JP2001015003A - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

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JP2001015003A
JP2001015003A JP11180920A JP18092099A JP2001015003A JP 2001015003 A JP2001015003 A JP 2001015003A JP 11180920 A JP11180920 A JP 11180920A JP 18092099 A JP18092099 A JP 18092099A JP 2001015003 A JP2001015003 A JP 2001015003A
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Akihiko Hirao
昭彦 平尾
Tomoyuki Sawada
知行 澤田
Takehiko Okada
健彦 岡田
晋治 ▲高▼山
Shinji Takayama
Takuya Kagawa
卓也 香川
Kenichiro Shimizu
憲一郎 志水
Toshihiro Oido
敏宏 大井戸
Takanobu Tanaka
孝信 田中
Hatsuo Mizuno
初男 水野
Yoshiya Nakamichi
義也 中道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アークが器体外部にまで出たときにでも極間短
絡しにくい回路遮断器を提供することにある。 【解決手段】器体1は、内蔵した2極の接点部が乖離し
たときに発生するアークによるガスを排出する2つの排
気孔110,109を器体1の高さ方向で、上下二段に
形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の接点強制開
極時に発生するアークによるガスを個別に排出する2つ
の排気孔を形成した回路遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の回路遮断器として、特開平11
−670496号に示されるものが存在する。このもの
は、器体内部に2極の接点を前記器体の幅方向に並設
し、器体の一側面に各接点の強制開極時に発生するアー
クのガスを個別に排出する排気孔を幅方向に並設したも
のであり、各種のアークを器体内で混じりにくくしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た回路遮断器にあっては、排気孔を器体の幅方向に並設
しているので、多極で発生するアークが器体の外にまで
出たときに器体の外部で混じり易く、極問短絡してしま
う恐れがあった。
【0004】本発明は、かかる事由に鑑みて成されたも
のであり、その目的とするところは、アークが器体外部
にまで出たときにでも極間短絡しにくい回路遮断器を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、固
定接点を固着した2つの固定接触子と。前記各固定接点
に接離自在に対向する可動接点を固着した2つの可動接
触子と、これらの2つの可動接触子を操作自在に保持す
る開閉機構とを備え、この開閉機構を介して前記各可動
接点を各固定接点に接離させるハンドルと、このハンド
ルを外部から操作可能に保持するとともに前記前記各可
動接点が前記各固定接点から開離するときに発生するア
ークによるガスを排出する2つの排気孔を形成した器体
と、を備えた回路遮断器において、前記排気孔は、前記
器体の高さ方向で、上下二段に形成されたことを特徴と
する。
【0006】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記各排気孔が、外開口部が互いに離れる角度で
形成されていることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明において、前記各可動接点及び各固定接点を前記器体
の幅方向に並設するとともに、前記器体の高さ方向に上
下に配設し、前記各固定接点を隔離する隔壁部材を設
け、前記各可動接点及び固定接点を前記器体の幅方向の
両側壁及び隔壁部材によって分割される2つの区画に分
割収納し、上段の可動接点及び固定接点の排気孔を一方
の区画内で前記器体の上方に形成するとともに下段の可
動接点及び固定接点の排気孔を他方の区画内で前記器体
の下方に形成したことを特徴とする。
【0008】請求項4の発明では、請求項3の発明にお
いて、前記隔壁部材が、各固定接触子間で前記器体の側
壁に対して略平行に延出し上段の固定接触子側の前記器
体の側壁とともに上段の固定接触子を収納する縦壁部
と、この縦壁部の下端から器体の底面と略平行に延出し
て下段の固定接触子側の前記器体の側壁とともに下段の
固定接触子の導体接続部を収納する横壁部と、上段の固
定接触子の固定接点近傍から下段の固定接触子側の前記
器体の側壁方向に膨出して下段の固定接触子側の前記器
体の側壁に当接する膨出部とを有し、前記横壁部及び膨
出部並びに前記器体の両側壁によって下側の固定接触子
の固定接点を前記器体の両側壁間に跨って収納したこと
を特徴とする。
【0009】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
いて、前記開閉機構が各可動接触子を両側から個々に横
嵌め挿入して各区酬こ連通する切溝を有した回動自在な
クロスバーを備え、前記隔壁部材及び前記器体の両側壁
に、前記各可動接点が前記各固定接点から開離した状態
で前記クロスバーの可動接点側の先端面が当接する止片
を設けたことを特徴とする。
【0010】請求項6の発明では、請求項5の発明にお
いて、前記止片及びクロスバーの先端面に、凹凸係合部
を設けたことを特徴とする。
【0011】請求項7の発明では、請求項3乃至6の何
れかの発明において、前記隔壁部材が、アルカリ土類金
属の水酸化物を含む材料により形成されたことを特徴と
する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を一実施形態を図1乃
至図19により説明する。
【0013】本実施形態の回路遮断器は、図2に示すよ
うに固定接点2A,2Bを固着した2つの固定接触子1
2A,12Bと、各固定接点2A,2Bに接離自在に対
向する可動接点を固着した2つの可動接触子3A,3B
と、これらの2つの可動接触子を操作自在に保持する開
閉機構5とを備え、この開閉機構5を介して各可動接点
を各固定接点2A,2Bに接離させるハンドル6と、こ
のハンドル6を外部から操作可能に保持するとともに前
記各可動接点3A.,3Bが各固定接点2A,2Bから
開離するときに発生するアークによるガスを排出する2
つの排気孔110,109を器体1の高さ方向で、上下
二段に形成してある。
【0014】また両側の合成樹脂製の第1側ケース1A
と第2側ケース1Bを重ね合わせ結合して構成される器
体1内に、器体1の幅方向に並設された2つの固定接点
2A,2Bと、これら各固定接点2A,2Bに接離自在
に対向する可動接点3A,3Bを固着した2つの可動接
触子4A,4Bと、これらの2つの可動接触子4A,4
Bを駆動する開閉機構5とを備え、ハンドル6のオンオ
フ操作により開閉機構5を介して各可動接点3A,3B
を各固定接点2A,2Bに接離(接触・開離)させる構
成となっており、各固定接点2A,2B及び各可動接触
子4A,4Bを、器体1の高さ方向に上下に配設すると
ともに両可動接触子4A,4Bの内、高さ方向で2つの
固定接点2A,2B間に介在する一方の可動接触子4B
と、他方の可動接触子4Aの可動接点3Aが接離する固
定接点2Aとを、各固定接点2A,2Bから各可動接点
3A,3Bが開離した状態で器体1の幅方向から見て交
差しない高さ位置に配設してある。
【0015】そして器体1の一端部内には両ケース1
A,1B間に挟み込むように、アルカリ土類金属の水酸
化物(例えば水酸化Mg)を含む合成樹脂材料から成形
された隔壁部材(以下中間ケースと称する)7を配設し
ており、第1側ケース1Aの側壁(外壁)内側の凹部8
と中間ケース7の縦壁部35とで構成される区間内に固
定接点2Aを一端に設けた第1の固定側電路構成たる端
子ブロック10Aを収納し、中間ケース7の第2側ケー
ス1B側に設けた凹部9と第2側ケース1Bの側壁(外
壁)とで構成される区画内に下側の固定接点2Bを一端
に設けた第2の固定側電路構成たる端子ブロック10B
を収納してある。
【0016】端子ブロック10Aは、コ状に折り曲げら
れた端子板11と、該端子板11の下片の一端より上方
に一体延長され、該延長片11aの上端から延長片11
aに対し直角に折り曲げて端子板11に対して外向きに
一体延長された固定接触子12Aと、該固定接触子12
Aの一端上面にかしめ固定された固定接点2Aと、端子
板11の下片上に載置されて端子板11内に収納される
略ム字状の鎖錠ばね13Aとで構成され、上記第1側ケ
ース1Aの凹部8の下向き傾斜した底面上に端子板11
の下片を乗せ、凹部8の一端の立ち上がり壁8aに沿う
ように延長片11aを配置し、立ち上がり壁8aの上端
を越えて固定接触子12Aを凹部8の外へ導出して立ち
上がり壁8aと、第1側ケース1Aの底部より立ち上が
った隔壁14との間に凹部8の底部と同様に傾斜させて
一体形成した固定接点配置部15上に固定接触子12A
の先部を配置することにより、端子ブロック10Aは凹
部8内に図19に示すように配設される。固定接点配置
部15には固定接触子12Aの下面側に突出した固定接
点2Aの下端を逃がす凹部15aが形成されている。端
子板11は上片の他端から上向きにT字片11bを一体
に延長形成しており、このT字片11bの上端の側方突
出部の片側先端を第1側ケース1Aの内側面に形成して
ある凸平部22の上端面に載置する。また端子板11の
側片の側面には鎖錠ばね13Aの押さえ片13b内に挿
入され、鎖錠ばね13Aのがたつきを防止する突起23
を一体に形成してある。
【0017】鎖錠ばね13Aと端子板11は導体接続部
たる速結端子を構成するもので、第1側ケース1Aに中
間ケース7を重ね合わせた時に、第1側ケース1Aの他
端部の縦壁部に形成した断面が半円状の斜め下向き溝1
60と中間ケース7の対向壁面に形成した壁に同様な形
状の斜め下向き溝160とで形成される斜め下向き電線
挿入孔16Aを介して外部より挿入された電線111
(図1参照)の芯線が端子板11の上片と鎖錠ばね13
Aの鎖錠片13aの上端と押さえ片13bの上端との間
に圧入され、鎖錠片13a先端により電線111の引き
抜き方向に対して芯線を鎖錠し且つ、押さえ片13bの
上端面で芯線を端子板11の上片に押し付けることによ
り、電気的に芯線を接続すると共に、機械的に保持する
ようになっている。この電線鎖錠を解除するのが解除ハ
ンドル17でこの解除ハンドル17は下部側面に設けた
回動軸18が第1側ケース1Aの内側面の凸平部22に
設けた軸孔20に回動自在に軸支され且つ中間ケース7
の縦壁部35の壁面に突出させている軸36を下部他側
面に設けた凹部37に回動自在に軸支してあり、図19
において、器体1の外側に露出する操作部17aを手動
操作して反時計方向に回動させたときに下端に設けた駆
動突起19が鎖錠ばね13Aの鎖錠片13aの一側端の
先部を押して鎖錠片13aを撓ませ、芯線に対する鎖錠
を解除することができるようになっている。図中21は
解除ハンドル17を常時時計方向に回動付勢する復帰ば
ねである。
【0018】一方端子ブロック10Bは、基本的に端子
ブロック10Aと同様に端子板11と、鎖錠ばね13B
と、固定接触子12Bとで構成されているが、端子ブロ
ック10Aの端子板11とは異なり、端子ブロック10
Bの端子板11はその下片の一端より下向きに延長片1
1cを延長形成し、その延長片11cの先端より器体1
の底部と平行するようにして固定接触子12Bを延長形
成し、また端子板11の側片の一端部から直角に延長し
た奥片11dを形成してある。
【0019】鎖錠ばね13Bは、鎖錠ばね13Aと同じ
構造のものであって、端子板11の下片上に載置され、
端子板11の側片より突出させた突起23が押さえ片1
3b内に挿入されようになっている。
【0020】この端子ブロック10Bは中間ケース7の
凹部9の底部を構成し器体1の底部に略平行に延出形成
された横壁部24上に端子板11の下片を載置するとも
に、凹部9の一端部の縦壁25に奥片11dを沿わせる
とともに縦壁25の下端と、横壁部24の一端部との間
に形成された切欠27に端子板11の一端を嵌めて延長
片11cを凹部9外に出すようになっており、中間ケー
ス7を第1側ケース1A側に重ね合わせときに、固定接
触子12Bの先部、つまり固定接点2Bを設けた下面を
第1側ケース1Aの底部のリブ26,26上に載置され
るようになっている。つまり固定接点2Bは中間ケース
7の横壁部24及び後述する膨出部30及び両ケース1
A,1Bの側壁間で構成される空間で両ケース1A,1
B間に跨って配置される。尚リブ26,26間の凹所は
固定接触子12Bの先部にかしめ固定された固定接点2
Bの固定接触子12Bの下面側に突出した下端部の逃げ
となる。
【0021】また端子板11の上片の他端部より情報に
延長形成されたT字片11bの上端の側方突出部の先端
は中間ケース7の壁面に形成してある凸平部22’の上
端面に載置される。
【0022】端子ブロック10Bの鎖錠ばね13Bと端
子板11は端子ブロック10Aの場合と同様に導体接続
部たる速結端子を構成し、第2側ケース1Bに中間ケー
ス7を重ね合わせたときに、中間ケース7の凹部9の他
端部の縦壁部に設けられた断面半円状の斜め下向き溝1
60とこの斜め下向き溝160と同様に第2側ケース1
Bの他端部の縦壁に設けられた斜め下向き溝160とで
形成される電線挿入孔16Bから電線が挿入されるとそ
の芯線を鎖錠ばね13Bの鎖錠片13aで鎖錠し、押さ
え片13bで芯線を端子板11の上片に押しつけて電線
を電気的に接続するともに機械的に鎖錠するようになっ
ている。
【0023】この電線鎖錠を解除するのが解除ハンドル
17’で、この解除ハンドル17’は上記の解除ハンド
ル17と同様に下部側面に設けた回動軸18が中間ケー
ス7の凸平部22’に設けた軸孔20に回動自在に軸支
され且つ第2側ケース1Bの内側壁面に突出させている
軸38を側面に形成してある凹部37に回動自在に軸支
し、器体1の外側に露出する操作部17aを手動操作し
て回動させたときに下端に設けた駆動突起19が鎖錠ば
ね13Bの鎖錠片13aの一側端の先部を押して鎖錠片
13aを撓ませて鎖錠状態を解除することができるよう
になっている。図中21’は解除ハンドル17’を常時
時計方向に回動付勢する復帰ばねである。
【0024】中間ケース7は図11に示すように両ケー
ス1A,1Bの側壁に略平行する縦壁部35に対して第
2側ケース1B側へ突出して第2側ケース1Bの側壁内
面に当接する膨出部30を形成し、この膨出部30下面
より垂下させた壁が上記縦壁25であり、第2側ケース
1B側に面する側壁、底壁31、一端部の縦壁32及び
天井壁33とで囲まれた凹所34を第1側ケース1A側
に設けてある。そして第1側ケース1A側に中間ケース
7を突き合わせときに第1側ケース1A側に組み付けて
ある端子ブロック10Aの固定接触子12Aの先端側部
が凹所34の底壁31の段面31a上に載置され、また
天井壁33が第1側ケース1Aの内側面より突出してい
る横壁29の下面に沿うよう配置される。段面31aに
は固定接触子12Aにかしめ固定されている固定接点2
Aの下端部を逃がす溝31bを形成してある。また縦壁
32には固定接点2Aに対応する可動接触子4Aの自由
端を凹所34内に挿入するための開口部39を形成して
ある。
【0025】さて可動接触子4A,4Bを開閉駆動する
開閉機構5は、ラッチ部材たる作動板43と、クロスバ
ー40と、作動板43の一端を係止する段状の係止部5
7を備えた第1引き外し板41と、第2引き外し板42
と、ラッチ部材たる作動板43と、ハンドル6と、コ字
状リンク44等から成り、これらに加えて過電流検出時
に開閉機構5を駆動する2つのバイメタル45,46、
更に短絡電流が流れたときに開閉機構5を駆動する電磁
駆動部47,48が付加されて共通部品を構成する。
【0026】ハンドル6は、操作部6aと回動部6bと
ハンドル軸6cとで構成され、回動部6bの両側面の中
央に突出したハンドル軸6cを第1側ケース1Aの内側
面に形成された軸孔49と、第2側ケース1Bの内側面
に形成された軸孔49とにそれぞれ回動自在に挿入して
両ケース1A,1B間に保持され、操作部6aは、両ケ
ース1A,1Bの重ね合わせ結合した状態で構成される
器体1の上面に開口する窓孔50に臨むようになってい
る。またハンドル軸6cにはねじりばね51が装着さ
れ、該ねじりばね51により、ハンドル6はオン操作位
置(図22参照)において、オフ操作方向に付勢されて
いる。
【0027】回動部6bの下端に設けた軸孔52にはリ
ンク44の上側軸44aを回動自在に挿入して、リンク
44を介して作動板43と連結されている。
【0028】作動板43は中央両側に設けた軸受け孔4
3aにリンク44の下側軸44bを貫挿させることによ
りリンク44を介してハンドル6と連結され、器体1内
に上下移動自在に配置される。
【0029】クロスバー40は上部の両側面に突出させ
た軸40aを両ケース1A,1Bの内側面に形成した軸
孔52、52に挿入して両ケース1A,1B間に枢支さ
れるもので、図12に示すように軸40aよりやや下方
の第1側ケース1A側の側部には可動接触子4Aの側部
を横方向から嵌める切溝54を、また下部の第2側ケー
ス1B側の側部には可動接触子4Bを横方向から嵌める
切溝55を夫々設けてある。そして可動接点側端面に
は、中間ケース7及び両ケース1A,1Bの側壁の内面
に突設してある止片130…を、各可動接点3A,3B
が各固定接点2A,2Bから開離した状態で係入してそ
の底部に当接する凹溝131を幅方向に形成してある。
【0030】ここで可動接触子4Aは剛体の導電金属板
から構成され、クロスバー40の切溝54に側方から挿
入されるとともに、切溝54の後ろに設けた凹み部54
aにおいて、後部下面と凹み部54aの底部との間に圧
縮配置される接圧用のコイルばね53により後部が上方
に付勢されるようになっており、クロスバー40が軸4
0aを中心として回動したときに可動接触子4Aは切溝
54の開口縁を中心として回動し、自由端にかしめ固定
した可動接点3Aを対応する固定接点2Aに対して開離
・接触させるようになっている。
【0031】また可動接触子4Bは導電性ばね薄板材か
らなり、クロスバー40が図19において反時計方向に
回動したときには下方に押されて撓み、この撓んだ状態
からクロスバー40が時計方向に回動したときには復帰
し、その撓みと、復帰とで、先端にかしめ固定した可動
接点3Bを固定接点2Bに対して接触・開離させるよう
になっている。
【0032】クロスバー40の下端部は、該下端部と、
第1側ケース1Aの底部より垂立させた壁63との間で
圧縮配置されたコイルばね62により押されて図19に
おいて時計方向の回転力が付勢される。
【0033】第1引き外し板41は軸部41aと、この
軸部41aの上部に突出する突出部41bと、軸部41
aの第2側ケース1B側寄りに軸部41aと直交する面
を有する側片部41cとこの側片部41cの上端より一
端に一体延出された腕片41dとからなり、軸部41a
の両端を両ケース1A,1Bの内側面に設けられた軸孔
56、56に挿入して両ケース1A,1B間で回動自在
に支持されるもので、突出部41bの上端部には作動板
43の一端(図19では右端)が係脱する係止部57
を、また腕片41dの先端上部には電磁駆動部47の可
動鉄心58の駆動部58aに押し駆動される受け部88
を夫々形成している。また側片部41cの下部の第2側
ケース1B側面には、第2の引き外し板42の下端部端
面に設けた対向部42aにより押し動かされる受け部5
9を形成し、この受け部59の側面には、軸部41aに
環部を嵌めるねじりばね60の両端を係止する係止部6
1を設けてある。また側片部41cの下部の第1側ケー
ス1A側面には、電磁駆動部47を固定保持する導電板
71から垂下されたバイメタル45の下端に対向し、バ
イメタル45の湾曲変位時に押される第1駆動部69を
設けてある。
【0034】第2引き外し板42は中央部の軸孔42b
に第1側ケース1Aに内側面に第1側ケース1Aの上側
近傍から底部近傍にかけて一体形成された隔壁たる分離
壁65の端面の中央部に設けられた軸体66を挿入して
両ケース1A,1B間で回動自在に枢支されるので、上
述の対向部42aの反対側の下部端面には電磁駆動部4
8の可動鉄心67の駆動部67aに押し駆動される受け
部68を設けてある。また第2引き外し板42の上端の
第1側ケース1A側の側面には電磁駆動部48を固持す
る可動接触子供4Bの後端部から垂立させたバイメタル
46の上端に対向し、バイメタル46の湾曲時に押され
る第2駆動部70を設けてある。
【0035】薄板金属材からなる導電板71は図13に
示すように逆L状に折り曲げられて形成されたもので、
その外片71aに電磁駆動部47を固持し、外片71a
の先端よりU状に折り返して外片71aに平行させた内
片71bの先端下部の段面にバイメタル45の上端逆L
状部の横片を溶着固定してバイメタル45を垂下させて
ある。
【0036】電磁駆動部47は、図13に示すように磁
性鉄板を逆Lに折り曲げてその垂直片の両端を直角に折
り曲げて水平断面がコ字状となった固定鉄心74と、可
動鉄心58と、可動鉄心58を固定鉄心74の両端磁極
面に揺動自在に対向支持させるための板ばね73とで構
成されており、固定鉄心74と直角に一体形成されてい
る水平片からなる平板75を外片71aと内片71bと
の間に挿入して、平板75の両側縁の中央部の切欠溝7
5aに外片71aの両側縁の中央部より垂下させた逆T
状片76を係合させることにより固定鉄心74が図14
に示すように導電板71に固持される。
【0037】可動鉄心58は固定鉄心74側の面に突出
させ突起58b,58bを、板ばね73の中央片73a
の上端部に形成した孔73b,73bに挿入してかしめ
固定することで板ばね73に揺動自在に支持され、板ば
ね73は中央片73aの両側方に折り曲げ形成した両側
片73c,73cを固定鉄心74の両側片74a,74
aの外面に沿わせるように配置して両側片73c,73
cの先端に内向きに突出させた係止片73d,73d
を、固定鉄心74の外側角部に形成した凹部74b,7
4bに係止させることにより固定鉄心74に固持され
る。
【0038】固定鉄心74の両側片74a,74aの先
端である磁極面は板ばね73の中央片73aと、両側片
73c,73cとの間を介して可動鉄心58に対向し、
短絡電流のような過大な電流が導電板71に流れたとき
に固定鉄心74の両側片74a,74aの磁極面に発生
する磁力により可動鉄心58を吸引揺動させて、可動鉄
心58の一側端面に突設してある駆動部58aを移動さ
せるのである。
【0039】尚導電板71の外片71aの挿通孔72よ
り平板75の中央に設けた螺子孔76に調整螺子77を
螺入させ、その先端をバイメタル45の上端逆L字状部
の横片に内片71bを介して対向させ、調整螺子77を
螺進させることで内片71bを撓ませることにより、バ
イメタル45の下端の初期位置を調整することができる
ようになっている(図17参照)。
【0040】導電板71の垂直片71cの下端には分電
盤内に配設される導電バー(図示せず)を挟む刃受ばね
部78を溶着固定し、またバイメタル45の下端よりや
や上方の板面には可動接触子4Aに一端が溶着された編
組線79の他端が溶着され、刃受ばね部78A、導電板
71,バイメタル47,編組線79,可動接触子4Aと
が電気的に接続されている。
【0041】一方電磁駆動部48を固持する可動接触子
4Bは図15に示すように後端部を外片としてU字状に
折り返して、後端部に平行する内片80を形成し、この
内片80の先端上部の段面にバイメタル46の下端L字
状折部の横片を載置して溶着固定しバイメタル46を垂
立させている。
【0042】電磁駆動部48は、上記の電磁駆動部47
と同形状に形成された、固定鉄心74’、板ばね7
3’、可動鉄心67から構成され、固定鉄心74’に一
体に形成された平板75’を可動接触子4Bの後端部と
内片80との間に挿入して、平板75’の両側縁の中央
部の切欠溝75a’に可動接触子4Bの後端部の両側縁
の中央部より垂立させたT状片76’を係合させること
により固定鉄心74’が可動接触子4Bの後端部に図1
6に示すように固持される。
【0043】可動鉄心58’は固定鉄心74’側の面に
突出させ突起(図示せず)を、板ばね73の中央片73
a’の上端部に形成した孔73b’,73b’に挿入し
てかしめ固定することで板ばね73’に揺動自在に支持
され、板ばね73’は中央片73a’の両側方に折り曲
げ形成した両側片73c’,73c’を固定鉄心74’
の両側片74a’,74a’の外面に沿わせるように配
置して両側片73c’,73c’の先端に内向きに突設
した係止片(図示せず)を、固定鉄心74’の外側角部
に形成した凹部74b’,74b’に係止させることに
より固定鉄心74に固持される。
【0044】固定鉄心74’の両側片74a’,74
a’の先端である磁極面は板ばね73’の中央片73
a’と、両側片73c’,73c’との隙間を介して可
動鉄心67に対向し、短絡電流のような過大な電流が可
動接触子7Bに流れたときに固定鉄心74’の両側片7
4a’,74a’の磁極面に発生する磁力で可動鉄心6
7を吸引揺動させ、可動鉄心67’の一側端面に突設し
てある駆動部67aを移動させるのである。
【0045】可動接触子4Bの後端部に設けた挿通孔8
1より平板75’の中央に設けた螺子孔76’に調整螺
子77’を下方から螺入させて、その先端をバイメタル
46の下端L字状部の横片に内片80を介して対向さ
せ、調整螺子77を螺進させることで内片80を撓ませ
ることにより、バイメタル46の上端位置を調整するこ
とができるようになっている(図17参照)。
【0046】バイメタル46の上端よりやや下方の板面
には上述の刃受ばね78と同様に分電盤内に配設される
導電バー(図示せず)を挟む刃受ばね部81に一端を溶
着した編組線82の他端を溶着してあり、刃受ばね部8
1、バイメタル46、可動接触子4Bを電気的に接続し
ている。尚刃受ばね部81は合成樹脂成形品からなる枠
部83内に収納されている。
【0047】而して本実施形態の回路遮断器を組み立て
るに当たっては、まず第1側ケース1Aの凹部8に端子
ブロック10Aを収納するとともに解除ハンドル17を
復帰ばね21とともに定位置に組み込む。またハンドル
6を所定位置にねじりばね51とともに組み込み、更に
図19に示すゆに一端部の底部近辺に設けられた刃受ば
ね部収納部90に刃受ばね部78を収納し、導電板71
の縦片71cを第1側ケース1Aの隔壁91、92間の
L状の隙間に沿わせるように配置するともに隔壁92の
上横壁部92aの上面に並行するように外片71aを配
置し、第1側ケース1Aの側平内面に形成した分離壁6
5の左側壁面(図19において)に電磁駆動部47及び
バイメタル45を配置する。このとき導電板71の外片
71aと、内片71bのU字状屈曲部内に第1側ケース
1Aの内側面より突出してある半円状のリブ103が嵌
まって位置決めする。
【0048】そしてクロスバー40をその切溝54に可
動接触子4Aを嵌め込みとともにコイルばね53を凹部
54a内に収納して第1側ケース1Aの所定位置に回動
自在に配置する。また作動板43をリンク44でハンド
ル6と連結させて配設する。更に分離壁65と隔壁92
との間の空間に電磁駆動部48及びバイメタル46を収
納するとともに、枠部83とともに刃受ばね部81を第
1側ケース1Aの上記刃受ばね部81の刃受ばね部収納
部90より上方に位置する上刃受ばね収納部93に配置
する。このとき枠部83の下部より一体延設した支持片
83aの下端の係止爪83bを図19に示すように第1
側ケース1Aに形成した係止孔94に係止させて枠部8
3を支持するとともに第1側ケース1Aの前壁の内側面
に突出させている断面が半円状の突起97で枠部83の
下部を支えるようになっている。
【0049】また可動接触子4Bの中央部の斜め上向き
の傾斜部位を、第1側ケース1Aの底部よりやや上方に
位置する分離壁65の下端より第1側ケース1Aの他端
部方向へ底部に平行し、さらにこの平行部より上向きに
傾斜して延長された隔壁95と第1側ケース1Aの底部
との間に配置して、可動接触子4Bの自由端側を隔壁1
4の切欠部14aを介して固定接触子12Bが配置され
る空間に配設する。このとき隔壁95の平行部の下面と
第1側ケース1Aの底部とに夫々突設したリブ96…で
可動接触子4Bの後端部を挟んで固定する。またこのと
き後端部と内片80とのU字状屈曲部内に第1側ケース
1Aの内側面より突出した半円状のリブ103’が嵌ま
り、位置決めされる。
【0050】更に第1引き外し板41をねじりばね60
とともに定位置に回動自在に配置し、また更に第2引き
外し板41を定位置に回動自在に配置する。
【0051】このようにして図19に示すように中間ケ
ース7及びこの中間ケース7の凹部9内に収納する端子
ブロック10B、解除ハンドル17’及びその復帰ばね
21’以外を第1側ケース1A側に配置、組み付けた後
に、端子ブロック10B、解除ハンドル17’及び復帰
ばね21’を凹部9に組み付けた中間ケース7を第1側
ケース1A側に重ねるように配設する。
【0052】ここで中間ケース7を第1側ケース1A側
の定位置に配設すると、可動接触子4Aの自由端側が縦
壁32の開口部39を介して凹所34内に配置されると
ともに、端子ブロック10Aに設けられた固定接触子1
2Aの先端側部が底壁31の段面31a上に載置される
ことになるとともに軸36が解除ハンドル17の凹部3
7に嵌まることになる。
【0053】一方端子ブロック10Bに設けられた固定
接触子12Bが第1側ケース1Aの底部上のリブ26上
に載置される。また中間ケース7の端部に形成せる下向
き段部の下面が第1側ケース1Aの端部壁に形成した平
坦面上に載置される。
【0054】この状態で第2側ケース1Bを第1側ケー
ス1A側に重ね合わせて結合するのである。このとき第
1側ケース1Aから第2側ケース1B側へ一体突出させ
た両端上下の4カ所の弾性係止片100…の先端の爪状
の引掛係止部101が第2側ケース1B側に対応して設
けた突起状の被引掛部102に係止されて第1側ケース
1Aと第2側ケース1Bとが結合固定されて器体1を構
成することになる(図4,図5,図7等参照)。この第
1側ケース1Aと1Bの結合固定を外す場合には、第2
側ケース1Bに各被引掛部102…に対応させて開口し
た各解除孔150よりドライバ151を挿入して対応す
る各弾性係止片100…の引掛係止部101を上方へ押
圧して、被引掛部102との引掛状態を外すことによ
り、第1側ケース1Aから第2側ケース1Bを外すこと
ができる。
【0055】第2側ケース1Bを被着することにより第
2側ケース1Bの内側面に設けてある軸孔52,56に
クロスバー40の軸40a、第1引き外し板41の軸部
41aが回動自在に挿入される。
【0056】また各バイメタル45,46に対応する調
整螺子77,77’の頭部は器体1の上面に開口する開
口部104,底部に開口する開口部105に夫々臨むこ
とになり、組立後の動作試験時に最適な動作点が得られ
るように開口部104,105を介して動作調整螺子7
7,77’を螺進させてバイメタル45,46の初期位
置を図17(a)から同図(b)に示すように調整し、
その調整後に、上蓋106,下蓋106’をその弾性を
利用して器体1の夫々の部位に嵌め込んで開口部10
4,105を被蔽する。
【0057】ここでバイメタル45,46は器体1の幅
方向を幅方向として器体1の長手方向に一部が重なるよ
うに並設され、器体1の幅方向の寸法のコンパクト化を
図っている。また変位方向を互いに外側方向に設定して
いるため変位しない初期位置が予め分かり、各バイメタ
ル45,46が変位しても初期位置以上に近接すること
がないので、各バイメタル45,46の配設作業を容易
としている。つまり同一方向に変位するのであれば、そ
の変位量を調べて配設する必要があり、各バイメタル4
5,46の配設作業が煩わしくなるのが、本実施形態で
は、そのような煩わしさがない。
【0058】またバイメタル45,46の間に隔壁であ
る分離壁65が存在するため両バイメタル45,46間
の間隔を狭くすることができ、器体1内に収納せれる開
閉機構5や接点部の配設スペースを十分にとれるように
してある。更に各バイメタル45,46に接続される編
組線79,82を器体1の上下方向から引き回すので、
編組線79,82の引き回し作業を容易としている。
【0059】而して器体1の一端内部には上下方向に導
電バーを挟み込むための刃受ばね部78,81が収納配
設され、これら刃受ばね部78,81対応するように器
体1の一端部には器体1の端面と両側面とにコ字型に開
口した導電バー挿入溝107,108が形成されること
になる。
【0060】また器体1の他端部には斜め上向きに開口
した一対の電線挿入孔16A、16Bが並行形成され
る。
【0061】更にこの電線挿入孔16A、16Bの下方
の端面には両ケース1A,1Bの側壁と中間ケース7と
で分割された2つの区画の内下側の区画に配置される固
定接点2Bと可動接点3Aとの開閉により発生するガス
を排気する排気孔109及び器体取付用係止孔112が
開口し、更に器体1の他端部上面には、図18に示すよ
うに上側の区画に配置される配置される固定接点2Aと
可動接点3Aとの開閉により発生するガスを斜め上方に
排気する排気孔110が開口する。
【0062】これら両排気孔109,110は上下に分
離し、且つ器体1外部に臨む方向が互いに離れる角度と
なるため、強制開極時に発生するアークの排出方向が互
いに異なり、両極のアークが混じり合うことによる極間
短絡を防止することができる。ここで図18に示す排気
孔110は内部の中間ケース7の先端立ち上がりリブ1
13、解除レバー17,17の側面に突出したリブ11
4,114及びケース1A,1Bの排気孔110の開口
に臨む横突出壁115により排気ガスが斜め上方へ導か
れるため、下方の排気孔109より排気される排気ガス
とは交わり難くなっている。
【0063】而して電線挿入孔16A,16Bに夫々負
荷側の電線111,111を挿入して各端子ブロック1
0A,10Bに接続し、導電バーを各刃受ばね部78に
接続すれば電路に本実施形態回路遮断器を挿入すること
ができることになる。図中112は器体固定用の係止孔
である。
【0064】次に本実施形態の動作を図20乃至図25
により説明する。
【0065】図20はオフ状態を示しており、このオフ
状態ではハンドル6の操作部6aが開口部50より倒立
露出した状態にあり、作動板43の一端と第1引き外し
板41との係合状態は外れた状態にある。そしてコイル
ばね62によりクロスバー40は図において時計方向に
回動するように付勢されており、クロスバー40の切溝
54に貫挿されている可動接触子4Aが自由端を上方に
移動させた状態にあり、また切溝55に貫挿させた可動
接触子4Bはそのばね弾性力により自由端を上方に移動
させた状態にあり、夫々の自由端に設けてある可動接点
3A,3Bが対応する固定接点2A,2Bから開離した
状態にある。
【0066】この状態でハンドル6の操作部6aを時計
方向に回動操作すると、リンク44の上側軸44aが下
方向に押し動かされてリンク44は下側軸44bにより
作動板43を押し下げる。この作動板43の押し下げに
より作動板43の一端(図において右端)が第1引き外
し板41の係止部57に当たり、その位置を回動中心と
して作動板43は反時計方向に回動し、作動板43の他
端(左端)が図21に示すようにクロスバー40の上端
に設けてある突起部84に当たり、クロスバー40を反
時計方向にばね付勢に抗して回動させる。
【0067】この回動によりクロスバー40の切溝55
に貫挿された可動接触子4Bが自由端を下向きに移動さ
せる方向に撓むことになり、自由端の可動接点3Bを固
定接点2Bに接触させる。また切溝54に貫挿された可
動接触子4Aが反時計方向に回動してその自由端の可動
接点3Aを固定接点3Bに接触させる。この接触は可動
接点3Bが固定接点2Bに接触するよりも遅れるような
っている。
【0068】ここで可動接触子4Bはそれ自体の弾性で
接圧を得ているため接圧用のばね手段が不要であり、ま
た編組線を用いて電路接続を行う必要がないため、部品
を組み込む作業や編組線接続作業が不要で、生産性を向
上させている。
【0069】そしてハンドル6を更に時計方向に回動さ
せると、リンク44の下側軸44bの位置とハンドル6
の回転中心を結ぶ線より上側軸44bが図22に示すよ
うに左方向に移動し、この状態でハンドル6のねじりば
ね51、クロスバー44を付勢するコイルスばね62、
更に可動接触子4Bのばね力等が均衡して作動板43の
一端と第1引き外し板41の係止部57とのラッチ状態
が保持され、図22のオン状態が維持される。図23は
引き外し板41,42を外した状態で上記オン状態を示
す。
【0070】さてオン状態でハンドル6の操作部6aを
反時計方向に回動させると、リンク44の上側軸44a
の位置が、ハンドル6の回転中心と、下側軸44bを結
ぶ線を右方向に越えて上方へ移動するため作動板43の
左端と第1引き外し板41の係止部57とのラッチ状態
が解かれ、クロスバー40はコイルばね62の付勢力で
時計方向に回動するとともに、ハンドル6がねじりばね
51の付勢力でオフ側に急速に回動復帰する。クロスバ
ー40の時計方向への回動により可動接触子4Aが時計
方向に回動して自由端を上方へ移動させ可動接点3Aを
固定接点2Aより開離させる。また可動接触子4Bが下
向きの押し下げが無くなって、そのばね力で元の状態に
復帰することになり、自由端の可動接点3Bを固定接点
2Bより開離する。この開離は上記可動接点3Aが固定
接点2Aから開離するよりも遅れる。この遅れは後述す
る強制開極時も同様である。
【0071】ここで上記のように両極の接点部の開閉に
上記のように遅れを持たせているため接点開閉時に生じ
るアークは剛体側の可動接触子4Aのみとなり、ばね材
からなる可動接触子3Bのアークによる消耗を防止でき
る。
【0072】また両極の接点部で生じるアークは夫々の
配置区画内で発生し、また排気孔109,110の排気
方向が異なるためアークによる極間短絡が防止できる。
【0073】更に接点部の開離時に回動するクロスバー
40の先端面の幅方向に形成した凹溝131に両ケース
1A,1B及び中間ケース7に形成した止片130…が
係入して凹溝131の底部に当接するため、一方の区画
で発生したアークが器体1の奥側のクロスバー40側か
ら回りこんで他の区画へ入り込む恐れを無くして、器体
1内部でのアークによる極間短絡を防止する。
【0074】また上側の固定接触子12Aの固定接点2
A近傍の空間を中間ケース7の膨出部30によって両ケ
ース1A,1Bの側壁間までの広い空間とし、また下側
の固定接触子12Bの固定接点2B近傍の空間を両ケー
ス1A,1Bの側壁間までの広い空間としているため、
各接点部の開離時に発生するアークによるガス圧を小さ
くすることができ、ガス圧による両ケース1A,1Bの
ひびや破損を防止することができる。
【0075】また中間ケース7が水酸化Mgを含む樹脂
材料で成形されているため、接点部開離時に発生するカ
ーボンを酸化してカーボンによる絶縁劣化を防止するこ
とができる。
【0076】さて図22に示す上記オン状態において、
負荷に過電流が流れると、バイメタル45,46は過電
流により発熱して湾曲変位することになる。ここで上方
から垂下したバイメタル45は下端が図において左方向
に移動するように変位し、また垂立したバイメタル46
は上端が右方向に移動するように変位し、図23に示す
ようにバイメタル45の下端は第1引き外し板41の第
1駆動部69を左方向に押し、バイメタル46の上端は
第2引き外し板42の第2駆動部70を右方向に押す。
つまり両バイメタル45,46の自由端は互いに離れる
方向に変位する。この変位により第1、2引き外し板4
1、42は時計方向に回動するが、このとき第2引き外
し板42の対向部42aが第1引き外し板41の受け部
59を押して第1引き外し板41に時計方向の回動力を
与える。
【0077】ここでバイメタル45,46の通電方向が
互いに逆方向となっているため、大電流が流れたとき
に、両バイメタル45,46には互いに離れる方向の磁
力が発生する。そのためバイメタル45,46の湾曲変
位を素早くすることができ、その結果強制開極をより速
くすることができる。この動作は後述する短絡電流によ
る強制開極時にも有効となる。
【0078】さて第1引き外し板41が時計方向に回動
すると、係止部57と作動板43の一端(右端)とのラ
ッチ状態が解除され、作動板43はリンク44の下側軸
44bを中心として時計方向に回動することになる。そ
のため作動板43の他端(左端)によるクロスバー40
の規制が無くなり、クロスバー40はコイルばねのばね
力により時計方向に回動し、図24に示すように可動接
触子4A,4Bをオフ状態に復帰させ、可動接点3A,
3Bを固定接点2A,2Bから夫々開離させる。
【0079】その後電路遮断によりバイメタル45,4
6は元の状態に戻り、第1引き外し板41はねじりばね
60の付勢により元の位置へ回動復帰し、同時に第2引
き外し板42の対向部42aを受け部59が押し動かし
て第2引き外し板42を元へ戻す。またハンドル6はね
じりばね51の付勢によりオフ方向(反時計方向)に回
動することになる。
【0080】また上記オン状態において、短絡電流のよ
うな過大電流が流れると、電磁駆動部47,48の固定
鉄心74、74’に磁力が発生して対応する可動鉄心5
8,67を吸引して揺動させる。これにより図25に示
すように、可動鉄心58の駆動部58aが第1引き外し
板41の受け部89を押し、また可動鉄心67の駆動部
67aが引き外し板42の受け部68を押して夫々を時
計方向に回動させる。過電流が流れたときと同様に第1
引き外し板41が時計方向に回動すると、係止部57と
作動板43の一端(右端)とのラッチ状態が解除され、
作動板43はリンク44の下側軸44bを中心として時
計方向に回動することになる。そのため作動板43の他
端(左端)によるクロスバー40の規制が無くなり、ク
ロスバー40はコイルばね62のばね力により時計方向
に回動し、可動接触子4A,4Bをオフ状態に復帰さ
せ、可動接点3A,3Bを固定接点2A,2Bから夫々
開離させる。
【0081】その後電路遮断により電磁駆動部47,4
8の固定鉄心74,74’に磁力が発生しなくなると、
可動鉄心58,67は板ばねのばね力により元の状態に
戻り、第1引き外し板41はねじりばね60の付勢によ
り元の位置へ回動復帰し、同時に第2引き外し板44を
押し動かして元へ戻す。またハンドル6はねじりばね5
1の付勢によりオフ方向(反時計方向)に回動すること
になる。
【0082】ここで可動鉄心58,67の各固定鉄心7
4,74’に吸引される方向が互いに逆方向となるよう
に電磁駆動部47,48を配設しているため、振動が加
わっても可動鉄心58,67の一方が振動により、吸引
される向きに、他方が反吸引する向きに動くため、第
1,第2引き外し板41,42をラッチ引き外し方向に
回動させる力は何れか一方の可動鉄心の動きのみによっ
て得られるため、ねじりばね60の付勢力に抗して第1
の引き外し板41を引き外す力を得ることができず、結
果振動よる誤動作を防止できる。
【0083】
【発明の効果】請求項1の発明は、固定接点を固着した
2つの固定接触子と。前記各固定接点に接離自在に対向
する可動接点を固着した2つの可動接触子と、これらの
2つの可動接触子を操作自在に保持する開閉機構とを備
え、この開閉機構を介して前記各可動接点を各固定接点
に接離させるハンドルと、このハンドルを外部から操作
可能に保持するとともに前記前記各可動接点が前記各固
定接点から開離するときに発生するアークによるガスを
排出する2つの排気孔を形成した器体と、を備えた回路
遮断器において、前記排気孔は、前記器体の高さ方向
で、上下二段に形成されたので、前記各可動接点が前記
各固定接点から開離するときに発生するアークが器体の
外にまで出るようなときに各極のアークが混じりにくく
なり、極間短絡を防止できるという効果がある。
【0084】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記各排気孔が、外開口部が互いに離れる角度で形
成されているので、アークが排気孔から出る場合、アー
クが互いに離れる方向に出やすくなり、請求項1の効果
に加え、更に極間短絡を防止できるという効果がある。
【0085】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記各可動接点及び各固定接点を前記器体の
幅方向に並設するとともに、前記器体の高さ方向に上下
に配設し、前記各固定接点を隔離する隔壁部材を設け、
前記各可動接点及び固定接点を前記器体の幅方向の両側
壁及び隔壁部材によって分割される2つの区画に分割収
納し、上段の可動接点及び固定接点の排気孔を一方の区
画内で前記器体の上方に形成するとともに下段の可動接
点及び固定接点の排気孔を他方の区画内で前記器体の下
方に形成したので、各極の排気孔が隔壁部材によって隔
離されることになり、前記各可動接点が前記各固定接点
から強制開極するときに発生するアークが器体内で混じ
ることを防止して極間短絡を防止できるという効果があ
る。
【0086】請求項4の発明では、請求項3の発明にお
いて、前記隔壁部材が、各固定接触子間で前記器体の側
壁に対して略平行に延出し上段の固定接触子側の前記器
体の側壁とともに上段の固定接触子を収納する縦壁部
と、この縦壁部の下端から器体の底面と略平行に延出し
て下段の固定接触子側の前記器体の側壁とともに下段の
固定接触子の導体接続部を収納する横壁部と、上段の固
定接触子の固定接点近傍から下段の固定接触子側の前記
器体の側壁方向に膨出して下段の固定接触子側の前記器
体の側壁に当接する膨出部とを有し、前記横壁部及び膨
出部並びに前記器体の両側壁によって下側の固定接触子
の固定接点を前記器体の両側壁間に跨って収納したの
で、上段の固定接触子の固定接点近傍を膨出部によって
器体の両側壁間まで広く取ることができるとともに、下
段の固定接触子の固定接点近傍'を器体の器体の両側壁
間まで広く取ることができ、各区画に配設された可動接
点が固定接点から開離するときに発生するアークによる
ガス圧を小さくすることができ、ガス圧による器体のひ
びや破損が防止し易くなるという効果がある。
【0087】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記開閉機構が各可動接触子を両側から個々に横嵌
め挿入して各区酬こ連通する切溝を有した回動自在なク
ロスバーを備え、前記隔壁部材及び前記器体の両側壁
に、前記各可動接点が前記各固定接点から開離した状態
で前記クロスバーの可動接点側の先端面が当接する止片
を設けたので、前記各可動接点が前記各固定接点から開
離したときに発生するアークが器体奥側のクロスバー側
から他の区画に入り込む恐れを少なくし、アークによる
極間短絡を防止できるという効果がある。
【0088】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記止片及びクロスバーの先端面に、凹凸係合部を
設けたので、止片及びクロスバーの端面に凹凸係合部が
形成されているので、上側又は下側の区画内に発生する
アークがそのまま下側又は上側の区画内に真っ直ぐ入り
込む恐れがなくなり、請求項5の効果に加え、更にアー
クによる極間短絡を防止できるという効果がある。
【0089】請求項7の発明は、請求項3乃至6の何れ
かの発明において、前記隔壁部材が、アルカリ土類金属
の水酸化物を含む材料により形成されたので、前記各可
動接点が前記各固定接点から開離時に発生するカーボン
を酸化して絶縁劣化を防止することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の正面図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の側面図である。
【図4】同上の図3のA−A断面図である。
【図5】同上の図3のB−B断面図である。
【図6】同上の図3のC−C断面図である。
【図7】同上の斜視図である。
【図8】同上の上面図である。
【図9】同上の下面図である。
【図10】同上の背面図である。
【図11】同上の中間ケースの拡大斜視図である。
【図12】同上のクロスバー部位の一部省略せる拡大分
解斜視図である。
【図13】同上の上側電磁駆動部及び上側バイメタルの
構造部位の分解斜視図である。
【図14】同上の上側電磁駆動部及び上側バイメタルの
構造部位の斜視図である。
【図15】同上の下側電磁駆動部及び下側バイメタルの
構造部位の分解斜視図である。
【図16】同上の下側電磁駆動部及び下側バイメタルの
構造部位の斜視図である。
【図17】同上のバイメタルの調整説明図である。
【図18】同上の上側の排気孔の構成説明用の一部省略
且つ破断せる拡大斜視図である。
【図19】同上の第1側ケースに対する部材組み付け状
態の側面図である。
【図20】同上のオフ状態の状態説明図である。
【図21】同上のオン状態への移行途中の状態説明図で
ある。
【図22】同上のオン状態の状態説明図である。
【図23】同上の引き外し板を外した状態で示すオン状
態説明図である。
【図24】同上の過電流によるトリップ動作の状態説明
図である。
【図25】同上の過大電流による瞬断状態の状態説明図
である。
【符号の説明】
1 器体 1A 第1側ケース 1B 第2側ケース 109,110 排気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 健彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 ▲高▼山 晋治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 香川 卓也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 志水 憲一郎 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 大井戸 敏宏 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 田中 孝信 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 水野 初男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中道 義也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5G030 AA01 BA01 BA06 DD02 EA00 FC11 FE27 XX00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定接点を固着した2つの固定接触子と。
    前記各固定接点に接離自在に対向する可動接点を固着し
    た2つの可動接触子と、これらの2つの可動接触子を操
    作自在に保持する開閉機構とを備え、この開閉機構を介
    して前記各可動接点を各固定接点に接離させるハンドル
    と、このハンドルを外部から操作可能に保持するととも
    に前記各可動接点が各固定接点から開離するときに発生
    するアークによるガスを排出する2つの排気孔を形成し
    た器体と、を備えた回路遮断器において、前記排気孔
    は、前記器体の高さ方向で、上下二段に形成されたこと
    を特徴とする回路遮断器。
  2. 【請求項2】前記各排気孔は、外開口部が互いに離れる
    角度で形成されたことを特徴とする請求項1記載の回路
    遮断器。
  3. 【請求項3】前記各可動接点及び各固定接点を前記器体
    の幅方向に並設するとともに、前記器体の高さ方向に上
    下に配設し、前記各固定接点を隔離する隔壁部材を設
    け、前記各可動接点及び固定接点を前記器体の幅方向の
    両側壁及び隔壁部材によって分割される2つの区画に分
    割収納し、上段の可動接点及び固定接点の排気孔を一方
    の区画内で前記器体の上方に形成するとともに下段の可
    動接点及び固定接点の排気孔を他方の区画内で前記器体
    の下方に形成したことを特徴とする請求項1又は2の何
    れかに記載の回路遮断器。
  4. 【請求項4】前記隔壁部材は、各固定接触子間で前記器
    体の側壁に対して略平行に延出し上段の固定接触子側の
    前記器体の側壁とともに上段の固定接触子を収納する縦
    壁部と、この縦壁部の下端から器体の底面と略平行に延
    出して下段の固定接触子側の前記器体の側壁とともに下
    段の固定接触子の導体接続部を収納する横壁部と、上段
    の固定接触子の固定接点近傍から下段の固定接触子側の
    前記器体の側壁方向に膨出して下段の固定接触子側の前
    記器体の側壁に当接する膨出部とを有し、前記横壁部及
    び膨出部並びに前記器体の両側壁によって下側の固定接
    触子の固定接点を前記器体の両側壁間に跨って収納した
    ことを特徴とする請求項3記載の回路遮断器。
  5. 【請求項5】前記開閉機構は前記各可動接触子を両側か
    ら個々に横嵌め挿入して各区酬こ連通する切溝を有した
    回動自在なクロスバーを備え、前記隔壁部材及び前記器
    体の両側壁に、前記各可動接点が前記各固定接点から開
    離した状態で前記クロスバーの可動接点側の先端面が当
    接する止片を設けたことを特徴とする請求項4記載の回
    路遮断器。
  6. 【請求項6】前記止片及びクロスバーの先端面に、凹凸
    係合部を設けたことを特徴とする請求項5記載の回路遮
    断器。
  7. 【請求項7】前記隔壁部材は、アルカリ土類金属の水酸
    化物を含む材料により形成されたことを特徴とする請求
    項3乃6の何れか記載の回路遮断器。
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KR101565454B1 (ko) * 2012-09-13 2015-11-04 파나소닉 아이피 매니지먼트 가부시키가이샤 직류 개폐기 및 직류 차단기

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CN102299014A (zh) * 2010-06-22 2011-12-28 西门子公司 开关,特别是用于低压的负荷断路开关
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KR101565454B1 (ko) * 2012-09-13 2015-11-04 파나소닉 아이피 매니지먼트 가부시키가이샤 직류 개폐기 및 직류 차단기

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