JP4268293B2 - アルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生鮮食品や加工食品等を、袋詰めにしてシュリンク包装させる際や、トレーに盛り付けてストレッチシュリンク包装する際に用いられるガスバリヤー性シュリンクフィルムに関するものである。更に具体的には、包装工程で、包装機械をアルコールで殺菌したり、或いは、作業者の手をアルコールで消毒したりする際に用いられるアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムに関するものである。又、ショーケース等に陳列された商品の包装体にアルコールを噴霧して除菌させることのできる包装用のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生鮮食品や加工食品等の包装は、袋詰めにしてシュリンクさせたり、或いは、トレイに盛り付けて周囲をストレッチシュリンクさせたりする方法等が行われている。そして、これらの包装体に用いられるシュリンクフィルムとしては、内容物の保存性に優れ、しかも、破袋し難く、ピンホール等の発生し難いものが好ましい。
そのためには、ガスバリヤー性を有し、機械的強度が高く、耐ピンホール性に優れたポリアミド系樹脂を少なくとも片方の表面層に用いることが好ましい。しかも、包装体の内側に位置する表面層には、ヒートシール性や自己密着性等を有する樹脂層を用いることが好ましいので、ポリアミド系樹脂層は包装体の外側に位置する表面層に設けられている。
更に、該層に用いられるポリアミド系樹脂としては、シュリンク性、特に低温でのシュリンク性を付与させるために、ナイロン−6とナイロン66との共重合体が使用されている。
【0003】
そして、これら生鮮食品や加工食品等のシュリンク包装は、衛生面から、包装機械をアルコールで殺菌したり、作業者の手をアルコールで消毒したりして行われている。又、ショーケース等に陳列されたこれら商品の包装体は、時々、除菌のためにアルコールが噴霧されている。
尚、これら包装機械の殺菌用や作業者の手の消毒用、或は、包装体表面の除菌用のアルコールとしては、主成分がエタノールで、濃度が40乃至80容量%のものが使用されている。
【0004】
しかし、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体は、エタノール溶液に溶解、膨潤し易いことが良く知られている。特に、濃度が60乃至80容量%程度のエタノール溶液には溶解、膨潤し易いことが知られている。そこで、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体がフィルムの表面に位置していると、包装工程時に、該表面がアルコールの付着した包装機械に接触したり、或いは、アルコールの付着した手に触れたりすると、その部分が白化して見苦しくなっていた。又、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層が包装体の外側に位置していると、該フィルムで包装された商品に除菌用のアルコールを噴霧させた際に、該包装体の表面にアルコールの液滴が付着し、その箇所が白化して商品価値を低下させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ガスバリヤー性を有するシュリンクフィルムを用いたシュリンク包装工程、或いは、ストレッチシュリンク包装工程において、アルコールによる包装機械の殺菌や作業者の手を消毒していても、包装用フィルムが白化しないようにしようとするものである。又、ガスバリヤー性を有するシュリンクフィルムを用いたこれら包装体に、除菌用のアルコールを噴霧しても包装体の表面に白化が生じないようにしようとするものである。
しかも、シュリンク包装に必要な、シュリンク性は勿論、ガスバリヤー性や機械的強度、更には、耐ピンホール性をも備えたアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムは、シュリンク包装体の外側に位置する外面の層に、ポリアミド系樹脂の特性であるガスバリヤー性や機械的強度、更には、耐ピンホール性は勿論、共重合体のポリアミド系樹脂が劣っている耐アルコール性をも有しているポリアミド樹脂層を薄膜状に設けることによりこれらの課題を解決した。
即ち、片方の表面層が、ナイロン−6の層とナイロン6とナイロン66との共重合体層の積層体で、しかも、外面がナイロン−6の層からなるようにする。
好ましくは、積層体からなる片方の表面層は、ナイロン−6の層の厚みが0.5乃至5.0μm、ナイロン6とナイロン66との共重合体層の厚みが3乃至20μmであるようにする。
更に好ましくは、、芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層からなり、片方の表面層が、ナイロン−6の層とナイロン6とナイロン66との共重合体層の積層体で、しかも、外面がナイロン−6の層からなり、もう一方の表面層が、ポリエチレン系樹脂の層からなるようにする。
【0007】
【発明の実施態様】
本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムは、片方の表面層が、ナイロン−6の層とナイロン6とナイロン66との共重合体層の積層体で、しかも、外面がナイロン−6の層からなるようにする。
【0008】
まず、本発明に用いられるナイロン−6としては、特に限定されるものではなく、一般フィルム用の樹脂を使用することができる。
そして、片方の表面層の外面に用いられるナイロン−6には、適宜、滑剤やアンチブロッキング剤、或は、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
更に、該樹脂からなる外面の層は、シュリンク性を有していることがシュリンク包装仕上がりを良好にする面から好ましい。
【0009】
積層体からなる片方の表面層のうち、ナイロン−6からなる外面の層の厚みは、厚くする必要はなく、薄くて十分である。具体的には、0.5乃至5.0μmで十分である。
該層の厚みが5.0μmよりも厚くなると、シュリンク性を付与させるための延伸加工が困難になるばかりかシュリンク性が劣り、シュリンク包装仕上がりが低下するので好ましくない。しかし、該層の厚みが余りにも薄くなり過ぎると、該樹脂の被膜によって覆われていない箇所が生じ、得られるフィルムの耐アルコール性が低下することがあるので、0.5μm以上の厚みを有することが望ましい。
【0010】
又、本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムに用いるナイロン−6とナイロン66との共重合体としては、特に限定されるものではなく、従来、シュリンクフィルムに用いられている共重合樹脂を使用することが出来る。例えば、ナイロン−6とナイロン−66との共重合割合が85:15乃至75:25(重量割合)の共重合体が好適に使用される。
尚、本発明に用いられるナイロン−6とナイロン−66との共重合体には、適宜、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
更に、該樹脂からなる層は、シュリンク性を有していることがシュリンク包装仕上がりを良好にする面から好ましい。
【0011】
積層体からなる片方の表面層のうち、ナイロン−6とナイロン66との共重合体からなる層の厚みとしては、3乃至20μmが好ましい。該層の厚みが3μmよりも薄くなると、機械的強度や耐ピンホール性が劣るようになるばかりか、ガスバリヤー性やシュリンク性も低下するので好ましくない。又、該層の厚みが20μmを越えると、製造コストが高くなるばかりか、包装機械適性が低下したりストレッチ性が低下したりするので好ましくない。
【0012】
好ましくは、本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムの構成を、芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層からなり、片方の表面層が、ナイロン−6の層とナイロン6とナイロン66との共重合体層の積層体で、しかも、外面がナイロン−6の層からなり、もう一方の表面層が、ポリエチレン系樹脂の層からなるようにする。
【0013】
芯層に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層を設けると、ガスバリヤー性が更に向上するので、生鮮食品や加工食品等をシュリンク包装した際により保存性が増す。
芯層に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物としては、エチレン含有量が28乃至50モル%でケン化度が95%以上のものが好ましい。
そして、該層の厚みとしては、1.0乃至10μmが好ましい。該層の厚みが1.0μmよりも薄くなると、ガスバリヤー性の向上が見られず、内容物の保存性が改良されない。又、10μmよりも厚くなると、シュリンク性を付与させるための延伸性が低下し、良好なるシュリンク性を得ることが困難になる。
【0014】
又、もう一方の表面層にポリエチレン系樹脂を用いると、ヒートシール性を付与させることができ、包装が容易に行えるようになる。更には、ストレッチ性やフィルム同士の自己密着性等も付与させることもできるので、ストレッチシュリンク包装にも好適である。
該層に用いるポリエチレン系樹脂としては、エチレンホモポリマーは勿論、エチレンと他のモノマーとの共重合体等を使用することができる。例えば、良好なヒートシール性を付与させるためであれば、エチレン−αオレフィン共重合体(通称:直鎖状低密度ポリエチレン樹脂)等を使用するのが好ましい。又、フィルム同士の自己密着性やトレーとの密着性を付与させるためであれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用するのが好ましい。
尚、該層に用いられるポリエチレン系樹脂には、本発明の主旨を変えない範囲で他の樹脂を混合させたり、防曇剤や酸化防止剤、或いは、滑剤やアンチブロッキング剤等の添加剤を加えることができる。
【0015】
該層の厚みとしては、4.0乃至50μmが好ましい。該層の厚みが4.0μmよりも薄くなると、強固なヒートシールが得られ難くなったり、良好なフィルム同士の自己密着性等が得られ難くなる。又、該層の厚みが50μmよりも厚くなると、製造コストが高くなるばかりか、シュリンク性やストレッチ性等の包装適性が低下し、包装仕上がりが悪くなる。
【0016】
本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムの好ましい具体的なフィルム構成としては、積層体からなる片方の表面層の外面から順に、ナイロン−6/ナイロン−6とナイロン−66との共重合体/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられ、厚み構成としては上記構成順に1.0〜3.0μm/3.0〜20μm/1.0〜10μm/4.0〜50μmが好適である。そして、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の層との間に、層間接着性を向上させるために、接着性樹脂の層、例えば、無水マレイン酸変成ポリエチレン系樹脂等から成る層を挿入させることが好ましく、該層の厚みとしては、1.0乃至5.0μmが好適である。又、包装体の外部からの透湿によるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のガスバリヤー性の低下を押さえるために、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層との間に、上記のようなポリオレフィン系接着樹脂の層を挿入させることが好ましい。
【0017】
本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを製造する方法としては、ポリエチレン系樹脂等からなるシュリンクフィルムの片面に、ナイロン−6の層とナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層からなる積層体を、ナイロン−6の層が外面になるように積層させること等によって得ることができる。
尚、ナイロン−6の層とナイロン−6とナイロン−66との共重合体層の積層体は、各層を構成する樹脂のフィルムを貼り合わせることにより製造することもできるが、各層を構成する樹脂を共押出することにより製膜するのが望ましく、しかも、各層にシュリンク性を付与させるために延伸処理を施したものが好ましい。
【0018】
好ましくは、ナイロン−6の層を外面に、該ナイロン−6の層に続いてナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層を、更に、別の樹脂からなる層を積層させた積層未延伸シートを共押出し、得られた積層未延伸シートを延伸処理してシュリンク性を付与させて、アルコール殺菌可能なガスリヤー性シュリンクフィルムを得るのが望ましい。
ナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層に続いて積層させる別の樹脂からなる層としては、前記した如く、ポリオレフィン系樹脂からなる単層は勿論、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層、接着性樹脂層、更に、ポリオレフィン樹脂層等からなる積層体が挙げられる。
【0019】
積層未延伸シートの延伸方法としては、特に限定されるものではないが、高い熱収縮率と、縦方向と横方向のシュリンク特性が均一なフィルムを得るためには、インフレーション二軸延伸方法によって延伸加工されるのが好ましい。
インフレーション二軸延伸させるためには、積層未延伸シートはチューブ状であることが必要であり、そのためには、積層未延伸チューブは複数の押出機と多層サーキュラーダイを用いて成形することが必要である。
【0020】
【作用】
本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムは、生鮮食品や加工食品等のシュリンク包装、或いは、ストレッチシュリンク包装に用いた際に、フィルム表面に耐アルコール性に劣るナイロン−6とナイロン−66との共重合体からなる層が位置せず、耐アルコール性に優れたナイロン−6の層が位置しているので、包装機械に塗布された殺菌用のアルコールや、作業者の手に消毒用のアルコールが付着していても、該フィルム表面が溶解したり膨潤したりしないので、白化現象が起こらない。又、包装体の外側には耐アルコール性に優れたナイロン−6の層を位置させているので、除菌のために噴霧されたアルコールの液滴が包装体の表面に付着しても、該フィルム表面を溶解させたり膨潤させたりしないので、白化現象を起こすことがない。
【0021】
そして、外面のナイロン−6の層は薄くても耐アルコール性を付与させることができるので、薄くすることが可能である。そこで、該ナイロン−6の層がシュリンク性に劣っていても、該層を薄くすることにより、シュリンク性の低下を押さえることができ、しかも、外面のナイロン−6の層に続くナイロン−6とナイロン−66との共重合体からなる層がシュリンク性に優れているので、シュリンク包装に悪影響を与える程にはシュリンク性を低下させない。
更に、表面層にナイロン−6の層とナイロン−6とナイロン−66との共重合体層の積層体を設けているので、ガスバリヤー性は勿論、機械的強度や耐ピンホール性等も付与させることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例、及び、比較例を示し、本発明の内容をより具体的に説明する。
尚、本発明は実施例に記載された内容によってのみ限定されるものでないことは明らかである。
〔実施例1〕
チューブの外面から、ナイロン−6/ナイロン−6とナイロン−66との共重合体/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/ポリエチレン系接着樹脂/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなる積層未延伸チューブを、5台の押出機と5種5層のサーキュラーダイを用いて共押出した。
尚、ナイロン−6としては、宇部興産製“UBEナイロン1022B”を、ナイロン−6とナイロン66との共重合体としては、宇部興産製“UBEナイロン5034B”を、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物としては、日本合成製“ソアノールAT4403”を、ポリエチレン系接着樹脂としては、三井化学製“アドマーNF550”を、更に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、住友化学製“スミカセンEFU203”を用いた。
【0023】
得られた積層未延伸チューブをインフレーション二軸延伸方法により縦方向、横方向共に、3.5倍延伸し、その後、室温での自然収縮性を除去するための熱固定と、チューブ状フィルムをフラット化させるスリッター加工を施して、アルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを得た。
得られたアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムの厚みは、ナイロン−6の層が2μm、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層が8μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層が2μm、ポリエチレン系接着樹脂の層が2μm、そして、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の層が10μmであり、熱収縮率は、100℃の温水中で縦方向33%、横方向30%であった。
【0024】
得られたアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを用い、ナイロン−6の層が包装体の外側に位置するように、トレーに盛り付けられたスライスハムのストレッチシュリンク包装を行った。その結果、該フィルムは、シュリンク性とストレッチ性に優れ、良好なるストレッチシュリンク包装体を得ることができた。
しかも、殺菌のために包装機械に塗布されたアルコールや、作業者の手についていた消毒用のアルコールが、該フィルム表面のナイロン−6の層に付着しても、その部分が白化して見苦しい包装体になるようなことはなかった。又、得られたストレッチシュリンク包装体の表面に、除菌用のアルコールを噴霧したが、該液滴が付着した箇所が白化するようなこともなく、商品価値を低下させるものではなかった。
上記包装機械の殺菌用や作業者の手の消毒用、更には、包装体表面の除菌用のアルコールには、濃度が80容量%のエタノールを使用した。
尚、得られたストレッチシュリンク包装体は、ガスバリヤー性が良好で、内容物であるスライスハムの保存性に優れ、しかも、シュリンク性とストレッチ性が良好で、ストレッチシュリンク包装仕上がりに優れていた。更に、該包装体は、落下させても破袋するようなこともなく、しかも、包装体同士が擦れ合ってもピンホール等を発生させるようなこともなかった。
【0025】
〔比較例1〕
実施例1のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムで、外面にナイロン−6の層を設けない以外は、実施例1と同様な方法によって、アルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを得た。
得られたアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンフィルムの厚みは、ナイロン−6とナイロン−66との共重合体の層が10μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層が2μm、ポリエチレン系接着樹脂の層が2μm、そして、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の層が10μmであり、熱収縮率は、100℃の温水中で縦方向37%、横方向31%であった。
【0026】
得られたアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムを用い、ナイロン−6とナイロン66との共重合体の層が包装体の外側に位置するようにし、実施例1と同様、トレーに盛り付けられたスライスハムのストレッチシュリンク包装を行った。しかし、殺菌のために包装機械に塗布されたアルコールや、消毒のために作業者の手についているアルコールが、ナイロン−6とナイロン66との共重合体層の表面に付着すると、その部分が白化し、見苦しい包装体となった。又、得られた包装体に除菌用のアルコールを噴霧させると、該溶滴の付着した箇所が白化し、商品価値を大幅に低下させた。
上記包装機械の殺菌用や作業者の手の消毒用、更には、包装体表面の除菌用のアルコールには、実施例1と同様、濃度が80容量%のエタノールを使用した。
尚、得られたストレッチシュリンク包装体は、アルコールによる白化を除くと、シュリンク性とストレッチ性が良好でストレッチシュリンク包装仕上がりに優れ、しかも、ガスバリヤー性も良好で、内容物であるスライスハムの保存性にも優れていた。又、該包装体は、落下させても破袋するようなこともなく、しかも、包装体同士が擦れ合ってもピンホール等を発生させるようなこともなかった。
【0027】
【効果】
本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムは、殺菌用のアルコールが付着しても白化を生じさせることがないので、アルコールによって包装機械を殺菌したり、作業者の手を消毒したりすることができ、生鮮食品や加工食品を衛生的にシュリンク包装、或は、ストレッチシュリンク包装することができる。しかも、得られた包装体の表面に除菌用のアルコールを噴霧しても白化を生じさせることがないので、ショウケース等に陳列した商品を衛生的に、しかも、商品価値を低下させることなく維持保管することができる。
更に、本発明のアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルムは、シュリンク性やガスバリヤー性は勿論、機械的強度や耐ピンホール性にも優れ、シュリンク包装やストレッチシュリンク包装に要求される特性を備えているので、包装仕上がりが良好で、しかも、強度に優れた包装体を得ることができる。
Claims (2)
- 片方の表面層が、ナイロン−6の層とナイロン6とナイロン66との共重合体層の積層体で、しかも、外面がナイロン−6の層からなり、ナイロン−6の層の厚みが0.5乃至5.0μm、ナイロン6とナイロン66との共重合体層の厚みが3.0乃至20μmであることを特徴とするアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム。
- 芯層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の層からなり、片方の表面層が、ナイロン−6の層とナイロン6とナイロン66との共重合体層の積層体で、しかも、外面がナイロン−6の層からなり、もう一方の表面層が、ポリエチレン系樹脂の層からなることを特徴とする請求項1に記載されたアルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム。
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JP31920199A JP4268293B2 (ja) | 1999-11-10 | 1999-11-10 | アルコール殺菌可能なガスバリヤー性シュリンクフィルム |
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Publications (2)
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1999
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