JP2001013267A - 時計用文字板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装飾模様が平面的で立体感が乏しい。 【解決手段】 メッキ、塗装、印刷或いはこれらを組み
合わせた表面処理によって装飾模様を施した文字板基板
よりなる時計用文字板において、文字板基板２上に模様
形状に設けた接着層３を介して無数の繊維を部分的に貼
付して形成した繊維模様層４と、繊維模様層４を含む文
字板基板２上に形成したクリヤー塗膜層５とからなる装
飾模様層６を形成し、その所定位置に時字なる指標を設
けて時計用文字板１を構成する。立体感のある装飾模様
が出現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は時計用文字板に係わ
り、更に詳しくは文字板表面に模様等を形成して外観的
或いはデザイン的な価値を付加した時計用文字板に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、時計用文字板において、メッキ、
塗装、印刷或いはこれらを組み合わせた表面処理によっ
て装飾模様を形成している。また、更に時字やマーク等
を成す指標等の小物部品を付加して装飾模様を形成する
ことも行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た時計用文字板には次のような問題点がある。即ち、メ
ッキ、塗装、印刷或いはこれらを組み合わせた表面処理
によって装飾模様を形成した装飾模様は、平面的で立体
感に乏しいものとなっている。

【０００４】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、立体感のある装飾模様を出現さ
せる模様バリエーションを豊富にした時計用文字板を提
供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における時計用文字板は、メッキ、塗装、印
刷或いはこれらを組み合わせた表面処理によって装飾模
様を施した文字板基板よりなる時計用文字板において、
前記文字板基板上に模様形状の接着層を介して無数の繊
維を部分的に貼付して形成した繊維模様層と、該繊維模
様層を含む前記文字板基板上に形成したクリヤー塗膜層
とからなる装飾模様層を備えていることを特徴とするも
のである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明におけ
る時計用文字板について説明する。図１〜図３は、本発
明の実施の形態に係わり、図１（ａ）は、時計用文字板
の断面図。図１（ｂ）は、図１（ａ）の平面図。図２
は、図１の模様のりシートの平面図。図３は、文字板基
板にのり（模様）を転写した状態の平面図である。

【０００７】図１（ａ）において、時計用文字板１は、
文字板基板２上に接着層３を介して無数の繊維を部分的
に貼付して形成した繊維模様層４と、該繊維模様層４を
含む文字板基板２上に設けたクリヤー塗膜層５とからな
る装飾模様層６に、時字やマーク等を成す指標７と、文
字板基板２の中心に指針を取り付ける中心孔部２ａとか
ら構成される。

【０００８】ここで、前記文字板基板２は、メッキ、塗
装、印刷、或いはこれらを組み合わせることによって装
飾が施された金属基板、プラスチック基板等である。ま
た、前記繊維模様層４は、非常に細い繊維を接着層３に
接着して形成するが、その模様形状は接着層３の塗布形
状によって決められる。

【０００９】図１（ｂ）に示す様に、例えば、パンダ形
状に模様を形成する場合に、図中、Ａの部分だけ接着剤
を塗布し、Ｂの部分には接着剤を塗布しないと、Ａの部
分にのみ繊維が付着する。従って、Ｂの部分には文字板
基板２の色調が現れ、Ａの部分には繊維の色調が現れ
て、この色調の識別によって模様が識別される。

【００１０】この接着層３の塗布方法は、所定形状に印
刷する方法や後述する所定模様形状に形成されたのりシ
ールを使用する場合等公知の方法で形成される。

【００１１】図２及び図３において、例えば、三光産業
（株）製の商品名「ターフィング」を使って繊維模様層
を形成する方法について説明する。

【００１２】図２に示すように、のりシート１０は、２
枚のフィルムの間にさまざまな図形が描かれた白いのり
（接着剤）がサンドイッチされている。その図形の中か
ら所望図形、例えば、パンダをのりシート１０から切り
取る。

【００１３】図３に示すように、切り取った図形ののり
シートの片側のフィルムを剥がし、のり面を下にして文
字板基板２の所定位置に置く。次に、白いのり部分（接
着剤を塗布した部分）Ａを透明フィルムの上から、柔ら
かい布等を使って十分に擦り、文字板基板２にのり部分
Ａを転写させる。

【００１４】次に、文字板基板２に転写されたのり面
に、カラーパイルシートのパイル面を下にして載せ、パ
イルが転写するように柔らかい布等で十分に擦って着色
することにより繊維が少し斜めに寝た形でのり部分Ａに
付着し、繊維模様層４が形成される。図３で、のり部分
Ａ以外のＢ部分はのりが付着されていないので、このＢ
の部分には文字板基板２の色調が現れる。

【００１５】このカラーパイルシートに各種着色した色
調のものが用意でき、所望の色調の繊維を使用すること
によって所望の色調模様が形成される。

【００１６】上記した繊維模様層４を含む文字板基板２
上にクリヤー塗膜層５を形成する。このクリヤー塗膜層
５は、平滑なクリヤー塗膜層で、透明な塗料をスプレー
塗布し、その表面を研磨することによって形成される。
この平滑なクリヤー塗膜層５は繊維を脱落させないため
と同時に表面に光沢を持たせて模様を綺麗に見せるため
に設けるものである。

【００１７】そして、繊維模様層４を形成して文字板基
板２の所定位置に時字やマーク等の指標７の小物部品を
固着して時計用文字板１が出来上がる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
装飾模様層は、装飾した文字板基板上に繊維模様層が形
成された装飾模様となる。そして、繊維模様層は非常に
細かい繊維が密集して少し斜めになった状態で立って付
着しているので高さもあり、立体的な模様となって現れ
る。また、繊維の長さを変えることによってその立体感
も調整することが出来る。

【００１９】また、文字板基板の色調と繊維模様層の色
調との色調バランスを持たせると綺麗な立体感が大きく
現れた装飾模様を得ることができる。例えば、文字板基
板の装飾色調を少し暗めにし、繊維模様色調を少し明る
めき色調にすると立体感が大きく現れる。また、コント
ラストの高い色調でまとめていくと色鮮やかさが現れた
装飾模様となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係わり、図１（ａ）は時
計用文字板の断面図、図１（ｂ）は図１（ａ）の平面図
である。

【図２】図１の模様のりシートの平面図である。

【図３】図２の図形を切り取り文字板基板にのり（模
様）を転写した状態の平面図である。

【符号の説明】

１ 時計用文字板 ２ 文字板基板 ２ａ 中心部孔 ３ 接着層 ４ 繊維模様層 ５ クリヤー塗膜層 ６ 装飾模様層 ７ 指標 Ａ 接着剤が塗布されている部分（のり部分） Ｂ 接着剤が塗布されていない部分

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 正明 山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の２ 河口湖精密株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メッキ、塗装、印刷或いはこれらを組み
   合わせた表面処理によって装飾模様を施した文字板基板
   よりなる時計用文字板において、前記文字板基板上に模
   様形状の接着層を介して無数の繊維を部分的に貼付して
   形成した繊維模様層と、該繊維模様層を含む前記文字板
   基板上に形成したクリヤー塗膜層とからなる装飾模様層
   を備えていることを特徴とする時計用文字板。