JP2001003793A - 内燃機関の燃焼制御システム、及び、内燃機関の燃焼制御方法 - Google Patents

内燃機関の燃焼制御システム、及び、内燃機関の燃焼制御方法

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JP2001003793A
JP2001003793A JP11175399A JP17539999A JP2001003793A JP 2001003793 A JP2001003793 A JP 2001003793A JP 11175399 A JP11175399 A JP 11175399A JP 17539999 A JP17539999 A JP 17539999A JP 2001003793 A JP2001003793 A JP 2001003793A
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torsion angle
rotation
internal combustion
cylinders
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JP11175399A
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English (en)
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Yoichi Kataoka
洋一 片岡
Hiroshi Nishino
宏 西野
Yoshiaki Mitsuyama
慶明 満山
Tadashi Hosokawa
直史 細川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多気筒内燃機関を適切に制御可能し、多気筒
内燃機関の効率向上、長寿命化等を図ることである。 【解決手段】 内燃機関の燃焼制御システムCCSは、
複数のシリンダC1〜C4内で燃料を燃焼させてクラン
ク軸Sを回転駆動する多気筒内燃機関Dに適用され、各
シリンダC1〜C4内における燃料の点火タイミング若
しくは燃料噴射タイミングを制御するものであり、クラ
ンク軸Sのねじり角θを計測する回転成分計測装置1
と、回転成分計測装置1によって計測されたねじり角θ
に基づいて、各シリンダC1〜C4ごとの点火タイミン
グ若しくは燃料噴射タイミングを設定する制御装置30
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のシリンダ内
で点火若しくは着火させた燃料を燃焼させて回転軸を回
転駆動する多気筒内燃機関に適用される内燃機関の燃焼
制御システム及び内燃機関の燃焼制御方法に関し、特
に、多気筒内燃機関の各シリンダ内における燃料の点火
タイミング若しくは燃料噴射タイミングを制御する内燃
機関の燃焼制御システム及び内燃機関の燃焼制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ガソリンエンジン、ディーゼ
ルエンジン等の内燃機関が様々な分野において駆動源と
して広範に活用されていることはいうまでもない。この
ような内燃機関は、一般に、複数のシリンダと、各シリ
ンダ内に配されるピストンと連結された回転軸(クラン
ク軸)とを備える。ガソリン、重油等の燃料は気化され
た上で、空気(酸素)と混合させられ、各シリンダ内で
火花点火または圧縮着火させられる。そして、各シリン
ダ内で、気化燃料と空気との混合気が燃焼(爆発)する
と、各シリンダ内で各ピストンが往復運動し、これに伴
って、回転軸(クランク軸)が回転駆動されることにな
る。
【0003】ここで、このような多気筒内燃機関に備え
られる回転軸は、質量分布を有する弾性体からなり、無
限自由度の振動系を形成するものである。また、回転軸
には、各シリンダ内における混合気の燃焼(爆発)によ
る力、及び、ピストンの往復運動による力によってトル
ク変動が作用し、例えば、2サイクル−ディーゼルエン
ジンの場合、(回転軸の回転数×シリンダ数)倍のトル
ク変動を生じる。従って、各種多気筒内燃機関の回転軸
には、いわゆる、ねじり振動が発生することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、各種多気
筒内燃機関では、回転軸にねじり振動が発生することを
避けることはできず、多気筒内燃機関の運転中、トルク
変動周波数と回転軸のねじり固有振動数とが一致すると
共振現象を生じ、ねじり振動が励振されてしまう。回転
軸に発生したねじり振動が励振されると、回転軸の外表
面には、軸方向に互いに離間する2点で回転速度(回転
数)が異なる、いわゆる、回転速度むらが表出すること
になる。そして、このようなねじり振動に起因する回転
速度むらは、各種多気筒内燃機関の効率等を低下させる
要因となる。
【0005】すなわち、多気筒内燃機関としてのディー
ゼルエンジンを例にとれば、ディーゼルエンジンを制御
するに際しては、設計段階で、エンジン出力と回転軸の
回転速度との関係を示す特性曲線を定め、各運転出力と
対応する回転速度を求めておく。そして、エンジン側又
は負荷側で回転軸(クランク軸の一端、又は、連結軸
等)の回転速度(回転数)を計測し、計測した回転速度
と、設定しようとする出力に対応する回転数との偏差に
基づいて、各シリンダ内における燃料の着火(圧縮着
火)のタイミング、すなわち、燃料の噴射タイミングを
設定するのが一般的である。
【0006】しかしながら、上述したように、回転軸の
外表面には、回転速度むらが表出するので、回転軸(ク
ランク軸)から直接計測される回転速度(以下「実回転
速度」という)には、ねじりの影響を除外した正味の回
転速度(以下「真回転速度」という)と、ねじり振動成
分(ねじり振動のモーダル応答)とが含まれることにな
る。すなわち、燃料の点火タイミングを設定する際の制
御パラメータとなる実回転速度に、ねじり振動成分が含
まれてしまう。このため、実回転速度と運転出力(負
荷)に対応する回転速度との偏差がゼロになったとして
も、設定された燃料の点火タイミング若しくは燃料噴射
タイミングは、実際には、設定しようとした出力に対し
て精度よく適応していないことになることから、ディー
ゼルエンジンの効率を向上させることは困難となる。
【0007】また、回転軸に発生したねじり振動は、種
々の要因によって励振される傾向にあることから、多気
筒内燃機関の運転中、回転軸(クランク軸)のねじれは
両端部間でおよそ1〜3°程度まで達してしまう。従っ
て、このような状態で多気筒内燃機関の運転を継続して
も、多気筒内燃機関の効率を向上させることは困難であ
り、また、多気筒内燃機関の耐久性を低下させるおそれ
もある。
【0008】そこで、本発明は、多気筒内燃機関を適切
に制御可能であり、多気筒内燃機関の効率向上、長寿命
化等に寄与する内燃機関の燃焼制御システム、及び、内
燃機関の燃焼制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による内燃機関の燃焼制御システムは、複数のシリンダ
内で点火若しくは着火させた燃料を燃焼させて回転軸を
回転駆動する多気筒内燃機関に適用され、各シリンダ内
における燃料の点火タイミング若しくは燃料噴射タイミ
ングを制御する内燃機関の燃焼制御システムであって、
回転軸のねじり角を計測する回転成分計測手段と、回転
成分計測手段によって計測されたねじり角に基づいて、
各シリンダごとの点火タイミング若しくは燃料噴射タイ
ミングを設定する制御手段とを備えることを特徴とす
る。
【0010】この内燃機関の燃焼制御システムは、ガソ
リンエンジン、ディーゼルエンジン等の少なくとも2以
上のシリンダを有する多気筒内燃機関に対して適用され
るものであり、回転成分計測手段は、多気筒内燃機関の
回転軸(クランク軸)に対して配され、制御手段は、ガ
ソリンエンジンでは各シリンダに配された点火装置に、
ディーゼルエンジンでは燃料噴射装置(各シリンダに配
された燃料噴射弁)に接続される。多気筒内燃機関の運
転中、回転成分計測手段は、回転軸のねじり角を計測
し、計測したねじり角を示す信号を制御手段に与える。
【0011】制御手段は、回転成分計測手段から受け取
った信号に基づいて、燃料点火装置の作動時期や燃料噴
射装置の作動時期(噴射タイミング)、すなわち、各シ
リンダにおける火花点火若しくは圧縮着火のタイミング
を設定する。これにより、回転軸のねじり角を相殺する
ように多気筒内燃機関を適切に制御することができる。
この結果、多気筒内燃機関の効率を向上させることが可
能となると共に、ねじり振動に起因する大きなねじり応
力の発生を低減することができる。
【0012】また、回転成分計測手段は、回転軸に設定
された第1計測点と、この第1計測点から離間するよう
に設定された回転軸の第2計測点との間における回転軸
の相対ねじり角を計測するものであり、制御手段は、回
転成分計測手段によって計測された相対ねじり角に基づ
いて、各シリンダに対応する位置における回転軸のねじ
り角を算出し、算出した各シリンダに対応する位置にお
ける回転軸のねじり角に基づいて、各シリンダごとの点
火タイミング若しくは燃料噴射タイミングを設定するも
のであると好ましい。
【0013】この場合、制御対象となる多気筒内燃機関
の回転軸の例えば一端側に第1計測点を設定し、また、
第1計測点から回転軸の軸方向に離間する位置(例え
ば、当該回転軸の他端側)に第2計測点を設定する。こ
の際、第1計測点と第2計測点とを、各シリンダが両者
の間に位置するように(全シリンダを両側から挟むよう
に)設定すると好ましい。回転成分計測手段は、このよ
うに設定された第1計測点と第2計測点との間における
回転軸の相対ねじり角(例えば、第2計測点に対する第
1計測点のねじり角)を計測し、計測値を示す信号を制
御手段に与える。
【0014】制御手段は、回転成分計測手段から受け取
った信号に示される相対ねじり角に、回転軸の各シリン
ダに対応する位置ごとに定められた係数(以下、「ねじ
り角モード」という)を乗じることにより、各シリンダ
に対応する位置における回転軸のねじり角を算出する。
ここで、各種多気筒内燃機関の回転軸のねじり剛性は、
設計段階で計算によって求めることができるものであ
り、計算値と実測値とが概ね一致することは経験的に知
られている。また、各シリンダに対応する位置で回転軸
に加わる回転力(各ピストンの往復運動によって回転軸
に作用する力)も設計段階で計算によって求めることが
できる。従って、これらから、回転成分計測手段によっ
て計測された相対ねじり角と、各シリンダに対応する位
置における回転軸のねじり角との関係を規定する関係式
も計算によって求めることが可能であり、このような関
係式から、ねじり角モードを各シリンダごとに定めるこ
とができる。
【0015】そして、制御手段は、算出した回転軸の各
シリンダに対応する位置におけるねじり角に基づいて、
各シリンダごとの点火タイミング若しくは燃料噴射タイ
ミングを設定する。このような構成を採用すれば、回転
軸の各シリンダに対応する位置におけるねじり角が容易
に定められることになり、火花点火若しくは圧縮着火の
タイミングを各シリンダごとに極めて適切に設定するこ
とが可能となる。
【0016】更に、回転成分計測手段は、第1計測点若
しくは第2計測点で回転軸が所定角度だけ回転するのに
要する第1周期若しくは第2周期を計測する周期計測手
段と、第1計測点と第2計測点との間で回転軸に発生す
る回転位相差を計測する位相差計測手段と、周期計測手
段によって計測された第1周期及び第2周期のうちの何
れか一方と、位相差計測手段によって計測された回転位
相差とに基づいて第1計測点と第2計測点との間におけ
る相対ねじり角を算出するねじり角演算手段とを備える
と好ましい。
【0017】この場合、回転成分計測手段に含まれる周
期計測手段は、第1計測点若しくは第2計測点において
回転軸が所定角度だけ回転するのに要する第1周期若し
くは第2周期を計測する。この際、第1計測点(第2計
測点)における回転軸の回転をパルス変換すれば、得ら
れたパルス波(第1パルス波若しくは第2パルス波)の
周期T1(T2)が第1周期(第2周期)に相当する。
また、回転成分計測手段の位相差計測手段は、第1計測
点と第2計測点との間で回転軸に発生する回転位相差を
計測する。すなわち、第1計測点における回転軸の回転
と、第2計測点における回転軸の回転とをそれぞれパル
ス変換すれば、第1計測点から得られたパルス波(第1
パルス波)と、第2計測点から得られたパルス波(第2
パルス波)との位相差△Tが回転位相差に相当する。
【0018】そして、回転成分計測手段のねじり角演算
手段は、位相差計測手段によって計測された回転位相差
(△T)を、周期計測手段によって計測された第1周期
若しくは第2周期(T1,T2)で除する。すなわち、
ねじり角演算手段は、△T/T1、若しくは、△T/T
2なる値を算出する。ここで、回転位相差を第1周期若
しくは第2周期で除することにより得られた値は、回転
軸の相対ねじり角に比例するものである。これにより、
第1計測点と第2計測点との間における回転軸の相対ね
じり角を容易かつ的確に計測することができる。なお、
本明細書では、ねじり角(相対ねじり角)という用語
を、ねじり角に比例する成分をも含むものとして用いる
こととする。
【0019】請求項4に記載の本発明による内燃機関の
燃焼制御方法は、複数のシリンダ内で点火若しくは着火
させた燃料を燃焼させて回転軸を回転駆動する多気筒内
燃機関に適用され、各シリンダ内における燃料の点火タ
イミング若しくは燃料噴射タイミングを制御する内燃機
関の燃焼制御システム方法であって、回転軸のねじり角
を計測する回転成分計測工程と、回転成分計工程で計測
したねじり角に基づいて、各シリンダごとの点火タイミ
ング若しくは燃料噴射タイミングを設定する燃焼制御工
程とを含むものである。
【0020】また、回転成分計測工程では、回転軸に設
定した第1計測点と、この第1計測点から離間するよう
に設定した回転軸の第2計測点との間における回転軸の
相対ねじり角を計測し、燃焼制御工程では、回転成分計
測工程で計測した相対ねじり角に基づいて、各シリンダ
に対応する位置における回転軸のねじり角を算出すると
共に、算出した各シリンダに対応する位置における回転
軸のねじり角に基づいて、各シリンダごとの点火タイミ
ング若しくは燃料噴射タイミングを設定すると好まし
い。
【0021】更に、回転成分計測工程では、第1計測点
若しくは第2計測点で回転軸が所定角度だけ回転するの
に要する第1周期若しくは第2周期を計測すると共に、
第1計測点と第2計測点との間で回転軸に発生する回転
位相差を計測し、第1周期及び第2周期のうちの何れか
一方と、回転位相差とに基づいて第1計測点と第2計測
点との間における相対ねじり角を算出すると好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による内
燃機関の燃焼制御システム、及び、内燃機関の燃焼制御
方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明による内燃機関の燃焼制御
システム(以下、単に「燃焼制御システム」という)の
ブロック構成図である。同図は、本発明による燃焼制御
システムCCSを、ディーゼルエンジンの燃料噴射タイ
ミングを制御するシステムとして適用した例を示すもの
である。この燃焼制御システムCCSを適用したディー
ゼルエンジンDは、船舶の推進動力源として用いられる
ものであり、クランク軸Sは、連結軸52を介して、先
端にスクリュープロペラ50が固定されたプロペラ軸5
1と連結されている。
【0024】図2に示すように、ディーゼルエンジンD
は、複数(この場合、4体)のシリンダC1,C2,C
3,C4を有する。各シリンダC1〜C4には、それぞ
れ、吸気弁、排気弁が設けられると共に、蓄圧器(燃料
供給ポンプ)53に接続された燃料噴射弁(電磁弁)E
V1,EV2,EV3,EV4が各1体ずつ取り付けら
れている。また、各シリンダC1〜C4内には、それぞ
れ、ピストンr1,r2,r3,r4が配されており、
各ピストンr1〜r4は、ピストンロッドを介してクラ
ンク軸Sの各クランク部s1、s2、s3、s4と連結
されている。これにより、各燃料噴射弁EV1〜EV4
から各シリンダC1〜C4内に重油等の燃料を供給すれ
ば、燃料は圧縮着火して燃焼し、各シリンダC1〜C4
内で各ピストンr1〜r4が往復運動する。そして、各
ピストンr1〜r4の往復運動に伴って、回転軸として
のクランク軸Sが回転駆動されることになる。
【0025】このようなディーゼルエンジンDに適用さ
れた燃焼制御システムCCSには、図1に示すように、
回転成分計測装置1が含まれる。この回転成分計測装置
1には、クランク軸Sに設定された第1計測点L1に対
して配され、第1計測点L1におけるクランク軸Sの第
1実回転速度V1(t)を計測するための第1検出部3
と、クランク軸Sに設定された第2計測点L2に対して
配され、第2計測点L2におけるクランク軸Sの第2実
回転速度V2(t)を計測するための第2検出部4とが
含まれる。
【0026】ここで、第1計測点L1は、図1に示すよ
うに、クランク軸Sの一端部(スクリュープロペラ50
の反対側)に設定され、第2計測点L2は、第1計測点
L1から所定距離だけ離間しており、ねじり振動モード
φが第1計測点L1とは異なるクランク軸Sの他端側
(この場合、連結軸52の端部)に設定される。このよ
うに、第1計測点L1と第2計測点L2とをクランク軸
Sの両端に設け、各シリンダC1〜C4が両者の間に位
置するように、すなわち、全シリンダC1〜C4を両側
から挟むように設定すると好ましい。
【0027】図1に示すように、第1検出部3は、クラ
ンク軸Sの第1計測点L1に固定される第1回転体5
と、第1回転体5と対向するように配置される第1検出
器7とからなる。第1回転体5は、金属によって形成さ
れた回転歯車であり、その外周には、所定ピッチ(例え
ば、6°)を隔てて多数の外歯が形成されている。一
方、第1検出器7は、電磁ピックアップ等からなり、ク
ランク軸Sと共に回転する第1回転体5の歯先と谷との
間で発生する磁界の変化を利用し、第1回転体5の外歯
が通過するのを検知してパルス信号P1を発生する。す
なわち、クランク軸Sの第1計測点L1における回転
は、第1検出部3(第1回転体5及び第1検出器7)に
よってパルス変換される。
【0028】同様に、第2検出部4も、クランク軸Sの
第2計測点L2に固定される第2回転体6と、第2回転
体6と対向するように配置される第2検出器8とからな
る。第2回転体6も、金属によって形成された回転歯車
であり、その外周には、所定ピッチを隔てて多数の外歯
が形成されている。また、第2検出器8も、電磁ピック
アップ等からなり、第1検出器7と同様に、クランク軸
Sと共に回転する第2回転体6の歯先と谷との間で発生
する磁界の変化を利用し、第2回転体6の外歯を検知し
てパルス信号P2を発生する。すなわち、クランク軸S
の第2計測点L2における回転も、第2検出部4(第2
回転体6及び第2検出器8)によってパルス変換され
る。
【0029】なお、第2回転体6の歯数n2と、第1回
転体5の歯数n1とを一致させる必要はなく、例えば、
歯数n2を歯数n1の整数倍等に設定してもよいが、こ
の燃焼制御システムCCSでは、演算処理の容易性に鑑
みて、第1回転体5の歯数n1と第2回転体6の歯数n
2とを同数に設定している。また、この燃焼制御システ
ムCCSでは、ディーゼルエンジンDのクランク軸Sに
設けられるフライホイールを第2回転体6として兼用し
ている。更に、第1検出部3及び第2検出部4として
は、ロータリーエンコーダ等の光学式検出器を用いるこ
とも可能である。
【0030】回転成分計測装置1は、第1検出部3から
送出されるパルス信号P1と、第2検出部4から送出さ
れるパルス信号P2とに基づいてディーゼルエンジンD
に含まれて回転駆動されるクランク軸Sの回転成分のう
ち、ねじり角(相対ねじり角)θ、真回転速度(真回転
数)V(t)、ねじり振動成分(ねじり振動のモーダル
応答)y(t)を計測可能なものである。回転成分計測
装置1が計測する各種回転成分のうち、この燃焼制御シ
ステムCCSでは、ねじり角(相対ねじり角)θが制御
パラメータとして用いられる。
【0031】燃焼制御システムCCSは、図1に示すよ
うに、回転成分計測装置1と接続されており、燃料噴射
のタイミングを制御する制御装置30を含む。回転成分
計測装置1からは、ねじり角(相対ねじり角)θを示す
信号が制御装置30に対して連続的に送出される。制御
装置30は、演算器31を有し、回転成分計測装置1の
出力信号は、この演算器31によって受け取られる。演
算器31は、回転成分計測装置1の出力信号に示されて
いる値にディーゼルエンジンDのシリンダ数(この場
合、4体)に応じた数だけ所定の係数を乗じる演算処理
を行い、演算結果を示す信号をシリンダ数に応じた数だ
け出力する。
【0032】演算器31には、遅延回路32が接続され
ており、この遅延回路32は、演算器31の出力信号に
示された値に基づく所定の信号をシリンダ数に応じた数
だけ出力する。遅延回路32は、主制御部33と接続さ
れており、主制御部33は、各シリンダC1〜C4に設
けられている各燃料噴射弁EV1〜EV4と接続されて
いる。主制御部33は、ディーゼルエンジンDの回転速
度(真回転速度V(t)を用いると好ましい)及び負荷
の少なくとも何れか一方に基づいて、各シリンダC1〜
C4について燃料の噴射タイミングを設定する設定器
(図示せず)を有しており、この設定器から発せられる
信号と、遅延回路32から受け取った信号とに基づいて
各燃料噴射弁EV1〜EV4を開閉させる。
【0033】次に、本発明による燃焼制御システムCC
Sに含まれる回転成分計測装置1について説明する。図
3は、回転成分計測装置1のブロック構成図であり、同
図に示すように、回転成分計測装置1は、第1検出部3
及び第2検出部4を含む計測ブロック2と、計測ブロッ
ク2による計測値を演算処理してクランク軸Sの各種回
転成分を算出する演算ブロック20とに大別される。
【0034】計測ブロック2には、第1検出部3の第1
検出器7に接続された第1波形整形器9と、第1波形整
形器9に接続された第1カウンタ11とが含まれる。第
1検出器7によって発生されたパルス信号P1は、第1
波形整形器9によって矩形波状に整形された後(図4参
照)、第1カウンタ11に送られる。同様に、計測ブロ
ック2には、第2検出部4の第2検出器8に接続された
第2波形整形器10と、第2波形整形器10に接続され
た第2カウンタ12とが含まれる。第2検出器8によっ
て発生されたパルス信号P2も、第2波形整形器10に
よって矩形波状に整形された後(図5参照)、第2カウ
ンタ12に送られる。
【0035】第1カウンタ11には、図3に示すよう
に、例えば、1MHzの高周波パルス信号を発生する高
周波基準信号発生器14が接続されている。第1カウン
タ11は、第1検出器7から第1波形整形器9を介して
受け取るパルス信号P1をゲート信号として作動し、一
旦パルス信号P1を受け取ってから次のパルス信号P1
を受け取るまでの間、高周波基準信号発生器14から受
け取った高周波パルス信号をカウントする。同様に、第
2カウンタ12にも、高周波基準信号発生器14が接続
されており、第2カウンタ12は、第2検出器8から第
2波形整形器10を介して受け取るパルス信号P2をゲ
ート信号として作動し、一旦パルス信号P2を受け取っ
てから次のパルス信号P2を受け取るまでの間、高周波
基準信号発生器14から受け取った高周波パルス信号を
カウントする。
【0036】また、計測ブロック2には、第3カウンタ
13が含まれている。第3カウンタ13は、第1波形整
形器9、第2波形整形器10、及び、高周波基準信号発
生器14と接続されている。第3カウンタ13は、第1
波形整形器9及び第2波形整形器10を介して、第1検
出器7及び第2検出器8から受け取ったパルス信号P
1,P2をゲート信号として作動し、パルス信号P1を
受け取ってから、パルス信号P2を受け取るまでの間、
高周波基準信号発生器14から受け取った高周波パルス
信号をカウントするものである。
【0037】第3カウンタ13は、演算ブロック20に
含まれるねじり角演算器21に接続されている。そし
て、第3カウンタ13は、カウント数を示す信号をねじ
り角演算器21に与える。また、ねじり角演算器21に
は、計測ブロック2の第2カウンタ12が接続されてお
り、第2カウンタ12は、カウント数を示す信号を、ね
じり角演算器21に与える。ねじり角演算器21は、第
2カウンタ12の出力信号と、第3カウンタ13の出力
信号とに基づいて所定の演算を行い、第1計測点L1と
第2計測点L2との間におけるクランク軸Sの相対ねじ
り角θを算出する。なお、ねじり角演算器21と第2カ
ウンタ12とを接続する代わりに、ねじり角演算器21
と第1カウンタ11とを接続してもよい。
【0038】なお、この回転成分計測装置1の計測ブロ
ック2には、第1演算器15と、第2演算器16とが更
に含まれている。第1演算器15は、第1カウンタ11
に接続されており、第1カウンタ11は、カウント数を
示す信号を第1演算器15に与える。第1演算器15
は、第1カウンタ11から信号を受け取ると、第1カウ
ンタ11が計数したカウント数の逆数を算出する。ま
た、第2演算器16は、第1カウンタ12に接続されて
おり、第2カウンタ12は、カウント数を示す信号を第
2演算器16に与える。第2演算器16は、第2カウン
タ12から信号を受け取ると、第2カウンタ12が計数
したカウント数の逆数を算出する。
【0039】これらの第1演算器15と第2演算器16
とは、それぞれ、演算ブロック20に含まれる副演算器
22に接続されている。第1演算器15は、第1カウン
タ11が計数したカウント数の逆数を示す信号を、第2
演算器16は、第2カウンタ12が計数したカウント数
の逆数を示す信号を、演算ブロック20の副演算器22
に与える。副演算器22は、第1演算器15と第2演算
器16とから受け取った信号に基づいて所定の演算を行
い、真回転速度V(t)と、ねじり振動成分y(t)と
を算出可能なものである。従って、副演算器22によっ
て算出された真回転速度V(t)と、ねじり振動成分y
(t)とを、ディーゼルエンジンDの制御パラメータと
して用いることも可能である。
【0040】以下、上述した燃焼制御システムCCSに
よるディーゼルエンジンDの燃焼制御手順(燃焼制御方
法)について説明する。
【0041】燃焼制御システムCCSを用いる場合、デ
ィーゼルエンジンDのクランク軸Sに対して、回転成分
計測装置1の計測ブロック2を配する。すなわち、クラ
ンク軸Sの第1計測点L1には、第1検出部3に含まれ
る第1回転体5を固定し、第1計測点L1から離間する
クランク軸Sの第2計測点L2には、第2検出部4に含
まれる第2回転体6を固定する。この際、第2回転体6
は、何れか1の外歯の延在方向(深さ方向)が、第1回
転体5に含まれる何れか1の外歯の延在方向(深さ方
向)と一致する状態でクランク軸Sに固定される。ま
た、第1検出器7は、第1回転体5と対向するように配
置され、第2検出器8は、第2回転体6と対向するよう
に配置される。
【0042】この状態からディーゼルエンジンDを作動
させてクランク軸Sを回転駆動した場合、クランク軸S
にねじり振動が発生しなければ、クランク軸Sの第1計
測点L1における第1実回転速度V1(t)と、第2計
測点L2における第2実回転速度V2(t)とは、いず
れも図4に示すように一定となって両者は一致するはず
である。そして、この場合は、第1検出器7と第2検出
器8とからは、パルス信号P1,P2が同一間隔(同一
周期)で発せられることになる。
【0043】しかしながら、実際には、クランク軸Sの
任意の箇所で、図5に示すようなねじり振動が発生し、
クランク軸Sから直接計測される第1実回転速度V1
(t)と、第2実回転速度V2(t)とには、図6に示
すように、ねじりの影響を除外した正味の回転速度であ
る真回転速度V(t)と、ねじり振動成分y(t)とが
含まれる。このため、クランク軸Sの表面には、いわゆ
る回転速度むらが表出するので、第1検出部3の第1検
出器7から発せられるパルス信号P1と、第2検出部4
の第2検出器8から発せられるパルス信号P2とを波形
化すると、図7に示すように、第1計測点L1に対応す
る第1パルス波W1の周期T1と、第2計測点L2に対
応する第2パルス波W2の周期T2とは異なる値とな
る。
【0044】ここで、高周波基準信号発生器14が発す
る高周波パルス信号の周期は一定であるから、第1カウ
ンタ11のカウント数は、実質的に、パルス信号P1を
波形化することにより得られる第1パルス波W1の周期
T1に相当し、第2カウンタ12のカウント数は、実質
的に、パルス信号P2を波形化することにより得られる
第2パルス波W2の周期T2に相当することになる。こ
の結果、第1カウンタ11は、周期計測手段として機能
し、第1パルス波W1の周期T1、すなわち、第1計測
点L1においてクランク軸Sが2π/n1(rad)だ
け回転するのに要する時間(第1周期)を計測すること
になる。同様に、第2カウンタ12も、周期計測手段と
して機能し、第2パルス波W2の周期T2、すなわち、
第2計測点L2においてクランク軸Sが2π/n2(r
ad)だけ回転するのに要する時間(第2周期)を計測
することになる。
【0045】一方、クランク軸Sにねじり振動が発生す
ると、クランク軸Sの第1計測点L1と第2計測点L2
との間には、回転位相差が生じることになる。これに起
因して、パルス信号P1とパルス信号P2とを波形化す
ると、第1パルス波W1と第2パルス波W2との間に
は、図7に示すように、位相差△Tが生じる。この位相
差△Tは、第1カウンタ11に対するパルス信号P1の
入力タイミングと、第2カウンタ12に対するパルス信
号P2の入力タイミングとの時間差、すなわち、第1カ
ウンタ11による第1周期(T1)の計測タイミング
と、第2カウンタ12による第2周期(T2)の計測タ
イミングのずれとして第3カウンタ13によって計測さ
れることになる。このように第3カウンタ13は、クラ
ンク軸Sの第1計測点L1と第2計測点L2との間にお
ける回転位相差(△T)を計測する位相差計測手段とし
て機能する。
【0046】従って、第3カウンタ13から演算ブロッ
ク20のねじり角演算器21に与えられる信号には、ク
ランク軸Sの第1計測点L1と第2計測点L2との間の
回転位相差(△T)が示されている。また、第2カウン
タ12からねじり角演算器21に与えられる信号には、
第2パルス波W2の周期T2、すなわち、第2計測点L
2においてクランク軸Sが2π/n2(rad)だけ回
転するのに要する時間(第2周期)が示されている。演
算ブロック20のねじり角演算器21は、第2カウンタ
12と第3カウンタ13とから受け取った信号に基づい
て、回転位相差を第2周期で除する。すなわち、ねじり
角演算器21は、△T/T2なる値を算出する。ここ
で、回転位相差(△T)を第2周期(T2)で除するこ
とにより得られた値は、第1計測点L1と第2計測点L
2との間におけるクランク軸Sの相対ねじり角θ(第2
計測点L2に対する第1計測点L1のねじり角)に比例
するものである。この結果、クランク軸Sの相対ねじり
角θが容易かつ的確に算出されることになる。
【0047】回転成分計測装置1は、ディーゼルエンジ
ンDの運転中、第1計測点L1と第2計測点L2との間
におけるクランク軸Sの相対ねじり角θを計測(算出)
し、計測(算出)した相対ねじり角θを示す信号を制御
装置30に与える。そして、制御装置30は、回転成分
計測装置1から受け取った信号に基づいて、各シリンダ
C1〜C4に設けられている各燃料噴射弁EV1〜EV
4の作動時期(燃料の噴射タイミング)を、各シリンダ
C1〜C4ごとに設定する。すなわち、制御装置30の
演算器31は、回転成分計測装置1から受け取った信号
に示される相対ねじり角θに、クランク軸Sの各シリン
ダC1〜C4に対応する位置X1〜X4(図2参照)ご
とに定められた係数である、ねじり角モードβ1,β
2,β3,β4を乗じる演算処理を行う。
【0048】ここで、ディーゼルエンジンDのクランク
軸Sのねじり剛性は、設計段階で計算によって求めるこ
とができるものであり、計算値と実測値とが概ね一致す
ることは経験的に知られている。また、各シリンダC1
〜C4に対応する位置X1,X2,X3,X4でクラン
ク軸Sに加わる回転力(各ピストンr1〜r2の往復運
動によってクランク軸Sに作用する力)も設計段階で計
算によって求めることができる。そして、これらから、
回転成分計測装置1によって算出された相対ねじり角θ
と、各シリンダC1〜C4に対応する位置X1〜X4に
おけるクランク軸Sのねじり角との関係を規定する関係
式(図2の曲線β参照)も計算によって求めることが可
能である。従って、このような関係式から、ねじり角モ
ードβ1〜β4を各シリンダC1〜C4ごとに定めるこ
とができるので、クランク軸Sの各シリンダC1〜C4
に対応する位置X1〜X4におけるねじり角も容易に定
められることになる。
【0049】制御装置30の演算器31は、このような
演算処理を行い、回転成分計測装置1によって計測され
た相対ねじり角θに基づいて、各シリンダC1〜C4に
対応する位置X1,X2,X3,X4におけるクランク
軸Sのねじり角を、それぞれ、β1・θ,β2・θ,β
3・θ,β4・θとして算出する。そして、演算器31
は、ディーゼルエンジンDのシリンダ数に応じた数の信
号、すなわち、(β1・θ)なる値を示す信号、(β2
・θ)なる値を示す信号、(β3・θ)なる値を示す信
号、(β4・θ)なる値を示す信号を遅延回路32に与
える。
【0050】制御装置30の遅延回路32は、演算器3
1から受け取った各信号に示されている値に所定の係数
を乗じる等の演算処理を行い、設定器によって設定され
ている各シリンダC1〜C4についての噴射タイミング
を遅延又は早めるための補正時間(補正成分)を算出す
る。そして、遅延回路32は、演算結果を示す信号をシ
リンダ数に応じた数だけ主制御部33に与える。主制御
部33は、遅延回路32から受け取った信号と、図示し
ない設定器から発せられる信号とに基づいて各燃料噴射
弁EV1〜EV4を開閉させる。
【0051】これにより、制御装置30によって、各シ
リンダC1〜C4ごとの点火タイミング、すなわち、各
シリンダC1〜C4内における圧縮着火のタイミング
が、クランク軸Sのねじり角、すなわち、各シリンダC
1〜C4に対応する位置X1,X2,X3,X4におけ
るクランク軸Sのねじり角を相殺するように設定される
ことになる。この結果、多気筒内燃機関としてのディー
ゼルエンジンDが適切に制御されることになり、ディー
ゼルエンジンDの効率を向上させることが可能となると
共に、ねじり振動に起因する大きなねじり応力の発生を
低減することができる。
【0052】なお、回転成分計測装置1による真回転速
度V(t)、ねじり振動成分y(t)の算出手順につい
ても併せて説明する。この場合、第1演算器15が算出
する値は、第1カウンタ11が計数したカウント数の逆
数であるが、かかる値は、第1パルス波W1の周期T1
の逆数、すなわち、第1計測点L1における第1実回転
速度V1(t)に比例する。更に、第2演算器16が算
出する値は、第2カウンタ12が計数したカウント数の
逆数であるが、かかる値は、第2パルス波W2の周期T
2の逆数、すなわち、第2計測点L2における第2実回
転速度V2(t)に比例する。従って、第1演算器15
による演算結果及び第2演算器16による演算結果(ま
たは、これらに適宜定数を乗じた値)を、第1計測点L
1におけるクランク軸Sの第1実回転速度V1(t)及
び、第2計測点L2におけるクランク軸Sの第2実回転
速度V2(t)として用いることができる。計測ブロッ
ク2は、このような手順で、クランク軸Sの複数箇所
(第1計測点L1及び第2計測点L2)における実回転
速度V1(t)、V2(t)を算出する。
【0053】このようにして、クランク軸Sの複数箇所
における実回転速度V1(t)、V2(t)が求められ
ると、真回転速度V(t)と、ねじり振動成分y(t)
とを未知数とする次のような連立方程式を立てることが
できる。 V1(t)=V(t)+φ1・y(t) …(1) V2(t)=V(t)+φ2・y(t) …(2) そして、上記(1)及び(2)式からなる連立方程式の
解である真回転速度V(t)と、ねじり振動成分y
(t)とは、 V(t)=K1・V1(t)−K2・V2(t) …(3) y(t)={V1(t)−V2(t)}/{φ1−φ2} …(4) として表せる。なお、K1及びK2は、ねじり振動モー
ドφ1とφ2とによって表される定数であり、 K1=1/{1−φ1/φ2} …(5) K2={φ1/φ2}/{1−φ1/φ2} …(6) として求めることができる。演算ブロック20の副演算
器22は、第1演算器15及び第2演算器16から受け
取った信号によって示される第1実回転速度V1(t)
及び第2実回転速度V2(t)を、上記(3)及び
(4)式に代入し、真回転速度V(t)とねじり振動成
分y(t)とを算出する。このように、回転成分計測装
置1によれば、クランク軸Sの各種回転成分のうち、真
回転速度V(t)及びねじり振動成分y(t)をも容易
かつ的確に求めることができる。
【0054】なお、本実施形態では、回転軸Sの2箇所
における実回転速度V1(t)、V2(t)を計測して
いるが、これに限られるものではなく、回転軸Sの3箇
所(異なるねじり振動モードを有する3箇所)以上につ
いて実回転速度を計測してもよい。これにより、算出さ
れるねじり角等の精度を向上させることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果を得ることができる。すなわち、多気筒
内燃機関の回転軸のねじり角を計測すると共に、計測し
たねじり角に基づいて、各シリンダごとの点火タイミン
グ若しくは燃料噴射タイミングを設定することにより、
各シリンダ内における燃料の点火タイミング若しくは燃
料噴射タイミングを、回転軸のねじり角を相殺するよう
に設定することが可能となる。従って、多気筒内燃機関
が適切に制御されることになり、多気筒内燃機関の効率
を向上させることが可能となると共に、ねじり振動に起
因する大きなねじり応力の発生を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による内燃機関の燃焼制御システムのブ
ロック構成図である。
【図2】本発明による内燃機関の燃焼制御システムが適
用される多気筒内燃機関の一例を説明する模式図であ
る。
【図3】回転成分計測装置のブロック構成図である。
【図4】クランク軸Sにねじり振動が発生しないと仮定
した場合の実回転速度を説明するための図表である。
【図5】クランク軸Sに発生したねじり振動を説明する
ための図表である。
【図6】クランク軸Sの実回転速度を説明するための図
表である。
【図7】クランク軸Sの回転をパルス変化することによ
って得られるパルス信号のタイムチャートである。
【符号の説明】
CCS…燃焼制御システム、1…回転成分計測装置、2
…計測ブロック、3…第1検出部、4…第2検出部、5
…第1回転体、6…第2回転体、7…第1検出器、8…
第2検出器、9…第1波形整形器、10…第2波形整形
器、11…第1カウンタ、12…第2カウンタ、13…
第3カウンタ、14…高周波基準信号発生器、20…演
算ブロック、21…ねじり角演算器、30…制御装置、
31…演算器、32…遅延回路、33…主制御部、C
1,C2,C3,C4…シリンダ、D…ディーゼルエン
ジン(多気筒内燃機関)、EV1,EV2,EV3,E
V4…燃料噴射弁、L1…第1計測点、L2…第2計測
点、P1,P2…パルス信号、S…クランク軸(回転
軸)、T1…第1パルス波の周期(第1周期)、T2…
第2パルス波の周期(第2周期)、△T…第1パルス波
と第2パルス波との位相差(回転位相差)、W1…第1
パルス波、W2…第2パルス波、β1,β2,β3,β
4…ねじり角モード、θ…相対ねじり角(ねじり角)。
フロントページの続き (72)発明者 満山 慶明 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 細川 直史 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 2F063 AA34 AA35 CA09 DA01 DA04 DB07 DC08 DD03 GA52 GA69 LA08 LA15 3G022 AA03 DA01 DA02 EA07 GA05 3G084 AA01 AA03 AA08 BA15 BA17 DA02 DA19 EA01 EA04 FA34 3G301 HA01 HA02 HA26 JA02 JA05 MA18 NE11 NE12 PE02Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダ内で点火若しくは着火さ
    せた燃料を燃焼させて回転軸を回転駆動する多気筒内燃
    機関に適用され、前記各シリンダ内における燃料の点火
    タイミング若しくは燃料噴射タイミングを制御する内燃
    機関の燃焼制御システムであって、 前記回転軸のねじり角を計測する回転成分計測手段と、 前記回転成分計測手段によって計測された前記ねじり角
    に基づいて、前記各シリンダごとの点火タイミング若し
    くは燃料噴射タイミングを設定する制御手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の燃焼制御システム。
  2. 【請求項2】 前記回転成分計測手段は、前記回転軸に
    設定された第1計測点と、この第1計測点から離間する
    ように設定された前記回転軸の第2計測点との間におけ
    る前記回転軸の相対ねじり角を計測し、 前記制御手段は、前記回転成分計測手段によって計測さ
    れた前記相対ねじり角に基づいて、前記各シリンダに対
    応する位置における前記回転軸のねじり角を算出し、算
    出した前記各シリンダに対応する位置における前記回転
    軸のねじり角に基づいて、前記各シリンダごとの点火タ
    イミング若しくは燃料噴射タイミングを設定することを
    特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼制御システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記回転成分計測手段は、 前記第1計測点若しくは前記第2計測点で前記回転軸が
    所定角度だけ回転するのに要する第1周期若しくは第2
    周期を計測する周期計測手段と、 前記第1計測点と前記第2計測点との間で前記回転軸に
    発生する回転位相差を計測する位相差計測手段と、 前記周期計測手段によって計測された前記第1周期及び
    前記第2周期のうちの何れか一方と、前記位相差計測手
    段によって計測された前記回転位相差とに基づいて前記
    相対ねじり角を算出するねじり角演算手段とを備えるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃焼制御シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 複数のシリンダ内で点火若しくは着火さ
    せた燃料を燃焼させて回転軸を回転駆動する多気筒内燃
    機関に適用され、前記各シリンダ内における燃料の点火
    タイミング若しくは燃料噴射タイミングを制御する内燃
    機関の燃焼制御方法であって、 前記回転軸のねじり角を計測する回転成分計測工程と、 前記回転成分計工程で計測した前記ねじり角に基づい
    て、前記各シリンダごとの点火タイミング若しくは燃料
    噴射タイミングを設定する燃焼制御工程とを含む内燃機
    関の燃焼制御方法。
  5. 【請求項5】 前記回転成分計測工程では、前記回転軸
    に設定した第1計測点と、この第1計測点から離間する
    ように設定した前記回転軸の第2計測点との間における
    前記回転軸の相対ねじり角を計測し、 前記燃焼制御工程では、前記回転成分計測工程で計測し
    た前記相対ねじり角に基づいて、前記各シリンダに対応
    する位置における前記回転軸のねじり角を算出すると共
    に、算出した前記各シリンダに対応する位置における前
    記回転軸のねじり角に基づいて、前記各シリンダごとの
    点火タイミング若しくは燃料噴射タイミングを設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃焼制御
    方法。
  6. 【請求項6】 前記回転成分計測工程では、前記第1計
    測点若しくは前記第2計測点で前記回転軸が所定角度だ
    け回転するのに要する第1周期若しくは第2周期を計測
    すると共に、前記第1計測点と前記第2計測点との間で
    前記回転軸に発生する回転位相差を計測し、前記第1周
    期及び前記第2周期のうちの何れか一方と、前記回転位
    相差とに基づいて前記相対ねじり角を算出することを特
    徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃焼制御方法。
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