JP2003272507A - 回路遮断器 - Google Patents

回路遮断器

Info

Publication number
JP2003272507A
JP2003272507A JP2002079002A JP2002079002A JP2003272507A JP 2003272507 A JP2003272507 A JP 2003272507A JP 2002079002 A JP2002079002 A JP 2002079002A JP 2002079002 A JP2002079002 A JP 2002079002A JP 2003272507 A JP2003272507 A JP 2003272507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron core
release device
electromagnetic release
fixed
movable iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002079002A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Oido
敏宏 大井戸
Hiroshi Fujioki
浩 藤雄木
Takehiko Okada
健彦 岡田
Tomoyuki Sawada
知行 澤田
Takuya Kagawa
卓也 香川
Takashi Ineji
崇 稲次
Koichi Yamazoe
宏一 山添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2002079002A priority Critical patent/JP2003272507A/ja
Publication of JP2003272507A publication Critical patent/JP2003272507A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】感度電流値の調整作業が容易な回路遮断器を提
供する。 【解決手段】第2の電磁釈放装置47Aの感度電流値を
所定範囲(コード短絡保護用瞬時遮断機能の規格並びに
越流試験の規格を両方とも満足する範囲)の値に設定す
るとともに、板ばね59Bの厚みtbを板ばね59Aの
厚みtaよりも厚くして板ばね59Bの弾性力を板ばね
59Aの弾性力よりも強くすることによって、第1の電
磁釈放装置47Bの感度電流値を第2の電磁釈放装置4
7Aの感度電流値よりも大きい値とする。故に、電磁釈
放装置を1つしか備えない回路遮断器、すなわち100
V専用タイプの回路遮断器から第2の電磁釈放装置47
Aを流用しても、第1の電磁釈放装置47Bの感度電流
値を調整するだけで見かけ上の感度電流値を上記所定範
囲に設定することができて感度電流値の調整作業が容易
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2極の主接点を有
する2極型の回路遮断器に関し、特に各極毎に地絡事故
や短絡事故による異常な大電流から保護する電磁釈放装
置を備えた回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の分岐回路に使用される回路
遮断器には、一般に安全ブレーカと呼称される住宅用分
電盤用配線用遮断器(JIS C 8370参照)に代
わって、分岐回路に接続される電気機器の電源コードが
被覆の損傷や劣化によって短絡した場合のように比較的
小さな短絡電流でも瞬時に電路を遮断し得るコード短絡
保護用瞬時遮断機能付の配線用遮断器(日本電機工業会
規格1477参照)が用いられている。
【0003】上記コード短絡保護用瞬時遮断機能付の配
線用遮断器(以下、「回路遮断器」と略す)は、従来の
安全ブレーカよりも高感度の電磁釈放装置を備えてお
り、その感度電流値(電磁釈放装置が引外し動作を行う
短絡電流の大きさ)が上記規格において350Aを上限
とし、JIS C 8370に規定する越流試験にて引
外し動作を行わない電流値(例えば、定格電流の8倍程
度)を下限とする値に設定される。
【0004】ところで、住宅の分岐回路には通常100
V又は200Vの電圧が供給されるので、回路遮断器に
は100V専用タイプと100V/200V兼用タイプ
が存在する。そして、100V専用タイプの回路遮断器
では1つの電磁釈放装置が2つの極の内で電圧極にのみ
設けられ(例えば、特開2002−254151号公報
参照)、100V/200V兼用タイプの回路遮断器で
は2つの極にそれぞれ電磁釈放装置が設けられている
(例えば、特開2001−15007号公報参照)。す
なわち、100V専用タイプの場合には中性極が地絡し
ても異常な大電流が流れることがないために中性極には
電磁釈放装置を設ける必要がなく、100V/200V
兼用タイプの場合には200Vの分岐回路に使用された
ときに両方の極が電圧極となって地絡時に異常な大電流
が流れてしまうために各極に電磁釈放装置を設ける必要
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、100V/2
00V兼用タイプの回路遮断器においてコード短絡が生
じた場合、両方の極に短絡電流が流れて2つの電磁釈放
装置が両方とも動作して主接点が強制的に開極されるの
であるが、2つの電磁釈放装置が同時に動作するという
ことは各電磁釈放装置毎に設定される感度電流値よりも
見かけ上の感度電流値が低くなることを意味する。従っ
て、個々の電磁釈放装置の感度電流値を上記コード短絡
保護用瞬時遮断機能の規格(日本電機工業会規格147
7)並びに越流試験の規格(JIS C 8370)を
満足する範囲に設定しても、見かけ上の感度電流値が低
下して越流試験の規格を満足できない虞がある。すなわ
ち、100V専用タイプの回路遮断器に用いる電磁釈放
装置を100V/200V兼用タイプの回路遮断器にそ
のまま流用すると、上述のように見かけ上の感度電流値
の低下により越流試験の規格を満足できない虞があるた
め、上記コード短絡保護用瞬時遮断機能の規格並びに越
流試験の規格を両方とも満足するように各電磁釈放装置
の感度電流値を調整し直す必要があり、感度電流値の調
整作業に手間がかかるという問題があった。
【0006】本発明は上記問題に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、感度電流値の調整作業が容易な回路
遮断器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、2極の主接点を有した主回路を
収納する器体と、少なくとも一部が器体から回動自在に
露出するハンドルと、少なくともハンドルの操作に応じ
て主回路の主接点を開閉する開閉機構と、地絡事故や短
絡事故により異常な大電流が主回路の一方の主接点に流
れた場合に開閉機構を釈放して主接点を強制的に開極す
る第1の電磁釈放装置と、前記異常大電流が主回路の他
方の主接点に流れた場合に開閉機構を釈放して主接点を
強制的に開極する第2の電磁釈放装置とを備え、第1の
電磁釈放装置が動作する感度電流値を所定範囲に設定
し、第2の電磁釈放装置が動作する感度電流値を第1の
電磁釈放装置の感度電流値よりも大きく且つ第1及び第
2の電磁釈放装置の見かけ上の感度電流値が前記所定範
囲を外れない値に設定したことを特徴とし、電磁釈放装
置を1つしか備えない回路遮断器から第1の電磁釈放装
置を流用しても第2の電磁釈放装置の感度電流値を調整
するだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に設定する
ことができて感度電流値の調整作業が容易となる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成する
各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心に
揺動自在に接離する可動鉄心並びに可動鉄心を固定鉄心
から離れる向きに弾性付勢する弾性部材をそれぞれ具備
し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈
放してなり、第2の電磁釈放装置が具備する弾性部材の
弾性力を第1の電磁釈放装置が具備する弾性部材の弾性
力よりも強くしたことを特徴とし、固定鉄心並びに可動
鉄心を第1及び第2の電磁釈放装置で共通化することが
でき、部品管理が容易となる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成する
各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心に
揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄心
が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心と可動鉄心
との対向間隔を第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心
と可動鉄心との対向間隔よりも広くしたことを特徴と
し、固定鉄心並びに可動鉄心を第1及び第2の電磁釈放
装置で共通化することができ、部品管理が容易となる。
【0010】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成する
各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心に
揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄心
が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び可動鉄
心の少なくとも一方の体積を第1の電磁釈放装置が具備
する固定鉄心及び可動鉄心の少なくとも一方の体積より
も小さくしたことを特徴とし、第2の電磁釈放装置の固
定鉄心又は可動鉄心の少なくとも一方を軽くして全体の
軽量化が図れる。
【0011】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心の磁極面の
厚み寸法を第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心の磁
極面の厚み寸法よりも小さくしたことを特徴とし、可動
鉄心等の固定鉄心以外の部品を第1及び第2の電磁釈放
装置で共通化することができ、部品管理が容易となる。
【0012】請求項6の発明は、請求項4の発明におい
て、第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心の固定鉄心
との対向部位の厚み寸法を第1の電磁釈放装置が具備す
る可動鉄心の固定鉄心との対向部位の厚み寸法よりも小
さくしたことを特徴とし、可動鉄心等の固定鉄心以外の
部品を第1及び第2の電磁釈放装置で共通化することが
でき、部品管理が容易となる。
【0013】請求項7の発明は、請求項4の発明におい
て、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心又は可動鉄
心の少なくとも何れか一方に切り欠き部を設けたことを
特徴とし、切り欠き部を形成する以前の鉄心は全く同じ
金型で製造することができて部品管理が容易となる。
【0014】請求項8の発明は、請求項4の発明におい
て、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心を、先端面
が磁極面となる一対の側片を有する略コ字形に形成し、
第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心を、先端面が磁
極面となる側片を有する略L字形に形成したことを特徴
とし、第2の電磁釈放装置の固定鉄心には片側にしか側
片がないため、固定鉄心と可動鉄心との間に容易に通電
導体を挟むことができて組立作業が簡単になる。
【0015】請求項9の発明は、請求項4の発明におい
て、主回路の各極を器体の幅方向に隔絶する隔壁を器体
内に設け、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び
可動鉄心を器体の幅方向に隔壁を跨いで配設し、第2の
電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び可動鉄心を隔壁と
器体の片側内側面との間に配設したことを特徴とし、器
体の小型化が図れる。
【0016】請求項10の発明は、請求項1の発明にお
いて、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成す
る各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心
に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄
心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心の磁極面の
一端部を可動鉄心に当接させ、第2の電磁釈放装置が具
備する固定鉄心の磁極面を可動鉄心から離間させたこと
を特徴とし、第2の電磁釈放装置については固定鉄心と
可動鉄心を当接させるために精度よく組み立てる必要が
無いから組立が容易になる。
【0017】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、開閉機構は、主接点を閉極状態にラッチさせる
ラッチ部材と、主接点を開極状態へ移行させるラッチ部
材の動きを規制するとともに第1又は第2の電磁釈放装
置により前記規制が解除される引外し部材とを具備し、
第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心を引外し部材に
取着したことを特徴とし、第2の電磁釈放装置において
は可動鉄心の動きを引外し部材に伝える部材が不要とな
り、部品点数を削減できるとともに可動鉄心と引外し部
材との距離を縮めることで小型化が図れる。
【0018】請求項12の発明は、請求項1の発明にお
いて、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成す
る各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心
に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄
心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、開閉機構は、主接点を閉極状態にラッチさせるラッ
チ部材と、主接点を開極状態へ移行させるラッチ部材の
動きを規制するとともに第1又は第2の電磁釈放装置が
具備する可動鉄心の揺動により前記規制が解除される方
向へ回動される引外し部材とを具備してなり、引外し部
材の回動支点と第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心
からの力を受ける作用点との距離を、引外し部材の回動
支点と第1の電磁釈放装置が具備する可動鉄心からの力
を受ける作用点との距離よりも短くしたことを特徴と
し、第1及び第2の電磁釈放装置を互いに離して配設す
ることで器体内における配設スペースを充分に取ること
ができて器体の小型化が図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明の実
施形態1を図1〜図10を参照して詳細に説明する。
【0020】本実施形態は、両側の合成樹脂製の第1側
ケース1Aと第2側ケース1Bとを連結して構成される
器体1内に、器体1の幅方向に並設された2つの固定接
点2A,2Bと、これら各固定接点2A,2Bに接離自
在に対向する可動接点3A,3Bを固着した2つの可動
接触子4A,4Bと、これらの2つの可動接触子4A,
4Bを駆動する開閉機構5とを備え、ハンドル6の投入
・開放操作により開閉機構5を介して各可動接点3A,
3Bを各固定接点2A,2Bに接離(接触・開離)させ
る構成となっており、各固定接点2A,2B及び各可動
接触子4A,4Bを、器体1の高さ方向に上下に配設す
るとともに両可動接触子4A,4Bの内、高さ方向で2
つの固定接点2A,2B間に介在する一方の可動接触子
4Bと、他方の可動接触子4Aの可動接点3Aが接離す
る固定接点2Aとを、各固定接点2A,2Bから各可動
接点3A,3Bが開離した状態で器体1の幅方向から見
て交差しない高さ位置に配設してある。
【0021】器体1の長手方向における一端部内には両
側ケース1A,1B間に挟み込むようにして、合成樹脂
材料から成形された中間ケース7を固定しており、第1
側ケース1Aの側壁(外壁)内側の凹部8と中間ケース
7の縦壁部35とで構成される区画内に固定接点2Aを
一端に設けた電圧極側の出力端子を構成する端子ブロッ
ク10Aを収納し、中間ケース7の第2側ケース1B側
に設けた凹部9と第2側ケース1Bの側壁(外壁)とで
構成される区画内に下側の固定接点2Bを一端に設けた
中性極側又は他方の電圧極側の出力端子を構成する端子
ブロック10Bを収納してある。
【0022】端子ブロック10Aは、コ状に折り曲げら
れた端子板11と、該端子板11の下片の一端より上方
に延長片11aが一体延長され、該延長片11aの上端
から延長片11aに対し直角に折り曲げて端子板11に
対して外向きに一体延長された固定接触子12Aと、該
固定接触子12Aの一端上面にかしめ固定された固定接
点2Aと、端子板11の下片上に載置されて端子板11
内に収納される略ム字状の鎖錠ばね13Aとで構成され
る。そして、上記第1側ケース1Aの凹部8の下向き傾
斜した底面上に端子板11の下片を乗せ、凹部8の一端
の立ち上がり壁8aに沿うように延長片11aを配置
し、立ち上がり壁8aの上端を越えて固定接触子12A
を凹部8の外へ導出して立ち上がり壁8aと、第1側ケ
ース1Aの底部より立ち上がった隔壁14との間に凹部
8の底部と同様に傾斜させて一体形成した固定接点配置
部15上に固定接触子12Aの先部を配置することによ
り、端子ブロック10Aが凹部8内に配設される。固定
接点配置部15には固定接触子12Aの下面側に突出し
た固定接点2Aの下端を逃がす凹部15aが形成されて
いる。端子板11は上片の他端から上向きにT字片11
bを一体に延長形成しており、このT字片11bの上端
の側方突出部の片側先端を第1側ケース1Aの内側面に
形成してある凸平部22の上端面に載置する。また端子
板11の側片の側面には鎖錠ばね13Aの押さえ片13
b内に挿入され、鎖錠ばね13Aのがたつきを防止する
突起23を一体に形成してある。
【0023】鎖錠ばね13Aと端子板11は導体接続部
たる速結端子を構成するもので、第1側ケース1Aに中
間ケース7を重ね合わせた時に、第1側ケース1Aの他
端部の縦壁部に形成した断面が半円状の斜め下向き溝1
60と中間ケース7の対向壁面に形成した壁に同様な形
状の斜め下向き溝160とで形成される斜め下向き電線
挿入孔16Aを介して外部より挿入された電線(図示せ
ず)の芯線が端子板11の上片と鎖錠ばね13Aの鎖錠
片13aの上端と押さえ片13bの上端との間に圧入さ
れ、鎖錠片13a先端により電線の引き抜き方向に対し
て芯線を鎖錠し且つ、押さえ片13bの上端面で芯線を
端子板11の上片に押し付けることにより、電気的に芯
線を接続すると共に、機械的に保持するようになってい
る。この電線鎖錠を解除するのが解除ハンドル17でこ
の解除ハンドル17は下部側面に設けた回動軸18が第
1側ケース1Aの内側面の凸平部22に設けた軸孔20
に回動自在に軸支され且つ中間ケース7の縦壁部35の
壁面に突出させている軸(図示せず)を下部他側面に設
けた凹部37に回動自在に軸支してあり、器体1の外側
に露出する操作部17aを手動操作して回動させること
で、下端に設けた駆動突起19が鎖錠ばね13Aの鎖錠
片13aの一側端の先部を押して鎖錠片13aを撓ま
せ、芯線に対する鎖錠を解除することができるようにな
っている。図中21は解除ハンドル17を常時反手動操
作方向に回動付勢する復帰ばねである。
【0024】一方端子ブロック10Bは、基本的に端子
ブロック10Aと同様に端子板11と、鎖錠ばね13B
と、固定接触子12Bとで構成されているが、端子ブロ
ック10Aの端子板11とは異なり、端子ブロック10
Bの端子板11はその下片の一端より下向きに延長片1
1cを延長形成し、その延長片11cの先端より器体1
の底部と平行するようにして固定接触子12Bを延長形
成し、また端子板11の側片の一端部から直角に延長し
た奥片11dを形成してある。
【0025】鎖錠ばね13Bは、鎖錠ばね13Aと同じ
構造のものであって、端子板11の下片上に載置され、
端子板11の側片より突出させた突起23が押さえ片1
3b内に挿入されようになっている。
【0026】この端子ブロック10Bは中間ケース7の
凹部9の底部を構成し器体1の底部に略平行に延出形成
された横壁部24上に端子板11の下片を載置するとも
に、凹部9の一端部の縦壁25に奥片11dを沿わせる
とともに縦壁25の下端と、横壁部24の一端部との間
に形成された切欠27に端子板11の一端を嵌めて延長
片11cを凹部9外に出すようになっており、中間ケー
ス7を第1側ケース1A側に重ね合わせときに、固定接
触子12Bの先部、つまり固定接点2Bを設けた下面が
第1側ケース1Aの底部のリブ26,26上に載置され
るようになっている。つまり固定接点2Bは中間ケース
7の横壁部24及び後述する膨出部30及び両側ケース
1A,1Bの側壁間で構成される空間で両側ケース1
A,1B間に跨って配置される。尚リブ26,26間の
凹所は固定接触子12Bの先部にかしめ固定された固定
接点2Bの固定接触子12Bの下面側に突出した下端部
の逃げとなる。
【0027】また端子板11の上片の他端部より上方に
延長形成されたT字片11bの上端の側方突出部の先端
は中間ケース7の壁面に形成してある凸平部22’の上
端面に載置される。
【0028】端子ブロック10Bの鎖錠ばね13Bと端
子板11は端子ブロック10Aの場合と同様に導体接続
部たる速結端子を構成し、第2側ケース1Bに中間ケー
ス7を重ね合わせたときに、中間ケース7の凹部9の他
端部の縦壁部に設けられた断面半円状の斜め下向き溝1
60とこの斜め下向き溝160と同様に第2側ケース1
Bの他端部の縦壁に設けられた斜め下向き溝160とで
形成される電線挿入孔16Bから電線が挿入されるとそ
の芯線を鎖錠ばね13Bの鎖錠片13aで鎖錠し、押さ
え片13bで芯線を端子板11の上片に押しつけて電線
を電気的に接続するともに機械的に鎖錠するようになっ
ている。
【0029】この電線鎖錠を解除するのが解除ハンドル
17’で、この解除ハンドル17’は上記の解除ハンド
ル17と同様に下部側面に設けた回動軸18が中間ケー
ス7の凸平部22’に設けた軸孔20に回動自在に軸支
され且つ第2側ケース1Bの内側壁面に突出させている
軸38を側面に形成してある凹部37に回動自在に軸支
し、器体1の外側に露出する操作部17aを手動操作し
て回動させたときに下端に設けた駆動突起19が鎖錠ば
ね13Bの鎖錠片13aの一側端の先部を押して鎖錠片
13aを撓ませて鎖錠状態を解除することができるよう
になっている。図中21’は解除ハンドル17’を常時
反手動操作方向に回動付勢する復帰ばねである。
【0030】中間ケース7は両側ケース1A,1Bの側
壁に略平行する縦壁部35に対して第2側ケース1B側
へ突出して第2側ケース1Bの側壁内面に当接する膨出
部30が形成され、この膨出部30下面より垂下させた
壁が上記縦壁25であり、第2側ケース1B側に面する
側壁、底壁、一端部の縦壁32及び天井壁33とで囲ま
れた凹所を第1側ケース1A側に設けてある。そして第
1側ケース1A側に中間ケース7を突き合わせときに第
1側ケース1A側に組み付けてある端子ブロック10A
の固定接触子12Aの先端側部が凹所の底壁の段面上に
載置され、また天井壁33が第1側ケース1Aの内側面
より突出している横壁29の下面に沿うよう配置され
る。また縦壁32には固定接点2Aに対応する可動接触
子4Aの自由端を凹所内に挿入するための開口部39を
形成してある(図2参照)。
【0031】一方器体1の長手方向における他端内部に
は、分電盤内において異なる位置(図2の上下方向)に
各々配設された3本の導電バー(図示せず)の内で最下
段の電圧極の導電バーを差込接続する1つの固定端子T
1を収納配置する収納部90と、最上段の中性極又は中
段の他の電圧極の導電バーの何れかを選択して差込接続
する1つの選択端子T2を中性極及び他の電圧極の導電
バーに対応した少なくとも2つの位置間で移動自在に配
設する内方収納部200を設けてある。すなわち、本実
施形態では選択端子T2を中性極の導電バーに接続すれ
ば100V、選択端子T2を他方の電圧極の導電バーに
接続すれば200Vの配電電圧に選択的に対応させるこ
とができる、いわゆる100V/200V兼用型となっ
ている。
【0032】固定端子T1及び選択端子T2は共に略コ
字状で、上下に並行する両側片の先部が互いに近接した
後、先端にかけて拡開した刃受ばねから構成され、先端
拡開により導電バーの差込を容易とし、中央の近接部位
で導電バーを挟み込むようになっている。
【0033】内方収納部200には、中性極及び電圧極
の2本の導電バーに各々対応する2つの位置で選択端子
T2を位置決めする位置決め手段として、第1側ケース
1Aの内方収納部200を構成する区画の端部壁面に断
面略半円状の突起97を第1側ケース1Aの幅方向に設
けてある。
【0034】前記器体1の内方収納部200の天井部に
当たる壁には、選択端子T2が中性極又は電圧極の導電
バーのうちのどちらに対応する位置にあるのか表示する
表示手段として、内方収納部200内に連通する通孔2
01を設け、この通孔201から選択端子T2を収納し
たスライド部材83の上部に形成せる円柱状の表示部2
02が通孔201に臨んで外部から視認できるか、通孔
201から離れた位置にあって外部から視認できないか
により選択端子T2の位置を知ることができるようにな
っている。また通孔201を介してスライド部材83を
外部から押し操作して下方移動させることも可能として
いる。この通孔201は両側ケース1A、1Bの上面側
壁に設けた半円の切欠孔201aが突き合わせられて形
成される円形の孔からなる。
【0035】スライド部材83は合成樹脂成形品からな
り器体1の両端方向に対応する両端面が開口した枠体状
に形成されたもので、選択端子T2を構成する刃受ばね
を一端開口から挿入して他端開口より刃受ばねの先端部
を突出させるようにして保持しており、選択端子T2は
このスライド部材83と共に内方収納部200内を図2
において上下方向に移動自在に配置される。
【0036】内方収納部200の両側壁を構成する両側
ケース1A,1Bの側壁の内面にはスライド部材83の
両側部に形成したスライド突起203を上下移動自在に
係合してスライドさせる上下方向のガイド溝204を2
条の並行する突起205間に形成しており、内方収納部
200はこの両側壁のガイド溝204,204にスライ
ド部材83の両側のスライド突起203を係合した状態
でスライド部材83とともに選択端子T2を上下方向に
スライド移動自在に収納保持している。なお、内方収納
部200側にスライド突起を、ガイド溝をスライド部材
83側に設けても良い。
【0037】スライド部材83は第1側ケース1Aの側
部より図1に示すように図において下方に延びた脚片8
3aを一体に延長形成するとともに、脚片83aの下端
部のには外向きに突出した突出部206を形成してあ
る。
【0038】この突出部206は内方収納部200の側
壁を構成する第1側ケース1Aの側壁の外側に第1側ケ
ース1Aの底面から上方向に形成されたスライド溝(図
示せず)の上端底部に内方収納部200と連通するよう
に開口した挿通孔(図示せず)からスライド溝内に挿入
されて脚片83aとともにスライド溝内を上下方向にス
ライド自在に位置される。
【0039】スライド溝、挿通孔は選択端子T2を装着
したスライド部材83を上下移動させるためのガイド部
を構成しており、スライド溝の底部は内方収納部200
内に突出するように形成され、スライド溝の上端底部に
形成された挿通孔を介してスライド溝内に上方挿入され
る脚片83aの裏面がスライド溝の底部に摺接可能なよ
うになっている。またスライド溝の最上方には突出部2
06がスライド溝の上端部へ移動したときに衝合する突
出部(図示せず)を設けてある。
【0040】而して、突出部206が内方収納部200
内の選択端子T2の上下移動させる操作部を構成し、器
体1外部からこの突出部206を持って或いはドライバ
等で押し上げたり、押し下げることによってスライド溝
内をスライド移動させれば、このスライド移動に伴い内
方収納部200内のスライド部材83が選択端子T2と
共にスライド突起203とガイド溝204とによるガイ
ドによって上又は下へ移動することになる。
【0041】上記の操作によってスライド部材83が移
動する際、位置決め突起97をスライド部材83の先端
上部或いは先端下部がその弾性と位置決め突起97のア
ール面とにより乗り越え、移動後は位置決め突起97に
枠部83の先端下部或いは先端上部が当たって、選択端
子T2の位置を保持するようになっている。
【0042】さて可動接触子4A,4Bを開閉駆動する
開閉機構5は、ラッチ部材たる作動板43と、クロスバ
ー40と、作動板43の一端を係止する段状の係止部4
1eを備えた第1引外し板41と、第2引外し板42
と、ハンドル6と、コ字状リンク44等からなる。そし
て、一方の主接点(固定接点2A及び可動接点3A)の
閉極状態において地絡事故や短絡事故により異常な大電
流が流れれば第1の電磁釈放装置47Aによって、他方
の主接点(固定接点2B及び可動接点3B)の閉極状態
において同じく地絡事故や短絡事故により異常な大電流
が流れれば第2の電磁釈放装置47Bによって、さらに
過負荷電流のような過電流が流れれば熱動釈放装置によ
って、それぞれ開閉機構5を釈放して主接点を強制的に
開極させる。
【0043】ハンドル6は、操作部6aと回動部6bと
ハンドル軸6cとで構成され、回動部6bの両側面の中
央に突出したハンドル軸6cを第1側ケース1Aの内側
面に形成された軸孔49と、第2側ケース1Bの内側面
に形成された軸孔49とにそれぞれ回動自在に挿入して
両側ケース1A,1B間に保持され、操作部6aは、両
側ケース1A,1Bの連結した状態で構成される器体1
の上面に開口する窓孔50に臨むようになっている。ま
たハンドル軸6cにはねじりばね36が装着され、ねじ
りばね36により、ハンドル6は投入操作位置(図2及
び図3参照)において、開放操作方向に付勢されてい
る。
【0044】回動部6bの下端に設けた軸孔6dにはコ
字状リンク44の上側軸44aを回動自在に挿入して、
コ字状リンク44を介して作動板43と連結されてい
る。
【0045】作動板43は中央両側に設けた軸受け孔4
3aにコ字状リンク44の下側軸44bを貫挿させるこ
とによりコ字状リンク44を介してハンドル6と連結さ
れ、器体1内に上下移動自在に配置される。
【0046】クロスバー40は上部の両側面に突出させ
た軸40aを両側ケース1A,1Bの内側面に形成した
軸孔52、52に挿入して両側ケース1A,1B間に枢
支されるもので、図2に示すように軸40aよりやや下
方の第1側ケース1A側の側部には可動接触子4Aの側
部を横方向から嵌める切溝54を、また図3に示すよう
に下部の第2側ケース1B側の側部には可動接触子4B
を横方向から嵌める切溝55をそれぞれ設けてある。そ
して可動接点側端面には、中間ケース7及び第1側ケー
ス1Aの側壁の内面に突設してある止片130を、各可
動接点3A,3Bが各固定接点2A,2Bから開離した
状態で係入してその底部に当接する凹溝131を幅方向
に形成してある。
【0047】ここで可動接触子4Aは剛体の導電金属板
から構成され、クロスバー40の切溝54に側方から挿
入されるとともに、切溝54の後ろに設けた凹み部40
b(図2参照)において、後部下面と凹み部40bの底
部との間に圧縮配置される接圧用のコイルばね53によ
り後部が上方に付勢されるようになっており、クロスバ
ー40が軸40aを中心として回動したときに可動接触
子4Aは切溝54の開口縁を中心として回動し、自由端
にかしめ固定した可動接点3Aを対応する固定接点2A
に対して開離・接触させるようになっている。
【0048】また可動接触子4Bは導電性ばね薄板材か
らなり、クロスバー40が投入動作方向に回動したとき
には下方に押されて撓み、この撓んだ状態からクロスバ
ー40が開放動作方向に回動したときには復帰し、その
撓みと、復帰とで、先端にかしめ固定した可動接点3B
を固定接点2Bに対して接触・開離させるようになって
いる。
【0049】クロスバー40の下端部は、該下端部と、
第1側ケース1Aの底部より垂立させた壁63との間で
圧縮配置されたコイルばね62により押されて回転力が
付与される。
【0050】第1引外し板41は軸部41aと、この軸
部41aの上部に突出する突出部41bと、軸部41a
の第2側ケース1B側寄りに軸部41aと直交する面を
有する側片部41cとこの側片部41cの上端より一端
に一体延出された腕片41dとからなり、軸部41aの
両端を両ケース1A,1Bの内側面に設けられた軸孔5
6、56に挿入して両ケース1A,1B間で回動自在に
支持されるもので、突出部41bの上端部には作動板4
3の一端(図3では右端)が係脱する係止部41eを、
また腕片41dの先端上部には第1の電磁釈放装置47
Aの可動鉄心58Aに押し駆動される受け部88を夫々
形成している。また側片部41cの下部の第2側ケース
1B側面には、第2引外し板42の下端部端面に設けた
対向部42aにより押し動かされる受け部41fを形成
し、この受け部41fの側面には、軸部41aに環部を
嵌めるねじりばね81の両端を係止する係止部41iを
設けてある。また側片部41cの下部の第1側ケース1
A側面には、第1の電磁釈放装置47Aを固定保持する
導電板71から垂下されたバイメタル45の下端に対向
し、バイメタル45の湾曲変位時に押される第1駆動部
41gを設けてある。
【0051】第2引外し板42は中央部の軸孔42bに
第1側ケース1Aに内側面に第1側ケース1Aの上側近
傍から底部近傍にかけて一体形成された分離壁65の端
面の中央部に設けられた軸体66を挿入して両ケース1
A,1B間で回動自在に枢支されるので、上述の対向部
42aの反対側の下部端面には第1の電磁釈放装置47
Aの可動鉄心58Aに押し駆動される受け部42cを設
けてある。また第2引外し板42の上端の第1側ケース
1A側の側面には第2の電磁釈放装置47Bを固持する
可動接触子4Bの後端部から垂立させたバイメタル46
の上端に対向し、バイメタル46の湾曲時に押される第
2駆動部42dを設けてある。
【0052】薄板金属材からなる導電板71は図4に示
すように逆L状に折り曲げられて形成されたもので、そ
の外片71aに第1の電磁釈放装置47Aを固持し、外
片71aの先端よりU状に折り返して外片71aに平行
させた内片71bの先端下部の段面にバイメタル45の
上端逆L状部の横片を溶着固定してバイメタル45を垂
下させてある。
【0053】第1の電磁釈放装置47Aは、図4に示す
ように磁性鉄板を逆Lに折り曲げてその垂直片の両端を
直角に折り曲げて水平断面がコ字状となった固定鉄心5
7Aと、可動鉄心58Aと、可動鉄心58Aを固定鉄心
57Aの両端磁極面に揺動自在に対向支持させるための
板ばね59Aとで構成されており、固定鉄心57Aと直
角に一体形成されている水平片からなる平板57cを外
片71aと内片71bとの間に挿入して、平板57cの
両側縁の中央部の切欠溝57dに外片71aの両側縁の
中央部より垂下させた逆T状片71dを係合させること
により固定鉄心57Aが図5に示すように導電板71に
固持される。
【0054】可動鉄心58Aは固定鉄心57A側の面に
突出させ突起58a,58aを、板ばね59Aの中央片
59aの上端部に形成した孔59b,59bに挿入して
かしめ固定することで板ばね59Aに揺動自在に支持さ
れ、板ばね59Aは中央片59aの両側方に折り曲げ形
成した両側片59c,59cを固定鉄心57Aの両側片
57a,57aの外面に沿わせるように配置して両側片
59c,59cの先端に内向きに突出させた係止片59
d,59dを、固定鉄心57Aの外側角部に形成した凹
部57b,57bに係止させることにより固定鉄心57
Aに固持される。
【0055】固定鉄心57Aの両側片57a,57aの
先端である磁極面は板ばね59Aの中央片59aと、両
側片59c,59cとの間を介して可動鉄心58Aに対
向し、地絡事故や短絡事故により短絡電流などの異常な
大電流が通電導体であるバイメタル45に流れたときに
固定鉄心57Aの両側片57a,57aの磁極面に発生
する磁力により可動鉄心58Aを吸引揺動させて、可動
鉄心58Aの一側端面に突設してある駆動部58bを移
動させるのである。
【0056】尚導電板71の外片71aの挿通孔71e
より平板57cの中央に設けた螺子孔57eに調整螺子
77を螺入させ、その先端をバイメタル45の上端逆L
字状部の横片に内片71bを介して対向させ、調整螺子
77を螺進させることで内片71bを撓ませることによ
り、バイメタル45の下端の初期位置を調整することが
できるようになっている。
【0057】導電板71の垂直片71cの下端には固定
端子T1を溶着固定し、またバイメタル45の下端より
やや上方の板面には可動接触子4Aに一端が溶着された
編組線79Dの他端が溶着され、固定端子T1、導電板
71,バイメタル45,編組線79D,可動接触子4A
が電気的に接続されている。
【0058】一方、第2の電磁釈放装置47Bを固持す
る可動接触子4Bは図6に示すように後端部を外片とし
てU字状に折り返して、後端部に平行する導電板80を
形成し、この導電板80の先端上部の段面にバイメタル
46の下端L字状折部の横片を載置して溶着固定しバイ
メタル46を垂立させている。
【0059】第2の電磁釈放装置47Bは、上記の第1
の電磁釈放装置47Aと同形状に形成された、固定鉄心
57B、板ばね59B、可動鉄心58Bから構成され、
固定鉄心57Bに一体に形成された平板57c’を可動
接触子4Bの後端部と導電板80との間に挿入して、平
板57c’の両側縁の中央部の切欠溝57d’に可動接
触子4Bの後端部の両側縁の中央部より垂立させたT状
片80cを係合させることにより固定鉄心57Bが可動
接触子4Bの後端部に図7に示すように固持される。
【0060】可動鉄心58Bは固定鉄心57B側の面に
突出させた突起(図示せず)を、板ばね59Bの中央片
59a’の上端部に形成した孔59b’,59b’に挿
入してかしめ固定することで板ばね59Bに揺動自在に
支持され、板ばね59Bは中央片59a’の両側方に折
り曲げ形成した両側片59c’,59c’を固定鉄心5
7Bの両側片57a’,57a’の外面に沿わせるよう
に配置して両側片57c’,57c’の先端に内向きに
突設した係止片(図示せず)を、固定鉄心57Bの外側
角部に形成した凹部57b’,57b’に係止させるこ
とにより固定鉄心57Bに固持される。
【0061】固定鉄心57Bの両側片57a’,57
a’の先端である磁極面は板ばね59Bの中央片59
a’と、両側片59c’,59c’との隙間を介して可
動鉄心58Bに対向し、地絡事故や短絡事故により短絡
電流等の異常な大電流が通電導体であるバイメタル46
に流れたときに固定鉄心57Bの両側片57a’,57
a’の磁極面に発生する磁力で可動鉄心58Bを吸引揺
動させ、可動鉄心58B’の一側端面に突設してある駆
動部58b’を移動させるのである。
【0062】可動接触子4Bの後端部に設けた挿通孔
(図示せず)より平板57c’の中央に設けた螺子孔5
7e’に調整螺子77’を下方から螺入させて、その先
端をバイメタル46の下端L字状部の横片に導電板80
を介して対向させ、調整螺子77’を螺進させることで
導電板80を撓ませることにより、バイメタル46の上
端位置を調整することができるようになっている。
【0063】バイメタル46の上端よりやや下方の板面
には選択端子T2に一端を溶着した編組線79Bの他端
を溶着してあり、選択端子T2、バイメタル46、可動
接触子4Bを電気的に接続している。尚選択端子T2は
合成樹脂成形品からなるスライド部材83内に収納され
ている。
【0064】ここで本実施形態においては、常に電圧極
となる固定端子T1側に設けられた第1の電磁釈放装置
47Aの感度電流値を所定範囲(コード短絡保護用瞬時
遮断機能の規格並びに越流試験の規格を両方とも満足す
る範囲)の値、例えば300Aに設定するとともに、図
8に示すように板ばね59Bの厚みtbを板ばね59A
の厚みtaよりも厚くして板ばね59Bの弾性力を板ば
ね59Aの弾性力よりも強くすることによって、第2の
電磁釈放装置47Bが動作する感度電流値を第1の電磁
釈放装置47Aの感度電流値よりも大きい値(例えば4
20A)としている。つまり、板ばね59A,59Bの
弾性力が可動鉄心58A,58Bと固定鉄心57A,5
7Bとの間の磁気吸引力に抗する向きにはたらくため、
板ばね59Bの弾性力を強くすることで第2の電磁釈放
装置47Bの感度電流値を第1の電磁釈放装置47Aよ
りも大きくすることができる。
【0065】而して、第1及び第2の電磁釈放装置47
A,47Bの個々の感度電流値はそれぞれ300A,4
20Aであるが、コード短絡時の見かけ上の感度電流値
は小さい方の値、つまり第1の電磁釈放装置47Aの感
度電流値で規定されることになるので、電磁釈放装置を
1つしか備えない回路遮断器、すなわち100V専用タ
イプの回路遮断器から第1の電磁釈放装置47Aを流用
しても、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値を調整
するだけで見かけ上の感度電流値を上記所定範囲に設定
することができて感度電流値の調整作業が容易となるも
のである。しかも、第2の電磁釈放装置47Bの感度電
流値の調整は板ばね59Bを形成する板材の厚み寸法を
変えるだけでよいから、固定鉄心57B並びに可動鉄心
58Bを第1及び第2の電磁釈放装置47A,47Bで
共通化することができ、部品管理が容易となる。
【0066】而して本実施形態の回路遮断器を組み立て
るに当たっては、まず第1側ケース1Aの凹部8に端子
ブロック10Aを収納するとともに解除ハンドル17を
復帰ばね21とともに定位置に組み込む。またハンドル
6を所定位置にねじりばね36とともに組み込み、更に
一端部の底部近辺に設けられた収納部90に固定端子T
1を収納し、導電板71の縦片71cを第1側ケース1
Aの隔壁91,120間のL状の隙間に沿わせるように
配置するともに隔壁120の上横壁部120aの上面に
並行するように外片71aを配置し、第1側ケース1A
の側平内面に形成した分離壁65の左側壁面(図3にお
いて)に第1の電磁釈放装置47A及びバイメタル45
を配置する。このとき導電板71の外片71aと、内片
71bのU字状屈曲部内に第1側ケース1Aの内側面よ
り突出してある半円状のリブ103が嵌まって位置決め
する。
【0067】そして、クロスバー40をその切溝54に
可動接触子4Aを嵌め込むとともにコイルばね53を凹
部54a内に収納して第1側ケース1Aの所定位置に回
動自在に配置する。また作動板43をリンク44でハン
ドル6と連結させて配設する。更に分離壁65と隔壁1
20との間の空間に第2の電磁釈放装置47B及びバイ
メタル46を収納するとともに、スライド部材83とと
もに選択端子T2を第1側ケース1Aの上記固定端子T
1の収納部90より上方に位置する内方収納部200に
配置する。このときまたスライド部材83の脚片83a
を挿通孔を介して第1側ケース1Aの側壁の外側面に形
成せるスライド溝に入れて突出部206を外部に露出さ
せる。
【0068】また可動接触子4Bの中央部の斜め上向き
の傾斜部位を、第1側ケース1Aの底部よりやや上方に
位置する分離壁65の下端より第1側ケース1Aの他端
部方向へ底部に平行し、さらにこの平行部より上向きに
傾斜して延長された隔壁95と第1側ケース1Aの底部
との間に配置して、可動接触子4Bの自由端側を隔壁1
4の切欠部14aを介して固定接触子12Bが配置され
る空間に配設する。このとき隔壁95の平行部の下面と
第1側ケース1Aの底部とに夫々突設したリブ96…で
可動接触子4Bの後端部を挟んで固定する。またこのと
き後端部と導電板80とのU字状屈曲部内に第1側ケー
ス1Aの内側面より突出した半円状のリブ103’が嵌
まり、位置決めされる。
【0069】更に第1引外し板41をねじりばね81と
ともに定位置に回動自在に配置し、また更に第2引外し
板42を定位置に回動自在に配置する。
【0070】このようにして図2及び図3に示すように
中間ケース7及びこの中間ケース7の凹部9内に収納す
る端子ブロック10B、解除ハンドル17’及びその復
帰ばね21’以外の部品を第1側ケース1A側に配置し
組み付けた後に、端子ブロック10B、解除ハンドル1
7’及び復帰ばね21’を凹部9に組み付けた中間ケー
ス7を第1側ケース1A側に重ねるように配設する。
【0071】ここで中間ケース7を第1側ケース1A側
の定位置に配設すると、可動接触子4Aの自由端側が縦
壁32の開口部39を介して凹所34内に配置されると
ともに、端子ブロック10Aに設けられた固定接触子1
2Aの先端側部が底壁7aの段面7b上に載置されるこ
とになるとともに軸が解除ハンドル17の凹部37に嵌
まることになる。
【0072】一方端子ブロック10Bに設けられた固定
接触子12Bが第1側ケース1Aの底部上のリブ26上
に載置される。また中間ケース7の端部に形成せる下向
き段部の下面が第1側ケース1Aの端部壁に形成した平
坦面上に載置される。
【0073】この状態で第2側ケース1Bを第1側ケー
ス1A側に重ね合わせて結合するのである。このとき第
1側ケース1Aから第2側ケース1B側へ一体突出させ
た両端上下の4カ所の弾性係止片100…の先端の爪状
の引掛係止部101が第2側ケース1B側に対応して設
けた突起状の被引掛部102に係止されて第1側ケース
1Aと第2側ケース1Bとが結合固定されて器体1を構
成することになる。この第1側ケース1Aと1Bの結合
固定を外す場合には、第2側ケース1Bに各被引掛部1
02…に対応させて開口した各解除孔150よりドライ
バを挿入して対応する各弾性係止片100…の引掛係止
部101を上方へ押圧して、被引掛部102との引掛状
態を外すことにより、第1側ケース1Aから第2側ケー
ス1Bを外すことができる。
【0074】第2側ケース1Bを被着することにより第
2側ケース1Bの内側面に設けてある軸孔52,56に
クロスバー40の軸40a、第1引外し板41の軸部4
1aが回動自在に挿入される。
【0075】また各バイメタル45,46に対応する調
整螺子77,77’の頭部は器体1の上面に開口する開
口部104,底部に開口する開口部105に夫々臨むこ
とになり、組立後の動作試験時に最適な動作点が得られ
るように開口部104,105を介して動作調整螺子7
7,77’を螺進させてバイメタル45,46の初期位
置を調整し、その調整後に、上蓋106,下蓋106’
をその弾性を利用して器体1の夫々の部位に嵌め込んで
開口部104,105を被蔽する。
【0076】而して器体1の他端内部の内方収納部20
0及び収納部90には選択端子T2、固定端子T1がそ
れぞれ収納され、またこれら端子T1,T2に対応する
ように器体1の一端部には器体1の端面と両側面とに亘
るように開口した差込部209a〜209cが形成され
ることになる。さらに器体1の一端部には斜め上向きに
開口した一対の電線挿入孔16A,16Bが並行形成さ
れる。
【0077】よって、電線挿入孔16A,16Bにそれ
ぞれ負荷側の電線を挿入して各端子ブロック10A,1
0Bに接続し、電圧極の導電バーを差込部209cを介
して幅方向に固定端子T1に差込接続し、100Vで使
用する場合には中性極の導電バーを差込部209aを介
して、あるいは200Vで使用する場合には他方の電圧
極の導電バーを差込部209bを介して選択端子T2に
幅方向に差込接続すれば分岐回路の電路に本実施形態の
回路遮断器を挿入することができることになる。
【0078】次に本実施形態の動作を図2,図3,図9
並びに図10により説明する。
【0079】図9は開放状態を示しており、この開放状
態ではハンドル6の操作部6aが開口部50より倒立露
出した状態にあり、作動板43の一端と第1引外し板4
1との係合状態は外れた状態にある。そしてコイルばね
62によりクロスバー40は図において時計回りに回動
するように付勢されており、クロスバー40の切溝54
に貫挿されている可動接触子4Aが自由端を上方に移動
させた状態にあり、また切溝55に貫挿させた可動接触
子4Bはそのばね弾性力により自由端を上方に移動させ
た状態にあり、夫々の自由端に設けてある可動接点3
A,3Bが対応する固定接点2A,2Bから開離した状
態にある。
【0080】この状態でハンドル6の操作部6aを時計
回りに回動操作すると、リンク44の上側軸44aが下
方向に押し動かされてリンク44は下側軸44bにより
作動板43を押し下げる。この作動板43の押し下げに
より作動板43の一端(図において右端)が第1引外し
板41の係止部41eに当たり、その位置を回動中心と
して作動板43は反時計回りに回動し、作動板43の他
端(左端)がクロスバー40の上端に設けてある突起部
84に当たり、クロスバー40を反時計回りにばね付勢
に抗して回動させる。
【0081】この回動によりクロスバー40の切溝55
に貫挿された可動接触子4Bが自由端を下向きに移動さ
せる方向に撓むことになり、自由端の可動接点3Bを固
定接点2Bに接触させる。また切溝54に貫挿された可
動接触子4Aが反時計方向に回動してその自由端の可動
接点3Aを固定接点2Aに接触させる。この接触は可動
接点3Bが固定接点2Bに接触するよりも遅れるような
っている。
【0082】そしてハンドル6を更に時計回りに回動さ
せると、リンク44の下側軸44bの位置とハンドル6
の回転中心を結ぶ線より上側軸44bが左方向に移動
し、この状態でハンドル6のねじりばね36、クロスバ
ー44を付勢するコイルスばね62、更に可動接触子4
Bのばね力等が均衡して作動板43の一端と第1引外し
板41の係止部41eとのラッチ状態が保持され、図2
及び図3の投入状態が維持される。
【0083】さて投入状態でハンドル6の操作部6aを
反時計回りに回動させると、リンク44の上側軸44a
の位置が、ハンドル6の回転中心と、下側軸44bを結
ぶ線を右方向に越えて上方へ移動するため作動板43の
左端と第1引外し板41の係止部41eとのラッチ状態
が解かれ、クロスバー40はコイルばね62の付勢力で
時計回りに回動するとともに、ハンドル6がねじりばね
36の付勢力でオフ側に急速に回動復帰する。クロスバ
ー40の時計回りの回動により可動接触子4Aが時計回
りに回動して自由端を上方へ移動させ可動接点3Aを固
定接点2Aより開離させる。また可動接触子4Bが下向
きの押し下げが無くなって、そのばね力で元の状態に復
帰することになり、自由端の可動接点3Bを固定接点2
Bより開離する。この開離は上記可動接点3Aが固定接
点2Aから開離するよりも遅れる。この遅れは後述する
強制開極時も同様である。
【0084】ここで上記のように両極の接点部の開閉に
上記のように遅れを持たせているため接点開閉時に生じ
るアークは剛体側の可動接触子4Aのみとなり、ばね材
からなる可動接触子3Bのアークによる消耗を防止でき
る。
【0085】さて図2及び図3に示す上記投入状態にお
いて、過負荷電流が流れると、バイメタル45,46は
過負荷電流により発熱して湾曲変位することになる。こ
こで上方から垂下したバイメタル45は下端が図2にお
いて右方向に移動するように変位し、また垂立したバイ
メタル46は上端が左方向に移動するように変位し、バ
イメタル45の下端は第1引外し板41の第1駆動部4
1gを右方向に押し、バイメタル46の上端は第2引外
し板42の第2駆動部42dを左方向に押す。つまり両
バイメタル45,46の自由端は互いに離れる方向に変
位する。この変位により第1及び2引外し板41,42
は図2において反時計回りに回動するが、このとき第2
引外し板42の対向部42aが第1引外し板41の受け
部41fを押して第1引外し板41に反時計回りの回動
力を与える。
【0086】ここでバイメタル45,46の通電方向が
互いに逆方向となっているため、過負荷電流が流れたと
きに、両バイメタル45,46には互いに離れる方向の
磁力が発生する。そのためバイメタル45,46の湾曲
変位を素早くすることができ、その結果強制開極をより
速くすることができる。この動作は後述する短絡電流に
よる強制開極時にも有効となる。
【0087】さて第1引外し板41が反時計回りに回動
すると、図10に示すように係止部41eと作動板43
の一端(右端)とのラッチ状態が解除され、作動板43
はリンク44の下側軸44bを中心として時計回りに回
動することになる。そのため作動板43の他端(左端)
によるクロスバー40の規制が無くなり、クロスバー4
0はコイルばねのばね力により時計方向に回動し、可動
接触子4A,4Bを開放状態に復帰させ、可動接点3
A,3Bを固定接点2A,2Bから夫々開離させる。
【0088】その後、電路遮断によりバイメタル45,
46は元の状態に戻り、第1引外し板41はねじりばね
81の付勢により元の位置へ回動復帰し、同時に第2引
外し板42の対向部42aを受け部41fが押し動かし
て第2引外し板42を元へ戻す。またハンドル6はねじ
りばね36の付勢によりオフ方向(反時計回り)に回動
することになる。
【0089】また上記投入状態において、例えば固定端
子T1側で地絡事故が発生し、一方の主接点(固定接点
2A及び可動接点3A)に異常な大電流が流れると、第
1の電磁釈放装置47Aの固定鉄心57Aに磁力が発生
して対応する可動鉄心58Aを吸引して揺動させる。こ
れにより図10に示すように、可動鉄心58Aの駆動部
58bが第1引外し板41の受け部88を押して時計回
りに回動させる。過負荷電流が流れたときと同様に第1
引外し板41が時計回りに回動すると、係止部41eと
作動板43の一端(右端)とのラッチ状態が解除され、
作動板43はリンク44の下側軸44bを中心として時
計回りに回動することになる。そのため作動板43の他
端(左端)によるクロスバー40の規制が無くなり、ク
ロスバー40はコイルばね62のばね力により時計回り
に回動し、可動接触子4A,4Bを開放状態に復帰さ
せ、可動接点3A,3Bを固定接点2A,2Bから夫々
開離させる。
【0090】同様に、選択端子T2側で地絡事故が発生
し、他方の主接点(固定接点2B及び可動接点3B)に
異常な大電流が流れると、第2の電磁釈放装置47Bの
固定鉄心57Bに磁力が発生して対応する可動鉄心58
Bを吸引して揺動させる。これにより、可動鉄心58B
の駆動部58b’が第2引外し板42の受け部42cを
押して図10における時計回りに回動させる。過負荷電
流が流れたときと同様に第2引外し板42が時計回りに
回動すると、第2引外し板42の対向部42aが第1引
外し板41の受け部41fを押して第1引外し板41に
時計回りの回動力を与える。そして、第1引外し板41
が時計回りに回動すると、係止部41eと作動板43の
一端(右端)とのラッチ状態が解除され、作動板43は
リンク44の下側軸44bを中心として時計回りに回動
することになる。そのため作動板43の他端(左端)に
よるクロスバー40の規制が無くなり、クロスバー40
はコイルばね62のばね力により時計回りに回動し、可
動接触子4A,4Bを開放状態に復帰させ、可動接点3
A,3Bを固定接点2A,2Bから夫々開離させる。
【0091】さらに上記投入状態において、コード短絡
等により短絡電流のような異常な大電流が流れると、第
1及び第2の電磁釈放装置47A,47Bの固定鉄心5
7A,57Bに磁力が発生して対応する可動鉄心58
A,58Bを吸引して揺動させる。これにより図10に
示すように、可動鉄心58Aの駆動部58bが第1引外
し板41の受け部88を押し、また可動鉄心58Bの駆
動部58b’が第2引外し板42の受け部42cを押し
て夫々を時計回りに回動させるから、第1引外し板41
が時計回りに回動して係止部41eと作動板43の一端
(右端)とのラッチ状態が解除され、作動板43はリン
ク44の下側軸44bを中心として時計回りに回動し、
作動板43の他端(左端)によるクロスバー40の規制
が無くなり、クロスバー40がコイルばね62のばね力
により時計回りに回動し、可動接触子4A,4Bを開放
状態に復帰させ、可動接点3A,3Bを固定接点2A,
2Bから夫々開離させる。
【0092】その後、電路遮断により第1及び第2の電
磁釈放装置47A,47Bの固定鉄心57A,57Bに
磁力が発生しなくなると、可動鉄心58a,58Bは板
ばね59A,59Bのばね力により元の状態に戻り、第
1引外し板41はねじりばね81の付勢により元の位置
へ回動復帰し、同時に第2引外し板42を押し動かして
元へ戻す。またハンドル6はねじりばね36の付勢によ
りオフ方向に回動することになる。
【0093】(実施形態2)本実施形態は、図11に示
すように第1の電磁釈放装置47Aが具備する固定鉄心
57Aと可動鉄心58Aとの対向間隔d1を第2の電磁
釈放装置47Bが具備する固定鉄心57Bと可動鉄心5
8Bとの対向間隔d2よりも狭くすることによって第2
の電磁釈放装置47Bの感度電流値が第1の電磁釈放装
置47Bの感度電流値よりも大きくなるように調整した
点に特徴がある。但し、これ以外の構成については実施
形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。
【0094】本実施形態においては、第1及び第2の電
磁釈放装置47A,47Bが具備する板ばね59A,5
9Bを同じ厚みとし、図12に示すように中央片59
a,59a’の曲げ角度(可動鉄心58A,58Bの固
定鉄心57A,57Bと対向する面の法線方向と中央片
59a,59a’とのなす角度)θ1,θ2がθ1<θ
2となるように板ばね59A,59Bを形成することに
よって、固定鉄心57Aと可動鉄心58Aとの対向間隔
d1を固定鉄心57Bと可動鉄心58Bとの対向間隔d
2よりも狭くしている。
【0095】而して、本実施形態においても実施形態1
と同様に、コード短絡時の見かけ上の感度電流値は第1
の電磁釈放装置47Aの感度電流値で規定されることに
なるので、電磁釈放装置を1つしか備えない100V専
用タイプの回路遮断器から第1の電磁釈放装置47Aを
流用しても、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値を
調整するだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に設定
することができて感度電流値の調整作業が容易となる。
しかも、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値の調整
は板ばね59Bの曲げ角度θ2を変えるだけでよいか
ら、固定鉄心57B並びに可動鉄心58Bを第1及び第
2の電磁釈放装置47A,47Bで共通化することがで
きて部品管理が容易となる。
【0096】(実施形態3)本実施形態は、図13に示
すように第2の電磁釈放装置47Bが具備する固定鉄心
57Bの磁極面(側片57a’の先端面)の厚み寸法t
c’を第1の電磁釈放装置47Aが具備する固定鉄心5
7Aの磁極面(側片57aの先端面)の厚み寸法tcよ
りも小さくすることによって第2の電磁釈放装置47B
の感度電流値が第1の電磁釈放装置47Bの感度電流値
よりも大きくなるように調整した点に特徴がある。但
し、これ以外の構成については実施形態1と共通である
から図示並びに説明は省略する。
【0097】図13に示すように、2つの固定鉄心57
A,57Bは両側片57a,57a’の厚み寸法tc,
tc’のみが異なるだけでその他の部位(平板57c,
57c’等)の寸法及び形状は共通のままでよい。
【0098】而して、本実施形態においても実施形態1
と同様に、コード短絡時の見かけ上の感度電流値は第1
の電磁釈放装置47Aの感度電流値で規定されることに
なるので、電磁釈放装置を1つしか備えない100V専
用タイプの回路遮断器から第1の電磁釈放装置47Aを
流用しても、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値を
調整するだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に設定
することができて感度電流値の調整作業が容易となる。
しかも、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値の調整
は固定鉄心57Bの磁極面の厚み寸法tc’を変えるだ
けでよいから、可動鉄心58B並びに板ばね59Bを第
1及び第2の電磁釈放装置47A,47Bで共通化する
ことができて部品管理が容易となる。さらに、第2の電
磁釈放装置47Bの固定鉄心57Bの体積が第1の電磁
釈放装置47Aの固定鉄心57Aの体積よりも小さくな
るため、第2の電磁釈放装置47Bの固定鉄心57Bを
第1の電磁釈放装置47Aの固定鉄心57Aよりも軽く
して全体の軽量化が図れるという利点がある。
【0099】なお、図14に示すように第2の電磁釈放
装置47Bの固定鉄心57Bについて、両側片57a’
に段を形成して先端部分の厚みtc’のみを小さくする
構造とすれば、軽量化については劣るものの側片57
a’の強度低下を抑えることができるという利点があ
る。
【0100】(実施形態4)本実施形態は、図15に示
すように第2の電磁釈放装置47Bが具備する可動鉄心
58Bの固定鉄心57Bとの対向部位の厚み寸法td’
を第1の電磁釈放装置47Aが具備する可動鉄心58A
の固定鉄心57Aとの対向部位の厚み寸法tdよりも小
さくすることによって第2の電磁釈放装置47Bの感度
電流値が第1の電磁釈放装置47Bの感度電流値よりも
大きくなるように調整した点に特徴がある。但し、これ
以外の構成については実施形態1と共通であるから図示
並びに説明は省略する。
【0101】図15に示すように、2つの可動鉄心58
A,58Bはその厚み寸法td,td’のみが異なるだ
けでその他の寸法及び形状は共通のままでよい。
【0102】而して、本実施形態においても実施形態1
と同様に、コード短絡時の見かけ上の感度電流値は第1
の電磁釈放装置47Aの感度電流値で規定されることに
なるので、電磁釈放装置を1つしか備えない100V専
用タイプの回路遮断器から第1の電磁釈放装置47Aを
流用しても、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値を
調整するだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に設定
することができて感度電流値の調整作業が容易となる。
しかも、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値の調整
は可動鉄心58Bの厚み寸法td’を変えるだけでよい
から、固定鉄心57B並びに板ばね59Bを第1及び第
2の電磁釈放装置47A,47Bで共通化することがで
きて部品管理が容易となる。さらに、第2の電磁釈放装
置47Bの可動鉄心58Bの体積が第1の電磁釈放装置
47Aの可動鉄心58Aの体積よりも小さくなるため、
第2の電磁釈放装置47Bの可動鉄心58Bを第1の電
磁釈放装置47Aの可動鉄心58Aよりも軽くして全体
の軽量化が図れるという利点がある。
【0103】(実施形態5)本実施形態は、図16に示
すように第2の電磁釈放装置47Bが具備する可動鉄心
58Bに切り欠き部58c’を設けることによって第2
の電磁釈放装置47Bの感度電流値が第1の電磁釈放装
置47Bの感度電流値よりも大きくなるように調整した
点に特徴がある。但し、これ以外の構成については実施
形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。
【0104】図16に示すように固定鉄心57Aの磁極
面と対向する部位の間に切り欠き部58c’が形成され
ており、この切り欠き部58c’によって可動鉄心58
Bの磁気抵抗が増大するために感度電流値が大きくなる
ものである。
【0105】而して、本実施形態においても実施形態1
と同様に、コード短絡時の見かけ上の感度電流値は第1
の電磁釈放装置47Aの感度電流値で規定されることに
なるので、電磁釈放装置を1つしか備えない100V専
用タイプの回路遮断器から第1の電磁釈放装置47Aを
流用しても、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値を
調整するだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に設定
することができて感度電流値の調整作業が容易となる。
しかも、第2の電磁釈放装置47Bの感度電流値の調整
は可動鉄心58Bに切り欠き部58c’を設けるだけで
よいから、固定鉄心57B並びに板ばね59Bを第1及
び第2の電磁釈放装置47A,47Bで共通化すること
ができるとともに切り欠き部58c’を形成する以前の
鉄心は全く同じ金型で製造することができて部品管理が
容易となる。さらに、第2の電磁釈放装置47Bの可動
鉄心58Bの体積が第1の電磁釈放装置47Aの可動鉄
心58Aの体積よりも小さくなるため、第2の電磁釈放
装置47Bの可動鉄心58Bを第1の電磁釈放装置47
Aの可動鉄心58Aよりも軽くして全体の軽量化が図れ
るという利点がある。
【0106】なお、第2の電磁釈放装置47Bの感度電
流値が第1の電磁釈放装置47Bの感度電流値よりも大
きくなるように調整する方法として、上述の実施形態1
〜5で説明したそれぞれの方法を単独で用いるだけでな
く、複数の方法を組み合わせても構わない。
【0107】(実施形態6)本実施形態は、地絡事故に
よって漏洩電流が流れたときに開閉機構5を釈放して主
接点を強制的に開極する漏電保護用の第3の電磁釈放装
置48を備えた回路遮断器、すなわち漏電遮断器に本発
明を適用したものである。但し、本実施形態の漏電遮断
器は実施形態1の回路遮断器と基本的な構成が共通であ
るから、少なくとも機能的に共通する構成要素には同一
の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0108】以下、図17〜図31を参照して本実施形
態の漏電遮断器を説明する。
【0109】本実施形態の漏電遮断器においては、一方
の主接点(固定接点2A及び可動接点3A)の閉極状態
において地絡事故や短絡事故により異常な大電流が流れ
れば第2の電磁釈放装置47Aによって、他方の主接点
(固定接点2B及び可動接点3B)の閉極状態において
同じく地絡事故や短絡事故により異常な大電流が流れれ
ば第1の電磁釈放装置47Bによって、主回路に漏洩電
流が流れれば漏電保護用の第3の電磁釈放装置48によ
って、さらに過負荷電流のような過電流が流れれば熱動
釈放装置によって、それぞれ開閉機構5を釈放して主接
点を強制的に開極させる。
【0110】図21に示すように、第1引外し板41は
軸部41aと、この軸部41aの上部に突出する突出部
41bと、軸部41aの下部に突出する一対の脚部41
c,41dとからなり、軸部41aの両端を両側ケース
1A,1Bの内側面に設けられた軸孔56、56に挿入
して両側ケース1A,1B間で回動自在に支持される。
突出部41bの上端部には作動板43の一端が係脱する
係止部41eを形成し、一方の脚部41cの先端側面に
はバイメタル45に押し駆動される受け部41gを突設
するとともに、他方の脚部41dの先端側面には第2の
引外し板42に押し駆動される受け部41fを突設して
いる。
【0111】第2引外し板42は、図17及び図18に
示すように軸孔42bを有する中央部から対向部42a
並びに受け部42cが突出した略へ字形に形成され、後
述する隔壁部材31に設けられた軸31fを軸孔42b
に挿入して回動自在に枢支される。また対向部42aの
端面には、後述するバイメタル46の下端に対向し、バ
イメタル46の湾曲時に押される駆動片42dが設けて
ある。
【0112】厚板金属材からなる導電板71A,71B
は、図17及び図21に示すように一端部側に調整螺子
77,77’が螺合するねじ孔71fが貫設され、他端
部の下面側に一対のかしめ軸71gが突設されている。
そして、熱動釈放装置を構成するバイメタル45,46
をそれぞれ一端側に溶着固定して垂下させた薄板金属材
からなる調整板72,72’が、その他端側に貫設され
た一対の孔72aにかしめ軸71gを挿通してかしめる
ことで導電板71A,71Bの下面側にそれぞれ取り付
けられている。
【0113】一方のバイメタル45の調整板72との固
定部分には固定端子T1に一端が溶着された編組線79
Aの他端が溶着され、後述する第1の回路基板73に一
端が接続されたリード線82Aが溶着されるとともに、
一端が可動接触子4Aに溶着された編組線79Dの他端
がバイメタル45の略中央部に溶着され、固定端子T
1,編組線79A,導電板71A,バイメタル45,編
組線79D,可動接触子4Aが電気的に接続されてい
る。また、他方のバイメタル46の調整板72’との固
定部分には選択端子T2に一端が溶着された編組線79
Bの他端が溶着されるとともに、可動接触子4Bに連結
された通電導体80(後述する)に一端が溶着された編
組線79Cの他端がバイメタル46の略中央部に溶着さ
れ、選択端子T2,編組線79B,導電板71B,バイ
メタル46,編組線79C,通電導体80,可動接触子
4Bが電気的に接続されている。なお、調整螺子77,
77’を螺進させることで調整板72,72’と導電板
71A,71Bとの距離を変化させ、バイメタル45,
46の下端位置、すなわち熱動釈放装置の感度が調整可
能となっている。
【0114】ところで、本実施形態における導電板71
A,71B並びにバイメタル45,46は隔壁部材31
に保持される。この隔壁部材31は絶縁性を有する合成
樹脂成型品からなり、2つのバイメタル45,46を隔
絶する平板状の隔壁31aと、隔壁31aの周縁よりそ
の厚み方向(器体1の幅方向)両側へ突出する周壁31
bとを有し、隔壁31a並びに周壁31bに囲まれた各
凹所31c,31cに導電板71Aとバイメタル45並
びに導電板71Bとバイメタル46がそれぞれ収納され
る。凹所31c,31c上部の周壁31bには複数の突
起31dが対向して突設されており、これらの突起31
d間に導電板71A,71Bを圧入することで導電板7
1A,71B並びにバイメタル45,46を隔壁部材3
1に保持させている。また、導電板71A,71Bを収
納した凹所31c,31cの上部周壁31bには、調整
螺子77,77’を凹所31c,31cの外へ臨ませる
ために矩形の切り欠き31e,31eが形成してある。
さらに、導電板71B及びバイメタル46を収納する側
の凹所31c底部には第2引外し板42の軸孔42bに
挿入する軸31fが突設してある。
【0115】第2の電磁釈放装置47Aは、図21に示
すように磁性鉄板を長さの異なる一対の側片60a,6
0bを有する平面視略L字形に折曲してなる固定鉄心6
0と、矩形平板状の磁性鉄板からなる可動鉄心61とで
構成される。固定鉄心60は、導電板71Aを収納した
凹所31c側の周壁31bに形成された段部31gに載
置されるとともに隔壁31aに設けられた凹溝31hに
一方(短い方)の側片60aを嵌合する形で凹所31c
内に収納され、バイメタル45と周壁31bとの間に挟
持される(図19参照)。すなわち、固定鉄心60を略
L字形に形成したので、上述のように固定鉄心60を短
い方の側片60bから凹所31c内に収納することで可
動鉄心61との間に容易にバイメタル45を挟むことが
できて組立作業が簡単になるものである。
【0116】一方、可動鉄心61は厚み方向に貫通する
一対の貫通孔61aが形成され、第1引外し板41の突
出部41bの上端部における係止部41eと反対側の面
に突設された一対の突起41hを貫通孔61aに挿通し
てかしめることにより第1引外し板41に取着され、図
19に示すように固定鉄心60の他方の側片60bの先
端である磁極面と対向する。ここで、図19に示すよう
に固定鉄心60の磁極面(側片60bの先端)を可動鉄
心61から離間させているので、第2の電磁釈放装置4
7Aについては、後述する第1の電磁釈放装置47Bと
は違って固定鉄心60と可動鉄心61を当接させるため
に精度よく組み立てる必要が無いから組立が容易になる
という利点がある。
【0117】而して、主接点(固定接点2A及び可動接
点3A)を含む一方の極のバイメタル45に地絡事故や
短絡事故による異常な大電流が流れたときに固定鉄心6
0の側片60bの磁極面に発生する電磁吸引力により可
動鉄心61を吸引揺動させ、可動鉄心61が取着された
第1引外し板41を、図19における反時計回りに回動
させるのである。なお、このように可動鉄心61を第1
引外し板41に取着することにより、可動鉄心61の動
きを第1引外し板41に伝える部材(例えば、第1の電
磁釈放装置47Bにおける第2引外し板42のようなも
の)が不要となり、部品点数を削減できるとともに可動
鉄心61と第1引外し板41との距離を縮めることで小
型化が図れるものである。
【0118】第1の電磁釈放装置47Bは、図22に示
すように磁性鉄板を平面視略コ字型に折曲してなる固定
鉄心57と、矩形平板状の磁性鉄板からなる可動鉄心5
8と、可動鉄心58を固定鉄心57の両端磁極面に揺動
自在に対向支持させ且つ可動鉄心58を固定鉄心57か
ら離れる向きに弾性付勢する弾性部材たる板ばね59と
で構成される。また、通電導体80は先端部に編組線7
9Cの一端が溶着される内片80aと、内片80aの後
端より略L字形に延出されて内片80aと略平行に対向
する外片80bとで構成され、外片80bの先端部に可
動接触子4Bの後端部が連結される。
【0119】可動鉄心58は固定鉄心57側の面に突出
させた突起58a,58aを、板ばね59の中央片59
aの一端部に形成した孔59b,59bに挿入してかし
め固定することで板ばね59に揺動自在に支持される。
一方、板ばね59は中央片59aの両側方に折り曲げ形
成した両側片59c,59cを固定鉄心57の両側片5
7a,57aの外面に沿わせるように配置して両側片5
9c,59cの先端に内向きに突出させた係止片59
d,59dを、固定鉄心57の外側角部に形成した凹部
57b,57bに係止させることにより、図23に示す
ように通電導体80の内片80aを固定鉄心57と可動
鉄心58の間に介在させ、内片80aと外片80bの間
に可動鉄心58を挟む形で固定鉄心57に固持される。
このとき、固定鉄心57の両側片57a,57aの先端
である磁極面が板ばね59の中央片59aと、両側片5
9c,59cとの間を介して可動鉄心58に対向する。
【0120】而して、他方の極の主接点を構成する可動
接点3Bと電気的に接続される通電導体80に地絡事故
や短絡事故による異常な大電流が流れたときに固定鉄心
57の両側片57a,57aの磁極面に発生する電磁吸
引力により可動鉄心58を吸引揺動させるのである。こ
こで、本実施形態においても固定鉄心60及び可動鉄心
61の寸法を小さく且つ磁極面を片側のみとすることで
第2の電磁釈放装置47Aの感度電流値を第1の電磁釈
放装置47Bの感度電流値よりも大きくしており、実施
形態1と同様にコード短絡時の見かけ上の感度電流値は
第1の電磁釈放装置47Bの感度電流値で規定されるこ
とになるので、電磁釈放装置を1つしか備えない100
V専用タイプの漏電遮断器から第1の電磁釈放装置47
Bを流用しても、第2の電磁釈放装置47Aの感度電流
値を調整するだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に
設定することができて感度電流値の調整作業が容易とな
る。
【0121】一方、漏電保護用の第3の電磁釈放装置4
8は、第1の電磁釈放装置47Bの固定鉄心57に励磁
用のコイル68を巻装して構成される。すなわち、図2
2に示すように合成樹脂のような絶縁材料により一側面
が開放した角筒状に形成されたコイルボビン69を、軸
方向両端から固定鉄心57の側片57a,57aをそれ
ぞれ突出するようにして固定鉄心57に装着し、図23
に示すようにコイルボビン69の軸方向両端部に設けた
外鍔69a,69a間にコイル68が巻回してある。な
お、コイルボビン69の外鍔69a,69aの開放され
た側面近傍には挿着孔69cが貫設された略立方体形の
支持部69b,69bが突設され、略L字形の端子ピン
69dの一端部が挿着孔69cにそれぞれ挿着されてお
り、挿着孔69cから突出する端子ピン69dの一端部
にコイル68の端末68aがそれぞれからげて電気的に
接続してある。
【0122】而して、地絡事故によって漏洩電流が流れ
たときに後述する漏電保護回路51により端子ピン69
dを介してコイル68に通電して固定鉄心57を励磁
し、固定鉄心57の両側片57a,57aの磁極面に電
磁吸引力を発生させて可動鉄心58を吸引揺動させるの
である。つまり、固定鉄心57にコイル68を巻装する
ことで第1の電磁釈放装置47Bを構成する固定鉄心5
7,可動鉄心58,板ばね59を漏電保護用の第3の電
磁釈放装置48に兼用することができるから、各極毎の
大電流保護用の電磁釈放装置と漏電保護用の電磁釈放装
置とを独立した部品で構成した場合に比較して、部品点
数を削減することができて省スペース化並びに小型化が
図れるものである。
【0123】また、固定鉄心57と可動鉄心58との間
におけるコイル68並びに通電導体80(内片80a)
の通電方向が一致するため、コイル68に通電されて第
3の電磁釈放装置48が動作した場合に固定鉄心57の
両側片57a,57aの磁極面に発生する電磁吸引力を
強めることができ、主接点を素早く開極させることがで
きる。さらにコイル68を固定鉄心57に巻装している
ため、コイル68が移動しないことからコイル68の断
線を防ぐことができる。但し、可動鉄心58にコイル6
8を巻装してもよい。
【0124】漏電保護回路51は図24に示す回路構成
を有するものであって、主回路の電圧極の電路(編組線
79A)と中性極又は他方の電圧極の電路(編組線79
B)が貫挿された零相変流器ZCTを備え、地絡電流等
の漏洩電流によって主回路の各極に流れる電流が不平衡
となると零相変流器ZCTの出力端子間に不平衡度合い
に応じた電流(検出電流)が流れる。この検出電流は交
番電流であって、逆並列に接続したダイオードD1,D
2からなるクランプ回路でクランプされ、抵抗R1を介
して平滑コンデンサC1を充電することにより検出電流
を電圧に変換する。そして、平滑コンデンサC1の両端
電圧、すなわち検出電流から変換された検出電圧が漏洩
電流判定回路51aに入力される。
【0125】漏洩電流判定回路51aの電源は、端子ピ
ン69dから第3の電磁釈放装置48のコイル68を通
して、ダイオードD3、抵抗R2〜R5、平滑コンデン
サC2の直列回路を主回路の2つの極の間に接続し、平
滑コンデンサC2の両端電圧を漏洩電流判定回路51a
の電源端子及び接地端子に印加することで得られる。ま
た、主回路の2つの極の間には、コイル68とサイリス
タSCRとダイオードD3の直列回路が接続され、漏洩
電流判定回路51aの出力端子から出力する制御信号を
サイリスタSCRのゲートに印加することでサイリスタ
SCRをターンオンさせる。なお、サイリスタSCRの
両端間にはコンデンサC0と抵抗R0からなるフィルタ
回路が接続されている。
【0126】漏洩電流判定回路51aは、上記検出電圧
を所定の閾値と比較し、比較結果に応じてコンデンサC
3を充電又は放電し、コンデンサC3の両端電圧に応じ
て出力端子から制御信号を出力することによって比較結
果を遅延するように構成してある。したがって、主回路
に漏洩電流が流れると制御信号によってサイリスタSC
Rがターンオンし、コイル68に通電されることによっ
て第3の電磁釈放装置48が動作し、可動鉄心58が固
定鉄心57に吸引される。漏洩電流判定回路51aは集
積回路よりなり、上記コンデンサC3並びに漏電検出後
にコンデンサC3を放電するための時定数を決める抵抗
R6が外付けされる。
【0127】また、主回路の2つの極の間には、抵抗R
T、常開のテストスイッチSW並びに零相変流器ZCT
に貫挿されたリード70aの直列回路からなる試験回路
70が接続される。すなわち、テストスイッチSWをオ
ンしてリード70aに電流を流すことにより零相変流器
ZCTの1次側に不平衡電流を流して擬似的に漏電状態
を作り出し、漏電保護回路51が正常に動作するか否か
の試験を行うことができる。なお、抵抗RT並びにテス
トスイッチSWにはサージ吸収素子SAが並列に接続し
てある。
【0128】ところで、漏電保護回路51並びに試験回
路70を構成する上記複数種の回路部品は、図25に示
すようにプリント配線基板からなる第1及び第2の回路
基板73,74に実装される。第1の回路基板73には
図24の回路図中に点線で示した境界線Wから左側の強
電系の回路を構成する強電系の回路部品(抵抗R2,R
3、ダイオードD3、試験回路70、フィルタ回路等)
が実装され、第2の回路基板74には境界線Wから右側
の弱電系の回路を構成する弱電系の回路部品(漏洩電流
判定回路51a、クランプ回路、平滑コンデンサC1、
零相変流器ZCT等)並びにサイリスタSCRが実装さ
れる。テストスイッチSWは、一端が第1の回路基板7
3に接合されて揺動自在に支持された可動接点板76a
と、可動接点板76aに対向するように第1の回路基板
73に実装されたピン状の固定接点76bとで構成さ
れ、可動接点板76aの自由端側の上部に移動自在に配
設されるテスト釦78を押操作している場合に、テスト
釦78に押駆動された可動接点板76aが固定接点76
bに接触してオンするものである。
【0129】零相変流器ZCTは、図25に示すように
巻線(図示せず)を巻回したリング形のコア(図示せ
ず)を合成樹脂成型品のハウジング75に納装したもの
であって、コアの軸方向に対向するハウジング75の側
面端部から突出する一対の出力端子75aが第2の回路
基板74の上部に設けた切り欠き74a,74aに挿通
され、ハウジング75を第2の回路基板74の表面にほ
ぼ密着させた状態で出力端子75aを裏面の配線パター
ン(図示せず)に半田付けして実装される。
【0130】また、零相変流器ZCTのハウジング75
には、図25に示すように第1及び第2の回路基板7
3,74を取り付けるための複数の取付部たるコンタク
トピン671〜675が軸方向の両側面より突設されてい
る。これらのコンタクトピン671〜675は金属製であ
ってその軸方向を零相変流器ZCTの軸方向に一致させ
且つ両端部をハウジング75の側面から各々突出させて
ハウジング75にインサート成型され、第1の回路基板
73と対向する側面側にはコンタクトピン671〜675
をその先端部を残して被うボス部75cがハウジング7
5と一体に形成されている。
【0131】一方、第1及び第2の回路基板73,74
には各コンタクトピン671〜675を挿通するスルーホ
ール73a,74bがそれぞれ穿孔されており、各スル
ーホール73a,74bに挿通したコンタクトピン67
1〜675の端部を配線パターンに接合することにより、
第1及び第2の回路基板73,74が零相変流器ZCT
の厚み方向(軸方向)の両側面に振り分けて取り付けら
れる。このとき、コンタクトピン671〜674が2つの
回路基板73,74間の通電路を兼ね、コンタクトピン
671〜675を介して第1及び第2の回路基板73,7
4に実装された回路部品が電気的に接続される。また、
第1の回路基板73の下部には第3の電磁釈放装置48
を構成する端子ピン69dがそれぞれ挿通されるスルー
ホール73bが穿孔されており、各スルーホール73b
に挿通した端子ピン69dの端部を配線パターンに接合
することでコイル68が漏電保護回路51に電気的に接
続される。さらにハウジング75の中央に開口する貫通
孔75bの近傍にコンタクトピン675が設けてあり、
このコンタクトピン675が零相変流器ZCTのコアを
貫挿する試験回路70のリード70aとなる。なお、第
1及び第2の回路基板73,74にはハウジング75の
貫通孔75bに連通して編組線79A,79Bが挿通さ
れる円形の挿通孔73c,74cが設けてある。また、
第1の回路基板73には導電板71Aを介して主回路の
一方の極(固定接点2A及び可動接点3Aの主接点を有
する極)に接続するリード線82Aの一端と、主回路の
他方の極(固定接点2B及び可動接点3Bの主接点を有
する極)に接続するための接続部材99に一端が溶着さ
れたリード線82Bの他端とが接続されている。
【0132】而して、漏電保護回路51を構成する複数
種の回路部品を第1及び第2の回路基板73,74に実
装し、零相変流器ZCTの厚み方向両側に第1及び第2
の回路基板73,74を配置して器体1に収納するた
め、1枚の回路基板に漏電保護回路51と零相変流器Z
CTを実装する場合に比較して各回路基板73,74の
長手方向の寸法を小さくでき、器体1の小型化が図れる
ものである。また、零相変流器ZCTのハウジング75
に取付部たるコンタクトピン671〜675を設けること
により、第1及び第2の回路基板73,74に零相変流
器ZCTを容易に取り付けることができる。さらに、取
付部を金属製のコンタクトピン671〜674とし、第1
及び第2の回路基板73,74間を電気的に接続する通
電路としているので、別途リード線等を用いて配線する
場合に比較して回路基板73,74間の通電路が簡単に
形成できるという利点があり、しかもコンタクトピン6
1〜675をハウジング75にインサート成型すること
で零相変流器ZCTの巻線と絶縁することができる。
【0133】また、コンタクトピン675を試験回路7
0のリード70aとしているため、第1及び第2の回路
基板73,74を零相変流器ZCTに取り付けることで
試験回路70のリード70aを零相変流器ZCTのコア
に簡単に貫挿させることができる。さらに、第1の回路
基板73には強電系の回路を構成する強電系の回路部品
を実装し、第2の回路基板74には主に弱電系の回路を
構成する弱電系の回路部品を実装しているため、強電系
に比較して絶縁距離を短くできる弱電系の回路部品を主
に実装した第2の回路基板74により多くの回路部品を
実装することができる。ここで、主回路の一方の極に接
続するためのリード線82Aと他方の極に接続するため
のリード線82Bが強電系の回路部品を実装した第1の
回路基板73に接続してあるため、第2の回路基板74
においてはリード線82A,82Bの接続位置からの絶
縁距離を考慮せずに回路部品を配置することができると
いう利点がある。
【0134】而して、本実施形態の漏電遮断器を組み立
てるに当たっては、まず第1側ケース1Aの凹部8に端
子ブロック10Aを収納するとともに解除ハンドル17
を復帰ばね21とともに定位置に組み込む。またハンド
ル6を所定位置にねじりばね36とともに組み込む。そ
して、クロスバー40を、切溝54に可動接触子4Aを
嵌め込むとともにコイルばね53を凹部内に収納し、第
1側ケース1Aの所定位置にコイルばね62とともに回
動自在に配置する。また作動板43をリンク44でハン
ドル6と連結させて配設する。
【0135】さらに、器体1の他端底部に設けた収納部
90に固定端子T1を収納するとともに、スライド部材
83と一緒に選択端子T2を、第2側ケース1Bと突き
合わせたときに構成される内方収納部200に対応する
第1側ケース1Aの内側の区画に収納する。またスライ
ド部材83の脚片83aを挿通孔を介して第1側ケース
1Aの側壁の外側面に形成せるスライド溝に入れて突出
部206を外部に露出させる。
【0136】さらに、内方収納部200に沿って第1側
ケース1Aの高さ方向に形成された分離壁91と、第1
側ケース1Aの長手方向略中央で分離壁91に対向して
高さ方向に形成された分離壁65との間の空間上部に、
長手方向の寸法が長い第2の回路基板74を隔壁91側
として零相変流器ZCTに取り付けた第1及び第2の回
路基板73,74を収納するとともに、上記空間下部に
第1及び第2の電磁釈放装置47,48を収納する。こ
こで、第1側ケース1A底部の隔壁91近傍の部位には
器体1の幅方向に沿って2条のリブ92が設けてあり、
この2条のリブ92間に形成される嵌合溝92aに第2
の回路基板74の下端部を嵌合することにより、その長
手方向が第1側ケース1Aの高さ方向と略一致し且つ零
相変流器ZCTの軸方向が第1側ケース1Aの長手方向
と略一致するように第2の回路基板74を位置決め固定
している。
【0137】また、両側ケース1A,1Bの零相変流器
ZCTと対向する側壁に矩形の窓孔98をそれぞれ開口
し、ハウジング75の幅寸法が最も大きい部分を窓孔9
8に挿入してハウジング75の逃げとしている。すなわ
ち、零相変流器ZCTのハウジング75の幅寸法が第1
及び第2の回路基板73,74の幅寸法よりも若干大き
いために器体1の幅寸法をハウジング75の幅寸法に合
わせると無駄なスペースが生じてしまうが、上述のよう
に窓孔98を設けてハウジング75を逃がすことによ
り、無駄なスペースが生じるのを防いで器体1の幅寸法
の小型化が図れる。但し、窓孔98に挿入したハウジン
グ75が両側ケース1A,1Bの側壁外側面よりも突出
しないようにハウジング75並びに器体1の幅寸法を設
定している。
【0138】一方、第1及び第3の電磁釈放装置47
B,48は、図27に示すように可動鉄心58を器体1
の高さ方向において下にして上記空間下部の第1側ケー
ス1A底部に配置され、器体1の高さ方向における固定
鉄心57の上部に零相変流器ZCTが配置されている。
このように板ばね59で連結した固定鉄心57及び可動
鉄心58を器体1の高さ方向にそって器体1底部に配置
するとともに、固定鉄心57及び可動鉄心58の上部
に、軸方向を器体1の長手方向に略一致させて零相変流
器ZCTを配置すれば、固定鉄心57及び可動鉄心58
に挟まれる通電導体80をその延出方向を器体1の長手
方向に一致させて器体1内に配設することができるため
に器体1の高さ方向の寸法を小型化することができる。
また、固定鉄心57及び可動鉄心58の高さ方向上部に
零相変流器ZCTを配置することで器体1の長手方向の
寸法を小型化することができる。さらに、零相変流器Z
CTの軸方向を器体1の長手方向と一致させているか
ら、主回路の電路(編組線79A,79B)を零相変流
器ZCTに貫通させる作業が容易に行える。あるいは、
予め編組線79A,79Bを零相変流器ZCTに貫通さ
せた状態で第1側ケース1Aに組み込む場合には、器体
1内で編組線79A,79Bを引き回す距離が短くて済
む。しかも、可動鉄心58を器体1の底部側に配置して
いるため、可動鉄心58の吸引動作に零相変流器ZCT
の影響が及ばず、後述する主接点の開極特性を安定させ
ることができる。
【0139】ここで、外片80bの先端部に後端部が連
結された可動接触子4Bは、その中央部の斜め上向きの
傾斜部位を、第1側ケース1Aの底部よりやや上方に位
置する分離壁65の下端より第1側ケース1Aの他端部
方向へ底部に平行し、さらにこの平行部より上向きに傾
斜して延長された隔壁95と第1側ケース1Aの底部と
の間に配置して、可動接触子4Bの自由端側を隔壁14
の切欠部14aを介して固定接触子12Bが配置される
空間に配設される。このとき隔壁95の平行部の下面と
第1側ケース1Aの底部とにそれぞれ突設した複数のリ
ブ96で可動接触子4Bの後端部を挟んで固定する。ま
たこのとき第1側ケース1Aの底部と可動接触子4Bと
の間に、第1の回路基板73とリード線82Bで接続さ
れた接続部材99を挟持固定して漏電保護回路51並び
に試験回路70を片方の極の電路に接続している。
【0140】さらに分離壁65と隔壁95との間の空間
に、導電板71A,71B並びにバイメタル45,46
を保持させた隔壁部材31を収納する。このとき隔壁部
材31の下部周壁31bの斜め上向きに傾斜した傾斜部
位を隔壁95の傾斜部位に沿うように載置することによ
り、隔壁部材31を器体1の上記空間内で位置決めして
いる。而して、器体1の長手方向においてバイメタル4
5,46に近い側に第1の回路基板73が配置されるこ
とになるため、第2の回路基板74とバイメタル45,
46との距離を離して第2の回路基板74に実装したI
C(漏洩電流判定回路51a)等の熱に弱い弱電系の回
路部品にバイメタル45,46の発する熱の影響が及ぶ
のを抑えることができる。
【0141】さらにまた固定鉄心60を凹所31c内に
配置した後に第1引外し板41をねじりばね81ととも
に定位置に回動自在に配置するとともに、第2引外し板
42を定位置に回動自在に配置する。このとき第2引外
し板42の受け部42cが可動鉄心58の先端部と対向
する。
【0142】このようにして図27に示すように中間ケ
ース7及びこの中間ケース7の凹部9内に収納する端子
ブロック10B、解除ハンドル17’及びその復帰ばね
21’以外を第1側ケース1A側に配置、組み付けた後
に、端子ブロック10B、解除ハンドル17’及び復帰
ばね21’を凹部9に組み付けた中間ケース7を第1側
ケース1A側に重ねるように配設する。以下、実施形態
1と同様に第1側ケース1Aと第2側ケース1Bを結合
固定することで器体1が組み立てられるのである。
【0143】ところで、図17に示すように第2側ケー
ス1Bの開口部104近傍にはテスト釦78を挿通する
挿通孔105aが貫通した突台部105が設けてあり、
先端を二股に形成したテスト釦78を上方から挿通孔1
05aに挿通して係止段部78aを器体1内の挿通孔1
05a周縁に係止することでテスト釦78が器体1の高
さ方向に移動自在且つ抜け止めして突台部105に取り
付けられる。このテスト釦78の先端部が第2の回路基
板74に実装したテストスイッチSWの可動接点板76
aと対向しており、テスト釦78を押操作することでそ
の先端部にて可動接点板76aを押駆動して固定接点7
6bに接触させ、テストスイッチSWをオンさせること
ができる。なお、蓋106にはテスト釦78との干渉を
避けるためにテスト釦78が挿通する半円形の切り欠き
106aが設けてある。
【0144】ここで、器体1両側面には零相変流器ZC
Tのハウジング75が部分的に露出する窓孔98が開口
しているので、窓孔98から器体1内への異物侵入を防
止するとともに外観上の見栄えを良くするために、絶縁
性を有するシート状の材料で角筒状に形成された絶縁シ
ート(図示せず)を器体1に取着して窓孔98を覆い隠
している。
【0145】ところで本実施形態においては、図27に
示すように隔壁部材31の隔壁31aを器体1の幅方向
に跨ぐように第1の電磁釈放装置47Bが配設され、図
20に示すように隔壁31aと器体1の片側内側面(第
1側ケース1Aの内側面)との間に第2の電磁釈放装置
47Aが配設されることで器体1の小型化が図られてい
る。さらに、第1引外し板41の回動支点たる軸部41
aと第1の電磁釈放装置47Bが具備する可動鉄心58
からの力を受ける作用点(第2引外し板42の受け部4
2c)との距離を(図18参照)、第1引外し板41の
軸部41aと第2の電磁釈放装置47Aが具備する可動
鉄心61からの力を受ける作用点(可動鉄心61が取着
された突出部41b)との距離よりも短くしたので(図
19参照)、第1及び第1の電磁釈放装置47B,47
Aを互いに離して配設することで器体1内における配設
スペースを充分に取ることができて器体1の小型化が図
れるという利点がある。
【0146】次に本実施形態の動作を図18,図19並
びに図28〜図31を参照して説明する。図28及び図
29は開放状態を示しており、この開放状態ではハンド
ル6の操作部6aが窓孔50より倒立露出した状態にあ
り、作動板43の一端と第1引外し板41との係合状態
は外れた状態にある。そしてコイルばね62によりクロ
スバー40は図28において時計回り(図29において
は反時計回り)に回動するように付勢されており、クロ
スバー40の切溝54に貫挿されている可動接触子4A
が自由端を上方に移動させた状態にあり、また切溝55
に貫挿させた可動接触子4Bはそのばね弾性力により自
由端を上方に移動させた状態にあり、夫々の自由端に設
けてある可動接点3A,3Bが対応する固定接点2A,
2Bから開離した状態にある。
【0147】この状態でハンドル6の操作部6aを図2
8における時計回り(図29における反時計回り)に回
動操作すると、リンク44の上側軸44aが下方向に押
し動かされてリンク44は下側軸44bにより作動板4
3を押し下げる。この作動板43の押し下げにより作動
板43の一端(図28において右端)が第1引外し板4
1の係止部41eに当たり、その位置を回動中心として
作動板43は図28において反時計回り(図29におい
て時計回り)に回動し、作動板43の他端(図28にお
いて左端)がクロスバー40の上端に設けてある突出部
84に当たり、クロスバー40を図28において反時計
回り(図29において時計回り)にばね付勢に抗して回
動させる。
【0148】この回動によりクロスバー40の切溝55
に貫挿された可動接触子4Bが自由端を下向きに移動さ
せる方向に撓むことになり、自由端の可動接点3Bを固
定接点2Bに接触させる。また切溝54に貫挿された可
動接触子4Aが図28において反時計回り(図29にお
いて時計回り)に回動してその自由端の可動接点3Aを
固定接点2Aに接触させる。この接触は可動接点3Bが
固定接点2Bに接触するよりも遅れるようなっている。
【0149】そしてハンドル6をさらに回動させると、
リンク44の下側軸44bの位置とハンドル6の回転中
心を結ぶ線より上側軸44aが図18に示すように左方
向(図19においては右方向)に移動し、この状態でハ
ンドル6のねじりばね36、クロスバー44を付勢する
コイルスばね62、更に可動接触子4Bのばね力等が均
衡して作動板43の一端と第1引外し板41の係止部4
1eとのラッチ状態が保持され、図18及び図19の投
入状態が維持される。
【0150】さて投入状態でハンドル6の操作部6aを
図18において反時計回り(図19において反時計回
り)に回動させると、リンク44の上側軸44aの位置
が、ハンドル6の回転中心と、下側軸44bを結ぶ線を
図18において右方向(図19において左方向)に越え
て上方へ移動するため作動板43の図18における左端
(図19における右端)と第1引外し板41の係止部4
1eとのラッチ状態が解かれ、クロスバー40はコイル
ばね62の付勢力で図18において時計回り(図19に
おいて反時計回り)に回動するとともに、ハンドル6が
ねじりばね36の付勢力でオフ側に急速に回動復帰す
る。クロスバー40の図18における時計回り(図19
における反時計回り)への回動により可動接触子4Aが
図18における時計回り(図19における反時計回り)
に回動して自由端を上方へ移動させ可動接点3Aを固定
接点2Aより開離させる。また可動接触子4Bが下向き
の押し下げが無くなって、そのばね力で元の状態に復帰
することになり、自由端の可動接点3Bを固定接点2B
より開離する。この開離は上記可動接点3Aが固定接点
2Aから開離するよりも遅れる。この遅れは後述する強
制開極時も同様である。
【0151】さて図18及び図19に示す上記投入状態
において、負荷に過電流が流れると、バイメタル45,
46は過電流により発熱して湾曲変位することになる。
ここで上方から垂下したバイメタル45,46は下端が
図18において左方向(図19において右方向)に移動
するように変位し、バイメタル46の下端は第2引外し
板42の駆動片42dを図18における左方向に押し、
バイメタル45の下端は第1引外し板41の脚部41c
先端の受け部42cを図19における右方向に押す。ま
たバイメタル46の変位によって第2引外し板42が図
18における反時計回りに回動し、第2引外し板42の
対向部42aが第1引外し板41の受け部41fを左方
向に押す。そして、第1引外し板41は受け部42cが
バイメタル45に押されるとともに受け部41fが第2
引外し板42に押されることで図18において時計回り
(図19において反時計回り)に回動する。
【0152】さて第1引外し板41が図18において時
計回り(図19において反時計回り)に回動すると、係
止部41eと作動板43の一端(図18における右端)
とのラッチ状態が解除され、作動板43はリンク44の
下側軸44bを中心として図18において時計回り(図
19において反時計回り)に回動することになる。その
ため作動板43の他端(図18における左端)によるク
ロスバー40の規制が無くなり、クロスバー40はコイ
ルばね62のばね力により図18において時計回り(図
19において反時計回り)に回動し、可動接触子4A,
4Bを開放状態に復帰させ、可動接点3A,3Bを固定
接点2A,2Bからそれぞれ開離させる。すなわち、主
回路に過負荷電流が流れた場合には、熱動釈放装置によ
って開閉機構5が釈放されて主接点を強制的に開極して
負荷を保護することができる。
【0153】その後、電路遮断によりバイメタル45,
46は元の状態に戻り、第1引外し板41はねじりばね
81の付勢により元の位置へ回動復帰し、同時に第2引
外し板42の対向部42aを受け部41fが押し動かし
て第2引外し板42を元へ戻す。またハンドル6はねじ
りばね36の付勢により開放方向(図18における反時
計回り)に回動することになる。
【0154】また上記投入状態において、地絡事故や短
絡事故による異常な大電流が一方の極の通電導体80に
流れると、固定鉄心57に電磁吸引力が発生して可動鉄
心58を吸引して揺動させる。これにより図30に示す
ように、可動鉄心58の先端部が第2引外し板42の受
け部42cを押し上げて第2引外し板42を反時計回り
に回動させる。過負荷電流が流れたときと同様に第2引
外し板42が反時計回りに回動すると、第2引外し板4
2の対向部42aが第1引外し板41の受け部41fを
左方向に押して時計回りに回動する。そして、第1引外
し板41が時計回りに回動すると、係止部41eと作動
板43の一端(右端)とのラッチ状態が解除され、作動
板43はリンク44の下側軸44bを中心として時計回
りに回動することになる。そのため作動板43の他端
(左端)によるクロスバー40の規制が無くなり、クロ
スバー40はコイルばね62のばね力により時計回り
(図31においては反時計回り)に回動し、可動接触子
4A,4Bを開放状態に復帰させ、可動接点3A,3B
を固定接点2A,2Bからそれぞれ開離させる。すなわ
ち、主回路の一方の極(固定接点2B及び可動接点3
B)に異常な大電流が流れた場合には、第1の電磁釈放
装置47Bによって開閉機構5が釈放されて主接点を強
制的に開極することができる。
【0155】その後、電路遮断により固定鉄心57に電
磁吸引力が発生しなくなると、可動鉄心58は板ばね5
9のばね力により元の状態に戻り、第1引外し板41は
ねじりばね81の付勢により元の位置へ回動復帰し、同
時に第2引外し板42の対向部42aを受け部41fが
押し動かして第2引外し板42を元へ戻す。またハンド
ル6はねじりばね36の付勢により開放方向(反時計回
り)に回動することになる。
【0156】一方上記投入状態において、地絡事故や短
絡事故による異常な大電流が他方の極のバイメタル45
に流れると、固定鉄心60に電磁吸引力が発生して可動
鉄心61を吸引して揺動させる。これにより、可動鉄心
61が取着されている第1引外し板41が図31におけ
る反時計回りに回動し、係止部41eと作動板43の一
端(左端)とのラッチ状態が解除され、作動板43はリ
ンク44の下側軸44bを中心として反時計回りに回動
することになる。そのため作動板43の他端(右端)に
よるクロスバー40の規制が無くなり、クロスバー40
はコイルばね62のばね力により反時計回りに回動し、
可動接触子4A,4Bを開放状態に復帰させ、可動接点
3A,3Bを固定接点2A,2Bからそれぞれ開離させ
る。すなわち、主回路の他方の極(固定接点2A及び可
動接点3A)に異常な大電流が流れた場合には、第2の
電磁釈放装置47Aによって開閉機構5が釈放されて主
接点を強制的に開極することができる。
【0157】その後、電路遮断により固定鉄心60に電
磁吸引力が発生しなくなると、第1引外し板41はねじ
りばね81の付勢により元の位置へ回動復帰する。また
ハンドル6はねじりばね36の付勢により開放方向(時
計回り)に回動することになる。
【0158】さらに上記投入状態において、地絡電流等
の漏洩電流が流れると、漏電保護回路51がコイル68
に通電することにより固定鉄心57に電磁吸引力が発生
して可動鉄心58を吸引して揺動させる。これにより短
絡電流が流れたときと同様、図30に示すように、可動
鉄心58の先端部が第2引外し板42の受け部42cを
押して第2引外し板42を反時計回りに回動させるとと
もに第1引外し板41を時計回りに回動させ、可動接触
子4A,4Bを開放状態に復帰させて可動接点3A,3
Bを固定接点2A,2Bからそれぞれ開離させる。すな
わち、主回路に漏洩電流が流れた場合には、第3の電磁
釈放装置48によって開閉機構5が釈放されて主接点を
強制的に開極して地絡保護ができる。
【0159】
【発明の効果】請求項1の発明は、2極の主接点を有し
た主回路を収納する器体と、少なくとも一部が器体から
回動自在に露出するハンドルと、少なくともハンドルの
操作に応じて主回路の主接点を開閉する開閉機構と、地
絡事故や短絡事故により異常な大電流が主回路の一方の
主接点に流れた場合に開閉機構を釈放して主接点を強制
的に開極する第1の電磁釈放装置と、前記異常大電流が
主回路の他方の主接点に流れた場合に開閉機構を釈放し
て主接点を強制的に開極する第2の電磁釈放装置とを備
え、第1の電磁釈放装置が動作する感度電流値を所定範
囲に設定し、第2の電磁釈放装置が動作する感度電流値
を第1の電磁釈放装置の感度電流値よりも大きく且つ第
1及び第2の電磁釈放装置の見かけ上の感度電流値が前
記所定範囲を外れない値に設定したので、電磁釈放装置
を1つしか備えない回路遮断器から第1の電磁釈放装置
を流用しても第2の電磁釈放装置の感度電流値を調整す
るだけで見かけ上の感度電流値を所定範囲に設定するこ
とができて感度電流値の調整作業が容易となるという効
果がある。
【0160】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成する
各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心に
揺動自在に接離する可動鉄心並びに可動鉄心を固定鉄心
から離れる向きに弾性付勢する弾性部材をそれぞれ具備
し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈
放してなり、第2の電磁釈放装置が具備する弾性部材の
弾性力を第1の電磁釈放装置が具備する弾性部材の弾性
力よりも強くしたので、固定鉄心並びに可動鉄心を第1
及び第2の電磁釈放装置で共通化することができ、部品
管理が容易となるという効果がある。
【0161】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成する
各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心に
揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄心
が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心と可動鉄心
との対向間隔を第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心
と可動鉄心との対向間隔よりも広くしたので、固定鉄心
並びに可動鉄心を第1及び第2の電磁釈放装置で共通化
することができ、部品管理が容易となるという効果があ
る。
【0162】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成する
各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心に
揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄心
が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び可動鉄
心の少なくとも一方の体積を第1の電磁釈放装置が具備
する固定鉄心及び可動鉄心の少なくとも一方の体積より
も小さくしたので、第2の電磁釈放装置の固定鉄心又は
可動鉄心の少なくとも一方を軽くして全体の軽量化が図
れるという効果がある。
【0163】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心の磁極面の
厚み寸法を第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心の磁
極面の厚み寸法よりも小さくしたので、可動鉄心等の固
定鉄心以外の部品を第1及び第2の電磁釈放装置で共通
化することができ、部品管理が容易となるという効果が
ある。
【0164】請求項6の発明は、請求項4の発明におい
て、第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心の固定鉄心
との対向部位の厚み寸法を第1の電磁釈放装置が具備す
る可動鉄心の固定鉄心との対向部位の厚み寸法よりも小
さくしたので、可動鉄心等の固定鉄心以外の部品を第1
及び第2の電磁釈放装置で共通化することができ、部品
管理が容易となるという効果がある。
【0165】請求項7の発明は、請求項4の発明におい
て、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心又は可動鉄
心の少なくとも何れか一方に切り欠き部を設けたので、
切り欠き部を形成する以前の鉄心は全く同じ金型で製造
することができて部品管理が容易となるという効果があ
る。
【0166】請求項8の発明は、請求項4の発明におい
て、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心を、先端面
が磁極面となる一対の側片を有する略コ字形に形成し、
第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心を、先端面が磁
極面となる側片を有する略L字形に形成したので、第2
の電磁釈放装置の固定鉄心には片側にしか側片がないた
め、固定鉄心と可動鉄心との間に容易に通電導体を挟む
ことができて組立作業が簡単になるという効果がある。
【0167】請求項9の発明は、請求項4の発明におい
て、主回路の各極を器体の幅方向に隔絶する隔壁を器体
内に設け、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び
可動鉄心を器体の幅方向に隔壁を跨いで配設し、第2の
電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び可動鉄心を隔壁と
器体の片側内側面との間に配設したので、器体の小型化
が図れるという効果がある。
【0168】請求項10の発明は、請求項1の発明にお
いて、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成す
る各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心
に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄
心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心の磁極面の
一端部を可動鉄心に当接させ、第2の電磁釈放装置が具
備する固定鉄心の磁極面を可動鉄心から離間させたの
で、第2の電磁釈放装置については固定鉄心と可動鉄心
を当接させるために精度よく組み立てる必要が無いから
組立が容易になるという効果がある。
【0169】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、開閉機構は、主接点を閉極状態にラッチさせる
ラッチ部材と、主接点を開極状態へ移行させるラッチ部
材の動きを規制するとともに第1又は第2の電磁釈放装
置により前記規制が解除される引外し部材とを具備し、
第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心を引外し部材に
取着したので、第2の電磁釈放装置においては可動鉄心
の動きを引外し部材に伝える部材が不要となり、部品点
数を削減できるとともに可動鉄心と引外し部材との距離
を縮めることで小型化が図れるという効果がある。
【0170】請求項12の発明は、請求項1の発明にお
いて、第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路を形成す
る各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で固定鉄心
に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備し可動鉄
心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈放してな
り、開閉機構は、主接点を閉極状態にラッチさせるラッ
チ部材と、主接点を開極状態へ移行させるラッチ部材の
動きを規制するとともに第1又は第2の電磁釈放装置が
具備する可動鉄心の揺動により前記規制が解除される方
向へ回動される引外し部材とを具備してなり、引外し部
材の回動支点と第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心
からの力を受ける作用点との距離を、引外し部材の回動
支点と第1の電磁釈放装置が具備する可動鉄心からの力
を受ける作用点との距離よりも短くしたので、第1及び
第2の電磁釈放装置を互いに離して配設することで器体
内における配設スペースを充分に取ることができて器体
の小型化が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す分解斜視図である。
【図2】同上の投入状態を示し、第1側ケースを取り外
した状態の側面図である。
【図3】同上の投入状態を示し、第2側ケースを取り外
した状態の側面図である。
【図4】同上における第1の電磁釈放装置並びに熱動釈
放装置の分解斜視図である。
【図5】同上における第1の電磁釈放装置並びに熱動釈
放装置の斜視図である。
【図6】同上における第2の電磁釈放装置並びに熱動釈
放装置の分解斜視図である。
【図7】同上における第2の電磁釈放装置並びに熱動釈
放装置の斜視図である。
【図8】(a)は同上における第1の電磁釈放装置の分
解斜視図、(b)は第2の電磁釈放装置の分解斜視図で
ある。
【図9】同上の開放状態を示し、第1側ケースを取り外
した状態の側面図である。
【図10】同上の引外し状態を示し、第1側ケースを取
り外した状態の側面図である。
【図11】(a)は実施形態2における第1の電磁釈放
装置の側面図、(b)は第2の電磁釈放装置の側面図で
ある。
【図12】(a)は同上における第1の電磁釈放装置の
分解斜視図、(b)は第2の電磁釈放装置の分解斜視図
である。
【図13】(a)は実施形態3における第1の電磁釈放
装置の分解斜視図、(b)は第2の電磁釈放装置の分解
斜視図である。
【図14】同上における他の構成の第2の電磁釈放装置
を示す分解斜視図である。
【図15】(a)は実施形態4における第1の電磁釈放
装置の分解斜視図、(b)は第2の電磁釈放装置の分解
斜視図である。
【図16】実施形態5における第2の電磁釈放装置を示
す分解斜視図である。
【図17】実施形態6を示す分解斜視図である。
【図18】同上の投入状態を示し、第2側ケースを取り
外した状態の側面図である。
【図19】同上の投入状態を示し、第1側ケースを取り
外した状態の側面図である。
【図20】同上の背面断面図である。
【図21】同上における第2の電磁釈放装置並びに熱動
釈放装置の分解斜視図である。
【図22】同上における第1及び第3の電磁釈放装置の
分解斜視図である。
【図23】同上における第1及び第3の電磁釈放装置の
斜視図である。
【図24】同上における漏電保護回路並びに試験回路の
回路図である。
【図25】同上における零相変流器、第1及び第2の回
路基板の構造部位の分解斜視図である。
【図26】同上における零相変流器、第1及び第2の回
路基板の構造部位の斜視図である。
【図27】同上の背面断面図である。
【図28】同上の開放状態を示し、第2側ケースを取り
外した状態の側面図である。
【図29】同上の開放状態を示し、第1側ケースを取り
外した状態の側面図である。
【図30】同上の投入状態から第1の電磁釈放装置が動
作した状態を示し、第2側ケースを取り外した状態の側
面図である。
【図31】同上の投入状態から第1の電磁釈放装置が動
作した状態を示し、第1側ケースを取り外した状態の側
面図である。
【符号の説明】
1 器体 2A,2B 固定接点 3A,3B 可動接点 5 開閉機構 6 ハンドル 47A 第1の電磁釈放装置 47B 第2の電磁釈放装置 57A,57B 固定鉄心 58A,58B 可動鉄心 59A,59B 板ばね
フロントページの続き (72)発明者 岡田 健彦 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 澤田 知行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 香川 卓也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 稲次 崇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 山添 宏一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5G030 FA02 FC11 FD03 XX09 YY06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2極の主接点を有した主回路を収納する
    器体と、少なくとも一部が器体から回動自在に露出する
    ハンドルと、少なくともハンドルの操作に応じて主回路
    の主接点を開閉する開閉機構と、地絡事故や短絡事故に
    より異常な大電流が主回路の一方の主接点に流れた場合
    に開閉機構を釈放して主接点を強制的に開極する第1の
    電磁釈放装置と、前記異常大電流が主回路の他方の主接
    点に流れた場合に開閉機構を釈放して主接点を強制的に
    開極する第2の電磁釈放装置とを備え、第1の電磁釈放
    装置が動作する感度電流値を所定範囲に設定し、第2の
    電磁釈放装置が動作する感度電流値を第1の電磁釈放装
    置の感度電流値よりも大きく且つ第1及び第2の電磁釈
    放装置の見かけ上の感度電流値が前記所定範囲を外れな
    い値に設定したことを特徴とする回路遮断器。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路
    を形成する各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で
    固定鉄心に揺動自在に接離する可動鉄心並びに可動鉄心
    を固定鉄心から離れる向きに弾性付勢する弾性部材をそ
    れぞれ具備し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開
    閉機構を釈放してなり、第2の電磁釈放装置が具備する
    弾性部材の弾性力を第1の電磁釈放装置が具備する弾性
    部材の弾性力よりも強くしたことを特徴とする請求項1
    記載の回路遮断器。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路
    を形成する各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で
    固定鉄心に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備
    し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈
    放してなり、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心と
    可動鉄心との対向間隔を第1の電磁釈放装置が具備する
    固定鉄心と可動鉄心との対向間隔よりも広くしたことを
    特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  4. 【請求項4】 第1及び第2の電磁釈放装置は、主回路
    を形成する各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形で
    固定鉄心に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具備
    し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を釈
    放してなり、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心及
    び可動鉄心の少なくとも一方の体積を第1の電磁釈放装
    置が具備する固定鉄心及び可動鉄心の少なくとも一方の
    体積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1記載の
    回路遮断器。
  5. 【請求項5】 第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心
    の磁極面の厚み寸法を第1の電磁釈放装置が具備する固
    定鉄心の磁極面の厚み寸法よりも小さくしたことを特徴
    とする請求項4記載の回路遮断器。
  6. 【請求項6】 第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心
    の固定鉄心との対向部位の厚み寸法を第1の電磁釈放装
    置が具備する可動鉄心の固定鉄心との対向部位の厚み寸
    法よりも小さくしたことを特徴とする請求項4記載の回
    路遮断器。
  7. 【請求項7】 第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心
    又は可動鉄心の少なくとも何れか一方に切り欠き部を設
    けたことを特徴とする請求項4記載の回路遮断器。
  8. 【請求項8】 第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心
    を、先端面が磁極面となる一対の側片を有する略コ字形
    に形成し、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心を、
    先端面が磁極面となる側片を有する略L字形に形成した
    ことを特徴とする請求項4記載の回路遮断器。
  9. 【請求項9】 主回路の各極を器体の幅方向に隔絶する
    隔壁を器体内に設け、第1の電磁釈放装置が具備する固
    定鉄心及び可動鉄心を器体の幅方向に隔壁を跨いで配設
    し、第2の電磁釈放装置が具備する固定鉄心及び可動鉄
    心を隔壁と器体の片側内側面との間に配設したことを特
    徴とする請求項4記載の回路遮断器。
  10. 【請求項10】 第1及び第2の電磁釈放装置は、主回
    路を形成する各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形
    で固定鉄心に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具
    備し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を
    釈放してなり、第1の電磁釈放装置が具備する固定鉄心
    の磁極面の一端部を可動鉄心に当接させ、第2の電磁釈
    放装置が具備する固定鉄心の磁極面を可動鉄心から離間
    させたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  11. 【請求項11】 開閉機構は、主接点を閉極状態にラッ
    チさせるラッチ部材と、主接点を開極状態へ移行させる
    ラッチ部材の動きを規制するとともに第1又は第2の電
    磁釈放装置により前記規制が解除される引外し部材とを
    具備し、第2の電磁釈放装置が具備する可動鉄心を引外
    し部材に取着したことを特徴とする請求項10記載の回
    路遮断器。
  12. 【請求項12】 第1及び第2の電磁釈放装置は、主回
    路を形成する各極の通電導体を固定鉄心との間に挟む形
    で固定鉄心に揺動自在に接離する可動鉄心をそれぞれ具
    備し可動鉄心が固定鉄心に吸引された場合に開閉機構を
    釈放してなり、開閉機構は、主接点を閉極状態にラッチ
    させるラッチ部材と、主接点を開極状態へ移行させるラ
    ッチ部材の動きを規制するとともに第1又は第2の電磁
    釈放装置が具備する可動鉄心の揺動により前記規制が解
    除される方向へ回動される引外し部材とを具備してな
    り、引外し部材の回動支点と第2の電磁釈放装置が具備
    する可動鉄心からの力を受ける作用点との距離を、引外
    し部材の回動支点と第1の電磁釈放装置が具備する可動
    鉄心からの力を受ける作用点との距離よりも短くしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
JP2002079002A 2002-03-20 2002-03-20 回路遮断器 Pending JP2003272507A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002079002A JP2003272507A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 回路遮断器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002079002A JP2003272507A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 回路遮断器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003272507A true JP2003272507A (ja) 2003-09-26

Family

ID=29206199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002079002A Pending JP2003272507A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 回路遮断器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003272507A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153072A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd 回路遮断器の過電流引外し装置
CN103943427A (zh) * 2013-09-24 2014-07-23 上海蕴原电器有限公司 便携式接地故障断路器
CN105027251A (zh) * 2013-03-29 2015-11-04 松下知识产权经营株式会社 触点装置以及电路断路器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153072A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd 回路遮断器の過電流引外し装置
CN105027251A (zh) * 2013-03-29 2015-11-04 松下知识产权经营株式会社 触点装置以及电路断路器
CN105027251B (zh) * 2013-03-29 2017-09-26 松下知识产权经营株式会社 触点装置以及电路断路器
CN103943427A (zh) * 2013-09-24 2014-07-23 上海蕴原电器有限公司 便携式接地故障断路器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3534000B2 (ja) 回路遮断器
JP3726702B2 (ja) 漏電遮断器
JP5231834B2 (ja) 回路遮断器
JP3763275B2 (ja) 漏電遮断器
JP4407380B2 (ja) 回路遮断器
JP2003272507A (ja) 回路遮断器
JP3985577B2 (ja) 回路遮断器
JP4042440B2 (ja) 漏電遮断器
JP3726709B2 (ja) 回路遮断器の零相変流器配設構造
JP3726704B2 (ja) 漏電遮断器
JP3726703B2 (ja) 漏電遮断器
JP3747841B2 (ja) 漏電遮断器
JP2009212064A (ja) 回路遮断器
JP3695385B2 (ja) 漏電遮断器
JP4042461B2 (ja) 回路遮断器の引外し装置
JP3232211B2 (ja) 漏電遮断器
JP3675467B2 (ja) 回路遮断器
JP3234445B2 (ja) 漏電遮断器
JPH08321249A (ja) 漏電遮断器の漏電電流検出装置
JP4036195B2 (ja) 回路遮断器
JP4665952B2 (ja) 回路遮断器
JPH1167051A (ja) 回路遮断器
JP3335041B2 (ja) 漏電遮断器
JP3227344B2 (ja) 回路遮断器の短絡電流検出装置
JP2001028225A (ja) 回路遮断器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071016