JP2001011134A - 新規vec−ビニルアミド類共重合体とその製造方法 - Google Patents

新規vec−ビニルアミド類共重合体とその製造方法

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JP2001011134A
JP2001011134A JP2000087447A JP2000087447A JP2001011134A JP 2001011134 A JP2001011134 A JP 2001011134A JP 2000087447 A JP2000087447 A JP 2000087447A JP 2000087447 A JP2000087447 A JP 2000087447A JP 2001011134 A JP2001011134 A JP 2001011134A
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mol
vec
copolymer
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less
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JP2000087447A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Mizuta
圭一郎 水田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規VEC−ビニルアミド類共重合体とその
製造方法の提供。 【解決手段】 共重合体は、下記一般式(i)で示すV
EC系構造単位(A)と下記一般式(ii)で示すN−
ビニルアミド類構造単位(B)とその他の構造単位
(C)とを全構造単位に対し(A)0.1モル%以上か
つ50モル%未満、(B)99.9モル%以下かつ0.
1モル%超、(C)0モル%以上かつ99.8モル%以
下の比率で有する。製造方法では、VEC系単量体
(a)とN−ビニルアミド類単量体(b)とその他の単
量体(c)とを全単量体成分に対し(a)0.1モル%
以上かつ50モル%未満、(b)99.9モル%以下か
つ0.1モル%超、(c)0モル%以上かつ99.8モ
ル%以下の比率で共重合させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形体、塗
料、粘接着剤、樹脂添加剤、架橋剤、包装材料、フィル
ム等に用いられる新規VEC−ビニルアミド類共重合体
と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンカーボネート基等のシクロカー
ボネート基は、高い誘電率や双極子比率、強い配位力を
持つため、シクロカーボネート基をポリマーの側鎖に導
入することによりポリマーの高Tg化や高誘電率化が可
能になる。このようなシクロカーボネート基を側鎖に有
するポリマーとしては、たとえば、ビニルエチレンカー
ボネートの単独重合体やビニルエチレンカーボネートと
その他の種々のビニル化合物との共重合体等が知られて
いる(米国特許第2,518,440号明細書、「生産
研究」第25巻第7号(1973年7月刊)第297〜
299頁、特開平8−283523号公報等)。
【0003】また、シクロカーボネート基は、アミンや
カルボン酸等が有する活性水素と反応してウレタン結合
やエステル結合等を形成するため、シクロカーボネート
基を側鎖に有するポリマーをアミンやカルボン酸等と反
応させることにより新規な官能基の導入や架橋反応等も
可能になる。この応用例としては、ビニルエチレンカー
ボネートの単独重合体やビニルエチレンカーボネートと
スチレンとの共重合体をアミンと反応させてウレタン基
含有(共)重合体を生成させる例(「生産研究」第25
巻第7号(1973年7月刊)第297〜299頁)、
側鎖にシクロカーボネート基を持つメタクリル酸エステ
ルの共重合体とカルボン酸基を持つ共重合体とを反応さ
せてポリエステルを得、これを塗料に用いる例(特開平
4−175359号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、シク
ロカーボネート基を側鎖に有する新規共重合体と、その
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは種々検討を重ねた。その過程で、ビニ
ルエチレンカーボネート(本明細書中、ビニルエチレン
カーボネートを「VEC」と略記することがある)とN
−ビニルアミド類との共重合体に着目した。N−ビニル
アミド類はVECとの共重合性に優れるからである。と
ころが、本発明者らの検討により、VECとN−ビニル
アミド類との共重合体(VEC−ビニルアミド類共重合
体)は、VEC系構造単位の含有率によっては物性が低
下するという問題点があることがわかった。そこで、本
発明者らは、さらに検討を重ねた結果、VEC系構造単
位の含有率が下記の特定範囲であれば物性低下が抑えら
れることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明にかかる新規VEC−ビ
ニルアミド類共重合体は、下記一般式(i)で示すビニ
ルエチレンカーボネート(VEC)系構造単位(A)と
下記一般式(ii)で示すN−ビニルアミド類構造単位
(B)とその他の構造単位(C)とを、全構造単位に対
し、(A)0.1モル%以上かつ50モル%未満、
(B)99.9モル%以下かつ0.1モル%超、(C)
0モル%以上かつ99.8モル%以下の比率(ただし、
(A)、(B)、(C)の合計は100モル%)で有す
る。
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表
し、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子または有機残
基を表す。但し、XとYが結合して窒素原子を含めたヘ
テロ環構造を形成しているものも含む。) また、本発明にかかるVEC−ビニルアミド類共重合体
の製造方法は、下記一般式(iii)で示すビニルエチ
レンカーボネート(VEC)系単量体(a)と、下記一
般式(iv)で示すN−ビニルアミド類単量体(b)
と、これらと共重合可能なその他の単量体(c)とを、
全単量体成分に対し、(a)0.1モル%以上かつ50
モル%未満、(b)99.9モル%以下かつ0.1モル
%超、(c)0モル%以上かつ99.8モル%以下の比
率(ただし、(a)、(b)、(c)の合計は100モ
ル%)で含む単量体成分を共重合反応させることによ
り、上記本発明の新規VEC−ビニルアミド類共重合体
を得る共重合工程を含む。
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表
し、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子または有機残
基を表す。但し、XとYが結合して窒素原子を含めたヘ
テロ環構造を形成しているものも含む。) なお、上記本発明の新規VEC−ビニルアミド類共重合
体は、上記本発明の製造方法により得られるものであっ
てもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のVEC−ビニルア
ミド類共重合体とその製造方法を順次詳しく説明する。 〔VEC−ビニルアミド類共重合体〕本発明のVEC−
ビニルアミド類共重合体が有するVEC系構造単位
(A)を示す前記一般式(i)中、R1 、R2 、R3
それぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。
1 、R2 、R3 の例であるアルキル基としては、特に
限定はされないが、たとえば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基等が好ましい。上記アルキル基は、必要に応じ、ハ
ロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホ
ン酸基等の置換基を有していてもよい。
【0012】なお、VEC系構造単位(A)は、前記一
般式(iii)で示す後述のVEC系単量体(a)に由
来する。本発明のVEC−ビニルアミド類共重合体は、
該共重合体のVEC系構造単位(A)に由来する性能を
高めたり、該共重合体にその他の性能、たとえば、親水
性を追加付与したりするとともに、VECとの共重合性
が良く、該共重合体中に占めるVEC系構造単位(A)
の割合を幅広くとれるようにする等の目的で、前記一般
式(ii)で示すN−ビニルアミド類構造単位(B)を
さらに有する。この構造単位(B)は、上記目的に応じ
て適宜選択される。
【0013】N−ビニルアミド類構造単位(B)を示す
前記一般式(ii)中、R4 、R5、R6 はそれぞれ独
立に水素原子またはアルキル基である。R4 、R5 、R
6 の例であるアルキル基の具体例としては、特に限定は
されないが、前記一般式(i)中のR1 、R2 、R3
例であるアルキル基の具体例として前述したものを挙げ
ることができる。上記一般式(ii)中、XおよびYは
それぞれ独立に水素原子または有機残基を表す。XとY
の例である有機残基の具体例としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、メチル基、エチル基、フェニル基等
が挙げられる。また、XとYが結合して窒素原子を含め
たヘテロ環構造を形成しているものであってもよい。こ
のようなヘテロ環構造としては、特に限定はされない
が、たとえば、本発明の製造方法で用いられる後述の単
量体のうち、環状のN−ビニルアミド類が持つヘテロ環
構造が挙げられる。有機残基は、必要に応じ、ハロゲン
基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基
等の置換基を有していてもよい。XおよびYが表す水素
原子および上記有機残基の中でも、水素原子およびメチ
ル基が、上述した共重合性の点から好ましい。
【0014】なお、N−ビニルアミド類構造単位(B)
は、前記一般式(iv)で示す後述のN−ビニルアミド
類単量体(b)に由来する。本発明のVEC−ビニルア
ミド類共重合体は、VEC系構造単位(A)とN−ビニ
ルアミド類構造単位(B)のみを構造単位として有して
いてもよいが、必要に応じ、該共重合体のVEC系構造
単位(A)および/またはN−ビニルアミド類構造単位
(B)に由来する性能を高めたり、該共重合体にその他
の性能を追加付与したりするとともに、該共重合体中に
占めるVEC系構造単位(A)の割合を幅広くとれるよ
うにする等の目的で、その他の構造単位(C)を
(A)、(B)と併せて有していてもよい。この構造単
位(C)は、後述のVEC系単量体(a)およびN−ビ
ニルアミド類単量体(b)と共重合可能なその他の単量
体として後で述べる単量体(c)に由来する構造単位で
あり、上記目的に応じて適宜選択される。
【0015】本発明のVEC−ビニルアミド類共重合体
中、VEC系構造単位(A)、N−ビニルアミド類構造
単位(B)およびその他の構造単位(C)の含有率は、
特に限定はされないが、全構造単位に対し、通常(A)
0.1モル%以上かつ50モル%未満、(B)99.9
モル%以下かつ0.1モル%超、(C)0モル%以上か
つ99.8モル%以下、好ましくは(A)0.5〜30
モル%、(B)99.5〜0.5モル%、(C)0〜9
9.0モル%、より好ましくは(A)1.0〜20モル
%、(B)99.0〜1.0モル%、(C)0〜98.
0モル%である(ただし、(A)、(B)、(C)の合
計は100モル%)。VEC系構造単位(A)の含有率
が0.1モル%未満(N−ビニルアミド類構造単位
(B)の含有率が99.9モル%超)だと、VEC系構
造単位(A)を導入することによる高誘電率化や高Tg
化の効果が見られない等の傾向があり、VEC系構造単
位(A)の含有率が50モル%以上(N−ビニルアミド
類構造単位(B)の含有率が0.1モル%以下)だと、
硬くて脆くなり、成形性や可撓性等の物性低下が起こる
等の傾向がある。また、その他の構造単位(C)の含有
率が99.8モル%を超えると、VEC系構造単位
(A)を導入することによる高誘電率化や高Tg化の効
果が見られない等の傾向がある。
【0016】なお、本明細書中、上記のように数値範囲
を単に「〜」で示すときは、その上限と下限も該範囲に
含める。たとえば、「0.5〜30モル%」は0.5モ
ル%以上かつ30モル%以下を意味し、0.5モル%と
30モル%も該範囲に含まれる。VEC−ビニルアミド
類共重合体の重量平均分子量は、特に限定はされない
が、たとえば、下記測定条件のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(以下「GPC」と呼ぶ)によるポリ
スチレン換算で、好ましくは1,000〜1,000,
000、より好ましくは5,000〜800,000、
さらに好ましくは10,000〜500,000であ
る。
【0017】 <VEC−ビニルアミド類共重合体の重量平均分子量測定条件> 機種 :LC10Aシリーズ(SHIMADZU製) 検出器:RID6A(SHIMADZU製) 溶離液:種類 DMF(ジメチルホルムアミド)+0.1重量%LiBr 流量 0.8ml/min カラム:種類 東ソー(株)製 TSK GEL α−2500×2本、α−3000×1本、 α−6000×1本+GUARD COLUMN 検量線:ポリスチレン基準VEC−ビニルアミド類共重
合体の重量平均分子量が1,000未満だと、該共重合
体の耐油性、耐候性、耐熱性等の物性が低下する等の傾
向があり、1,000,000を超えると、該共重合体
の加工や取り扱い等の作業性が低下する等の傾向があ
る。
【0018】本発明のVEC−ビニルアミド類共重合体
は、たとえば、樹脂成形体、塗料、粘接着剤、樹脂添加
剤、架橋剤、包装材料、フィルム等に用いられる。本発
明のVEC−ビニルアミド類共重合体は、たとえば、以
下に述べる本発明の製造方法により得ることができる
が、該共重合体の製造方法はこれに限定されない。 〔VEC−ビニルアミド類共重合体の製造方法〕本発明
の製造方法は、以下に述べる共重合工程を含む。 (共重合工程):共重合工程では、前記一般式(ii
i)で示すVEC系単量体(a)と前記一般式(iv)
で示すN−ビニルアミド類単量体(b)とを含む単量体
成分を共重合反応させる。
【0019】VEC系単量体(a)を示す前記一般式
(iii)中、R1 、R2 、R3 は前記一般式(i)中
のものと同じである。VEC系単量体(a)の具体例と
しては、特に限定はされないが、ビニルエチレンカーボ
ネート、2−メチル−ビニルエチレンカーボネート、3
−メチル−ビニルエチレンカーボネート等が挙げられ
る。これらの単量体(a)の中でも、ビニルエチレンカ
ーボネートが、入手の容易さ、良好な共重合反応性を有
する点で好ましい。単量体(a)は、1種のみ用いても
2種以上併用してもよい。N−ビニルアミド類単量体
(b)を示す前記一般式(iv)中、R4 、R5
6 、X、Yは前記一般式(ii)中のものと同じであ
る。
【0020】N−ビニルアミド類単量体(b)の具体例
としては、特に限定はされないが、N−ビニルホルムア
ミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルフタルアミ
ド、N−ビニルコハク酸アミド、N−ビニル尿素等が挙
げられる。また、XとYが結合して窒素原子を含めたヘ
テロ環構造を形成しているものの例としては、N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプ
ロラクタム、N−ビニルオキサゾリドン等の環状のN−
ビニルアミド類が挙げられる。これらの単量体(b)の
中でも、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルオキサゾリドンが、入手の容易さ、良好
な共重合反応性を有する点で好ましい。単量体(b)
は、1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
【0021】共重合させる単量体成分は、VEC系単量
体(a)とN−ビニルアミド類単量体(b)のみからな
るものであってもよいが、必要に応じ、前述のその他の
構造単位(C)をVEC−ビニルアミド類共重合体中に
導入する目的で、単量体(a)、(b)と共重合可能な
その他の単量体(c)をさらに含んでいてもよい。上記
単量体(c)としては、単量体(a)、(b)と共重合
可能であれば特に限定はされないが、たとえば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等の不飽和カルボン酸およびそのエステルもしくは
塩;アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カル
ボン酸アミド類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の
不飽和カルボン酸無水物;酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のオレフィン
類;塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン類;(メタ)
アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の
不飽和エポキシ類等が挙げられる。単量体(c)は、1
種のみ用いても2種以上併用してもよい。
【0022】共重合させる単量体成分中、VEC系単量
体(a)、N−ビニルアミド類単量体(b)およびその
他の単量体(c)の割合は、特に限定はされないが、全
単量体成分に対し、通常(a)0.1モル%以上かつ5
0モル%未満、(b)99.9モル%以下かつ0.1モ
ル%超、(c)0モル%以上かつ99.8モル%以下、
好ましくは(a)0.5〜30モル%、(b)99.5
〜0.5モル%、(c)0〜99.0モル%、より好ま
しくは(a)1.0〜20モル%、(b)99.0〜
1.0モル%、(c)0〜98.0モル%である(ただ
し、(a)、(b)、(c)の合計は100モル%)。
VEC系単量体(a)の割合が0.1モル%未満(N−
ビニルアミド類単量体(b)の割合が99.9モル%
超)だと、VEC系構造単位(A)を導入することによ
る高誘電率化や高Tg化の効果が見られない等の傾向が
あり、VEC系単量体(a)の割合が50モル%以上
(N−ビニルアミド類単量体(b)の割合が0.1モル
%以下)だと、得られるVEC−ビニルアミド類共重合
体が硬くて脆くなり、成形性や可撓性等の物性低下が起
こる等の傾向がある。また、その他の単量体(c)の割
合が99.8モル%を超えると、VEC系構造単位
(A)を導入することによる高誘電率化や高Tg化の効
果が見られない等の傾向がある。
【0023】さらに、本発明に係る新規VEC−ビニル
アミド類共重合体は、共重合させる単量体成分としてN
−ビニルアミド類を用いるが、このN−ビニルアミド類
は優れた水溶性やキレート性を特徴として有するもので
ある。そこで、本発明に係る新規VEC−ビニルアミド
類共重合体において、当該N−ビニルアミド類の特徴を
保持したまま、さらにVECの特徴も生かすことができ
れば、優れた水溶性やキレート性を本発明の共重合体に
付与することができる。この点において、本発明に係る
共重合体は、上述のような特定の組成成分と組成割合に
より、優れた水分散性(水中での分散安定性)を有して
おり、N−ビニルアミド類の有する水溶性やキレート性
を生かした用途に用いることができる。特に、VEC系
単量体(a)の割合が0.5〜30モル%の場合には水
分散性がより優れたものとなり、当該割合が1.0〜2
0モル%の場合には水分散性がさらに優れたものとなる
場合が多い。一方、VEC系単量体(a)の割合が50
モル%以上の場合には、水分散性が低下してしまう場合
が多くなる。
【0024】共重合方法としては、公知の共重合方法、
たとえば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
等を用いることができ、特に限定はされない。共重合温
度は、特に限定はされないが、好ましくは0〜300
℃、より好ましくは10〜200℃、さらに好ましくは
25〜150℃である。共重合温度が0℃未満だと、共
重合反応性が低下して共重合反応が非常に遅くなる等の
傾向があり、300℃を超えると、副反応が多くなり、
反応制御が困難になる等の傾向があり、好ましくない。
共重合反応の溶媒としては、特に限定はされないが、た
とえば、下記の溶媒群の中から選ばれた単独溶媒または
混合溶媒を用いることができる。
【0025】 (1)ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類; (2)シクロヘキサン等の脂環式飽和炭化水素類; (3)シクロヘキセン等の脂環式不飽和炭化水素類; (4)ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類; (5)アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類; (6)酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチ
ロラクトン等のエステル類; (7)ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等の
ハロゲン化炭化水素類; (8)ジエチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等
のエーテル類; (9)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート等のアルキレングリコールのエーテル類; (10)メチルアルコール、エチルアルコール、ブチル
アルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のア
ルコール類; (11)ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類; (12)ジメチルスルホキシド等のスルホン酸エステル
類; (13)ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート
等の炭酸エステル類; (14)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト等の脂環式炭酸エステル類; (15)水。
【0026】これらの溶媒の中でも、生成共重合体の精
製、回収の容易さ等の点から、溶媒群(4)〜(6)、
(8)〜(15)の中から選ばれたものが好ましく、
(5)、(6)、(9)〜(15)の極性溶媒群の中か
ら選ばれたものがより好ましく、(5)、(6)、
(9)、(10)、(11)、(14)、(15)の中
から選ばれたものがさらに好ましく、(10)のアルコ
ール類および(15)の水からなる群の中から選ばれた
ものが最も好ましい。共重合反応を行う際、原料混合物
中の単量体成分の濃度は、特に限定はされないが、好ま
しくは1〜99重量%、より好ましくは10〜90重量
%、さらに好ましくは20〜80重量%である。この割
合が1重量%未満だと、生産性が悪い等の傾向があり、
好ましくない。
【0027】共重合反応は、通常、重合開始剤を用いて
行われる。重合開始剤としては、特に限定はされない
が、たとえば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2−メチル)ブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、2,
2’−アゾビス(アミジノプロパン)2塩酸塩、2,
2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチラミジ
ン)2塩酸塩等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシ
ド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、パーオキソ二
硫酸カリウム、パーオキソ二硫酸アンモニウム等の過酸
化物等が挙げられる。重合開始剤は、1種のみ用いても
よいし、2種以上併用してもよい。
【0028】重合開始剤の量については、特に限定はさ
れないが、単量体成分に対し、好ましくは0.001〜
10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、さら
に好ましくは0.1〜3重量%である。重合開始剤量が
0.001重量%未満だと、共重合反応が非常に遅くな
る等の傾向があり、10重量%を超えると、副反応が多
くなる等の傾向があり、好ましくない。また、共重合反
応の際、ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール
等の連鎖移動剤や調整剤を用いてもよい。さらには、緩
衝性キレート剤の使用も可能である。その具体例として
は、特に限定はされないが、ピロリン酸四ナトリウム、
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、リン酸三ナト
リウム、水酸化カルシウム、ホウ砂、リン酸水素二ナト
リウム無水物−リン酸一ナトリウム、炭酸ナトリウム−
重炭酸ナトリウム等が挙げられる。緩衝性キレート剤
は、1種のみ用いてもよいし、2種以上併用してもよ
い。
【0029】緩衝性キレート剤の量については、特に限
定はされないが、単量体成分に対し、好ましくは0.0
01〜1.0重量%、より好ましくは0.01〜0.5
重量%、さらに好ましくは0.04〜0.3重量%であ
る。共重合反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲
気下で行うのが好ましい。共重合反応により生成したV
EC−ビニルアミド類共重合体を精製する方法として
は、たとえば、再沈殿、透析、遠心分離、減圧乾燥等に
より溶媒を除去する方法等が挙げられるが、特に限定は
されない。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれだけに限定されるものではな
い。なお、例中、特にことわりのない限り、単位を示す
「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」
を表すものとする。また、下記例中、VEC−ビニルア
ミド類共重合体の重量平均分子量(以下、「Mw」と記
す)は、前述した測定条件のGPCにより求められたポ
リスチレン換算値であり、VEC−ビニルアミド類共重
合体中の各構造単位含有率は元素分析による。
【0031】<実施例1>温度計、環流冷却管、窒素ガ
ス導入管および撹拌機を備えた反応器に、VEC45部
およびN−ビニルピロリドン(以下、「VP」と記す)
55部を仕込んだ後、反応器内を窒素ガス置換した。次
に、反応器内の混合物を攪拌しながら70℃に昇温した
後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)
ジメチル(以下、「MAIB」と記す)1部を添加して
共重合反応を行った。この共重合反応の間、反応液の粘
度が増加し、最終的に5時間後、攪拌が困難になったた
め、反応を停止し、室温まで冷却した。
【0032】その後、反応溶液をジメチルホルムアミド
(以下、「DMF」と記す)に溶解させ、得られた溶液
を5倍量(体積基準)のメタノール中に攪拌しながら注
ぎ入れた。これにより、白色の固体が得られた。この固
体を濾別し、充分メタノールで洗浄した。次いで、該固
体をDMFに溶解させ、得られた溶液を5倍量(体積基
準)のメタノール中に攪拌しながら注ぎ入れて該固体を
再沈殿させた後、濾別し、充分メタノールで洗浄すると
いう再沈殿操作を2〜3回繰り返すことで該固体を精製
した後、減圧下で乾燥させた。乾燥後の固体を 1H−N
MRおよびIRで分析した。その結果を図1および図2
にそれぞれ示す。これらの図から、得られた固体はVE
CとVPとの共重合体(以下、「P(VEC−VP)」
と記す)であると同定、確認された。このP(VEC−
VP)の収率は約50%、Mwは100,000、VE
C構造単位含有率は45モル%、VP構造単位含有率は
55モル%であった <実施例2>温度計、環流冷却管、滴下漏斗、窒素ガス
導入管および撹拌機を備えた反応器に、VEC2.8
部、VP25.2部、イオン交換水400部およびピロ
リン酸四ナトリウム0.14部を仕込んだ後、反応器内
を窒素ガス置換した。次に、反応器内の混合物を攪拌し
ながら65℃に昇温した後、重合開始剤として2,2’
−アゾビス(アミジノプロパン)2塩酸塩0.07部お
よびイオン交換水1.0部を添加して15分間共重合反
応させた。その後、VEC11.2部、VP100.8
部、2,2’−アゾビス(アミジノプロパン)2塩酸塩
0.63部およびイオン交換水9部を別々に3時間かけ
て反応器に滴下した。これらをすべて滴下し終えてから
30分後に、さらに2,2’−アゾビス(アミジノプロ
パン)2塩酸塩0.28部およびイオン交換水5部を反
応器に滴下した後、反応器を90℃まで昇温し、30分
間共重合反応させた。その後、反応器を室温まで冷却し
た。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(以下
「GC」と呼ぶ)により分析したところ、残存するVE
CおよびVPは1.0%以下であることが確認された。
これにより、共重合収率は98%以上であることがわか
った。また、反応液は最後まで濁らず透明であり、この
ことから、水分散性が非常に良好であることがわかっ
た。
【0033】その後、反応液から完全にイオン交換水を
除去することにより、白色固体を得た。この固体を 1
−NMRおよびIRで分析した結果、得られた固体はP
(VEC−VP)であると同定、確認された。このP
(VEC−VP)のMwは500,000であった。ま
た、P(VEC−VP)中、VEC構造単位含有率は1
0モル%、VP構造単位含有率は90モル%であり、仕
込み比通り共重合したことが確認された。 <実施例3>実施例2において、VECとVPの初期仕
込量をそれぞれ5.6部、22.4部に変更するととも
に、VECとVPの滴下仕込み量をそれぞれ22.4
部、89.6部に変更したこと以外は実施例2と同様の
操作を行うことにより、約98%の収率で白色固体を得
た。また、反応液は途中から若干薄く白濁してきたが、
十分均一に分散しており、このことから、水分散性が良
好であることがわかった。この固体を 1H−NMRおよ
びIRで分析した結果、得られた固体はP(VEC−V
P)であると同定、確認された。このP(VEC−V
P)のMwは400,000であった。また、P(VE
C−VP)中、VEC構造単位含有率は20モル%、V
P構造単位含有率は80モル%であり、仕込み比通り共
重合したことが確認された。
【0034】<実施例4>実施例2において、VECと
VPの初期仕込量をそれぞれ8.4部、19.6部に変
更するとともに、VECとVPの滴下仕込み量をそれぞ
れ33.6部、78.4部に変更したこと以外は実施例
2と同様の操作を行うことにより、約98%の収率で白
色固体を得た。また、反応液は途中から薄く白濁してき
たが、十分均一に分散しており、このことから、水分散
性が良好であることがわかった。この固体を 1H−NM
RおよびIRで分析した結果、得られた固体はP(VE
C−VP)であると同定、確認された。このP(VEC
−VP)のMwは300,000であった。また、P
(VEC−VP)中、VEC構造単位含有率は30モル
%、VP構造単位含有率は70モル%であり、仕込み比
通り共重合したことが確認された。
【0035】<実施例5>実施例1において、VPの代
わりにN−ビニルオキサゾリドン(以下、「VOXD」
と記す)を同量用いたこと以外は実施例1と同様の操作
を行うことにより、約50%の収率で白色固体を得た。
この固体を 1H−NMRおよびIRで分析した。その結
果を図3および図4にそれぞれ示す。これらの図から、
得られた固体はP(VEC−VOXD)であると同定、
確認された。このP(VEC−VOXD)のMwは15
0,000であった。また、P(VEC−VOXD)
中、VEC構造単位含有率は45モル%、VOXD構造
単位含有率は55モル%であり、仕込み比通り共重合し
たことが確認された。
【0036】<実施例6>実施例1において、VPの代
わりにN−ビニルカプロラクタム(以下、「VCap」
と記す)を用いるとともに、仕込量をVEC40部、V
Cap60部に変更したこと以外は実施例1と同様の操
作を行うことにより、約45%の収率で白色固体を得
た。この固体を 1H−NMRおよびIRで分析した。そ
の結果を図5および図6にそれぞれ示す。これらの図か
ら、得られた固体はP(VEC−VCap)であると同
定、確認された。このP(VEC−VCap)のMwは
100,000であった。また、P(VEC−VCa
p)中、VEC構造単位含有率は40モル%、VCap
構造単位含有率は60モル%であり、仕込み比通り共重
合したことが確認された。
【0037】<実施例7>実施例1において、VPの代
わりにN−ビニルホルムアミド(以下、「VFA」と記
す)を用いるとともに、仕込量をVEC50部、VFA
50部に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行
うことにより、約50%の収率で白色固体を得た。この
固体を 1H−NMRおよびIRで分析した。その結果を
図7および図8にそれぞれ示す。これらの図から、得ら
れた固体はP(VEC−VFA)であると同定、確認さ
れた。このP(VEC−VFA)のMwは200,00
0であった。また、P(VEC−VFA)中、VEC構
造単位含有率は35モル%、VFA構造単位含有率は6
5モル%であり、仕込み比通り共重合したことが確認さ
れた。
【0038】<実施例8>実施例1において、VECと
VPの仕込み量をそれぞれ10部、85部に変更すると
ともに、単量体成分としてさらにメタクリル酸グリシジ
ル(以下、「GMA」と記す)5部を仕込んだこと以外
は実施例1と同様の操作を行うことにより、約50%の
収率で白色固体を得た。この固体を 1H−NMRおよび
IRで分析した結果、得られた固体はP(VEC−VP
−GMA)であると同定、確認された。このP(VEC
−VP−GMA)のMwは300,000であった。ま
た、P(VEC−VP−GMA)中、VEC構造単位含
有率は10モル%、VP構造単位含有率は85モル%、
GMA構造単位含有率は5モル%であり、仕込み比通り
共重合したことが確認された。
【0039】<実施例9>実施例1において、VECと
VPの仕込み量をそれぞれ5部、90部に変更するとと
もに、単量体成分としてさらにアクリル酸ブチル(以
下、「BA」と記す)5部を仕込んだこと以外は実施例
1と同様の操作を行うことにより、約40%の収率で白
色固体を得た。この固体を 1H−NMRおよびIRで分
析した結果、得られた固体はP(VEC−VP−BA)
であると同定、確認された。このP(VEC−VP−B
A)のMwは320,000であった。また、P(VE
C−VP−BA)中、VEC構造単位含有率は5モル
%、VP構造単位含有率は85モル%、BA構造単位含
有率は10モル%であり、仕込み比通り共重合したこと
が確認された。
【0040】<実施例10>実施例1において、VEC
とVPの仕込み量をそれぞれ30部、40部に変更する
とともに、単量体成分としてさらに酢酸ビニル(以下、
「VAc」と記す)30部を仕込んだこと以外は実施例
1と同様の操作を行うことにより、約50%の収率で白
色固体を得た。この固体を 1H−NMRおよびIRで分
析した結果、得られた固体はP(VEC−VP−VA
c)であると同定、確認された。このP(VEC−VP
−VAc)のMwは200,000であった。また、P
(VEC−VP−VAc)中、VEC構造単位含有率は
30モル%、VP構造単位含有率は40モル%、VAc
構造単位含有率は30モル%であり、仕込み比通り共重
合したことが確認された。
【0041】<比較例1>実施例1において、VECと
VPの仕込み量をそれぞれ90部、10部に変更したこ
と以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、約3
5%の収率で白色固体を得た。この固体を 1H−NMR
およびIRで分析した結果、得られた固体はP(VEC
−VP)であると同定、確認された。このP(VEC−
VP)のMwは20,000であった。また、P(VE
C−VP)中、VEC構造単位含有率は85モル%、V
P構造単位含有率は15モル%であった。 <比較例2>実施例2において、VECとVPの初期仕
込量をそれぞれ22.4部、5.6部に変更するととも
に、VECとVPの滴下仕込み量をそれぞれ89.6
部、22.4部に変更したこと以外は実施例2と同様の
操作を行おうとしたが、滴下途中から重合体が凝集し、
攪拌が困難になったため、滴下途中に反応を中止した。
この凝集した固体を 1H−NMRおよびIRで分析した
結果、得られた固体はP(VEC−VP)であると同
定、確認された。このP(VEC−VP)のMwは5
0,000であった。また、P(VEC−VP)中、V
EC構造単位含有率は75モル%、VP構造単位含有率
は25モル%であった。
【0042】<VEC−ビニルアミド類共重合体の物性
評価>上記実施例1〜10および比較例1で得られたV
EC−ビニルアミド類共重合体について、フィルム成形
性(可撓性)を以下の方法で評価した。 (フィルム成形性(可撓性)):各共重合体の20重量
%DMF溶液を調製し、この溶液をPETフィルムにバ
ーコーターで塗布し、130℃の減圧乾燥で30分間乾
燥させた後、形成された共重合体フィルムをPETフィ
ルムから剥がし、該共重合体フィルムの外観を観測して
評価した。クラックのない均一なフィルムなら「○」、
数クラックが入っているフィルムなら「△」、フィルム
にクラックが入り、割れてしまったら「×」とした。そ
の結果は以下の通りであった。
【0043】実施例1…△、実施例2…○、実施例3…
○、実施例4…○、実施例5…△、実施例6…△、実施
例7…○、実施例8…○、実施例9…○、実施例10…
○、比較例1…×。
【0044】
【発明の効果】本発明のVEC−ビニルアミド類共重合
体は、前記一般式(i)で示すVEC系構造単位(A)
を有するので、この構造単位に由来する高誘電率、高T
g等の性能を発揮するとともに、前記一般式(ii)で
示すN−ビニルアミド類構造単位(B)を有するので、
この構造単位に由来する親水性や凝集力等の性能を発揮
する。また、この共重合体は、全構造単位に対する構造
単位(A)の含有率が0.1モル%以上であるため、該
含有率が0.1モル%未満のものと比べて、構造単位
(A)に由来する高誘電率、高Tg等の性能を充分発揮
する。さらには、全構造単位に対する構造単位(A)の
含有率が50モル%未満であるため、該含有率が50モ
ル%を超えるものと比べて、成形性や可撓性等に優れ
る。
【0045】本発明のVEC−ビニルアミド類共重合体
の製造方法は、前記共重合工程を含むので、上記本発明
の新規VEC−ビニルアミド類共重合体を容易に得るこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたP(VEC−VP)の 1
−NMRチャート(溶媒:DMSO−d6 、横軸のpp
mは基準物質からの化学シフトδ値)。
【図2】実施例1で得られたP(VEC−VP)のIR
チャート(横軸のWavenumbersは波数(cm
-1)、縦軸のTransmittanceは透過率
(%))。
【図3】実施例5で得られたP(VEC−VOXD)の
1H−NMRチャート(溶媒:DMSO−d6 、横軸の
ppmは基準物質からの化学シフトδ値)。
【図4】実施例5で得られたP(VEC−VOXD)の
IRチャート(横軸のWavenumbersは波数
(cm-1)、縦軸のTransmittanceは透過
率(%))。
【図5】実施例6で得られたP(VEC−VCap)の
1H−NMRチャート(溶媒:DMSO−d6 、横軸の
ppmは基準物質からの化学シフトδ値)。
【図6】実施例6で得られたP(VEC−VCap)の
IRチャート(横軸のWavenumbersは波数
(cm-1)、縦軸のTransmittanceは透過
率(%))。
【図7】実施例7で得られたP(VEC−VFA)の 1
H−NMRチャート(溶媒:DMSO−d6 、横軸のp
pmは基準物質からの化学シフトδ値)。
【図8】実施例7で得られたP(VEC−VFA)のI
Rチャート(横軸のWavenumbersは波数(c
-1)、縦軸のTransmittanceは透過率
(%))。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 HA02 HA03 HA04 4J100 AA02R AA03R AE03R AE04R AG04R AJ02R AJ08R AJ09R AK13R AK18R AL01R AL10R AL36R AN04P AQ01Q AQ06P AQ08P BA11P BA13P BA14P BA16P BC43P BC79P CA04 CA05 JA01 JA03 JA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(i)で示すビニルエチレンカ
    ーボネート(VEC)系構造単位(A)と下記一般式
    (ii)で示すN−ビニルアミド類構造単位(B)とそ
    の他の構造単位(C)とを、全構造単位に対し、(A)
    0.1モル%以上かつ50モル%未満、(B)99.9
    モル%以下かつ0.1モル%超、(C)0モル%以上か
    つ99.8モル%以下の比率(ただし、(A)、
    (B)、(C)の合計は100モル%)で有する新規V
    EC−ビニルアミド類共重合体。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 はそれぞ
    れ独立に水素原子またはアルキル基を表し、XおよびY
    はそれぞれ独立に水素原子または有機残基を表す。但
    し、XとYが結合して窒素原子を含めたヘテロ環構造を
    形成しているものも含む。)
  2. 【請求項2】下記一般式(iii)で示すビニルエチレ
    ンカーボネート(VEC)系単量体(a)と、下記一般
    式(iv)で示すN−ビニルアミド類単量体(b)と、
    これらと共重合可能なその他の単量体(c)とを、全単
    量体成分に対し、(a)0.1モル%以上かつ50モル
    %未満、(b)99.9モル%以下かつ0.1モル%
    超、(c)0モル%以上かつ99.8モル%以下の比率
    (ただし、(a)、(b)、(c)の合計は100モル
    %)で含む単量体成分を共重合反応させる共重合工程を
    含む製造方法により得られる、請求項1に記載の新規V
    EC−ビニルアミド類共重合体。 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 はそれぞ
    れ独立に水素原子またはアルキル基を表し、XおよびY
    はそれぞれ独立に水素原子または有機残基を表す。但
    し、XとYが結合して窒素原子を含めたヘテロ環構造を
    形成しているものも含む。)
  3. 【請求項3】下記一般式(iii)で示すビニルエチレ
    ンカーボネート(VEC)系単量体(a)と、下記一般
    式(iv)で示すN−ビニルアミド類単量体(b)と、
    これらと共重合可能なその他の単量体(c)とを、全単
    量体成分に対し、(a)0.1モル%以上かつ50モル
    %未満、(b)99.9モル%以下かつ0.1モル%
    超、(c)0モル%以上かつ99.8モル%以下の比率
    (ただし、(a)、(b)、(c)の合計は100モル
    %)で含む単量体成分を共重合反応させることにより、
    請求項1に記載の新規VEC−ビニルアミド類共重合体
    を得る共重合工程を含む、VEC−ビニルアミド類共重
    合体の製造方法。 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 はそれぞ
    れ独立に水素原子またはアルキル基を表し、XおよびY
    はそれぞれ独立に水素原子または有機残基を表す。但
    し、XとYが結合して窒素原子を含めたヘテロ環構造を
    形成しているものも含む。)
  4. 【請求項4】前記共重合反応が、水、アルコールまたは
    それらの混合溶媒中で行われる、請求項3に記載のVE
    C−ビニルアミド類共重合体の製造方法。
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