JP2001013651A - 写真廃液濃縮処理装置 - Google Patents

写真廃液濃縮処理装置

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JP2001013651A
JP2001013651A JP11180819A JP18081999A JP2001013651A JP 2001013651 A JP2001013651 A JP 2001013651A JP 11180819 A JP11180819 A JP 11180819A JP 18081999 A JP18081999 A JP 18081999A JP 2001013651 A JP2001013651 A JP 2001013651A
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Japan
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waste liquid
processing waste
supply
evaporating dish
photographic
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JP11180819A
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English (en)
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Tomoyoshi Hyodo
知義 兵藤
Toshio Kurokawa
俊夫 黒川
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃液を固体化し、最終的な廃棄量を従来より
も更に少なくし、廃棄回数や専門業者への委託回数を低
減する。 【解決手段】 1回目に蒸発皿へ200ミリリットルの
処理廃液を補給し、蒸発皿をペルチェ素子で加熱して処
理廃液を濃縮する。時間t1 経過後の2回目の補給で
は、100ミリリットルの補給を行う。以後最後の19
回目の補給まで100ミリリットルの補給を行う。後半
の時間t17及びt18は、それ以前の時間t1〜t16より
も長く設定されている。19回目の補給以後、処理廃液
の濃縮が進行し固体に近づくと、処理廃液、蒸発皿及び
ペルチェ素子の各々の温度が上昇を始め、高温となる。
そして、処理廃液が温度T1に達してte 時間後に処理
廃液の加熱を停止する。温度T1 に達したときには、蒸
発皿の処理廃液は略固体化しており、そこからte 時間
加熱を続けるので処理廃液は完全に乾固して蒸発皿に残
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真廃液濃縮処理
装置に関し、さらに詳しくは、感光材料を処理した処理
廃液を濃縮処理する写真廃液濃縮処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真の現像処理によってもたらされた廃
液は、公害防止の点から下水等に廃棄することができな
いため、専門業者に処理を依頼しているのが実情であ
る。
【0003】写真処理廃液は大分が水であるので、写真
処理廃液を濃縮すれば、保管量は極めて少量でも良いこ
とになり、保管のスペース及びその後の処理も簡単にな
り、専門業者への委託経費も大幅に削減可能である。
【0004】このような写真処理廃液を濃縮する装置と
して、例えば、特開平7−209841号公報に記載の
現像廃液濃縮装置や、特開平4−40281号公報に記
載の写真処理廃液処理装置等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した上記の装置で
は、何れも廃液を濃縮しているが、最終形態は液体のま
まであり、さらなる廃液の濃縮化、即ち廃液の最終形態
を固体にすることが望まれている。
【0006】特開平4−40281号の装置にて、廃液
を加熱し続けることで、廃液を固化可能と考えられる
が、液体のレベルを検出するセンサに固形分が付着して
センサが誤動作し、連続して廃液の処理を行うことは実
際には不可能である。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、廃液を固体化
し、最終的な廃棄量を従来よりも更に少なくし、廃棄回
数や専門業者への委託回数を低減することができる写真
廃液濃縮処理装置を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、写真処理廃液を加熱し、写真処理廃液中の水分を蒸
発させて固形化する写真廃液濃縮処理装置であって、写
真処理廃液を加熱する加熱手段を備えた蒸発皿と、前記
蒸発皿、前記加熱手段または前記蒸発皿の写真処理廃液
のいずれかの温度を計測可能な温度センサと、写真処理
廃液を前記蒸発皿に供給するポンプと、前記加熱手段及
び前記ポンプを制御する制御装置と、を備え、前記制御
装置は、前記ポンプを制御して前記蒸発皿へ前記写真処
理廃液を供給し、前記加熱手段を制御して前記写真処理
廃液の加熱を行い、予め決められた時間経過後に、前記
蒸発皿へ前記写真処理廃液を供給することを予め決めら
れた所定回数だけ繰り返し行い、所定回数が終了した
後、前記蒸発皿の写真処理廃液の濃縮を進め、前記温度
センサにより計測される前記蒸発皿、前記加熱手段また
は前記蒸発皿の写真処理廃液のいずれかの温度が予め決
められた温度上昇を検出してから所定時間後に前記加熱
手段による加熱を停止する制御を行うことを特徴とする
写真廃液濃縮処理装置。
【0009】次に、請求項1に記載の写真廃液濃縮処理
装置の作用を説明する。
【0010】この写真廃液濃縮処理装置では、例えば、
写真の自動現像機に設けられた廃液タンクの写真処理廃
液がポンプにて蒸発皿へと供給される。なお、制御装置
は、予め決められた量の写真処理廃液が蒸発皿へ供給さ
れるようにポンプを制御する。なお、写真処理廃液の通
過経路中に設けた流量計で計測しながら供給量を制御し
ても良く、ポンプの駆動時間で供給量を制御することも
できる。
【0011】また、制御手段は、加熱手段を制御して蒸
発皿の写真処理廃液の加熱を行い、予め決められた時間
経過後に、再び廃液タンクから蒸発皿へ写真処理廃液を
供給することを予め決められた所定回数だけ繰り返し行
う。これにより、蒸発皿には、写真処理廃液中の固形分
が除々に増加して行く。
【0012】蒸発皿への写真処理廃液の供給が所定回数
が終了した後、蒸発皿の写真処理廃液の濃縮を進める。
【0013】写真処理廃液の水分量がある程度多い場合
には、水分が蒸発する際の気化熱によって温度上昇が飽
和し、蒸発皿、加熱手段及び蒸発皿はある一定の温度
(T0)に落ちつく。しかし濃縮が進み、蒸発皿の写真
処理廃液が固形に近づくと、蒸発時の気化熱が少なくな
るため、蒸発皿、加熱手段及び蒸発皿の温度がある一定
の温度(T0 )よりも上昇する。
【0014】制御装置は、予め決められた温度上昇を検
出してから所定時間後に加熱手段による加熱を停止す
る。これにより、蒸発皿には水分が殆ど抜けた固体(写
真処理廃液中の不揮発成分)が残る。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の写真廃液濃縮処理装置において、前記蒸発皿へ供給す
る前記写真処理廃液の1回当たりの供給量は、複数回供
給する内の前よりも後の方が少ないことを特徴としてい
る。
【0016】次に、請求項2に記載の写真廃液濃縮処理
装置の作用を説明する。
【0017】請求項2に記載の写真廃液濃縮処理装置で
は、蒸発皿へ供給する写真処理廃液の供給量は、複数回
供給する内の前よりも後の方が少なくなる。
【0018】蒸発皿へ供給された写真処理廃液が所定時
間加熱されると、蒸発できない固形分が蒸発皿に残り、
供給毎にその固形分は増加する。即ち、固形分が増加し
た分だけ蒸発皿に供給可能な写真処理廃液の量は減少す
ることになる。
【0019】供給回数が少ない場合には毎回同じ量でも
蒸発皿から写真処理廃液が溢れる虞れは無いが、供給回
数が多いと蒸発皿に残る固形分が多くなり、毎回同じ量
供給すると、蒸発皿から写真処理廃液が溢れる虞れがあ
る。
【0020】したがって、供給回数が多い場合には供給
毎に供給量を除々に減少することが好ましい。
【0021】なお、供給毎に写真処理廃液の供給量を減
少しても良く、所定回数毎に写真処理廃液の供給量を減
少しても良い。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の写真廃液濃縮処理装置において、前記
蒸発皿へ供給する前記写真処理廃液の供給間隔時間は、
複数回供給する内の前よりも後の方が長いことを特徴と
している。
【0023】次に、請求項3に記載の写真廃液濃縮処理
装置の作用を説明する。
【0024】請求項3に記載の写真廃液濃縮処理装置で
は、蒸発皿への写真処理廃液の供給間隔時間、即ち、供
給1回当たりの加熱時間が複数回供給する内の前よりも
後の方が長くなる。
【0025】蒸発皿への写真処理廃液の供給回数が増加
するに従って、蒸発できない固形分が蒸発皿中の写真廃
液中に増加する。即ち、固形分が増加するにしたがって
写真処理廃液の濃度は増加することになる。
【0026】写真処理廃液の濃度が高まって高粘度にな
ると、内部で対流が起こり難くなり、加熱手段からの熱
が写真処理廃液全体に伝達され難くなる。
【0027】このため、低濃度(低粘度)の写真処理廃
液と同じ加熱時間では水分の蒸発量が低下することにな
り、加熱しても液面が十分に低下せず、毎回同じ量供給
すると蒸発皿から写真処理廃液が溢れる虞れがある。
【0028】したがって、供給回数が多い場合には供給
1回当たりの加熱時間を毎回増加し、蒸発量を一定に保
つことが好ましい。
【0029】なお、供給毎に供給間隔時間を長くしても
良く、所定回数毎に供給間隔時間を長くしても良い。
【0030】
【発明の実施の形態】図1には, 本発明の一実施形態に
係る写真廃液濃縮処理装置10が示されている。
【0031】この写真廃液濃縮処理装置10は、例え
ば、写真の自動現像機11に接続されて使用されるもの
であり、この自動現像機内で写真の現像処理に使用され
た使用済みの処理廃液Lを一時的に貯留する廃液タンク
14を有している。
【0032】廃液タンク14の底部には廃液パイプ16
が接続されており、廃液ポンプ18によって、ハウジン
グ20内に設けられた蒸発皿24に処理廃液Lが送られ
る。なお、本実施形態の蒸発皿24の容量は、500ミ
リリットルである。
【0033】廃液パイプ16の途中には流量計21が取
り付けられており、流量計21は、廃液パイプ16を流
れる単位時間当たりの処理廃液Lの量を計測し、図3に
示すように計測値を制御装置23に出力する。
【0034】ハウジング20は直方体の箱状に形成され
ており、その内部の略中央に、受け皿22が固定されて
いる。
【0035】図2に詳細に示すように、受け皿22の底
板22Bは略水平とされ、蒸発皿24が、受け皿22の
底板22Bの上面に載置されている。
【0036】蒸発皿24は上面が開放された直方体の箱
状に形成されており、この上面側から処理廃液Lが送り
こまれると共に、処理廃液Lの成分の一部(水分等)が
ハウジング20内に発散する。
【0037】なお、受け皿22及び蒸発皿24(特に、
それぞれの底板22B、24B)は、いずれも熱伝導性
の高い材質で構成することが好ましい。このような材質
として、金属材料、無機材料、有機材料、及びその複合
材が当てられる。
【0038】金属材料では、耐蝕性が良好なステンレ
ス、チタン、ニッケル等でもよい。また、無機材料で
は、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化臭素、酸化ベ
リウム等を含む材料を選定するとよい。
【0039】有機材料では、PE、PP等の汎用樹脂や
PPO、PSF等のエンジニアリングプラスチック類又
は前述の無機材料との複合材であると、熱伝導性、耐蝕
性とも良好な材料となりうる。また、フッ素樹脂、ケイ
素樹脂、アラミド樹脂等は、耐熱性の点でも良好であ
る。
【0040】受け皿22の周囲からは、上方に向かって
周壁30が立設されている。上述のように、蒸発皿24
への処理廃液Lの送り量は、蒸発皿24から処理廃液L
が溢れ出すことが無いように制御されているが、万が一
溢れ出した場合には、周壁30が、受け皿22からの処
理廃液Lの流出を阻止する。
【0041】また、受け皿22の底板22Bと廃液タン
ク14とは戻しパイプ32で接続されており、受け皿2
2に溜まった処理廃液Lが廃液タンク14に戻されるよ
うになっている。
【0042】蒸発皿24の側壁24Sには、棒状の把手
34が取り付けつけられている(図2では図示省略、図
1及び図3参照)。
【0043】把手34の先端は、蒸発皿24が受け皿2
2に載置された状態で、ハウジング20の取出口38を
通って外側に突出する把持部36とされている。
【0044】図3に示すように、作業者はこの把持部3
6を把持し、取出口38から蒸発皿24をハウジング2
0の外側へと取り出すことができる。
【0045】取出口38の周囲には、筒状の袋体40が
蛇腹状に折りこまれた状態で配設されており、その一端
がハウジング20の側壁20Sの外面に、他端が把手3
4にそれぞれ密着されている。
【0046】図3に示すように、作業者が把持部36を
把持して蒸発皿24をハウジング20の外側へ移動させ
ると、袋体40の蛇腹部分が徐々に延び、蒸発皿24が
ハウジング20の外側に完全に出た状態では、蒸発皿2
4を完全に包囲することができる。
【0047】なお、袋体40の一端側にはジッパーや面
ファスナー等の封止手段が設けられており、袋体40が
蒸発皿24を完全に包囲した状態で袋体40を封止でき
るようになっている。
【0048】図2に詳細に示すように、受け皿22の底
板22Bの下面には、ペルチェ素子42が取り付けられ
ている。
【0049】ペルチェ素子42は、通電されることによ
り一方の面が高温に、他方の面が低温になるので、底板
22Bに対してこの高温側を上にして取り付けられてい
る。
【0050】このため、高温側が常に底板22Bに面接
触している。そして、ペルチェ素子42が通電されるこ
とにより、高温側の温度が上昇し、熱が受け皿22及び
蒸発皿24を介して、蒸発皿24に貯留された処理廃液
Lに伝わる。これにより、処理廃液Lが加熱され、処理
廃液L中の水分等が蒸発する。
【0051】なお、本実施形態では、ペルチェ素子42
として、オーム電機株式会社製の形式:OCE−40F
(冷却能力:公称40W)を使用し、このペルチェ素子
42に予め付属している冷却ファンを取り除いて、受け
皿22の底板22Bと接着した。
【0052】ペルチェ素子42の低温側(下面側)に
は、凝縮フィン44が取り付けられている。処理廃液L
中から蒸発した水分(ハウジング20内の蒸気)は、こ
の凝縮フィン44によって凝縮され、水滴となってハウ
ジング20の底部に落下する。
【0053】また、凝縮フィン44には、温度センサ4
5が取り付けられている。温度センサ45は、ペルチェ
素子42の低温側の温度を凝縮フィン44を介して間接
的に計測し、計測値を制御装置23に出力する(図3参
照)。
【0054】図1に示すように、ハウジング20の上壁
20Uには、蒸気攪拌ファン46が取り付けられてい
る。蒸気攪拌ファン46は、ハウジング20内の蒸気を
攪拌することで、処理廃液Lからの水分等の蒸発を促進
する。本実施形態では、蒸気攪拌ファン46として、羽
根径83mmのファンを、定格電圧24V、定格電流
0.14Aのブラシレスモータで回転させる、いわゆる
ブラシレスモータファンを使用した。
【0055】また、ハウジング20の側壁20Sには、
冷却フィン48を介して冷却ファン50が取り付けられ
ている。冷却ファン50から送りこまれた外気により、
冷却フィン48がハウジング20の内面を冷却する。こ
れにより、処理廃液Lから蒸発した水蒸気が、凝縮フィ
ン44だけでなくハウジング20の内面においても凝縮
され、凝縮効率が高められている。
【0056】ハウジング20の底板20Bには、回収パ
イプ52が接続されている。ハウジング20内に溜まっ
た回収水Wは、回収ポンプ54によって回収パイプ52
内を水洗槽62に送られ、写真フイルムの水洗処理等に
使用される。
【0057】冷却フィン48よりも下方には、液位セン
サ58が取り付けられている。液位センサ58からは、
高位検出子60H、中位検出子60M及び低位検出子6
0Lの3つの検出子がハウジング20内に突出してい
る。
【0058】液位センサ58は制御装置23に接続され
ており、回収水Wの液位を検出した結果を出力する。
【0059】本実施形態では、回収水Wの液位が中位検
出子60Mに達すると、回収水Wを水洗槽62に送りこ
む。
【0060】また、ハウジング20内の回収水Wの液位
が低位検出子60Lよりも低くなると、回収ポンプ54
の駆動を強制的に阻止して、回収ポンプの空回りを防止
する。
【0061】このようにして、回収水Wの液位が中位検
出子60Mよりも上方に位置することがないように制御
されるが、万が一液位が中位検出子60Mよりも上昇
し、高位検出子60Hに達した場合には、図示しない警
報装置を駆動して、回収水Wの液位が高位検出子60H
に達したことを作業者に知らせる。
【0062】図3に示すように、制御装置23には、前
述したように流量計21、温度センサ45、液位センサ
58が接続されると共に、警報機64、蒸気攪拌ファン
46、冷却ファン50、廃液ポンプ18、回収ポンプ5
4が接続されており、制御装置23は、警報機(ブザ
ー、ランプ、液晶表示等)64、蒸気攪拌ファン46、
冷却ファン50、廃液ポンプ18及び回収ポンプ54の
制御を行う。 (作用)次に、本実施形態の写真廃液濃縮処理装置10
の作用及び、処理廃液Lの濃縮工程を説明する。
【0063】写真の自動現像機11から排出された処理
廃液Lは、一旦、廃液タンク14に貯留される。
【0064】その後、本実施形態では、処理廃液Lは以
下のように処理される。
【0065】先ず、図4のグラフに示すように、第1回
目の処理廃液Lの供給では、200ミリリットルの処理
廃液Lが廃液タンク14から蒸発皿24へ供給されると
共に蒸発皿24のペルチェ素子42に通電がなされる。
また、蒸気攪拌ファン46、冷却ファン50が作動す
る。
【0066】ペルチェ素子42が通電されると、ペルチ
ェ素子42の高温側からの熱が、受け皿22及び蒸発皿
24を介して、蒸発皿24の処理廃液Lに伝わる。これ
により、処理廃液Lの成分の一部(水分等)が蒸発して
ハウジング20内で蒸気になると共に、処理廃液Lは徐
々に濃縮される。
【0067】ペルチェ素子42の高温側は、受け皿22
の底板22Bに取り付けられているため、このように処
理廃液Lの体積が減少した状態でも、常に蒸発皿24内
の処理廃液Lに対向する。
【0068】このため、ペルチェ素子42の高温側から
処理廃液Lへの伝熱面積も減少することなく一定に維持
され、伝熱効率も一定に維持される。
【0069】このように、処理廃液Lが濃縮されること
でその体積が減少しても、ペルチェ素子42の熱を無駄
にすることなく、常に一定の熱量を供給できる。
【0070】なお、本実施形態では、ペルチェ素子42
の高温側は、印加する電圧を調整することによって30
〜95°Cに設定することが可能であるが、本実施形態
では、ペルチェ素子42に一定の電圧を印加し、蒸発皿
24の処理廃液Lの温度が略70度で飽和するように電
圧が設定されている。
【0071】ハウジング20内の蒸気は、ペルチェ素子
42の低温側によって低温とされた凝縮フィン44及
び、冷却ファン50によって低温とされたハウジング2
0の内面に付着して凝集され、回収水Wとしてハウジン
グ20内に溜まる。
【0072】ここで、蒸発皿24へ処理廃液Lが送られ
てから時間t1 が経過すると、2回目の処理廃液Lの供
給が行われる。
【0073】2回目の供給では、100ミリリットルの
処理廃液Lが廃液タンク14から加熱されている蒸発皿
24へ供給され、引き続き処理廃液Lの濃縮が行われ
る。
【0074】そして、2回目の供給が行われてから時間
t2 が経過すると、3回目の供給として100ミリリッ
トルの処理廃液Lが廃液タンク14から加熱されている
蒸発皿24へ送られ、引き続き処理廃液Lの濃縮が行わ
れる。
【0075】以後、16回目の供給までは、毎回100
ミリリットルの供給が行われ、次の供給を行うまでの時
間(供給間隔時間:t1 〜t16)は予め装置で定められ
た同じ時間(本実施形態では60分)である。
【0076】本実施形態では19回目の供給が最後の供
給となるが、最後の供給の数回前の供給、ここでは17
回目の供給及び18回目の供給では、各々100ミリリ
ットルの供給が行われ、ここでの次の供給を行うまでの
時間t17及びt18は、それ以前の時間t1 〜t16よりも
長く設定された予め装置で定められた同じ時間(本実施
形態では70分)である。
【0077】ここで、17回目の供給から18回目まで
の供給を行うまでの時間t17及び18回目の供給から1
9回目までの供給を行うまでの時間t18を、それ以前の
時間t1 〜t16より長く設定したのは、供給の回数を重
ねる毎に蒸発皿24の処理廃液Lの量が増加すると共
に、その中の固形分の量も増加して蒸発皿24の中の処
理廃液全体に熱が伝わり難くなるため、最初と同じ時間
加熱するのでは、水分の蒸発量が減少してしまうからで
ある。
【0078】最後の19回目の供給が終了すると、蒸発
皿24の処理廃液Lを加熱し続け、濃縮をさらに続け
る。
【0079】ここで、処理廃液Lを入れた蒸発皿24を
ペルチェ素子42で加熱すると、蒸発皿24及び処理廃
液Lの温度が上昇するが(図4の上側の温度−時間グラ
フ参照。なお、図4の温度−時間グラフでは、ペルチェ
素子42の温度センサ45で計測した値が示されてお
り、これは、下側の容量−時間グラフと対応してい
る。)処理廃液Lの水分量がある程度多い場合には、水
分が蒸発する際の気化熱によって温度上昇が飽和し、ペ
ルチェ素子42、蒸発皿24及び処理廃液Lはある一定
の温度に落ちつく。また、新たに処理廃液Lを入れれ
ば、温度は一旦下がるが(温度T2 となる。図4参
照)、再び上昇してある一定の温度T0 に落ちつく。
【0080】しかしながら、19回目の供給以後、処理
廃液Lの濃縮が進行し、水分量が少なくなって固体に近
づくと、気化熱が減少するため処理廃液L、蒸発皿24
及びペルチェ素子42の各々の温度が上昇を始め、前述
した一定の温度T0 よりも高温となる。
【0081】制御装置23は、前述した一定の温度T0
よりも高く設定された温度T1 を越えた時点から、予め
定められたte 時間後に処理廃液Lの加熱を停止(ペル
チェ素子42の印加電圧零)する。
【0082】このため、前述した温度T1 に達したとき
には、蒸発皿24の処理廃液Lは略固体化(例えば、傾
けても流れないような状態。)しており、そこからte
時間加熱を続けるので、処理廃液Lは完全に乾固して蒸
発皿24に残る。
【0083】本実施形態では、te 時間が経過するとペ
ルチェ素子42への電圧の印加を停止するので、無駄な
エネルギーを消費することもない。なお、ペルチェ素子
42への電圧の印加を停止すると同時または、所定時間
経過後に、蒸気攪拌ファン46、冷却ファン50を停止
する。
【0084】本実施形態では、受け皿22の底板22B
の下面にペルチェ素子42を取り付けているので、処理
廃液Lが濃縮されることでその体積が減少しても、ペル
チェ素子42の熱を無駄にすることなく、常に一定の熱
量を供給できるため、最小のエネルギーでもって処理廃
液Lを最終的に乾固する(乾燥によって固化する)こと
ができる。
【0085】さらに、処理廃液Lの加熱が停止すると、
警報機64で処理廃液Lが乾固したことが作業者に警報
される。
【0086】作業者は、把手34の把持部36を把持し
て蒸発皿24をハウジング20の外側へ移動させる。
【0087】これにより、袋体40の蛇腹部分が徐々に
延び、蒸発皿24がハウジング20の外側に完全に出た
状態では、蒸発皿24が袋体40によって完全に包囲さ
れる。
【0088】次に、作業者は、袋体40の一端側に設け
られた図示しない封止手段(ジッパーや面ファスナー
等)によって、袋体40を封止する。
【0089】なお、さらに処理廃液Lを濃縮処理する場
合には、新たな蒸発皿24を受け皿20にセットする。
【0090】また、このようにして処理廃液Lへの加熱
を続けると、ハウジング20内の回収水Wの量が増え
る。そして、回収水Wの液位が液位センサ58の中位検
出子60Mに達すると、回収水Wは、その液位が低位検
出子60Lの高さに下がるまで、回収ポンプ54によっ
て水洗槽62に送られる。
【0091】また、本実施形態の写真廃液濃縮処理装置
10では、蒸発皿24の処理廃液Lをレベルセンサで検
出する構成ではないので、処理廃液L(及びその中の成
分)の付着によりレベルセンサが誤作動し、これによっ
て補給が適正に行われなくなる、という不具合が原理的
に発生しない。 (他の実施形態)上記実施形態では、1回目の供給から
16回目の供給までは、次の供給を行うまでの時間(t
1 〜t16)を60分、17,18回目の供給では次の供
給を行うまでの時間(t17〜t18)を70分とし、各供
給時の供給量hを100ミリリットル一定としたが、本
発明はこれに限らず、例えば、図5のグラフに示すよう
に供給量hを毎回同じとし、次の供給を行うまでの時間
(t1 、t2 ・・・tn )を除々に増加しても良く、図
6に示すように次の供給を行うまでの時間(t1 、t2
・・・tn )を全て同じ時間とし、供給量hを供給毎に
減少させても良く、図7のグラフに示すように、次の供
給を行うまでの時間(t1 、t2 ・・・tn)を除々に
増加すると共に供給量hを供給毎に減少させても良い。
【0092】なお、処理廃液Lの種類、ペルチェ素子4
2の出力等の種々の要因によって処理廃液Lの蒸発速度
は変化し、処理廃液Lの種類によって固形分の量等は変
わるので、次の供給を行うまでの時間、蒸発皿24への
供給量、蒸発皿24の温度上昇を検出してから処理廃液
Lの加熱を停止するまでの時間te 等は、予め実験を行
って決定し、決定した値を制御装置23に記憶してお
く。
【0093】なお、本発明の加熱手段として、上記説明
ではペルチェ素子42を挙げたが、加熱手段はこのペル
チェ素子42に限定されない。すなわち、処理廃液Lに
対して濃縮して乾固させるために必要な熱量を供給でき
るものであればよく、一般的なヒータ、ヒートポンプ等
を使用してもよい。
【0094】上記したようにペルチェ素子42を使用す
れば、ペルチェ素子42の低温側を使用して、蒸発した
水分を凝縮させることができるので好ましい。
【0095】また、上記実施形態では、ペルチェ素子4
2の低温側の温度を温度センサ45で凝縮フィン44を
介して間接的に計測したが、温度センサ45をペルチェ
素子42や蒸発皿24に直接取り付けても良く、蒸発皿
24の処理廃液Lを非接触の温度センサ(赤外線温度セ
ンサ等)で計測しても良い。
【0096】
【発明の効果】本発明の写真廃液濃縮処理装置は上記の
構成としたので、廃液を固体化し、最終的な廃棄量を従
来よりも更に少なくし、廃棄回数や専門業者への委託回
数を低減することができる、という優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る写真廃液濃縮処理装
置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る写真廃液濃縮処理装
置の蒸発皿近傍を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る写真廃液濃縮処理装
置の制御系のブロック図である。
【図4】処理廃液の供給タイミング及び温度計測値を説
明するグラフである。
【図5】他の実施形態に係る処理廃液の供給タイミング
を説明するグラフである。
【図6】更に他の実施形態に係る処理廃液の供給タイミ
ングを説明するグラフである。
【図7】更に他の実施形態に係る処理廃液の供給タイミ
ングを説明するグラフである。
【符号の説明】
10 写真廃液濃縮処理装置 18 廃液ポンプ(ポンプ) 23 制御装置 24 蒸発皿 42 ペルチェ素子(加熱手段) 45 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H016 CA00 2H098 BA04 BA35 BA37 4D034 AA20 BA01 CA12 CA18 CA21 4D076 AA01 BA21 DA21 EA02X EA02Y EA04X EA05X EA05Y EA06Y EA08Y EA12X EA13Y EA15X EA16X EA16Y EA16Z EA23Y EA43 EA49 HA06 JA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真処理廃液を加熱し、写真処理廃液中
    の水分を蒸発させて固形化する写真廃液濃縮処理装置で
    あって、 写真処理廃液を加熱する加熱手段を備えた蒸発皿と、 前記蒸発皿、前記加熱手段または前記蒸発皿の写真処理
    廃液のいずれかの温度を計測可能な温度センサと、 写真処理廃液を前記蒸発皿に供給するポンプと、 前記加熱手段及び前記ポンプを制御する制御装置と、 を備え、 前記制御装置は、前記ポンプを制御して前記蒸発皿へ前
    記写真処理廃液を供給し、前記加熱手段を制御して前記
    写真処理廃液の加熱を行い、予め決められた時間経過後
    に、前記蒸発皿へ前記写真処理廃液を供給することを予
    め決められた所定回数だけ繰り返し行い、所定回数が終
    了した後、前記蒸発皿の写真処理廃液の濃縮を進め、前
    記温度センサにより計測される前記蒸発皿、前記加熱手
    段または前記蒸発皿の写真処理廃液のいずれかの温度が
    予め決められた温度上昇を検出してから所定時間後に前
    記加熱手段による加熱を停止する制御を行うことを特徴
    とする写真廃液濃縮処理装置。
  2. 【請求項2】 前記蒸発皿へ供給する前記写真処理廃液
    の1回当たりの供給量は、複数回供給する内の前よりも
    後の方が少ないことを特徴とする請求項1に記載の写真
    廃液濃縮処理装置。
  3. 【請求項3】 前記蒸発皿へ供給する前記写真処理廃液
    の供給間隔時間は、複数回供給する内の前よりも後の方
    が長いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の写真廃液濃縮処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018140332A (ja) * 2017-02-27 2018-09-13 株式会社三井E&Sマシナリー 排水処理装置および排水処理方法

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