JP2001017887A - ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置 - Google Patents

ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置

Info

Publication number
JP2001017887A
JP2001017887A JP11191703A JP19170399A JP2001017887A JP 2001017887 A JP2001017887 A JP 2001017887A JP 11191703 A JP11191703 A JP 11191703A JP 19170399 A JP19170399 A JP 19170399A JP 2001017887 A JP2001017887 A JP 2001017887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foreign matter
electrode
cleaning
cleaning liquid
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11191703A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Yashima
浩二 八嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP11191703A priority Critical patent/JP2001017887A/ja
Publication of JP2001017887A publication Critical patent/JP2001017887A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な異物をも補集することが可能で、且つ
圧力損失の小さいウェハ洗浄における異物の除去方法お
よび異物除去装置を提供する。 【解決手段】 半導体ウェハの洗浄に用いる洗浄液中に
耐腐食性処理を施した電極を投入し、この電極には洗浄
液のpH値によって変動する異物のゼータ電位と異符号
の電位を与えるようにする。このように電極に異物のゼ
ータ電位と異符号の電位を与えることにより、異符号電
位による引力で異物を電極に吸引させ、洗浄液中の異物
を補集することができる。なお補集は物理的補集と異な
り、電気的におこなわれるので、補集による圧力損失を
小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェハ洗浄におけ
る異物の除去方法および異物除去装置に係り、特に水溶
液中に浮遊する微細な異物を除去するのに好適なウェハ
洗浄における異物の除去方法および異物除去装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置は、円盤状のシリコン基板
(以下半導体ウェハと称す)の表面に不純物を打ち込
み、その表面にトランジスタや抵抗および容量などを形
成した後、さらにその表面に絶縁膜や配線を形成してい
くことで製造される。
【0003】このような半導体装置の製造工程において
は、配線パターン形成用のレジストを半導体ウェハの表
面から除去したり、あるいは半導体ウェハに付着した異
物を除去する目的から製造工程途中には洗浄工程が多数
設けられている。
【0004】図5は、半導体ウェハの洗浄を行うための
洗浄装置の構成を示す説明図である。同図に示すように
洗浄装置1は、目的の異なる第1洗浄槽2A、第2洗浄
槽2B、第3洗浄槽2Cを有しており、これら洗浄槽を
半導体ウェハの搬送方向に沿って配置している。
【0005】すなわち半導体ウェハが最初に投入される
第1洗浄槽2Aにおいては、洗浄液3として希フッ酸
(DFH)が用いられており、この洗浄液3に半導体ウ
ェハを投入することにより、不要な酸化シリコン(Si
)や窒化ケイ素(Si)をウェハ表面から除
去するようにしている。なお第1洗浄槽2Aには、循環
経路5が接続され、当該循環経路5の途中には洗浄液3
の循環をなすためのポンプ6と、当該ポンプ6によって
循環される洗浄液3から異物を除去するためのフィルタ
7とが設けられ、異物が除去された洗浄液3を再度、第
1洗浄槽2Aに供給可能にしている。なおここで異物と
は、既に第1洗浄槽2Aに投入された半導体ウェハから
剥離した、不要な酸化シリコン(SiO)および窒化
ケイ素(Si)等を指しており、これら異物が第
1洗浄槽2Aに残留することで、以降第1洗浄槽2Aに
投入される半導体ウェハにこれら異物が付着するのを防
止するようにしている。
【0006】また第1洗浄槽2Aの後段に設けられた第
2洗浄槽2Bでは、洗浄液として純水が用いられ、第1
洗浄槽2Aで用いられた洗浄液3を半導体ウェハの表面
から除去するようにしている。そして第2洗浄槽2Bの
後段に設けられた第3洗浄槽2Cでは、洗浄液3が除去
された半導体ウェハをリンス液(純水もしくは超純水)
中に投入し、半導体ウェハ表面の界面活性化を図るよう
にしている。
【0007】そしてこれら洗浄工程は、洗浄によって除
去する対象物の性質によって洗浄液やその他条件(時
間、温度等)が異なる。すなわち前述したような酸化シ
リコン(SiO)の除去においては洗浄液は希フッ酸
(DFH)を用いることとし、また一般的なパーティク
ルの除去においては洗浄液はアンモニアと過酸化水素水
との混合液を用い、さらに金属の異物除去においては洗
浄液は塩酸と過酸化水素水との混合液を用いるようにし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述した洗浄装
置においては洗浄液中に異物が混入し、当該異物が除去
されずに洗浄液中に存在していると、半導体ウェハにこ
の異物が付着し、半導体ウェハ上に形成される半導体装
置の信頼性低下あるいは半導体装置が不良品になるおそ
れがあった。
【0009】たとえば第1洗浄槽2Aでは、当該第1洗
浄槽2Aよりオーバーフローした(洗浄後の)洗浄液3
を回収し、この洗浄液3を網目状のフィルタ7を通過さ
せることで洗浄液3に含まれた異物を補集するようにし
ているが、現在MOS−FETにおけるゲート酸化膜の
膜厚は100オングストローム程度となっているのに対
し、現行のフィルタ7の網目の大きさは500オングス
トローム程度となっている。このため現行のフィルタ7
では異物が十分に補集されず、半導体装置に不具合が生
じるおそれがある。具体的には、絶縁膜の形成工程の前
工程で異物が半導体ウェハに付着した場合を考えると、
半導体ウェハの表面に異物が付着したまま(当該異物を
覆うように)絶縁膜が形成される。その後、前記異物が
ウェハ表面から振動や衝撃等の要因で脱落したりすると
前記絶縁膜の膜厚の厚みがそこの部分(異物が脱落した
部分)だけ薄くなり、耐電圧の低下により装置自体の信
頼性が低下するというおそれである。また隣接する配線
パターンを跨ぐように異物が付着した場合では、隣接す
るパターンの間が前記異物によって短絡してしまうとい
うおそれがあった。
【0010】そしてこれらの問題点を解決するため、フ
ィルタの網目の大きさを細かく(小さく)して、より小
さな異物を取り除くことが考えられるが、微細な穴を有
したフィルタを製作することは難しく、またこうしたフ
ィルタにおいてはそれ自体の抵抗によって洗浄液を通過
させることが難しくなるという(圧力損失が大きくなる
という)問題点があった。
【0011】本発明では、上記従来の問題点に着目し、
微細な異物をも補集することが可能で、且つ圧力損失の
小さいウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除
去装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るウェハ洗浄
における異物の除去方法は、半導体ウェハの洗浄液に含
まれる異物の除去方法であって、前記洗浄液中に耐腐食
性処理を施した電極を投入し、この電極には前記洗浄液
のpH値によって変動する前記異物のゼータ電位と異符
号の電位を与え、異符号電位による引力で前記異物を前
記電極に吸引させる手順とした。
【0013】本発明に係るウェハ洗浄における異物の除
去方法によれば、洗浄液中に存在する異物は、前記洗浄
液のpH値によってゼータ電位が変動する性質を有して
いる。そして洗浄により半導体ウェハの表面から脱落す
る異物(洗浄の対象物)の種類も解ることから、洗浄液
のpH値に対して前記異物が正のゼータ電位を有するの
か、あるいは負のゼータ電位を有するのかをあらかじめ
調べておき、この電位とは逆の電位(異物のゼータ電位
が正であれは負、異物のゼータ電位が負であれは正)を
洗浄液中に投入された電極に加えれば、異物は電極との
異符号の電位によって前記電極に吸引される。なお電極
に耐腐食性の処理を施すことで、酸や塩基の性質を有す
る洗浄液に対して電極が腐食するのを防止することがで
きる。
【0014】また本発明に係る異物除去装置は、半導体
ウェハを投入可能とする洗浄槽と、この洗浄槽から引き
出された循環経路と、当該循環経路に設けられ洗浄液の
循環をなす送水ポンプとを有するウェハ洗浄機に備えら
れた異物除去装置であって、耐腐食性処理を施した電極
を前記循環経路に設けるとともに、前記電極に極性反転
手段を介して電源を接続し前記電極への印加により前記
洗浄液の異物を前記電極に吸引および放出させるよう構
成した。なお前記電極を前記循環経路の開口断面に対応
する網目形状に形成することが好ましく、あるいは前記
電極を前記循環経路の途中に設置される濾材として設置
してもよい。
【0015】本発明に係る異物除去装置によれば、半導
体ウェハは洗浄槽に投入され、その表面に付着した異物
は洗浄液によって除去される。ここで洗浄液は洗浄槽を
介して循環経路内を循環することとなるが、この循環経
路の途中には電極が設けられているので、前記洗浄液中
における異物のゼータ電位と逆の電位(異物のゼータ電
位が正であれは負、異物のゼータ電位が負であれは正)
を洗浄液中に投入された電極に加えれば、異物は電極と
の異符号の電位によって前記電極に吸引および放出さ
れ、洗浄液中の異物の除去を行うことができる。なお異
物の補集は電気的吸引によってなされるため、粒径の小
さな異物も補集することが可能であり、また物理的に異
物を補集するものではないので圧力損失を小さくするこ
とが可能になる。なお電極に耐腐食性の処理を施すこと
で、酸や塩基の性質を有する洗浄液に対して電極が腐食
するのを防止することができ、さらに極性反転手段によ
り洗浄液の性質(酸性または塩基性)に応じて電極に加
わる電位を容易に対応できることはいうまでもない。
【0016】また前記電極を前記循環経路の開口断面に
対応する網目形状に形成すれば、電極と洗浄液との接触
面積を向上させることができるとともに、前記洗浄液は
網目状の電極を必ず通過することになるので、異物の補
集効率の向上を高めることができる。さらに電極の網目
形状化により、異物の物理的補集も可能となり、異物の
電気的補集とあわせて、粒径の異なる異物を容易に補集
することができる。
【0017】あるいは前記電極を前記循環経路の途中に
設置される濾材として設置したことから、異物の物理的
補集をなす濾材に電気的補集能力を持たせた形態となる
ので、濾材の目より小さな異物まで補集することが可能
になり、効果的な異物の補集が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るウェハ洗浄に
おける異物の除去方法および異物除去装置に好適な具体
的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0019】図1は、本実施の形態に係る異物除去装置
の構造を示す断面説明図であり、図2は、図1に示す異
物除去装置を用いた洗浄装置の構成を示す説明図であ
る。これらの図に示すように、本実施の形態に係る異物
除去装置10は、半導体ウェハの表面の洗浄をなすウェ
ハ洗浄機となる洗浄装置12に装着され、当該洗浄装置
12内を循環する洗浄液から異物を除去し、構造膜を剥
離したばかりの(未だ薬液槽に入っている)半導体ウェ
ハへの再付着や、後に投入される半導体ウェハに異物が
付着するのを防止するようにしている。
【0020】なお洗浄装置12は、半導体ウェハの表面
に半導体装置を形成していく、いわゆる半導体装置の製
造工程の途中に何カ所も設置されており、目的の異なる
洗浄に用いられている。すなわち半導体装置の製造工程
においては、前記半導体ウェハを洗浄装置に投入するこ
とで、パーティクルの除去や、あるいはレジスト膜の除
去などを行うようにしている。
【0021】ここで半導体ウェハの表面から、不要な酸
化シリコン(SiO)および窒化ケイ素(Si
)を除去する洗浄装置12の構造を図2を用いて
説明する。同図に示すように洗浄装置12は、目的の異
なる三台の洗浄槽を直列に配置した構成となっており、
これら洗浄槽に半導体ウェハを連続して投入すること
で、当該半導体ウェハの表面から不要な酸化シリコン
(SiO)および窒化ケイ素(Si)等を除去
可能にしている。
【0022】すなわち洗浄装置12を構成する第1洗浄
槽14Aでは、洗浄液16として希フッ酸(DFH)が
用いられており、この槽内に半導体ウェハを投入するこ
とで、ウェハ表面から不要な酸化シリコン(SiO
や窒化ケイ素(Si)を除去するようにしてい
る。ところで第1洗浄槽14Aの外周部分には当該第1
洗浄槽14Aを囲むように受け槽18が設けられてお
り、第1洗浄槽14Aの外縁からあふれ出た洗浄液を回
収可能にしている。そして受け槽18の底部からは循環
経路となる循環用配管20が引き出され、当該循環用配
管20の先端部は第1洗浄槽の底部に接続され、後述す
るポンプの稼働により受け槽18にて回収した洗浄液1
6を再び第1洗浄槽14Aの底部に設けた導入口19へ
と送り出し(循環)可能にしている。
【0023】循環用配管20の途中には、ポンプ22が
設けられ、受け槽18で回収した洗浄液16を再度第1
洗浄槽14Aへと(図中、矢印24を参照)送り出し可
能にしている。そして循環用配管20の途中におけるポ
ンプ22の後段にはフィルタとなる異物除去装置10が
設置され、洗浄液16中に含まれる異物の除去を可能に
している。
【0024】このように構成された第1洗浄槽14Aの
後段に設けられる第2洗浄槽14Bでは、洗浄液として
純水が用いられ、第1洗浄槽14Aで用いられた洗浄液
16を半導体ウェハの表面から除去するようにしてい
る。そして第2洗浄槽14Bの後段に設けられた第3洗
浄槽14Cでは、洗浄液としてリンス液(純水もしくは
超純水)が用いられ、洗浄液16を含める不純物を無く
し比抵抗10MΩ・cmに達するまで純度を上げてい
る。なお第2洗浄槽14Bおよび第3洗浄槽14Cで
は、その底部に純水またはリンス液の導入および排出を
なす入出口26が設けられており、この入出口26に配
管を介して接続される電磁式開閉バルブ28を開閉させ
ることで、洗浄槽へ純水およびリンス液を導入あるいは
排出を可能にしている。
【0025】ここで第1洗浄槽14Aにおける循環配管
20の途中に設けられた異物除去装置10の構造を説明
する。前述したように異物除去装置10は洗浄液16の
循環をなす循環配管20の途中に設けられており、洗浄
液16の含まれた異物の除去を行うものである。
【0026】異物除去装置10は、その本体を導電性の
円筒容器30で構成しており。当該円筒容器30の内側
には当該円筒容器30を縮小させた形状の異物補集用の
フィルタ32が設けられている。そして当該フィルタ3
2の内側には導入口19側へと続く循環配管20が接続
されフィルタ32を通過した洗浄液16を送り出し可能
にしている。一方、フィルタ32の外側と、円筒容器3
0の内側とで構成される空間にはポンプ22側から延長
された循環配管20が接続され、受け槽18にて回収し
た洗浄液16を導入可能にしている。なお導電性の円筒
容器30の内側(洗浄液16が満たされる箇所)には、
耐腐食性処理が施され、酸性や塩基性の性質を有する洗
浄液16によって円筒容器30が腐食するのを防止する
ようにしている。
【0027】ところで円筒容器30の内側に設けられる
フィルタ32は、性質の異なるフィルタを重ねた二層構
造で構成され、その外側は網目の大きさが500オング
ストローム程度に形成された物理的補集フィルタ34と
なっており、フィルタ32の外側から内側に洗浄液16
が通過する際、網目の大きさで洗浄液16内に存在する
異物を補集可能にしている。一方、物理的補集フィルタ
34の内側は、電気的補集フィルタ36となっており、
異物のゼータ電位を利用して補集をなすことが可能とな
っている。
【0028】電気的補集フィルタ36は、電極となる導
電性の金属を網目状に形成するとともに、その表面には
酸性や塩基性の性質を有する洗浄液16に接しても腐食
が生じないように耐腐食性の処理が施されている。具体
的には導電性金属の表面にポリテトラフルオロエチレン
をコーティングすることが望ましい。なお電気的補集フ
ィルタ36の網目の大きさは物理的補集フィルタ36の
網目の大きさより十分に大きく設定され、圧力損失を最
小限に抑えるようにしている。
【0029】ところで円筒容器30の外方には電源とな
る直流電源38が設けられているとともに、この直流電
源38における一対の端子からは配線ケーブル40がそ
れぞれ引き出されており、当該配線ケーブル40の先端
側は、一方が電気的補集フィルタ36に接続され、他方
側は円筒容器30へと接続されている。なお一対の配線
ケーブルの延長途中には、極性反転手段となるリレーボ
ックス42が設けられており、当該リレーボックス42
の極性を切り換えることで(図中、矢印41を参照)、
円筒容器30側に直流電源38が有する正側電位を加え
たり(このとき電気的補集フィルタ36側には負側電位
が加わる)、負側電位を加える(このとき電気的補集フ
ィルタ36側には正側電位が加わる)ことが可能となっ
ている。なお本実施の形態では、極性反転手段をリレー
ボックス42で構成することとしたが、この形態に限定
される必要もなく、極性反転手段は、電気的補集フィル
タ36と円筒容器30に加わる印加電圧の正負が逆転で
きればよいので、例えばリレーボックス42に代えて、
MOS−FETなどの電子部品を用いて極性反転手段を
構成するようにしてもよい。
【0030】ところで洗浄液中に存在するパーティクル
においては、前記洗浄液のpH値によって前記パーティ
クルのゼータ電位が変動することが知られている。図3
は、水溶液のpH値の変化によって酸化シリコン(Si
)や窒化ケイ素(Si)のゼータ電位が推移
する様子を表したグラフである。なおゼータ電位とは固
体と液体の界面を横切って存在する電気的ポテンシャル
であり、半導体ウェハの表面への吸着や脱離に深く関係
している物性値である。
【0031】同図に示すように、酸化シリコン(SiO
)や窒化ケイ素(Si)は、pH値が約5の弱
酸性(pH値が7が中性)を境界として正負の電位が反
転する性質を有していることが知られている。このため
本実施の形態においては、まず希フッ酸のpH値を調べ
るとともに、このpH値を図3のグラフに当てはめ、希
フッ酸中の酸化シリコン(SiO)や窒化ケイ素(S
)が正負どちら側の電位を有するか確認をおこ
なう。そしてこの酸化シリコン(SiO)や窒化ケイ
素(Si)の有する電位とは逆の電位を電気的補
集フィルタ36側に印加すれば、洗浄液中の異物となる
酸化シリコン(SiO)や窒化ケイ素(Si
を補集することができる。
【0032】このように構成された異物除去装置10を
備えた洗浄装置12を用いて洗浄液中の異物となる酸化
シリコン(SiO)や窒化ケイ素(Si)を除
去する手順を説明する。
【0033】まず洗浄装置12におけるポンプ22を稼
働させ、循環配管20に沿って洗浄液16を循環させ
る。こうして洗浄液16を循環させた後は、図3の関係
より求めた酸化シリコン(SiO)や窒化ケイ素(S
)のゼータ電位と異符号になるような電位を電
気的補集フィルタ36側に与える(すなわち円筒容器3
0に与える電位はゼータ電位を同符号である)。このよ
うに電気的補集フィルタ36と円筒容器30とに電位を
与えた後に、図示しない半導体ウェハを上方より第1洗
浄槽14Aに投入する。
【0034】半導体ウェハが第1洗浄槽14Aに投入さ
れ洗浄液16となる希フッ酸に接すると、半導体ウェハ
の表面に付着していた洗浄対象となる酸化シリコン(S
iO)や窒化ケイ素(Si)はその表面から洗
い流され、洗浄液16側に移動することとなる。その
後、洗浄液16は第1洗浄槽14Aの外縁よりあふれ出
し(オーバフロー)、受け層18にて回収され、循環配
管20に沿ってポンプ22を経過し、異物除去装置10
へと導入される。
【0035】ポンプ22側から延長された循環配管20
は異物除去装置10におけるフィルタ32の内側に接続
されており、異物43を含んだ洗浄液16は、その場所
に導入される。ここで洗浄液16はポンプ22の吐出能
力により(循環流により)フィルタ32を通過して導入
口19に接続される循環配管20側に移動しようとする
が、ここで電気的補集フィルタ36は、洗浄液16内に
存在する異物43のゼータ電位と異符号の電位を有して
いることから、洗浄液16中の異物43は電気的補集フ
ィルタ36に引きつけられ、次々と当該電気的補集フィ
ルタ36の表面に吸着されていく。またたとえ異物43
が電気的補集フィルタ36で通過されず当該電気的補集
フィルタ36を通過したとしても、その後には物理的補
集フィルタ34が備えられているので、前記異物43は
この物理的補集フィルタ34で補集することができる。
【0036】このように洗浄液16内の異物のゼータ電
位を利用して補集を行うことから、例えば金属および非
金属の隔てなく異物を除去することが可能になる。また
本実施の形態では、洗浄液16中の異物を酸化シリコン
(SiO)や窒化ケイ素(Si)としたが、半
導体装置の製造工程では、この他に一般的なパーティク
ルの除去や金属の異物除去などを目的とした洗浄もおこ
なわれる。一般的なパーティクルの除去においては洗浄
液はアンモニアと過酸化水素水との混合液を用い、さら
に金属の異物除去においては洗浄液は塩酸と過酸化水素
水との混合液を用いるようにしているが、この場合も酸
化シリコン(SiO)や窒化ケイ素(Si)の
場合と同様に、所定の洗浄液中の異物のゼータ電位を調
査し、この電位とは逆の電位を電気的補集フィルタに加
えればよい。
【0037】図4は、本実施の形態に係る異物除去装置
の応用例の構造を示す断面説明図である。同図において
図1と異なる点は電気的補集フィルタ36の形状のみで
あり、その他形状は、図1と同一である。このため共通
部分については同一の符号を付与し説明を行うこととす
る。
【0038】同図においては、電気的補集フィルタ44
の形状を網目状の容器にせず、円柱状とした。このよう
に電気的補集フィルタ44を構成すれば、洗浄液16の
管路の断面全域を電気的補集フィルタ44が覆うことが
なくなり、圧力損失の低減を図ることが出来る。このた
め異物の補集効率が若干低下するもののポンプ22の吐
出能力が低い場合などに有効である。また図示しないが
循環配管20の途中に円筒容器30を設けずに、循環配
管20の内部にこのような電気的補集フィルタ44を設
けるようにしてもよい。
【0039】また本実施の形態では、物理的補集フィル
タと電気的補集フィルタとを分けた構成としたが、この
形態に限定されることもなく、物理的補集フィルタを構
成するいわゆる濾材に電極の役割を持たせ、物理的補集
フィルタに電気的補集フィルタの機能を持たせるように
して異物の補集を図るようにしてもよい。なお清掃の際
には、異物の捕集時の時と極性を逆にして異物の放出を
図り、電気的にフィルタの清掃を図るようにしてもよ
い。また上述した電気的捕集フィルタの使用用途は半導
体の製造工程に限定されることもなく、例えばTFTの
製造工程などに代表されるように幅広い分野への適用が
可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るウェハ
洗浄における異物の除去方法によれば、半導体ウェハの
洗浄液に含まれる異物の除去方法であって、前記洗浄液
中に耐腐食性処理を施した電極を投入し、この電極には
前記洗浄液のpH値によって変動する前記異物のゼータ
電位と異符号の電位を与え、異符号電位による引力で前
記異物を前記電極に吸引させたことから、物理的補集を
行うフィルタより細かい異物まで補集ができるととも
に、洗浄液中の微細な異物をも補集することが可能にな
るとともに圧力損失を小さくすることができる。
【0041】また本発明に係る異物除去装置によれば、
半導体ウェハを投入可能とする洗浄槽と、この洗浄槽か
ら引き出された循環経路と、当該循環経路に設けられ洗
浄液の循環をなす送水ポンプとを有するウェハ洗浄機に
備えられた異物除去装置であって、耐腐食性処理を施し
た電極を前記循環経路に設けるとともに、前記電極に極
性反転手段を接続し前記電極の極性反転により前記洗浄
液中の異物を前記電極に吸引および放出させたことか
ら、洗浄液の性質に容易に対応することができるととも
に、洗浄液中の微細な異物をも補集することができ、ま
た装置設置による圧力損失も小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る異物除去装置の構造を示す
断面説明図である。
【図2】図1に示す異物除去装置を用いた洗浄装置の構
成を示す説明図である。
【図3】水溶液のpH値の変化によって酸化シリコン
(SiO)や窒化ケイ素(Si3)のゼータ電位
が推移する様子を表したグラフである。
【図4】本実施の形態に係る異物除去装置の応用例の構
造を示す断面説明図である。
【図5】半導体ウェハの洗浄を行うための洗浄装置の構
成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置 2A 第1洗浄槽 2B 第2洗浄槽 2C 第3洗浄槽 3 洗浄液 5 循環経路 6 ポンプ 7 フィルタ 10 異物除去装置 12 洗浄装置 14A 第1洗浄槽 14B 第2洗浄槽 14C 第3洗浄槽 16 洗浄液 18 受け槽 19 導入口 20 循環用配管 22 ポンプ 24 矢印 26 入出口 28 電磁式開閉バルブ 30 円筒容器 32 フィルタ 34 物理的補集フィルタ 36 電気的補集フィルタ 38 直流電源 40 配線ケーブル 41 矢印 42 リレーボックス 43 異物 44 電気的補集フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェハの洗浄液に含まれる異物の
    除去方法であって、前記洗浄液中に耐腐食性処理を施し
    た電極を投入し、この電極には前記洗浄液のpH値によ
    って変動する前記異物のゼータ電位と異符号の電位を与
    え、異符号電位による引力で前記異物を前記電極に吸引
    させることを特徴とするウェハ洗浄における異物の除去
    方法。
  2. 【請求項2】 半導体ウェハを投入可能とする洗浄槽
    と、この洗浄槽から引き出された循環経路と、当該循環
    経路に設けられ洗浄液の循環をなす送水ポンプとを有す
    るウェハ洗浄機に備えられた異物除去装置であって、耐
    腐食性処理を施した電極を前記循環経路に設けるととも
    に、前記電極に極性反転手段を介して電源を接続し前記
    電極への印加により前記洗浄液の異物を前記電極に吸引
    及び放出させることを特徴とする異物除去装置。
  3. 【請求項3】 前記電極を前記循環経路の開口断面に対
    応する網目形状に形成したことを特徴とする請求項2に
    記載の異物除去装置。
  4. 【請求項4】 前記電極を前記循環経路の途中に設置さ
    れる濾材として設置したことを特徴とする請求項2また
    は請求項3に記載の異物除去装置。
JP11191703A 1999-07-06 1999-07-06 ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置 Withdrawn JP2001017887A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11191703A JP2001017887A (ja) 1999-07-06 1999-07-06 ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11191703A JP2001017887A (ja) 1999-07-06 1999-07-06 ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001017887A true JP2001017887A (ja) 2001-01-23

Family

ID=16279085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11191703A Withdrawn JP2001017887A (ja) 1999-07-06 1999-07-06 ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001017887A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100570308B1 (ko) * 2003-02-13 2006-04-12 에이펫(주) 웨이퍼 세정 장치 및 이를 이용한 웨이퍼 세정 방법
JP2007283248A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Sharp Corp 分離回収装置および分離回収方法
JP2008068164A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄機
JP2009277811A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Nikon Corp 洗浄装置
JP2011016132A (ja) * 2010-10-13 2011-01-27 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄機
WO2012090426A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 コニカミノルタオプト株式会社 ハードディスク用ガラス基板の製造方法
WO2012132074A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
JPWO2011007820A1 (ja) * 2009-07-15 2012-12-27 国立大学法人 名古屋工業大学 粒子回収方法および粒子回収装置
WO2013099728A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 コニカミノルタ株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
CN112958284A (zh) * 2021-02-01 2021-06-15 厦门大学 一种压力和电场力耦合分离带电微粒的方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100570308B1 (ko) * 2003-02-13 2006-04-12 에이펫(주) 웨이퍼 세정 장치 및 이를 이용한 웨이퍼 세정 방법
JP2007283248A (ja) * 2006-04-19 2007-11-01 Sharp Corp 分離回収装置および分離回収方法
JP2008068164A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄機
JP4633024B2 (ja) * 2006-09-12 2011-02-16 三菱電機株式会社 空気清浄機
JP2009277811A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Nikon Corp 洗浄装置
JPWO2011007820A1 (ja) * 2009-07-15 2012-12-27 国立大学法人 名古屋工業大学 粒子回収方法および粒子回収装置
JP2011016132A (ja) * 2010-10-13 2011-01-27 Mitsubishi Electric Corp 空気清浄機
WO2012090426A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 コニカミノルタオプト株式会社 ハードディスク用ガラス基板の製造方法
WO2012132074A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
WO2013099728A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 コニカミノルタ株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP5303741B1 (ja) * 2011-12-28 2013-10-02 コニカミノルタ株式会社 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
CN112958284A (zh) * 2021-02-01 2021-06-15 厦门大学 一种压力和电场力耦合分离带电微粒的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2832173B2 (ja) 半導体基板の洗浄装置および洗浄方法
TW419399B (en) Post-lapping cleaning process for silicon wafers
JP3409849B2 (ja) 電子部品部材類洗浄用洗浄液の製造装置
US6526995B1 (en) Brushless multipass silicon wafer cleaning process for post chemical mechanical polishing using immersion
JP2001017887A (ja) ウェハ洗浄における異物の除去方法および異物除去装置
JP2009543344A (ja) 液体メニスカスによるポストエッチウエハ表面洗浄
JP4367587B2 (ja) 洗浄方法
KR20170015195A (ko) 액 처리 방법 및 액 처리 장치
WO2008021265A2 (en) Semiconductor substrate cleaning apparatus
WO2022059414A1 (ja) 処理液供給装置、基板処理装置および処理液供給方法
US7410814B1 (en) Process and apparatus for cleaning silicon wafers
KR100830750B1 (ko) 실리콘 웨이퍼 세정방법
JPH09167752A (ja) 薬液処理装置および薬液処理方法
WO2001054181A2 (en) Process and apparatus for cleaning silicon wafers
JP2685596B2 (ja) シリコンウェハのエッチング処理方法
JPH09139371A (ja) 半導体基板の洗浄方法及びこれに用いられる洗浄装置
KR102332885B1 (ko) 전기 집진 장치 및 처리액 공급 장치
KR19990036143A (ko) 반도체장치의세정방법
JP3539469B2 (ja) 半導体基板の洗浄液及びその洗浄方法
KR20080015477A (ko) 세정 장치 및 세정 방법
JPH0831781A (ja) 洗浄薬液
JPH08316183A (ja) 洗浄方法及びその装置
CN112309957B (zh) 一种金属互连层的形成方法
JPH09298182A (ja) 微粒子除去方法
JP2005210075A (ja) 半導体ウエハの洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003