JP2001018102A - トランスファマシン - Google Patents

トランスファマシン

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JP2001018102A
JP2001018102A JP11193045A JP19304599A JP2001018102A JP 2001018102 A JP2001018102 A JP 2001018102A JP 11193045 A JP11193045 A JP 11193045A JP 19304599 A JP19304599 A JP 19304599A JP 2001018102 A JP2001018102 A JP 2001018102A
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engine cylinder
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spindle
jig
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Mitsumoto Inokuchi
三元 井ノ口
Hitoshi Ito
仁巳 伊藤
Yasuo Takahashi
康雄 高橋
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作物であるエンジンシリンダヘッドの生産
量の変動に対して、又は、工作物である「エンジンシリ
ンダヘッドの切替」に対して、低コストで対応すること
ができるトランスファマシンを提供すること。 【解決手段】 トランスファマシン1では、各ステーシ
ョンA、B、C、D、E、Fにおいて、それらの横の工
作機械12のXZ軸送りユニット上に並べられた2個の
主軸頭の単軸(スピンドル)のそれぞれが、1個のモー
タとカップリングで連結されている。そして、各ステー
ションA、B、C、D、E、F上に設置される冶具10
は、エンジンシリンダヘッドを固持しながらその傾斜姿
勢を自由に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンシリンダ
ヘッドの機能孔(ここでは、座面を形成するものも含
む)を加工するトランスファマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等のエンジンの頭部で
あるエンジンシリンダヘッドには、燃焼室の一部(以
下、単に「燃焼室」という)、ウォータージャケット、
吸気バルブ・排気バルブを通す孔、ガス通路である吸気
孔・排気孔、プラグをはめ込む孔、潤滑油の通路など、
種々の機能孔が複雑に設けられている。例えば、図14
の平面図において、「燃焼室側」から示された6気筒4
バルブのエンジンシリンダヘッド200を、図14のP
−P線で切断してみると、図15に示すようになり、種
々の機能孔が複雑に設けられていることがわかる。尚、
図14においては、6個の「燃焼室」のそれぞれにおい
て、2個の吸気バルブを通す孔と、2個の排気バルブを
通す孔との合計4個の孔を見ることができる。
【0003】そして、図15に示すように、エンジンシ
リンダヘッド200に収装された際の吸気バルブの軸線
201(以下、単に「軸線201」という)回りに関し
ては、かかる「軸線201」を中心にして径の異なった
機能孔201A、201B、201Cが直列的に点在し
ている。同様にして、エンジンシリンダヘッド200に
収装された際の排気バルブの軸線202(以下、単に
「軸線202」という)回りに関しても、かかる「軸線
202」を中心にして径の異なった機能孔202A、2
02B、202Cが直列的に点在している。そこで、こ
のような「軸線201」や「軸線202」を中心にして
直列的に点在しているという特性に着目して、これらの
機能孔201A、201B、201C、202A、20
2B、202Cの加工は、さらに生産性などをも考慮し
て、トランスファ方式の生産システムで行っている。
【0004】そして、かかるトランスファ方式の生産シ
ステムによる加工では、各ステーションの両側におい
て、回転する複数の工具を同時に送り出すことをXZ軸
で制御することにより行っている。その一方、エンジン
シリンダヘッド200においては、図15に示すよう
に、「軸線201」や「軸線202」は傾斜しており、
加工対象の機能孔201A、201B、201Cや、加
工対象の機能孔202A、202B、202Cは、傾い
た状態において直列的に点在している。そこで、各ステ
ーションにおいては、エンジンシリンダヘッド200を
傾斜姿勢に固定しており、これによって、エンジンシリ
ンダヘッド200の「軸線201」又は「軸線202」
のいずれかを、回転する複数の工具の同時送り出し方向
(Z軸方向)にあわせている。
【0005】具体的には、回転する複数の工具の同時送
り出し方向(Z軸方向)が水平である場合において、
「軸線201」回りの機能孔201A、201B、20
1Cを加工するときは、図16に示すように、「軸線2
01」が水平となる傾斜姿勢で、エンジンシリンダヘッ
ド200を固定する。そして、このときは、「軸線20
1」はXZ軸で形成される平面上でZ軸と平行な状態に
ある。一方、「軸線202」回りの機能孔202A、2
02B、202Cを加工するときは、図17に示すよう
に、「軸線202」が水平となる傾斜姿勢で、エンジン
シリンダヘッド200を固定する。そして、このとき
は、「軸線202」はXZ軸で形成される平面上でZ軸
と平行な状態にある。
【0006】尚、以下の説明の便宜上、図16のエンジ
ンシリンダヘッド200の傾斜姿勢を「吸気側傾斜姿
勢」と呼ぶ。また、図17のエンジンシリンダヘッド2
00の傾斜姿勢を「排気側傾斜姿勢」と呼ぶ。さらに、
図15のエンジンシリンダヘッド200の姿勢を「正立
姿勢」と呼ぶ。
【0007】次に、エンジンシリンダヘッド200の機
能孔201A、201B、201C、202A、202
B、202Cの加工をトランスファ方式の生産システム
で行う従来技術のトランスファマシンについて、その概
要を図面を参照にしながら説明する。図18に、従来技
術のトランスファマシン100の概要を平面図で示す。
かかるトランスファマシン100においては、エンジン
シリンダヘッド200が搬送されるライン101上に、
搬入部102、中間部103、搬出部104が設けられ
ている。そして、搬入部102には、搬入用のローラコ
ンベヤ108と姿勢変換装置105などが設けられい
る。また、中間部103には、姿勢変換装置106など
が設けられいる。また、搬出部104には、姿勢変換装
置107と搬出用のローラコンベヤ109などが設けら
れている。
【0008】さらに、搬入部102と中間部103との
間には3つのステーションA、B、Cが設けられるとと
もに、各ステーションA、B、C上には治具110が設
置されている。同様にして、中間部103と搬出部10
4との間にも3つのステーションE、F、Gが設けられ
るとともに、各ステーションE、F、G上には治具11
1が設置されている。そして、各ステーションA、B、
C、D、E、Fの両側には加工機械112が設けられい
る。
【0009】ここで、上述した姿勢変換装置105、1
06、107、治具110、111、加工機械112の
概要について説明する。
【0010】先ず、姿勢変換装置105、106、10
7の概要について、図19を参照しながら説明する。図
19は、搬入部102に設けられた姿勢変換装置105
の概要を示した正面図である。姿勢変換装置105は、
保持部121、内枠122、シリンダ123、外枠12
4などからなる。保持部121は、エンジンシリンダヘ
ッド200をL字形のレール125と棒形のレール12
6で保持するものであり、内枠122の内側に設けられ
ている。また、内枠122は、その外周が円弧形状をし
たものであり、シリンダ123と回動可能に接続されて
いる。他方、シリンダ123は、外枠124に回動可能
に支持されている。また、外枠124には、内枠122
の円弧形状の外周を案内する6個のガイドローラ127
が設けられている。
【0011】従って、シリンダ123のロッドが押し出
されたり引き込まれたりすると、内枠122の外周が外
枠124のガイドローラ127に案内され、内枠122
は正方向又は逆方向に回転することになる。その結果、
内枠122の内側に設けられた保持部121も、同様に
して、正方向又は逆方向に回転することになる。これに
より、「正立姿勢」で保持部121に保持されたエンジ
ンシリンダヘッド200を、保持部121に保持された
ままで「吸気側傾斜姿勢」に変換することが可能とな
る。このとき、保持部121に保持されたエンジンシリ
ンダヘッド200の「正立姿勢」や「吸気側傾斜姿勢」
は、外枠124に設けられたリミットスイッチ(図示せ
ず)などで、内枠122の正方向又は逆方向に回転を停
止させることにより保障されている。
【0012】尚、中間部103に設けられた姿勢変換装
置106の概要も同様であり、これにより、エンジンシ
リンダヘッド200を「吸気側傾斜姿勢」から「排気側
傾斜姿勢」に変換することが可能となる。また、搬出部
104に設けられた姿勢変換装置107の概要も同様で
あり、これにより、エンジンシリンダヘッド200を
「排気側傾斜姿勢」から「正立姿勢」に変換することが
可能となる。
【0013】次に、治具110、111の概要につい
て、図20を参照しながら説明する。図20は、各ステ
ーションA、B、Cに設置された治具110の概要を示
した正面図である。治具110は、エンジンシリンダヘ
ッド200を「吸気側傾斜姿勢」で固持する固持部13
1を有している。かかる固持部131は、エンジンシリ
ンダヘッド200の一部が接面することより「吸気側傾
斜姿勢」となることを保障する基準面132と、基準面
132に接面するエンジンシリンダヘッド200を支え
保つレール133と、エンジンシリンダヘッド200を
所定の位置で基準面132に接面させるためのクランパ
ー134と、クランパー134の駆動源であるシリンダ
135などから構成される。上述したように、治具11
0内に固持されたエンジンシリンダヘッド200は「吸
気側傾斜姿勢」にあるため、かかる治具110が設置さ
れたステーションA、B、Cは、「軸線201」回りの
機能孔201A、201B、201C(図16参照)を
加工するための場所である。
【0014】尚、治具110内に固持されたエンジンシ
リンダヘッド200に対して、工作機械112の各工具
(図示しない)が届くようにするために、基準面132
には開口部136が設けられている。また、基準面13
2とは反対のクランパー134の側にも、明確に図示は
さていないが、工作機械112の各工具(図示しない)
が届くようにするための開口部が設けられている。
【0015】一方、各ステーションE、F、Gに設置さ
れた治具111(図18参照)は、エンジンシリンダヘ
ッド200を「排気側傾斜姿勢」で固持するものである
ので、図20の治具110(各ステーションA、B、C
に設置されたもの)と比べ、その基準面132やクラン
パー134に相当するものの傾斜角度などが異なってい
る。しかし、その他の概要については、図20の治具1
10(各ステーションA、B、Cに設置されたもの)と
同様である。上述したように、治具111内に固持され
たエンジンシリンダヘッド200は「排気側傾斜姿勢」
にあるため、かかる治具111が設置されたステーショ
ンE、F、Gは、「軸線202」回りの機能孔202
A、202B、202C(図17参照)を加工するため
の場所である。
【0016】次に、加工機械112の概要について、図
21と図22を参照しながら説明する。図21は、各ス
テーションA、B、C、E、F、Gの両側に設けられた
加工機械112の概要を示した正面図である。また、図
22は、図21のQ−Q線で切断した断面図である。加
工機械112は、治具110に「吸気側傾斜姿勢」で固
持されたエンジンシリンダヘッド200の機能孔201
A、201B、201C(図16参照)、又は、治具1
11に「排気側傾斜姿勢」で固持されたエンジンシリン
ダヘッド200の機能孔202A、202B、202C
(図17参照)を、加工するものである。
【0017】また、加工機械112は、図21に示すよ
うに、XZ軸送りユニットのテーブル144上に、ギヤ
ボックス141、モータ142などが載置されたもので
ある。そして、ギヤボックス141には、スピンドル1
45、変速機構などが内蔵されている。ここでは、エン
ジンシリンダヘッド200に設けられた6個の「燃焼
室」のピッチ間隔をもって(図14参照)、6本のスピ
ンドル145がギヤボックス141内に並んで納められ
ている。そして、ギヤボックス141内に納められた6
本のスピンドル145については、変速機構や駆動ベル
ト143を介して、2個のモータ142によって回転さ
せることができる。よって、かかるスピンドル145の
軸端に取り付けられた各工具(図示しない)を回転させ
ることが可能となる。さらに、回転する各工具(図示し
ない)は、テーブル144のXZ軸送りユニットを介し
て、XZ軸をもって制御されながら同時に送り出すこと
ができる。これらにより、6本のスピンドル145の軸
端に取り付けられた各工具(図示しない)による加工が
可能となる。
【0018】尚、各工具(図示しない)については、加
工対象となる機能孔201A、201B、201C、2
02A、202B、202Cの径の大きさや、加工作業
の工程などに応じたものが、各スピンドルの軸端に対し
取り付けられる。また、テーブル144のXZ軸送りユ
ニットをもって制御する際に使用されるXZ軸は、エン
ジンシリンダヘッド200が搬送されるライン101に
平行な軸(X軸)と、それに対して垂直かつ水平な方向
にあってギヤボックス141内に納められたスピンドル
145の中心軸に平行な軸(Z軸)とで構成される(図
18参照)。
【0019】次に、このような概要を持つトランスファ
マシン100で、エンジンシリンダヘッド200の機能
孔201A、201B、201C、202A、202
B、202Cの加工を行う方法について説明する。先
ず、搬入部102のローラコンベヤ108において、
「正立姿勢」のエンジンシリンダヘッド200が搬入さ
れる。そして、ローラコンベヤ108上のエンジンシリ
ンダヘッド200は、図示しないシリンダによって、
「正立姿勢」のままで水平に押し出され、姿勢変換装置
105の保持部121に押し入れられる。
【0020】姿勢変換装置105では、エンジンシリン
ダヘッド200が保持部121に押し入れられると、シ
リンダ123のロッドを引き込ませて、保持部121に
保持されたエンジンシリンダヘッド200を「正立姿
勢」から「吸気側傾斜姿勢」に変換する。その後、保持
部121に保持されたエンジンシリンダヘッド200
は、図示しないトランスバーによって、下側から受け止
められて「吸気側傾斜姿勢」のままで水平に搬送され、
ステーションAの治具110の固持部131に送り入れ
られる。
【0021】ステーションAの治具110では、「吸気
側傾斜姿勢」のエンジンシリンダヘッド200が固持部
131に送り入れられると、シリンダ135のロッドを
押し出して、クランパー134をエンジンシリンダヘッ
ド200に押圧させ、エンジンシリンダヘッド200を
基準面132に所定の位置で接面させる。そして、図示
しないトランスバーを下側へ後退させる。これにより、
エンジンシリンダヘッド200は「吸気側傾斜姿勢」で
正確に固定され、エンジンシリンダヘッド200の「軸
線201」は、XZ軸で形成される平面上でZ軸と平行
な状態となる。その後、ステーションAの両側にある工
作機械112のテーブル144のXZ軸送りユニットで
制御することによって、ギヤボックス141内に納めら
れた各スピンドル145の軸端にそれぞれ取り付けられ
た工具(図示しない)を、治具110内に固持されたエ
ンジンシリンダヘッド200の「軸線201」上を沿う
ように送り出す。
【0022】これにより、治具110内に固持されたエ
ンジンシリンダヘッド200の機能孔201A、201
B、201Cの加工が可能となる。但し、ステーション
Aにおいては、その両側にある工作機械112の一方で
機能孔201Aの荒加工を行い、他方で機能孔201C
の荒加工を行っている。そして、工作機械112のギヤ
ボックス141内に納められた6本のスピンドル145
は、エンジンシリンダヘッド200に設けられた6個の
「燃焼室」のピッチ間隔をもって並んでいることから、
6本のスピンドル145の軸端にそれぞれ取り付けられ
た各工具(図示しない)は、エンジンシリンダヘッド2
00に設けられた6個の「燃焼室」のピッチ間隔をもっ
て、同時に送り出される。従って、このときは、一方の
工作機械112における1回の送り出しにより、エンジ
ンシリンダヘッド200に設けられた6個の「燃焼室」
のそれぞれにおいて、各機能孔201Aの荒加工が同時
に行われる。また、同様にして、他方の工作機械112
による1回の送り出しにより、エンジンシリンダヘッド
200に設けられた6個の「燃焼室」のそれぞれにおい
て、各機能孔201Cの荒加工が同時に行われる。
【0023】しかし、エンジンシリンダヘッド200は
6気筒4バルブのものであり、1個の「燃焼室」に対し
て2個の吸気バルブが収装されるものであるから、1個
の「燃焼室」においては2本の「軸線201」が存在す
る(図14参照)。すなわち、上述した加工において
は、エンジンシリンダヘッド200に設けられた6個の
「燃焼室」のそれぞれにおいて、2本の「軸線201」
のうち一方の「軸線201」を中心に直列的に点在する
機能孔201A、201Cについて行われたのみであ
る。
【0024】そこで、その後においては、さらに、ギヤ
ボックス141内に納められたスピンドル145の軸端
に取り付けられた工具(図示しない)を、工作機械11
2のテーブル144のXZ軸送りユニットで制御するこ
とによって、他方の「軸線201」を中心に直列的に点
在する機能孔201A、201Cの加工が行われる。従
って、ステーションAにおいては、一方の工作機械11
2における送り出し、すなわち、一方の工作機械112
による機能孔201Aの荒加工は2回行われる。同様に
して、他方の工作機械112における送り出し、すなわ
ち、他方の工作機械112による機能孔201Cの荒加
工は2回行われる。これにより、ステーションAにおい
ては、エンジンシリンダヘッド200の機能孔201A
と機能孔201Cの全てについて、荒加工が行われる。
【0025】このようにして、ステーションAにおける
加工が終了すると、ステーションAの治具110では、
シリンダ135のロッドを引き込んで、クランパー13
4をエンジンシリンダヘッド200から引き離し、エン
ジンシリンダヘッド200の基準面132に対する接面
を解除させる。その後、保持部131に保持されたエン
ジンシリンダヘッド200は、図示しないトランスバー
によって、下側から受け止められて「吸気側傾斜姿勢」
のままで水平に搬送され、ステーションBの治具110
の固持部131に送り入れられる。
【0026】ステーションBにおいても、上述したステ
ーションAと同様なことが行われる。但し、その両側に
ある工作機械112の一方で機能孔201Bの荒加工を
行た後に他方で機能孔201Bの仕上加工を行う点と、
かかる加工終了後にエンジンシリンダヘッド200がス
テーションCの治具110の固持部131に送り入れら
れる点が異なる。また、ステーションCにおいても、上
述したステーションAと同様なことが行われる。但し、
その両側にある工作機械112の一方で機能孔201A
の仕上げ加工を行うとともに他方で機能孔201Cの仕
上加工を行う点と、かかる加工終了後にエンジンシリン
ダヘッド200が中間部103に送られる点が異なる。
以上より、中間部103に送られたエンジンシリンダヘ
ッド200においては、全ての機能孔201A、201
B、201Cの加工が行われたことになる。
【0027】尚、図示しないトランスバーによって、エ
ンジンシリンダヘッド200を「吸気側傾斜姿勢」のま
まで水平に行われる搬送は、姿勢変換装置105からス
テーションAの治具110への搬送、ステーションAの
治具110からステーションBの治具110への搬送、
ステーションBの治具110からステーションCの治具
110への搬送、ステーションCの治具110から中間
部103への搬送のいずれについても、一本のトランス
バーによって同時進行的に行われる。
【0028】次に、中間部103に送られたエンジンシ
リンダヘッド200は、図示しないシリンダによって、
「吸気側姿勢」のままで水平に姿勢変換装置106まで
押し出される。姿勢変換装置106では、エンジンシリ
ンダヘッド200を、「吸気側姿勢」から「排気側姿
勢」に変換する。その後においては、搬入部102の姿
勢変換装置105から中間部103までの上述した場合
と同様なことが行われる。
【0029】すなわち、中間部103においては、姿勢
変換装置106の保持部に保持されたエンジンシリンダ
ヘッド200は、「排気側姿勢」のままで水平にステー
ションDの治具111の固持部に送り入れられる。ま
た、ステーションDにおいては、その両側にある工作機
械112の一方で機能孔202Aの荒加工を行うととも
に他方で機能孔202Cの荒加工を行い、かかる加工終
了後は、エンジンシリンダヘッド200は「排気側姿
勢」のままで水平にステーションEの治具111の固持
部に送り入れられる。また、ステーションEにおいて
は、その両側にある工作機械112の一方で機能孔20
2Bの荒加工を行た後に他方で機能孔202Bの仕上加
工を行い、かかる加工終了後は、エンジンシリンダヘッ
ド200は「排気側姿勢」のままで水平にステーション
Fの治具111の固持部に送り入れられる。また、ステ
ーションFにおいては、その両側にある工作機械112
の一方で機能孔202Aの仕上加工を行うとともに他方
で機能孔202Cの仕上加工を行い、かかる加工終了後
は、エンジンシリンダヘッド200は「排気側姿勢」の
ままで水平に搬出部104の姿勢変換装置107の保持
部に送り入れられる。
【0030】以上より、搬出部104に送られたエンジ
ンシリンダヘッド200においては、全ての機能孔20
2A、202B、202Cの加工が行われたことにな
り、もって、エンジンシリンダヘッド200の機能孔2
01A、201B、201C、202A、202B、2
02Cの全ての加工が完了したことになる。その後は、
搬出部104の姿勢変換装置107の保持部に保持され
たエンジンシリンダヘッド200は、「排気側姿勢」か
ら「正立姿勢」に変換され、図示しないシリンダによっ
て、「正立姿勢」のままで水平にローラコンベヤ109
上に押し出される。そして、ローラコンベヤ109によ
って、トランスファマシン100の外部に搬出される。
【0031】尚、上述したように、図14に示す6気筒
4バルブのエンジンシリンダヘッド200においては、
6個の「燃焼室」のそれぞれに2本の「軸線201」が
存在していることから、1個のエンジンシリンダヘッド
200に合計12本の「軸線201」が存在することに
なる。従って、エンジンシリンダヘッド200が「吸気
側姿勢」にあるときは、12本の全ての「軸線201」
がXZ軸で形成される平面上でZ軸と平行な状態とな
る。そこで、各工作機械112のギヤボックス141内
に12本のスピンドル145を備えれば、例えば、ステ
ーションAにおいては、一方の工作機械112による機
能孔201Aの荒加工と他方の工作機械112による機
能孔201Cの荒加工をそれぞれ1回の送り出しで終わ
らせることが可能となり、それらの加工を各2回の送り
出しで行う上述した従来技術のものと比べ、大量生産性
がさらに高まるとも考えられる。しかし、1個のエンジ
ンシリンダヘッド200における12本の「軸線20
1」の各間隔は狭く、12本の「軸線201」に合わせ
て12本のスピンドル145をギヤボックス141に並
べることはスペース的に困難である。このことは、「軸
線202」についても言うことができる。
【0032】すなわち、各工作機械112のギヤボック
ス141内の6本のスピンドル145を、1個のエンジ
ンシリンダヘッド200に設けられた6個の「燃焼室」
のピッチ間隔をもって並べ、各ステーションA、B、
C、D、E、Fにおいて、両側の工作機械112による
加工をそれぞれ2回の送り出しで行う、上述したトラン
スファマシン100は、6気筒4バルブのエンジンシリ
ンダヘッド200の機能孔201A、201B、201
C、202A、202B、202Cの加工にとって、大
量生産性を最大限に追求したトランスファ方式の生産シ
ステムであると言うことができる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たトランスファマシン100は、その製作後に、最大生
産能力の増強又は削減することが困難なものであった。
従って、かかる最大生産能力は、トランスファ方式の生
産システムの利点である大量生産性を発揮させるため
に、予想される最大生産量に十分に対応できるように設
計されるのが通常であった。そして、将来起こるとする
生産量の増減に対しては、各ステーションA、B、C、
D、E、Fに搬送されるエンジンシリンダヘッド200
のサイクルタイムの調整により対応しており、当初に設
定された最大生産能力の範囲内において行われていた。
【0034】従って、生産量が予想した程に伸びず、エ
ンジンシリンダヘッド200のサイクルタイムの調整を
行った期間が、トランスファ方式の生産システムの利点
である大量生産性が有効に発揮できない程度に長くなる
と、逆に、かかる大量生産性という利点が過剰能力とい
う欠点へと転化し、設備投資の収益性が非常に悪くなる
おそれがあった。特に、自動車などのエンジンシリンダ
ヘッド200の機能孔201A、201B、201C、
202A、202B、202Cを加工対象とするトラン
スファマシン100においては、自動車などの受注量が
予想された程に伸びないケースや、自動車などのモデル
チェンジの際に異なる種類のエンジンシリンダヘッド2
00に切り替えられるケース等により、エンジンシリン
ダヘッド200の生産量が予想を下回ることは多々ある
ことなので、その危険性は大きいと言える。
【0035】また、エンジンシリンダヘッド200から
異なる種類のエンジンシリンダヘッド200への切替え
に対しては、エンジンシリンダヘッド200の「燃焼
室」のピッチ間隔、「軸線201」や「軸線202」の
傾斜角度、外形などが相違することにより、原則とし
て、各工作機械112のスピンドル145のピッチ間
隔、各治具110、111の基準面132の傾斜角度や
クランパー134の位置などは変更しなければならなく
なる。しかしながら、各工作機械112のスピンドル1
45のピッチ間隔、各治具110、111の基準面13
2の傾斜角度やクランパー134の位置については、そ
れらを調整することは構造的にできないものであるか
ら、エンジンシリンダヘッド200から異なる種類のエ
ンジンシリンダヘッド200への切替えに対応するに
は、全ての工作機械112と全ての治具110、111
を大幅に改造しなければならず、追加投資が過大となっ
て、設備投資の収益性が非常に悪くなるおそれがあっ
た。特に、自動車などのエンジンシリンダヘッド200
の機能孔201A、201B、201C、202A、2
02B、202Cを加工対象とするトランスファマシン
100においては、自動車などのモデルチェンジの際に
異なる種類のエンジンシリンダヘッド200に切り替え
られるケース等により、エンジンシリンダヘッド200
から異なる種類のエンジンシリンダヘッド200に切り
替わること(以下、単に「エンジンシリンダヘッド20
0の切替」という)は多々あることなので、その危険性
は大きいと言える。
【0036】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、工作物であるエンジン
シリンダヘッドの生産量の変動に対して、又は、工作物
である「エンジンシリンダヘッドの切替」に対して、低
コストで対応することができるトランスファマシンを提
供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に成された請求項1に係るトランスファマシンは、各ス
テーション上にエンジンシリンダヘッドが固定された際
に、各ステーション横に並べられた複数のスピンドルの
軸端にそれぞれ取り付けられた各工具を回転させながら
XZ軸送りユニットで同時に送り出すことによって、各
ステーションにおいて1個のエンジンシリンダヘッドに
対し1回の送り出しで多数の機能孔を同時に加工すると
ともに、1個のエンジンシリンダヘッドを各ステーショ
ンへ順次に搬送することによって、1個のエンジンシリ
ンダヘッドの機能孔に対する加工作業を各工程順に行う
トランスファマシンであって、1本のスピンドルのみを
納めた単軸の主軸頭を前記XZ軸送りユニット上に並べ
て各工具を同時に送り出すとともに、各主軸頭内の1本
のスピンドルを1個のモータとカップリングで連結させ
て各工具を回転させることによって、前記XZ軸送りユ
ニット上に並べられる主軸頭の増減を自在とし、各ステ
ーションにおいて1個のエンジンシリンダヘッドに対し
1回の送り出しで同時に加工される機能孔の数を変更で
きることを特徴とする。
【0038】また、請求項2に係るトランスファマシン
は、請求項1に記載するトランスファマシンであって、
前記主軸頭が並列的に固定されるハウジングを前記XZ
軸送りユニット上に取り付けることによって、前記XZ
軸送りユニット上に並べられる主軸頭のピッチ間隔を確
保し、各ステーションにおいて1個のエンジンシリンダ
ヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔
のピッチ間隔を保障したことを特徴とする。
【0039】また、請求項3に係るトランスファマシン
は、請求項2に記載するトランスファマシンであって、
前記ハウジングを前記ハウジングと互換性のある他のハ
ウジングに取り替えることによって、前記XZ軸送りユ
ニット上に並べられる主軸頭のピッチ間隔の設定を自在
とし、各ステーションにおいて1個のエンジンシリンダ
ヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔
のピッチ間隔を変更できることを特徴とする。
【0040】また、請求項4に係るトランスファマシン
は、各ステーション上にエンジンシリンダヘッドが傾斜
姿勢で固定された際に、各ステーション横に並べられた
複数のスピンドルの軸端にそれぞれ取り付けられた各工
具を回転させながらXZ軸送りユニットで同時に送り出
すことによって、各ステーションにおいて1個のエンジ
ンシリンダヘッドに対し1回の送り出しで多数の機能孔
を同時に加工するとともに、1個のエンジンシリンダヘ
ッドを各ステーションへ順次に搬送することによって、
1個のエンジンシリンダヘッドの機能孔に対する加工作
業を各工程順に行うトランスファマシンであって、各ス
テーション上に設置される冶具で前記エンジンシリンダ
ヘッドを固持しながら前記エンジンシリンダヘッドの傾
斜姿勢を制御することによって、各ステーションにおい
て1個のエンジンシリンダヘッドに対し1回の送り出し
で同時に加工される機能孔の傾斜角度を変更できること
を特徴とする。
【0041】また、請求項5に係るトランスファマシン
は、請求項4に記載するトランスファマシンであって、
前記エンジンシリンダヘッドの位置決めを確保するため
のロケートピンが設けられたロケート部材を前記冶具に
取り付け、前記ロケート部材を前記ロケート部材と互換
性のある他のロケート部材に取り替えることによって、
前記ロケートピンの配設状態を変更できることを特徴と
する。
【0042】また、請求項6に係るトランスファマシン
は、請請求項4又は請求項5に記載するトランスファマ
シンであって、前記エンジンシリンダヘッドを固持する
ためのクランプピンが設けられたクランプ部材を前記冶
具に取り付け、前記クランプ部材を前記クランプ部材と
互換性のある他のクランプ部材に取り替えることによっ
て、前記クランプピンの配設状態を変更できることを特
徴とする。
【0043】このような構成を有する本発明のトランス
ファマシンでは、各ステーション横のXZ軸送りユニッ
ト上に並べられた各主軸頭の単軸(スピンドル)のそれ
ぞれが、1個のモータとカップリングで連結されてい
る。そして、各ステーション上において、工作物である
エンジンシリンダヘッドが固定された際には、各モータ
で各主軸頭の単軸(スピンドル)を回転させることによ
り、各主軸頭の単軸(スピンドル)の軸端にそれぞれ取
り付けられた各工具を回転させることができる。さら
に、各主軸頭の単軸(スピンドル)の軸端にそれぞれ取
り付けられた各工具を、XZ軸送りユニットにより同時
に送り出させることができる。これにより、各ステーシ
ョンにおいて、1回の送り出しで、1個のエンジンシリ
ンダヘッドに対し多数の機能孔を同時に加工することが
できる。
【0044】このとき、主軸頭の単軸(スピンドル)と
1個のモータのカップリングによる連結は、従来技術の
欄で説明したベルト連結とは異なり、その構造は単調で
他の主軸頭や他のモータからは独立して行うことができ
るものであることから、XZ軸送りユニット上に並べら
れる各主軸頭の数を増やしたり減らしたりすることを、
大改造することなく簡単に行うことができる。そして、
増減の対象となった主軸頭やモータやカップリングなど
は、他のトランスファマシンとの間で調達・流用するこ
とができる。これにより、トランスファマシンの製作後
においても、XZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭
の増減が自在となり、各ステーションにおいて1個のエ
ンジンシリンダヘッドに対し1回の送り出しで同時に加
工される機能孔の数を変更することができる。
【0045】すなわち、XZ軸送りユニット上に並べら
れる主軸頭の数を増加させれば、XZ軸送りユニットで
同時に送り出される工具の数を増加させることができる
ので、各ステーションにおいて1個のエンジンシリンダ
ヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔
の数も増加する。
【0046】よって、例えば、あるステーションにおい
て、1個のエンジンシリンダヘッドに対し12個の機能
孔を加工しなければならない場合に、当該ステーション
横のXZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭の数が2
個のときには、当該XZ軸送りユニットで同時に送り出
される工具の数も2個なので、1個のエンジンシリンダ
ヘッドに対し12個の機能孔を加工するためには、当該
XZ軸送りユニットによる各工具の同時送り出しを6回
行う必要がある。しかしながら、当該ステーション横の
XZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭の数を1個増
やした3個のときには、当該XZ軸送りユニットで同時
に送り出される工具の数も3個に増えるので、1個のエ
ンジンシリンダヘッドに対し12個の機能孔を加工する
ためには、当該XZ軸送りユニットによる各工具の同時
送り出しは4回行うだけでよい。さらに、当該ステーシ
ョン横のXZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭の数
を3個増やした6個のときには、当該XZ軸送りユニッ
トで同時に送り出される工具の数も6個に増えるので、
1個のエンジンシリンダヘッドに対し12個の機能孔を
加工するためには、当該XZ軸送りユニットによる各工
具の同時送り出しは2回行うだけでよい。
【0047】このようにして、XZ軸送りユニット上に
並べられる主軸頭の数を増加させれば、XZ軸送りユニ
ットによる各工具の同時送り出し回数を減少させること
ができ、各ステーションにおける加工に必要な時間は短
縮されるので、トランスファマシンの最大生産能力を向
上させることができる。よって、トランスファマシンが
製作された後でも、XZ軸送りユニット上に並べられる
主軸頭の数を増加させることにより、トランスファマシ
ンの最大生産能力を増強させることができる。これによ
り、トランスファマシンの最大生産能力を、予想される
最大生産量に十分に対応できるようにする必要はなくな
り、当初の最大生産能力を予想される通常の生産量に対
応できるものとし、予想される最大生産量が現実のもの
となったときに、当初の最大生産能力を増強させること
が可能となる。
【0048】逆に、XZ軸送りユニット上に並べられる
主軸頭の数を減少させれば、XZ軸送りユニットで同時
に送り出される工具の数を減少させることができるの
で、各ステーションにおいて1個のエンジンシリンダヘ
ッドに対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔の
数も減少する。よって、トランスファマシンが製作され
た後でも、XZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭の
数を減少させることにより、トランスファマシンの最大
生産能力を削減させることができる。尚、ここでは、X
Z軸送りユニット上に並べられる主軸頭の数が1個にな
ることも含む。
【0049】以上より、当初の最大生産能力を低く抑え
ることができるので、イニシャルコストの低減に貢献す
ることができる。また、その後、最大生産能力を増強さ
せる場合には、他のトランスファマシンで不要となった
主軸頭やモータやカップリングなどを流用することがで
きる一方、生産量を減少させる場合には、各ステーショ
ンに搬送されるエンジンシリンダヘッドのピッチタイム
を大きくすることによって対応するだけでなく、最大生
産能力を削減させることによっても対応することができ
る。そして、最大生産能力を削減させるときには、不要
となった主軸頭やモータやカップリングなどを他のトラ
ンスファマシンに流用させることができる。従って、最
大生産能力の増強・削減の際に新たな設備投資は殆どか
からない。
【0050】さらに、当該トランスファマシン内におい
て、または、他のトランスファマシンとの間において、
調達・流用される主軸頭やモータやカップリングなどは
共通したものを使用するので、設計費用が安価となる。
また、カップリングによる連結構造は単調で構成部品点
数も少ないので、製作費用が安価となる。これらの観点
からも、イニシャルコストの低減に貢献することができ
る。
【0051】また、XZ軸送りユニット上に主軸頭の単
軸(スピンドル)を並べる際には、XZ軸送りユニット
上に取り付けられるハウジングを介して行われる。かか
るハウジングには、各主軸頭が並列的に固定される場所
が予め所定のピッチ間隔で設けられてあり、XZ軸送り
ユニット上に並べられる主軸頭の増減を自在に行うこと
をさらに容易にしている。これにより、XZ軸送りユニ
ット上に並べられる主軸頭のピッチ間隔は確保され、各
ステーションにおいて1個のエンジンシリンダヘッドに
対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔のピッチ
間隔の保障がなされる。
【0052】従って、XZ軸送りユニット上に取り付け
られるハウジングを、ピッチ間隔の値が異なる他のハウ
ジングに取り替えることにより、XZ軸送りユニット上
に並べられる主軸頭のピッチ間隔の設定を自在にするこ
とができ、もって、各ステーションにおいて1個のエン
ジンシリンダヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工
される機能孔のピッチ間隔を変更することが可能とな
る。
【0053】特に、エンジンシリンダヘッドの機能孔
は、エンジンの多気筒化により、等間隔に複数設けられ
るのが通常であり、かかるピッチ間隔は、エンジンシリ
ンダヘッドの種類により相違することが多いので、エン
ジンシリンダヘッドが異なる種類のエンジンシリンダヘ
ッドに切り替わる場合には、主軸頭の単軸(スピンド
ル)のピッチ間隔の変更を必要とすることが多い。そし
て、このとき、主軸頭の単軸(スピンドル)のピッチ間
隔の変更は、大幅に改造することなく単にハウジングを
取り替えるだけでできるので、エンジンシリンダヘッド
が異なる種類のエンジンシリンダヘッドに切り替えられ
ても、過大な追加投資が必要となることはない。
【0054】また、各ステーション上に設置される冶具
は、エンジンシリンダヘッドを固持しながらその傾斜姿
勢を自由に制御することができる。従って、各ステーシ
ョンにおいて1個のエンジンシリンダヘッドに対し1回
の送り出しで同時に加工される機能孔の傾斜角度を変更
することができる。
【0055】特に、エンジンシリンダヘッドの機能孔
は、その機能を確保するため、傾斜して設けられるもの
が多く、かかる傾斜角度は、エンジンシリンダヘッドの
種類により相違することが通常であるので、エンジンシ
リンダヘッドが異なる種類のエンジンシリンダヘッドに
切り替わる場合には、エンジンシリンダヘッドの傾斜姿
勢の変更を必要とすることが多い。そして、このとき、
エンジンシリンダヘッドの傾斜姿勢の変更は、治具を大
幅に改造することなく単に治具による制御だけでできる
ので、エンジンシリンダヘッドが異なる種類のエンジン
シリンダヘッドに切り替えられても、過大な追加投資が
必要となることはない。
【0056】また、エンジンシリンダヘッドの傾斜角度
は、異なる種類のエンジンシリンダヘッド間だけでな
く、1個のエンジンシリンダヘッド内でも相違すること
が多いので、同じエンジンシリンダヘッドであっても、
加工対象の機能孔が異なる場合には、エンジンシリンダ
ヘッドの傾斜姿勢の変更を必要とすることが多い。そし
て、このとき、エンジンシリンダヘッドの傾斜姿勢の変
更は、異なる傾斜姿勢ごとに専用の治具を設けるのでは
なく、各ステーションにおいて共通の治具による制御だ
けでできるので、治具の共通化により設計費用が安価と
なり、イニシャルコストの低減に貢献することができ
る。
【0057】また、各ステーション上に設置される冶具
では、エンジンシリンダヘッドを固持する際に、ロケー
ト部材に設けられたロケートピンで、エンジンシリンダ
ヘッドの位置決めを確保している。そして、かかるロケ
ート部材においては、エンジンシリンダヘッドに設けら
れたロケート孔に対応するように、ロケートピンの位置
や長さなどの配設状態が決定されている。従って、治具
に取り付けられるロケート部材を、ロケートピンの配設
状態が異なる他のロケート部材に取り替えることによっ
て、ロケートピンの配設状態を変更することができる。
【0058】特に、エンジンシリンダヘッドの表面形状
は、エンジンシリンダヘッドの種類により相違すること
が多いので、エンジンシリンダヘッドが異なる種類のエ
ンジンシリンダヘッドに切り替わる場合には、エンジン
シリンダヘッドに設けられるロケート孔の位置などは変
更を余儀なくされることが多く、ロケートピンの配設状
態の変更を必要とすることも多い。そして、このとき、
ロケートピンの配設状態の変更は、治具を大幅に改造す
ることなく単にロケート部材を取り替えるだけでできる
ので、エンジンシリンダヘッドが異なる種類のエンジン
シリンダヘッドに切り替えられても、過大な追加投資が
必要となることはない。
【0059】また、各ステーション上に設置される冶具
では、エンジンシリンダヘッドを固持する際に、クラン
プ材に設けられたクランプピンで、エンジンシリンダヘ
ッドを固持している。そして、かかるクランプ部材にお
いては、エンジンシリンダヘッドに圧接される箇所を考
慮して、クランプピンの位置や長さなどの配設状態が決
定されている。従って、治具に取り付けられるクランプ
部材を、クランプピンの配設状態が異なる他のクランプ
部材に取り替えることによって、クランプピンの配設状
態を変更することができる。
【0060】特に、エンジンシリンダヘッドの表面形状
は、エンジンシリンダヘッドの種類により相違すること
が多いので、エンジンシリンダヘッドが異なる種類のエ
ンジンシリンダヘッドに切り替わる場合には、エンジン
シリンダヘッドに圧接される箇所などは変更を余儀なく
されることが多く、クランプピンの配設状態の変更を必
要とすることも多い。そして、このとき、クランプピン
の配設状態の変更は、治具を大幅に改造することなく単
にクランプ部材を取り替えるだけでできるので、エンジ
ンシリンダヘッドが異なる種類のエンジンシリンダヘッ
ドに切り替えられても、過大な追加投資が必要となるこ
とはない。
【0061】すなわち、本発明のトランスファマシンで
は、XZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭の増減を
自在にしたことから、その製作後に最大生産能力の増強
・削減が可能となり、当初の最大生産能力を低く抑える
ことができるので、イニシャルコストの低減に貢献する
ことができ、また、主軸頭やモータやカップリングなど
は流用することができることから、設計費用が安価で済
むとともに、最大生産能力の増強・削減の際に新たな設
備投資は殆どかかることがなく、さらに、主軸頭やモー
タの連結構造は単調なものであるから、その製作費用も
安価で済ませることができるので、工作物であるエンジ
ンシリンダヘッドの生産量の変動に対して、低コストで
対応することができる。
【0062】また、ハウジングの取り替え、治具による
制御、ロケート部材の取り替え、クランプ部材の取り替
えによって、エンジンシリンダヘッドの機能孔のピッチ
間隔の変更、エンジンシリンダヘッドの機能孔の傾斜角
度の変更、エンジンシリンダヘッドのロケート孔の位置
の変更、エンジンシリンダヘッドに対するクランプピン
の圧接箇所の変更に対応することができ、その際に、過
大な追加投資が必要となることはないので、工作物であ
る「エンジンシリンダヘッドの切替」に対して、低コス
トで対応することができる。
【0063】また、各ステーション上に設置される冶具
においては、エンジンシリンダヘッドの傾斜姿勢を自由
に制御することができることから、治具による固持が解
除される際のエンジンシリンダヘッドの姿勢を全ステー
ションにおいて共通化させることが可能となり、これに
より、各ステーションに対する搬送時や搬出時のエンジ
ンシリンダヘッドの姿勢も共通化させることができるの
で、従来技術の欄で述べた3個の姿勢切り替え装置のう
ち一部又は全部をなくすことが可能となり、この観点か
らも、イニシャルコストを低く抑えることができる。
【0064】また、主軸頭の増減、ハウジングの取り替
え、ロケート部材の取り替え、クランプ部材の取り替え
に要する時間は、従来技術の大幅な改造に要する時間と
比べて、格段に短いので、長期間にわたる生産のシャッ
トダウンを防止することができ、この観点からも、設備
投資の収益性を高くすることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして説明する。本実施の形態のトランスファマ
シンは、従来技術の欄で説明したトランスファマシン1
00と同じく、図14のエンジンシリンダヘッド200
の機能孔201A、201B、201C、202A、2
02B、202Cの加工をトランスファ方式の生産シス
テムで行うものである。
【0066】図1に、本実施の形態のトランスファマシ
ン1を平面図で示す。本実施の形態のトランスファマシ
ン1は、従来技術の欄で説明したトランスファマシン1
00との差を明らかにするため、図18に示した従来技
術のトランスファマシン100のレイアウトを基本にし
ており、共通するものについては、従来技術の欄で使用
した同じ符号を用いている。
【0067】すなわち、本実施の形態のトランスファマ
シン1では、エンジンシリンダヘッド200が搬送され
るライン101上に、搬入部102、搬出部104が設
けられている。そして、搬入部102には、搬入用のロ
ーラコンベヤ108と姿勢変換装置15などが設けられ
いる。また、搬出部104には、姿勢変換装置17と搬
出用のローラコンベヤ109などが設けられている。
【0068】さらに、搬入部102と搬出部104との
間には6つのステーションA、B、C、D、E、Fが設
けられるとともに、各ステーションA、B、C、D、
E、F上には治具10が設置されている。そして、各ス
テーションA、B、C、D、E、Fの両側には加工機械
12が設けられいる。
【0069】ここで、上述した姿勢変換装置15、1
7、治具10、加工機械12の概要について説明する。
【0070】先ず、姿勢変換装置15、17の概要につ
いて説明する。姿勢変換装置15は、従来技術の欄で説
明した姿勢変換装置105と比較すると、「正立姿勢」
で保持されたエンジンシリンダヘッド200を、図13
に示された姿勢(以下、「横立姿勢」という)に変換す
る点が異なるものの、その概要については、従来技術の
欄で説明した姿勢変換装置105と同様である。また、
姿勢変換装置17は、従来技術の欄で説明した姿勢変換
装置107と比較すると、図13に示された「横立姿
勢」で保持されたエンジンシリンダヘッド200を、
「正立姿勢」に変換する点が異なるものの、その概要に
ついては、従来技術の欄で説明した姿勢変換装置107
と同様である。
【0071】すなわち、姿勢変換装置15、17の両者
は、エンジンシリンダヘッド200の姿勢を「正立姿
勢」と「横立姿勢」との間で変換する点については共通
していることから、その構造は全く同じものであり、搬
入部102と搬出部104において、向かい合わせるよ
うに設置される。かかる観点からすれば、姿勢変換装置
15、17の両者は、共通化されて設計費用が安価とな
り、イニシャルコストの低減に貢献するものと言うこと
ができる。
【0072】次に、治具10の概要について、図2〜図
9を参照しながら説明する。図2は、治具10の正面図
である。また、図3は、治具10の背面図である。ま
た、図4は、治具10の本体25の基準面32を示した
平面図である。また、図5と図6は、治具10のロケー
ト部材49の駆動系の概要を示した断面図である。ま
た、図7は、治具10の側面図である。
【0073】また、治具10に対する理解を容易にする
ために、治具10を正面側から見た斜視図を図8に示す
とともに、治具10を背面側から見た斜視図を図9に示
す。但し、図8と図9に示された治具10は、図14の
6気筒4バルブのエンジンシリンダヘッド200に対す
るものでなく、図示しない4気筒4バルブのエンジンシ
リンダヘッドに対する別のものである。従って、図2か
ら図7に示された治具10と、図8と図9に示された治
具10との間では、互いに相当する部品の形状が異なっ
ていたり、相当する部品が存在しないことなどがある。
尚、ここでは、治具10に対する理解を容易にする観点
から、互いに相当する部品については同じ符号を用いて
いる。
【0074】そして、各ステーションA、B、C、D、
E、Fに設置される治具10は、例えば、図7に示すよ
うに、エンジンシリンダヘッド200を固持する固持部
31を有している。かかる固持部31は、エンジンシリ
ンダ200が「横立姿勢」で送り入れられるとともに送
り出されるものであって、エンジンシリンダヘッド20
0の一部が接面する基準面32と、基準面32に接面す
るエンジンシリンダヘッド200を支え保つ棒形のレー
ル33と、エンジンシリンダヘッド200を基準面32
に接面させるためのクランプ部材であるクランパー34
と、クランパー34の駆動源であるシリンダ35などか
ら構成される。
【0075】尚、治具10内に固持されたエンジンシリ
ンダヘッド200に対して、工作機械12の各工具(図
示しない)が届くようにするために、例えば、図3に示
すように、基準面32には開口部37が設けられてい
る。また、基準面32とは反対のクランパー34の側に
も、例えば、図2に示すように、工作機械12の各工具
(図示しない)が届くようにするための開口部36が設
けられている。また、クランパー34の側には、例え
ば、図7に示すように、基準面32とは反対側のエンジ
ンシリンダヘッド200と当接する棒形の2本のレール
22と、エンジンシリンダヘッド200を支え保つ棒形
のレール23が設けられている。但し、図8と図9の冶
具10においては、基準面32の側で、基準面32の側
のエンジンシリンダヘッド200と当接する棒形のレー
ル24が設けられている。また、エンジンシリンダヘッ
ド200を支え保つレール23、33は、棒形の形状で
はない。
【0076】そして、例えば、図2に示すように、上述
した保持部31などを有する本体25は、その両側を架
台27に設けられたベアリング26で軸支されている。
また、架台27の上方には、ボールネジ28をサーボモ
ータ29で押し出したり引き込ませたりする駆動シリン
ダ30が、軸支部41を介して回動可能に支えられてい
る。さらに、駆動シリンダ30のボールネジ28の先端
42は、本体25の側面と回動可能に接続されている。
【0077】従って、図7に示すように、駆動シリンダ
30において、サーボモータ29でボールネジ28を引
き込ませると、本体25は時計方向に回動して傾く。そ
して、本体25を、その一部が二点鎖線で示された本体
46にまで傾けることにより、「横立姿勢」のエンジン
シリンダ200を「吸気側傾斜姿勢」にすることができ
る。尚、このときの駆動シリンダ30は、軸支部41を
中心にして時計方向に回動し、その中心線43が中心線
44にまで傾く。また、その逆に、サーボモータ29で
ボールネジ28を押し出させると、本体25は反時計方
向に回動して傾く。そして、本体25を、その一部が二
点鎖線で示された本体47にまで傾けることにより、
「横立姿勢」のエンジンシリンダ200を「排気側傾斜
姿勢」にすることができる。尚、このときの駆動シリン
ダ30は、軸支部41を中心にして反時計方向に回動
し、その中心線43が中心線45にまで傾く。
【0078】また、例えば、図4に示すように、本体2
5の基準面32の側には、6個の吹出口48が設けられ
ている。これらの吹出口48からは、洗浄用のクーラン
ト液や圧縮空気が吹き出される。尚、洗浄用のクーラン
ト液は、エンジンシリンダヘッド200に付着する切屑
などを除去して、エンジンシリンダヘッド200を基準
面32に確実に接面させるために使用している。また、
圧縮空気は、吹出口48からの漏れ具合により、基準面
32に対するエンジンシリンダヘッド200の接面の程
度を判定するのに使用している。
【0079】また、例えば、図4に示すように、本体2
5の内両側には、ロケートピン50を有したロケート部
材49が設けられている。そして、図4のR−R線で切
断した部分断面図である図5と図6に示すように、ロケ
ート部材49は、2本の軸ピン52に案内されながら、
シリンダ51により、押し出され(図5参照)、また
は、引き込まれる(図6参照)。これにより、ロケート
部材49のロケートピン50を、保持部31のエンジン
シリンダ200のロケート孔(図示しない)へ挿脱させ
ることができる。尚、図8と図9の冶具10において
は、異なる形状のロケート部材49を使用しており、か
かるロケート部材49のロケートピン50も異なる配置
(位置や長さなど)にある。
【0080】次に、加工機械12の概要について、図1
0、図11、図12を参照しながら説明する。図10
は、各ステーションA、B、C、E、F、Gの両側に設
けられた加工機械12の概要をZ軸から示した正面図で
ある。また、図11は、各ステーションA、B、C、
E、F、Gの両側に設けられた加工機械12の概要をX
軸から示した正面図である。さらに、図12は、図10
のS−S線でハウジング62のみを切断した部分断面図
である。加工機械12は、治具10に「吸気側傾斜姿
勢」で固持されたエンジンシリンダヘッド200の機能
孔201A、201B、201C、又は、治具11に
「排気側傾斜姿勢」で固持されたエンジンシリンダヘッ
ド200の機能孔202A、202B、202Cを、加
工するものである。
【0081】また、加工機械12では、図10と図11
に示すように、XZ軸送りユニット61上に取り付けら
れたハウジング62において、主軸頭63とモータ64
が固定されている。かかるハウジング62においては、
エンジンシリンダヘッド200に設けられた6個の「燃
焼室」のピッチ間隔をもって(図14参照)、2個の主
軸頭63と2個のモータ64が固定されている。また、
主軸頭63の内部には、1本のスピンドル66(図12
参照)が納められている。さらに、図12に示すよう
に、ハウジング62内では、主軸頭63のスピンドル6
6がモータ64とカップリング65で連結されている。
【0082】従って、主軸頭63内に納められた1本の
スピンドル66については、カップリング65を介し
て、1個のモータ64によって回転させることができ
る。よって、かかるスピンドル66の軸端に取り付けら
れる各工具(図示しない)を回転させることが可能とな
る。さらに、回転する各工具(図示しない)は、XZ軸
送りユニット61を介して、XZ軸をもって制御されな
がら同時に送り出すことができる。これらにより、スピ
ンドル66の軸端に取り付けられた各工具(図示しな
い)による加工が可能となる。尚、各工具(図示しな
い)については、加工対象となる機能孔201A、20
1B、201C、202A、202B、202Cの径の
大きさや、加工作業の工程などに応じたものが、各スピ
ンドル66の軸端に対し取り付けられる。
【0083】次に、このような概要を持つトランスファ
マシン1で、エンジンシリンダヘッド200の機能孔2
01A、201B、201C、202A、202B、2
02Cの加工を行う方法について説明する。先ず、搬入
部102のローラコンベヤ108において、「正立姿
勢」のエンジンシリンダヘッド200が搬入される。そ
して、ローラコンベヤ108上のエンジンシリンダヘッ
ド200は、図示しないシリンダによって、「正立姿
勢」のままで水平に押し出され、姿勢変換装置15の保
持部に押し入れられる。
【0084】姿勢変換装置15では、エンジンシリンダ
ヘッド200が保持部に押し入れられると、従来技術の
欄で説明した姿勢変換装置105と同様なメカニズム
で、保持部に保持されたエンジンシリンダヘッド200
を「正立姿勢」から「横立姿勢」に変換する。その後、
保持部に保持されたエンジンシリンダヘッド200は、
図示しないトランスバーによって、下側から受け止めら
れて「横立姿勢」のままで水平に搬送され、ステーショ
ンAの治具10の固持部31に送り入れられる。
【0085】ステーションAの治具10では、「横立姿
勢」のエンジンシリンダヘッド200が固持部31に送
り入れられると、シリンダ35のロッドを押し出して、
クランパー34のクランプピン21をエンジンシリンダ
ヘッド200に押圧させ、エンジンシリンダヘッド20
0の一部を基準面32に接面させる。同時に、シリンダ
51のロッドを押し出して、ロケート部材49のロケー
トピン50をエンジンシリンダヘッド200のロケート
孔(図示しない)に差込ませ、エンジンシリンダヘッド
200を所定の位置で基準面32に接面させる。そし
て、図示しないトランスバーを下側へ後退させる。これ
により、エンジンシリンダヘッド200は「横立姿勢」
で正確に固定される。
【0086】さらに、駆動シリンダ30において、サー
ボモータ29でボールネジ28を引き込ませることによ
り、「横立姿勢」のエンジンシリンダ200を「吸気側
傾斜姿勢」にする。これにより、エンジンシリンダヘッ
ド200は「吸気側傾斜姿勢」で正確に固定され、エン
ジンシリンダヘッド200の「軸線201」は、XZ軸
で形成される平面上でZ軸と平行な状態となる。その
後、ステーションAの両側にある工作機械12のXZ軸
送りユニット61で制御することによって、主軸頭63
内に納められたスピンドル66の軸端に取り付けられた
工具(図示しない)を、治具10内に固持されたエンジ
ンシリンダヘッド200の「軸線201」上を沿うよう
に送り出す。
【0087】これにより、治具10内に固持されたエン
ジンシリンダヘッド200の機能孔201A、201
B、201Cの加工が可能となる。但し、ステーション
Aにおいては、その両側にある工作機械12の一方で機
能孔201Aの荒加工を行い、他方で機能孔201Cの
荒加工を行っている。そして、工作機械12のハウジン
グ62には2個の主軸頭63が固定され、これらの主軸
頭63内にそれぞれ納められた2本のスピンドル66
は、エンジンシリンダヘッド200に設けられた6個の
「燃焼室」のピッチ間隔をもって並んでいることから、
2本のスピンドル66の軸端にそれぞれ取り付けられた
各工具(図示しない)は、エンジンシリンダヘッド20
0に設けられた6個の「燃焼室」のピッチ間隔をもっ
て、同時に送り出される。従って、このときは、一方の
工作機械12における1回の送り出しにより、エンジン
シリンダヘッド200に設けられた2個の「燃焼室」の
それぞれにおいて、各機能孔201Aの荒加工が同時に
行われる。また、同様にして、他方の工作機械12によ
る1回の送り出しにより、エンジンシリンダヘッド20
0に設けられた2個の「燃焼室」のそれぞれにおいて、
各機能孔201Cの荒加工が同時に行われる。
【0088】しかし、エンジンシリンダヘッド200は
6気筒4バルブのものであり、1個の「燃焼室」に対し
て2個の吸気バルブが収装されるものであるから、1個
の「燃焼室」においては2本の「軸線201」が存在す
る(図14参照)。すなわち、6個の「燃焼室」を有す
る1個のエンジンシリンダヘッド200においては、1
2本の「軸線201」が存在することになる。一方、上
述した加工においては、1個のエンジンシリンダヘッド
200において、12本の「軸線201」のうち2本の
「軸線201」を中心に直列的に点在する機能孔201
A、201Cについて行われたのみである。
【0089】そこで、その後においては、さらに、主軸
頭63内に納められたスピンドル66の軸端に取り付け
られた工具(図示しない)を、工作機械12のXZ軸送
りユニット61で制御することによって、残りの「軸線
201」を中心に直列的に点在する機能孔201A、2
01Cの加工が行われる。従って、ステーションAにお
いては、一方の工作機械12における送り出し、すなわ
ち、一方の工作機械112による機能孔201Aの荒加
工は6回行われる。同様にして、他方の工作機械12に
おける送り出し、すなわち、他方の工作機械12による
機能孔201Cの荒加工は6回行われる。これにより、
ステーションAにおいては、エンジンシリンダヘッド2
00の機能孔201Aと機能孔201Cの全てについ
て、荒加工が行われる。
【0090】このようにして、ステーションAにおける
加工が終了すると、ステーションAの治具10では、駆
動シリンダ30において、サーボモータ29でボールネ
ジ28を押し出させることにより、「吸気側傾斜姿勢」
のエンジンシリンダ200を「横立姿勢」に戻す。そし
て、シリンダ35のロッドを引き込んで、クランパー3
4のクランプピン21をエンジンシリンダヘッド200
から引き離す。同時に、シリンダ51のロッドを引き込
んで、ロケート部材49のロケートピン50をエンジン
シリンダヘッド200のロケート孔(図示しない)から
外す。これにより、エンジンシリンダヘッド200の基
準面32に対する接面を解除させることができる。その
後、保持部31に保持されたエンジンシリンダヘッド2
00は、図示しないトランスバーによって、下側から受
け止められて「横立姿勢」のままで水平に搬送され、ス
テーションBの治具10の固持部31に送り入れられ
る。
【0091】ステーションBにおいても、上述したステ
ーションAと同様なことが行われる。但し、その両側に
ある工作機械12の一方で機能孔201Bの荒加工を行
た後に他方で機能孔201Bの仕上加工を行う点と、か
かる加工終了後にエンジンシリンダヘッド200がステ
ーションCの治具10の固持部31に送り入れられる点
が異なる。また、ステーションCにおいても、上述した
ステーションAと同様なことが行われる。但し、その両
側にある工作機械12の一方で機能孔201Aの仕上げ
加工を行うとともに他方で機能孔201Cの仕上加工を
行う点と、かかる加工終了後にエンジンシリンダヘッド
200がステーションDの治具10の固持部31に送ら
れる点が異なる。以上より、ステーションDの治具10
の固持部31に送られたエンジンシリンダヘッド200
においては、全ての機能孔201A、201B、201
Cの加工が行われたことになる。
【0092】次に、ステーションDの治具10では、
「横立姿勢」のエンジンシリンダヘッド200が固持部
31に送り入れられると、シリンダ35のロッドを押し
出して、クランパー34のクランプピン21をエンジン
シリンダヘッド200に押圧させ、エンジンシリンダヘ
ッド200の一部を基準面32に接面させる。同時に、
シリンダ51のロッドを押し出して、ロケート部材49
のロケートピン50をエンジンシリンダヘッド200の
ロケート孔(図示しない)に差込ませ、エンジンシリン
ダヘッド200を所定の位置で基準面32に接面させ
る。そして、図示しないトランスバーを下側へ後退させ
る。これにより、エンジンシリンダヘッド200は「横
立姿勢」で正確に固定される。
【0093】さらに、駆動シリンダ30において、サー
ボモータ29でボールネジ28を押し出させることによ
り、「横立姿勢」のエンジンシリンダ200を「排気側
傾斜姿勢」にする。これにより、エンジンシリンダヘッ
ド200は「排気側傾斜姿勢」で正確に固定され、エン
ジンシリンダヘッド200の「軸線202」は、XZ軸
で形成される平面上でZ軸と平行な状態となる。その
後、ステーションDの両側にある工作機械12のXZ軸
送りユニット61で制御することによって、主軸頭63
内に納められたスピンドル66の軸端に取り付けられた
工具(図示しない)を、治具10内に固持されたエンジ
ンシリンダヘッド200の「軸線202」上を沿うよう
に送り出す。
【0094】これにより、治具10内に固持されたエン
ジンシリンダヘッド200の機能孔202A、202
B、202Cの加工が可能となる。但し、ステーション
Dにおいては、その両側にある工作機械12の一方で機
能孔202Aの荒加工を行い、他方で機能孔202Cの
荒加工を行っている。そして、工作機械12のハウジン
グ62には2個の主軸頭63が固定され、これらの主軸
頭63内にそれぞれ納められた2本のスピンドル66
は、エンジンシリンダヘッド200に設けられた6個の
「燃焼室」のピッチ間隔をもって並んでいることから、
2本のスピンドル66の軸端にそれぞれ取り付けられた
各工具(図示しない)は、エンジンシリンダヘッド20
0に設けられた6個の「燃焼室」のピッチ間隔をもっ
て、同時に送り出される。従って、このときは、一方の
工作機械12における1回の送り出しにより、エンジン
シリンダヘッド200に設けられた2個の「燃焼室」の
それぞれにおいて、各機能孔202Aの荒加工が同時に
行われる。また、同様にして、他方の工作機械12によ
る1回の送り出しにより、エンジンシリンダヘッド20
0に設けられた2個の「燃焼室」のそれぞれにおいて、
各機能孔202Cの荒加工が同時に行われる。
【0095】しかし、エンジンシリンダヘッド200は
6気筒4バルブのものであり、1個の「燃焼室」に対し
て2個の排気バルブが収装されるものであるから、1個
の「燃焼室」においては2本の「軸線202」が存在す
る(図14参照)。すなわち、6個の「燃焼室」を有す
る1個のエンジンシリンダヘッド200には、12本の
「軸線202」が存在することになる。一方、上述した
加工においては、1個のエンジンシリンダヘッド200
において、12本の「軸線202」のうち2本の「軸線
202」を中心に直列的に点在する機能孔202A、2
02Cについて行われたのみである。
【0096】そこで、その後においては、さらに、主軸
頭63内に納められたスピンドル66の軸端に取り付け
られた工具(図示しない)を、工作機械12のXZ軸送
りユニット61で制御することによって、残りの「軸線
202」を中心に直列的に点在する機能孔202A、2
02Cの加工が行われる。従って、ステーションDにお
いては、一方の工作機械12における送り出し、すなわ
ち、一方の工作機械112による機能孔202Aの荒加
工は6回行われる。同様にして、他方の工作機械12に
おける送り出し、すなわち、他方の工作機械12による
機能孔202Cの荒加工は6回行われる。これにより、
ステーションDにおいては、エンジンシリンダヘッド2
00の機能孔202Aと機能孔202Cの全てについ
て、荒加工が行われる。
【0097】このようにして、ステーションDにおける
加工が終了すると、ステーションDの治具10では、駆
動シリンダ30において、サーボモータ29でボールネ
ジ28を引き込ませることにより、「排気側傾斜姿勢」
のエンジンシリンダ200を「横立姿勢」にする。そし
て、シリンダ35のロッドを引き込んで、クランパー3
4のクランプピン21をエンジンシリンダヘッド200
から引き離す。同時に、シリンダ51のロッドを引き込
んで、ロケート部材49のロケートピン50をエンジン
シリンダヘッド200のロケート孔(図示しない)から
外す。これにより、エンジンシリンダヘッド200の基
準面32に対する接面を解除させることができる。その
後、保持部31に保持されたエンジンシリンダヘッド2
00は、図示しないトランスバーによって、下側から受
け止められて「横立姿勢」のままで水平に搬送され、ス
テーションEの治具10の固持部31に送り入れられ
る。
【0098】ステーションEにおいても、上述したステ
ーションDと同様なことが行われる。但し、その両側に
ある工作機械12の一方で機能孔202Bの荒加工を行
た後に他方で機能孔202Bの仕上加工を行う点と、か
かる加工終了後にエンジンシリンダヘッド200がステ
ーションFの治具10の固持部31に送り入れられる点
が異なる。また、ステーションFにおいても、上述した
ステーションDと同様なことが行われる。但し、その両
側にある工作機械12の一方で機能孔202Aの仕上げ
加工を行うとともに他方で機能孔202Cの仕上加工を
行う点と、かかる加工終了後にエンジンシリンダヘッド
200が搬出部104の姿勢変換装置17の保持部に送
られる点が異なる。
【0099】尚、図示しないトランスバーによって、エ
ンジンシリンダヘッド200を「横立姿勢」のままで水
平に行われる搬送は、姿勢変換装置15からステーショ
ンAの治具10への搬送、ステーションAの治具10か
らステーションBの治具10への搬送、ステーションB
の治具10からステーションCの治具10への搬送、ス
テーションCの治具10からステーションDの治具10
への搬送、ステーションDの治具10からステーション
Eの治具10への搬送、ステーションEの治具10から
ステーションFの治具10への搬送、ステーションFの
治具10から搬出部104の姿勢変換装置17への搬送
のいずれについても、一本のトランスバーによって同時
進行的に行われる。
【0100】以上より、搬出部104に送られたエンジ
ンシリンダヘッド200においては、全ての機能孔20
2A、202B、202Cの加工が行われたことにな
り、もって、エンジンシリンダヘッド200の機能孔2
01A、201B、201C、202A、202B、2
02Cの全ての加工が完了したことになる。その後は、
搬出部104の姿勢変換装置17の保持部に保持された
エンジンシリンダヘッド200は、従来技術の欄で説明
した姿勢変換装置107と同様なメカニズムで、「横立
姿勢」から「正立姿勢」に変換され、図示しないシリン
ダによって、「正立姿勢」のままで水平にローラコンベ
ヤ109上に押し出される。そして、ローラコンベヤ1
09によって、トランスファマシン1の外部に搬出され
る。
【0101】尚、図7に示すように、エンジンシリンダ
ヘッド200の「軸線201」と「軸線202」を比べ
ると、「軸線201」が「軸線202」より高い位置に
おいて、XZ軸で形成される平面上でZ軸と平行な状態
となる。そこで、この差の影響を無くすため、工作機械
12では、図10と図11に示すように、XZ軸送りユ
ニット61とハウジング62の間に、プレート70が挟
設されている。すなわち、プレート70の厚みをもって
調整が行われている。
【0102】以上詳細に説明したように、本実施の形態
のトランスファマシン1では、各ステーションA、B、
C、D、E、Fにおいて、それらの横の工作機械12の
XZ軸送りユニット61上に並べられた2個の主軸頭6
3の単軸(スピンドル66)のそれぞれが、1個のモー
タ64とカップリング65で連結されている(図12参
照)。そして、各ステーションA、B、C、D、E、F
上において、工作物であるエンジンシリンダヘッド20
0が治具10で固定された際には、各モータ64で各主
軸頭63の単軸(スピンドル66)を回転させることに
より、各主軸頭63の単軸(スピンドル66)の軸端に
それぞれ取り付けられた各工具(図示しない)を回転さ
せることができる。さらに、各主軸頭63の単軸(スピ
ンドル66)の軸端にそれぞれ取り付けられた各工具
(図示しない)を、XZ軸送りユニット61により同時
に送り出させることができる。
【0103】これにより、ステーションAにおいては、
1回の送り出しで、1個のエンジンシリンダヘッド20
0に対し、2個の機能孔201Aの荒加工、又は、2個
の機能孔201Cの荒加工を同時に行うことができる。
また、ステーションBにおいては、1回の送り出しで、
1個のエンジンシリンダヘッド200に対し、2個の機
能孔201Bの荒加工、又は、2個の機能孔201Bの
仕上加工を同時に行うことができる。また、ステーショ
ンCにおいては、1回の送り出しで、1個のエンジンシ
リンダヘッド200に対し、2個の機能孔201Aの仕
上加工、又は、2個の機能孔201Cの仕上加工を同時
に行うことができる。
【0104】また、ステーションDにおいては、1回の
送り出しで、1個のエンジンシリンダヘッド200に対
し、2個の機能孔202Aの荒加工、又は、2個の機能
孔202Cの荒加工を同時に行うことができる。また、
ステーションEにおいては、1回の送り出しで、1個の
エンジンシリンダヘッド200に対し、2個の機能孔2
02Bの荒加工、又は、2個の機能孔202Bの仕上加
工を同時に行うことができる。また、ステーションFに
おいては、1回の送り出しで、1個のエンジンシリンダ
ヘッド200に対し、2個の機能孔202Aの仕上加
工、又は、2個の機能孔202Cの仕上加工を同時に行
うことができる。
【0105】このとき、主軸頭63の単軸(スピンドル
66)と1個のモータ64のカップリングに65よる連
結は、従来技術の欄で説明したベルト連結とは異なり
(図21参照)、その構造は単調で他の主軸頭63や他
のモータ64からは独立して行うことができるものであ
ることから、XZ軸送りユニット上61に並べられる各
主軸頭63の数を増やしたり減らしたりすることを、大
改造することなく簡単に行うことができる。そして、増
減の対象となった主軸頭63やモータ64やカップリン
グ65等は、他のトランスファマシン1との間で調達・
流用することができる。これにより、トランスファマシ
ン1の製作後においても、XZ軸送りユニット61上に
並べられる主軸頭63の増減が自在となり、各ステーシ
ョンA、B、C、D、E、Fにおいて、1個のエンジン
シリンダヘッド200に対し、1回の送り出しで、同時
に加工される機能孔201A、201B、201C、2
02A、202B、202Cの数を、変更することがで
きる。
【0106】すなわち、XZ軸送りユニット61上に並
べられる主軸頭63の数を増加させれば、XZ軸送りユ
ニット61で同時に送り出される工具(図示しない)の
数を増加させることができるので、各ステーションA、
B、C、D、E、Fにおいて、1個のエンジンシリンダ
ヘッド200に対し、1回の送り出しで、同時に加工さ
れる機能孔201A、201B、201C、202A、
202B、202Cの数も増加する。
【0107】よって、本実施の形態のように、各ステー
ションA、B、C、D、E、Fの片側の工作機械12に
おいて、1個のエンジンシリンダヘッド200に対し、
12個の機能孔(201A、201B、201C、20
2A、202B、202Cのいずれか1つ)を加工しな
ければならない場合で、当該工作機械12のXZ軸送り
ユニット61上に並べられる主軸頭63の数が2個のと
きには、当該XZ軸送りユニット61で同時に送り出さ
れる工具(図示しない)の数も2個なので、1個のエン
ジンシリンダヘッド200に対し、12個の機能孔(2
01A、201B、201C、202A、202B、2
02Cのいずれか1つ)を加工するためには、当該XZ
軸送りユニット61による各工具(図示しない)の同時
送り出しを6回行う必要がある。
【0108】しかしながら、例えば、当該工作機械12
のXZ軸送りユニット61上に並べられる主軸頭63の
数を1個増やした3個のときには、当該XZ軸送りユニ
ット61で同時に送り出される工具(図示しない)の数
も3個に増えるので、1個のエンジンシリンダヘッド2
00に対し12個の機能孔(201A、201B、20
1C、202A、202B、202Cのいずれか1つ)
を加工するためには、当該XZ軸送りユニット61によ
る各工具(図示しない)の同時送り出しは4回行うだけ
でよい。さらに、当該工作機械12のXZ軸送りユニッ
ト61上に並べられる主軸頭63の数を3個増やした6
個のときには、当該XZ軸送りユニット61で同時に送
り出される工具(図示しない)の数も6個に増えるの
で、1個のエンジンシリンダヘッド200に対し12個
の機能孔(201A、201B、201C、202A、
202B、202Cのいずれか1つ)を加工するために
は、当該XZ軸送りユニット61による各工具(図示し
ない)の同時送り出しは2回行うだけでよい。
【0109】このようにして、XZ軸送りユニット61
上に並べられる主軸頭63の数を増加させれば、XZ軸
送りユニット61による各工具(図示しない)の同時送
り出し回数を減少させることができ、各ステーション
A、B、C、D、E、Fにおける加工に必要な時間は短
縮されるので、トランスファマシン1の最大生産能力を
向上させることができる。よって、トランスファマシン
1が製作された後でも、XZ軸送りユニット61上に並
べられる主軸頭63の数を増加させることにより、トラ
ンスファマシン1の最大生産能力を増強させることがで
きる。これにより、トランスファマシン1の最大生産能
力を、予想される最大生産量に十分に対応できるように
する必要はなくなり、当初の最大生産能力を予想される
通常の生産量に対応できるものとし、予想される最大生
産量が現実のものとなったときに、当初の最大生産能力
を増強させることが可能となる。
【0110】逆に、XZ軸送りユニット61上に並べら
れる主軸頭63の数を減少させれば、XZ軸送りユニッ
ト61で同時に送り出される工具(図示しない)の数を
減少させることができるので、各ステーションA、B、
C、D、E、Fにおいて、1個のエンジンシリンダヘッ
ド200に対し、1回の送り出しで同時に加工される機
能孔(201A、201B、201C、202A、20
2B、202Cのいずれか1つ)の数も減少する。よっ
て、トランスファマシン1が製作された後でも、XZ軸
送りユニット61上に並べられる主軸頭63の数を減少
させることにより、トランスファマシン1の最大生産能
力を削減させることができる。尚、XZ軸送りユニット
61上に並べられる主軸頭63の数が1個となっても、
同様な効果を発揮できる。
【0111】以上より、当初の最大生産能力を低く抑え
ることができるので、イニシャルコストの低減に貢献す
ることができる。また、その後、最大生産能力を増強さ
せる場合には、他のトランスファマシン1で不要となっ
た主軸頭63やモータ64やカップリング65などを流
用することができる一方、生産量を減少させる場合に
は、各ステーションA、B、C、D、E、Fに搬送され
るエンジンシリンダヘッド200のピッチタイムを大き
くすることによって対応するだけでなく、最大生産能力
を削減させることによっても対応することができる。そ
して、最大生産能力を削減させるときには、不要となっ
た主軸頭63やモータ64やカップリング65などを他
のトランスファマシン1に流用させることができる。従
って、最大生産能力の増強・削減の際に新たな設備投資
は殆どかからない。
【0112】さらに、当該トランスファマシン1内にお
いて、または、他のトランスファマシン1との間におい
て、調達・流用される主軸頭63やモータ64やカップ
リング65などは共通したものを使用するので、設計費
用が安価となる。また、カップリング65による連結構
造は単調で構成部品点数も少ないので、製作費用が安価
となる。これらの観点からも、イニシャルコストの低減
に貢献することができる。
【0113】また、図10や図12に示すように、XZ
軸送りユニット61上に主軸頭63の単軸(スピンドル
66)を並べる際には、XZ軸送りユニット61上に取
り付けられるハウジング62を介して行われる。かかる
ハウジング62には、2個の主軸頭63が並列的に固定
される場所が予め所定のピッチ間隔(エンジンシリンダ
ヘッド200に設けられた6個の「燃焼室」のピッチ間
隔)で設けられてあり、XZ軸送りユニット61上に並
べられる主軸頭63の増減を自在に行うことをさらに容
易にしている。尚、かかる主軸頭63の数を3個以上に
するときは、ハウジング62を、3個以上の主軸頭63
を固定できるものに取り替える。これにより、XZ軸送
りユニット61上に並べられる主軸頭63のピッチ間隔
(エンジンシリンダヘッド200に設けられた6個の
「燃焼室」のピッチ間隔)は確保され、各ステーション
A、B、C、D、E、Fにおいて、1個のエンジンシリ
ンダヘッド200に対し、1回の送り出しで同時に加工
される機能孔(201A、201B、201C、202
A、202B、202Cのいずれか1つ)について、そ
れらのピッチ間隔(エンジンシリンダヘッド200に設
けられた6個の「燃焼室」のピッチ間隔)の保障がなさ
れる。
【0114】従って、XZ軸送りユニット61上に取り
付けられるハウジング62を、ピッチ間隔の値が異なる
他のハウジング62に取り替えることにより、XZ軸送
りユニット61上に並べられる主軸頭63のピッチ間隔
の設定を自在にすることができ、もって、各ステーショ
ンA、B、C、D、E、Fにおいて、1個のエンジンシ
リンダヘッド200に対し、1回の送り出しで同時に加
工される機能孔(201A、201B、201C、20
2A、202B、202Cのいずれか1つ)について、
それらのピッチ間隔を変更することが可能となる。
【0115】特に、エンジンシリンダヘッド200の機
能孔201A、201B、201C、202A、202
B、202Cは、エンジンの多気筒化により、等間隔に
複数設けられるのが通常であり、かかるピッチ間隔は、
エンジンシリンダヘッド200の種類により相違するこ
とが多いので、エンジンシリンダヘッド200が異なる
種類のエンジンシリンダヘッド200に切り替わる場合
には、主軸頭63の単軸(スピンドル66)のピッチ間
隔の変更を必要とすることが多い。そして、このとき、
主軸頭63の単軸(スピンドル66)のピッチ間隔の変
更は、大幅に改造することなく単にハウジング62を取
り替えるだけでできるので、エンジンシリンダヘッド2
00が異なる種類のエンジンシリンダヘッド200に切
り替えられても、過大な追加投資が必要となることはな
い。
【0116】また、各ステーションA、B、C、D、
E、F上に設置される冶具10は、エンジンシリンダヘ
ッド200を固持しながらその傾斜姿勢を自由に制御す
ることができる(図7参照)。従って、各ステーション
A、B、C、D、E、Fにおいて、1個のエンジンシリ
ンダヘッド200に対し、1回の送り出しで同時に加工
される機能孔(201A、201B、201C、202
A、202B、202Cのいずれか1つ)の傾斜角度を
変更することができる。
【0117】特に、エンジンシリンダヘッド200の機
能孔201A、201B、201C、202A、202
B、202Cは、その機能を確保するため、傾斜して設
けられるものが多く、かかる傾斜角度は、エンジンシリ
ンダヘッド200の種類により相違することが通常であ
るので、エンジンシリンダヘッド200が異なる種類の
エンジンシリンダヘッドに切り替わる場合には、エンジ
ンシリンダヘッド200の傾斜姿勢の変更を必要とする
ことが多い。そして、このとき、エンジンシリンダヘッ
ド200の傾斜姿勢の変更は、治具10を大幅に改造す
ることなく単に治具10による制御だけでできるので、
エンジンシリンダヘッド200が異なる種類のエンジン
シリンダヘッド200に切り替えられても、過大な追加
投資が必要となることはない。
【0118】また、エンジンシリンダヘッド200の傾
斜角度は、異なる種類のエンジンシリンダヘッド200
間だけでなく、例えば、本実施の形態のように、1個の
エンジンシリンダヘッド200内でも、「吸気側傾斜姿
勢」と「排気側傾斜姿勢」のように相違することがある
ので、同じエンジンシリンダヘッド200であっても、
加工対象の機能孔201A、201B、201C、20
2A、202B、202Cが異なる場合には、エンジン
シリンダヘッド200の傾斜姿勢の変更を必要とするこ
とが多い。そして、このとき、エンジンシリンダヘッド
200の傾斜姿勢の変更は、従来技術のように「吸気側
傾斜姿勢」と「排気側傾斜姿勢」ごとに専用の治具10
を設けるのではなく、各ステーションA、B、C、D、
E、Fにおいて共通の治具10による制御だけでできる
ので、治具10の共通化により設計費用が安価となり、
イニシャルコストの低減に貢献することができる。
【0119】また、各ステーションA、B、C、D、
E、F上に設置される冶具10では、エンジンシリンダ
ヘッド200を固持する際に、ロケート部材49に設け
られたロケートピン50で、エンジンシリンダヘッド2
00の位置決めを確保している(図4など参照)。そし
て、かかるロケート部材49においては、エンジンシリ
ンダヘッド200に設けられたロケート孔(図示しな
い)に対応するように、ロケートピン50の位置や長さ
などの配設状態が決定されている。従って、治具10に
取り付けられるロケート部材49を、ロケートピン50
の配設状態が異なる他のロケート部材49に取り替える
ことによって、ロケートピン50の配設状態を変更する
ことができる。
【0120】特に、エンジンシリンダヘッド200の表
面形状は、エンジンシリンダヘッド200の種類により
相違することが多いので、エンジンシリンダヘッド20
0が異なる種類のエンジンシリンダヘッド200に切り
替わる場合には、エンジンシリンダヘッド200に設け
られるロケート孔(図示しない)の位置などは変更を余
儀なくされることが多く、ロケートピン50の配設状態
の変更を必要とすることも多い。そして、このとき、ロ
ケートピン50の配設状態の変更は、治具10を大幅に
改造することなく単にロケート部材49を取り替えるだ
けでできるので、エンジンシリンダヘッド200が異な
る種類のエンジンシリンダヘッド200に切り替えられ
ても、過大な追加投資が必要となることはない。
【0121】また、各ステーションA、B、C、D、
E、F上に設置される冶具10では、エンジンシリンダ
ヘッド200を固持する際に、クランパー34に設けら
れたクランプピン21で、エンジンシリンダヘッド20
0を固持している(図7など参照)。そして、かかるク
ランパー34においては、エンジンシリンダヘッド20
0に圧接される箇所を考慮して、クランプピン21の位
置や長さなどの配設状態が決定されている。従って、治
具10に取り付けられるクランパー34を、クランプピ
ン50の配設状態が異なる他のクランパー34に取り替
えることによって、クランプピン50の配設状態を変更
することができる。
【0122】特に、エンジンシリンダヘッド200の表
面形状は、エンジンシリンダヘッド200の種類により
相違することが多いので、エンジンシリンダヘッド20
0が異なる種類のエンジンシリンダヘッド200に切り
替わる場合には、エンジンシリンダヘッド200に圧接
される箇所などは変更を余儀なくされることが多く、ク
ランプピン21の配設状態の変更を必要とすることも多
い。そして、このとき、クランプピン21の配設状態の
変更は、治具10を大幅に改造することなく単にクラン
パー34を取り替えるだけでできるので、エンジンシリ
ンダヘッド200が異なる種類のエンジンシリンダヘッ
ド200に切り替えられても、過大な追加投資が必要と
なることはない。
【0123】すなわち、本実施の形態のトランスファマ
シン1では、XZ軸送りユニット61上に並べられる主
軸頭63の増減を自在にしたことから、その製作後に最
大生産能力の増強・削減が可能となり、当初の最大生産
能力を低く抑えることができるので、イニシャルコスト
の低減に貢献することができ、また、主軸頭63やモー
タ64やカップリング65などは流用することができる
ことから、設計費用が安価で済むとともに、最大生産能
力の増強・削減の際に新たな設備投資は殆どかかること
がなく、さらに、主軸頭63やモータ64の連結構造は
単調なものであるから、その製作費用も安価で済ませる
ことができるので、工作物であるエンジンシリンダヘッ
ド200の生産量の変動に対して、低コストで対応する
ことができる。
【0124】また、ハウジング62の取り替え、治具1
0による制御、ロケート部材49の取り替え、クランパ
ー34の取り替えによって、エンジンシリンダヘッド2
00の機能孔201A、201B、201C、202
A、202B、202Cのピッチ間隔の変更、エンジン
シリンダヘッド200の機能孔201A、201B、2
01C、202A、202B、202Cの傾斜角度の変
更、エンジンシリンダヘッド200のロケート孔(図示
しない)の位置の変更、エンジンシリンダヘッド200
に対するクランプピン50の圧接箇所の変更に対応する
ことができ、その際に、過大な追加投資が必要となるこ
とはないので、工作物である「エンジンシリンダヘッド
200の切替」に対して、低コストで対応することがで
きる。
【0125】尚、工作物であるエンジンシリンダヘッド
200の生産量の変動や、工作物である「エンジンシリ
ンダヘッド200の切替」の際には、XZ軸送りユニッ
ト61の制御に対するプログラム変更や、各主軸頭63
の単軸(スピンドル66)の軸端にそれぞれ取り付けら
れる各工具(図示しない)の変更などを伴う場合がある
が、それらについては、いずれも低コストで対応するこ
とができる。
【0126】また、各ステーションA、B、C、D、
E、F上に設置される冶具10においては、エンジンシ
リンダヘッド200の傾斜姿勢を自由に制御することが
できることから、治具10による固持が解除される際の
エンジンシリンダヘッド200の姿勢を全ステーション
において「横立姿勢」に共通化させることが可能とな
り、これにより、各ステーションA、B、C、D、E、
Fに対する搬送時や搬出時のエンジンシリンダヘッド2
00の姿勢も「横立姿勢」で共通化させることができる
ので、従来技術の欄で述べた姿勢変換装置106に相当
するものをなくすことができ、この観点からも、イニシ
ャルコストを低く抑えることができる。
【0127】また、主軸頭63の増減、ハウジング62
の取り替え、ロケート部材49の取り替え、クランパー
34の取り替えに要する時間は、従来技術の大幅な改造
に要する時間と比べて、格段に短いので、長期間にわた
る生産のシャットダウンを防止することができ、この観
点からも、設備投資の収益性を高くすることができる。
【0128】また、従来技術の欄で述べた姿勢変換装置
106に相当するものをなくしたことにより、図18の
中間部103をもなくすことが可能となり、トランスフ
ァマシン1の占有面積を減少させることができる(図1
参照)。
【0129】また、図12に示すように、主軸頭63の
単軸(スピンドル66)のそれぞれは、1個のモータ6
4とカップリング65で連結されており、いわゆる1軸
構成のモータダイレクト駆動の構成を有しているので、
従来技術の欄で説明したベルト連結と比べ(図21参
照)、各主軸頭63の単軸(スピンドル66)の軸端に
それぞれ取り付けられた各工具(図示しない)を高速で
回転させることができる。
【0130】さらに、本実施の形態のトランスファマシ
ン1は、いわゆる1軸構成のモータダイレクト駆動の構
成を有することにより、従来技術の欄で説明したベルト
連結を有するトランスファマシン100と比べて(図2
1参照)、設備高さ低くを抑えることができ、設備全体
の見通し性が良くなるので、安全性と保全性の向上に貢
献することができる。
【0131】また、主軸頭63は単軸のため、主軸頭6
3の外形形状を円形状にすることができる。そして、そ
の円形状に対応する円形状のシール(スクレーパ)を、
治具10のみを覆うカバーに備えることが可能となり、
治具10内において発生する切削時の切粉やクーラント
液が外部へ飛散することを、かかるカバーによって効率
よく防止することができる。すなわち、従来技術のトラ
ンスファマシン100においては、ギヤボックス141
の外形形状が長方形をしており、かかる長方形のシール
性の困難さから、トランスファマシン100全体をカバ
ーで覆っていたので、本実施の形態のトランスファマシ
ン1においては、カバーのコンパクト化が図られ、製作
費用を低減させることができる。
【0132】また、従来技術のトランスファマシン10
0でのトランスバー(図示しない)による搬送において
は、エンジンシリンダヘッド200を「吸気側傾斜姿
勢」又は「排気側傾斜姿勢」で搬送している。しかし、
本実施の形態のトランスファマシン1でのトランスバー
(図示しない)による搬送においては、エンジンシリン
ダヘッド200を「横立姿勢」で搬送しており、「吸気
側傾斜姿勢」や「排気側傾斜姿勢」と比べ、搬送時の安
定性がより優れていると言える。従って、治具10の保
持部31に送り入れたり、送り出したりする際におい
て、エンジンシリンダヘッド200や治具10が互いに
干渉し傷つくおそれがない。
【0133】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、搬入部102のローラコンベヤ1
08と、搬出部104のローラコンベヤ109におい
て、エンジンシリンダヘッド200を「正立姿勢」でな
く「横立姿勢」で搬送するようにすれば、エンジンシリ
ンダヘッド200を「正立姿勢」から「横立姿勢」に変
換する姿勢変換装置15と、エンジンシリンダヘッド2
00を「横立姿勢」から「正立姿勢」に変換する姿勢変
換装置17をなくすことができるので、さらに、イニシ
ャルコストを低く抑えることができる。
【0134】
【発明の効果】本発明のトランスファマシンでは、XZ
軸送りユニット上に並べられる主軸頭の増減を自在にし
たことから、その製作後に最大生産能力の増強・削減が
可能となり、当初の最大生産能力を低く抑えることがで
きるので、イニシャルコストの低減に貢献することがで
き、また、主軸頭やモータやカップリングなどは流用す
ることができることから、設計費用が安価で済むととも
に、最大生産能力の増強・削減の際に新たな設備投資は
殆どかかることがなく、さらに、主軸頭やモータの連結
構造は単調なものであるから、その製作費用も安価で済
ませることができるので、工作物であるエンジンシリン
ダヘッドの生産量の変動に対して、低コストで対応する
ことができる。
【0135】また、ハウジングの取り替え、治具による
制御、ロケート部材の取り替え、クランプ部材の取り替
えによって、エンジンシリンダヘッドの機能孔のピッチ
間隔の変更、エンジンシリンダヘッドの機能孔の傾斜角
度の変更、エンジンシリンダヘッドのロケート孔の位置
の変更、エンジンシリンダヘッドに対するクランプピン
の圧接箇所の変更に対応することができ、その際に、過
大な追加投資が必要となることはないので、工作物であ
る「エンジンシリンダヘッドの切替」に対して、低コス
トで対応することができる。
【0136】また、各ステーション上に設置される冶具
においては、エンジンシリンダヘッドの傾斜姿勢を自由
に制御することができることから、治具による固持が解
除される際のエンジンシリンダヘッドの姿勢を全ステー
ションにおいて共通化させることが可能となり、これに
より、各ステーションに対する搬送時や搬出時のエンジ
ンシリンダヘッドの姿勢も共通化させることができるの
で、従来技術の欄で述べた3個の姿勢切り替え装置のう
ち一部又は全部をなくすことが可能となり、この観点か
らも、イニシャルコストを低く抑えることができる。
【0137】また、主軸頭の増減、ハウジングの取り替
え、ロケート部材の取り替え、クランプ部材の取り替え
に要する時間は、従来技術の大幅な改造に要する時間と
比べて、格段に短いので、長期間にわたる生産のシャッ
トダウンを防止することができ、この観点からも、設備
投資の収益性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスファマシンの概要を示した正
面図である。
【図2】本発明のトランスファマシンにおける治具を示
した正面図である。
【図3】本発明のトランスファマシンにおける治具を示
した背面図である。
【図4】本発明のトランスファマシンにおける治具の本
体の基準面を示した正面図である。
【図5】図4のR−R線に沿う平面において切断した部
分断面図であって、治具のロケート部材の駆動系の概要
を示したものである。
【図6】図4のR−R線に沿う平面において切断した部
分断面図であって、治具のロケート部材の駆動系の概要
を示したものである。
【図7】本発明のトランスファマシンにおける治具を示
した側面図である。
【図8】図2〜図7に示されたものとは異なる治具を正
面側から見た斜視図である。
【図9】図8に示す治具を背面側から見た斜視図であ
る。
【図10】本発明のトランスファマシンにおける加工機
械の概要をZ軸から示した正面図である。
【図11】本発明のトランスファマシンにおける加工機
械の概要をX軸から示した正面図である。
【図12】図10のS−S線でハウジングをのみ切断し
た部分断面図である。
【図13】図14のP−P線に沿う平面において切断し
た断面図であって、エンジンシリンダヘッドの「横立姿
勢」のときのものである。
【図14】エンジンシリンダヘッドの一例を「燃焼室」
側から示した平面図である。
【図15】図14のP−P線に沿う平面において切断し
た断面図であって、エンジンシリンダヘッドの「正立姿
勢」のときのものである。
【図16】図14のP−P線に沿う平面において切断し
た断面図であって、エンジンシリンダヘッドの「吸気側
傾斜姿勢」のときのものである。を示したものである。
【図17】図14のP−P線に沿う平面において切断し
た断面図であって、エンジンシリンダヘッドの「排気側
傾斜姿勢」のときのものである。
【図18】従来技術のトランスファマシンの概要を示し
た正面図である。
【図19】従来技術のトランスファマシンにおける姿勢
変換装置を示した正面図である。
【図20】従来技術のトランスファマシンにおける治具
を示した断面図である。
【図21】従来技術のトランスファマシンにおける加工
機械を示した正面図である。
【図22】図21のQ−Q線に沿う平面において切断し
た断面図である。
【符号の説明】
1 トランスファマシン 10 治具 21 クランプピン 34 クランパー 49 ロケート部材 50 ロケートピン 61 XZ軸送りユニット 62 ハウジング 63 主軸頭 64 モータ 65 カップリング 66 スピンドル 200 エンジンシリンダヘッド 201A、201B、201C、202A、202B、
202C 機能孔 A、B、C、D、E、F ステーション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 康雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3C042 RA11 RB11 RC02 RC08 RD01 3C045 AA10 BA05 BA37 BA40 CA30 DA21 EA04 FA09 FD01 FE20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各ステーション上にエンジンシリンダヘ
    ッドが固定された際に、各ステーション横に並べられた
    複数のスピンドルの軸端にそれぞれ取り付けられた各工
    具を回転させながらXZ軸送りユニットで同時に送り出
    すことによって、各ステーションにおいて1個のエンジ
    ンシリンダヘッドに対し1回の送り出しで多数の機能孔
    を同時に加工するとともに、1個のエンジンシリンダヘ
    ッドを各ステーションへ順次に搬送することによって、
    1個のエンジンシリンダヘッドの機能孔に対する加工作
    業を各工程順に行うトランスファマシンにおいて、 1本のスピンドルのみを納めた単軸の主軸頭を前記XZ
    軸送りユニット上に並べて各工具を同時に送り出すとと
    もに、各主軸頭内の1本のスピンドルを1個のモータと
    カップリングで連結させて各工具を回転させることによ
    って、前記XZ軸送りユニット上に並べられる主軸頭の
    増減を自在とし、各ステーションにおいて1個のエンジ
    ンシリンダヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工さ
    れる機能孔の数を変更できることを特徴とするトランス
    ファマシン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するトランスファマシン
    において、 前記主軸頭が並列的に固定されるハウジングを前記XZ
    軸送りユニット上に取り付けることによって、前記XZ
    軸送りユニット上に並べられる主軸頭のピッチ間隔を確
    保し、各ステーションにおいて1個のエンジンシリンダ
    ヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔
    のピッチ間隔を保障したことを特徴とするトランスファ
    マシン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載するトランスファマシン
    において、 前記ハウジングを前記ハウジングと互換性のある他のハ
    ウジングに取り替えることによって、前記XZ軸送りユ
    ニット上に並べられる主軸頭のピッチ間隔の設定を自在
    とし、各ステーションにおいて1個のエンジンシリンダ
    ヘッドに対し1回の送り出しで同時に加工される機能孔
    のピッチ間隔を変更できることを特徴とするトランスフ
    ァマシン。
  4. 【請求項4】 各ステーション上にエンジンシリンダヘ
    ッドが傾斜姿勢で固定された際に、各ステーション横に
    並べられた複数のスピンドルの軸端にそれぞれ取り付け
    られた各工具を回転させながらXZ軸送りユニットで同
    時に送り出すことによって、各ステーションにおいて1
    個のエンジンシリンダヘッドに対し1回の送り出しで多
    数の機能孔を同時に加工するとともに、1個のエンジン
    シリンダヘッドを各ステーションへ順次に搬送すること
    によって、1個のエンジンシリンダヘッドの機能孔に対
    する加工作業を各工程順に行うトランスファマシンにお
    いて、 各ステーション上に設置される冶具で前記エンジンシリ
    ンダヘッドを固持しながら前記エンジンシリンダヘッド
    の傾斜姿勢を制御することによって、各ステーションに
    おいて1個のエンジンシリンダヘッドに対し1回の送り
    出しで同時に加工される機能孔の傾斜角度を変更できる
    ことを特徴とするトランスファマシン。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載するトランスファマシン
    において、 前記エンジンシリンダヘッドの位置決めを確保するため
    のロケートピンが設けられたロケート部材を前記冶具に
    取り付け、前記ロケート部材を前記ロケート部材と互換
    性のある他のロケート部材に取り替えることによって、
    前記ロケートピンの配設状態を変更できることを特徴と
    するトランスファマシン。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載するトラン
    スファマシンにおいて、 前記エンジンシリンダヘッドを固持するためのクランプ
    ピンが設けられたクランプ部材を前記冶具に取り付け、
    前記クランプ部材を前記クランプ部材と互換性のある他
    のクランプ部材に取り替えることによって、前記クラン
    プピンの配設状態を変更できることを特徴とするトラン
    スファマシン。
JP11193045A 1999-07-07 1999-07-07 トランスファマシン Pending JP2001018102A (ja)

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