JP2001011505A - 被焼成品の脱バインダー装置 - Google Patents

被焼成品の脱バインダー装置

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JP2001011505A
JP2001011505A JP11182702A JP18270299A JP2001011505A JP 2001011505 A JP2001011505 A JP 2001011505A JP 11182702 A JP11182702 A JP 11182702A JP 18270299 A JP18270299 A JP 18270299A JP 2001011505 A JP2001011505 A JP 2001011505A
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JP
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sintered
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JP11182702A
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Michiro Aoki
道郎 青木
Jotaro Miyata
丈太郎 宮田
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被焼成品に含まれるバインダーを、従来よりも
迅速かつ均一に除去することができる脱バインダー装置
を提供する。 【解決手段】バインダーを含有する被焼成品Wの表面
に、冷却手段4から被焼成品Wの脱バインダー温度より
も50℃以上低温のガスを直接吹き付けて冷却しつつ、
遠赤外線ヒーター3やラジアントチューブ等の輻射加熱
装置により被焼成品Wを輻射加熱し、内部のバインダー
を被焼成品Wの表面に移動させて蒸発させるようにし
た。被焼成品Wの表面層の硬化を抑制できるため、迅速
かつ均一な脱バインダーが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフェライト
や碍子等の製造工程において用いられる被焼成品の脱バ
インダー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェライトや碍子のようなセラミックス
製品の製造工程では、焼成に先立って製品内部からの脱
バインダーが必要である。そこで従来から、炉内の両側
に設けたノズルまたは炉内の天井部に設けたボックスか
ら熱風を被焼成品の表面全体に均一に吹き付け、対流伝
熱により被焼成品を加熱しながら脱バインダーを行うよ
うにした装置を用い、被焼成品の脱バインダーを行って
いた。
【0003】ところがこの脱バインダー装置は、被焼成
品の肉厚が異なる場合などには、被焼成品に内部温度差
が生じやすく、均一にバインダーを除去することができ
ないという問題があった。また厚肉製品の場合には被焼
成品の表面層のみの温度が上昇して硬化してしまい、こ
の硬化層が被焼成品の内部からのバインダーの移動及び
蒸発を妨げるため、うまくバインダーを除去することが
できないという問題があった。
【0004】このため、上記のような場合には熱風温度
を十分に下げ、表面層の硬化を抑制しながらゆっくりと
脱バインダーを行っていた。このように被焼成品の内部
におけるバインダーの移動速度に合わせてゆっくりと脱
バインダーを行えば、均一な脱バインダーが可能とな
る。しかしそのためには非常に長時間を必要とするた
め、生産能率が上がらないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、被焼成品に含まれるバインダーを、
被焼成品の形状にかかわらず、従来よりも迅速かつ均一
に除去することができる被焼成品の脱バインダー装置を
提供するためになされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、バインダーを含有する被焼成品
が装入される炉内に、被焼成品を加熱する輻射加熱装置
と、被焼成品の表面に被焼成品の脱バインダー温度より
も50℃以上低温のガスを直接吹き付けて被焼成品の表
面を冷却する冷却手段とを設け、被焼成品の表面を冷却
しつつ輻射加熱装置により被焼成品を加熱し、被焼成品
の内部からバインダーを被焼成品の表面に移動させて蒸
発させるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】なお輻射加熱装置として、遠赤外線ヒータ
ー、ラジアントチューブ、Si−SiC製の輻射熱板の
何れかを使用することが好ましい。また、炉内を低酸素
濃度雰囲気とすることにより酸化膜の生成を防止し、バ
インダーガスの放出を容易にすることが好ましい。この
場合、冷却手段から被焼成品の表面に吹きつけるガスを
不活性ガスとすることが好ましい。また冷却手段を、冷
却用のガス流量を周期的に変化させる流量調節弁を備え
たものとすることもできる。
【0008】本発明の被焼成品の脱バインダー装置は、
従来の熱風乾燥の常識を逆転させ、被焼成品の表面に冷
却手段から被焼成品の脱バインダー温度よりも50℃以
上低温のガスを直接吹き付けて被焼成品の表面を冷却す
る。これにより被焼成品の表面層の硬化を抑制し、硬化
層の形成を防止する。その一方、被焼成品自体は輻射加
熱装置からの輻射熱により加熱されるため、バインダー
は速やかに被焼成品の内部から表面に移動し、蒸発す
る。しかも輻射加熱装置からの輻射熱が被焼成品に均等
に放射されるようにしておけば、被焼成品の形状や肉厚
あるいは炉内における被焼成品の偏在等にあまり影響を
受けることなく、均一な脱バインダーが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を示す。図1は本発明の第1の実施形態を模式的に示す
断面図であり、この例では脱バインダー用の炉1とし
て、ローラーハースキルンを使用している。2はローラ
ーハースキルンの周知のローラーであり、被焼成品Wを
紙面に対して垂直方向に移送している。なお炉1はこの
実施形態に示したようなローラーハースキルンのみなら
ず、被焼成品Wを内部で移動させない単独炉としてもよ
いことはいうまでもない。
【0010】被焼成品Wは、例えば前記したフェライト
であり、有機バインダーを含みかつ不均一な肉厚を持つ
ものである。図1に示されるように、この実施形態では
炉1内の上部に、輻射加熱装置として遠赤外線ヒーター
3が設置されている。これは電熱ヒーターの表面に遠赤
外線放射率の大きいセラミックス等をコーティングした
ものである。被焼成品Wの全面を均等に加熱できるよう
に、遠赤外線ヒーター3の幅や配置を決定するものとす
る。これによって被焼成品Wは輻射加熱される。
【0011】また、炉室内の天井部には冷却手段として
の冷却ダクト4が設置されており、送風機9から送風さ
れる冷却空気が流量制御弁10を介して冷却用のガスと
して供給されている。この冷却空気は、遠赤外線ヒータ
ー3の間から被焼成品Wの表面に冷却用のガスとして直
接吹き付けられる。その温度は被焼成品Wの脱バインダ
ー温度よりも50℃以上低温とする。例えば被焼成品W
の脱バインダー温度が350〜400℃である場合に
は、冷却用の空気の温度は常温〜300℃とする。この
温度差が50℃未満では、十分な冷却効果を得ることが
できない。
【0012】このように低温のガスを被焼成品Wの表面
に直接吹き付けることによって、被焼成品Wの表面の硬
化が防止される。しかも、被焼成品Wは輻射加熱装置で
ある遠赤外線ヒーター3からの輻射熱によって熱量を与
えられるので、被焼成品Wの内部からバインダーを被焼
成品の表面に迅速に移動させ、蒸発させることができ
る。この結果、脱バインダーに要する時間を従来よりも
30〜50%短縮することができる。また本発明の脱バ
インダー装置は、従来の熱風方式に比較して、被焼成品
Wの肉厚や形状の影響をうけにくく、また炉内で被焼成
品Wが偏在していてもその影響をうけにくい利点があ
る。
【0013】図2に示す第2の実施形態では、輻射加熱
装置としてラジアントチューブ5が用いられている。ラ
ジアントチューブ5はチューブの内部に高温の燃焼ガス
を流すことによりその表面から輻射熱を放射するもので
ある。なお図示のようにその両端に畜熱体6を備えた畜
熱燃焼バーナー7を設け、短い周期で交互に燃焼させな
がら非燃焼側の畜熱体6で熱回収を行わせれば、燃料消
費量を削減できる。
【0014】なお輻射加熱装置として遠赤外線ヒーター
3やラジアントチューブ5を使用するとき、図2に破線
で示すようにその下面にSi−SiC製の輻射熱板8を
設置してこの輻射熱板8から輻射熱を被焼成品Wに供給
するようにしてもよい。Si−SiCは多孔質SiCに
Siを含浸させる等の方法により強度及び耐熱性を高め
たものであり、優れた輻射性能を備えた材料である。
【0015】また輻射加熱装置を間欠的に運転し、パル
ス加熱を行うこともできる。このパルス加熱は加熱停止
中に被焼成品Wの内部で温度の均一化を進行させること
ができるため、常時加熱するよりも脱バインダーに要す
るトータル時間を短縮できることがある。
【0016】上記の2つの実施形態では冷却ダクト4か
ら冷却空気を噴出させたが、図3に示す第3の実施形態
では冷却手段から窒素ガス等の不活性ガスを噴出させて
被焼成品Wの表面を冷却するとともに、炉内1の内部を
低酸素濃度雰囲気としている。このように炉内1の内部
を低酸素濃度雰囲気とすると、被焼成品Wの表面に酸化
膜が生成されることを防止し、バインダーガスの放出を
容易にすることができるので、より迅速かつ均一に脱バ
インダーを進行させることができる硬化がある。この場
合、ローラー2の周囲を気密にシールし、外気の流入を
防いで炉内1の内部の酸素濃度を数十ppm以下とする
ことが好ましい。またローラー2のない単独炉型の炉内
1を使用してもよいことはいうまでもない。
【0017】
【実施例】本発明の効果を確認するため、図1に示した
装置を用い、肉厚差のあるフェライトの脱バインダーを
行った。フェライトを上面から遠赤外線ヒーターで輻射
加熱しつつ、常温の冷却空気をフェライトの肉厚部に吹
きつけた。このとき、図4に示すように冷却空気流量を
1分毎に高(20リットル/分)と低(10リットル/
分)との2段階に変化させた。製品であるフェライトの
表面温度及び肉厚部の深部温度は図4に示す通り、脱バ
インダー温度である350〜400℃よりも十分低温に
維持され、表面に硬化層が形成されることもなく迅速に
脱バインダーを進行させることができた。また上記のよ
うに冷却風量を周期的に変化させたことにより、肉厚部
の表面温度が直線的に上昇することがなく、深部温度の
上昇に合わせた形で昇温させることができた。これによ
り局所的な脱バインダーによるクラックの発生等の不都
合を生じることもなく、均等かつ迅速な脱バインダーが
可能となった。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の被焼成
品の脱バインダー装置によれば、被焼成品の表面に硬化
層が形成されることを抑制しつつ、被焼成品に含まれる
バインダーを、従来よりも迅速かつ均一に除去すること
ができる。しかも本発明の被焼成品の脱バインダー装置
は、被焼成品の肉厚や形状の影響をうけにくく、また炉
内で被焼成品が偏在していてもその影響をうけにくい等
の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】第2の実施形態を示す断面図である。
【図3】第3の実施形態を示す断面図である。
【図4】実施例における製品温度と冷却空気流量を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 炉内、2 ローラー、3 遠赤外線ヒーター、4
冷却ダクト、5 ラジアントチューブ、6 畜熱体、7
畜熱燃焼バーナー、8 輻射熱板、9 送風機、10
流量調節弁、W 被焼成品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダーを含有する被焼成品が装入さ
    れる炉内に、被焼成品を加熱する輻射加熱装置と、被焼
    成品の表面に被焼成品の脱バインダー温度よりも50℃
    以上低温のガスを直接吹き付けて被焼成品の表面を冷却
    する冷却手段とを設け、被焼成品の表面を冷却しつつ輻
    射加熱装置により被焼成品を加熱し、被焼成品の内部か
    らバインダーを被焼成品の表面に移動させて蒸発させる
    ようにしたことを特徴とする被焼成品の脱バインダー装
    置。
  2. 【請求項2】 輻射加熱装置が、遠赤外線ヒーター、ラ
    ジアントチューブ、Si−SiC製の輻射熱板の何れか
    である請求項1記載の被焼成品の脱バインダー装置。
  3. 【請求項3】 炉内を低酸素濃度雰囲気とした請求項1
    または2記載の被焼成品の脱バインダー装置。
  4. 【請求項4】 冷却手段から被焼成品の表面に吹きつけ
    るガスを不活性ガスとした請求項3記載の被焼成品の脱
    バインダー装置。
  5. 【請求項5】 冷却手段が、冷却用のガス流量を周期的
    に変化させる流量調節弁を備えたものである請求項1記
    載の被焼成品の脱バインダー装置。
JP11182702A 1999-06-29 1999-06-29 被焼成品の脱バインダー装置 Pending JP2001011505A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013121704A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Sumitomo Chemical Co Ltd グリーンハニカム成形体の製造方法及び製造装置、並びに、ハニカム焼成体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013121704A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Sumitomo Chemical Co Ltd グリーンハニカム成形体の製造方法及び製造装置、並びに、ハニカム焼成体の製造方法

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