JP2001016047A - 歪み発生器、プリディストータおよび歪み補償器 - Google Patents

歪み発生器、プリディストータおよび歪み補償器

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JP2001016047A
JP2001016047A JP11181803A JP18180399A JP2001016047A JP 2001016047 A JP2001016047 A JP 2001016047A JP 11181803 A JP11181803 A JP 11181803A JP 18180399 A JP18180399 A JP 18180399A JP 2001016047 A JP2001016047 A JP 2001016047A
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distortion
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circuit
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predistorter
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Toru Maniwa
透 馬庭
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Fujitsu Ltd
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、能動回路の非線形な入出力特性の
補償に供される歪みを生成する歪み発生器と、この歪み
発生器が適用されてなるプリディストータと歪み補償器
とに関し、ハードウエアの規模の削減に併せて、入力さ
れる主信号の広範なレベルに適応して安定に特性が維持
されることを目的とする。 【解決手段】 非線形性を有する被補償回路10が入力
された主信号に応じて生成する歪みに対して振幅スペク
トラムが同じであり、かつ位相スペクトラムが相反する
と共に、この主信号の成分を含まない歪みがその主信号
に応じて生成される非線形領域に動作点が設定された能
動回路11と、能動回路11と被補償回路10とによっ
て個別に生成される歪みが所望の精度で相殺されるレベ
ルに、その能動回路11に入力される主信号のレベルを
設定するレベル調整手段12とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、能動回路の非線形
な入出力特性の補償に供される歪みをその能動回路に入
力される主信号に応じて生成する歪み発生器と、この歪
み発生器が適用されてなるプリディストータと歪み補償
器とに関する。
【0002】
【従来の技術】CDMA(Code Division Multiple Acce
ss) 方式は、本来的に秘匿性と耐干渉性とを有し、かつ
同一チャネル干渉の抑圧と無線周波数の効率的な再利用
とが可能な多元接続方式であるために、移動通信システ
ムにも積極的に適用されつつある。
【0003】また、このような移動通信システムに収容
される端末装置では、遠近問題の解決を目的として数十
デシベルに亘って広範に送信電力制御が行われ、その送
信電力制御を実現する電力増幅器として、電力効率が高
い非線形増幅器(以下、単に「非線形増幅器」とい
う。)とその非線形増幅器の前段に配置されたプリディ
ストータとの組み合わせが多く適用されている。
【0004】従来、上述したプリディストータとして
は、例えば、(1) ソースおよびドレインが接地されたF
ET121と、そのFET121のゲートと非線形増幅
器(図示されない。)の入力端との間に縦続接続された
コンデンサ122、抵抗器123およびインダクタ12
4からなる「第一のプリディストータ」(図12(a))
と、(2) その非線形増幅器の前段に配置され、かつ縦続
接続された増幅器125-1、コンデンサ126-1、12
6-2および増幅器125-2と、これらのコンデンサ12
6-1、126-2の接続点に一端が接続されると共に、他
端が直接接地されたダイオード127と、この接続点と
直流電源線とに接続された抵抗器128とからなる「第
二のプリディストータ」(図12(b))と、(3) 同様に非
線形増幅器の前段に配置され、かつ両端に結合コンデン
サ129-1、129-2が個別に接続されると共に並列に
配置されたダイオード130-1〜130-3と、これらの
結合コンデンサ129-1とダイオード130-1〜130
-3の一端との接続点と直流電源線との間に配置されたイ
ンダクタ131-1と、その直流電源線に付加されたデカ
ップリング・コンデンサ132と、ダイオード130-1
〜130-3の他端と結合コンデンサ129-2の他端との
接続点の接地に供されるインダクタ131-2とからなる
「第三のプリディストータ」(図11(c))と、(4) 図1
3に示すように、非線形増幅器の入力端に結合出力が接
続されたハイブリッド141と、そのハイブリッドの一
方の結合入力に一端が接続され遅延線142と、その遅
延線142の他端に一方の分波出力が接続され、かつ分
波入力に主信号が与えられるハイブリッド143と、そ
のハイブリッド143の他方の分波出力に分波入力が接
続されたハイブリッド144と、そのハイブリッド14
4の一方の分波出力に一端が接続された遅延線145
と、この遅延線145の他端に一方の結合入力が接続さ
れたハイブリッド146と、そのハイブリッド146の
結合出力とハイブリッド141の他方の結合入力との間
に配置された抵抗器147と、ハイブリッド144の他
方の分波出力とハイブリッド146の他方の結合入力と
の間に縦続接続された非線形増幅器148および抵抗器
149とからなる「第四のプリディストータ」とがあ
る。
【0005】これらのプリディストータの内、第一ない
し第三のプリディストータについては、FET121あ
るいはダイオード127、130-1〜130-3は、後段
に配置される非線形増幅器がその非線形増幅器に直接入
力された主信号に応じて発生する歪みに対して、レベル
が等しく、かつ位相が反対である歪みの発生が可能であ
る特性を有する能動素子として選択される。
【0006】さらに、これらのレベルや位相が達成され
るFET121およびダイオード127、130-1〜1
30-3の動作点と励振レベルとは、 ・ コンデンサ122、抵抗器123、インダクタ12
4の諸元値、 ・ 増幅器125-1、125-2の利得、入出力インピー
ダンスおよびコンデンサ126-1、126-2、抵抗器1
28の諸元値および直流電源線の電位Vc、 ・ コンデンサ129-1、129-2、インダクタ131
-1、131-2の諸元値および直流電源線の電位VF 、 としてそれぞれ設定される。
【0007】したがって、これらのプリディストータの
後段に配置された非線形増幅器では、電力効率が高く維
持されつつその非線形増幅器の内部で発生した歪みが軽
減され、あるいは抑圧される。また、第四のプリディス
トータでは、ハイブリッド141、144は分岐入力に
与えられた主信号の電力を2つの方路に等分する分波器
として作動し、かつハイブリッド144、146は2つ
の合波入力に与えられた信号を合成する合波器として作
動する。
【0008】また、遅延線142の遅延時間は、ハイブ
リッド143の他方の分岐出力からハイブリッド141
の他方の結合入力に至る区間の総合的な伝搬遅延時間に
等しい値に予め設定される。さらに、遅延線145の遅
延時間は、非線形増幅器148および抵抗器149の伝
搬遅延時間の総和に等しい値に予め設定される。なお、
抵抗器147、149については、それぞれレベルダイ
ヤグラムの調整や対応する段間のインピーダンスの整合
に供されるが、以下では、簡単のため、その機能および
連係動作にかかわる説明を省略する。
【0009】ハイブリッド143に与えられた主信号の
内、そのハイブリッド143の一方の分岐出力に伝達さ
れた主信号(以下、「第一の主信号」という。)は、遅
延線142を介してハイブリッド141に与えられる。
【0010】一方、ハイブリッド143の他方の分岐出
力に伝達された主信号(以下、「第二の主信号」とい
う。)は、さらに、ハイブリッド144を介して非線形
増幅器148と遅延線145とに並行して与えられる。
なお、以下では、非線形増幅器148と遅延線145と
に与えられる主信号をそれぞれ「第三の主信号」および
「第四の主信号」という。
【0011】非線形増幅器148は、ハイブリッド14
1の後段に配置されるべき非線形増幅器が有する非線形
性に適合し、その非線形増幅器で発生する歪みに対して
所望の精度でレベルが等しく、かつ位相が反対である歪
み(以下、「前置歪み」という。)を含むと共に、位相
が第四の主信号の位相と反対である主信号(以下、「第
五の主信号」という。)を上述した第三の主信号に応じ
て生成する。
【0012】ハイブリッド146は、その第五の主信号
と上述した第四の主信号とを合成することによって、こ
の第四の主信号の成分を所定の精度で抑圧し、かつ前置
歪みの主要な成分からなる信号(以下、「補償信号」と
いう。)を生成する。さらに、ハイブリッド141は、
この補償信号と遅延線142を介して与えられる第一の
主信号とを合成し、かつこれらの信号を非線形増幅器に
与える。
【0013】したがって、第四のプリディストータは、
非線形増幅器148の特性および各部のレベルダイヤグ
ラムが適正に設定されることによって、既述の第一ない
し第三のプリディストータに比べて、プリディストーシ
ョン法に基づく歪み補償が精度よく行われる。なお、上
述した第一ないし第三のプリディストータに類似の先行
技術としては、例えば、1998年電子情報通信学会総
合大会B-5-3、1998年電子情報通信学会通信ソサイエ
ティ大会B-5-4、B-5-41その他に掲載されるように、所定
の伝送情報に応じて変調された主信号を非線形増幅器に
与える変調部がベースバンド領域で行う信号処理の過程
において、その非線形増幅器の非線形性の逆特性の伝達
特性(変調特性)を実現する技術(以下、このような技
術の適用の下で実現される歪み補償器を「第五のプリデ
ィストータ」という。)もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
一ないし第三のプリディストータでは、入力される主信
号のレベルと後段の非線形増幅器に入力されるべき主信
号のレベルとの比がそのレベルの如何にかかわらずほぼ
一定であるために、この非線形増幅器で生じる歪みが所
望の精度で補償される主信号のレベルは、数デシベルの
範囲に限られる。
【0015】したがって、第一ないし第三のプリディス
トータは、例えば、CDMA方式の移動通信システムに
アクセスする端末装置のように、遠近問題の解決を目的
として数十デシベルに亘って広範に送信電力制御が行わ
れるべき機器には、電力効率の低下が許容されない限
り、適用され難かった。また、第四のプリディストータ
については、構成要素の特性の偏差等に柔軟に適応しつ
つ所望の特性が達成されるためには、各部の利得および
移相量が適宜調整されなければならない。さらに、温
度、外乱、駆動電力その他の動作環境の変動に対するそ
の特性の変動が許容可能な範囲に抑えられるためには、
部品の選定や熱設計について厳しい制約が課され、かつ
製造時だけではなく保守や運用の過程でも調整が必要で
あるためにコスト高であった。
【0016】さらに、第五のプリディストータについて
は、ベースバンド領域における既述の信号処理が所望の
実時間性および精度で達成されるためには、規模が大き
いハードウエアが適用されなければならなかった。した
がって、第五のプリディストータは、IC化やLSI化
の過程におけるチップ上のレイアウトと、モジュール
(パッケージ)化の過程における回路基板上のレイアウ
トとについて制約が伴い、かつ上述した信号処理が行わ
れるべき情報の情報量や処理速度が高いほど消費電力が
増加するために、実際には適用され難かった。
【0017】本発明は、ハードウエアの規模の削減に併
せて、入力される主信号の広範なレベルに適応して安定
に特性が維持される歪み発生器、プリディストータおよ
び歪み補償器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1に記載
の発明の原理ブロック図である。
【0019】請求項1に記載の発明は、非線形性を有す
る被補償回路10が入力された主信号に応じて生成する
歪みに対して振幅スペクトラムが同じであり、かつ位相
スペクトラムが相反すると共に、この主信号の成分を含
まない歪みがその主信号に応じて生成される非線形領域
に動作点が設定された能動回路11と、能動回路11と
被補償回路10とによって個別に生成される歪みが所望
の精度で相殺されるレベルに、その能動回路11に入力
される主信号のレベルを設定するレベル調整手段12と
を備えたことを特徴とする。
【0020】図2は、請求項2、4〜9に記載の発明の
原理ブロック図である。請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の歪み発生器21と、歪み発生器21が主信
号に応じて生成した歪みをプリディストーション法に基
づいて適用し、被補償回路10が有する非線形性を補償
する前置補償手段22とを備えたことを特徴とする。
【0021】図3は、請求項3、10〜15に記載の発
明の原理ブロック図である。請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の歪み発生器21と、歪み発生器21が
主信号に応じて生成した歪みをフィードフォワード法に
基づいて適用し、被補償回路10が有する非線形性を補
償する併置補償手段23とを備えたことを特徴とする。
【0022】請求項4に記載の発明は、入力された主信
号を複数の方路に分配する分配手段31と、請求項1に
記載され、かつ分配手段31から一方の方路を介して与
えられる主信号に応じて歪みを生成する歪み発生器32
と、分配手段31から他方の方路を介して与えられる主
信号と歪み発生器32によって生成された歪みとを合成
し、これらの歪みと主信号とを被補償回路10に与える
合成手段33とを備えたことを特徴とする。
【0023】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のプリディストータにおいて、他方の方路に配置され、
かつ歪み発生器32の伝搬遅延時間に等しい伝搬遅延時
間を有する遅延手段34を備えたことを特徴とする。請
求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載
のプリディストータにおいて、歪み発生器32と遅延手
段34との双方あるいは何れか一方の利得は、合成手段
33を介して与えられる主信号に応じて被補償回路10
が生成する歪みと、その主信号と共にこの合成手段34
を介して与えられる歪みとが所望の精度で相殺される値
に設定されたことを特徴とする。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項4または
請求項5に記載のプリディストータにおいて、合成手段
33と遅延手段34との双方あるいは何れか一方は、歪
み発生手段32の出力からこれらの合成手段33および
遅延手段34を介して分配手段31に至る帰還を抑圧す
る手段を有することを特徴とする。請求項8に記載の発
明は、請求項7に記載のプリディストータにおいて、合
成手段33と遅延手段34との双方あるいは何れか一方
が有する手段は、出力端から入力端に至る帰還路を有さ
ず、あるいはその帰還路の帰還率が所望の上限置以下に
設定されたことを特徴とする。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項4ないし
請求項8の何れか1項に記載のプリディストータにおい
て、被補償回路10の利得に応じて歪み発生器32を構
成する能動回路11に設定され得る動作点が予め記憶さ
れた記憶手段41と、記憶手段41に記憶された動作点
の内、被補償回路10に設定されるべき利得に対応した
動作点を能動回路11に設定する制御手段42とを備え
たことを特徴とする。
【0026】請求項10に記載の発明は、入力された主
信号を複数の方路に分配する分配手段51と、請求項1
に記載され、かつ分配手段51から一方の方路を介して
主信号が与えられ、その主信号に応じて歪みを生成する
歪み発生器52と、歪み発生器52によって生成された
歪みと分配手段51から他方の方路および被補償回路1
0を介して与えられた主信号と歪みとを合成し、これら
の歪みを相殺する合成手段53とを備えたことを特徴と
する。
【0027】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の歪み補償器において、被補償回路10の前段と後
段との双方あるいは何れか一方に配置され、歪み発生器
52とこの被補償回路10との伝搬遅延時間の差分に等
しい伝搬遅延時間を有する遅延手段54を備えたことを
特徴とする。請求項12に記載の発明は、請求項10ま
たは請求項11に記載の歪み補償器において、歪み発生
器52と遅延手段54との双方あるいは何れか一方の利
得は、他方の方路を介して与えられる主信号に応じて被
補償回路10が生成する歪みと、その主信号と共にこの
歪み発生器52を介して与えられる歪みとが所望の精度
で相殺される値に設定されたことを特徴とする。
【0028】請求項13に記載の発明は、請求項10ま
たは請求項11に記載の歪み補償器において、合成手段
53と遅延手段54との双方あるいは何れか一方は、歪
み発生器52の出力からこれらの合成手段53、遅延手
段54および被補償回路10を介して分配手段51の入
力端に至る帰還を抑圧する手段を有することを特徴とす
る。
【0029】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の歪み補償器において、合成手段53と遅延手段5
4との双方あるいは何れか一方が有する手段は、出力端
から入力端に至る帰還路を有さず、あるいはその帰還路
の帰還率が所望の上限置以下に設定された能動回路とし
て構成されたことを特徴とする。請求項15に記載の発
明は、請求項10ないし請求項14の何れか1項に記載
の歪み補償器において、被補償回路10の利得に応じて
歪み発生器52を構成する能動回路11に設定され得る
動作点が予め記憶された記憶手段61と、記憶手段61
に記憶された動作点の内、被補償回路10に設定される
べき利得に対応した動作点を能動回路11に設定する制
御手段62とを備えたことを特徴とする。
【0030】請求項1に記載の発明にかかわる歪み発生
器では、能動回路11は、非線形領域に動作点が設定さ
れることによって、被補償回路10が入力された主信号
に応じて生成する歪みに対して振幅スペクトラムが同じ
であり、かつ位相スペクトラムが相反すると共に、この
主信号の成分を含まない歪みをその主信号に応じて生成
する。レベル調整手段12は、上述した能動回路11と
被補償回路10とによって個別に生成される歪みが所望
の精度で相殺されるレベルに、その能動回路11に入力
されるべき主信号のレベルを設定する。
【0031】すなわち、能動回路11は、レベル調整手
段12を介して与えられる主信号に応じてその主信号の
成分を含まず、かつ被補償回路12が入力された主信号
に応じて生成する歪みの相殺に供される歪みを直接生成
する。したがって、本発明にかかわる歪み発生器が適用
されてなる歪み補償器は、上述した主信号の成分の抑圧
に要する各部の利得や移相量の調整を実現するハードウ
エアが搭載されることなく、高い電力効率の維持と直線
性とを安価に実現する。
【0032】請求項2に記載の発明にかかわるプリディ
ストータでは、前置補償手段22は、請求項1に記載の
歪み発生器21が主信号に応じて生成した歪みをプリデ
ィストーション法に基づいて適用し、その歪み発生器2
1に搭載された被補償回路10が有する非線形性を補償
する。このような歪み発生器21は従来例に比べて高い
電力効率で被補償回路10の非直線性を確度高く補償す
ることができるので、伝送品質の改善とランニングコス
トの低減とが可能となる。
【0033】請求項3に記載の発明にかかわる歪み補償
器では、併置補償手段23は、請求項1に記載の歪み発
生器21が主信号に応じて生成した歪みをフィードフォ
ワード法に基づいて適用し、被補償回路10が有する非
線形性を補償する。このような歪み発生器21は従来例
に比べて高い電力効率で被補償回路10の非直線性を確
度高く補償することができるので、伝送品質の改善とラ
ンニングコストの低減とが可能となる。
【0034】請求項4に記載の発明にかかわるプリディ
ストータでは、分配手段31は、入力された主信号を複
数の方路に分配する。歪み発生器32は、分配手段31
から一方の方路を介して与えられる主信号に応じて歪み
を生成する。合成手段33は、分配手段31から他方の
方路を介して与えられる主信号と歪み発生器32によっ
て生成された歪みとを合成し、これらの歪みと主信号と
を被補償回路10に与える。
【0035】すなわち、歪み発生器32は、分配手段3
1を介して与えられる主信号に応じてその主信号の成分
を含まず、かつ被補償回路10が直接入力された主信号
に応じて生成する歪みの相殺に供される歪みを生成す
る。したがって、このような歪みの生成の過程で上述し
た主信号の成分の抑圧に利得や移相量の調整が必要であ
る従来例に比べて、電力効率が高められ、かつ高い直線
性が安価に確保される。
【0036】請求項5に記載の発明にかかわるプリディ
ストータでは、請求項4に記載のプリディストータにお
いて、遅延手段34は、分配手段31から他方の方路を
介して与えられる主信号に歪み発生器32の伝搬遅延時
間に等しい遅延を与える。すなわち、合成手段33に
は、上述した他方の方路と歪み発生器32とを介してそ
れぞれ主信号と歪みとが両者の位相の差が補正されつつ
並行して与えられる。
【0037】したがって、主信号の周波数が高く、ある
いは歪み発生器32の伝搬遅延時間が大きい場合であっ
ても、電力効率および直線性が高く維持される。請求項
6に記載の発明にかかわるプリディストータでは、請求
項4または請求項5に記載のプリディストータにおい
て、歪み発生器32と遅延手段34との双方あるいは何
れか一方の利得は、合成手段33を介して与えられる主
信号に応じて被補償回路10が生成する歪みと、その主
信号と共にこの合成手段34を介して与えられる歪みと
が所望の精度で相殺される値に設定される。
【0038】すなわち、請求項4または請求項5に記載
のプリディストータに比べて、被補償回路10の非直線
性は、歪み発生器32や遅延手段34の入出力特性の相
違に起因して低下することなく確度高く補償される。請
求項7に記載の発明にかかわるプリディストータでは、
請求項4または請求項5に記載のプリディストータにお
いて、合成手段33と遅延手段34との双方あるいは何
れか一方は、歪み発生手段32の出力からこれらの合成
手段33および遅延手段34を介して分配手段31に至
る帰還を抑圧する。
【0039】すなわち、上述した帰還に伴う無用な電力
の消費が回避され、かつ被補償回路10の非直線性の補
償に供されるべき歪みが精度よく生成されるので、請求
項4または請求項5に記載のプリディストータに比べて
電力効率および直線性が高められる。請求項8に記載の
発明にかかわるプリディストータでは、請求項7に記載
のプリディストータにおいて、合成手段33と遅延手段
34との双方あるいは何れか一方が有する手段は、出力
端から入力端に至る帰還路を有さず、あくいはその帰還
路の帰還率が所望の上限置以下に設定された能動回路と
して構成される。
【0040】このような能動回路は、ディスクリート部
品からなる回路、あるいは立体回路に比べて、一般に、
IC化やLSI化による小型化が可能であると共に、回
路方式や適用された能動部品の特性に応じたアイソレー
ション特性を有する。したがって、性能が高く維持され
つつ請求項7に記載のプリディストータに比べて小型化
および実装にかかわる制約の緩和がはかられる。
【0041】請求項9に記載の発明にかかわるプリディ
ストータでは、請求項4ないし請求項8の何れか1項に
記載のプリディストータにおいて、記憶手段41には、
被補償回路10の利得に応じて歪み発生器32を構成す
る能動回路11に設定され得る動作点が予め記憶され
る。制御手段42は、この記憶手段41に記憶された動
作点の内、被補償回路10に設定されるべき利得に対応
した動作点を能動回路11に設定する。
【0042】すなわち、被補償回路10に入力されるべ
き主信号、あるいはその被補償回路10の出力に得られ
るべき主信号のレベルが広範に変化し得る場合であって
も、上述した動作点が所望の精度で予め与えられ、かつ
記憶手段41に記憶される限り、電力効率に併せて直線
性が高く維持される。請求項10に記載の発明にかかわ
る歪み補償器では、分配手段51は、入力された主信号
を複数の方路に分配する。歪み発生器52は、分配手段
51から一方の方路を介して与えられる主信号に応じて
歪みを生成する。合成手段53は、歪み発生器52によ
って生成された歪みと分配手段51から他方の方路およ
び被補償回路10を介して与えられた主信号と歪みとを
合成し、これらの歪みを相殺する。
【0043】すなわち、歪み発生器52は、分配手段5
1を介して与えられた主信号に応じてその主信号の成分
を含まず、かつ被補償回路10が入力された主信号に応
じて生成する歪みの相殺に供される歪みを直接生成す
る。したがって、この歪みの生成の過程で上述した主信
号の成分の抑圧に利得や移相量の調整が必要である場合
に比べて、電力効率が高められ、かつ高い直線性が安価
に確保される。
【0044】請求項11に記載の発明にかかわる歪み補
償器では、請求項10に記載の歪み補償器において、遅
延手段54は、被補償回路10の前段と後段との双方あ
るいは何れか一方ち配置され、かつ歪み発生器52とこ
の被補償回路10との伝搬遅延時間の差分に等しい遅延
を与える。
【0045】すなわち、合成手段53には、被補償回路
10によって生成された歪みとその被補償回路10によ
って何らかの処理が施された主信号と、歪み発生器52
によって生成された歪みとがこれらの歪みの位相の偏差
が圧縮されつつ並行して与えられる。したがって、主信
号の周波数が高く、あるいは歪み発生器52の伝搬遅延
時間が大きい場合であっても、電力効率と直線性とが高
く維持される。
【0046】請求項12に記載の発明にかかわる歪み補
償器では、請求項10または請求項11に記載の歪み補
償器において、歪み発生器52と遅延手段54との双方
あるいは何れか一方の利得は、他方の方路を介して与え
られる主信号に応じて被補償回路10が生成する歪み
と、その主信号と共にこの歪み発生器52を介して与え
られる歪みとが所望の精度で相殺される値に設定され
る。
【0047】すなわち、請求項10または請求項11に
記載の歪み補償器に比べて、被補償回路10の非直線性
は、歪み発生器52や遅延手段54の入出力特性の相違
に起因して伴う低下することなく確度高く補償される。
請求項13に記載の発明にかかわる歪み補償器では、請
求項10または請求項11に記載の歪み補償器におい
て、合成手段53と遅延手段54との双方あるいは何れ
か一方は、歪み発生器52の出力からこれらの合成手段
53、遅延手段54および被補償回路10を介して分配
手段51の入力端に至る帰還を抑圧する。
【0048】すなわち、上述した帰還に伴う無用な電力
の消費が回避され、かつ非補償回路10の非直線性の補
償に供されるべき歪みが精度よく生成されるので、請求
項10または請求項11に記載の歪み補償器に比べて電
力効力および直線性が高められる。請求項14に記載の
発明にかかわる歪み補償器では、請求項13に記載の歪
み補償器において、合成手段53と遅延手段54との双
方あるいは何れか一方が有する手段は、出力端から入力
端に至る帰還路を有さず、あるいはその帰還路の帰還率
が所望の上限値以下に設定された能動回路として構成さ
れる。
【0049】このような能動回路は、ディスクリート部
品からなる回路あくいは立体回路に比べて、一般に、I
C化やLSI化による小型化が可能であると共に、回路
方式や適用された能動部品の特性に応じたアイソレーシ
ョン特性を有する。したがって、請求項13に記載の歪
み補償器に比べて、性能が高く維持され、かつ小型化お
よび実装にかかわる制約の緩和がはかられる。
【0050】請求項15に記載の発明にかかわる歪み補
償器では、請求項10ないし請求項14の何れか1項に
記載の歪み補償器において、記憶手段61には、被補償
回路10の利得に応じて歪み発生器52を構成する能動
回路11に設定され得る動作点が予め記憶される。制御
手段62は、この記憶手段51に記憶された動作点の
内、被補償回路10に設定されるべき利得に対応した動
作点を能動回路11に選定する。
【0051】すなわち、非補償回路10に入力されるべ
き主信号、あるいはその被補償回路10の出力に得られ
るべき主信号のレベルが広範に変化し得る場合であって
も、上述した動作点が所望の精度で予め与えられ、かつ
記憶手段51に記憶される限り、電力効率に併せて直線
性が高く維持される。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態について詳細に説明する。
【0053】図4は、請求項1、2、4、5、10、1
1に記載の発明に対応した実施形態を示す図である。図
において、図13に示すものと機能および構成が同じも
のについては、同じ符号を付与し、ここでは、その説明
を省略することとする。本実施形態と図13に示す従来
例との構成の相違点は、ハイブリッド144、146、
遅延線145、非線形増幅器148および抵抗器14
7、149に代えて下記の歪み発生器70が備えられた
点にある。
【0054】歪み発生器70は、初段に配置された結合
コンデンサ71-1と、ゲートがその結合コンデンサ71
-1に直列に接続され、かつソースが接地されると共に、
ドレインが開放出力を形成するFET72-1と、そのF
ET72-1のゲートに対するバイアス電圧の印可に供さ
れるインダクタ73-1とからなる非線形回路73-1と、
その非線形回路73-1に縦続接続され、かつ構成がこの
非線形回路73-1の構成と同じである非線形回路73-2
とから構成される。
【0055】なお、非線形回路73-2の構成について
は、非線形回路73-1の構成と同じであるので、対応す
る構成要素に添え番号「2」が付加された同じ符号を付
与することとし、ここでは、その説明を省略する。ま
た、本実施形態と図1〜図3に示すブロック図との対応
関係については、ハイブリッド141の後段に配置され
るべき非線形増幅器は被補償回路10に対応し、歪み発
生器70(非線形回路74-1、74-2)は能動回路1
1、レベル調整手段12および歪み発生器21、32、
52に対応し、ハイブリッド141、143および遅延
線142は前置補償手段22とよび併置補償手段23に
対応し、ハイブリッド143は分配手段31、51に対
応し、ハイブリッド141は合成手段33、53に対応
し、遅延線142は遅延手段34、54に対応する。
【0056】以下、本実施形態の動作を説明する。FE
T72-1、72-2の動作点は、これらのFET72-1、
72-2のゲートにインダクタ73-1、73-2を介してそ
れぞれ与えられるバイアス電圧に応じて、図5に示すよ
うに、 ・ 遮断領域、あるいは遮断領域と活性領域との境界に
相当し、 ・ 分配器143を介して与えられる主信号に対する応
答としてその主信号の成分を含むことなく、この主信号
の高次の歪み(例えば、三次歪み)のみが生成される点
に予め設定される。
【0057】また、遅延線142の遅延時間は、非線形
回路74-1、74-2の総合的な伝搬遅延時間に等しい値
に予め設定される。すなわち、非線形回路74-1、74
-2は、図13に示すハイブリッド144、146、遅延
線145、非線形増幅器148および抵抗器147、1
49からなる歪み発生回路に代わって、ハイブリッド1
43を介して与えられる主信号に応じてその主信号の成
分を含まない歪みを直接生成する。
【0058】また、これらの非線形回路74-1、74-2
は、単に縦属接続され、かつ図13に示す従来例に比べ
て構成が単純であって規模が小さい。このように本実施
形態によれば、ハイブリッド141の後段に配置される
べき非線形増幅器とFET72-1、72-2の特性とが所
望の精度で整合し、かつ上述した動作点が予め設定され
る限り、各段の入力端や出力端における利得および移相
量の調整が行われなくても、図6に網掛けを付して示す
ように、入力される主信号のレベルの広い範囲に亘って
隣接チャネル漏洩電力が所望の上限値(例えば、−40
dBc)以下に抑圧され、かつ電力効率は約10パーセント
高められる。
【0059】また、本実施形態では、上述した非線形増
幅器で生じる非線形歪みの補償に供されるべき歪みが安
価に確度高く生成されるので、本実施形態が適用された
通信機器では、低廉化に併せて小型化がはかられると共
に、性能および信頼性が高められる。図7は、請求項
6、12に記載の発明に対応した実施形態を示す図であ
る。
【0060】本実施形態と図4に示す実施形態との構成
の相違点は、非線形回路74-1の前段に可変利得増幅器
81が備えられ、非線形回路74-2の後段に可変利得増
幅器82が備えられた点にある。なお、本実施形態と図
2および図3に示すブロック図との対応関係について
は、可変利得増幅器81、82がレベル調整手段12に
対応する点を除き、図4に記載の実施形態における対応
関係と同じである。
【0061】以下、本実施形態の動作を説明する。ハイ
ブリッド143を介して与えられる主信号に応じて非線
形回路74-1、74-2が生成する歪みのレベルおよび周
波数スぺクトラムは、一般に、FET72-1、72-2の
特性やこれらのFET72-1、72-2に設定された動作
点だけではなく、その主信号のレベル(振幅)に応じて
異なる。
【0062】したがって、非線形回路74-1、74-2の
特性は、入力される主信号のレベルが電力制御等に応じ
て変化し得る場合には、ハイブリッド141の後段に配
置されるべき非線形増幅器の非線形性の補償に好適な歪
みを所望の精度で生成し得る特性には必ずしも維持され
ない。可変利得増幅器81の利得は、入力される主信号
に応じて非線形回路74-1、74-2が所望の周波数スペ
クトラム(周波数に対する振幅の分布を意味する。)の
歪みを生成する値にその主信号のレベルが等しくなる値
に予め設定される。
【0063】また、可変利得増幅器82の利得は、非線
形回路74-1、74-2によって生成され、かつ上述した
所望の周波数スペクトラムを有する歪みのレベルが上述
した非線形増幅器の非線形性に適応したレベルに等しく
なる値に予め設定される。したがって、本実施形態によ
れば、可変利得増幅器82の値が上述した値に予め設定
される限り、非線形増幅器によって増幅されるべき主信
号のレベル、非線形回路74-1、74-2の回路構成、こ
れらの非線形回路74-1、74-2を構成する能動素子の
特性に柔軟に適応しつつ高い電力効率による主信号の線
形増幅が達成される。
【0064】図8は、請求項7、11に記載の発明に対
応した実施形態を示す図である。本実施形態と図7に示
す実施形態との構成の相違点は、遅延線142の後段に
アイソレータ91が配置された点にある。以下、本実施
形態の動作を説明する。本実施形態では、アイソレータ
91は、非線形回路74-1、74-2によって生成され、
かつ増幅器82を介して与えられる歪みの成分の内、ハ
イブリッド141、遅延線142およびハイブリッド1
43を介して可変利得増幅器81(非線形回路74-1)
の入力端に帰還され得る成分を抑圧する。
【0065】したがって、本実施形態によれば、図4お
よび図7に記載の実施形態において無用な帰還に起因し
て生じ得たスプリアスや雑音の発生が阻止され、かつハ
イブリッド141の後段に配置された非線形増幅器の非
線形性が安定に確度高く補償される。さらに、本実施形
態では、遅延線142の遅延時間はアイソレータ91の
伝搬遅延時間が長いほど小さな値となるので、その遅延
線142が実装されるべきスペースの削減が可能とな
る。
【0066】なお、本実施形態では、アイソレータ91
がハイブリッド141と遅延線142との段間に配置さ
れているが、そのアイソレータ91は、例えば、図8に
点線で示すように、この遅延線142とハイブリッド1
43との段間に配置され、あるいはこれらの段間の双方
に個別に配置されてもよい。図9は、請求項8、14に
記載の発明に対応した実施形態を示す図である。
【0067】本実施形態と図4に示す実施形態との構成
の相違点は、遅延線142に代えて増幅器100が備え
られた点にある。なお、増幅器100の詳細な構成につ
いては、下記の特性および性能を有する限り、何ら制約
がないので、ここでは、その説明を省略する。以下、本
実施形態の動作を説明する。
【0068】増幅器100は、遅延線142の遅延時間
に所望の精度で等しい伝搬遅延時間を有し、かつ入力さ
れ得る主信号のダイナミックレンジに亘って線形とみな
し得る入出力特性を有する。さらに、増幅器100は、
その増幅器100の出力端から入力端に至る帰還路の帰
還率が図8に示すアイソレータ91が有するアイソレー
ション以下となる回路で構成される。
【0069】また、増幅器100は、適用された増幅素
子の特性や接地方式に適応した好適な回路方式が適用さ
れることによって実現される。したがって、本実施形態
によれば、非線形回路74-1の入力端から非線形回路7
4-2の出力端に至る総合的な利得の偏差が増幅器100
によって補償され、かつ図8に示す実施形態と同様にし
て、ハイブリッド141の後段に配置された非線形増幅
器の非線形性が図4および図7に記載の実施形態より確
度高く補償される。
【0070】図10は、請求項9、15に記載の発明に
対応した実施形態を示す図である。本実施形態と図4に
示す実施形態との構成の相違点は、ハイブリッド141
の後段に可変減衰器111が配置され、非線形回路74
-1、74-2のバイアス入力端子にD/A変換器(D/
A)112-1、112-2の出力が接続され、可変減衰器
111の制御入力に与えられる制御信号、もしくはその
制御信号に等価なディジタル信号がアドレス入力に与え
られ、これらのD/A変換器112-1、112-2の入力
に出力が個別に接続されたメモリ113-1、113-2が
備えられた点にある。
【0071】なお、本実施形態と図2および図3に示す
ブロック図との対応関係については、メモリ113-1、
113-2が記憶手段41、61に対応し、D/A変換器
112-1、112-2が制御手段42、62に対応する点
を除いて、既述の各実施形態における対応関係と同じで
ある。以下、本実施形態の動作を説明する。
【0072】可変減衰器111は、例えば、ハイブリッ
ド141を介して与えられ、かつ電力制御の下で送信さ
れるべき主信号のレベルを示す制御信号に応じて、その
主信号のレベルを増減する。一方、メモリ113-1、1
13-2には、上述した制御信号として与えられ得る主信
号のレベルの個々の値に対して、非線形回路74-1、7
4-2(FET72-1、72-2)に設定されるべき動作点
(バイアス電圧)を示す語が予め登録された動作点テー
ブル(図示されない。)が予め格納される。
【0073】さらに、メモリ113-1、113-2は、可
変減衰器111に実際に与えられる制御信号で示される
レベルに対応して上述した動作点テーブルに登録された
語を適宜出力する。D/A変換器112-1、112-2
は、このような語をバイアス電圧に変換し、これらのバ
イアス電圧を非線形回路74-1、74-2(インダクタ7
3-1、73-2)に与える。
【0074】したがって、本実施形態によれば、非線形
回路74-1、74-2(インダクタ73-1、73-2)に与
えられるバイアス電圧の値が一定である図4、図7〜図
9に記載の実施形態に比べて、広範なダイナミックレン
ジの主信号に対する柔軟な適応が可能となり、かつ電力
効率および伝送品質が高く維持される。なお、本実施形
態では、ハイブリッド141の後段に可変減衰器111
が備えられているが、このような可変減衰器111に代
えて可変利得増幅器が備えられ、あるいはこれらの可変
減衰器111あるいは可変利得増幅器はハイブリッド1
43の前段に配置されてもよい。
【0075】また、上述した各実施形態では、FET7
2-1、72-2として適用可能な素子の具体的な例が何ら
示されていないが。例えば、CDMA方式の移動通信シ
ステムに割り付けられた2GHz以上の周波数帯で動作す
べき場合には、負電圧等の特異なバイアス電圧が印可さ
れなくても動作するHBTやEモードのMESFETが
適用されてもよく、このような周波数帯やバイアス電圧
について何ら制約がない場合には、単なるMESFET
その他の如何なる能動素子が適用されてもよい。
【0076】さらに、上述した各実施形態では、電力効
率が高い電力増幅器の非直線性を補償する技術として、
消費電力の節減が最も確度高く達成されるプリディスト
ーション法に基づくプリディストータが示されている
が、その消費電力にかかわる制約がなく、かつ低廉化、
小型化、軽量化その他の観点で許容されるならば、例え
ば、図11に示すように、フィードフォワード法に基づ
く歪み補償器にも本願発明は同様にして適用可能であ
る。
【0077】また、上述した各実施形態では、CDMA
方式が適用された移動通信システムの端末装置のよう
に、広範に電力制御が行われる電力増幅部に本願発明が
適用されている。しかし、これらの発明は、従来例に比
べてハードウエアの構成の簡略化に併せて、所望の電力
効率が高い確度で達成されることが要求されるならば、
如何なる伝送系の送信部や受信部に適用されてもよい。
【0078】さらに、上述した各実施形態では、非線形
回路74-1、74-2の段数が「2」であるが、例えば、
5次以上の高次の非線形歪みが補償されるべき場合に
は、この段数は「3」以上であってもよく、反対に低次
の非線形歪みのみが補償されるべき場合には、「1」で
あってもよい。また、これらのFET72-1、72-2の
特性については、一般に、構成が著しく異ならない限
り、半導体素子の遮断領域と飽和領域との電気的な特性
は対称であって確度高く類似するので、ハイブリッド1
41の後段に配置されるべき非線形増幅器を構成する増
幅素子の特性と必ずしも同じあることは要求されない。
【0079】
【発明の効果】上述したように請求項1に記載の発明で
は、従来例に比べて、電力効率の向上に併せて、高い直
線性の確保が安価に達成される。また、請求項2、3に
記載の発明では、従来例に比べて伝送品質の改善とラン
ニングコストの低減とがはかられる。
【0080】さらに、請求項4、10に記載の発明で
は、利得や移相量の調整が必要である従来例に比べて、
電力効率が高められ、かつ高い直線性が安価に確保され
る。また、請求項5、11に記載の発明では、主信号の
周波数が高く、あるいは歪み発生器の伝搬遅延時間が大
きい場合であっても、電力効率および直線性が高く維持
される。
【0081】さらに、請求項6、12に記載の発明で
は、請求項4、5、10、11に記載の発明に比べて、
被補償回路の非直線性は、歪み発生器や遅延手段の入出
力特性の相違に起因して低下することなく確度高く補償
される。また、請求項7、13に記載の発明では、請求
項4、5、10、11に記載の発明に比べて、電力効率
に併せて被補償回路の非直線性が高められる。
【0082】さらに、請求項8、14に記載の発明で
は、請求項7、13に記載の発明に比べて、小型化およ
び実装にかかわる制約の緩和がはかられる。さらに、請
求項9、15に記載の発明では、被補償回路に入力され
るべき主信号、あるいはその被補償回路の出力に得られ
るべき主信号のレベルが広範に変化し得る場合であって
も、電力効率に併せて直線性が高く維持される。したが
って、これらの発明が適用された伝送系では、コストが
大幅に増加することなく伝送品質、サービス品質および
信頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の原理ブロック図であ
る。
【図2】請求項2、4〜9に記載の発明の原理ブロック
図である。
【図3】請求項3、10〜15に記載の発明の原理ブロ
ック図である。
【図4】請求項1、2、4、5、10、11に記載の発
明に対応した実施形態を示す図である。
【図5】本実施形態におけるFETの動作点を示す図で
ある。
【図6】本実施形態によって改善される直線性を示す図
である。
【図7】請求項6、12に記載の発明に対応した実施形
態を示す図である。
【図8】請求項7、13に記載の発明に対応した実施形
態を示す図である。
【図9】請求項8、14に記載の発明に対応した実施形
態を示す図である。
【図10】請求項9、15に記載の発明に対応した実施
形態を示す図である。
【図11】フィードフォワード法に適応した構成の一例
を示す図である。
【図12】従来のプリディストータの構成例を示す図
(1) である。
【図13】従来のプリディストータの構成例を示す図
(2) である。
【符号の説明】
10 被補償回路 11 能動回路 12 レベル調整手段 21,32,52,70 歪み発生器 22 前置補償手段 23 併置補償手段 31,51 分配手段 33,53 合成手段 34,54 遅延手段 41,61 記憶手段 42,62 制御手段 71,122,126,129,132 コンデンサ 72,121 FET 73,124,131 インダクタ 74 非線形回路 81,82,125 可変利得増幅器 91 アイソレータ 100 増幅器 111 可変減衰器 112 D/A変換器(D/A) 113 メモリ 123,128,147,149 抵抗器 127,130 ダイオード 141,143,144,146 ハイブリッド 142,145 遅延線 148 非線形増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J024 AA06 CA10 CA12 CA16 CA19 CA21 HA01 5J090 AA01 CA21 FA19 GN02 GN04 HN03 5K046 BA01 DD01 DD02 EE06 EE52 5K067 AA42 BB04 DD45 EE02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形性を有する被補償回路が入力され
    た主信号に応じて生成する歪みに対して振幅スペクトラ
    ムが同じであり、かつ位相スペクトラムが相反すると共
    に、この主信号の成分を含まない歪みがその主信号に応
    じて生成される非線形領域に動作点が設定された能動回
    路と、 前記能動回路と前記被補償回路とによって個別に生成さ
    れる歪みが所望の精度で相殺されるレベルに、その能動
    回路に入力される主信号のレベルを設定するレベル調整
    手段とを備えたことを特徴とする歪み発生器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の歪み発生器と、 前記歪み発生器が主信号に応じて生成した歪みをプリデ
    ィストーション法に基づいて適用し、被補償回路が有す
    る非線形性を補償する前置補償手段とを備えたことを特
    徴とするプリディストータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の歪み発生器と、 前記歪み発生器が主信号に応じて生成した歪みをフィー
    ドフォワード法に基づいて適用し、被補償回路が有する
    非線形性を補償する併置補償手段とを備えたことを特徴
    とする歪み補償器。
  4. 【請求項4】 入力された主信号を複数の方路に分配す
    る分配手段と、 請求項1に記載され、かつ前記分配手段から一方の方路
    を介して与えられる主信号に応じて歪みを生成する歪み
    発生器と、 前記分配手段から他方の方路を介して与えられる主信号
    と前記歪み発生器によって生成された歪みとを合成し、
    これらの歪みと主信号とを被補償回路に与える合成手段
    とを備えたことを特徴とするプリディストータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のプリディストータにお
    いて、 他方の方路に配置され、かつ前記歪み発生器の伝搬遅延
    時間に等しい伝搬遅延時間を有する遅延手段を備えたこ
    とを特徴とするプリディストータ。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載のプリデ
    ィストータにおいて、 歪み発生器と遅延手段との双方あるいは何れか一方の利
    得は、 合成手段を介して与えられる主信号に応じて被補償回路
    が生成する歪みと、その主信号と共にこの合成手段を介
    して与えられる歪みとが所望の精度で相殺される値に設
    定されたことを特徴とするプリディストータ。
  7. 【請求項7】 請求項4または請求項5に記載のプリデ
    ィストータにおいて、 合成手段と遅延手段との双方あるいは何れか一方は、 歪み発生手段の出力からこれらの合成手段および遅延手
    段を介して分配手段に至る帰還を抑圧する手段を有する
    ことを特徴とするプリディストータ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のプリディストータにお
    いて、 合成手段と遅延手段との双方あるいは何れか一方が有す
    る手段は、 出力端から入力端に至る帰還路を有さず、あるいはその
    帰還路の帰還率が所望の上限置以下に設定されたことを
    特徴とするプリディストータ。
  9. 【請求項9】 請求項4ないし請求項8の何れか1項に
    記載のプリディストータにおいて、 被補償回路の利得に応じて歪み発生器を構成する能動回
    路に設定され得る動作点が予め記憶された記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された動作点の内、前記被補償回路
    に設定されるべき利得に対応した動作点を前記能動回路
    に設定する制御手段とを備えたことを特徴とするプリデ
    ィストータ。
  10. 【請求項10】 入力された主信号を複数の方路に分配
    する分配手段と、 請求項1に記載され、かつ前記分配手段から一方の方路
    を介して主信号が与えられ、その主信号に応じて歪みを
    生成する歪み発生器と、 前記歪み発生器によって生成された歪みと前記分配手段
    から他方の方路および被補償回路を介して与えられた主
    信号と歪みとを合成し、これらの歪みを相殺する合成手
    段とを備えたことを特徴とする歪み補償器。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の歪み補償器におい
    て、 被補償回路の前段と後段との双方あるいは何れか一方に
    配置され、前記歪み発生器とこの被補償回路との伝搬遅
    延時間の差分に等しい伝搬遅延時間を有する遅延手段を
    備えたことを特徴とする歪み補償器。
  12. 【請求項12】 請求項10または請求項11に記載の
    歪み補償器において、 歪み発生器と遅延手段との双方あるいは何れか一方の利
    得は、 他方の方路を介して与えられる主信号に応じて被補償回
    路が生成する歪みと、その主信号と共にこの歪み発生器
    を介して与えられる歪みとが所望の精度で相殺される値
    に設定されたことを特徴とする歪み補償器。
  13. 【請求項13】 請求項10または請求項11に記載の
    歪み補償器において、 合成手段と遅延手段との双方あるいは何れか一方は、 歪み発生器の出力からこれらの合成手段、遅延手段およ
    び被補償回路を介して分配手段の入力端に至る帰還を抑
    圧する手段を有することを特徴とする歪み補償器。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の歪み補償器におい
    て、 合成手段と遅延手段との双方あるいは何れか一方が有す
    る手段は、 出力端から入力端に至る帰還路を有さず、あるいはその
    帰還路の帰還率が所望の上限置以下に設定された能動回
    路として構成されたことを特徴とする歪み補償器。
  15. 【請求項15】 請求項10ないし請求項14の何れか
    1項に記載の歪み補償器において、 被補償回路の利得に応じて歪み発生器を構成する能動回
    路に設定され得る動作点が予め記憶された記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された動作点の内、前記被補償回路
    に設定されるべき利得に対応した動作点を前記能動回路
    に設定する制御手段とを備えたことを特徴とする歪み補
    償器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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