JP2001010900A - シリコン鋳塊切断方法 - Google Patents

シリコン鋳塊切断方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン鋳塊を連続的に製造するシリコン鋳
造装置20から引き出されるシリコン鋳塊10を高温で
切断して、設備高さの増大を回避する。 【解決手段】 シリコン鋳造装置20から引き出される
シリコン鋳塊10を、回転式のダイヤモンドカッタ31
により、鋳塊温度が250〜650℃の範囲で乾式切断
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池基板等の
製造に使用されるシリコン鋳塊の切断方法、特に、シリ
コンを連続的に鋳造するシリコン鋳造装置から引き出さ
れるシリコン鋳塊の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池基板には、シリコン鋳塊から定
型の薄板に切り出されたシリコンウエーハが使用されて
いる。ここにおけるシリコン鋳塊は、多結晶シリコンの
方向性凝固鋳塊であり、その製造は、例えば電磁鋳造と
呼ばれる連続的な鋳造方法により行われる。
【0003】シリコンの電磁鋳造は、軸方向の少なくと
も一部で周方向に分割された筒状の導電性無底ルツボを
使用し、無底ルツボの外側に配置された誘導コイルによ
り、無底ルツボ内の原料シリコンを溶解し、その融液を
凝固させながら無底ルツボの下方へ引き出すことによ
り、シリコン鋳塊を連続的に製造する。この鋳造方法
は、シリコン鋳塊を連続的に製造することができるの
で、鋳造コストを安価に抑えることができる上に、無底
ルツボ内のシリコン融液をルツボ内面に対して反発させ
ることができ、無底ルツボからの融液の汚染を低位に抑
制できるので、高い鋳塊品質を確保できるという特徴が
ある。
【0004】本出願人は、このシリコンの電磁鋳造に早
くから着目し、既に、これによるシリコン鋳塊の量産を
開始しており、その過程で新しい技術を数多く提案して
いる(特許第2630417号公報、同2657240
号、同2660225号等)。そして、提案された技術
の一つとして、チャンバ内で連続的に製造されるシリコ
ン鋳塊を、チャンバ下部の非接触シールを備えた引き出
し口からチャンバの下方へ引き出し、チャンバの下方で
回転式のダイヤモンドカッタによって切断するものがあ
る(特許第2660225号)。この技術は、鋳造を長
時間継続する上で不可欠のものであり、量産化を図る上
で果たした役割は非常に大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チャン
バから引き出されるシリコン鋳塊は、通常の金属材料と
比べて非常に硬く、しかも、チャンバ直下で数100℃
と高温である。このような高温・高硬度のシリコン鋳塊
を支障なく切断できる技術は、出願人の知る限り存在し
なかった。このため、従来は鋳塊温度が常温近くまで低
下した段階、即ちチャンバのかなり下方でダイヤモンド
カッタによる切断を行っていた。
【0006】即ち、シリコン鋳塊のような高硬度の材料
を切断する方法としては、レーザ等を用いた加熱溶解切
断と、回転式のダイヤモンドカッタによる切削切断があ
るが、溶解切断は急速加熱による熱歪み(割れ)を発生
させるため、シリコン鋳塊の切断には適用できない。こ
のため、シリコン鋳塊の切断には、回転式のダイヤモン
ドカッタによる切削しか適用が困難である。
【0007】回転式のダイヤモンドカッタは、円形のベ
ース板の外周部にダイヤモンドの粉末を接着固定したも
のであり、これを回転させながら材料に切り込むが、材
料との摩擦による熱が発生し、この発熱を放置すると、
早期にダイヤモンドが剥離又は磨滅して使用不能になっ
たり、ベース板が歪んだりする。このため、ダイヤモン
ドカッタによる切断では、切断部に多量の水や油などの
冷却・潤滑媒体を吹き付けながら切断を行う、いわゆる
湿式切断が採用される。
【0008】しかし、チャンバから出た直後のシリコン
鋳塊は、前述したとおり高温である。このような高温の
シリコン鋳塊に湿式切断を行うと、媒体の気化放熱の影
響で高温鋳塊が局部的に急冷され、熱歪みによる割れや
残留応力が発生する。このため、鋳塊温度が常温近くま
で低下した段階、即ちチャンバのかなり下方で回転式の
ダイヤモンドカッタによる湿式切断を行っていた。
【0009】鋳造速度が遅い場合は、鋳塊温度が常温近
くまで低下する間に鋳塊が下降する距離は小さく、設備
高さ等に大きな影響を与えないが、最近は様々な工夫に
より鋳塊速度が大きく増大しており、これに伴い、ダイ
ヤモンドカッタはチャンバの数10m下方へ位置させね
ばならず、この切断位置低下による設備高さの増大等が
非常に大きな問題になってきた。
【0010】本発明の目的は、シリコンを連続的に鋳造
するシリコン鋳造装置から引き出される高温のシリコン
鋳塊を、鋳造装置直下で支障なく切断できるシリコン鋳
塊切断方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、高温のシリコン鋳塊を切断する方法
を開発するべく、回転式のダイヤモンドカッタを用いた
種々の切断実験を繰り返した。その結果、鋳塊温度が6
50℃までであれば、切断部に水や油などの潤滑冷却媒
体を直接供給しない乾式切断によって、シリコン鋳塊が
支障なく切断され、しかも、比較的長いカッタ寿命が確
保されることを知見した。また、カッタの外周部に切り
込みや開口部を設けたり、その外周部に水や油を少量供
給したりすることにより、鋳塊に悪影響を及ぼすことな
く、カッタ寿命が一層延長されることを、合わせて知見
した。
【0012】本発明のシリコン鋳塊切断方法は、かかる
知見に基づいて開発されたものであり、シリコンを連続
的に鋳造するシリコン鋳造装置から引き出されるシリコ
ン鋳塊を、回転式のダイヤモンドカッタにより鋳塊温度
が250〜650℃の範囲で乾式切断するものである。
【0013】回転式のダイヤモンドカッタは、カッタ冷
却手段により刃部の冷却を促進する構成が好ましい。カ
ッタ冷却手段としては、外周面に周方向に所定の間隔で
形成された多数の切り込み及び/又は外周面近傍に周方
向に所定の間隔で形成された多数の開口部がある。ま
た、ダイヤモンドカッタの外周部に、潤滑冷却液を噴霧
又は塗布により少量供給するのも効果的なカッタ冷却手
段であり、切り込みや開口部との併用が特に好ましい。
【0014】本発明のシリコン鋳塊切断方法では、乾式
切断を採用し、切断部に潤滑冷却液が直接供給されない
ため、鋳塊温度が250℃以上であるにもかかわらず、
局部的な急冷による熱歪み(割れや残留応力)の発生が
防止される。また、鋳塊温度が650℃以下(好ましく
は600℃以下)に制限されているため、乾式切断であ
るにもかかわらず、ダイヤモンドの剥離又は磨滅が抑制
され、比較的長いカッタ寿命が確保される。これらによ
り、シリコン鋳造装置直下で高温のシリコン鋳塊が支障
なく切断される。
【0015】ただし、切断時の鋳塊温度が650℃を超
えると、ダイヤモンドの炭化のため、カッタ寿命が極端
に悪化する。また、650℃を超える高温で鋳塊に機械
的衝撃を与えると、鋳塊が割れる危険性が高い。更に、
このような高温で鋳塊を鋳造装置外へ引き出すと、熱衝
撃による割れの危険性もある。一方、切断時の鋳塊温度
が250℃未満の場合は、鋳造装置から切断位置までの
距離が長くなり、設備高さの増加が問題になる。ちなみ
に、シリコン鋳塊の製造でその鋳塊を250℃未満にす
るには加熱をしない状態でも25時間程度は必要であ
り、鋳造速度が2mm/分の場合は鋳造装置から切断位
置までの距離が3m以上になる。
【0016】ダイヤモンドカッタの外周面に切り込みを
設けたり、外周面近傍に開口部を設けた場合は、空気の
攪拌が促進されると共に、放熱面積が増大することによ
り、ダイヤモンド刃部の冷却が促進され、カッタ寿命が
一層延びる。同様に、ダイヤモンドカッタの外周部に、
冷却液を噴霧又は塗布により少量供給した場合も、供給
液の気化によりダイヤモンド刃部の冷却が促進され、カ
ッタ寿命が一層延びる。また、その気化によって供給液
がカッタから除去され、切断部への液供給が回避された
め、鋳塊の局部的な急冷が防止される。そして、切り込
みや開口部を設けたカッタの外周部へ液供給を行った場
合は、カッタ寿命が特に効果的に延長される。
【0017】シリコン鋳造装置は、実質的に際限なく鋳
造を継続する装置だけでなく、所定長の鋳塊を連続製造
する半連続的な装置も含む。原料加熱は、前述した電磁
加熱に限らず、プラズマ加熱等も可能であり、これらの
併用も可能である。鋳造装置から引き出されるシリコン
鋳塊の切断は、鋳塊が下降している状態で行うことも、
下降を一時的に停止した状態で行うことも可能である。
下降を一時的に停止した状態で切断を行う場合、鋳造部
では、例えば加熱を制限して原料供給を一時的に停止す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示すシ
リコン鋳造設備の構成図、図2はダイヤモンドカッタの
平面図、図3は図2のA−A線矢示図である。
【0019】図1に示すように、シリコン鋳造設備は、
シリコン鋳塊10を連続的に製造するシリコン鋳造装置
20と、シリコン鋳造装置20の下方に設けられた鋳塊
切断装置30とを備えている。
【0020】シリコン鋳造装置20は、連続鋳造部及び
鋳塊保温部を収容するチャンバ21を備えている。チャ
ンバ21内には、誘導コイル22と組み合わされた角筒
状の無底ルツボ23が設けられている。無底ルツボ23
の下方には、角筒状の第1保温炉24が設けられ、更に
その下には、角筒状の第2保温炉25が設けられてい
る。
【0021】無底ルツボ23は水冷式の銅製であり、誘
導コイル22と共同してシリコン鋳塊10を連続的に製
造する。この製造のために、無底ルツボ23は上端部を
残して周方向に複数に分割されている。また、無底ルツ
ボ23内には、チャンバ21の上方に設けられた原料ホ
ッパ27からダクト28を介してシリコン原料が投入さ
れる。その投入原料の加熱のために、無底ルツボ23内
には上方からプラズマトーチ26が挿入されている。
【0022】無底ルツボ23の下に続けて配置された第
1保温炉24は誘導加熱式、その下の第2保温炉25は
温度傾斜型であり、これらは、無底ルツボ23から引き
出されるシリコン鋳塊10に軸方向で所定の温度勾配を
付与する。第2保温炉25から出たシリコン鋳塊10
は、非接触式又は軟接触式のシールを備えた出口からチ
ャンバ21の下方に引き出され、鋳片切断装置30へ送
られる。
【0023】鋳塊切断装置30は、チャンバ21の下方
に配置された回転式のダイヤモンドカッタ31と、その
上下に配置された複数のクランプ機構32,32・・と
を備えており、ダイヤモンドカッタ31の配置位置は、
チャンバ21の下方に引き出されるシリコン鋳塊10が
250〜650℃の温度範囲で切断されるように設定さ
れている。
【0024】鋳塊切断装置30のダイヤモンドカッタ3
1は、図2及び図3に示すように、所定速度で回転駆動
される水平な円形のベース板31aと、ベース板31a
の外周部に、ダイヤモンドの粉末を接着固定して形成さ
れた刃部31bとを有している。ダイヤモンドカッタ3
1の冷却手段として、その外周面には、多数の切り込み
31c,31c・・が周方向に所定の間隔で設けられて
いる。またダイヤモンドカッタ31の外周面近傍には、
切り込み31c,31c・・とは別に或いは切り込み3
1c,31c・・と共に、多数の円形開口部31d,3
1d・・が周方向に所定の間隔で設けられている。
【0025】このダイヤモンドカッタ31は、所定速度
で回転しながら、チャンバ21の下方に引き出されるシ
リコン鋳塊10に直角に切り込まれることにより、シリ
コン鋳塊10を定位置で乾式切断する。ダイヤモンドカ
ッタ31の近傍には、ダイヤモンドカッタ31の刃部3
1aに水等の冷却液を少量供給するために、冷却液の噴
霧機構33が冷却手段として設けられている。
【0026】複数のクランプ機構32,32・・は、複
数本の支柱34,34・・に固定されており、チャンバ
21の下方に引き出されるシリコン鋳塊10を、その切
断時に切断部の上下で固定する。切断時以外は、クラン
プ機構32,32・・はシリコン鋳塊10を解放し、そ
の下降を許容する。
【0027】次に、上記のシリコン鋳造設備を用いてシ
リコン鋳塊10を製造する方法について説明する。
【0028】チャンバ21内を所定の不活性ガス雰囲気
(常圧)に保持する。無底ルツボ23の底をダミー鋳塊
により閉じた状態で、無底ルツボ23内に初期原料を投
入し、誘導コイル22とプラズマトーチ26により溶解
し、原料融液11を形成する。無底ルツボ23内に原料
投入を続けながら、無底ルツボ23内の原料融液11を
下降させて凝固させる。これにより、無底ルツボ23か
らシリコン鋳塊10が連続的に引き出される。
【0029】無底ルツボ23から引き出されるシリコン
鋳塊10は、第1保温炉24内及び第2保温炉25内を
通過し、その過程で軸方向で所定の温度勾配を付与され
た後、チャンバ21の下方に引き出される。鋳塊温度は
保温炉の下方に引き出された時点で例えば600〜80
0℃程度である。
【0030】チャンバ21の下方に引き出されたシリコ
ン鋳塊10は、鋳塊切断装置30を通過し、その下方に
成長を続ける。ダイヤモンドカッタ31の下方に所定長
のシリコン鋳塊10が製造されると、シリコン鋳塊10
の下降を一時停止し、鋳塊切断装置30によりシリコン
鋳塊10の切断を行う。一時停止中は、無底ルツボ23
内への原料投入を停止すると共に、無底ルツボ23内の
投入原料に対する加熱を制限する。
【0031】鋳塊切断装置30によるシリコン鋳塊10
の切断では、複数のクランプ機構32,32・・により
シリコン鋳塊10が保持固定される。この状態で、シリ
コン鋳塊10がダイヤモンドカッタ31により、切断部
への直接的な液供給なしに乾式切断される。切断中、ダ
イヤモンドカッタ31の刃部31bには、水等の冷却液
が噴霧機構33により噴霧されるが、その噴霧量は、乾
式切断が阻害されないよう、散布液が散布と同時に気化
して切断部に殆ど供給されない程度の少量とされる。
【0032】切断が終わると、切断されたシリコン鋳塊
10を取り出し、鋳造を再開して、再度、ダイヤモンド
カッタ31の下方に所定長のシリコン鋳塊10を製造す
る。これを繰り返すことにより、シリコン鋳塊10が連
続的に製造される。
【0033】また切断では、切断部への直接的な液供給
がない乾式切断が用いられているため、切断時点の鋳塊
温度が250℃以上であるにもかかわらず、局部的な急
冷による熱歪み(割れや残留応力)の発生が防止され
る。また、切断時点の鋳塊温度が650℃以下に制限さ
れているため、乾式切断であるにもかかわらず、ダイヤ
モンドの剥離又は磨滅が抑制され、比較的長いカッタ寿
命が確保される。このような高温での鋳塊切断により、
チャンバ21からダイヤモンドカッタ31までの距離が
低減され、設備高さが抑制される。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施結果を示し、比較例と対
比させることにより、本発明の効果を明らかにする。
【0035】図1の形態でシリコン鋳造装置20から下
方に引き出されるシリコン鋳塊10を鋳塊切断装置30
により800mmずつ切断するに当たり、切断時点の鋳
塊温度(保温炉下端からダイヤモンドカッタ31までの
距離)を種々変更した。また、ダイヤモンドカッタ31
の冷却手段を種々変更した。
【0036】シリコン鋳造装置の全高は約8mである。
シリコン鋳造装置で製造されるシリコン鋳塊は太陽電池
用であり、鋳造寸法は160mm角、鋳造速度は0.5
〜10mm/分である。シリコン鋳造装置から引き出さ
れたシリコン鋳塊の熱衝撃による割れを防止するため
に、チャンバからの引き出し温度は、一部の比較例を除
き650℃とした。使用したダイヤモンドカッタは、直
径550mm×厚さ2mmのベース板の外周部に、粒径
が50μm程度のダイヤモンド粉を均等に塗布し固定剤
で固定したものであり、回転数は2540rpm、切り
込み速度は50mm/分とした。
【0037】切断時点の鋳塊温度がカッタ寿命及び保温
炉下端からカッタまでの距離に及ぼす影響について調査
した結果を表1に示す。カッタ寿命はシリコン鋳塊の面
積で表されており、鋳塊の断面積は0.0256m
2 (0.16m×0.16m)であるから、例えばカッ
タ寿命が1m2 は39回の鋳塊切断が可能であったこと
を表す。
【0038】表1から分かるように、切断時点の鋳塊温
度が700℃の場合は、カッタ寿命が極端に悪化する。
また、チャンバ外で700℃で切断を行うため、チャン
バからの引き出し温度を650℃より上げたため、引き
出されたシリコン鋳塊の熱衝撃による割れが発生する場
合があった。これに対し、切断時点の鋳塊温度を650
℃以下に制限することにより、1枚のカッタで数十回を
超える切断が可能になり、600℃以下では約200回
以上の切断が可能になる。カッタ冷却手段として、その
外周部に切り込みを設けたり水を噴霧したりすることに
よりカッタ寿命は更に延び、両者を併用することによ
り、カッタ寿命はカッタ冷却手段のない場合と比べ1.
5倍に達する。一方、切断時点の鋳塊温度が200℃未
満の場合は、カッタ寿命は問題ないものの、保温炉下端
からカッタまでの距離の増大による設備高さが問題にな
る。なお、切り込みは、幅5mm×深さ25mmのもの
を30mmピッチで設けた。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明のシリコン
鋳塊切断方法は、シリコンを連続的に鋳造するシリコン
鋳造装置から引き出されるシリコン鋳塊を支障なく高温
で切断することにより、鋳造速度が速い場合も、シリコ
ン鋳造装置から切断位置までの距離を抑え、設備高さの
低減及びこれによる設備コストの低減、メンテナンスの
簡略化等に大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシリコン鋳造設備の
構成図である。
【図2】ダイヤモンドカッタの一例を示す平面図であ
る。
【図3】図2のA−A線矢示図である。
【符号の説明】
10 シリコン鋳塊 20 シリコン鋳造装置 21 チャンバ 22 誘導コイル 23 無底ルツボ 24,25 保温炉 30 鋳塊切断装置 31 ダイヤモンドカッタ 32 クランプ機構 33 噴霧機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 5/12 B24D 5/12 Z H01L 21/304 611 H01L 21/304 611S (72)発明者 笹谷 賢一 兵庫県尼崎市東浜町1番地 株式会社住友 シチックス尼崎内 (72)発明者 木村 成利 兵庫県尼崎市東浜町1番地 株式会社住友 シチックス尼崎内 Fターム(参考) 3C063 AA10 AB03 BA12 BA23 BB02 EE10 EE31 FF16 4G077 AA02 BA04 CD08 CF01 EG01 FG12 FG13 HA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンを連続的に鋳造するシリコン鋳
    造装置から引き出されるシリコン鋳塊を、回転式のダイ
    ヤモンドカッタにより鋳塊温度が250〜650℃の範
    囲で乾式切断することを特徴とするシリコン鋳塊切断方
    法。
  2. 【請求項2】 回転式のダイヤモンドカッタは、外周面
    に周方向に所定の間隔で形成された多数の切り込み及び
    /又は外周面近傍に周方向に所定の間隔で形成された多
    数の開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の
    シリコン鋳塊切断方法。
  3. 【請求項3】 回転式のダイヤモンドカッタの外周部
    に、冷却液を噴霧又は塗布により少量供給することを特
    徴とする請求項1又は2に記載のシリコン鋳塊切断方
    法。
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