JP2001006593A - 透過電子顕微鏡 - Google Patents

透過電子顕微鏡

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JP2001006593A JP11169791A JP16979199A JP2001006593A JP 2001006593 A JP2001006593 A JP 2001006593A JP 11169791 A JP11169791 A JP 11169791A JP 16979199 A JP16979199 A JP 16979199A JP 2001006593 A JP2001006593 A JP 2001006593A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透過電子顕微鏡において球面収差を補正する。 【解決手段】照射レンズ2と補助照射レンズ3は、試料
上の電流密度によらず、電子回折が常に固定された位置
に形成されるように連動制御される。この電子回折が形
成される位置には対物レンズ4によって6極子場10が
形成され、この6極子場10と共役に6極子コイル14
が配置される。6極子場10と6極子コイル14との間
にはダブレットレンズ11が配置される。対物レンズ4
は無限遠結像である。球面収差の補正に関しては、6極
子場10の作用は無視でき、6極子コイル14の強度及
びその磁場の光軸方向長さを最適に設計することで球面
収差を補正できる。また、6極子場10で導入されたプ
ライマリな効果は、3回対称なので6極子コイル14に
おいて相殺される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過電子顕微鏡に
係り、特に、対物レンズによる球面収差を補正するため
の光学系の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】透過電子顕微鏡(TEM)では分解能d
の値は小さいことが望まれる。例えば、結晶等の原子配
列をTEMで直視する場合には、分解能dとしては 0.1
nm程度が要求される。
【0003】ところで、透過電子顕微鏡(TEM)の分
解能dは、電子の波長λと対物レンズの球面収差係数C
S により、次式に従って決定される。 d=0.65CS 1/4λ3/4 …(1) 従って、TEMの分解能dを小さくするためには、(1)
式より、電子の波長λを短くするか、球面収差係数CS
を小さくすればよいことが分かる。
【0004】しかし、現在のTEMのポールピースは、
ほぼポールピースの加工限界まで最適化されており、球
面収差係数CS をより小さくすることは非常に難しいも
のである。
【0005】これに対して、加速電圧を高くすることは
比較的容易である。そして、上述したところから、加速
電圧を高くすれば電子の波長λを短くできるので、分解
能dを小さくすることができる。実際、加速電圧が1000
kVのTEMでは 0.1nm程度の分解能が得られてい
る。しかし、加速電圧を高くすると装置自体が大きくな
ってしまう。
【0006】そこで、広く普及している、加速電圧が 2
00kVクラスの比較的小型のTEMにおいても 0.1nm
程度の分解能が望まれるのであるが、このクラスのTE
Mでは、λ=0.00251nm、CS =0.5mm程度であり、
従って分解能dは0.19nm程度であるのが現状である。
【0007】以上のように、TEMのポールピースはほ
ぼ加工限界まで最適化されており、従って、 0.1nm程
度の分解能を得ようとすると加速電圧を高くせざるを得
ないので、装置が大型化してしまうのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポールピー
スとして現状のものを使用し、加速電圧が 200kV程度
であっても、球面収差を補正することができれば、分解
能を向上させることができるが、回転対称磁界型レンズ
を使用しているTEMでは球面収差を補正することはで
きない。
【0009】即ち、通常、TEMの対物レンズとしては
回転対称磁界型レンズが使用されているが、回転対称磁
界型レンズでは凹レンズを形成することができないの
で、回転対称磁界型レンズを如何様に組み合わせても球
面収差を補正することはできないのである。
【0010】そこで、球面収差補正の可能性として、多
極子コイルによる回転対称でない磁場を導入することが
既に提案されている(例えば、O.Scherzer,Optik 2(194
7)114 )。これは、例えば多極子コイルとして6極子コ
イルを用いた場合、6極子コイルが電子に与える本来の
軌道の収差項として、対物レンズの球面収差係数CS
補正効果が現れることを利用したものである。具体的に
は、2組のダブレット(doublett)レンズと、2個の6
極子コイルを組み合わせて球面収差を補正することが提
案されている(M.Haider,G.Braunshausen and E.Schwa
n,Optik 99(1995)167 )。
【0011】しかし、2組のダブレットレンズと、2個
の6極子コイルを組み合わせた光学系では構成が複雑に
なるばかりでなく、鏡筒が長くなるので装置が大型化し
てしまうという問題がある。ここで、装置が大型化する
ことの理由は概略次のようである。即ち、1組のダブレ
ットレンズは2個の伝達レンズで構成されるが、ダブレ
ットレンズの焦点距離をfT とすると、この1組のダブ
レットレンズを配置するためには、鏡筒には4fTの長さ
の空間が必要となる。従って、2組のダブレットレンズ
の焦点距離が何れもfT であるとすると、これら2組の
ダブレットレンズを配置するためには、鏡筒に8fTの長
さの空間が必要となる。そして、ダブレットレンズの焦
点距離fT は30mm〜50mm程度であるので、fT =30
mmとしても2組のダブレットレンズを配置するだけ
で、鏡筒には24cmの長さが必要となってしまうのであ
る。
【0012】そこで、本発明は、加速電圧が 200kV程
度であっても、球面収差を補正することができ、しかも
鏡筒の長さを上述した従来のものよりも短く抑えること
ができる透過電子顕微鏡を提供することを目的とするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の透過電子顕微鏡は、試料上の電流密度に
よらず、電子回折のクロスオーバーが対物レンズの後焦
点面に常に固定されて形成されるように連動して制御さ
れる照射レンズ及び補助照射レンズと、対物レンズと、
対物レンズによって形成される6極子場であって、その
磁場の中心が後焦点面に一致するように形成される6極
子場と、その磁場の中心が、前記6極子場の磁場の中心
である後焦点面と共役な位置に配置された3回対称の磁
場を生じる多極子コイルと、前記6極子場と、前記多極
子コイルとの間に配置され、前記6極子場の磁場の中心
である後焦点面に形成された電子回折を、前記多極子コ
イルの磁場の中心の位置に移すダブレットレンズとを備
えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ発明の実
施の形態について説明する。なお、以下においては多極
子コイルとして6極子コイルを使用した場合について説
明する。
【0015】図1、図2は本発明に係るTEMの光学系
を示し、図1はその照射光学系、図2はその結像光学系
を示す。図中、1は照射絞り、2は照射レンズ、3は補
助照射レンズ、4は対物レンズ、5は対物レンズ4の前
方レンズ、6は対物レンズ4の後方レンズ、7は試料、
8は対物レンズ4の前焦点面、9は対物レンズ4の後焦
点面、10は6極子場、11はダブレットレンズ、1
2、13はそれぞれダブレットレンズ11の伝達レン
ズ、14は6極子コイル、S0 は光源、f0 は対物レン
ズ4の焦点距離、Oは光軸を示す。なお、図1、図2で
は各レンズは主面のみを示している。また、照射光学系
は、一般には試料から電子銃側の光学系を称するのであ
るが、ここでは便宜的に図1の6極子場10までを照射
光学系とする。また、説明の便宜上図2に示す結像光学
系にも6極子場10を示している。
【0016】まず、図1を参照して照射光学系について
説明する。図1では光軸Oを横軸にとってあり、光軸O
上の左端に光源S0 がある。この光源S0 は、照射レン
ズ2より電子銃側で、最も照射レンズ2に近いクロスオ
ーバー点である。
【0017】光源S0 からの電子は、照射絞り1による
制限を受けて、照射レンズ2、補助照射レンズ3、及び
対物レンズ4の前方レンズ5によって試料7に照射され
るが、ここで、照射レンズ2の励磁と、補助照射レンズ
3の励磁は、クロスオーバー点が前焦点面8の光軸O上
の位置に固定点として形成されるように連動して制御さ
れるようになされている。具体的には、照射レンズ2の
励磁が強くなされると、補助照射レンズ3の励磁は弱く
なされ、逆に照射レンズ2の励磁が弱くなされると、補
助照射レンズ3の励磁は強くなされる。なお、図1で
は、前焦点面8の光軸O上の位置をS1 で示している。
【0018】従って、試料7上の電流密度を変えようと
するときには照射レンズ2の励磁が変えられることにな
るが、そのときには補助照射レンズ3の励磁も連動して
変わるので、試料7上の電流密度によらずクロスオーバ
ー点は常に前焦点面8の光軸上の位置S1 に固定され
る。
【0019】そして、クロスオーバー点S1 を通過した
電子は、試料7に照射し、試料7を透過した電子は後焦
点面9に電子回折を形成する。図1に示すように、前焦
点面8と前方レンズ5の距離、前方レンズ5と試料7の
距離、試料7と後方レンズ6の距離、後方レンズ6と後
焦点面9の距離は、何れも対物レンズ4の焦点距離f 0
であるので、クロスオーバー点S1 を通過した電子は、
前方レンズ5の作用によって光軸Oに平行となされて試
料7に照射し、後焦点面9に電子回折を形成するのであ
る。従って、図1においてS2 で示す後焦点面9の光軸
上の位置は電子回折のクロスオーバーとなる。
【0020】以上のことから、クロスオーバー点となる
前焦点面8と、電子回折が形成される後焦点面9とは共
役であることが分かる。従って、試料7上の電流密度が
変化しても、電子回折は後焦点面9に固定的に形成され
る。
【0021】なお、図1において、実線の光線図は照射
レンズ2の励磁が強く、補助照射レンズ3の励磁が弱い
場合の電子の軌道を示し、破線の光線図は照射レンズ2
の励磁が弱く、補助照射レンズ3の励磁が強い場合の電
子の軌道を示している。
【0022】ここで、対物レンズ4は無限遠結像で使用
される。このように対物レンズ4を無限遠結像とするの
はTEMにおいて通常のことである。
【0023】また、対物レンズ4は、後方レンズ6より
像面側に6極子場10を形成するように構成されてい
る。図1において6極子場10を一点鎖線で示している
のは、6極子場を発生するコイルが実際に配置されるの
でなく、対物レンズ4によって6極子場10が形成され
ることを示しているものである。
【0024】そして、この対物レンズ4によって形成さ
れる6極子場の磁場の中心は後焦点面9に一致するよう
になされる。即ち、6極子場10の磁場の光軸方向の長
さをZ1 とすると、6極子場10の光軸方向の長さZ1
の中心位置は後焦点面9に一致するようになされてい
る。
【0025】このように、6極子場10の磁場の中心を
後焦点面9に一致するように構成するためには、例え
ば、対物レンズ4の下極を図3、図4に示すように加工
すればよい。図3、図4において、21はポールピース
の上極、22はポールピースの下極、31は凸部、32
は凹部を示す。
【0026】図3は、対物レンズ4の光軸Oを含む面で
の断面を示し、図4は下極22の後焦点面9における断
面を示しており、対物レンズ4の上極21と下極22の
ギャップの略中央には試料7が配置され、図3には図示
していないが、試料7より電子銃側(図3の上側)の磁
場分布により前方レンズ5(図3には図示せず)が形成
され、試料7より像面側(図3の下側)の磁場分布によ
り後方レンズ6(図3には図示せず)が形成され、後方
レンズ6の主面の位置から像面側に焦点距離f 0 だけ離
れた位置が後焦点面9となる。
【0027】この後焦点面9は下極22が配置されてい
る間にあるのが通常である。そこで、図4に示すよう
に、後焦点面9の位置に、凸部31と凹部32を光軸O
に対して対称とした対を、光軸Oの回りに 120°間隔で
3対形成するのである。そして、この際、凸部31の頂
点、及び凹部32の頂点が後焦点面9の位置になるよう
に設計する。
【0028】対物レンズ4の下極22をこのように加工
することによって、その磁場の中心が後焦点面9の位置
に一致する6極子場10を形成することができる。つま
り、下極22にこのような加工を行うことによって、本
来は回転対称な磁場を発生するレンズに、3回対称な磁
場を発生する6極子場10を形成することができ、等価
的には図1に示すように表すことができる。
【0029】そして、凸部31の形状、凸部の高さ、及
び凹部32の形状、凹部32の深さ等を制御することに
よって、6極子場10の強度、光軸方向の磁場の長さ等
を制御することができる。
【0030】ここで、照射レンズ2としては、TEMに
通常設けられているコンデンサレンズを用いればよく、
補助照射レンズ3としては、TEMに通常設けられてい
るコンデンサミニレンズを用いればよい。従来、コンデ
ンサレンズとコンデンサミニレンズを連動させて用いる
ことはなされていないが、上述したように連動させるこ
とによって、試料7の直前のクロスオーバー点S1 の位
置を固定的に形成することができるものである。
【0031】以上のように、この照射光学系では、電子
回折は、試料7上の電流密度の如何にかかわらず後焦点
面9に形成され、その後焦点面9の位置には対物レンズ
4によって発生される6極子場10が形成されているの
であるが、このような構成とする理由は次のようであ
る。
【0032】試料7を透過する電子の中には、試料7か
ら何等の作用も受けずに、図5のイで示すように試料7
を直進して透過するものがある。このような電子は0次
透過電子と称されている。また、試料7からの作用を受
けて、図5のロで示すように0次透過電子からある角度
φだけ傾いて試料7を出射する電子もある。
【0033】そして、電子が試料7から出射するときの
0次透過電子からの角度φを便宜的に試料出射角と称す
ることにすると、対物レンズ4から受ける球面収差によ
るボケ量は、電子の試料出射角φの3乗に比例すること
が知られている。即ち、球面収差によるボケ量は、 (球面収差によるボケ量)∝CSφ3 …(2) であることが知られている。このことから、試料出射角
が 0°である0次透過電子には球面収差が生じることは
なく、球面収差が生じるのは、 0°でない試料出射角を
有する電子だけであることが分かる。
【0034】さて、例えば、図5のロと、ハで示すよう
に、試料7上の異なる位置に入射した電子が同じ試料出
射角φで試料7から出射したとすると、これらの電子に
生じる球面収差によるボケ量は同一量となる。従って、
球面収差を補正するためには、これらロで示す電子、及
びハで示す電子に対しては同一の補正量を与えなければ
ならない。
【0035】そのためには、対物レンズ4の後方レンズ
6の作用によって、同じ試料出射角の電子が収差補正面
上で同一位置に収束するようにすれば、それら試料出射
角の同じ電子に対して、同一の補正量を容易に与えるこ
とができることが期待される。また、その収束位置は、
試料7上の電流密度を変化させても移動せず、固定され
ていることが望ましい。この収束位置が移動してしまう
と、後述する結像光学系による作用が異なってしまい、
球面収差を補正することができなくなってしまうからで
ある。
【0036】そこで、照射光学系を上述した構成とし、
試料7上での電流密度を変化させても、対物レンズ4で
形成される試料7の電子回折を常に後焦点面9に位置す
るようにしているのである。そして、この照射光学系に
よって、0次透過電子のクロスオーバーは図1のS2
位置に形成され、試料出射角が 0°でない角度φを持つ
散乱電子のクロスオーバーは後焦点面9上の試料出射角
φに応じた位置に散在することになる。
【0037】以上が照射光学系であり、次に、図2を参
照して結像光学系を説明する。6極子場10から出射し
た電子は、2個の伝達レンズ12、13から構成される
ダブレットレンズ11を通過して、6極子コイル14に
入射する。ここで、伝達レンズ12、13の焦点距離は
共にfT であり、6極子場10の磁場の中心と伝達レン
ズ12の距離、及び伝達レンズ13と6極子コイル14
の磁場の中心との距離は共にfT であり、伝達レンズ1
2と伝達レンズ13との距離は 2fT である。なお、こ
こでは、6極子コイル14の光軸方向の磁場の長さをZ
2 とする。また、6極子場10と、6極子コイル14は
同じ形で配置されるが、このことについては後述する。
【0038】この結像光学系により、6極子場10と、
6極子コイル14は共役な位置に配置されることにな
り、更に、共役面上の電子軌道の傾き、及び倍率まで等
しくなる。
【0039】従って、6極子場10の磁場の中心である
後焦点面9上に形成された電子回折は、ダブレットレン
ズ11により、6極子コイル14の磁場の中心である図
2のS3 で示す点を含む光軸Oに直交する面(以下、こ
の面を単にS3 面と称す)上に、180° 回転された状態
で移されることになる。
【0040】上述したように、前焦点面8のクロスオー
バー点S1 と、電子回折が形成される後焦点面9とは共
役であり、6極子場10と6極子コイル14とは共役な
位置に配置されるから、S3 面の位置は常に固定されて
おり、試料7上の電流密度が変化しても移動しない。
【0041】なお、図2において、実線で示す光線図は
軸外の 0次透過電子の軌道を示し、破線で示す光線図は
軸外の 0次より高次のg次散乱電子の軌道を示し、一点
鎖線で示す光線図は軸上のg次散乱電子の軌道を示して
いる。
【0042】以上の構成により球面収差が補正されるの
であるが、以下、球面収差の補正について説明する。
【0043】まず、6極子コイルの構成、及びその一般
的な作用について概略説明する。6極子コイルの構成及
びその作用は周知であるが、6極子コイルとは、6極子
場を作るために偏向コイルを光軸回りに配置したもので
ある。その構成例を図6(a)に示す。6極子コイル
は、通常、6極子場の位相角ξを自由に制御できるよう
に8個以上のコイルを用いて構成されるが、図6(a)
では説明の簡易化のため、6個のコイルを光軸回りに等
間隔に配置したものを示している。6極子場は3回対称
の磁場である。このことは周知である。また、光軸Oと
各コイルの先端までの距離をボア半径といい、図ではa
で表している。更に、6極子場の位相角ξとは、図6
(a)に示すように、後述の軌道方程式を導くために定
めた基準軸からの位相基準軸のなす光軸回りの角度であ
る。図中での6極子場の位相角ξはπ/3 としてある。
また、図6(b)に示すように、6極子場の光軸方向の
長さをZとする。
【0044】いま、図6(b)に示すように、光軸Oか
らr0 の距離のところに、6極子コイルに対して傾きr
0′ で電子が6極子コイルに入射したとし、6極子コイ
ルの6極子場の位相角がξ=π/3 であるすると、この
電子が6極子コイルから出射する際の光軸Oからの距離
1 、そのときの6極子コイルに対する傾きr1′ は、
4次項以上を無視して次のように表される。 r1=r0(1+t)+kr0 22Lcos3θ+k20 34M …(3) r1′=r0′+kr0 2ZNcos3θ+k20 33P …(4) ここで、θは6極子場の基準軸から見た電子の入射角、
Zは6極子コイルが発生する6極子場の光軸方向の長
さ、kは6極子場の強度を示す。また、t、L、M、
N、Pは軌道の入射条件で決まる定数であり、次のよう
に表される。 t=(r0′/r0)Z …(5) L=1/2+t/3 +t2/12 …(6) M=1/12+t/12+t2/36+t3/252 …(7) N=1+t+t2/3 …(8) P=1/3+5t/12+t2/6+t3/36 …(9) (3) 式の右辺の第1項の「r0(1+t)」は 0次項であ
る。即ち、電子が6極子場による作用を受けずに素通り
する成分を表している。(3) 式の右辺の第2項の「kr
0 22Lcos3θ」は6極子場によるプライマリな効果、
即ち6極子場によって生じる本来の効果の成分を表して
いる。6極子場は3回対称な磁場であるから、丸い電子
は概略3角形状になるが、これがこの第2項の効果であ
る。また、(3) 式の右辺の第3項の「k20 34M」は
6極子場による収差の成分を表す収差項である。そし
て、第3項の収差項はr0 の3次項で、回転対称性を示
している。
【0045】(4) 式についても同様であり、(4) 式の右
辺の第1項の「r0′」は 0次項、第2項の「kr0 2
Ncos3θ」は6極子場によるプライマリな効果の成分、
第3項の「k20 33P」は6極子場による収差項であ
る。そして、第3項の収差項はr0 の3次項で回転対称
性を示している。
【0046】対物レンズ4により形成される6極子場1
0は、6極子コイル14とは、物理的な構成は異なるも
のの、機能的には同じである。従って、6極子場10の
作用についても、(3) 式及び(4) 式の第1項に相当する
0次項、第2項に相当するプライマリな効果の成分、及
び第3項に相当する収差項が現れる。そして、収差項は
回転対称性を示す。
【0047】以上が6極子コイルの一般的な構成、作用
であるが、次に、図2に示す結像光学系の作用について
説明する。まず、上述したように、6極子場10と、6
極子コイル14は同じ形で配置されるが、これは、6極
子コイル14が図6(a)に示されるように配置される
場合、6極子場10は等価的には図6(a)で表される
ように対物レンズ4の下極に形成されることを意味して
いる。
【0048】さて、対物レンズ4の球面収差係数CS
よって生じる球面収差というのは、試料7から 0°でな
い試料出射角φで出射した電子の軌道が、無限遠結像に
設定された焦点距離f0 の対物レンズ4の球面収差係数
S によって、更に角度δだけ傾けられることに他なら
ず、この角度δは δ=−(CS/f0)φ3 …(10) で表されることが知られている。
【0049】従って、6極子場10と6極子コイル14
とによって生じる電子の軌道の傾きのうち、球面収差と
同次数の変化が−δになるようにすれば、球面収差によ
って生じる電子の軌道の傾きδをキャンセルできるの
で、球面収差を補正することができることが分かる。
【0050】そこで、6極子場10と6極子コイル14
によって、球面収差と同次数における電子の軌道の傾き
がどれだけ変化するかを考える。まず、電子が6極子コ
イル14を通過するときに、その球面収差と同次数にお
ける軌道の傾きの変化量は(4) 式の右辺の第3項の収差
項で表される。上述したように、(4) 式の右辺の第1項
は 0次項であるので軌道の傾きには関係のない成分であ
り、第2項は6極子場によるプライマリな効果の成分で
あり、球面収差より一つ下の次数における軌道の傾きの
変化を与える。従って、電子が6極子コイル14を通過
するとき、6極子コイル14の6極子場の強度をk2
すると、電子の軌道の傾きのうち球面収差の補正に有効
な成分のみに着目すれば、k2 20 32 3Pだけ変化する
ことになる。プライマリな効果の消去については後述す
る。
【0051】6極子場10についても同様であり、6極
子場10の強度をk1 、当該磁場の光軸方向の長さをZ
1 、電子が6極子場10に入射する位置の光軸からの距
離をr0 とすると、電子が6極子場10を通過するとき
には、その軌道の傾きのうち球面収差の補正に有効な成
分のみに着目すればk1 20 31 3Pだけ変化することに
なる。プライマリな効果の消去については後述する。
【0052】しかし、対物レンズ4のポールピースは強
い磁界を局所的に発生させるものであるため、図1に示
す照射光学系で意図的に導入される6極子場10の磁場
の光軸方向の長さZ1 は数mm程度である。それに対し
て、6極子コイル14の磁場の光軸方向の長さZ2 は数
十mm程度とすることができ、Z1 に対して十分大きく
設計できる。しかも、(4) 式の右辺の第3項に示されて
いるように、電子の軌道の傾きのうち、球面収差と同次
数のものの変化は6極子場の光軸方向の長さの3乗に比
例するので、 k1 20 31 3P≪k2 20 32 3P …(11) とすることができる。従って、電子が6極子場10に入
射してから6極子コイル14を出射するまでの間に、ど
れだけ球面収差と同次数の軌道の傾きが変化するか、そ
の変化量を求めるについては、6極子場10による軌道
の傾きは無視することができ、6極子コイル14による
軌道の傾きの変化のみを考慮すればよいことになる。
【0053】以上のことから、 k2 20 32 3P+δ= 0 …(12) となるように6極子コイル14を設計すれば、球面収差
を補正できることが分かる。ここで、対物レンズ4は無
限遠結像であるので、電子が6極子コイル14に入射す
るときの入射条件として、r0′ = 0とすることができ
る。このことはTEMにおいては軸外電子に対しても近
似的に成り立つことが知られている。
【0054】そこで、r0′ = 0を(4) 式、(5) 式、及
び(9) 式に代入すると、t= 0、P=1/3となるので、
(12)式は k2 20 32 3/3 +δ= 0 …(13) となる。
【0055】そして、(13)式をk2 について解くと、 k2 =(3CSφ3/f00 32 31/2 …(14) となるが、ここで、対物レンズ4が無限遠結像であるこ
とから、 r0 =φf0 …(15) であるので、(15)式を(14)式に代入すると、 k2 =(3CS/Z2 30 41/2 …(16) となる。
【0056】つまり、6極子コイル14の6極子場の強
度を(16)式で与えられる強度とすることによって、対物
レンズ4によって生じる球面収差を補正することができ
るのであり、図2の結像光学系においては、6極子コイ
ル14の6極子場の強度k2は(16)式で与えられる強度
となされているのである。
【0057】なお、この6極子コイル14の6極子場の
強度k2 は、実際の物理量を用いて次のように表され
る。 k2 =3u0I/a3R …(17) ここで、u0 は真空の透磁率、Rは電子の磁気剛性、I
は6極子コイル14のコイルアンペアターン、aはその
ボア半径である。
【0058】以上のようであるので、対物レンズ4の球
面収差係数CS によって生じる球面収差は補正すること
ができるのであるが、図1、図2に示す光学系ではもう
一つ考慮しなければならない事項がある。
【0059】それは、6極子場10、及び6極子コイル
14によるプライマリな効果である。このプライマリな
効果は、6極子場10、及び6極子コイル14によって
形成される磁場が3回対称な磁場であることに起因して
いる。従って、丸い電子が6極子場10を通過すると、
6極子場10のプライマリな効果によって、出射したと
きには当該電子は概略3角形状に変形されることにな
る。そして、この6極子場10のプライマリな効果は、
(4) 式の右辺の第2項と同様に、 k1-1 21Ncos3θ1 …(18) という形で表される。なお、ここでr-1は電子が6極子
場10に入射する位置の光軸Oからの距離、θ1 は当該
入射位置における6極子場10の位相入射角である。
【0060】そして、6極子場10のプライマリな効果
によって概略3角形状となされた電子はダブレットレン
ズ11を通過し、更に6極子コイル14を通過するので
あるが、6極子コイル14のプライマリな効果によっ
て、更に概略3角形状に変形される。そして、この6極
子コイル14のプライマリな効果は、(4) 式の右辺の第
2項のように、 k20 22Ncos3θ2 …(19) で表される。ここで、θ2 は電子が6極子コイル14に
入射する位置における位相入射角である。
【0061】従って、(18)式の値と、(19)式の値が、絶
対値が同じで符号が逆となるようにすれば、6極子場1
0によるプライマリな効果と、6極子コイル14による
プライマリな効果をキャンセルすることができ、6極子
コイル14を出射した電子は丸くなる。
【0062】ところで、上述したように、6極子場10
と、6極子コイル14は共役な位置に配置にあって、電
子軌道の傾き、及び倍率は等しく、また、6極子場10
の磁場の中心である後焦点面9上に形成された電子回折
は、ダブレットレンズ11により、6極子コイル14の
磁場の中心である図2のS3 面上に、180° 回転された
状態で移され、さらに、6極子場10と、6極子コイル
14は同じ形で配置されるのであるから、(18)式、(19)
式において、Nの値は同じであり、更に r-1=r0 …(20) θ2 =θ1+180° …(21) であるから、 k11=k22 …(22) であれば、6極子場10によるプライマリな効果と、6
極子コイル14によるプライマリな効果をキャンセルす
ることができることが分かる。
【0063】そして、図1、図2に示す光学系において
は、6極子場10と6極子コイル14は(22)を満足する
ように設計されているのである。上述したように、6極
子コイル14の磁場の軸方向の長さZ2 は、6極子場1
0の磁場の光軸方向の長さZ 1 より十分大きいので、6
極子場10の磁場の強度k1 は6極子コイル10の磁場
の強度k2 より十分大きくする必要があるが、6極子場
10の磁場の強度k1は対物レンズ4のポールピースの
下極に形成する凸部の高さ、凹部の深さ等により制御す
ることができるので、これらの数値を(22)式を満足する
ように設計すればよい。
【0064】以上のようであるので、この透過電子顕微
鏡によれば、対物レンズによる球面収差が補正できるの
で、像観察時の分解能を向上させることができる。ま
た、ダブレットレンズは1組使用すればよく、また、6
極子場10は対物レンズ4の下極を加工することで形成
することができるので、鏡筒の長さを必要最小限とする
ことができる。更に、照射光学系としては、従来TEM
に使用されている照射光学系の使用形態を変えるだけで
よいので、構成上の変更を加える必要はないものであ
る。
【0065】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形
態では6極子コイルを用いるものとしたが、3回対称の
磁場を発生する多極子コイルを用いることができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る透過電子顕微鏡の照射光学系の
実施形態を示す図である。
【図2】 本発明に係る透過電子顕微鏡の結像光学系の
実施形態を示す図である。
【図3】 後焦点面9の位置に6極子場10を形成する
ための対物レンズの加工の例を示す図であり、対物レン
ズ4の光軸Oを含む面での断面を示す断面図である。
【図4】 後焦点面9の位置に6極子場10を形成する
ための対物レンズの加工の例を示す図であり、図3の下
極22の後焦点面9における断面を示す断面図である。
【図5】 照射系光学系を図1に示す構成とする理由を
説明するための図である。
【図6】 6極子コイル14の構成、作用を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1…照射絞り、2…照射レンズ、3…補助照射レンズ、
4…対物レンズ、5…対物レンズ4の前方レンズ、6…
対物レンズ4の後方レンズ、7…試料、8…対物レンズ
4の前焦点面、9…対物レンズ4の後焦点面、10…対
物レンズ4に形成される6極子場、11…ダブレットレ
ンズ、12、13…ダブレットレンズ11の伝達レン
ズ、14…6極子コイル、S0 …光源、f0 …対物レン
ズ4の焦点距離、O…光軸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料上の電流密度によらず、電子回折のク
    ロスオーバーが対物レンズの後焦点面に常に固定されて
    形成されるように連動して制御される照射レンズ及び補
    助照射レンズと、 対物レンズと、 対物レンズによって形成される6極子場であって、その
    磁場の中心が後焦点面に一致するように形成される6極
    子場と、 その磁場の中心が、前記6極子場の磁場の中心である後
    焦点面と共役な位置に配置された3回対称の磁場を生じ
    る多極子コイルと、 前記6極子場と、前記多極子コイルとの間に配置され、
    前記6極子場の磁場の中心である後焦点面に形成された
    電子回折を、前記多極子コイルの磁場の中心の位置に移
    すダブレットレンズとを備えることを特徴とする透過電
    子顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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