JP2001003368A - 法面構造 - Google Patents

法面構造

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JP2001003368A
JP2001003368A JP11172206A JP17220699A JP2001003368A JP 2001003368 A JP2001003368 A JP 2001003368A JP 11172206 A JP11172206 A JP 11172206A JP 17220699 A JP17220699 A JP 17220699A JP 2001003368 A JP2001003368 A JP 2001003368A
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slope
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JP11172206A
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Atsutaka Fujii
厚孝 藤井
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KAM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部空間を大きく形成して充填する充填材の
量を増大し、これにより、良好な通水性を保って自然環
境を保全することができるとともに、構築時の作業性が
高く、かつ、充填材の大きさ等に制約がなく、現地で工
事の際に発生する材料をそのまま使用することができる
ようにすることにより、材料の輸送費を含む法面の構築
コストを低廉にでき、かつ、緑化を図ることができる法
面構造を提供すること。 【解決手段】 エキスパンドメタル、金網等の多数の透
孔を有する金属製材料で以て形成した金属製部材1を法
面に敷設し、隣接する金属製部材1の内部に砕石等の充
填材2を充填するようにした法面構造であって、金属製
部材1の内部に充填した充填材2が流出しないように、
金属製部材1に沿って、金属製部材の透孔よりも小さい
大きさの網目を有する網体と、ヤシ繊維等からなる粗い
目の不織布とポリプロピレンやポリエステルの長繊維等
からなる細かい目の不織布を積層したものとを層状に配
設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川、湖、海岸、
山肌、谷間等(本明細書において、単に「河川等」とい
う場合がある。)の法面、護岸等の構造(本明細書にお
いて、単に「法面構造」という場合がある。)に関し、
特に、自然環境の保全を目的とした法面構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、河川等の法面を造成する場合、法
面を保護するために、法面に沿ってコンクリートを打設
したり、コンクリート製ブロックを設置するようにして
いる。しかしながら、近年の自然環境の保全の気運の高
まりとともに、上記従来のコンクリートを使用する工法
の見直しが進められ、自然環境に適合した工法の開発が
要請されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この自然環
境の保全の要請に応えるものとして、内部に砕石等の充
填材を充填することができる中空状のコンクリート製ブ
ロックが提案され、実用化されている。
【0004】しかしながら、このブロックは、コンクリ
ート製のため重量が大きく、扱いにくいため、構築時の
作業性が悪いだけでなく、ブロックに要求される強度と
の関係上、内部空間をあまり大きく形成することができ
ず、このため、ブロックの内部に充填することができる
充填材の量に制約があり、通水性を保つことにより自然
環境を保全するという目的を完全には達成するものでは
なかった。
【0005】ところで、本件発明者は、先に、上記のコ
ンクリートを打設したり、コンクリート製ブロックを設
置する従来工法や、内部に砕石等の充填材を充填するこ
とができる中空状のコンクリート製ブロックの有する問
題点に鑑み、内部空間を大きく形成して充填する充填材
の量を増大し、これにより、良好な通水性を保って自然
環境を保全することができるとともに、構築時の作業性
が高く、かつ、充填材の大きさ等に制約がなく、材料の
輸送費を含む法面の構築コストを低廉にできる、周壁に
多数の透孔を形成した鋼製の筒状体を法面に敷設し、隣
接する筒状体同士を連結するとともに、筒状体の内部に
砕石等の充填材を充填するようにした法面構造を提案し
た(平成9年特許願第99746号)。
【0006】この法面構造は、周壁に多数の透孔を形成
した鋼製の筒状体を法面に敷設し、使用する鋼材の厚み
を調整するのみで、要求される強度を容易に得ることが
でき、内部空間を大きく形成して充填する充填材の量を
増大し、これにより、良好な通水性を保って自然環境を
保全することができ、また、鋼製の筒状体は、コンクリ
ート製ブロックと比較して重量が小さく、取り扱いが容
易となり、さらに、隣接する筒状体同士の連結作業も容
易にできることと相俟って、構築時の作業性が高く、か
つ、周壁に形成する透孔の大きさを調整するのみで、各
種の充填材に対応することができ、材料の輸送費を含む
法面の構築コストを低廉にできるという顕著な作用効果
を奏するものであった。
【0007】ところで、この法面構造は、上記のとお
り、周壁に多数の透孔を形成した鋼製、例えば、ステン
レススチール製のエキスパンドメタルからなる筒状体を
用いるようにしているため、板厚、強度、透水性等の関
係で、周壁に形成する透孔の大きさを極端に小さく設定
することが困難で、このため、内部に充填する充填材の
大きさ等にある程度の制約がかかり、充填材として良質
の粒径の揃った砕石を用いる場合には、全く問題はない
が、例えば、現地で工事の際に発生する残土をそのまま
使用すると、時間の経過とともに、雨水や流水等によっ
て、内部に充填した充填材が流出してしまうという問題
があった。
【0008】これに対処するために、筒状体の周壁に沿
って、不織布を配設することも考えられるが、周壁によ
って十分に支持されていない不織布に、部分的に充填材
による圧力がかかると、圧力がかかった部分の不織布が
破れ、その箇所から内部に充填した充填材が流出してし
まうおそれを完全には排除できなかった。
【0009】本発明は、上記の鋼製の筒状体を用いるよ
うにした法面構造の有する問題点に鑑み、内部空間を大
きく形成して充填する充填材の量を増大し、これによ
り、良好な通水性を保って自然環境を保全することがで
きるとともに、構築時の作業性が高く、かつ、充填材の
大きさ等に制約がなく、現地で工事の際に発生する残土
をそのまま使用することができるようにすることによ
り、材料の輸送費を含む法面の構築コストを低廉にで
き、かつ、緑化を図ることができる法面構造を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の法面構造は、エキスパンドメタル、金網等
の多数の透孔を有する金属製材料で以て形成した金属製
部材を法面に敷設し、隣接する金属製部材の内部に砕石
等の充填材を充填するようにした法面構造において、前
記金属製部材の内部に充填した充填材が流出しないよう
に、金属製部材に沿って、該金属製部材の透孔よりも小
さい大きさの網目を有する網体と、不織布とを層状に配
設するとともに、前記不織布にヤシ繊維等からなる粗い
目の不織布とポリプロピレンやポリエステルの長繊維等
からなる細かい目の不織布を積層したものを用いるよう
にしたことを特徴とする。
【0011】この法面構造は、エキスパンドメタル、金
網等の多数の透孔を有する金属製材料で以て形成した金
属製部材を法面に敷設し、隣接する金属製部材の内部に
砕石等の充填材を充填するようにした法面構造におい
て、金属製部材に沿って、金属製部材の透孔よりも小さ
い大きさの網目を有する網体と、不織布とを層状に配設
するようにしているため、要求される強度を容易に得る
ことができ、内部空間を大きく形成して充填する充填材
の量を増大し、これにより、良好な通水性を保って自然
環境を保全することができる。また、金属製材料で以て
形成した金属製部材は、コンクリート製ブロックと比較
して重量が小さく、取り扱いが容易となり、また、隣接
する金属製部材同士の連結作業も容易にできることと相
俟って、構築時の作業性が高く、かつ、金属製部材に沿
って層状に配設する網体と不織布とによって、充填材に
現地で工事の際に発生する残土をそのまま使用するよう
にしても、不織布が破れること等による充填材の流失事
故を防止することができ、材料の輸送費を含む法面の構
築コストを低廉にできる。また、不織布にヤシ繊維等か
らなる粗い目の不織布とポリプロピレンやポリエステル
の長繊維等からなる細かい目の不織布を積層したものを
用いるようにしているため、ヤシ繊維等からなる粗い目
の不織布の緩衝作用によって、ポリプロピレンやポリエ
ステルの長繊維等からなる細かい目の不織布が破れるこ
とを防止することができるとともに、ポリプロピレンや
ポリエステルの長繊維等からなる細かい目の不織布によ
って、現地で工事の際に発生する細かい目の土砂を含む
材料をそのまま使用するようにしても、充填材が流失す
ることを確実に防止することができる。さらに、金属製
部材に沿って配設した不織布には、砕石等の充填材と比
較して植物の生育条件がよく、容易に植生を施すことが
でき、雨水や流水等による充填材の流出を確実に防止す
ることができ、傾斜面等においても、簡易に緑化を図る
ことができる。
【0012】この場合において、網体には、ステンレス
スチール等の金属製の網体やヤシ繊維等の繊維製の網体
を適用することができる。
【0013】これにより、網体にステンレススチール等
の金属製の網体を用いた場合には、網体により不織布を
恒久的に支持することができ、一方、網体にヤシ繊維等
の繊維製の網体を用いた場合には、充填材が安定した
後、網体を最終的に周囲の充填材と一体化させることが
できる。
【0014】また、網体と不織布を接着等により一体に
形成した積層体を適用することができる。
【0015】これにより、網体により不織布を確実に支
持することができるとともに、構築材料の取り扱いが容
易となり、構築時の作業性が高く、法面の構築コストを
低廉にできる。
【0016】また、金属製部材の内部に縦方向に不織布
等からなる柱状の透水部材を配設することができる。
【0017】これにより、充填材に現地で工事の際に発
生する粘土分を多く含むヘドロ状の材料をそのまま使用
するようにしても、縦方向に配設した柱状の透水部材を
介して排水が円滑に行われ、充填材の充填作業を短期間
で行うことができるとともに、施工後の水はけを良好に
維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の法面構造の実施の
形態を図面に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明の法面構造を河川の法面に
適用した一実施例を示す。この法面構造は、図2に示す
ように、周壁11に多数の透孔を形成した金属製部材と
しての筒状体1を、特に限定されるものではないが、使
用環境、要求される強度等に応じて、厚さ数mm〜10
mm程度のステンレススチール等の金属製板材に多数の
切目を入れ、これを延伸することにより、多数の透孔を
形成するようにしたエキスパンドメタル等の金属製の網
体5を介して、法面3及び川底4に敷設し、敷設した筒
状体1が流水の作用等により移動しないように、網体5
と筒状体1及び隣接する筒状体1同士を螺旋状又はリン
グ状の線材、ボルト・ナット等の締結具や溶接等により
連結するとともに、筒状体1の内部に砕石等の充填材2
を充填して構成したものである。この場合、筒状体1の
上面に同様の網体(好ましくは、ステンレススチール等
の金属製線材を編んで形成した網体)を配設することが
好ましい。これにより、筒状体1の内部に充填した充填
材2が流出することを防止することができる。
【0020】本実施例のおいては、法面3に敷設する筒
状体1は、その頂部に段差を設けて階段状に敷設するよ
うにしているが、これに限定されず、頂部が法面3と平
行となるように平面状に敷設するようにしたり、後述の
ように、段積みすることもできる。
【0021】また、川底4に敷設する筒状体1は、その
頂部の高さが、隣接する筒状体同士で異なるように、例
えば、数個置きに突出した筒状体1Aを配設することが
でき、これにより、景観にアクセントを持たせることが
できるとともに、流水の緩衝効果を奏するものとなる。
また、川底4に敷設する筒状体1には、筒状体1の内部
に充填した砕石等の充填材2が流出しないように、必要
に応じて、表面に多数の透孔を形成した蓋板(図示省
略)を配設することができる。
【0022】筒状体1は、特に限定されるものではない
が、使用環境、要求される強度等に応じて、厚さ数mm
〜10mm程度のステンレススチール等の金属製板材に
多数の切目を入れ、これを延伸することにより、多数の
透孔を形成するようにしたエキスパンドメタルを折り曲
げ、端縁同士を螺旋状又はリング状の線材、ボルト・ナ
ット等の締結具や溶接等により連結して、断面形状が正
六角形になるように形成したもので構成するようにして
いる。なお、本実施例においては、筒状体1を断面形状
が正六角形になるように形成し、これにより、法面構造
をハニカム構造とするようにしたが、筒状体の断面形状
はこれに限定されず、三角形、四角形、八角形等の多角
形、円筒形等、任意の形状のものを採用することができ
る。また、この場合、図3(a)に示すように、筒状体
1の周壁の少なくとも一部を省略して筒状体1を構成
し、この省略した部分の周壁を、図3(b)に示すよう
に、隣接する筒状体1の周壁11で以て構成することが
できる。これにより、隣接する筒状体1の周壁11の重
なりをなくし、通水性を向上することができるととも
に、材料費を節約して、筒状体1の製造コストを低廉に
できる。
【0023】この場合において、筒状体1の周壁11を
エキスパンドメタル等の多数の透孔を形成した部材で構
成した場合における隣接する筒状体1同士の接続に用い
る接続具としては、螺旋状又はリング状の線材、ボルト
・ナット等のほか、例えば、図4に示すような、専用の
締結具7を用いることができる。この締結具7は、上下
端に固定片71a,71aを形成した締結具本体71
と、キー片72とからなり、隣接した筒状体1の周壁1
1同士を重ね合わせた状態で、周壁11に形成した透孔
に締結具本体71の固定片71a,71aを挿入し、固
定片71a,71aに穿設したキー孔71b,71bに
キー片72を挿入して、隣接した筒状体1同士を接続
し、一体化できるようにしたものである。
【0024】筒状体1の内部には、通常は、図5(a)
(参考例)に示すように、砕石21を充填するようにす
るが、充填する充填材2は、筒状体1を敷設する法面3
や川底4等の状態、他の付随的な要請等に応じて任意に
選定することができる。
【0025】そして、現地の材料を使用する場合等で、
筒状体1の周壁11に形成した透孔(網目)よりも小さ
な粒径の小石、砂等の粒状材22を使用する場合には、
図5(b)に示すように、充填した粒状材22が流出し
ないように、筒状体1の周壁11の内周面に、筒状体1
の周壁11に沿って、筒状体1の周壁11に形成した透
孔よりも小さい大きさの網目を有する網体23aと不織
布23bを層状に配設した後、小石、砂等の粒状材22
を充填するようにする。なお、筒状体1の周壁11側に
網体23aを配設するようにする。このように、筒状体
1の周壁11に沿って、網体23aと不織布23bを層
状に配設するによって、現地で工事の際に発生する残土
をそのまま使用するようにしても、不織布23bが破れ
ること等による充填した粒状材22等の充填材2の流失
事故(筒状体1間での移動を含む。)を防止することが
でき、材料の輸送費を含む法面の構築コストを低廉にで
きる。
【0026】また、この網体23a及び不織布23bに
は、例えば、図6に示すように、網体23aと不織布2
3bを接着、針金状の機械的な固着具等により一体に形
成した積層体を用いることができ、これにより、網体2
3aにより不織布23bを確実に支持することができる
とともに、構築材料の取り扱いが容易となり、構築時の
作業性が高く、法面の構築コストを低廉にできる。
【0027】この場合において、網体23aには、ステ
ンレススチール等の金属製線材(例えば、線径φ0.3
〜1.0mmの線材)を編んで形成した網体やヤシ繊維
等の繊維製紐を編んで形成した、例えば、網目5〜20
mm程度の網体を適用することができる。これにより、
網体23aにステンレススチール等の金属製の網体を用
いた場合には、網体により不織布を恒久的に支持するこ
とができ、一方、網体にヤシ繊維等の繊維製の網体を用
いた場合には、充填材2が安定した後、網体を最終的に
周囲の充填材2と一体化させることができる。
【0028】また、不織布23bには、厚さ5〜100
mm、好ましくは、10〜30mm程度のヤシ繊維等の
天然繊維又は合成樹脂繊維からなる透水性を有する不織
布を適用することができる。
【0029】この場合、不織布23bは、ヤシ繊維等の
天然繊維からなる粗い目の不織布Aと、数〜30デニー
ル程度、好ましくは、3〜15デニールのポリプロピレ
ンやポリエステルの長繊維等の合成繊維からなる細かい
目の不織布Bとを積層したものを用いることができ、粗
い目の不織布Aと細かい目の不織布Bは、図6(a)に
示すように、粗い目の不織布A,A間に細かい目の不織
布Bを挟み込むようにしたり、図6(b)に示すよう
に、網体23aと粗い目の不織布Aの間に細かい目の不
織布Bを挟み込むようにすることができる。これによ
り、ヤシ繊維等の天然繊維からなる粗い目の不織布Aの
緩衝作用によって、ポリプロピレンやポリエステルの長
繊維等の合成繊維からなる細かい目の不織布Bが破れる
ことを防止することができるとともに、ポリプロピレン
やポリエステルの長繊維等の合成繊維からなる細かい目
の不織布Bによって、現地で工事の際に発生する細かい
目の土砂を含む材料をそのまま使用するようにしても、
充填材2が流失することを確実に防止することができ
る。
【0030】また、同様に、筒状体1の下面及び上面に
敷設した網体5,6に沿って、網体5,6の網目よりも
小さい大きさの網目を有する網体24a,25aと不織
布24b,25bを層状に配設するようにする。この場
合も、筒状体1の下面及び上面に敷設した網体5,6側
に網体24a,25aを配設するようにするとともに、
不織布24b,25bには、ヤシ繊維等の天然繊維から
なる粗い目の不織布と、数〜30デニール程度、好まし
くは、3〜15デニールのポリプロピレンやポリエステ
ルの長繊維等の合成繊維からなる細かい目の不織布とを
積層したものを用いることができる。なお、筒状体1の
上面に敷設した網体6に沿って配設する網体25aと不
織布25bは、本実施例においては、各筒状体1毎に切
断し、独立したものを使用することにより、筒状体1内
に収まるように配設したが、これに限定されず、各筒状
体1に共通の大きい形状のものを使用することにより、
筒状体1の上面に敷設するように配設することもでき
る。このように、筒状体1の下面及び上面に敷設した網
体5,6に沿って、網体24a,25aと不織布24
b,25bを層状に配設するによって、現地で工事の際
に発生する残土をそのまま使用するようにしても、不織
布24b,25bが破れること等による充填した粒状材
22等の充填材2の流失事故を防止することができ、材
料の輸送費を含む法面の構築コストを低廉にできる。
【0031】また、下部に配設する不織布24bは、吸
出防止を兼ねるため、例えば、10〜100mm程度の
厚みの透水性を有する不織布を用いることが望ましい。
【0032】また、上部に配設する不織布25bは、筒
状体1に植生する植物にとって、適度の保水を行うこと
ができるとともに、雨水等による充填材の流出や移動を
防止するためのもので、これにより、傾斜面等において
も、確実に緑化を図ることができるものとなる。この場
合、筒状体1に植生する植物は、筒状体1に充填材を充
填した後、法面緑化用の適当な植物を直接植え付けても
よいが、不織布25bを配設する前に、植物の種子を蒔
いたり、植物の種子を含有した不織布を配設することが
できる。特に、植物の種子を含有した不織布を用いるこ
とにより、簡易に緑化を図ることができるものとなる。
【0033】また、充填材2に現地で工事の際に発生す
る粘土分を多く含むヘドロ状の材料22aをそのまま使
用する場合には、図7に示すように、筒状体1の内部に
縦方向に柱状の透水部材26を、1本又は適当な間隔に
複数本配設することが望ましい。この場合、透水部材2
6には、ヤシ繊維等の天然繊維からなる不織布若しくは
合成樹脂繊維からなる不織布又はこれらを積層した不織
布を柱状に巻いたもの等、透水性を有する任意の材料を
使用することができ、これを、例えば、金属製の杭27
を用いて固定するようにする。これにより、充填材2に
現地で工事の際に発生する粘土分を多く含むヘドロ状の
材料22aをそのまま使用するようにしても、縦方向に
配設した柱状の透水部材26を介して排水が円滑に行わ
れ、充填材2の充填作業を短期間で行うことができると
ともに、施工後の水はけを良好に維持することができ
る。
【0034】なお、筒状体1の内部に充填する充填材2
としては、上記のもののほか、河川の水の浄化を併せて
行う場合には、木炭等の浄化材を他の充填材と層状又は
混合して充填することができる。
【0035】以上、本発明の法面構造を、河川の法面
(護床)に適用した例について説明したが、本発明の法
面構造の対象は、河川の法面に限定されず、湖、海岸、
山肌、谷間等の法面等、より具体的には、図8に示す堰
堤、図9に示す谷止、図10及び図11に示す土留、擁
壁等、この種の土木構造に広く適用することができ、こ
れらの場合においても、必要に応じて、植生8を施すこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の法面構造によれば、エキスパン
ドメタル、金網等の多数の透孔を有する金属製材料で以
て形成した金属製部材を法面に敷設し、隣接する金属製
部材の内部に砕石等の充填材を充填するようにした法面
構造において、金属製部材に沿って、金属製部材の透孔
よりも小さい大きさの網目を有する網体と、不織布とを
層状に配設するようにしているため、要求される強度を
容易に得ることができ、内部空間を大きく形成して充填
する充填材の量を増大し、これにより、良好な通水性を
保って、魚や昆虫等の水中生物が住み易い豊かな自然環
境を保全することができる。また、金属製材料で以て形
成した金属製部材は、コンクリート製ブロックと比較し
て重量が小さく、取り扱いが容易となり、また、隣接す
る金属製部材同士の連結作業も容易にできることと相俟
って、構築時の作業性が高く、かつ、金属製部材に沿っ
て層状に配設する網体と不織布とによって、充填材に現
地で工事の際に発生する残土をそのまま使用するように
しても、不織布が破れること等による充填材の流失事故
を防止することができ、材料の輸送費を含む法面の構築
コストを低廉にできる。また、不織布にヤシ繊維等から
なる粗い目の不織布とポリプロピレンやポリエステルの
長繊維等からなる細かい目の不織布を積層したものを用
いるようにしているため、ヤシ繊維等からなる粗い目の
不織布の緩衝作用によって、ポリプロピレンやポリエス
テルの長繊維等からなる細かい目の不織布が破れること
を防止することができるとともに、ポリプロピレンやポ
リエステルの長繊維等からなる細かい目の不織布によっ
て、現地で工事の際に発生する細かい目の土砂を含む材
料をそのまま使用するようにしても、充填材が流失する
ことを確実に防止することができる。さらに、金属製部
材に沿って配設した不織布には、砕石等の充填材と比較
して植物の生育条件がよく、容易に植生を施すことがで
き、雨水や流水等による充填材の流出を確実に防止する
ことができ、傾斜面等においても、簡易に緑化を図るこ
とができる。
【0037】また、網体には、ステンレススチール等の
金属製の網体やヤシ繊維等の繊維製の網体を適用するこ
とができ、網体にステンレススチール等の金属製の網体
を用いた場合には、網体により不織布を恒久的に支持す
ることができ、一方、網体にヤシ繊維等の繊維製の網体
を用いた場合には、充填材が安定した後、網体を最終的
に周囲の充填材と一体化させることができる。
【0038】また、網体と不織布を接着等により一体に
形成した積層体を適用することができ、これにより、網
体により不織布を確実に支持することができるととも
に、構築材料の取り扱いが容易となり、構築時の作業性
が高く、法面の構築コストを低廉にできる。
【0039】また、金属製部材の内部に縦方向に不織布
等からなる柱状の透水部材を配設することにより、充填
材に現地で工事の際に発生する粘土分を多く含むヘドロ
状の材料をそのまま使用するようにしても、縦方向に配
設した柱状の透水部材を介して排水が円滑に行われ、充
填材の充填作業を短期間で行うことができるとともに、
施工後の水はけを良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の法面構造を河川の法面に適用した一実
施例を示す外観斜視図である。
【図2】筒状体の一例を示し、(a)は平面図、(b)
は正面図である。
【図3】筒状体を示す説明図で、(a)は斜視図、
(b)は複数の筒状体を連結した状態を示す平面図であ
る。
【図4】締結具の一例を示す説明図である。
【図5】筒状体の内部構造を示す説明図である。
【図6】網体と不織布からなる積層体の一例を示す外観
斜視図である。
【図7】筒状体の内部構造を示す説明図で、(a)はそ
の断面図、(b)は透水部材の一例を示す説明図ある。
【図8】本発明の法面構造を堰堤に適用した実施例を示
し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明の法面構造を谷止に適用した実施例を示
し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の法面構造を土留、擁壁に適用した実
施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図11】本発明の法面構造を土留、擁壁に適用した実
施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 筒状体(金属製部材) 11 周壁 2 充填材 21 砕石 22 粒状材 23a,24a,25a 網体 23b,24b,25b 不織布 26 透水部材 3 法面 4 川底 5 網体 6 網体 7 締結具 8 植生 A 粗い目の不織布 B 細かい目の不織布

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エキスパンドメタル、金網等の多数の透
    孔を有する金属製材料で以て形成した金属製部材を法面
    に敷設し、隣接する金属製部材の内部に砕石等の充填材
    を充填するようにした法面構造において、前記金属製部
    材の内部に充填した充填材が流出しないように、金属製
    部材に沿って、該金属製部材の透孔よりも小さい大きさ
    の網目を有する網体と、不織布とを層状に配設するとと
    もに、前記不織布にヤシ繊維等からなる粗い目の不織布
    とポリプロピレンやポリエステルの長繊維等からなる細
    かい目の不織布を積層したものを用いるようにしたこと
    を特徴とする法面構造。
  2. 【請求項2】 前記網体が、ステンレススチール等の金
    属製の網体からなることを特徴とする請求項1記載の法
    面構造。
  3. 【請求項3】 前記網体が、ヤシ繊維等の繊維製の網体
    からなることを特徴とする請求項1記載の法面構造。
  4. 【請求項4】 網体と不織布を一体に形成した積層体を
    配設するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の法面構造。
  5. 【請求項5】 金属製部材の内部に縦方向に柱状の透水
    部材を配設するようにしたことを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の法面構造。
  6. 【請求項6】 前記柱状の透水部材が、不織布からなる
    ことを特徴とする請求項5記載の法面構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101126860B1 (ko) * 2009-10-29 2012-03-23 주식회사 중원지.엘.비 하니컴 형상을 갖는 토사방지용 조경생육구조
JP2021510783A (ja) * 2018-01-23 2021-04-30 グリーン スペース カンパニー, リミテッドGreen Space Co., Ltd. 不織布が含まれた植生用仕切り金網及びそれを用いた斜面緑化工法

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