JP2006017330A - 加熱・冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伝熱特性に優れ、容器本体内の温度を任意の所望の温度に調節できる加熱・冷却装置を提供すること。
【解決手段】 容器本体に取付けられる加熱・冷却装置であって、該装置内に液状の媒体および該媒体の蒸気を減圧状態で維持する手段と、該液状の媒体を加熱する加熱手段および該媒体の蒸気を冷却する冷却手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段とを備えている。好ましくは、冷却手段がこの装置の上部に設けられ、そして、この冷却手段の下部に凝縮液散布手段を配置して、冷却手段が媒体の蒸気を凝縮して凝縮液を生成し、この凝縮液が該装置の伝熱面に沿って流れるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加熱・冷却装置に関する。
ジャケットを備えた容器の加熱は、ジャケットに直接、蒸気(加圧蒸気、減圧蒸気など)、温水、熱媒などを導入する方法、あるいはジャケット自体を電磁誘導などで加熱するなどの方法が一般的に行われている。100℃までの加熱には、ジャケットに導入した減圧蒸気または温水を循環させて使用する場合が多く、真空発生装置あるいは温水循環装置などの大掛かりな装置が必要となる。100℃以上に加熱する場合、水蒸気を供給するか、熱媒などを循環させるか、または熱媒を封入したジャケットを電熱ヒータなどで直接加熱する方法が行われている。他方、冷却は、冷媒をジャケットに導入して行われるのが一般的である。
このようなジャケットを用いて、容器内の液を加熱あるいは冷却する場合、一般にジャケットには、容器内の液を所望の温度に保つために、その温度よりも高いあるいは低い温度の伝熱媒体(蒸気、熱媒、あるいは冷媒)を用いる。そのため、ジャケット内に導入した媒体のみで、容器内の液の温度を一定に保つことは、容易ではない。
容器内の温度を一定に保つために、種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、ジャケット内部にらせん状の仕切板を配設して、熱媒(冷媒)が容器本体の周囲を旋回しながら通過するように構成し、この仕切板の一端を容器本体の外周面に固定し、他端に、容器内の液が所定の温度になるとジャケットに当接するように形状記憶合金を固定したジャケット構造が記載されている。このジャケットは、容器内が所定の温度になると、形状記憶合金によりジャケットと容器本体との隙間が封止され、この隙間からの熱媒(冷媒)の供給が止められるので、容器内の温度がほぼ一定に調節できる。
ところで、このようなジャケットを備えた容器を用いて、高温あるいは低温での化学反応の終了後に冷却あるいは加熱する場合、ジャケット内の媒体を置換する必要がある。しかし、完全に置換するには時間を要し、不要な反応が進行するという問題がある。特許文献1に記載の装置も、加熱状態から急激には冷却しにくい。別の方法として、例えば、加熱状態の反応液を急激に冷却する必要がある場合、加熱した液を、冷却ジャケットを備えた容器に移動することも考えられるが、新たな設備(例えば、輸送用の設備と容器)が必要となり、コストがかかる。
特開平5−141881号公報
本発明は、加熱・冷却装置内の温度の制御が容易であり、かつ、加熱から冷却、あるいは冷却から加熱への切り換えも容易な加熱・冷却装置を提供することを目的とする。
本発明は、容器本体に取付けられる加熱・冷却装置であって、該装置内に、液状の媒体および該媒体の蒸気を減圧状態で維持する手段と、該液状の媒体を加熱する加熱手段および該媒体の蒸気を冷却する冷却手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段とを備えている加熱・冷却装置を提供する。
好ましい実施態様においては、本発明の装置は、上部に冷却手段を備え、そして、該冷却手段の下部に凝縮液散布手段を備えており、該冷却手段が前記媒体の蒸気を凝縮して凝縮液を生成し、該凝縮液が該装置の伝熱面に沿って流れるように構成されている。
好ましい実施態様においては、前記加熱・冷却装置が、前記容器本体の外側面あるいは内側面に、または該容器本体の内側に備え付ける装置である。
好ましい実施態様においては、前記加熱冷却装置がジャケットである。
また、別の実施態様においては、前記容器本体が熱交換器である。
本発明の加熱・冷却装置は、タンク、熱交換器等の種々の容器本体に取りつけられ、これらの熱交換装置として、広範囲に使用される。本発明の装置は、真空蒸気を用いて加熱を行うため、この装置を容器本体に取りつけたときの熱伝導が極めて良好である。また、冷却も凝縮伝熱を利用するため、熱伝導係数が高い。そのため、極めて高い加熱・冷却速度で容器本体に熱を移動させることができる。
本発明の加熱・冷却装置は、ジャケット、コイル、チューブなどの形状で、タンク、熱交換器などの加熱・冷却装置として、広範囲に使用される。本発明の加熱・冷却装置が適用される熱交換器としては、多管式熱交換器、プレート式熱交換器、スパイラル熱交換器などが挙げられるがこれらに制限されない。以下、ジャケットおよび多管式熱交換器用の加熱・冷却装置として使用する場合について説明するが、コイル、プレート式熱交換器、スパイラル熱交換器などへの利用法は、後述する本発明の原理に基づいて、当業者が容易に理解できる。従って、本発明はこれらの具体例に限定されず、本発明の原理に基づくすべての装置が本発明に含まれる。
まず、一つの態様であるジャケットを例に、添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明のジャケットの一実施態様の断面模式図である。本発明のジャケット1は、容器本体2の外周部に配置されている。ジャケット1に封入される媒体としては、沸点および蒸気圧が既知の液体であれば特に制限なく用いられる。例えば、水、ドデカンなどが例示されるが、これらに制限されず、加熱温度を考慮して決定すればよい。
このジャケット1の上部には、空気抜出口3が設けられ、この空気抜出口3からの空気抜出ライン4には、ジャケット1内の減圧状態を維持するための手段としてバルブ5が配置されている。ジャケット1内には、液状の媒体6(以下、単に液ということがある)が底部に、および該媒体の蒸気が気相部7として、減圧状態で封入・保持されている。
ジャケット1の下部には、液6を加熱するための加熱手段8が設けられている。加熱手段8に特に制限はなく、直接的に液6を加熱する手段(例えば、電気ヒータなど)あるいは間接的に液6を加熱する手段(例えば、熱交換器など)のいずれもが用いられる。図1においては、ジャケット1の底部にある加熱手段8で加熱している。加熱手段8は蒸気で加熱され、ジャケットの液6の温度は温度センサーで測定され、コントロール弁10を開閉して蒸気の量を制御することにより、所定の温度になるように構成される。この循環手段の代わりに、ジャケット1内の液面下に蛇管(パイプ)を配置し、蛇管に熱媒を通して循環させることもできる(図示せず)。この場合、上記循環手段と同様に、温度センサーで液6の温度を測定して、蛇管内の熱媒の循環量を調整し、液6を所定の温度に加熱するように構成してもよい。
ジャケット1の気相部7の上部には、冷却手段11が設けられている。冷却手段11は、ジャケット1の気相部7のできるだけ上部に、好ましくは、容器本体2内の液面よりも高い位置に設けられる。この冷却手段11は、例えば、パイプ、蛇管などで構成され、これらのパイプ、蛇管などに冷却水、冷媒などを循環させることにより、蒸気を凝縮させる。
この冷却手段11の下部には、凝縮液散布手段12を設けることが好ましい。熱効率を向上させる点で、好ましくは、凝縮液散布手段12は、冷却手段11によって気相部7から生じる凝縮液が、伝熱面13に沿って流れるように取付ける。また、凝縮液が流下するところにコイル、網、針金などを螺旋状に、または水平に巻きつけておくと、伝熱面13には凝縮液が均一に流れるので、好ましい。
以下、本発明の加熱・冷却装置であるジャケットの動作原理について、水を液状の媒体とし、媒体の蒸気である水蒸気を用いる場合を例に挙げて、説明する。
まず、ジャケット1に水6を満たし、加熱手段8により沸騰させて十分に水蒸気をバルブ5から系外に放出させ、バルブ5を閉める。この操作はジャケット1が真空を保っている場合は必要なく、空気などが混入した場合に、再度行えばよい。このとき、ジャケット1内には液(水)が残るようにする。このようにすると空気が追い出されるので、ジャケット1内の気相部7の圧力は、その加熱到達温度における水蒸気圧(真空度)となる。例えば、水6の温度が30℃であれば、気相部7の圧力は30℃における蒸気圧(約395Pa)となる。この結果、ジャケット1内の水6の温度と気相部7の水蒸気の温度とは、等しくなる。従って、ジャケット1内の水6の温度を80℃とすれば、気相部7も80℃の水蒸気で満たされるようになる。ジャケット1内の熱が容器本体2の液に奪われると、ジャケット1内の気相部7の温度と真空度は下がるが、水を80℃に維持する限り、80℃の蒸気が供給されるので、ジャケット1内は80℃に維持される。このジャケット1内の水6を80℃に維持するために、図1では加熱手段8として熱交換器を用いる温度コントロールを行っている。
このように、本発明のジャケットを用いると、ジャケット1内を任意の所望の温度に制御することができ、それによって、容器本体2内の液体を、伝熱効率よく、任意の所望の温度に維持することができる。
次に、このジャケット1を冷却する場合について説明する。冷却手段11として、例えば、ジャケット1の気相部7の上部に設けた蛇管11を用いる場合、液(水)6の加熱中、蛇管11内の液の循環は止めておく。むしろ、ジャケット内の蛇管11中の冷却水は抜き出して、蛇管11内を空にしておくことが好ましい。容器本体2内の液が所定の温度に上昇した場合、あるいは所定の温度での加熱が終了した場合、まず、ジャケット1内の液(水)6の加熱を止める。次に、蛇管11に冷却水を循環させると、ジャケット1内の気相部7の水蒸気が蛇管11と接触して凝縮し、凝縮液となって落下する。凝縮によって、ジャケット1内の蒸気圧が下がる(真空度が上昇する)ので、ジャケット1内の水6が蒸発し、潜熱によって水温が下がる。このとき、生じる凝縮液を集め、凝縮液散布手段12で伝熱面13を流下するように構成する。伝熱面13を流下する凝縮液は伝熱面13からの熱を吸収して再度蒸発する。そして、蛇管11で再び凝縮して、伝熱面13を流下する。蛇管11では凝縮により熱が移動するので、潜熱での伝熱となる。ジャケット1に液体を入れて顕熱で熱を移動する顕熱での伝熱と比較すると、凝縮伝熱速度は顕熱での伝熱速度と比較して数倍大きい。そのため、同量の水を用いて冷却する場合、凝縮伝熱の方が数倍大きい速度での冷却、すなわち、急激な冷却が可能となる。そのため、さらにジャケット1内の温度が降下し、真空度が上昇する。真空度が上昇するとジャケット1内の水が蒸発するのでさらにジャケット1内の水温が低下する。このような連鎖的な変化が急激に起こる結果、ジャケット1内の圧力が急降下するので、液(水)は突沸状態となり、伝熱面13に散布されるとともに、ジャケット1内の水自身の蒸発により水の潜熱を奪う。従って、ジャケット1内の温度が急激に低下し、これに伴って、容器本体2内の温度も急激に低下する。ジャケット内の温度の制御は、上記蛇管11を循環する冷却水の温度または流量を調節することにより行われる。
容器本体内の液がジャケットの上部まで入っている場合、撹拌装置がない容器本体であっても、撹拌装置付きの容器本体であっても、加熱の場合は凝縮伝熱で、冷却の場合は凝縮伝熱および蒸発伝熱で伝熱されるため、伝熱効率はよい。
さらに、撹拌装置を用いることが好ましい。容器本体2内の液面が変化する場合、容器本体2の撹拌装置として、いわゆるウォールウェッター(登録商標)といわれる、遠心力を利用する液体散布装置を用いることが好ましい。この撹拌装置は、特開平6−335627号公報に記載されている。この装置を用いて容器本体2内の液を汲み上げ、容器本体2の上部内壁(伝熱面13)に散布し、散布した液が内壁に沿って流れ落ちるように構成することで、さらに、伝熱効率および伝熱速度が向上する。すなわち、図1において、撹拌装置として、液体噴出装置9を用い、容器本体2内の液を汲み上げ、伝熱面13に散布することにより、ジャケット1の伝熱面13の全面が熱伝導に有効に利用される。加熱時には迅速に容器本体2内の液温が上昇し、冷却時においては、容器本体内の伝熱面13に容器本体内の液を散布することにより、ジャケット1内の伝熱面13では液6の蒸発が起こり、ジャケット1内の熱を奪い、さらにジャケット1内の温度が低下する。この伝熱は蒸発伝熱であり、極めて迅速に熱が伝達される。そのため、冷却効率が顕熱伝熱に比べて遥かに大きくなる。このように、容器本体2内の撹拌装置として、遠心力を利用する液体散布装置と本発明の加熱・冷却装置を用いることにより、いっそう加熱および冷却効率に優れた装置が提供される。
上記のように、本発明の第1実施態様のジャケットは、真空ポンプなどの真空発生装置を用いることなく、減圧蒸気で任意の温度に加熱または冷却することができる。
なお、ジャケット1内の媒体として水と水蒸気を用いる場合、使用する水に特に制限はないが、水道水、工業用水などのカルシウムなどの不純物を含む水を用いると加熱面への不純物の堆積により熱交換が悪くなる虞がある。そのため、蒸留水、精製水、純水、超純水などのイオン類を含まない水を用いることが好ましい。
図2は、本発明の別の実施態様のジャケット21を示す断面模式図である。図2において、図1と同じ符号は、図1と同じ構造および機能を示す。図2は、水以外の溶媒を用いる場合、特に水蒸気よりも高温で加熱を行う場合に用いられるジャケットの例であり、上記と同じ原理で、加熱、冷却装置として用いられる。
図2のジャケット21は、空気抜出のための真空ポンプ14を備え、真空ポンプ14と空気抜出口3との間にコンデンサー15を備えている。また、ジャケット21の下部には、液状の媒体6(液6)を直接加熱するための電熱ヒータ16(加熱手段8)および液6の温度を所定の温度に調節するための温度センサー17を備えている。その他の点は、図1に示す第1の実施態様と同様の構成である。
なお、真空ポンプ14は、液6が加熱手段9により十分に蒸発し、空気を十分に排出できる場合には、必ずしも必要なく、図1の場合と同様に、バルブ5のみを備えてもよい。ただし、ドデカンのような有機物を使用する場合は、有機物が散逸しないように、バルブ5とコンデンサー15とを備えることが好ましい。
図2のジャケット21において、媒体としてドデカン(沸点214℃)を用い、200℃以上に加熱し、次いで冷却する場合について説明する。
まず、ジャケット21に液状の媒体であるドデカンを導入する。真空ポンプ14でジャケット21内を減圧にし、電熱ヒータ16で加熱して、ドデカンを沸騰させて、バルブ5から空気を追い出す。蒸発したドデカンはコンデンサー15で回収する。充分に空気が抜けたことを確認した後、バルブ5を閉め、ドデカンの液6およびその蒸気(気相部7)をジャケット21内に封入する。その後は、上記と同様、液6を電熱ヒータ16で所定の温度とすることにより、200℃以上でも所定の温度に加熱することができる。
次いで、冷却は、上記図1の装置において説明したように、気相部7の上部に設けた冷却手段11(例えば、蛇管)に冷媒(例えば、水道水)を導入することにより、急激な冷却が可能である。
図3は、本発明の別の実施態様を示す図であり、本発明の加熱・冷却装置を多管式熱交換器に取りつけて使用する場合の模式断面図である。図3において、図1と同じ符号は、図1と同じ構造および機能を示す。
図3に示す本発明の加熱・冷却装置31は、多管式熱交換器35に取付けられる。この多管式熱交換器35に取付けられる装置31は、下部で連通する複数の管36で構成されている。各管36の下部には液6が維持され、液6が加熱手段8で加熱されるように構成され、温度は温度センサー17で制御される。そして、加熱・冷却装置31の一つの管36の上部には、空気抜出口3が設けられ、この空気抜出口3からの空気抜出ライン4には、加熱・冷却装置31内を減圧状態を維持するための手段としてバルブ5が配置されている。そして、各管36の上部には、冷却手段11(例えば、蛇管11)が設けられ、その下部には、凝縮液散布手段12が設けられている。そして、蛇管11には、冷却水入口37から冷却水が導入され、冷却水出口38から排出されるように構成されている。
この多管式熱交換装置35においても、図1および図2において説明したと同様の操作で、加熱・冷却が行われる。まず、加熱・冷却装置31内に液6を入れ、液6を加熱手段8で加熱して、液6の蒸気を発生させ、空気抜出口3から十分に空気を追い出した後、液6と液6の蒸気で満たされた気相部7が存在するように、バルブ5を閉めて、減圧状態を維持する。多管式熱交換器35における熱交換は、多管式熱交換器35の熱交液入口33から入った液が、管36と管36との間(例えば、流路32a、32bなど)を流れ、加熱・冷却装置31の伝熱面13と接触することにより行われる。熱交換された液は、熱交液出口34から出て行く。
加熱は、所定の温度に液6を加熱することにより行われる。このときの加熱は、真空蒸気による加熱であるので、上記の通り、熱伝導が極めて良好である。冷却も、上記と同様、冷却手段11に冷媒を循環させることにより行われる。この冷却は、上記の通り蒸発での伝熱を利用するため、熱伝導係数が高い。そのため、極めて高い加熱・冷却速度で熱移動が行われるので、多管式熱交換器用の加熱・冷却装置として、有用である。
なお、図1および図2に示すジャケット、並びに図3に示す多管式熱交換器用の加熱・冷却装置は、加熱手段8および冷却手段11の両方を備えているが、目的に応じて、いずれか一方のみを備えた構造としてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明が以下の実施例に制限されることはない。
(実施例1)
2Lの熱媒油(250℃では、燃焼および蒸発しない油)を入れた全量3Lのステンレス製フラスコ(容器本体2)の周囲に、図1に示す構成を有するジャケットを取りつけた。ジャケット1内に純水を入れ、加熱して水蒸気を追い出し、バルブ5を閉じた。ジャケット1内の水6を熱交換器8で蒸気を熱媒として熱交換を行い、50分かけて140℃まで加熱した。その後、140℃で30分間維持し、加熱を止めると共に、気相部7の上部に設けられた冷却手段11(蛇管)への25℃の水の循環を開始した。所定の時間後、冷却水の循環を止め、放置した。この間のジャケット1内の温度と、フラスコ中の熱媒油の温度とをモニターした。結果を図4に示す。図4のグラフにおいて、ジャケット(黒実線)はジャケット1内の温度を、内温(灰色実線)はフラスコ内の熱媒油の温度を示す。
図4に示すように、ジャケット1の加熱とほぼ同時に熱媒油の温度も上昇し、50分後に140℃に達し、140℃で一定に維持(制御)されている。この結果は、封入した水蒸気での加熱が、従来の水蒸気を供給する加熱方式による加熱と同じ結果をもたらすことを示しており、熱交換の効率が非常に良いことを示している。さらに、従来の蒸気供給方式によるよりも極めて精密な温度調節が可能なことを示している。
140℃に到達してから30分後(加熱開始から80分後)に、25℃の水による冷却を開始したところ、温度は急激に低下し、わずか10分でほぼ60℃まで低下し、そして、循環液量を制御することにより、60℃に制御することができた。
このように、本発明のジャケットを用いると、極めて熱効率が高く、かつジャケット内および容器本体内の温度を、任意の温度に、急速にかつ正確に制御(維持)することができる。従って、真空蒸気発生装置など大掛かり装置を要することなく、伝熱効率に優れた装置が提供される。
(実施例2)
2Lの熱媒油を入れた全量3Lのステンレス製フラスコ(容器本体2)の周囲に、図2に示す構成を有するジャケット21を取りつけた。まず、ドデカンをジャケット21に入れて、真空ポンプで減圧にして、電熱ヒータ16で加熱した。コンデンサー15でドデカンを凝縮、回収し、十分空気が抜けたことを確認してから、バルブ5を閉じた。念のために、真空ゲージを取り付けておいた。電熱ヒータ16でドデカンを加熱し、90分後に加熱を止めて、同時に冷却手段(蛇管)11に水道水を290L/時間の流量で流し、冷却を行った。結果を図5に示す。図5のグラフにおいて、ジャケット(黒実線)はジャケット21内の温度を、内温(灰色実線)はフラスコ2内の熱媒油の温度を示す。図5に示すように、容器本体2内の熱媒油の温度は、電熱ヒータの熱容量(熱供給量)に比例して、上昇した。また、冷却を開始すると、実施例1と同様、容器本体2内の熱媒油の温度が、急激に低下する(120℃までわずか数分で低下する)こともわかった。このことは、ドデカンで120℃以上の任意の温度に容易に急速に制御できることを示している。
本発明の加熱・冷却装置は簡単な原理に基づいており、極めて優れた熱効率を有し、かつ任意の所望の温度に調節できるので、種々の熱伝達装置として、温度管理が必要な場合には特に好ましく用いられる。また、急激な冷却が可能であるので、冷却速度が要求される場合などに、特に有用である。本発明の加熱・冷却装置は、ジャケット、コイル、および多管式熱交換器、プレート式熱交換器、スパイラル熱交換器などの熱交換器用の加熱・冷却装置として、広範囲に使用される。
本発明のジャケットの一実施態様の断面模式図である。 本発明の別の態様のジャケットの断面模式図である。 本発明の加熱・冷却装置を多管式熱交換器に使用する場合の断面模式図である。 ジャケット内の媒体を水として、ジャケットを加熱・冷却したときのジャケット内および容器本体内の温度変化を示すグラフである。 ジャケット内の媒体を水として、ジャケットを加熱・冷却したときのジャケット内および容器本体内の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1、21 ジャケット
2 容器本体
3 空気抜出口
4 空気抜出ライン
5 バルブ
6 液状の媒体(液)
7 気相部
8 加熱手段
9 液体噴出装置
10 コントロール弁
11 冷却手段
12 凝縮液散布手段
13 伝熱面
14 真空ポンプ
15 コンデンサー
16 電熱ヒータ
17 温度センサー
31 多管式熱交換器用の加熱・冷却装置
32a、32b 流路
33 熱交液入口
34 熱交液出口
35 多管式熱交換器
36 管
37 冷却水入口
38 冷却水出口

Claims (5)

  1. 容器本体に取付けられる加熱・冷却装置であって、該装置内に液状の媒体および該媒体の蒸気を減圧状態で維持する手段と、該液状の媒体を加熱する加熱手段および該媒体の蒸気を冷却する冷却手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段とを備えている、加熱・冷却装置。
  2. 前記装置が、該装置の上部に冷却手段を備え、そして、該冷却手段の下部に凝縮液散布手段を備えており、該冷却手段が前記媒体の蒸気を凝縮して凝縮液を生成し、該凝縮液が該装置の伝熱面に沿って流れるように構成されている、請求項1に記載の加熱・冷却装置。
  3. 前記加熱・冷却装置が、前記容器本体の外側面あるいは内側面に、または該容器本体の内側に備え付ける装置である、請求項1または2に記載の加熱・冷却装置。
  4. 前記加熱冷却装置がジャケットである、請求項1から3のいずれかの項に記載の加熱・冷却装置。
  5. 前記容器本体が熱交換器である、請求項1から3のいずれかの項に記載の加熱・冷却装置。
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