JP2001017177A - β−アミロイド前駆体タンパク質の酵素切断配列を含有するタンパク質分解酵素用基質及びその発現用ベクター - Google Patents
β−アミロイド前駆体タンパク質の酵素切断配列を含有するタンパク質分解酵素用基質及びその発現用ベクターInfo
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- JP2001017177A JP2001017177A JP11189232A JP18923299A JP2001017177A JP 2001017177 A JP2001017177 A JP 2001017177A JP 11189232 A JP11189232 A JP 11189232A JP 18923299 A JP18923299 A JP 18923299A JP 2001017177 A JP2001017177 A JP 2001017177A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 蛍光信号の微妙な変化を検出することがで
き、製造が容易で、かつ検出対象としての試料が微生物
や細胞である場合における試料内でのタンパク質分解酵
素活性の検出を可能とする構成を有するタンパク質分解
酵素用の標識化基質、該基質の発現用のベクター、該ベ
クターを用いた標識化基質の製造方法及び該標識化基質
を用いたタンパク質分解酵素活性の検出方法を提供する
こと。 【解決手段】 タンパク質分解酵素による切断部位を有
するペプチドのアミノ末端とカルボキシル末端のそれぞ
れに標識としての蛍光タンパク質を結合した構造を有す
るタンパク質分解酵素用の標識化基質をコードするDN
A配列を、発現用ベクターに組み込んで、微生物や培養
細胞等の宿主中で発現させることで、宿主中に標識化基
質を生産する。
き、製造が容易で、かつ検出対象としての試料が微生物
や細胞である場合における試料内でのタンパク質分解酵
素活性の検出を可能とする構成を有するタンパク質分解
酵素用の標識化基質、該基質の発現用のベクター、該ベ
クターを用いた標識化基質の製造方法及び該標識化基質
を用いたタンパク質分解酵素活性の検出方法を提供する
こと。 【解決手段】 タンパク質分解酵素による切断部位を有
するペプチドのアミノ末端とカルボキシル末端のそれぞ
れに標識としての蛍光タンパク質を結合した構造を有す
るタンパク質分解酵素用の標識化基質をコードするDN
A配列を、発現用ベクターに組み込んで、微生物や培養
細胞等の宿主中で発現させることで、宿主中に標識化基
質を生産する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、β−アミロイド前
駆体タンパク質に対して作用するタンパク質分解酵素の
活性の検出に有用な蛍光タンパク質標識を有するタンパ
ク質分解酵素用の標識化基質、この標識化基質をコード
するDNA配列を有し、該標識化基質の宿主での発現を
可能とする組換えベクター、及び該タンパク質分解酵素
用標識化基質または該組換えベクターを用いるタンパク
質分解酵素活性の検出方法、更には該タンパク質分解酵
素による切断部位として利用し得る切断配列ペプチドに
関する。
駆体タンパク質に対して作用するタンパク質分解酵素の
活性の検出に有用な蛍光タンパク質標識を有するタンパ
ク質分解酵素用の標識化基質、この標識化基質をコード
するDNA配列を有し、該標識化基質の宿主での発現を
可能とする組換えベクター、及び該タンパク質分解酵素
用標識化基質または該組換えベクターを用いるタンパク
質分解酵素活性の検出方法、更には該タンパク質分解酵
素による切断部位として利用し得る切断配列ペプチドに
関する。
【0002】
【従来の技術】生体内には様々なタンパク質分解酵素が
あり恒常性の維持に関わるほか、疾病発症に重大な役割
を果たしている。アルツハイマー病発症との関連が深い
と考えられるアミロイドβ-タンパク質(Aβ)は、酵
素反応を介したプロセッシングの過程において、β-ア
ミロイド前駆体(APP)がタンパク質分解酵素の作用
によって分解されて生じてくる。APP分解に関わるタ
ンパク質分解酵素は現在のところ未同定であるが、AP
Pのアミノ酸配列中における切断箇所は既に明らかにさ
れている。APP分解酵素の活性を容易に測定すること
ができれば、生体内でのAPP分解酵素活性の同定、モ
ニタリングだけではなく、APP分解酵素の活性を抑制
するインヒビター開発の効率化が図れる。
あり恒常性の維持に関わるほか、疾病発症に重大な役割
を果たしている。アルツハイマー病発症との関連が深い
と考えられるアミロイドβ-タンパク質(Aβ)は、酵
素反応を介したプロセッシングの過程において、β-ア
ミロイド前駆体(APP)がタンパク質分解酵素の作用
によって分解されて生じてくる。APP分解に関わるタ
ンパク質分解酵素は現在のところ未同定であるが、AP
Pのアミノ酸配列中における切断箇所は既に明らかにさ
れている。APP分解酵素の活性を容易に測定すること
ができれば、生体内でのAPP分解酵素活性の同定、モ
ニタリングだけではなく、APP分解酵素の活性を抑制
するインヒビター開発の効率化が図れる。
【0003】一方、酵素活性の測定における基質の標識
化の技術に関しては、従来、タンパク質分解酵素の基質
ぺプチド内において、ある距離をおいて位置するアミノ
酸側鎖の2箇所の一方に発光色素団、他方に消光団を結
合し、これら色素団の間での蛍光共鳴エネルギー転移
(FRET)を見ることによりタンパク質分解酵素活性
を検出する手法が開発されている(例えば特表平9−5
04778号公報)。
化の技術に関しては、従来、タンパク質分解酵素の基質
ぺプチド内において、ある距離をおいて位置するアミノ
酸側鎖の2箇所の一方に発光色素団、他方に消光団を結
合し、これら色素団の間での蛍光共鳴エネルギー転移
(FRET)を見ることによりタンパク質分解酵素活性
を検出する手法が開発されている(例えば特表平9−5
04778号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、蛍光強
度の強弱変化すなわちモノカラー信号としてタンパク質
分解酵素活性を検出しており、信号の微妙な変化を検出
することが困難であった。更に、従来の手法では基質ペ
プチドのアミノ酸側鎖に煩雑な化学的手法により蛍光色
素を共有結合させる必要があった。また、従来法では、
細胞外からタンパク質分解酵素用基質を導入して細胞内
のタンパク質分解酵素活性を直接検出するような、細胞
内の活性測定は困難であった。
度の強弱変化すなわちモノカラー信号としてタンパク質
分解酵素活性を検出しており、信号の微妙な変化を検出
することが困難であった。更に、従来の手法では基質ペ
プチドのアミノ酸側鎖に煩雑な化学的手法により蛍光色
素を共有結合させる必要があった。また、従来法では、
細胞外からタンパク質分解酵素用基質を導入して細胞内
のタンパク質分解酵素活性を直接検出するような、細胞
内の活性測定は困難であった。
【0005】本発明はこのような従来技術における問題
に鑑みなされたものであり、蛍光信号の微妙な変化を検
出することができ、製造が容易で、かつ検出対象として
の試料が微生物や細胞である場合における試料内でのタ
ンパク質分解酵素活性の検出を可能とする構成を有する
タンパク質分解酵素用の標識化基質、該基質の発現用の
ベクター、該ベクターを用いた標識化基質の製造方法及
び該標識化基質を用いたタンパク質分解酵素活性の検出
方法を提供することにある。
に鑑みなされたものであり、蛍光信号の微妙な変化を検
出することができ、製造が容易で、かつ検出対象として
の試料が微生物や細胞である場合における試料内でのタ
ンパク質分解酵素活性の検出を可能とする構成を有する
タンパク質分解酵素用の標識化基質、該基質の発現用の
ベクター、該ベクターを用いた標識化基質の製造方法及
び該標識化基質を用いたタンパク質分解酵素活性の検出
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のタンパク質分解
酵素用の標識化基質は、β−アミロイド前駆体タンパク
質を分解するタンパク質分解酵素用の基質であって、該
タンパク質分解酵素によって切断され得る切断部位を有
するポリペプチドと、該ポリペプチドのアミノ末端とカ
ルボキシ末端のそれぞれに結合した蛍光タンパク質とを
有し、前記タンパク質分解酵素が、前記β−アミロイド
前駆体タンパク質のアミロイドβ−タンパク質へのプロ
セシングの際に該β−アミロイド前駆体タンパク質を切
断する作用を有するものであり、かつ前記ポリペプチド
が前記切断部位から切断されることでこれらの蛍光タン
パク質からの蛍光特性が変化するものであることを特徴
とする。
酵素用の標識化基質は、β−アミロイド前駆体タンパク
質を分解するタンパク質分解酵素用の基質であって、該
タンパク質分解酵素によって切断され得る切断部位を有
するポリペプチドと、該ポリペプチドのアミノ末端とカ
ルボキシ末端のそれぞれに結合した蛍光タンパク質とを
有し、前記タンパク質分解酵素が、前記β−アミロイド
前駆体タンパク質のアミロイドβ−タンパク質へのプロ
セシングの際に該β−アミロイド前駆体タンパク質を切
断する作用を有するものであり、かつ前記ポリペプチド
が前記切断部位から切断されることでこれらの蛍光タン
パク質からの蛍光特性が変化するものであることを特徴
とする。
【0007】また、本発明のタンパク質分解酵素用標識
化基質発現用の組換えベクターは、プロモーターと、上
記構成の標識化基質をコードするDNA配列と、ベクタ
ー部分とを有し、該プロモーターに該DNA配列が宿主
での発現可能に接続していることを特徴とする。
化基質発現用の組換えベクターは、プロモーターと、上
記構成の標識化基質をコードするDNA配列と、ベクタ
ー部分とを有し、該プロモーターに該DNA配列が宿主
での発現可能に接続していることを特徴とする。
【0008】また、本発明の標識化基質の生産方法は、
上記の構成の組換えベクターを宿主に導入して形質転換
し、得られた形質転換体を培養して該形質転換体に該組
換えベクター中にコードされた標識化基質を生産させる
工程を有することを特徴とする。
上記の構成の組換えベクターを宿主に導入して形質転換
し、得られた形質転換体を培養して該形質転換体に該組
換えベクター中にコードされた標識化基質を生産させる
工程を有することを特徴とする。
【0009】更に、本発明のタンパク質分解酵素切断配
列ペプチドは、β−アミロイド前駆体タンパク質のアミ
ロイドβ−タンパク質へのプロセシングの際に該β−ア
ミロイド前駆体タンパク質を切断する作用を有するタン
パク質分解酵素により切断され得るアミノ酸配列とし
て、Ser-Glu-Val-Lys-Met-Asp-Ala-Glu-Phe-Ile-Ala-Th
rを有することを特徴とする。
列ペプチドは、β−アミロイド前駆体タンパク質のアミ
ロイドβ−タンパク質へのプロセシングの際に該β−ア
ミロイド前駆体タンパク質を切断する作用を有するタン
パク質分解酵素により切断され得るアミノ酸配列とし
て、Ser-Glu-Val-Lys-Met-Asp-Ala-Glu-Phe-Ile-Ala-Th
rを有することを特徴とする。
【0010】また、本発明のタンパク質分解酵素活性の
検出方法は、試料中におけるβ−アミロイド前駆体タン
パク質の分解活性を有するタンパク質分解酵素の酵素活
性を検出する方法であって、試料と、上記構成の標識化
基質とを反応させて、該標識化基質の有するタンパク質
分解酵素による切断部位からの切断による蛍光タンパク
質からの蛍光特性の変化を酵素活性として検出すること
を特徴とする。
検出方法は、試料中におけるβ−アミロイド前駆体タン
パク質の分解活性を有するタンパク質分解酵素の酵素活
性を検出する方法であって、試料と、上記構成の標識化
基質とを反応させて、該標識化基質の有するタンパク質
分解酵素による切断部位からの切断による蛍光タンパク
質からの蛍光特性の変化を酵素活性として検出すること
を特徴とする。
【0011】本発明のタンパク分解酵素用の標識化基質
は、標識物質としての蛍光タンパク質が、タンパク質分
解酵素による切断部位を有するポリペプチドのアミノ末
端(N−末端)とカルボシキ末端(C−末端)に結合し
た構造を有するので、例えば蛍光タンパク質が結合した
状態の基質(標識化基質)をコードするDNA配列を発
現用のベクターに組み込んで、これを宿主に発現させる
ことで、目的とする標識化基質を宿主中に産生させるこ
とができ、基質への蛍光タンパク質の結合という煩雑な
工程を省略することができる。
は、標識物質としての蛍光タンパク質が、タンパク質分
解酵素による切断部位を有するポリペプチドのアミノ末
端(N−末端)とカルボシキ末端(C−末端)に結合し
た構造を有するので、例えば蛍光タンパク質が結合した
状態の基質(標識化基質)をコードするDNA配列を発
現用のベクターに組み込んで、これを宿主に発現させる
ことで、目的とする標識化基質を宿主中に産生させるこ
とができ、基質への蛍光タンパク質の結合という煩雑な
工程を省略することができる。
【0012】更に、タンパク質分解酵素活性の有無を検
出する対象として試料自体がこの宿主としての機能を有
する場合には、試料中で標識化基質を直接産生させるこ
とができ、産生された標識化基質を用いて試料としての
宿主中でのタンパク質分解酵素活性の検出が可能とな
る。すなわち、in vivoでのタンパク質分解酵素活性の
検出が可能となる。
出する対象として試料自体がこの宿主としての機能を有
する場合には、試料中で標識化基質を直接産生させるこ
とができ、産生された標識化基質を用いて試料としての
宿主中でのタンパク質分解酵素活性の検出が可能とな
る。すなわち、in vivoでのタンパク質分解酵素活性の
検出が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の標識化基質は、β−アミ
ロイド前駆体タンパク質からのアミロイドβ−タンパク
質へのプロセシングに関与するタンパク質分解酵素によ
る切断部位を有するポリペプチド部分と、このポリペプ
チド部分のN−末端に結合した蛍光タンパク質と、C−
末端に結合した蛍光タンパク質とを有する。酵素用基質
の両端に蛍光タンパク質を結合する方法としては、例え
ば、蛍光タンパク質をコードするDNA配列を酵素用基
質をコードするDNA配列の5’末端と3’末端に結合
したDNA配列を作成し、これを適当な宿主中で発現さ
せる遺伝子組換え技術を利用した方法が好適に利用でき
る。この方法によれば、酵素用基質に蛍光タンパク質を
共有結合する操作が省略でき、確実かつ効率の良い蛍光
タンパク質での酵素用基質の標識化が可能となる。
ロイド前駆体タンパク質からのアミロイドβ−タンパク
質へのプロセシングに関与するタンパク質分解酵素によ
る切断部位を有するポリペプチド部分と、このポリペプ
チド部分のN−末端に結合した蛍光タンパク質と、C−
末端に結合した蛍光タンパク質とを有する。酵素用基質
の両端に蛍光タンパク質を結合する方法としては、例え
ば、蛍光タンパク質をコードするDNA配列を酵素用基
質をコードするDNA配列の5’末端と3’末端に結合
したDNA配列を作成し、これを適当な宿主中で発現さ
せる遺伝子組換え技術を利用した方法が好適に利用でき
る。この方法によれば、酵素用基質に蛍光タンパク質を
共有結合する操作が省略でき、確実かつ効率の良い蛍光
タンパク質での酵素用基質の標識化が可能となる。
【0014】上記のように蛍光タンパク質で標識化され
た状態の酵素用基質自体をコードするDNA配列は、タ
ンパク質分解酵素の検出対象である試料が、微生物や各
種細胞である場合に、このDNA配列を発現ベクター中
に組み込んでこれらの試料中に導入して、これを発現さ
せることで、試料中で標識化基質を産生させることがで
きる。産生された標識化基質は、試料が分析対象として
のタンパク質分解酵素を持っている場合は、これと反応
し、その反応に基づく蛍光特性の変化を測定することで
タンパク質分解酵素の検出が可能となる。
た状態の酵素用基質自体をコードするDNA配列は、タ
ンパク質分解酵素の検出対象である試料が、微生物や各
種細胞である場合に、このDNA配列を発現ベクター中
に組み込んでこれらの試料中に導入して、これを発現さ
せることで、試料中で標識化基質を産生させることがで
きる。産生された標識化基質は、試料が分析対象として
のタンパク質分解酵素を持っている場合は、これと反応
し、その反応に基づく蛍光特性の変化を測定することで
タンパク質分解酵素の検出が可能となる。
【0015】標識化基質の発現用のベクターは、これを
導入する試料(宿主)の種類に応じて選択したプロモー
ターを、必要に応じて複製開始点、エンハンサー、発現
確認用のマーカー等を有するベクター中に有する構成の
ものを好適に利用することができる。試料(宿主)とし
ては、例えば細菌等の微生物、ヒトや動物由来の各種培
養細胞などを挙げることができる。なお、発現用のベク
ターと標識化酵素の生産用の宿主との組合せを適宜選択
することで、標識化基質を宿主内に生産させたり、宿主
外に分泌生産させることもできる。宿主内に生産させた
標識化酵素は、通常の各種分離、精製方法を用いて単離
することができる。
導入する試料(宿主)の種類に応じて選択したプロモー
ターを、必要に応じて複製開始点、エンハンサー、発現
確認用のマーカー等を有するベクター中に有する構成の
ものを好適に利用することができる。試料(宿主)とし
ては、例えば細菌等の微生物、ヒトや動物由来の各種培
養細胞などを挙げることができる。なお、発現用のベク
ターと標識化酵素の生産用の宿主との組合せを適宜選択
することで、標識化基質を宿主内に生産させたり、宿主
外に分泌生産させることもできる。宿主内に生産させた
標識化酵素は、通常の各種分離、精製方法を用いて単離
することができる。
【0016】酵素用基質としては、宿主での発現が可能
であり、タンパク質分解酵素によって特異的に切断され
る部位を有するものが利用され、タンパク質分解酵素の
種類に応じて選択あるいは設計できる。その一例とし
て、例えば、先に挙げた配列番号:1のアミノ酸配列を
有するペプチドを挙げることができる。
であり、タンパク質分解酵素によって特異的に切断され
る部位を有するものが利用され、タンパク質分解酵素の
種類に応じて選択あるいは設計できる。その一例とし
て、例えば、先に挙げた配列番号:1のアミノ酸配列を
有するペプチドを挙げることができる。
【0017】一方、酵素用基質に結合させる蛍光タンパ
ク質としては、酵素用基質の両端に結合している状態で
の蛍光特性と、酵素用基質がタンパク質分解酵素によっ
て切断された場合における蛍光特性とが異なるものが利
用される。このような切断前後での蛍光特性の変化を提
供し得る蛍光タンパク質の組合せとしては、蛍光共鳴エ
ネルギー転移(FRET)の供与体と受容体の組合せを形成し
得るものを挙げることができる。例えば、酵素用基質の
アミノ末端に結合した蛍光タンパク質とカルボキシ末端
に結合した蛍光タンパク質とで、これら蛍光タンパク質
の励起に必要な励起光の波長及び励起状態での放射光の
波長が異なる組合せを好適なものとして例示できる。こ
のような励起放射光の波長が異なる組合せの好ましい例
としては、アミノ末端に結合した蛍光タンパク質とカル
ボキシ末端に結合した蛍光タンパク質の一方が、緑色蛍
光タンパク質(GFP)であり、他方が青色蛍光タンパク
質(BFP)である組合せを挙げることができ、励起放射
光の色変化評価を用いてタンパク質分解酵素活性の検出
における高精度化を達成できる。
ク質としては、酵素用基質の両端に結合している状態で
の蛍光特性と、酵素用基質がタンパク質分解酵素によっ
て切断された場合における蛍光特性とが異なるものが利
用される。このような切断前後での蛍光特性の変化を提
供し得る蛍光タンパク質の組合せとしては、蛍光共鳴エ
ネルギー転移(FRET)の供与体と受容体の組合せを形成し
得るものを挙げることができる。例えば、酵素用基質の
アミノ末端に結合した蛍光タンパク質とカルボキシ末端
に結合した蛍光タンパク質とで、これら蛍光タンパク質
の励起に必要な励起光の波長及び励起状態での放射光の
波長が異なる組合せを好適なものとして例示できる。こ
のような励起放射光の波長が異なる組合せの好ましい例
としては、アミノ末端に結合した蛍光タンパク質とカル
ボキシ末端に結合した蛍光タンパク質の一方が、緑色蛍
光タンパク質(GFP)であり、他方が青色蛍光タンパク
質(BFP)である組合せを挙げることができ、励起放射
光の色変化評価を用いてタンパク質分解酵素活性の検出
における高精度化を達成できる。
【0018】FRETは蛍光分子間の距離に依存した励起状
態の相互作用であり、隣接して存在する一方の蛍光分子
の発光と他方の励起とがカップリングして起きる。例え
ば、GFPとBFPの組合せを用いた酵素用基質に380nm付近
の励起用の光を照射するとBFPから440nm付近の光が放射
されるが、BFPにGFPが充分近接して位置するため、BFP
からの光はGFPに励起光として吸収され全体として酵素
用基質からは510nm付近の放射光が観察されることにな
る。一方、酵素用基質がタンパク質分解酵素によってBF
PとGFPをつなぐポリペプチド部分で切断されると、両蛍
光タンパク質はFRETを起こすほど近接して位置しなくな
るために380nm付近の光を照射するとBFPからの440nm付
近の放射光のみが観測され、このことによって、サンプ
ル中のタンパク質分解酵素の存在を検出することが可能
になる。このように、FRETを利用する場合には、励起光
の波長が異なり、かつ一方の蛍光タンパク質からの励起
状態での放射光が他方の蛍光タンパク質の励起光となる
ような2種の蛍光タンパク質の組合せが好適に用いられ
る。
態の相互作用であり、隣接して存在する一方の蛍光分子
の発光と他方の励起とがカップリングして起きる。例え
ば、GFPとBFPの組合せを用いた酵素用基質に380nm付近
の励起用の光を照射するとBFPから440nm付近の光が放射
されるが、BFPにGFPが充分近接して位置するため、BFP
からの光はGFPに励起光として吸収され全体として酵素
用基質からは510nm付近の放射光が観察されることにな
る。一方、酵素用基質がタンパク質分解酵素によってBF
PとGFPをつなぐポリペプチド部分で切断されると、両蛍
光タンパク質はFRETを起こすほど近接して位置しなくな
るために380nm付近の光を照射するとBFPからの440nm付
近の放射光のみが観測され、このことによって、サンプ
ル中のタンパク質分解酵素の存在を検出することが可能
になる。このように、FRETを利用する場合には、励起光
の波長が異なり、かつ一方の蛍光タンパク質からの励起
状態での放射光が他方の蛍光タンパク質の励起光となる
ような2種の蛍光タンパク質の組合せが好適に用いられ
る。
【0019】本発明の標識化基質を用いたタンパク質分
解酵素活性の検出は、タンパク質分解酵素活性の検出対
象としての試料とこの標識化基質とを、タンパク質分解
酵素活性が有効に作用し得る条件下で反応させて、反応
の前と後での蛍光特性の変化を測定し、得られた測定値
に基づいて試料中のタンパク質分解酵素活性の活性の有
無、あるいは活性の強度を求めることによって行うこと
ができる。この検出のための各操作自体については公知
の方法を利用することができる。
解酵素活性の検出は、タンパク質分解酵素活性の検出対
象としての試料とこの標識化基質とを、タンパク質分解
酵素活性が有効に作用し得る条件下で反応させて、反応
の前と後での蛍光特性の変化を測定し、得られた測定値
に基づいて試料中のタンパク質分解酵素活性の活性の有
無、あるいは活性の強度を求めることによって行うこと
ができる。この検出のための各操作自体については公知
の方法を利用することができる。
【0020】
【実施例】以下実施例により、β−アミロイド前駆体タ
ンパク質に対するタンパク質分解酵素活性の検出に有用
な標識化基質の生産について詳述する。
ンパク質に対するタンパク質分解酵素活性の検出に有用
な標識化基質の生産について詳述する。
【0021】実施例1 まずあらかじめ、APP分解酵素用の基質をコードする
遺伝子配列の設計を行った。APP分解酵素用基質の遺
伝子配列を設計するためにはAPPの配列中で分解酵素
によって切断される配列を含むペプチドのアミノ(N)
末側、カルボキシ(C)末側にそれぞれGFP、BFP
が配置されるだけでなく、フォールディングしたタンパ
ク質上においてGFP、BFPが正しく折りたたまれ、
かつ基質ペプチドがAPP分解酵素によって認識・切断
されるためにタンパク質表面上に配置させる必要があ
る。そこでGFPの3次構造(PDBデータバンク)と
APP分解酵素切断配列を元にコンピュータモデリング
の手法によりBFPのC末端、APP分解酵素切断配列
ペプチド、GFPのN末端がスムーズなループ構造でつ
がるようにAPP分解酵素切断配列ペプチドを設計し、
配列 (Ser-Glu-Val-Lys-Met-Asp-Ala-Glu-Phe-Ile-Ala-
Thr:配列番号:1)を確定した。さらに分子動力学計算
によりこの融合タンパク質の安定性を確かめた。上述の
遺伝子配列設計に基づき、APP分解酵素切断配列含有
タンパク質分解酵素基質遺伝子配列の構築を、以下の方
法で行った。
遺伝子配列の設計を行った。APP分解酵素用基質の遺
伝子配列を設計するためにはAPPの配列中で分解酵素
によって切断される配列を含むペプチドのアミノ(N)
末側、カルボキシ(C)末側にそれぞれGFP、BFP
が配置されるだけでなく、フォールディングしたタンパ
ク質上においてGFP、BFPが正しく折りたたまれ、
かつ基質ペプチドがAPP分解酵素によって認識・切断
されるためにタンパク質表面上に配置させる必要があ
る。そこでGFPの3次構造(PDBデータバンク)と
APP分解酵素切断配列を元にコンピュータモデリング
の手法によりBFPのC末端、APP分解酵素切断配列
ペプチド、GFPのN末端がスムーズなループ構造でつ
がるようにAPP分解酵素切断配列ペプチドを設計し、
配列 (Ser-Glu-Val-Lys-Met-Asp-Ala-Glu-Phe-Ile-Ala-
Thr:配列番号:1)を確定した。さらに分子動力学計算
によりこの融合タンパク質の安定性を確かめた。上述の
遺伝子配列設計に基づき、APP分解酵素切断配列含有
タンパク質分解酵素基質遺伝子配列の構築を、以下の方
法で行った。
【0022】BFP遺伝子を含むベクター「pEBF
P」(クロンテック社製)を鋳型とし、5’センスプラ
イマー:5'-CTGCAGATGGTGAGCAAGGGCGAGG-3'(配列番
号:2)と3'アンチセンスプライマー:5'-GAATTCGGCAT
CCATCTTAACTTCACTCTTGTACAGCTCGTCCATGCCGAGAGTGATCCC-
3'(配列番号:3)を用いてポリメラーゼ増幅反応(P
CR)を行った。具体的には100μlの反応液中に5
0ngの「pEBFP」、0.2μMのプライマー、
0.2mMのdNTP、10mMのTris−Cl(p
H8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl
2及び2.5Uの「Takara Taq」(宝酒造)
を含有させ、これに対し「95℃で1分、55℃で2
分、72℃で2分(最後のサイクルでは72℃、7
分)」の処理を30サイクル行った。これにより得られ
たPCR産物を0.6%アガロースゲル電気泳動と「S
uprec01」(宝酒造)を用いて精製した。精製し
たPCR産物を制限酵素「Pst I」、「Bam H
I」(宝酒造)で37℃、3時間の切断処理を行った
後、フェノール・クロロホルム抽出とエタノール沈殿
[村松、ラボマニュアル遺伝子工学、第29−33頁、
丸善(1990)]によって精製した。得られた制限酵
素切断PCR産物を、同じく制限酵素「PstI」、
「BamHI」(宝酒造)で37℃、3時間の切断処
理、フェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿を
行ったGFP遺伝子を含むベクター「pEGFP−N
3」(クロンテック社製)に「Takara Liga
tion Kit」(宝酒造)を用いて挿入した。得ら
れたプラスミドを大腸菌JM109コンピテントセル
(宝酒造)に導入し、カナマイシンを含むLB培地(1
%トリプトン、0.5%イーストエクストラクト、0.
5%塩化ナトリウム、30μg/mlカナマイシン)で
37℃、20時間培養した。カナマイシンに抵抗性を示
す形質転換体の中からEGFP、EBFPおよびAPP
分解酵素基質に対するコーディングを含むクローンを選
択、培養し、プラスミドを抽出した。以上の結果得られ
たプラスミドの制限酵素地図と作成手順を図1に示し
た。
P」(クロンテック社製)を鋳型とし、5’センスプラ
イマー:5'-CTGCAGATGGTGAGCAAGGGCGAGG-3'(配列番
号:2)と3'アンチセンスプライマー:5'-GAATTCGGCAT
CCATCTTAACTTCACTCTTGTACAGCTCGTCCATGCCGAGAGTGATCCC-
3'(配列番号:3)を用いてポリメラーゼ増幅反応(P
CR)を行った。具体的には100μlの反応液中に5
0ngの「pEBFP」、0.2μMのプライマー、
0.2mMのdNTP、10mMのTris−Cl(p
H8.3)、50mMのKCl、1.5mMのMgCl
2及び2.5Uの「Takara Taq」(宝酒造)
を含有させ、これに対し「95℃で1分、55℃で2
分、72℃で2分(最後のサイクルでは72℃、7
分)」の処理を30サイクル行った。これにより得られ
たPCR産物を0.6%アガロースゲル電気泳動と「S
uprec01」(宝酒造)を用いて精製した。精製し
たPCR産物を制限酵素「Pst I」、「Bam H
I」(宝酒造)で37℃、3時間の切断処理を行った
後、フェノール・クロロホルム抽出とエタノール沈殿
[村松、ラボマニュアル遺伝子工学、第29−33頁、
丸善(1990)]によって精製した。得られた制限酵
素切断PCR産物を、同じく制限酵素「PstI」、
「BamHI」(宝酒造)で37℃、3時間の切断処
理、フェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿を
行ったGFP遺伝子を含むベクター「pEGFP−N
3」(クロンテック社製)に「Takara Liga
tion Kit」(宝酒造)を用いて挿入した。得ら
れたプラスミドを大腸菌JM109コンピテントセル
(宝酒造)に導入し、カナマイシンを含むLB培地(1
%トリプトン、0.5%イーストエクストラクト、0.
5%塩化ナトリウム、30μg/mlカナマイシン)で
37℃、20時間培養した。カナマイシンに抵抗性を示
す形質転換体の中からEGFP、EBFPおよびAPP
分解酵素基質に対するコーディングを含むクローンを選
択、培養し、プラスミドを抽出した。以上の結果得られ
たプラスミドの制限酵素地図と作成手順を図1に示し
た。
【0023】このプラスミドを、大腸菌JM109コン
ピテントセル(宝酒造)に導入し、これを形質転換し
て、BFPとGFPとが末端に結合した標識化基質を大
腸菌内に生産させた。生産された標識化基質は、定法に
より菌体から分離精製し、タンパク質分解酵素活性の検
出に好適に利用可能であった。
ピテントセル(宝酒造)に導入し、これを形質転換し
て、BFPとGFPとが末端に結合した標識化基質を大
腸菌内に生産させた。生産された標識化基質は、定法に
より菌体から分離精製し、タンパク質分解酵素活性の検
出に好適に利用可能であった。
【0024】
【発明の効果】本発明ではタンパク質分解酵素用の基質
の両端に、例えば蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の供与
体と受容体の組合せを形成し、かつ励起波長及び放射波
長の異なる2種の蛍光タンパク質を結合させた融合タン
パク質をコードする組換え遺伝子を作製し、この組換え
遺伝子を細菌等の微生物や、ヒトまたは動物由来の各種
培養細胞に導入し発現させることで、タンパク質分解酵
素用の標識化基質の作製が容易になる。
の両端に、例えば蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の供与
体と受容体の組合せを形成し、かつ励起波長及び放射波
長の異なる2種の蛍光タンパク質を結合させた融合タン
パク質をコードする組換え遺伝子を作製し、この組換え
遺伝子を細菌等の微生物や、ヒトまたは動物由来の各種
培養細胞に導入し発現させることで、タンパク質分解酵
素用の標識化基質の作製が容易になる。
【0025】更に、上記のような蛍光共鳴エネルギー転
移(FRET)の供与体と受容体の組合せを形成する2種の蛍
光タンパク質を用いることで、信号の微妙な変化を検出
することが可能となる。
移(FRET)の供与体と受容体の組合せを形成する2種の蛍
光タンパク質を用いることで、信号の微妙な変化を検出
することが可能となる。
【0026】一方、検出対象試料が、この組換え遺伝子
を導入した細菌等の微生物や、ヒトまたは動物由来の培
養細胞を用いることにより、in vivoでの分解酵素活性
の検出において励起放射光の色変化評価を用いて高精度
化を達成できる。
を導入した細菌等の微生物や、ヒトまたは動物由来の培
養細胞を用いることにより、in vivoでの分解酵素活性
の検出において励起放射光の色変化評価を用いて高精度
化を達成できる。
【0027】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110>NEC Corporation <120>Substrate for protease having protease cleavage sequence of β-amyl oid precurser and Expression vector thereof <130>34103478 <160>3 <210>1 <211>12 <212>PRT <213>Artificial Sequence <400>1 Ser Glu Val Lys Met Asp Ala Glu Phe Ile Ala Thr 1 5 10 <210>2 <211>25 <212>DNA <213>Artificial Sequence <400>2 ctgcagatgg tgagcaaggg cgagg 25 <210>3 <211>60 <212>PRT <213>Artificial Sequence <400>3 gaattcggca tccatcttaa cttcactctt gtacagctcg tccatgccga gagtgatccc 60
【図1】蛍光タンパク質によって標識したβーアミロイ
ド前駆体タンパク質の分解酵素に対する基質の発現用の
組換えDNAの構造を示す図である。
ド前駆体タンパク質の分解酵素に対する基質の発現用の
組換えDNAの構造を示す図である。
1 青色蛍光タンパク質BFPの遺伝子をもつベクターpEB
FP(4.7kb) 2 BFP遺伝子 3 センスプライマー 4 アンチセンスプライマー 5 APP分解酵素切断配列を含む基質ペプチドをコー
ドするDNA配列 6 緑色蛍光タンパク質GFPの遺伝子をもつベクター
pEGFP(4.7kb) 7 マルチクローニング部位 8 GFP遺伝子 9 APP分解酵素に対する基質発現用組換えベクター
FP(4.7kb) 2 BFP遺伝子 3 センスプライマー 4 アンチセンスプライマー 5 APP分解酵素切断配列を含む基質ペプチドをコー
ドするDNA配列 6 緑色蛍光タンパク質GFPの遺伝子をもつベクター
pEGFP(4.7kb) 7 マルチクローニング部位 8 GFP遺伝子 9 APP分解酵素に対する基質発現用組換えベクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 寛生 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA20 BA80 CA05 CA07 DA01 DA02 DA05 DA06 DA11 EA04 GA11 HA01 4B063 QA01 QA19 QQ05 QQ07 QQ08 QQ09 QQ36 QR48 QR57 QR66 QS03 QS05 QS38 QS39 QX02 4B064 AG01 CA01 CA02 CA19 CC01 CC24 DA01 DA13 4H045 AA10 AA20 AA30 BA41 CA40 EA50 FA74
Claims (13)
- 【請求項1】 β−アミロイド前駆体タンパク質を分解
するタンパク質分解酵素用の基質であって、 該タンパク質分解酵素によって切断され得る切断部位を
有するポリペプチドと、該ポリペプチドのアミノ末端と
カルボキシ末端のそれぞれに結合した蛍光タンパク質と
を有し、 前記タンパク質分解酵素が、前記β−アミロイド前駆体
タンパク質のアミロイドβ−タンパク質へのプロセシン
グの際に該β−アミロイド前駆体タンパク質を切断する
作用を有するものであり、 かつ前記ポリペプチドが前記切断部位から切断されるこ
とでこれらの蛍光タンパク質からの蛍光特性が変化する
ものであることを特徴とする標識化基質。 - 【請求項2】 前記切断部位が、Ser-Glu-Val-Lys-Met-
Asp-Ala-Glu-Phe-Ile-Ala-Thrで示されるアミノ酸配列
を有する請求項1に記載の標識化基質。 - 【請求項3】 前記アミノ末端に結合した蛍光タンパク
質と前記カルボキシ末端に結合した蛍光タンパク質は、
蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)の供与体と受容体の組合
せを形成し得るものである請求項1または2に記載の標
識化基質。 - 【請求項4】 前記アミノ末端に結合した蛍光タンパク
質と前記カルボキシ末端に結合した蛍光タンパク質は、
これら蛍光タンパク質の励起に必要な励起光の波長及び
励起状態での放射光の波長が異なるものである請求項1
〜3のいずれかに記載の標識化基質。 - 【請求項5】 前記アミノ末端に結合した蛍光タンパク
質と前記カルボキシ末端に結合した蛍光タンパク質の一
方が、緑色蛍光タンパク質であり、他方が青色蛍光タン
パク質である請求項1〜4のいずれかに記載の標識化基
質。 - 【請求項6】 プロモーターと、請求項1〜5のいずれ
かに記載の標識化基質をコードするDNA配列と、ベク
ター部分とを有し、該プロモーターに該DNA配列が宿
主での発現可能に接続していることを特徴とするタンパ
ク質分解酵素用標識化基質の発現用の組換えベクター。 - 【請求項7】 前記宿主が微生物であり、前記プロモー
ターが微生物中で機能し得るものである請求項6に記載
の組換えベクター。 - 【請求項8】 前記微生物が細菌である請求項7に記載
の組換えベクター。 - 【請求項9】 前記宿主が真核細胞であり、前記プロモ
ーターが真核細胞中で機能し得るものである請求項6に
記載の組換えベクター。 - 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載の組換
えベクターを宿主に導入して形質転換し、得られた形質
転換体を培養して該形質転換体に該組換えベクター中に
コードされた標識化基質を生産させる工程を有すること
を特徴とする標識化基質の製造方法。 - 【請求項11】 β−アミロイド前駆体タンパク質のア
ミロイドβ−タンパク質へのプロセシングの際に該β−
アミロイド前駆体タンパク質を切断する作用を有するタ
ンパク質分解酵素により切断され得るアミノ酸配列とし
て、Ser-Glu-Val-Lys-Met-Asp-Ala-Glu-Phe-Ile-Ala-Th
rを有することを特徴とするタンパク質分解酵素切断配
列ペプチド。 - 【請求項12】 試料中におけるβ−アミロイド前駆体
タンパク質の分解活性を有する蛋白分解酵素の酵素活性
を検出する方法であって、試料と請求項1〜5のいずれ
かに記載の標識化基質とを反応させて、該標識化基質の
有するタンパク質分解酵素による切断部位からの切断に
よる蛍光タンパク質からの蛍光特性の変化を酵素活性と
して検出することを特徴とするタンパク質分解酵素活性
の検出方法。 - 【請求項13】 前記試料が微生物または真核細胞であ
り、請求項6〜9のいずれかに記載の組換えベクターを
該試料中に導入して、該試料中で該組換えベクターの有
する標識化基質をコードするDNA配列を発現させて産
生される標識化基質を用いて試料中のタンパク質分解酵
素活性を検出する請求項12に記載の検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189232A JP2001017177A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | β−アミロイド前駆体タンパク質の酵素切断配列を含有するタンパク質分解酵素用基質及びその発現用ベクター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189232A JP2001017177A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | β−アミロイド前駆体タンパク質の酵素切断配列を含有するタンパク質分解酵素用基質及びその発現用ベクター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001017177A true JP2001017177A (ja) | 2001-01-23 |
Family
ID=16237819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11189232A Pending JP2001017177A (ja) | 1999-07-02 | 1999-07-02 | β−アミロイド前駆体タンパク質の酵素切断配列を含有するタンパク質分解酵素用基質及びその発現用ベクター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001017177A (ja) |
-
1999
- 1999-07-02 JP JP11189232A patent/JP2001017177A/ja active Pending
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