JP2001009993A - 熱収縮性積層フィルム及びそれからなる食品用包装フィルム - Google Patents

熱収縮性積層フィルム及びそれからなる食品用包装フィルム

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JP2001009993A JP11185499A JP18549999A JP2001009993A JP 2001009993 A JP2001009993 A JP 2001009993A JP 11185499 A JP11185499 A JP 11185499A JP 18549999 A JP18549999 A JP 18549999A JP 2001009993 A JP2001009993 A JP 2001009993A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動充填包装に適し、イージーピール性を有
し、ボイル殺菌用に好適で、仕上がり包装表面の皺が少
なく、外観のよい熱収縮性積層フィルム及びそれからな
る食品包装用フィルムを提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂からなる外側層
(1)、ポリアミド系樹脂からなる中間層(2)、中間
層(2)を介して外側層(1)と対向して配置されたポ
リオレフィン系樹脂からなるもう一方の外側層(3)の
少なくとも3層からなる積層フィルムであって、両外側
層のいずれかがイージーピール層であり、該積層フィル
ムを封筒貼り型シールにしたときのシール部のT剥離力
(T)が20〜500g/cmの範囲である熱収縮性積
層フィルム及びそれからなる食品包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド系樹脂
からなる中間層とポリオレフィン系樹脂の両外側層の少
なくとも3層からなる熱収縮性積層フィルムに関する。
より詳しくは、イージーピール性を有し、食品包装用と
して好適な熱収縮性積層フィルム、及びそれからなる食
品包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系フィルム層とポリアミ
ド系フィルム層とを積層した熱収縮性多層フィルムは良
好なヒートシール性、ある程度のガスバリヤー性を有し
ているので食品包装用途に広く利用されている。特にガ
スバリヤー性を要求される包装用途には塩化ビニリデン
樹脂、エチレン・酢酸ビニルケン化物(EVOH)樹脂
などのフィルムの層をガスバリヤー性の層とする多層フ
ィルムとしている。また、必要に応じて二軸延伸多層フ
ィルムとし、種々の機能を備えたガスバリヤー性の熱収
縮性フィルムを得ている。例えば、特公平5−7642
3号公報には、熱収縮性基材フィルムの両面に熱収縮性
シーラントフィルムを積層してなるヒートシール性を有
する熱収縮性積層包装材料に関する発明が提案されてい
る。具体的には2軸延伸したポリアミド系フィルムを熱
収縮性基材フィルムとし、その両面に2軸延伸したリニ
ヤー低密度ポリエチレンフィルムの熱収縮性シーラント
フィルムが積層された熱収縮性積層フィルムが開示され
ている。この包装材料は、熱収縮包装に用いると仕上が
り外観がよく、ミートパッケージ、チーズその他各種の
物品の収縮包装に適していることが記載されている。し
かしながら、この先行技術に限らず、熱収縮性フィルム
であって、イージーピール性を有するものは知られてい
ない。これは熱収縮性積層フィルムであると、熱収縮さ
せたときにイージーピール層から剥離が生じ、被包装物
が食品であれば腐敗をもたらすとか、食品でなくても輸
送中に袋が破れ、商品価値を消失させるものと推定され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
充填包装に適し、イージーピール性を有し、ボイル殺菌
用に好適で、仕上がり包装表面の皺が少なく、外観のよ
い熱収縮性積層フィルム及びそれからなる食品包装用フ
ィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリアミド系樹脂
からなる中間層とポリオレフィン系樹脂からなる両外側
層の少なくとも3層からなる積層フィルムであって、そ
の積層フィルムを封筒貼り型シールにしたときのシール
部のT剥離力と剪断剥離力が特定化された熱収縮性積層
フィルムがかかる問題点を解決し得ることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、ポリオレフィン系樹脂
からなる外側層(1)、ポリアミド系樹脂からなる中間
層(2)、中間層(2)を介して外側層(1)と対向し
て配置されたポリオレフィン系樹脂からなるもう一方の
外側層(3)の少なくとも3層からなる積層フィルムで
あって、両外側層のいずれかがイージーピール層であ
り、該積層フィルムを封筒貼り型シールにしたときのシ
ール部のT剥離力(T)が20〜500g/cmの範囲
であることを特徴とする熱収縮性積層フィルムを提供す
る。前記発明において、さらにシール部の剪断剥離力
(S)が200g/cm以上であり、かつ、T剥離力
(T)と剪断剥離力(S)の比(T/S)が0.30以
下であることを特徴とする熱収縮性積層フィルムを提供
する。前記発明においてイージーピール層が海島構造を
有する熱収縮性積層フィルム及び中間層(2)がポリア
ミド系樹脂からなる層及びエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物(EVOH)からなる層の少なくとも2層か
ら構成されている熱収縮性積層フィルムを提供する。ま
た、前記発明において90℃、3分で縦、横それぞれ5
〜30%の熱水収縮率を有する熱収縮性積層フィルムを
提供する。さらに、前記発明の熱収縮性積層フィルムか
らなるハム又はソーセージ、チーズ、和洋菓、練製品包
装用、惣菜、卵又は卵加工製品等の食品包装用フィルム
を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で外側層(1)及びもう一方の外側層
(3)に用いられ得るポリオレフィン系樹脂としては、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の少なくと
も1種の樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂として
は、ポリエチレンホモポリマーのほか、α−オレフィン
とエチレンとのコポリマー(エチレン含量が90重量%
以上)であってもよい。コポリマーはランダム共重合
体、ブロック共重合体又はこれらのポリマーの混合物の
いずれであってもよい。超低密度ポリエチレン(VLD
PE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)など
のエチレン・α−オレフィン共重合体が挙げられる。こ
れらの共重合体のうちではメタロセン触媒を用いて得ら
れる共重合体(本発明においてはSSC系と云うことも
ある)、特に密度0.86〜0.94g/cm3、好ま
しくは0.88〜0.92g/cm3のものが好まし
い。例えば、ダウ社から市販されている商品名「アフィ
ニティー」、「エリート」などである。また、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)などを挙げるこ
ともできる。これらの樹脂は、積層フィルムに熱収縮
性、低温シール性、耐酷使性、柔軟性が求められるとき
に用いられる。中でもメタロセン触媒を用いて得られ
た、融点が100〜120℃の、エチレンと炭素数が3
〜8のα−オレフィンからなる二元以上の多元の共重合
体の直鎖状低密度ポリエチレンからなるフィルムを構成
層として用いた熱収縮性積層フィルムがボイル殺菌用ハ
ム・ソーセージの自動充填包装用に好適に用いられる。
【0007】ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレ
ンホモポリマーのほか、炭素数が2もしくは4〜8のα
−オレフィンとプロピレンからなる二元以上の多元の共
重合体(プロピレン含量が90重量%以上)であっても
よい。またコポリマーはランダムコポリマー、ブロック
コポリマー、又はこれらのポリマーの混合物のいずれで
あってもよい。ポリプロピレン系樹脂の物性としては限
定的ではないが、通常フィルム成形に適したメルトイン
デックス(MFR)が0.5〜20g/10分(JIS
K6758に準拠,230℃,2.16Kg荷重)の
範囲にあるもの、特に0.5〜10g/10分の範囲に
あるものが好ましく、また密度が0.89〜0.92g
/cm3の範囲にあるものが好ましい。レトルト殺菌
用、ボイル殺菌用には、プロピレンと炭素数が2もしく
は4〜8のα−オレフィンからなり、プロピレン含量が
90重量%以上の二元以上の多元のランダム共重合体単
独、又はこれを主とするポリエチレン、ポリプロピレン
のホモポリマーもしくはコポリマーとの混合物が好適に
用いられる。また、これからの樹脂からなるフィルムが
ハム・ソーセージの自動充填包装用に特に有用である。
【0008】イージーピール層となる外側層に用いられ
るポリオレフィン系樹脂は、前記のポリプロピレン系樹
脂、ポリエチレン系樹脂又はこれらの混合樹脂に、例え
ば密度が0.86〜0.88g/cm3でDSCによる
最高融解ピーク温度が110℃未満のエチレン−α−オ
レフィン共重合体を前者100重量部に対し25〜40
0重量部配合した樹脂組成物、同じくポリブテン−1を
配合したもの、同様な樹脂組成物として230℃におけ
るメルトフローレートが8g/10分以下のポリプロピ
レン20〜65重量%と密度が0.935g/cm3
上の高密度ポリエチレン35〜80重量%の混合物、ポ
リプロピレン15〜85重量%とエチレン−メタクリル
酸共重合体20〜85重量%の樹脂組成物、エチレン−
α,β−不飽和酸共重合体の金属塩60〜95重量%と
エチレン−α,β−不飽和酸エステル共重合体40〜5
重量%の樹脂組成物、アイオノマー40〜80重量%、
ポリブテン−1が15〜20重量%及びポリエチレン5
〜40重量%の樹脂組成物、アイオノマー40〜89.
9重量%、エチレン−メタクリル酸共重合体5〜20重
量%、ポリプロピレン5〜40重量%、及び無機充填剤
0.1〜2.0重量%の樹脂組成物、アイオノマー60
〜90重量%とポリプロピレン10〜40重量%の樹脂
組成物等多くのイージーピール性樹脂として公知のもの
を用いることができる。中でも、ポリオレフィン系樹脂
としては、ポリエチレン系イージーピール樹脂(ヒロダ
イン社製、「ヒロダイン7536」)、ポリプロピレン
系イージーピール樹脂(ヒロダイン社製、「ヒロダイン
7561」)を例示することができる。これらの樹脂を
いずれかの外側層に用い、もう一つの外側層とシールし
包装体を形成し、そのシール部を剥離するときにはイー
ジーピール層の凝集破壊により容易に剥離ができる。な
お、これらの樹脂からなるイージーピール層は、海島構
造をとることもある。海島構造を有することにより、こ
の層の凝集破壊をより起こし易くすると推定される。こ
の樹脂層の顕微鏡観察により海島構造を有することが確
認できる。
【0009】本発明の中間層(2)として用いられるポ
リアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミドと芳香族ポ
リアミドが挙げられる。脂肪族ポリアミドとしては、例
えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン66、ナイロン69、ナイロン610等の縮合単位
の重合体、又はこれら2種以上との共重合体が挙げら
る。これらの中でナイロン6、ナイロン6−66、ナイ
ロン6−12等が好ましい。
【0010】本発明で云う芳香族ポリアミドとしては、
以下に述べる二つのうちいずれであってもよい。そのう
ちの一つは、メタキシリレンジアミン単独、又はメタキ
シリレンジアミン60重量%以上、好ましくは70重量
%以上と、パラキシリレンジアミン40重量%以下、好
ましくは30重量%以下とのジアミン混合物のような芳
香族系ジアミンと、芳香族又は脂肪族ジカルボン酸、好
ましくは脂肪族ジカルボン酸、さらに好ましくは炭素数
6〜12の脂肪族ジカルボン酸、例えば、アジピン酸、
セバシン酸、スベリン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸等との重縮合反応により合成されるポリアミド樹脂で
ある。
【0011】より具体的には、ポリメタキシリレンアジ
パミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシ
リレンスベラミド等の単独重合体、メタキシリレン/パ
ラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パ
ラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パ
ラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パ
ラキシリレンアジパミド/セバカミド共重合体等が挙げ
られる。これらの中でも、ポリメタキシリレンアジパミ
ド(TRMXD6)が好ましい。これら芳香族ポリアミド
からなるフィルムの層は、本発明の熱収縮性積層フィル
ムに酸素ガスバリヤー性を付与するための層である。
【0012】また、別の芳香族ポリアミドとしては、前
記芳香族系ジアミンを構成単位とする縮合単位(例えば
メタキシリレンアジパミド)と、他のポリアミド、好ま
しくは脂肪族ポリアミド、例えばナイロン6、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナ
イロン610等の縮合単位の1種以上との共重合体が挙
げられ、該共重合体中の芳香族系ジアミン縮合単位含量
は4〜40重量%の範囲であることが好ましい。4重量
%未満では製品積層フィルムの酸素ガスバリヤー性が低
下し、40重量%を超えると得られる積層フィルムの剛
性が大きくなり過ぎ、成形性、熱収縮性、柔軟性が劣る
傾向にある。芳香族ポリアミド共重合体の好ましい例と
しては、ナイロン6/12/MXD6、ナイロン610
/MXD6、ナイロン66/610/MXD6などが挙
げられる。芳香族ポリアミド共重合体は、芳香族系ジア
ミン縮合単位を主成分とする結晶性ポリアミド系樹脂の
結晶化速度を遅くして加熱延伸操作を容易にすることが
でき、結果としてフィルムに柔軟性を付与するので、本
発明のポリアミド系樹脂からなる層は、前記芳香族ポリ
アミドを50〜99重量%、さらには60〜95重量
%、芳香族ポリアミド共重合体を1〜50重量%、さら
には5〜40重量%の割合(両者の合計は100重量
%)で混合して形成することが好ましい。
【0013】本発明のポリアミド系樹脂からなる中間層
(2)とは、前記ポリアミド系樹脂単独又はポリアミド
系樹脂60重量%以上と他のポリマー、添加物との混合
物からなるフィルム単独又はこのフィルムに他のポリア
ミド、例えば脂肪族ポリアミドのフィルムが両側あるい
は片側に積層された多層フィルムも含めた意味で用いら
れる。ここで他のポリマーとは、ポリアミド系樹脂層の
透明性を損なわない限度で混合し得るポリマー、例え
ば、アイオノマー、エチレン−アクリル酸コポリマーを
云う。ポリアミド系樹脂からなる層が、上記のように多
層フィルムであっても層構成としてはポリアミド系樹脂
からなる層として扱う。ポリアミド系樹脂からなる層は
95℃における熱収縮率が縦、横、各々10〜35%、
さらには15〜30%であることが好ましい。なお、こ
こで縦および横とは、任意の一方向を縦とし、これに直
角の方向を横とする。
【0014】さらに、ポリアミド系樹脂からなる中間層
(2)は、上記ポリアミド系樹脂からなる層及びエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)からなる
層の少なくとも2層から構成されていてもよい。EVO
Hとしては、成形性や酸素バリヤー性の観点から、通常
210℃、10 2sec-1の剪断速度における溶融粘度
ηが1.0×103〜3.0×104ポイズの範囲のもの
が好ましい。また、エチレン成分含有率は20〜55モ
ル%の範囲、さらには20〜45モル%の範囲が好まし
い。ケン化度に関しては90モル%以上が好ましく、9
5モル%以上のものがより好ましく用いられる。中間層
は少なくとも1つの層が熱収縮性であることが好まし
い。
【0015】本発明において、必要に応じて中間層
(2)と両外側層(1)、(3)の間に接着剤層を設け
ることができる。例えば、これらの層間に接着剤樹脂層
を介在させて、各層間密着性の良好な積層フィルムを形
成することができる。積層方法の一つの態様として共押
出法による積層法がある。この場合の接着剤樹脂として
は、例えばポリエチレン系樹脂(LLDPE、VLDP
Eなどのα−オレフィン系樹脂を含む)、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、これらのモノマー相互の共重合体、ア
イオノマー樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン類の単独又は
共重合体に、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸等の不
飽和カルボン酸又はその酸無水物若しくはそのエステル
をグラフト共重合した変性重合体、及びこれらの2種以
上の混合物を挙げることができる。別の態様として、少
なくとも1つの層が熱収縮性を有する中間層(2)であ
り、両外側層の少なくともいずれかの層に、特にイージ
ーピール性を有する層がルーダーラミネート法で積層さ
れた熱収縮性積層フィルムも好ましく用いられる。この
場合ルーダーラミネートされる層(この例では、イージ
ーピール層)は非収縮性となるが、積層フィルム全体と
しては熱収縮性である。更に、別の態様として、少なく
とも1つの層が熱収縮性を有する中間層(2)であり、
両外側層の少なくともいずれかの層がドライラミネーシ
ョン法で積層された熱収縮性積層フィルムも好ましく用
いられる。この場合、両外側層が中間層にドライラミネ
ート法で積層された積層フィルム、外側層の片側のみが
中間層にドライラミネートされた積層フィルムがあり得
る。ドライラミネーションに用いられる接着剤は、ポリ
エステル系、エポキシ系、ウレタン系などの有機溶剤型
接着剤を用いる。また、ポリウレタン系無溶剤型ラミネ
ート法を用いてもよく、ラミネート方法に特に制限はな
い。
【0016】本発明における熱収縮性積層フィルムは、
ドライラミネーション法、ルーダーラミネーション(エ
クストルージョンラミネート法とも云う)又は共押出法
により製造されるが、特に限定されるものではなく公知
の方法を用いることができる。例えば、ラミネーターを
用い、予め延伸した厚さ10μmのMXD6熱収縮性フ
ィルムを中間層の基材フィルムとして、その片面にウレ
タン系接着剤を塗布し、乾燥炉を通しながら60〜70
℃で溶剤を蒸発させる。乾燥炉を出たフィルム基材の接
着剤塗布面に圧着ロールにより、予め延伸してある厚さ
10μmのポリプロピレン熱収縮性フィルムを貼り合わ
せる。次いで基材フィルム面にウレタン系接着剤を塗布
し、同様にポリプロピレン熱収縮性フィルムを貼り合わ
せる。通常巻き取り速度は、60〜120m/分の程度
である。張り合わせが終了したラミネートフィルムは4
0℃で72時間程度熟成することにより接着をより強化
する。共押出法では、例えば外側層1、接着樹脂層、中
間層、接着樹脂層、外側層2の5層を4〜5台の押出機
で環状に共押出しし、急冷後、再加熱してインフレーシ
ョンにより積層延伸フィルムとして製膜することができ
る。
【0017】本発明の熱収縮性積層フィルムをチューブ
状に成形して食品包装用フィルムとして用いる際、例え
ば、外側層(1)を最外層とすると、ヒートシール性、
耐透湿性、耐熱性等が要求され、外側層(3)は内側層
となり、中間層(2)の外側層(1)と対向した側に、
ルーダーラミネートされ非熱収縮性のイージーピール層
となる。この場合、外側層(3)の主材質は外側層
(1)の主材質と同じであっても、異なっていてもよ
い。
【0018】本発明によれば積層フィルムを構成する中
間層、両外側層はそれ自体熱収縮性を示しても、熱収縮
性を示さなくともよいが、積層フィルムとして熱収縮性
を有することが必要である。積層フィルムが熱収縮性を
有することにより、例えばボイル殺菌等の加熱殺菌処理
後の包装体表面の皺が少なく好ましい外観を与えること
ができる。また、両外側層のうちいずれかの外側層がイ
ージーピール層であることにより、積層フィルムを折り
畳み、封筒型シールすることによりチューブ状、又は袋
状に成形され、外側層(1)と外側層(3)とがシール
される。シール部分が剥離される際、いずれかの外側層
のイージーピール層が凝集破壊により剥離する。
【0019】本発明の熱収縮性積層フィルムは90℃、
3分で縦、横それぞれ5〜30%、さらには7〜25%
の熱水収縮率を有することが好ましい。熱水収縮率が上
記の範囲にあることによりボイル処理などの熱処理を行
った後の包装体表面の皺の発生が少なく、綺麗な外観と
なり経時的にも表面の状態変化が認められない包装体を
与える。
【0020】本発明の熱収縮性積層フィルムは、該積層
フィルムを封筒貼り型シールにしたときに、シール部の
T剥離力(T)が20〜500g/cm、好ましくは5
0〜400g/cm、より一層好ましくは100〜35
0g/cm、特に好ましくは200〜300g/cmで
ある。T剥離力(T)が、この範囲にあることにより剥
離する際に、抵抗感が少ない包装体を与える。又、T剥
離力(T)が前記範囲であり、シール部の剪断剥離力
(S)が200g/cm以上、好ましくは500g/c
m以上であり、且つ剪断剥離力(S)に対するT剥離力
(T)の比(T/S)が0.3以下である熱収縮性積層
フィルムを本発明の好ましい態様として挙げることがで
きる。T剥離力(T)が20〜500g/cmであり、
シール部の剪断剥離力(S)が200g/cm以上、且
つ、(T/S)が0.30以下であることにより、ボイ
ル時の熱による内容物の膨脹によるシール部からの破損
を防ぎ、剥離する際の抵抗感が少なく、かつ保存時、流
通時の破損を少なく抑えることができる。なお、本発明
においては、熱シール、高周波シール及び超音波により
シールが可能である。この剥離は封筒貼りシールされた
外側層(1)と外側層(3)との、いずれかのイージー
ピール層の凝集破壊で起こることが好ましいが、外側層
とそれに隣接する層との界面、或いは他の層の界面で層
間剥離が起こり、それにより被包装物から包装フィルム
を剥がし取ることができればよい。例えば実施例16で
は、EVOH層と接着剤層との界面における層間剥離
と、薄いVLDPEの外側層の凝集破壊による層の切断
によって剥離が起こっている。
【0021】本発明の熱収縮性積層フィルムは、例えば
自動充填包装機械を用いてチーズの自動充填包装に使用
する。自動充填包装機械がトラブルなく操業されるに
は、包装機械に適したフィルムが用いられなければなら
ない。フィルムが硬すぎると充填後シールによる結紮が
不十分となり気密漏れが発生し易い。フィルムの硬さの
目安として引張弾性率×T3(Tはフィルムの厚みm
m)の値を好ましくは0.1×10-2〜2×10-2kg
・mm、さらに好ましくは0.2×10-2〜1.5×1
-2kg・mmの範囲にとることにより自動充填包装機
械で操作し易く、シールによる結紮箇所からの気密漏れ
のないフィルムを与えることができる。
【0022】また、本発明の熱収縮性積層フィルムの厚
さは60μm以下、好ましくは55μm以下、さらに好
ましくは50μm以下である。フィルム厚さを小さくす
ることにより、包装体の外見、形状、触感が向上される
とともにフィルム屑などの廃棄物の量の削減を図ること
ができる。積層フィルムを構成する各層の厚さは以下の
様にすることが好ましい。ポリアミド系樹脂層又はポリ
アミド系樹脂層及びEVOH樹脂層からなる好ましくは
少なくとも1つの層が熱収縮性の中間層(2)について
は、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μ
m以下である。中間層(2)が複合層の場合は、5〜3
0μmの範囲が好ましい。ポリオレフィン系樹脂からな
る外側層(1)では、5〜30μm、さらには10〜2
0μmであることが好ましく、イージーピール層である
外側層(3)は1〜30μm、更には3〜20μmが好
ましい。接着剤層の厚さは1〜5μm程度が好ましい。
【0023】本発明の中間層(2)の層構成は、積層フ
ィルムに要求される酸素ガスバリヤー性の程度によりポ
リアミド系樹脂層にするかポリアミド系樹脂層及びEV
OH樹脂層にするかが決められる。
【0024】本発明の熱収縮性積層フィルムは、畜産加
工品、例えばハム、ソーセージ、魚肉ソーセージ等の水
産加工品、および加工肉やハム等の固形状の食品、チー
ズ、コンニャク、ういろう、惣菜、卵または卵加工製品
等の農産加工品や調理品等の収縮包装用に用いられるイ
ージーピール機能を有する積層フィルムである。特にハ
ム、ソーセージ、チーズ等の包装体をボイル殺菌した
後、イージーピール性を有する包装体として用いられ
る。
【0025】自動充填包装機械により充填・包装された
太さ25〜50mmのソーセージのボイル処理用包装体
を例にとると、この後、80〜100℃の温度で60分
〜90分間、ボイル処理され、さらに皺伸ばしの目的で
温度85〜100℃で10秒程度熱浴処理される。これ
らの熱処理により熱収縮および熱固定が生じ充填内容物
にフィルムが緊密に密着すると共に、熱収縮後の経時的
収縮を抑制する。フィルムの収縮性が不足すると皺が生
じ包装体の外観を損ねる。積層フィルムの熱収縮率は縦
方向、横方向それぞれ90℃、3分で5〜30%が好ま
しい。熱収縮率が5〜30%の範囲にあることにより包
装体の仕上がり状態(包装体表面の状態、例えば表面の
皺の有無)を良好なものとする。積層フィルムの熱収縮
率をこの範囲にするには、ポリアミド系樹脂からなる熱
収縮性フィルムおよびポリプロピレン系樹脂又はポリエ
チレン系樹脂からなる熱収縮性フィルムの熱収縮率がそ
れぞれ前記の熱収縮率の範囲にある包装材料を選択する
ことによりなされる。本発明の食品包装用熱収縮性積層
フィルムは自動充填包装において、前記の例のようなボ
イル処理、或いはレトルト処理などの用途に用いられた
り、シャーリング加工用のフィルムとしても使用でき
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。評価
方法は以下の通りである。剥離力の測定(試料の作
製):フィルム巾200mmで、イージーピールシール
層(外側層)と反対側のもう一つの外側層(ポリオレフ
ィン層)が隣接するように2枚のフィルムを重ね、卓上
ヒートシーラー(テスター産業(株)製)を用い、シー
ルバーの巾3mm、シールバー温度180℃、エアー圧
力2kg/cm 2、シール時間1秒の条件でヒートシー
ルを行った。次いで、シールバー方向と直角に1cm
巾、長さ60mmにシール部を中心にカッターで切り出
し、試験片とし、引張試験機(東洋ボールドウィン社
製)で23℃、引張速度200mm/分で剪断剥離力及
びT剥離力を、それぞれ測定(n=10)し、その平均
値(単位はg/cm)を求めた。Tが20g/cmに満
たないと不用意な取り扱いにより、シール部が剥離して
しまう。また、Tが500g/cmを超えると力の弱い
人には、開封し難く、又、被包装物が柔らかい場合に
は、開封時に力が掛かるため包装体が潰れたり、折れた
りして外観を損なうことがある。熱水収縮率の測定:試
料の積層フィルムを縦、横10cmの片に切り取り、正
確に縦、横の寸法を測り、X0とする。この試料片を9
0℃の熱水中に沈め3分後に取り出し、室温まで放冷
後、寸法を測り、これをX1とする。 熱水収縮率(%)=[(X0−X1)/X0]×100
【0027】(実施例1)積層フィルムの構成として、
外側層1/接着剤層/芯層(中間層)/接着剤層/外側
層2(内側)の5層積層フィルムを製造した。芯層とし
てMXD6(三菱ガス化学(株)製)、接着剤層として
PP(ポリプロピレン)系接着樹脂(三菱化学社製、モ
ディックP504V)、外側層1として、プロピレン9
3重量%、エチレン2重量%、及びブテン−1を5重量
%からなるプロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体
(住友化学(株)製、ノーブレンFL851)、外側層
2として、PP系イージーピール樹脂(ヒロダイン社
製、「ヒロダイン7561」)を用い4台の押出機(外
側層1、外側層2及び芯層は40mmφ押出機、接着剤
層は30mmφ押出機)を用い、環状に共押出して急冷
パリソンを得た。次いで、急冷パリソンを遠赤外ヒータ
ーにて再加熱して、インフレーション法により縦/横=
4/4倍に延伸し、厚み構成が15/2/7/2/15
μm(総厚み41μm)のフィルムを得た。次いで、本
延伸フィルムの表面を赤外温度計で測定し140℃で熱
処理を行い本発明の積層フィルムを作製した。得られた
フィルムの90℃熱水収縮率、ヒートシール後の剪断剥
離力、T剥離力を測定し表1に示した。
【0028】(実施例2)実施例1と同様な5層構成の
積層フィルムにおいて、芯層としてMXD6を80重量
%と芳香族系ポリアミド共重合体であるナイロン66/
610/MXD6(エムスケミカル社製「グリロンBM
−18SBH」、Tm(融点)=173℃)20重量%
の比率の混合物を用い、接着剤層はPP系接着樹脂(三
菱化学(株)製、モディック504V)50重量%とL
LDPE系接着樹脂(三菱化学(株)製、モディックO
M−101)50重量%との混合樹脂層とし、外側層1
は実施例1と同じプロピレン・エチレン・ブテン−1共
重合体90重量%とSSC系ポリエチレン(ダウケミカ
ル社製、エリート5100)10重量%との混合樹脂層
とし、外側層2(内側層)は実施例1と同様なPP系イ
ージーピール樹脂を用いた。実施例1と同様な方法によ
り急冷パリソンを得た。次いで、急冷パリソンを遠赤外
ヒーターで再加熱して、インフレーション法により縦/
横=4.5/4.5倍に延伸し、厚み構成15/2/7
/2/15μm(総厚み41μm)の積層フィルムを得
た。次いで、該積層フィルムの表面を赤外線温度計で測
定して140℃となる条件で熱処理を行い、本発明の積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムの90℃の熱
水収縮率、ヒートシール後の剪断剥離力、T剥離力を測
定し結果を表1に示した。
【0029】(実施例3)樹脂構成として、外側層1/
接着層/芯層1/芯層2/接着層/外側層2(内側層)
の6層からなる積層フィルムにおいて、外側層1として
PE(ポリエチレン)系イージーピール樹脂(ヒロダイ
ン社製、「7500EXP285D」)、接着剤層とし
てVLDPE系接着樹脂(三井化学(株)製、アドマー
SF730)、芯層1として6−66ナイロン(三菱エ
ンジニアリングプラスチック(株)製、ノバミット24
30A1、ナイロン6−66:80−20重量%)、芯
層2としてEVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物、クラレ(株)製、EPG156B、エチレン含
量=47モル%)、外側層2(内側層)として、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)(住友化学(株)製、C
W3001、密度=0.909g/cm3)を用いて、
5台の押出機(外側層1及び芯層1は50mmφ押出
機、芯層2は40mmφ押出機、外側層2は60mmφ
押出機、接着剤層は30mmφ押出機)を用い、環状に
共押出して急冷パリソンを得た。次いで、急冷パリソン
を92℃の湯水バス中で再加熱して、インフレーション
法で縦/横=3/3倍に延伸し、厚さ構成9.5/1.
5/12/4/1.5/20μm(総厚み48.5μ
m)の積層フィルムを得た。次いで、得られた延伸フィ
ルムを90℃のスチーム加熱雰囲気下で熱処理を行い、
本発明の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムに
ついて90℃熱水収縮率、ヒートシール後の剪断剥離
力、T剥離力を測定した結果を表1に示した。
【0030】(実施例4)外側層1をLLDPEとした
以外は実施例3と同様な方法で積層フィルムを作製し
た。得られた積層フィルムの90℃熱水収縮率、ヒート
シール後の剪断剥離力、T剥離力を測定した結果を表1
に示した。 (実施例5)実施例3と同様な6層フィルムにおいて、
外側層2(内側層)をプロピレン−エチレン共重合体
(日本ポリオレフィン(株)製、ジェイアロマーFD4
11,密度=0.90g/cm3、エチレン含量7重量
%、融点=133℃)、外側層1を実施例1で用いたP
P系イージーピール樹脂、接着樹脂層としてPP系接着
樹脂(三菱化学(株)製、モディックP−505)を用
いた以外は実施例3と同様な方法で積層フィルムを作製
した。得られた積層フィルムの90℃熱水収縮率、ヒー
トシール後の剪断剥離力、T剥離力を測定した結果を表
1に示した。
【0031】(実施例6)外側層1/接着層/芯層/接
着(アンカーコート)層/外側層2(内側層)の5層の
積層フィルムにおいて、外側層1として、収縮性ポリエ
チレンフィルム(興人(株)製、ポリセットUM、15
μm、90℃熱水収縮率(縦/横)=(15/18
%))、芯層として収縮性ナイロン(三菱化学興人パッ
クス社製、スーパーニール SH、両面コロナ処理
品)、外側層2(内側層)として実施例3と同様のポリ
エチレン系イージーピール樹脂を用いた。外側層2のP
E系イージーピール樹脂を押出機で溶融押出しし、芯層
の収縮性ナイロンの片面に常法のアンカーコート処理を
施した面にルーダーラミネートし、収縮ナイロンフィル
ム層/アンカーコート層/イージーピール樹脂層の3層
フィルム得た。次いで、ドライラミネーター(ヒラノテ
クシード社製、P2マルチコーターM−200L)で、
ウレタン系接着剤(武田薬品工業製、タケラックA−3
85,タケネートA−50)を用い収縮ナイロン側に外
側層1の収縮性ポリエチレンフィルムをドライラミネー
トして、厚さ構成15/2.5/15/2.5/15μ
m(総厚み50μm)の積層フィルムを得た。得られた
積層フィルムの90℃熱水収縮率、ヒートシール後の剪
断剥離力、T剥離力を測定した結果を表1に示した。
【0032】(実施例7)芯層の収縮性ナイロンを6ナ
イロン(興人(株)製、ポニールSC、15μm、90
℃熱水収縮率(縦/横)=(14/15%)、両表面コ
ロナ処理品)とした以外は、実施例6と同様にして積層
フィルムを得た。得られた積層フィルムの90℃熱水収
縮率、ヒートシール後の剪断剥離力、T剥離力を測定し
た結果を表1に示した。
【0033】(実施例8)5層積層フィルムにおいて、
外側層1を収縮性PPフィルム(興人(株)製、コージ
ンポリセット、12μm、90℃熱水収縮率(縦/横)
=(9/12%))とし、外側層2(内側層)をPP系
イージーピール樹脂層とすること以外は、実施例6と同
様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの
90℃熱水収縮率、ヒートシール後の剪断剥離力、T剥
離力を測定した結果を表1に示した。 (実施例9)5層の積層フィルムにおいて、実施例6と
同じ収縮性ナイロンフィルムの両表面にアンカーコート
処理を施し、外側層1に、実施例4と同じLLDPE
を、外側層2(内側層)に実施例6と同様のPE系イー
ジーピール樹脂をそれぞれルーダーラミネートして積層
フィルムを得た。得られた積層フィルムの90℃熱水収
縮率、ヒートシール後の剪断剥離力、T剥離力を測定し
た結果を表1に示した。
【0034】(比較例1)実施例1と同様な5層積層フ
ィルムにおいて、外側層2(内側層)を外側層1と同じ
プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体樹脂にして
実施例1と同様な方法で収縮性積層フィルムを作製し
た。得られた積層フィルムの90℃熱水収縮率、ヒート
シール後の剪断剥離力、T剥離力を測定した結果を表1
に示した。 (比較例2)実施例4と同様な6層積層フィルムにおい
て、外側層1を外側層2(内側層)と同じLLDPEに
して実施例4と同様な方法で収縮積層フィルムを作製し
た。得られた積層フィルムの90℃熱水収縮率、ヒート
シール後の剪断剥離力、T剥離力を測定した結果を表1
に示した。 (比較例3)実施例6と同様な5層積層フィルムにおい
て、外側層2(内側層)を外側層1と同じ収縮性ポリエ
チレンにして実施例6と同様な収縮性積層フィルムを作
製した。得られた積層フィルムの90℃熱水収縮率、ヒ
ートシール後の剪断剥離力、T剥離力を測定した結果を
表1に示した。
【0035】(実施例10〜12)実施例1、実施例6
及び実施例9で得た積層フィルムを用いて、畜肉ソーセ
ージを自動充填包装機械(呉羽化学(株)製、KAP5
00型)により充填し、湯水中で80℃、50分の条件
でボイルクッキング処理を行い、5℃に冷却後、湯水中
90℃、10秒の条件で皺伸ばし処理を行い、砲弾型の
ソーセージ包装体をそれぞれ100本作製した。包装体
の寸法は16mmφ×200mm長さ、重量約35g/
本であり、KAPシール条件はホットジェットシールの
温度/エアー圧力が270℃/(1.0kg/cm2
(実施例10)、270℃/(1.0kg/cm2
(実施例11)、260℃/(0.8kg/cm2
(実施例12)で、封筒貼り型シールとした。これらの
ボイルクッキング時の包装体のパンク発生率は0%であ
り、ソーセージ包装体の外観は皺がなく良好で、5℃×
80%RH(相対湿度)、30日間の保存条件下におい
ても腐敗がなく、包装体シール部の剪断剥離力(g/c
m)/T剥離力(g/cm)はそれぞれ2800/30
0(実施例10)、2700/250(実施例11)、
2000/200(実施例12)であった。
【0036】(比較例4)比較例3で得たフィルムを用
いて実施例11と同様な方法で畜肉ソーセージを充填し
ボイルクッキング処理し、冷却、皺伸ばし処理を行い砲
弾型のソーセージ包装体を得た。この包装体のボイルク
ッキング時のパンク発生率は0%であり、ソーセージ包
装体の外観は皺がなく良好で、5℃×80%RH(相対
湿度)、30日間の保存条件下においても腐敗がなかっ
たが、包装体シール部の剪断剥離力(g/cm)/T剥
離力(g/cm)は3600/500であった。
【0037】(実施例13)実施例4のフィルムを用
い、70℃に加熱したチーズを自動充填包装機械(呉羽
化学(株)製、KAP500型、シール方法:超音波シ
ール)で充填し、90℃湯水シャワーに約10秒間加熱
した後、20℃の水シャワーで冷却し砲弾型のチーズ包
装体を得た。この包装体のパンク発生率は0%であり、
包装体の外観は皺がなく良好で、5℃×80%RH(相
対湿度)、30日間の保存条件下においても腐敗がなか
ったが、包装体シール部の剪断剥離力(g/cm)/T
剥離力(g/cm)は1000/200であった。
【0038】(実施例14及び15)実施例11の包装
体の封筒貼りシールの図1の矢印位置にI字型−ノッチ
(実施例14,図1a)及びV字型−ノッチ(実施例1
5,図1b)を付けイージーオープン性を調べた結果、
開封がより容易になった。 (実施例16)外側層1として実施例3のイージーピー
ル層の代わりに実施例3の外側層2と同じVLDPE
(厚さ3μm)を用いたこと以外は実施例3と同様に行
った(総厚み42.5μm)。剥離試験ではEVOH層
と接着層との界面での層間剥離とVLDPEの外側層の
凝集破壊による層の切断が観察された。実施例、比較例
で得られたフィルムの熱水収縮率、剪断剥離力(S)、
T剥離力(T)の測定結果及びT剥離力と剪断剥離力の
比(T/S比)を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、自動充填
包装に適し、充填工程を含めて包装体のパンクが少な
く、イージーピール性を有し、ボイル殺菌後、皺の少な
い外観を呈する熱収縮性積層フィルム及びそれからなる
食品包装用フィルムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品包装用フィルムを用いた実施例1
1の包装体の封筒貼りシールのノッチ位置を示す。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E086 AD01 AD03 AD12 BA04 BA15 BA33 BB41 BB67 BB71 BB90 CA04 CA05 CA06 4F100 AK03A AK03C AK07C AK07G AK46B AK64A AK67A AK69D BA03 BA04 BA06 BA10A BA10C CB00 EJ37 GB15 GB23 JA03 JK06 JL14A JL14C YY00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなる外側層
    (1)、ポリアミド系樹脂からなる中間層(2)、中間
    層(2)を介して外側層(1)と対向して配置されたポ
    リオレフィン系樹脂からなるもう一方の外側層(3)の
    少なくとも3層からなる積層フィルムであって、両外側
    層のいずれかがイージーピール層であり、該積層フィル
    ムを封筒貼り型シールにしたときのシール部のT剥離力
    (T)が20〜500g/cmの範囲であることを特徴
    とする熱収縮性積層フィルム。
  2. 【請求項2】 さらにシール部の剪断剥離力(S)が2
    00g/cm以上であり、かつ、T剥離力(T)と剪断
    剥離力(S)の比(T/S)が0.30以下であること
    を特徴とする請求項1記載の熱収縮性積層フィルム。
  3. 【請求項3】 イージーピール層が海島構造を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性積層フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 中間層(2)がポリアミド系樹脂からな
    る層及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EV
    OH)からなる層の少なくとも2層から構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱収
    縮性積層フィルム。
  5. 【請求項5】 90℃、3分で縦、横それぞれ5〜30
    %の熱水収縮率を有することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮
    性積層フィルムからなる食品包装用フィルム。
  7. 【請求項7】 食品がハム又はソーセージである請求項
    6記載の食品包装用フィルム。
  8. 【請求項8】 食品がチーズである請求項6記載の食品
    包装用フィルム。
  9. 【請求項9】 食品が和洋菓子である請求項6記載の食
    品包装用フィルム。
  10. 【請求項10】 食品が練製品である請求項6記載の食
    品包装用フィルム。
  11. 【請求項11】 食品が惣菜である請求項6記載の食品
    包装用フィルム。
  12. 【請求項12】 食品が卵または卵加工製品である請求
    項6記載の食品包装用フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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