様にして特定のpHを有する水系分散
体を調製した。以上、実施例1〜10及び比較例1〜6
の水系分散体を使用し、銅膜付きウェーハを研磨した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】(3)水系分散体の性能評価 安定性 1滴(約0.02cc)の水系分散体をスライドグラス
上に滴下し、光学顕微鏡によって観察した。評価基準
は、A;ブラウン運動しており、安定性に優れる、B;
全体に緩やかに凝集する傾向にある、C;強く凝集す
る、である。
【0031】エッチング速度 2×2cmに割り取った銅膜付きウェーハを水系分散体
に30分間浸漬し、浸漬前後の銅膜の厚さを測定し、下
記の式によってエッチング速度を算出した。 エッチング速度(Å/分)=(浸漬前の銅膜の厚さ−浸
漬後の銅膜の厚さ)/浸漬時間
【0032】研磨速度 研磨装置としてラップマスター社製の型式「LGP−5
10」を使用し、下記の条件で銅膜付きウェーハを研磨
し、下記の式によって研磨速度を算出した。 テーブル回転数;50rpm、ヘッド回転数;50rp
m、研磨圧力;210g/cm2、オッシレーションス
トローク;5回/分、水系分散体供給速度;120cc
/分、テーブル温度;23℃、研磨時間;90秒、研磨
パッド;ロデール・ニッタ社製、品番IC1000/S
UBA400の2層構造 研磨速度(Å/分)=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の
銅膜の厚さ)/研磨時間
【0033】尚、及びにおいて、銅膜の厚さは抵抗
率測定機(NPS社製、型式「Σ−5」)により直流4
探針法でシート抵抗を測定し、このシート抵抗値と銅の
抵抗率から下記の式によって算出した。 銅膜の厚さ(Å)=[シート抵抗値(Ω/cm2)×銅
の抵抗率(Ω/cm)]×108
【0034】銅配線の腐食の有無 銅膜を15000Å/分の速度で研磨することができる
条件で銅膜付きウェーハ(SKW社製、商品名「SKW
6−1」)を研磨した後、反射型光学顕微鏡により倍率
200倍で線幅20μmの配線を観察し、腐食の有無を
評価した。評価基準は、A;まったく腐食がない、B;
僅かに腐食が観察される、C;断線するほどの腐食が観
察される、である。
【0035】絶縁膜のスクラッチ或いは剥離の有無 銅膜を15000Å/分の速度で研磨することができる
条件で(1)において製造した絶縁膜を研磨し、研磨後
の被研磨面の外観を目視で観察した。評価基準は、A;
まったくスクラッチがない、B;数本のスクラッチが観
察される、C;複数の個所で剥離しているのが観察され
る、である。以上、〜の評価結果を、実施例1〜1
0については表3に、比較例1〜6については表4に示
す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表3の結果によれば、第1発明に対応する
実施例1〜10では、過度にエッチングされることがな
く、研磨速度も3100Å以上であり、且つ安定性に優
れ、銅配線の腐食及び絶縁膜のスクラッチが十分に抑え
られる水系分散体が得られていることが分かる。
【0039】一方、表4の結果によれば、炭酸水素カリ
ウムを含有していない比較例1では、安定性、腐食及び
スクラッチの発生において劣っていることが分かる。ま
た、クエン酸アンモニウムに代えてクエン酸を使用し、
pHが低い比較例2では、エッチング速度が大きく、研
磨速度は小さく、安定性、腐食及びスクラッチの発生に
おいても劣っていることが分かる。更に、シリカ粒子に
代えてアルミナ粒子を使用した比較例3では、安定性、
腐食及びスクラッチの発生がいずれも著しく劣ってお
り、研磨速度も非常に小さいことが分かる。また、過酸
化水素を用いなかった比較例4では、安定性、腐食及び
スクラッチの発生は何ら問題ないものの、研磨速度が著
しく小さい。更に、第1発明に対応する組成ではあるも
のの、pHが下限値未満である比較例5、上限値を超え
る比較例6では、腐食及びスクラッチが相当に発生し、
研磨速度も十分ではないことが分かる。
【0040】
【発明の効果】第1発明によれば、安定性に優れ、研磨
速度が大きく、腐食、スクラッチ等の発生が抑えられ、
銅の化学機械研磨において有用な水系分散体を得ること
ができる。また、第1乃至第3発明の水系分散体は、第
4発明のように、シルセスキオキサンを主成分とする絶
縁膜のように、誘電率が低く、多孔質の絶縁膜に設けら
れた銅配線の研磨において特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 13/06 101 C09K 13/06 101 H01L 21/304 622 H01L 21/304 622D (72)発明者 南幅 学 神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式 会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式 会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 服部 雅幸 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 元成 正之 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 飯尾 章 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA07 CA04 CB02 CB03 CB10 DA02 DA12 DA17 4G072 AA28 BB05 CC18 EE01 GG02 HH17 JJ11 JJ34 JJ41 KK09 KK17 LL06 MM02 UU30 4K053 PA02 PA06 RA13 RA28 RA45 SA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオン、
    クエン酸イオン、シリカ粒子並びに過酸化水素及び/又
    は過酸化水素イオンを含有し、pHが3〜10であるこ
    とを特徴とする銅の化学機械研磨用水系分散体。
  2. 【請求項2】 上記炭酸水素イオン及び/又は炭酸イオ
    ンの濃度が0.0002〜0.02モル/リットル、上
    記クエン酸イオンの濃度が0.0002〜0.5モル/
    リットルであり、上記シリカ粒子の含有量が0.3〜1
    5重量%、上記過酸化水素及び/又は過酸化水素イオン
    の含有量(但し、過酸化水素イオンの場合は過酸化水素
    に換算する。)が0.01〜5重量%である請求項1記
    載の銅の化学機械研磨用水系分散体。
  3. 【請求項3】 更にアンモニウムイオンが含有されてい
    る請求項1又は2記載の銅の化学機械研磨用水系分散
    体。
  4. 【請求項4】 シルセスキオキサンを主成分とする絶縁
    膜を有する半導体において銅膜の研磨に使用される請求
    項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の銅の化学機械
    研磨用水系分散体。
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