JP2001017162A - 凍結解凍細胞の細胞洗浄方法及び細胞洗浄装置 - Google Patents

凍結解凍細胞の細胞洗浄方法及び細胞洗浄装置

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JP2001017162A
JP2001017162A JP19445299A JP19445299A JP2001017162A JP 2001017162 A JP2001017162 A JP 2001017162A JP 19445299 A JP19445299 A JP 19445299A JP 19445299 A JP19445299 A JP 19445299A JP 2001017162 A JP2001017162 A JP 2001017162A
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nucleated cell
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Masaya Sumida
政哉 澄田
Shuji Terajima
修司 寺嶋
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Asahi Medical Co Ltd
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/20Heating or cooling

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡便な操作で、迅速に凍結解凍後の細胞液か
ら凍害保護剤を洗浄除去し必要な細胞のみを分離回収す
る方法及び装置を提供する。 【解決手段】 有核細胞を実質的に捕捉し、凍害保護剤
を実質的に通過させる、少なくとも入口と出口を有する
有核細胞捕捉手段1と、該有核細胞捕捉手段の入口より
上流に接続される、少なくとも凍害保護剤と有核細胞を
含む凍結解凍後の有核細胞含有液を前記有核細胞捕捉手
段1に注入する回路と、該有核細胞捕捉手段の入口より
上流または出口より下流に接続される、該有核細胞捕捉
手段1に洗浄用液体を導入する回路と、該有核細胞捕捉
手段の入口より上流または出口より下流に接続される該
有核細胞捕捉手段1に細胞回収液を導入する回路と、該
有核細胞捕捉手段の入口より上流または出口より下流に
接続される該有核細胞捕捉手段1から細胞を回収する回
路とからなる細胞洗浄装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は凍結解凍後に凍害保護剤
を洗浄除去し必要な細胞のみを分離回収する装置及び方
法に関する。得られた細胞は造血幹細胞移植療法等、細
胞を用いて行う各種疾病の治療及び免疫学や細胞生物学
等の基礎科学分野で用いることが可能となる。
【0002】
【従来技術】臍帯血幹細胞は、ドナー侵襲皆無の造血幹
細胞移植ソースとして注目を集めており、欧米諸国を中
心にさかんに臨床応用が試みられている。臍帯血幹細胞
は、他の造血幹細胞移植、すなわち、骨髄移植あるいは
末梢血幹細胞移植のようにドナーから採取されてすぐ患
者に移植されることはまれであるので、採取時から使用
時まで保存しておくことが必要である(特に非血縁者間
移植の場合)。通常、細胞の凍結保存に際しては、凍結
による損傷を防ぐ目的でジメチルスルホキシド(以下D
MSOと略す)などの凍害保護剤が細胞浮遊液に添加さ
れる。ジメチルスルホキシドは細胞毒性があるため、本
来ならば解凍後、患者への輸注前に洗浄除去されるべき
であるが、従来の洗浄操作は解凍後の細胞浮遊液を遠心
チューブに移し、洗浄液を添加した後遠心分離を行い、
上清を除去するといった操作を繰り返す大変煩雑な、長
時間を要する作業であった。したがって、DMSOの除
去・非除去を比較して明らかに除去した方が臨床結果が
良いというデータが出ている(Kurtzberg,e
t al:New England J.Med.,3
35,157−166,1996)にもかかわらず、臨
床現場ではほとんどが洗浄無しの輸注が行われているの
が実状であった。ところで、特開平7−313587号
公報には望ましくない要素を混合された血液から望まし
くない要素を取り除く遠心分離装置が開示されている。
同公報には凍結解凍後の細胞液からの凍害保護剤の除去
は開示されていないものの、同方式を応用して凍害保護
剤の除去は可能ではあると考えられる。同方式は光学的
センサーの使用等により操作を自動化しており、従来の
遠心法の問題点である作業の煩雑さは若干改善されてい
るものの、いまだ長時間を要する操作であり、また同公
報の9ページに示されるような大掛かりな装置を用いる
という問題点がある。臨床現場においては移植前処置と
して致死的放射線照射/抗癌剤投与を施された移植患者
が無菌室にて待機しており、一刻でも早い細胞の輸注が
必須であるため、解凍後の洗浄操作に長時間を要するの
は極めて好ましくなく、迅速な洗浄方法の開発が待望さ
れていた。一方、特開平8−104643号公報には赤
血球と造血幹細胞および/または造血前駆細胞を含む細
胞集団を、実質的に赤血球は透過し、白血球は捕捉する
フィルターに通液した後、前記通液方向とは逆方向の液
流を惹起させ、捕捉された白血球を回収する方法が開示
されている。しかしながら、同公報はABO不適合移植
時に問題となる赤血球の除去が主要な技術課題であっ
て、凍結解凍後の凍害保護剤除去とは全く異なる技術思
想である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡便
な操作で、迅速に凍結解凍後の細胞液から凍害保護剤を
洗浄除去し必要な細胞のみを分離回収する方法及び装置
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる問題
点を解決すべく、まずは遠心法の改良から手がけて鋭意
検討を進めた。そして、遠心法を用いている限りは洗浄
操作の極端な時間短縮は困難であり、全く原理の異なる
技術手段を用いる必要があると結論付けた。本発明者ら
はさらに種々の技術手段を検討し、中でも通常は洗浄工
程とは無縁の、必要細胞と不要細胞の分離に用いる細胞
分離フィルターに着目しさらに鋭意検討を進めた。その
結果、凍結解凍後の細胞液から凍害保護剤を極めて短時
間で除去できるという驚くべき効果を見出し、本発明を
完成するにいたった。すなわち、本発明は少なくとも凍
害保護剤と有核細胞を含む、凍結解凍後の有核細胞含有
液を、有核細胞を実質的に捕捉し、凍害保護剤を実質的
に通過させる有核細胞捕捉手段に導入し、凍害保護剤を
該有核細胞捕捉手段から導出させ、次に該有核細胞捕捉
手段に洗浄液を導入して該有核細胞捕捉手段に残存する
凍害保護剤を洗浄除去し、その後さらに該有核細胞捕捉
手段に回収液を導入して捕捉されている有核細胞を該有
核細胞捕捉手段から回収することを特徴とする凍結解凍
細胞の細胞洗浄方法である。また本発明は有核細胞を捕
捉し、凍害保護剤を通過させるフィルターであって、フ
ィルターの容量が5ml以上100ml以下で、フィル
ター容器の熱伝導率が0.0001cal・cm−1
−1・K−1以上であることを特徴とする凍結解凍後
有核細胞洗浄用の細胞洗浄フィルターである。また本発
明は有核細胞を実質的に捕捉し、凍害保護剤を実質的に
通過させる、少なくとも入口と出口を有する有核細胞捕
捉手段と、該有核細胞捕捉手段の入口より上流に接続さ
れる、少なくとも凍害保護剤と有核細胞を含む凍結解凍
後の有核細胞含有液を前記有核細胞捕捉手段に注入する
回路と、該有核細胞捕捉手段の入口より上流または出口
より下流に接続される、該有核細胞捕捉手段に洗浄用液
体を導入する回路と、該有核細胞捕捉手段の入口より上
流または出口より下流に接続される該有核細胞捕捉手段
に細胞回収液を導入する回路と、該有核細胞捕捉手段の
入口より上流または出口より下流に接続される該有核細
胞捕捉手段から細胞を回収する回路とからなる細胞洗浄
装置である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言う凍害保護剤とは細胞の凍結保存時に凍害防
止を目的として添加されるものであり、代表的なものは
ジメチルスルホキシドであるが、他にグリセリン、ヒド
ロキシエチルデンプン、デキストラン、トレハロース、
アルブミン、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。
本発明で言う有核細胞とは細胞内に核を有する細胞のこ
とを言い、たとえば白血球、顆粒球、好中球、好塩基
球、好酸球、骨髄球、赤芽球、リンパ球、Tリンパ球、
ヘルパーTリンパ球、細胞傷害性Tリンパ球、サプレッ
サーTリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、NKT細胞、
単球、マクロファージ、樹状細胞、破骨細胞、骨芽細
胞、造血幹細胞/前駆細胞(以下、造血幹細胞と略
す)、線維芽細胞、軟骨芽細胞、間葉系幹/前駆細胞
(storoma stem cell)などがあげら
れる。これらを含む細胞含有液としては末梢血、骨髄、
臍帯血(臍帯血管から採取されたものだけでなく、胎盤
血管から採取されたものも含む)、リンパ液及びこれら
に遠心分離等何らかの処理を施したもの、あるいは各種
臓器や組織から抽出した細胞を何らかの液体に再浮遊さ
せたものがあげられる。本発明で言う凍結解凍後の有核
細胞含有液とは前述の凍害保護剤と有核細胞が混合され
て凍結したものを解凍したものを言う。この際、解凍後
に生理的液体で希釈したものも含む。希釈に用いる生理
的液体としては細胞に悪影響を及ぼすものでなければい
かなる液体も使用でき、生理食塩水、D―PBS(ダル
ベッコリン酸塩緩衝液)、HBSS(ハンクス液)等の
緩衝液、RPMI1640などの培地があげられる。ま
たこれらの液体には栄養補給、細胞膜保護、抗凝固作用
付与、凝集塊の溶解等の必要に応じ、デキストラン、ヒ
ドロキシエチルデンプン、アルブミン、グロブリン、グ
ルコース、サッカロース、トレハロース、CPD(ci
trate−phosphate−dextros
e)、ACD(acid−citrate−dextr
ose)、EDTA、ヘパリン、プラスミン、DNAs
e等を添加してもよい。
【0006】本発明における、有核細胞を実質的に捕捉
し、凍害保護剤を実質的に通過させる有核細胞捕捉手段
としては、たとえば有核細胞を捕捉する材料を充填した
液体流入口と液体流出口とを有する容器があげられる。
有核細胞を捕捉する材料としては通常用いられている細
胞捕捉材であればいかなる材料も使用できるが、成形
性、滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ましいものを
例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合
成高分子、アガロース、セルロース、酢酸セルロース、
キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子、ヒド
ロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無
機材料、ステンレス、チタン、アルミニム等の金属があ
げられる。また、これらの捕捉材はそのままでも使用す
ることができるが、細胞の選択的通過または捕捉を行う
等の必要に応じて表面改質を施したものでもよい。例え
ば、血小板通過性を高めるにはWO87/05812公
報で提案されている非イオン性親水基と塩基性含窒素官
能基とを有するポリマーのコートによる方法等があげら
れる。細胞の選択的捕捉を行う場合、その方法として、
アミノ酸、ペプチド、糖類、糖タンパク(抗体、接着分
子等のバイオリガンドを含む)といった特定の細胞に親
和性のあるリガンドを、例えば特開平2−261833
号公報で提案されているハロアセトアミド法により固定
する方法等があげられる。また、捕捉材の形状として
は、粒状、繊維塊、織布、不織布、スポンジ状構造体、
平板等があげられるが、体積あたりの表面積が大きいと
いう点で粒状、繊維塊、織布、不織布、スポンジ状構造
体が好ましく、取り扱い性の点から、繊維塊、織布、不
織布、スポンジ状構造体といった多孔質構造体がさらに
好ましく、なかでも不織布、スポンジ状構造体が細胞液
の流れ性、製造性の点から最も好ましい。
【0007】不織布を用いる場合、抗CD34モノクロ
ーナル抗体等の特定の細胞に特異的に結合するいわゆる
バイオリガンド類を表面に固定しないときは、通常、繊
維径は1.0μm以上30μm以下であり、好ましくは
1.0μm以上20μm以下であり、さらにより好まし
くは1.5μm以上10μm以下である。1.0μm未
満では回収必要細胞が強固に捕捉されてしまい回収困難
となる可能性があり、好ましくない。30μmを越える
と、回収必要細胞が繊維に捕捉されず素通りする可能性
が高くなる。いずれの場合でも回収率の低下につながる
おそれがあるので好ましくない。また、スポンジ状構造
体を用いる場合、孔径は通常2.0μm以上25μm以
下であり、好ましくは3.0μm以上20μm以下であ
り、さらにより好ましくは4.0μm以上15μm以下
である。2.0μm未満では流れ性が著しく劣り、通液
自体が困難になるおそれがあり、また25μmを超える
と回収必要細胞の捕捉率が低下し、回収率の低下を招く
ので好ましくない。有核細胞を捕捉する材料を充填した
液体流入口と液体流出口とを有する容器の材質として
は、成形性や滅菌性に優れ、細胞毒性が低いという点で
好ましいものを例示すると、ポリエチレン、ポリプロポ
レン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリ
ウレタン、塩化ビニル等の合成高分子、ヒドロキシアパ
タイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ス
テンレス、チタン、アルミニウム等の金属があげられる
が、これらに限定されるものではない。本発明で言う有
核細胞を実質的に捕捉するとは、細胞含有液中の有核細
胞を60%以上捕捉することを言う。
【0008】本発明においては有核細胞捕捉手段から凍
害保護剤を導出させた後に、該有核細胞捕捉手段に残存
する凍害保護剤を洗浄除去するために該有核細胞捕捉手
段に洗浄液を導入するが、洗浄液としては、細胞に悪影
響を及ぼすものでなければいかなる液体も使用でき、生
理食塩水、D―PBS(ダルベッコリン酸塩緩衝液)、
HBSS(ハンクス液)等の緩衝液、RPMI1640
などの培地があげられる。またこれらの液体には栄養補
給、細胞膜保護、抗凝固作用付与、凝集塊の溶解等の必
要に応じ、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン、
アルブミン、グロブリン、グルコース、サッカロース、
トレハロース、CPD(citrate−phosph
ate−dextrose)、ACD(acid−ci
trate−dextrose)、EDTA、ヘパリ
ン、プラスミン、DNAse等を添加してもよい。洗浄
液の導入方向としては、有核細胞含有液の導入方向と同
一方向と逆方向の二つがあるが、同一方向が好ましい。
逆方向では、この洗浄操作により捕捉されている有核細
胞が漏出してしまうおそれがある。本発明においては有
核細胞捕捉手段に回収液を導入して捕捉されている有核
細胞を回収するが、回収液としては細胞に悪影響を及ぼ
すものでなければいかなる液体も使用でき、生理食塩
水、D―PBS(ダルベッコリン酸塩緩衝液)、HBS
S(ハンクス液)等の緩衝液、RPMI1640などの
培地があげられる。またこれらの液体には栄養補給、細
胞膜保護、抗凝固作用付与、粘度向上(回収率の向上に
有効な場合がある)等の必要に応じ、デキストラン、ヒ
ドロキシエチルデンプン、アルブミン、グロブリン、グ
ルコース、サッカロース、トレハロース、CPD(ci
trate−phosphate−dextros
e)、ACD(acid−citrate−dextr
ose)、EDTA、ヘパリン等を添加してもよい。回
収液の導入方向としては、有核細胞含有液の導入方向と
同一方向と逆方向の二つがあるが、逆方向の方が細胞回
収率が高い傾向があるので好ましい。
【0009】ところで、凍害保護剤としてDMSOが選
択された場合、DMSOと細胞の高温での長時間の接触
は避けた方が好ましいとされている。通常、解凍は37
℃で行われるので有核細胞含有液は概ねこの温度まで上
昇している。この有核細胞含有液の液温低下を促すこと
を目的に一連の操作の全てまたは一部を冷却下で行って
もよい。冷却の方法としては細胞捕捉手段をウォーター
ジャケットや冷剤で冷却する、低温室で操作を行う等が
あげられるがこれらに限定するものではない。また、現
在、解凍温度は37℃が一般に用いられているが、本発
明により、解凍後即冷却下での迅速洗浄が可能となる
と、解凍温度を37℃以上、例えば50℃付近にあげる
ことで、さらに解凍に要する時間が短くなり、操作時間
の短縮につながることが期待される。ただし、この場合
といえども、80℃以上の高温を用いることは、たとえ
冷却したとしても細胞へのダメージが危惧されるため、
好ましい温度範囲としては80℃未満が好ましい。本発
明による細胞洗浄フィルターにおいてフィルター容量は
5ml以上100ml以下であることが好ましい。5m
l未満では充填できる濾材の量が極端に少なくなり、細
胞捕捉能が低下する。100mlを超えると洗浄や回収
に必要な液体量が増え、コスト高になり好ましくない。
また、本発明による細胞洗浄フィルターのフィルター容
器の熱伝導率は0.0001cal・cm−1・s−1
・K −1以上であることが好ましい。熱伝導率が0.0
001cal・cm−1・s−1・K−1未満では有核
細胞含有液の冷却(放冷または冷蔵庫に入れる、冷剤を
フィルターに接触させる等の強制冷却)が充分に行われ
ない可能性がある。本発明による細胞洗浄方法は、凍結
保護剤の除去だけでなく、全血を凍結保存した際に解凍
後に破壊赤血球から発生する遊離ヘモグロビンや、細胞
断片の洗浄除去にも好適に用いられる。
【0010】
【実施例】以下に実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【実施例1】(1)細胞洗浄装置の作製 容器外寸(縦×横×厚み)41×41×18mmで液体
流出口と液体流入口を対角線上に持つポリカーボネート
製容器(フィルター容量約11ml、熱伝導率0.00
046cal・cm−1・s−1・K−1)の入口側に
平均繊維径2.3μmのポリエステル不織布18枚を、
出口側に平均繊維径12μmのポリエステル不織布16
枚を充填し細胞洗浄フィルターとした。なお、充填密度
は0.2g/cm 、有効濾過面積12.25cm
、有効濾過長12.4mmであった。また、この細
胞洗浄フィルターに血小板通過性を付与する目的で、親
水性ポリマーのコーティングを行った。すなわち、ヒド
ロキシエチルメタクリレート・ジメチルアミノエチルメ
タクリレート共重合体(ヒドロキシエチルメタクリレー
トとジメチルアミノエチルメタクリレートのモル比=9
7:3)の1%エタノール溶液を該フィルターの入口側
から通液した後、窒素ガスを通して乾燥させた。この細
胞洗浄器に回路を接続し、図1の細胞洗浄装置とした。 (2)細胞含有液の調製 臍帯全血を公知(たとえば斎藤、他:日本輸血学会誌、
44巻、1号、1998年)のヒドロキシエチルデンプ
ン(以下HESと略す)による赤血球沈降除去法とDM
SOを用いる凍結保存法により凍結した後解凍したもの
を細胞含有液とした。すなわち、臍帯全血に6%HES
加生理食塩水溶液を添加し、50G、10℃で5分間遠
心後、上清を回収して更に400G、10℃で10分間
遠心した。上清を除去し、総容積20mlの有核細胞濃
厚液とした。この有核細胞濃厚液を凍結バッグに移し、
DMSOと10%デキストラン40注加生理食塩水溶液
を最終濃度がそれぞれ10%、1%となるように、凍結
バッグを氷冷しながらシリンジポンプで添加した。凍結
バッグは−80℃のディープフリーザーで凍結した。凍
結1日後に凍結バッグを取り出し、37℃のウオーター
バスにて解凍したものを細胞含有液とした。 (3)細胞洗浄操作 (2)で調製した細胞含有液入り凍結バッグをすみやか
に(1)で作製した細胞洗浄装置のスパイク2に刺し、
三方活栓4を細胞回収バッグ6方向のみ閉、三方活栓5
を細胞洗浄器1とドレインバッグ3が連通する方向にそ
れぞれ回し、落差で通液した。なお、細胞洗浄器1には
冷剤を接触させており、冷却下(約4℃)での通液が行
われるようにした。次に凍結バッグと冷蔵庫で冷却(約
4℃)しておいた500ml生理食塩水バッグを交換
し、細胞洗浄器1内に残存する凍害保護剤、破壊赤血球
による遊離ヘモグロビンなどを洗い流す目的で落差で通
液した。その後、冷蔵庫で冷却(約4℃)しておいた
1.25%ヒト血清アルブミン加生理食塩水溶液50m
lの入った50mlシリンジを三方活栓5に接続し、三
方活栓4はスパイク方向のみ閉、三方活栓5はドレイン
バッグ方向のみ閉となるように回し、シリンジのプラン
ジャーを手で押して、液体流入口から細胞を細胞回収バ
ッグ6に回収した。 (4)分析 白血球数は多項目自動血球分析装置(シスメックス社S
F3000)を用いて測定し、白血球回収率を算出し
た。また、細胞のバイアビリティは公知のトリパンブル
ー排除法にて測定した。さらに、in vitro造血
機能アッセイとして公知のメチルセルロース培地(St
em Cell Technologies社製Met
hocult GF4434V)を用いるコロニーアッ
セイを原料血液、洗浄後細胞液について行い、コロニー
形成細胞回収率を算出した。 (5)結果 結果のまとめを表1に示す。原料血液からみた凍結解凍
洗浄後の白血球回収率は80.6%と高値であった。ま
た、バイアビリティは90%であり、さらに、原料血液
からみた凍結解凍洗浄後のコロニー形成細胞回収率は8
2%と高値であった。また、細胞洗浄に要した時間は約
4分と短時間であった。
【表1】
【0011】
【比較例1】細胞洗浄操作を行わない以外は実施例1と
同様の実験を行った。 (1)結果 結果のまとめを表2に示す。原料血液からみた凍結解凍
洗浄後の白血球回収率は83.8%と高値であったもの
の、バイアビリティ、コロニー形成細胞回収率はそれぞ
れ57%、36.8%と低く、ジメチルスルホキシドが
細胞にダメージを与えたことが示唆された。
【表2】
【0012】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば簡便な
操作で、迅速に凍結解凍後の細胞液から凍害保護剤を洗
浄除去し必要な細胞のみを分離回収できるので、臨床現
場での省力化に貢献するところ大であり、また幹細胞移
植の生着率向上にも貢献することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた細胞洗浄装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 細胞洗浄器 2 スパイク 3 ドレインバッグ 4 三方活栓 5 三方活栓 6 細胞回収バッグ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも凍害保護剤と有核細胞を含
    む、凍結解凍後の有核細胞含有液を、有核細胞を実質的
    に捕捉し、凍害保護剤を実質的に通過させる有核細胞捕
    捉手段に導入し、凍害保護剤を該有核細胞捕捉手段から
    導出させ、次に該有核細胞捕捉手段に洗浄液を導入して
    該有核細胞捕捉手段に残存する凍害保護剤を洗浄除去
    し、その後さらに該有核細胞捕捉手段に回収液を導入し
    て捕捉されている有核細胞を該有核細胞捕捉手段から回
    収することを特徴とする凍結解凍細胞の細胞洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記全てのあるいは一部の操作を冷却下
    で行う請求項1に記載の細胞洗浄方法。
  3. 【請求項3】 有核細胞含有液がさらに遊離ヘモグロビ
    ン及び/または細胞断片を含み、有核細胞捕捉手段がさ
    らに遊離ヘモグロビン及び/または細胞断片を実質的に
    通過させるものである請求項1または2に記載の細胞洗
    浄方法。
  4. 【請求項4】 有核細胞含有液が全血に凍害保護剤を加
    えて凍結保存され、解凍されたものである請求項3に記
    載の細胞洗浄方法。
  5. 【請求項5】 有核細胞を捕捉し、凍害保護剤を通過さ
    せるフィルターであって、フィルターの容量が5ml以
    上100ml以下で、フィルター容器の熱伝導率が0.
    0001cal・cm−1・s−1・K−1以上である
    ことを特徴とする凍結解凍後有核細胞洗浄用の細胞洗浄
    フィルター。
  6. 【請求項6】 有核細胞を実質的に捕捉し、凍害保護剤
    を実質的に通過させる、少なくとも入口と出口を有する
    有核細胞捕捉手段と、該有核細胞捕捉手段の入口より上
    流に接続される、少なくとも凍害保護剤と有核細胞を含
    む凍結解凍後の有核細胞含有液を前記有核細胞捕捉手段
    に注入する回路と、該有核細胞捕捉手段の入口より上流
    または出口より下流に接続される、該有核細胞捕捉手段
    に洗浄用液体を導入する回路と、該有核細胞捕捉手段の
    入口より上流または出口より下流に接続される該有核細
    胞捕捉手段に細胞回収液を導入する回路と、該有核細胞
    捕捉手段の入口より上流または出口より下流に接続され
    る該有核細胞捕捉手段から細胞を回収する回路とからな
    る細胞洗浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110903952A (zh) * 2019-11-06 2020-03-24 天晴干细胞股份有限公司 一种利用保护液及胎盘挤压器分离提纯胎盘血及复苏的方法
CN111701097A (zh) * 2020-07-14 2020-09-25 北京佳宸弘生物技术有限公司 一种脐带血造血干细胞解冻后清洗装置及基于其的解冻清洗与保存方法

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