JP2704620B2 - セラミックスの焼成装置 - Google Patents

セラミックスの焼成装置

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JP2704620B2
JP2704620B2 JP63008394A JP839488A JP2704620B2 JP 2704620 B2 JP2704620 B2 JP 2704620B2 JP 63008394 A JP63008394 A JP 63008394A JP 839488 A JP839488 A JP 839488A JP 2704620 B2 JP2704620 B2 JP 2704620B2
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駿蔵 島井
敬司 森田
鉄弥 黒住
純一 伊藤
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東芝セラミックス株式会社
東セラエンジニアリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、チューブ状セラミックス長尺体からなる
被焼成物の焼成装置に関する。
従来の技術 被焼成物は、大型のバッチ式の炉に入れて、全体的に
均一温度で焼成している。焼成は1サイクル毎に昇温−
冷却を繰返すことで成されている。
また、本発明者らは、特開昭61−252481号発明におい
て、被焼成物を入れるセッティングゾーンと、被焼成物
を通して焼結するヒーティングゾーンおよび焼結後のセ
ラミックスを取り出す取り出し部を持つセラミックスの
焼成装置を提案している。
発明が解決しようとする課題 大型のバッチ式の炉は高価で、かつ大きな設置スペー
スを必要とする。
耐火レンガを大量に使うため、レンガからの不純物の
汚染が起きやすい。
昇温−冷却を繰返すために、炉体構造物の寿命が短
い。また冷却によるエネルギーロスも大きい。
また、被焼成物の加熱を電気炉で行う場合には、エネ
ルギーコストが著しく高くなる。
この発明は、コンパクト化が図れ、加熱炉の高温域よ
り長い被焼成物でも焼成が可能で、レンガからの不純物
の汚染が少く、焼結体の特性を向上でき、炉体の寿命を
長くすることができ、さらにエネルギーコストを低く押
え、焼成時間の短縮が可能であるセラミックスの焼成装
置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 前述の目的を達成するために、この発明は、チューブ
状にセラミックス長尺体からなる被焼成物を入れるセッ
ティングゾーンと、被焼成物を通して焼結するヒーティ
ングゾーンと、焼結後のセラミックス焼結体を取出す取
出し部が、たて方向に順に配設されており、セッティン
グゾーンとヒーティングゾーンの間および取出し部とヒ
ーティングゾーンの間にそれぞれ開閉自在のシャッター
が設けてあり、ヒーティングゾーンに加熱源としてガス
バーナーを設置し、ガスバーナーと被焼成物が通過する
区域との間に耐火物質から成る筒形状の隔壁を設け、被
焼成物をその移動軸のまわりに回転させながら鉛直方向
に移動させる構成にしたことを特徴とするセラミックス
の焼成装置を要旨としている。
作用 加熱炉を冷却することなく、同一温度で連続的に被焼
成物を安価なガスを燃料として焼結できる。
実施例 第1図は、本発明の実施例による焼成装置を示してい
る。
先ずこの焼成装置の構造を説明する。
加熱炉1と上方設定部2と下方設定部3は直列に配列
されている。
加熱炉1は、断熱層4を有している。この断熱層4
は、例えば円筒形状のものが採用できる。断熱層4の内
側にはガスバーナー6が設定してある。ガスバーナー6
の内側部には耐火物質から成る筒形状の隔壁5を設置す
る。
炉内の雰囲気は、空気及び燃焼排ガスで形成されてい
る。
上方設定部2は、一定物の被焼成物7が上下方向に移
動できるための十分な空間を有している。上方設定部2
の側面には、上方開口部8が設けられている。この上方
開口部8は開閉自在である。上方設定部は取り出し部と
して利用できる。取り出し部の空間が囲まれた構造にな
っていると、耐火性物質製の隔壁中の高温気体が取り出
し部に上昇することを防止する効果を大きくできる。ま
た上方設定部に空気導入管を設けてもよい。
上方設定部2と加熱炉1との間には、上部シャッター
9が設けられている。この上部シャッター9は、左右一
対の遮蔽部9aをアクチュエーター9bにより締めたり開け
たりすることができるようになっている。
上方設定部2の上方には、チューブ状セラミックス長
尺体からなる被焼成物7の引上げ装置10が設けられてい
る。引上げ装置10は、駆動ローラー11とコンタクトロー
ラー12を有している。さらに、引き上げ軸回りの回転機
構が設けてあり、駆動ローラー11とコンタクトローラー
12が一体的に回転して、第1図に示すように矢印Xの方
向に搬送治具13を回転できる。
被焼成物7の上端には、搬送治具13の下端が取付けら
れている。従って、被焼成物7は、引上げ装置10を作動
させることによって、被焼成物をその移動軸のまわりに
回転させながら鉛直方向に移動する構成になっている。
下方設定部3は、その下端が閉成されている。下方設
定部3の側方には必要に応じて下方開口部14が設けられ
ている。この下方開口部14は、開閉自在である。
下方開口部14又は上方開口部8のいずれか一方は用途
に応じて省略することができる。
下方設定部3と加熱炉1との間には下部シャッター15
が設けられている。この下部シャッター15は、上部シャ
ッター9と同じ構成である。
上部シャッター9と下部シャッター15は同じ形式のも
のでもよいが、別々の形式のものを用いてもよい。
つぎに、一体物の被焼成物7の処理手順を説明する。
高純度アルミナ粉(純度99.9%)100部、硫酸マグネ
シウム7水塩0.5部、バインダーとしてPVA(ポリビニル
アルコール)1部をイオン交換水とともに混合し、スリ
ップにする。
なお、硫酸マグネシウム7水塩は、粒成長抑制剤であ
る。
スリップにした原料は、スプレードライヤーで乾燥し
て造粒する。この造粒粉を、アイソスタティックプレス
により例えば1トン/cm2の圧力でチューブ状に成形し、
これを所定の形状に研削加工する。得られた加工体は、
例えば外径×内径×長さが約106mm×100mm×3000mmにな
る。
これを1100℃で仮焼成してバインダーを飛散させた
後、上述した焼成装置により焼成する。
加熱炉本体1は、ガスバーナー6を作動して予め所定
の温度に保持されている。
被焼成物7は、つぎのようにして焼成される。
被焼成物7は、引上げ装置10により下方設定部3内に
保持する。
下部シャッター15は閉じられている。搬送治具13は、
下部シャッター15にはさみこまれている。この場合には
下部設定部3は、被焼成物7のセッティングゾーン16に
位置している。
下部シャッター15が開き、引上げ装置10が作動され、
被焼成物7はセッティングゾーン16から上方に引上げら
れる。被焼成物7は、断熱層4内を上方に引上げられ
る。下部シャッター15は、被焼成体7が通り抜けたら閉
じる。これによって加熱炉で発生したエネルギーがセッ
ティングゾーンへ逃げるのを防止する。
ガスバーナー6によって加熱された高温気体は、耐火
物質製の筒形状隔壁5の周囲を回転しながら流れ、排気
吸引孔19により炉外に排出される。このようにして加熱
されたヒーティングゾーンを通過することにより被焼成
体7が焼結される。
耐火物質製の筒形状隔壁5は、ガスバーナー6で発生
した熱気体が直接被焼成物7に当たることを防止し、被
焼成物が熱衝撃を受けないようにする点に大きな効果が
あり、また、この筒形状隔壁は、被焼成物であるチュー
ブ状セラミックス長尺体を略同軸芯で配置することで、
特に円周方向でのより均熱伝達を可能せしめ、亀裂もし
くは変形のない焼成体の焼成を可能とする。
さらに被焼成物をその移動軸の回りに(第1図に矢印
Xで示した方向に)回転させながら鉛直方向に移動すれ
ば、曲りや、つぶれが非常に少ない良質の焼成体を得る
ことができる。被焼成物の通過速度・回転速度を任意に
変化させて、所望の焼成過程を実現できる。
次に、上部シャッター9が開いて、被焼成物7は上方
設定部2に入る。上方設定部2は、被焼成物9の取出し
部18として機能する。
上部シャッター9が閉じて、焼成体を冷却する。上方
設定部2に設けた空気導入管6から空気を導入すること
によって、すみやかに被焼成物を冷却できる。被焼成物
7は上方設定部2から取出される。
このようにして、一体物のセラミック焼結体が得られ
る。
ところで、被焼成物7は、下方設定部3と加熱炉1内
を通過して上方設定部2から取出すようにしている。
しかし、被焼成物7は、次のように焼成してもよい。
例えば、上方設定部2の上方開口部8から被焼成物7
を導入し、ヒーティングゾーン17を通過した後、下方設
定部3の下方開口部14より取出すこともできる。
この場合、上方設定部2は、セッティングゾーンの機
能を果たす。下方設定部3は取出し部の機能を果たす。
この場合には下方設定部に空気導入管を設けることがで
きる。
また、下方設定部3から被焼成物7を導入し、ヒーテ
ィングゾーン17を経て上方設定部2まで上げ、再び下方
設定部3まで降ろして被焼成物7を下方開口部14から取
出すようにしてもよい。この場合、下方設定部3がセッ
ティングおよび取出し部の機能を果たす。さらに、上方
設定部2から被焼成物7を入れ下方設定部3まで降下さ
せ再び上方設定部2へ戻して取出してもよい。
このように、焼成装置は3つのゾーンを有している。
そして焼成の際に、3つのゾーンの雰囲気を同じにでき
るので、ヒーティングゾーン17の雰囲気と温度の変化を
防ぐことができる。したがって、長尺の被焼成物を確実
にかつ連続的に焼成することが可能である。
また、引上げ装置を設けることにより、被焼成物を焼
成装置内で回転させながら鉛直方向に連続的に移動させ
ることが可能となる。
発明の効果 加熱炉の高温域を小型にできるため、全体をコンパ
クトにして、エネルギーコストも安くできる。
加熱炉の高温域において、長尺の被焼成物の焼成が
可能となる。
炉材レンガの使用量が少くて済み、レンガからの不
純物の汚染が少くなり、かつ被焼成物の特性が向上す
る。
炉の昇温−冷却サイクルを必要とせず、炉体の寿命
を長くすることができる。エネルギーロスも少ない。
ヒーティングゾーンの雰囲気及び温度を変化させる
ことなく、連続的に長尺の被焼成物を焼成することがで
きる。長尺なセラミック管、炉芯管或いは保護管等を大
量かつ安価に得ることができる。
ガス燃焼方式により、安価なエネルギーで長尺のセ
ラミックスの焼成が可能となる。
回転をせずに焼成が可能であるが、回転をしながら
焼成した場合は、回転しない場合よりも、曲りや、つぶ
れが更に少なくなる。
取り出し部としての上方設定部に空気導入管を設置
すれば、取り出し部にある被焼成物を速く冷却できるの
で、焼成時間の短縮が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例による焼成装置を示す概略縦
断面図である。 1……加熱炉 7……被焼成物 16……セッティングゾーン 17……ヒーティングゾーン 18……取出し部 9……上部シャッター 15……下部シャッター 5……隔壁 6……ガスバーナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒住 鉄弥 愛知県刈谷市小垣江町本郷下47番9 東 セラエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 伊藤 純一 愛知県刈谷市小垣江町本郷下47番9 東 セラエンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−252481(JP,A) 特開 昭62−13985(JP,A) 実開 昭62−154397(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チューブ状セラミックス長尺体からなる被
    焼成物を入れるセッティングゾーンと、被焼成物を通し
    て焼結するヒーティングゾーンと、焼結後のセラミック
    ス焼結体を取出す取出し部が、たて方向に順に配設され
    ており、セッティングゾーンとヒーティングゾーンの間
    および取出し部とヒーティングゾーンの間にそれぞれ開
    閉自在のシャッターが設けてあり、ヒーティングゾーン
    に加熱源としてガスバーナーを設置し、ガスバーナーと
    被焼成物が通過する区域との間に耐火物質から成る筒形
    状の隔壁を設け、被焼成物のその移動軸のまわりに回転
    させながら鉛直方向に移動させる構成にしたことを特徴
    とするセラミックスの焼成装置。
JP63008394A 1988-01-20 1988-01-20 セラミックスの焼成装置 Expired - Fee Related JP2704620B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61252481A (ja) * 1985-05-02 1986-11-10 東芝セラミツクス株式会社 セラミツクスの焼成装置
JPS6213985A (ja) * 1985-07-09 1987-01-22 中外炉工業株式会社 竪型マツフル式連続熱処理炉の炉内マツフル
JPH0221757Y2 (ja) * 1986-03-25 1990-06-12

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