JP2001009806A - 化粧合板及びその製造方法 - Google Patents

化粧合板及びその製造方法

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JP2001009806A
JP2001009806A JP11188701A JP18870199A JP2001009806A JP 2001009806 A JP2001009806 A JP 2001009806A JP 11188701 A JP11188701 A JP 11188701A JP 18870199 A JP18870199 A JP 18870199A JP 2001009806 A JP2001009806 A JP 2001009806A
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JP
Japan
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decorative
veneer
plywood
impregnating agent
decorative plywood
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JP11188701A
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English (en)
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Susumu Kawakami
進 川上
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Natoco Co Ltd
Original Assignee
Natoco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観が良好で、しかも表面硬さが硬く、耐キ
ャスター性、耐クラック性、耐摩耗性などの特性良好な
化粧合板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 合板12に化粧単板13を張り付けてな
る化粧合板10の化粧単板13に、ワイピングコータ3
0で着色した後に、水で希釈した樹脂含浸剤44をロー
ルコータ40で塗布し、熱圧ロール装置50で加熱圧縮
し、加熱圧縮前後の厚さ比T2/T1を96〜99%の
範囲にする。さらに下塗りクリア塗料65と塗布し、U
V乾燥機64Aで硬化させるとともに、樹脂含浸剤44
も硬化させる。中塗りクリア塗料66を塗布し硬化さ
せ、さらに上塗りクリア塗料67を塗布し硬化させて、
加熱圧縮された合板22と化粧単板23からなる化粧合
板20及びさらにクリア塗料層25,26,27を有す
る化粧合板24が完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合板に杉や檜等の
化粧単板を貼り付けた化粧合板及びその製造方法に関
し、特に、フロア材、階段材、家具の天板材など、耐キ
ャスター性、耐クラック性等、耐摩耗性などを要求され
る表面硬さの高い化粧合板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ラワン材等の木材を用いた合
板に表面に、杉や檜等のごく薄い化粧単板を貼り付けた
化粧合板が広く用いられている。この化粧合板の用途に
は、様々なものがあるが、フロア材、階段材、家具の天
板材など、耐キャスター性、耐クラック性、耐摩耗性な
どを要求される用途にも用いられるようになってきてい
る。化粧合板にこのような特性を持たせるためには、化
粧合板の表面硬さを高くする、つまり、化粧単板の硬さ
を硬くすることが有効である。
【0003】ところで、木質板の表面硬さを高める方法
として、例えば、特許第2776529号に記載されて
いるように、木質板を加熱圧縮してその表面を圧密化す
ることが知られている。例えば、この技術においては、
木質板の厚さの80〜95%の範囲に設定された圧熱ロ
ール間を通過させるものが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧合
板100は、ラワン材などからなる単板103を積層し
た合板102に檜や杉などの薄い化粧単板103を張り
付けて形成しているため、その厚みに対しローラ対の間
隔を狭くして高い圧縮率で圧縮すると、例えば、図6に
示すように、微小な割れ(ひび)CLが化粧単板103
に多数発生する。これは、合板102と化粧単板103
との材質の違いによって熱や圧力に対する挙動が異なる
ことに起因すると考えられる。
【0005】また、加熱圧縮後に、すじ状の膨らみST
が発生することもある。この原因としては、以下が考え
られる。一般に化粧合板100は、台板である合板10
2にいわゆるトンネル部TNやラップ部LPが存在す
る。すなわち、合板102は、ラワン材等の単板101
の木目が縦横交互になるように重ねて接着して形成す
る。この際、単板101同士の継ぎ目の部分では、隙間
が生じて細長い穴が形成されたり(トンネル部TN)、
単板101の端部同士が重なって厚さが厚くなる(ラッ
プ部LP)ことがある。従って、化粧合板(被処理化粧
合板)100を加熱圧縮すると、このトンネル部TNで
は隙間があるためにその部分で容易に変形して十分圧力
がかからないので十分圧縮されず、加熱圧縮後に化粧単
板103にすじ状の膨らみSTが発生する。また、ラッ
プ部LPでは、単板101の端部同士が重なっているた
め、他の部分よりも圧縮されにくく、加熱圧縮後に化粧
単板103にすじ状の膨らみSTが発生する。すなわ
ち、トンネル部TN、ラップ部LPのいずれがある場合
も、加熱圧縮後にはすじ状の膨らみSTが発生すると考
えられる。
【0006】従って、化粧合板100においては、従来
のような高い圧縮率で加熱圧縮すると、却って化粧合板
100の外観を損ねることとなる。本発明は、かかる問
題点に鑑みてなされたものであって、外観が良好で、し
かも表面硬さが硬く、耐キャスター性、耐クラック性、
耐摩耗性などの特性良好な化粧合板及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】しかし
て、その解決手段は、合板に化粧単板を張り付けてなる
化粧合板であって、上記化粧合板はその厚さ方向に圧縮
されてなり、上記化粧単板は、微小な割れを含むことな
く圧密化され、その表面が平坦であることを特徴とする
化粧合板である。
【0008】本発明の化粧合板では、全体がその厚さ方
向に圧縮されてなり、さらに、化粧単板が圧密化されて
いるため、化粧単板の細胞が押し潰されて高密度になっ
てその硬さが硬くなり、耐キャスター性、耐クラック
性、耐摩耗性などの特性良好な化粧合板とすることがで
きる。しかも、微小な割れを含むことなく圧密化され、
またその表面は、すじ状の膨らみが形成されることなく
平坦であるため、化粧合板に特に要求されるその外観が
良好である。
【0009】さらに、上記化粧合板であって、前記化粧
単板は、硬化した樹脂含浸剤を含むことを特徴とする化
粧合板とすると良い。
【0010】本発明の化粧合板では、その化粧単板に硬
化した樹脂含浸剤を含むため、さらに化粧単板の硬さが
硬くなり、耐キャスター性、耐クラック性、耐摩耗性な
どの特性がさらに良好な化粧合板とすることができる。
【0011】さらに他の解決手段は、合板に化粧単板を
張り付けてなる被処理化粧合板を、少なくとも上記化粧
単板側のローラを加熱した少なくとも1つのローラ対の
間を通過させてその厚さ方向に加熱圧縮し、加熱圧縮後
の厚さを加熱圧縮前の厚さの96%以上99%以下とす
る加熱圧縮工程を備える化粧合板の製造方法である。
【0012】前記したように、化粧合板では、あまり高
い圧縮率で加熱圧縮すると、化粧単板に微少な割れCL
やすじ状の膨らみSTが発生する。これに対し、本発明
の化粧合板の製造方法では、加熱圧縮後の厚さを加熱圧
縮前の厚さの96%以上の大きな範囲(すなわち、圧縮
率4%以下の小さな範囲)としたので、化粧単板に微小
な割れCLを生ずることがなく、トンネル部TNやラッ
プ部LPによるすじ状の膨らみSTも発生しない。ま
た、加熱圧縮後の厚さを加熱圧縮前の厚さの99%以下
としたので、加熱圧縮しない場合(100%の場合)に
比べて、表面硬さを高くできる。具体的には、表面硬さ
の指標の1つである耐キャスター性試験で評価して、例
えば、発生する凹みの深さを加熱圧縮しない場合(10
0%の場合)の略1/2(樹脂含浸剤無しの場合)以下
に、あるいは略1/3(樹脂含浸剤有りの場合)以下に
改善することができる。従って、加熱圧縮によって化粧
単板の表面硬さを高くでき、外観も良好な化粧単板を製
造することができる。
【0013】なお、加熱圧縮に使用するローラ対は、少
なくとも化粧単板側のローラが加熱されていればよい
が、対をなす両方のローラとも加熱するのが好ましい。
裏面(合板面)からも加熱することにより、化粧合板全
体がより圧縮されやすくなるからである。また、加熱圧
縮に使用するローラ対は1つでも良いが、複数あっても
良い。この場合には被処理化粧合板をさらに確実に圧縮
できる。またさらに、加熱圧縮後に、加熱しないローラ
対の間を通すようにすることもできる。
【0014】さらに、上記化粧合板の製造方法におい
て、前記加熱圧縮後の厚さを加熱圧縮前の厚さの96%
以上98%以下とする加熱圧縮工程を備えることを特徴
とする化粧合板の製造方法とすると良い。
【0015】加熱圧縮前後の厚さ変化率を96以上98
%以下としたので、化粧単板に微小な割れも、トンネル
部やラップ部によるすじ状の膨らみも発生しない。さら
に、加熱圧縮後の化粧合板の表面硬さも、ある程度高い
レベルの保持することができる。このため、耐キャスタ
ー性等の特性が良好になる。具体的には、表面硬さの指
標の1つである耐キャスター性試験で評価して、例え
ば、発生する凹みの深さを加熱圧縮しない場合(100
%の場合)の略1/3(樹脂含浸剤無しの場合)以下
に、あるいは略1/9(樹脂含浸剤有りの場合)以下に
改善することができる。
【0016】さらに、上記いずれかに記載の化粧合板の
製造方法において、前記加熱圧縮工程の前に、前記被処
理化粧合板の化粧単板に樹脂含浸剤を塗布する含浸剤塗
布工程を備え、前記加熱圧縮工程の後に、上記樹脂含浸
剤を完全に硬化させる含浸剤硬化工程を備えることを特
徴とする化粧合板の製造方法とすると良い。
【0017】本発明の化粧合板の製造方法では、樹脂含
浸剤を化粧単板に塗布し硬化させたので、化粧合板の化
粧単板が加熱圧縮によるだけでなく、樹脂含浸剤によっ
てもその硬さが硬くされる。また、樹脂含浸剤が、ポリ
オレフィンやホットメルト樹脂などの高分子ではなく、
後に重合等によって硬化するものであるため、高分子の
樹脂に比して化粧単板に浸透しやすく、その後硬化させ
た際に、化粧単板と強固に一体化する。また、樹脂含浸
剤を塗布して化粧単板に含浸させるので、バッチ処理が
必要となる減圧や加圧をする必要が無く、化粧合板を一
連の工程で形成できるため、容易にかつ安価に製造する
ことができる。さらに下塗り等の塗料を塗布し硬化させ
ると、塗料が樹脂含浸剤とも結合するため、塗料が剥離
しにくくなり、塗料の密着性や耐摩耗性等が向上する。
【0018】なお、樹脂含浸剤は、加熱圧縮工程におい
て、ローラから伝わる熱によってもある程度硬化可能な
場合もあるが、完全硬化するまで時間を掛けてローラで
加熱することは困難である。そこで含浸剤硬化工程で完
全硬化させる。ここで、樹脂含浸剤の硬化方法として
は、樹脂含浸剤の性質に従って適宜選択すればよいが、
例えば、熱硬化、紫外線などの光による光硬化、電子線
(ベータ線)やガンマ線の照射による放射線硬化、ある
いはこれらの複合などが挙げられる。さらに、樹脂含浸
剤の硬化温度が室温より低い場合には、室温中での放置
により熱硬化させることもできる。特に、熱硬化可能な
樹脂を用い、熱により硬化処理する、さらには、熱及び
紫外線硬化可能である樹脂を用い、熱、紫外線あるいは
これらの併用により硬化処理するのが、容易で好まし
い。
【0019】また、含浸剤硬化工程として、別途、熱硬
化や光硬化等の工程を設けるほか、例えば、熱や紫外線
等の光で硬化する塗料(クリア塗料など)を塗布し、そ
の塗料の熱硬化や光硬化と同時に、樹脂含浸剤をも硬化
させても良い。つまり、加熱圧縮工程の後、含浸材硬化
工程の前に、塗料を塗布する塗料塗布工程を備えるとと
もに、含浸剤硬化工程は、樹脂含浸剤を硬化させるとと
もに塗料を硬化させる含浸剤・塗料硬化工程とするのが
好ましい。このようにすると、塗料の硬化とともに樹脂
含浸剤の硬化が行えるため、別途に含浸剤硬化工程を設
ける必要が無く、より安価に化粧合板を製造することが
できるからである。
【0020】なお、樹脂含浸剤としては、加熱圧縮後に
熱や光、放射線等によって硬化させられる樹脂であっ
て、公知の樹脂含浸剤を用いることができる。中でも木
材との親和性が高く、細胞壁中にも浸透しやすいものが
良い。さらには、例えば、ポリエチレングリコールモノ
アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、あるいは、EO
(エチレンオキサイド)変性ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、EO変性エポキシアクリレートなど分子内
にEO鎖を有するもの、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライ
ド4級塩、N,N−ジメチルアミノアミノプロピルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミドメチルクロライド4級塩、アクリロイルモルホリ
ン、N,N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジ
エチルアクリルアミドなどの含窒素化合物、あるいはこ
れらを適宜混合したものを用いることもできる。これら
は、木材との親和性が高く、細胞壁中にも浸透しやすい
上、熱硬化及び紫外線硬化が可能であり、水溶性で水に
よる希釈が可能である。樹脂含浸剤は、有機溶剤あるい
は水で希釈可能であると、その粘度等を調整できて好ま
しい。特に、環境汚染対策の容易さ、及び、水分と熱に
よる木材の軟化等を考慮すると水希釈可能であるのが好
ましい。
【0021】また、樹脂含浸材の塗布方法としては、樹
脂含浸材の性質に応じて、適宜、公知の手法から選択す
ればよい。例えば、ロールコート法やフローコート法な
どによって塗布することものが挙げられる。
【0022】さらに、上記化粧合板の製造方法におい
て、前記含浸剤塗布工程は、水溶性の前記樹脂含浸剤を
水で希釈して塗布することを特徴とする化粧合板の製造
方法とすると良い。
【0023】本発明の化粧合板の製造方法では、水溶性
の樹脂含浸剤を水で希釈して塗布するので、加熱圧縮時
に水分と熱によって化粧単板が軟化するため、加熱圧縮
がさらに確実にできる。なお、これに適する樹脂含浸剤
としては、例えば、上述のポリエチレングリコールモノ
アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、あるいは、EO
(エチレンオキサイド)変性ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリア
クリレート、EO変性エポキシアクリレートなど分子内
にEO鎖を有するもの、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライ
ド4級塩、N,N−ジメチルアミノアミノプロピルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミドメチルクロライド4級塩、アクリロイルモルホリ
ン、N,N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジ
エチルアクリルアミドなどの含窒素化合物、あるいはこ
れらを適宜混合したものが挙げられる。
【0024】さらに、上記いずれかに記載の化粧合板の
製造方法において、前記樹脂含浸剤の分子量は、100
〜3000であることを特徴とする化粧合板の製造方法
と良い。
【0025】本発明の化粧合板の製造方法では、ポリオ
レフィン等の高分子と異なり樹脂含浸剤の分子量が適度
な範囲にあるため、化粧単板に特に容易に浸透させるこ
とができ、しかも、硬化後は樹脂含浸材が化粧単板と強
固に一体化する。なお、分子量が100未満であると、
揮発速度が高すぎて完全硬化させるまでに揮散しやす
く、樹脂含浸剤としての効果を発揮させにくくなる。一
方、分子量が3000を超えると、木材(化粧単板)へ
浸透しにくくなり含浸効率が悪くなりやすい。
【0026】さらに、上記いずれかに記載の化粧合板の
製造方法において、前記含浸剤塗布工程の前に、前記被
処理化粧合板の単板に、着色処理を行う着色工程を備え
ることを特徴とする化粧合板の製造方法とすると良い。
【0027】化粧合板は、化粧単板の木目等をより美し
く見せるため、化粧合板にクリア塗料を塗布する前に、
導管など化粧単板表面の凹部に着色塗料を充填する場合
がある。しかし、加熱圧縮工程後は、化粧単板が加熱圧
縮されて凹凸が少なくなる上、化粧単板内、さらには合
板内のヤニ成分が化粧単板表面に浮き出るため、導管等
の凹部内にもヤニ成分が浮き出た状態となる。このた
め、加熱圧縮後に従来と同様に着色処理を行ったとして
も、十分な量の着色塗料を凹部に塗布充填できず、木目
等を美しく見せることができず、化粧合板の意匠性が低
下する。特に、樹脂含浸剤を塗布した場合には、導管等
の凹部に樹脂含浸剤も充填されているので、さらに着色
塗料を凹部内に充填することが困難となる。
【0028】これに対し、本発明の化粧合板の製造方法
では、加熱圧縮工程の前、さらには、含浸剤塗布工程の
前に、着色処理を行うので、化粧単板表面において導管
等の凹部に十分に着色塗料を充填して着色できる。従っ
て、微少な割れやすじ状の膨らみがなく、表面硬さが硬
い上、木目等が美しい意匠性の高い化粧合板を製造する
ことができる。
【0029】なお、着色工程としては、化粧合板の化粧
単板に着色するものであれば、公知のいずれの手法も採
用することができ、例えば、スポンジロールによってブ
ラウン等の色彩の塗料を化粧単板に塗布した後、掻き取
りロールで余分な塗料を掻き取るようにしたワイピング
コータなどによる着色工程が挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しつつ説明する。まず、本実施形態で加熱圧縮処理す
るため、図1に示すフロア用の化粧合板(被処理化粧合
板)10を用意する。この化粧合板10は、その厚さが
約12mmで、厚さ約2mmのラワン単板11の木目を
縦横交互にして5層積層してなる合板12と、その表面
(図中上方)に貼り付けられた厚さ0.8mmの杉単板
(化粧単板)13とからなる。なお、前記(図6参照)
したように、合板12は、ラワン単板11の端部同士の
継ぎ目部分では、隙間が生じていわゆるトンネル部TN
となったり、端部同士の重なりによってラップ部LPと
なったりする。
【0031】まず、着色工程において、この化粧合板1
0のうち杉単板13の表面13Aに、図2に示すワイピ
ングコータ30を用いて杉単板表面13Aの導管等の凹
部に茶色の水性着色剤を刷り込んで着色し、その木目な
どがより美しく見えるようにする。即ち、対向するスポ
ンジロール31と送りロール33との間に、表面13A
をスポンジロール31側(図中上方)に向けて化粧単板
10を通し、スポンジロール31とアプリケータ32と
の間に保持する茶色の水性着色剤34を杉単板13の表
面13Aに転写する。
【0032】次いで、2対の掻き取りロール35(35
A,35B)と送りロール36(36A,36B)の間
を通し、単板表面13Aに転写された塗料34のうち、
不要な水性着色剤34を掻き取るとともに、表面13A
の凹部(導管など)に塗料34を刷り込む。その後、ヒ
ータ38で水性着色剤34を乾燥硬化(100℃×1
分)させて、着色工程を終了する。なお、掻き取った水
性着色剤34は、ブレード37A,37Bによって回収
し、再利用する。これにより、杉単板13は、水性着色
剤34によってその木目等が美しく見えるようになる。
なお、この着色工程を次述する含浸剤塗布工程や加熱圧
縮工程よりも前に行ったので、導管等の凹部に水性着色
剤34を確実に刷り込むことができ、杉単板13が美し
く着色できる。
【0033】次いで、含浸剤塗布工程において、化粧合
板10の単板表面13Aに、図3中左方に示すロールコ
ータ40により、樹脂含浸剤44を塗布する。具体的に
は、スポンジロール41と送りロール43との間に、表
面13Aをスポンジロール41側(図中上方)に向けて
化粧単板10を通し、スポンジロール41とアプリケー
タ42との間に保持する樹脂含浸剤44を杉単板13の
表面13Aに転写して塗布する。この樹脂含浸剤44に
ついては後述するが、熱及び紫外線で硬化可能な樹脂を
水で希釈したもので、木材への浸透性が良好なため、杉
単板13に容易に浸透するとともに、水も杉単板13に
浸透する。このため、減圧や加圧によって、強制的に樹
脂含浸剤44を化粧単板13内に注入する必要がない。
【0034】さらに、加熱圧縮工程において、図3右方
に示すように、樹脂含浸剤44が杉単板13に塗布含浸
された化粧合板10を、対になった上部圧縮ローラ51
と下部圧縮ローラ52を、3対(51Aと52A,51
Bと52B,51Cと52C)備える熱圧ロール装置5
0に投入する。本実施形態では、各圧縮ローラ51,5
2は、いずれも直径350mm、幅450mmで、いず
れも140℃とし、送り速度50m/分の速度で回転さ
せている。
【0035】これにより、化粧合板10は圧縮ローラ5
1,52によって加熱圧縮され、圧密化された化粧単板
23(図5参照)を有する化粧合板20となる。この加
熱圧縮工程において、樹脂含浸剤44と共に塗布された
水と熱によって、杉単板13は柔らかくなるため、容易
に変形するので、確実に圧縮することができる。この加
熱圧縮により、図3に示すように、加熱圧縮前の化粧合
板10の厚さT1に対し、加熱圧縮後の化粧合板20の
厚さはT2となる。この厚さT2は、化粧合板10(合
板12や杉単板13)の材質、上部圧縮ローラ51と下
部圧縮ローラ52との間隔、これらの温度、送り速度等
によって変化する。なお、樹脂含浸剤44は、圧縮ロー
ラ51の加熱によって、若干は硬化するが、熱のかかる
時間が短いため、十分な硬化までには至らない。従っ
て、加熱圧縮された杉単板23内には、未硬化の樹脂含
浸剤44が存在する。
【0036】その後、加熱圧縮された化粧合板20の杉
単板表面23Aに3層のクリア塗料層25,26,27
(図5参照)を、図4に示す塗装装置60によって塗装
形成する。具体的には、まず、スポンジロール61Aと
送りロール63Aとの間に、表面23Aをスポンジロー
ル61A側(図中上方)に向けて化粧合板20を通し、
スポンジロール61Aとアプリケータ62Aとの間に保
持する下塗り用クリア塗料65(アクリル形UV塗料)
を、杉単板23の表面23Aに、2.0g/(30c
m)2の塗布量で転写して塗布する。
【0037】その後、UV乾燥機64Aにより、紫外線
ランプ64A1から発せられる紫外線を直接あるいはリ
フレクタ64A2を介して下塗りクリア塗料65(表面
23A)に照射し、下塗り用クリア塗料65を硬化させ
て下塗りクリア塗料層25とするとともに、樹脂含浸剤
44をも完全に硬化させる。これにより、樹脂含浸剤4
4は杉単板23と一体化するとともに、圧縮によって圧
密化され若干薄くなった杉単板23の厚さが戻ることが
防止され、その厚さが確実に固定される。さらに、樹脂
含浸剤44によって杉単板23は加熱圧縮されただけで
なく、樹脂含浸剤44によって木材と樹脂との複合材に
され、その硬さも高くされる。さらに、樹脂含浸剤44
と下塗りクリア塗料層25(下塗り用クリア塗料65)
とも強固に一体化するので、下塗りクリア塗料層25の
密着性も良好となる。
【0038】その後、スポンジロール61Bと送りロー
ル63Bとの間に、表面23Aをスポンジロール61B
側(図中上方)に向けて化粧合板20を通し、スポンジ
ロール61Bとアプリケータ62Bとの間に保持する中
塗り用クリア塗料66を、下塗りクリア塗料層25上
に、1.5g/(30cm)2の塗布量で転写して塗布
する。この中塗り用クリア塗料66は、アクリル系塗料
に30重量%の減摩剤(WA#500、フジミインコー
ポレーテッド社製白色アルミナ)を混合したものであ
る。その後、UV乾燥機64Bにより、紫外線ランプ6
4B1から発せられる紫外線を直接あるいはリフレクタ
64B2を介して中塗りクリア塗料66に照射し、中塗
り用クリア塗料66を硬化させて中塗りクリア塗料層2
6とする。
【0039】さらに、スポンジロール61Cと送りロー
ル63Cとの間に、表面23Aをスポンジロール61C
側(図中上方)に向けて化粧合板20を通し、スポンジ
ロール61Cとアプリケータ62Cとの間に保持する上
塗り用クリア塗料67(アクリル系UV塗料)を、中塗
りクリア塗料層256に、2.0g/(30cm)2
塗布量で転写して塗布する。その後、UV乾燥機64C
により、紫外線ランプ64C1から発せられる紫外線を
直接あるいはリフレクタ64C2を介して上塗りクリア
塗料67に照射し、上塗り用クリア塗料67を硬化させ
て上塗りクリア塗料層27とする。
【0040】このようにして、図5に示すような、加熱
圧縮されたラワン単板21を積層してなる合板22と、
加熱圧縮されて圧密化された杉単板23とからなる化粧
合板20を形成し、さらには、この杉単板表面23A
に、3層のクリア塗料層25,26,27を形成した化
粧合板24を形成した。
【0041】(実施例1,2,3)ここで、樹脂含浸剤
44として、ポリエチレングリコール変性エポキシアク
リレート(分子量1000)を用いたもの(実施例
1)、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量
418)とアクリロイモルホリン(分子量141)を混
合物を用いたもの(実施例2)、及び樹脂含浸剤44を
塗布せず他は同じとしたもの(実施例3)について、上
記製造方法に従って化粧合板24を製造し、各種の評価
を行った。なお、いずれの場合も、加熱圧縮前の厚さT
1=12.0mmに対し、加熱圧縮後の厚さT2=1
1.8mm(厚さ比T2/T1×100=98.3%、
圧縮率1.7%)となるように、圧縮ローラ51,52
の間隙を調整した。
【0042】また、実施例1の樹脂含浸剤44には、ポ
リエチレングリコール変性エポキシアクリレート(分子
量1000)を70重量部、上水を30重量部、過硫酸
カリウム(重合開始剤)を0.1重量部、イルガキュア
184(チバガイギー社製光開始剤)を1重量部ずつ秤
量混合し、熱硬化及び紫外線硬化可能に調整したものを
使用した。また、実施例2の樹脂含浸剤44には、ポリ
エチレングリコールジアクリレート(分子量418)を
70重量部、アクリロイモルホリン(分子量141)を
20重量部、上水を10重量部、過硫酸アンモニウム
(重合開始剤)を0.2重量部、イルガキュア184を
2重量部ずつ秤量混合し、熱硬化及び紫外線硬化可能に
調整したものを使用した。
【0043】(比較例1,2)さらに、比較例1とし
て、樹脂含浸剤44の塗布及び加熱圧縮をしないで、そ
の他は同様にして製造した通常のもの、及び比較例2と
して、加熱圧縮前後の厚さをそれぞれT1=12.0m
m、T2=11.0mmとし、従って厚さ比T2/T1
×100=91.7%(圧縮率8.3%)にし、その他
は、実施例1と同様にしたものも形成し、同様に評価し
た。実施例1,2,3及び比較例1,2の結果を、表1
に示す。
【0044】
【表1】
【0045】ここで、割れCLの評価は、加熱圧縮後、
下塗り用クリア塗料65の塗布前に、化粧合板20の化
粧単板23に微小な割れCL(図6参照)が生じていな
いかどうかを、チョーク粉末を刷り込んで目視検査する
ことよって行った。微小な割れCLが発生しているもの
は不良(×印で表示)とし、無いものは正常(○印で表
示)とした。また、すじSTの評価は、同じく加熱圧縮
後、下塗り用クリア塗料65の塗布前に、化粧合板20
の化粧単板23にすじ状の膨らみST(図6参照)が生
じているかどうかを、目視検査することによって行っ
た。すじ状の膨らみSTが発生していないものは正常
(○印で表示)とし、膨らみSTが発生したものは不良
(×印で表示)とした。
【0046】さらに、耐クラック性の評価は、化粧合板
24を完成後、80℃×2hr〜−20℃×2hrを1
サイクルとして、10サイクル分ヒートサイクル試験を
行い、試験後、発生した全クラックの長さの合計を算出
した。耐摩耗性の評価は、同じく化粧合板24を完成
後、JAS(特殊合板)摩耗C試験によって行い、回転
数を表示した。また、耐キャスター性欄の評価は、同じ
く化粧合板24を完成後、20kg荷重のキャスターを
1000往復させ、試験後、発生した凹みの深さを測定
した。
【0047】上記表1によれば、樹脂含浸剤44を塗布
せず、加熱圧縮もしない比較例1では、耐クラック性、
耐摩耗性、耐キャスター性のいずれも低いことが判る。
杉単板13に樹脂含浸剤44が含浸されず、加熱圧縮も
されないため、杉単板13の硬さが相対的に低いためで
あると考えられる。
【0048】また、厚さ比(T2/T1×100)を小
さく(91.7%)した比較例2では、耐クラック性、
耐摩耗性、耐キャスター性においては良好であるが、微
小な割れCL及びすじ状の膨らみSTが杉単板23に発
生しているため、化粧合板24としては外観不良となり
使用することができない。強く圧縮しすぎたため、ラワ
ンからなる合板12と杉単板13との加熱圧縮時の挙動
の違いによって杉単板13(23)内に微小な割れCL
が発生し、また、合板内のトンネル部TNやラップ部L
Pの影響が杉単板13(23)に現れてすじ状の膨らみ
STが発生したものと考えられる。
【0049】これらに対し、実施例1,2,3において
は、いずれも微小な割れCL及びすじ状の膨らみSTが
発生しなかった。厚さ比(T2/T1×100)を高め
(98.3%)にしたため、合板12と杉単板13との
加熱圧縮時の挙動の違いや、合板内のトンネル部TNや
ラップ部LPの影響が顕在化しなかったためと考えられ
る。
【0050】また、ともに樹脂含浸剤44を塗布しなか
ったが、加熱圧縮を行った実施例3と、加熱圧縮も行わ
なかった比較例1とでは、耐クラック性、耐摩耗性、耐
キャスター性のいずれにおいても、実施例3が優れてい
ることが判る。これは、加熱圧縮によって、杉単板23
が圧密化され、化粧合板24の表面硬さが高く(硬く)
なったためと考えられる。
【0051】さらに、樹脂含浸剤44を塗布しなかった
実施例3と、塗布した実施例1,2とを比較すると、実
施例1,2では、耐クラック性、耐摩耗性、耐キャスタ
ー性のいずれにおいても、飛躍的に特性が向上している
ことが判る。実施例1,2では、樹脂含浸剤44を塗布
し、硬化させたため、杉単板23が、加熱圧縮による圧
密化だけはなく、樹脂含浸剤44により木材と樹脂との
複合材にされて、化粧合板24の表面硬さがさらに高く
なったためと考えられる。
【0052】次いで、上記実施例3と同様、樹脂含浸剤
44の塗布をせずに、様々な厚み比(T2/T1×10
0=90〜100%、但し、100%の場合は圧縮ロー
ラと接触させて加熱したのみで圧縮無し)となるように
圧縮ロール51,52の間隙を調整し、加熱圧縮をおこ
なったものについて、加熱圧縮後の微小な割れCL及び
すじ状の膨らみSTの発生の有無を調査し、さらに、上
述のクリア塗料層25〜27を形成後、表面硬さの指標
として上述の耐キャスター性試験を行い、化粧合板24
の表面硬さを評価した。その結果を、表2に示す。な
お、割れCL及びすじSTの評価は、上記表1における
評価と同様にした。また、厚さ比(T2/T1×10
0)の値は、小数点以下を四捨五入した値で表示してい
る。
【0053】
【表2】
【0054】この表2によると、厚さ比95%以下(具
体的には、95,92,90%)では微小な割れCL及
びすじ状に膨らみSTが発生するが、厚さ比96%以上
では、微小な割れCLは発生せず、すじ状の膨らみST
も発生しないことが判る。厚さ比を比較的高くしたの
で、合板12と杉単板13との加熱圧縮時の挙動の違い
や、合板内のトンネル部TNやラップ部LPの影響が顕
在化しなかったためと考えられる。一方、表面硬さ(耐
キャスター性)は、厚さ比が小さいほど良好となるが、
厚さ比99%でも、厚さ比100%つまり圧縮しない場
合に比べ、耐キャスター性が2倍(発生した凹みの深さ
が1/2の0.15mm)にすることができることが判
る。わずかでも加熱圧縮により圧密化されることによ
り、化粧単板23の硬さが大幅に改善されるためと考え
られる。さらに、厚さ比を98%以下とすると、耐キャ
スター性が3倍以上(凹みの深さが1/3の0.10m
m以下)となり、より表面硬さが良好になる。従って、
これらを総合すると、厚さ比(T2/T1×100)を
96%以上99%以下の範囲とするのが好ましことが判
る。また、96%以上98%以下の範囲とするのがさら
に好ましいことが判る。
【0055】次いで、上記実施例1と同様の樹脂含浸剤
44を塗布し、様々な厚み比(T2/T1×100=9
0〜100%、但し、100%の場合は圧縮ローラと接
触させて加熱したのみで圧縮無し)となるように圧縮ロ
ール51,52の間隙を調整し、加熱圧縮をおこなった
ものについて、加熱圧縮後の微小な割れCL及びすじ状
の膨らみSTの発生の有無を調査し、さらに、上述のク
リア塗料層25〜27を形成後、同じく耐キャスター性
試験によって化粧合板24の表面硬さを評価した。その
結果を、表3に示す。なお、割れCL及びすじST及び
表面硬さの評価も、上記表1における評価と同様にし
た。また、厚さ比(T2/T1×100)の値も、小数
点以下を四捨五入した値で表示している。
【0056】
【表3】
【0057】微小な割れCL及びすじ状の膨らみSTに
ついては、この表3と上記表2とは同様な結果となる。
つまり、厚さ比95%以下では微小な割れCL及びすじ
状に膨らみSTが発生するが、厚さ比96%以上では、
微小な割れCLは発生せず、すじ状の膨らみSTも発生
しない。一方、表面硬さ(耐キャスター性)は、樹脂含
浸剤44を塗布し硬化させたために、いずれの場合にお
いても表2に比較して硬く(良好に)なっている。厚さ
比が小さいほど良好となることにも変わりが無く、厚さ
比99%でも、厚さ比100%に比べ、耐キャスター性
が3倍(凹みの深さが1/3の0.09mm)にするこ
とができる。樹脂含浸剤による効果もあるが、わずかで
も加熱圧縮によって圧密化されることにより、化粧単板
23の硬さが大幅に改善されるためと考えられる。さら
に、厚さ比を98%以下とすると、耐キャスター性が9
倍(凹みの深さが1/9の0.03mm以下)となり、
とくに表面硬さが良好になる。従って、樹脂充填剤44
を用いる場合にも、厚さ比(T2/T1×100)が9
6%以上99%以下の範囲とするのが好ましく、96%
以上98%以下の範囲とするのがさらに好ましいことが
判る。
【0058】以上を総合すると、微小な割れCL、すじ
状の膨らみST及び表面硬さの点から、厚さ比(T2/
T1×100)が96%以上99%以下の範囲とするの
が好ましいことが判る。96%以上98%以下の範囲と
するのがさらに好ましい。また、樹脂含浸剤44を用い
ることにより、表面硬さをより向上させることができ、
耐クラック性、耐摩耗性、耐キャスター性が著しく向上
させることができる。
【0059】以上において、本発明を実施形態に即して
説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適
用できることはいうまでもない。例えば、上記実施形態
では、化粧単板に杉単板13を用いたものを示したが、
檜、松、なら、その他の化粧単板を用いるものにも適用
することができる。
【0060】また、上記実施形態では、圧縮ロール5
1,52を3対備えた熱圧ロール装置50を用いたが、
少なくとも1対の圧縮ロールがあれば良い。また、3対
の圧縮ロール51,52をいずれも140℃一定とした
が、化粧合板10(合板12や化粧単板13)の材質や
樹脂含浸剤44の材質等を考慮して、温度を互いに異な
らせても良く、化粧単板13を加熱及び加圧するように
設定されていればよい。圧縮ロール51,52、特に化
粧単板13と接する側の圧縮ロール51の温度は、化粧
単板13の材質や送り速度、樹脂含浸剤44の硬化温度
などの特性その他を考慮して選択すればよいが、水で希
釈した樹脂含浸剤44を用いる場合に、塗布した水を水
蒸気化して化粧単板13の細胞壁を軟化させやすくした
り、加熱圧縮後に化粧単板23に含まれる水分を少なく
するため、100℃以上とすることが好ましい。一方、
温度が高すぎると、圧縮ロール51に接触した樹脂含浸
剤44がごく短時間で硬化して圧縮ロール51にこびり
つく不具合が生じやすくなるので、180℃以下とする
のが好ましい。対となった圧縮ロール51と52(例え
ば51Aと52A)の間隙は、通過させる化粧合板10
の厚さT1や材質、樹脂含浸剤44の材質、加熱圧縮後
の厚さT2(あるいは厚さ比T2/T1×100)や微
小な割れCLやすじ状の膨らみSTの発生防止、表面硬
さなどを考慮して選択すればよい。
【0061】また、上記実施形態では、中塗りクリア塗
料66として減摩剤を混合したものを用いたが、下塗り
クリア塗料65に減摩剤を混合したものを用いるように
しても良い。また、下塗りクリア塗料65または中塗り
クリア塗料66を塗布後に、減摩剤を散布し、その後下
塗りクリア塗料65や中塗りクリア塗料66を硬化させ
て、減摩剤を坦持した下塗りクリア塗料層25あるいは
中塗りクリア塗料層26を形成しても良い。さらには、
減摩剤をクリア塗料層25,26,27のいずれにも内
包しないものを製造することもできる。
【0062】上記実施形態では、樹脂含浸剤44を化粧
合板10の杉単板表面13Aの塗布するのに、ロールコ
ータ40を用いたが、さらに、リバースロールコータを
用いて塗布量を制御するようにしても良い。また、フロ
ーコータやスプレーによって樹脂含浸剤44や着色剤3
4、クリア塗料65,66,67を塗布することもでき
る。さらに、加熱圧縮した、あるいは樹脂充填材44を
塗布して加熱圧縮した化粧合板20にクリア塗料を塗布
すると、化粧単板23への塗料の吸い込みが少なくなっ
て肉持ち感が出るため、必要に応じて、下塗りクリア塗
料65、あるいは下塗り及び中塗りクリア塗料65,6
6の塗布を省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に使用する化粧合板(被処理化粧合
板)の構造を示す部分拡大断面図である。
【図2】ワイピングコータによって、被処理化粧合板の
化粧単板に着色する様子を示す説明図である。
【図3】被処理化粧合板に樹脂含浸剤を塗布し、被処理
化粧合板を加熱圧縮する様子を示す説明図である。
【図4】加熱圧縮後の化粧合板に、塗料を塗布し、塗料
あるいは樹脂含浸剤及び塗料を硬化させる様子を示す説
明図である。
【図5】完成した化粧合板の構造を示す部分拡大断面図
である。
【図6】化粧合板を高い圧縮率で圧縮した場合の様子を
示す説明図である。
【符号の説明】
TN トンネル部 LP ラップ部 CL 微小な割れ ST すじ状の膨らみ 10 化粧合板(被処理化粧合板) 11 ラワン単板 12 合板 13 杉単板(化粧単板) 13A 表面(化粧単板表面) 20 化粧合板(加熱圧縮済化粧合板) 21 ラワン単板(加熱圧縮済) 22 合板(加熱圧縮済) 23 杉単板(加熱圧縮済の化粧単板) 23A 表面(化粧単板表面) 24 化粧合板(加熱圧縮・塗料塗装済化粧合
板) 25 下塗りクリア塗料層 26 中塗りクリア塗料層 27 上塗りクリア塗料層 30 ワイピングコータ 31 スポンジロール 34 水性着色剤 35 掻き取りロール 40 ロールコータ 44 樹脂含浸剤 50 熱圧ローラ装置 51,52 圧縮ローラ T1 化粧合板の厚さ(加熱圧縮前) T2 化粧合板の厚さ(加熱圧縮後) 60 塗装装置 61 スポンジロール 64 UV乾燥機 65 下塗りクリア塗料 66 中塗りクリア塗料 67 上塗りクリア塗料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B230 AA13 AA15 AA16 AA22 BA01 BA03 BA04 BA17 BA18 CB25 DA02 EA11 EA14 EA19 EA20 EB01 EB03 EB05 EB07 EB13 EB28 EB29 EC10 EC24 2B250 AA05 AA09 AA13 BA03 BA05 CA11 DA04 EA02 EA13 FA21 FA31 FA33 FA37 GA03 HA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合板に化粧単板を張り付けてなる化粧合板
    であって、 上記化粧合板はその厚さ方向に圧縮されてなり、 上記化粧単板は、微小な割れを含むことなく圧密化さ
    れ、 その表面が平坦であることを特徴とする化粧合板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化粧合板であって、 前記化粧単板は、硬化した樹脂含浸剤を含むことを特徴
    とする化粧合板。
  3. 【請求項3】合板に化粧単板を張り付けてなる被処理化
    粧合板を、少なくとも上記化粧単板側のローラを加熱し
    た少なくとも1つのローラ対の間を通過させてその厚さ
    方向に加熱圧縮し、加熱圧縮後の厚さを加熱圧縮前の厚
    さの96%以上99%以下とする加熱圧縮工程を備える
    化粧合板の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の化粧合板の製造方法にお
    いて、 前記加熱圧縮後の厚さを加熱圧縮前の厚さの96%以上
    98%以下とする加熱圧縮工程を備えることを特徴とす
    る化粧合板の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3または請求項4に記載の化粧合板
    の製造方法において、 前記加熱圧縮工程の前に、前記被処理化粧合板の化粧単
    板に樹脂含浸剤を塗布する含浸剤塗布工程を備え、 前記加熱圧縮工程の後に、上記樹脂含浸剤を完全に硬化
    させる含浸剤硬化工程を備えることを特徴とする化粧合
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の化粧合板の製造方法にお
    いて、 前記含浸剤塗布工程は、水溶性の前記樹脂含浸剤を水で
    希釈して塗布することを特徴とする化粧合板の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6に記載の化粧合板
    の製造方法において、 前記樹脂含浸剤の分子量は、100〜3000であるこ
    とを特徴とする化粧合板の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5〜請求項7のいずれか記載の化粧
    合板の製造方法において、 前記含浸剤塗布工程の前に、前記被処理化粧合板の単板
    に、着色処理を行う着色工程を備えることを特徴とする
    化粧合板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007253019A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Dainippon Ink & Chem Inc 塗装木質基材の製造方法
JP2011194758A (ja) * 2010-03-22 2011-10-06 Natoko Kk 塗装化粧合板の製造方法及び塗装化粧合板
CN107309997A (zh) * 2017-06-03 2017-11-03 阜南县宏达工艺品厂 一种柳编制品染色方法

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