JP2001003136A - 高強度高靱性圧延形鋼とその製造方法 - Google Patents

高強度高靱性圧延形鋼とその製造方法

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JP2001003136A JP11175919A JP17591999A JP2001003136A JP 2001003136 A JP2001003136 A JP 2001003136A JP 11175919 A JP11175919 A JP 11175919A JP 17591999 A JP17591999 A JP 17591999A JP 2001003136 A JP2001003136 A JP 2001003136A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建造物の構造部材に用いる高強度で靱性の優
れた590N/mm2 級圧延形鋼およびその高張力圧延
形鋼の製造方法を提供する。 【解決手段】 焼入性を上昇させる合金での高強度化と
Ms点上下での冷却制御による島状マルテンサイトの低
減により、引張強度590N/mm2 以上、降伏強度ま
たは0.2%耐力440N/mm2 以上、0℃でのシャ
ルピー衝撃吸収エネルギーが47J以上の機械的特性を
有する高強度で靱性に優れた圧延形鋼とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の構造用部
材として用いられる靱性の優れた高張力圧延形鋼および
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の高層化、安全基準の厳格化など
から、建築物の柱用に用いられる鋼材、例えば板厚の大
きなサイズのH形鋼(以下極厚H形鋼という。)には、
一層の高強度化、高靱性化、低降伏比化が求められてい
る。このような要求特性を満たすために、従来は圧延終
了後に焼準処理などの熱処理を施すことが行われた。し
かし、前述のような熱処理の付加はエネルギーコストの
増加や生産効率の低下など大幅なコスト上昇を招き経済
性に問題があった。この問題を解決するために、高性能
の材質特性が得られるような新しい合金設計に基づく鋼
材と、これを製造するための新しい製造方法の開発は必
要となってきている。
【0003】一般に、フランジを有する形鋼、例えばH
形鋼をユニバーサル圧延により製造すると、圧延造形上
からの圧延条件(圧延温度、圧下率など)の制限および
その形状の特異性からウエブ、フランジ、フィレットの
各部位で圧延仕上げ温度、圧下率、冷却速度に差を生じ
る。その結果、部位間に強度、延性、靱性のバラツキが
発生し、例えば溶接構造用圧延鋼材(JIS G310
6)等の基準に満たない部位が生じる。特に、極厚H形
鋼を連続鋳造鋳片を素材として圧延製造する場合には、
連続鋳造設備での製造可能な鋳片最大厚みに限界があ
り、造形に必要な十分な鋳片断面積が得られないため、
その圧延は低圧下比圧延となる。さらに、圧延造形によ
り製品の寸法精度を得るために高温圧延を指向するので
板厚の厚いフランジ部は高温圧延となり、圧延終了後の
鋼材冷却も徐冷となる。その結果、ミクロ組織は粗粒化
し、強度、靱性が低下する。
【0004】圧延プロセスでの組織微細化法として、T
MCP(Thermo-Mechanical-ControlProcess )がある
が、形鋼圧延では、圧延条件に制限があるので、鋼板で
のTMCPのような低温・大圧下圧延の適用は困難であ
る。また、厚鋼板分野ではVNの析出効果を利用し高強
度・高靱性鋼を製造する、例えば特公昭62−5054
8号公報、特公昭62−54862号公報に開示された
技術が提案されている。しかし、これらの方法を590
N/mm2 級の鋼材の製造に適用した場合には、高濃度
の固溶Nを含有することから、生成するベイナイト組織
内に高炭素島状マルテンサイト(以降M*と称する)を
生成し、靱性が著しく低下して規格値をクリアーするこ
とは困難であるという問題があった。また、特開平10
−147835号公報においては、低炭素化−低窒素化
とNb,V,Moの微量添加および、Ti酸化物および
TiNの微細分散による組織微細化に加え、加速冷却型
制御圧延による高強度圧延形鋼の製造法が提案されてい
るが、低C化とTMCPの採用による製造コストの上昇
や製造工程の複雑化を招いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した問題を解決す
るためには、圧延形鋼においてM*生成量の少ない低炭
素ベイナイトを生成させ組織を微細化する必要がある。
それには圧延加熱時のγ粒径を細粒化するために製鋼過
程において、鋳片中に予めTi−Oを微細晶出させ、こ
れを核にTiNを微細析出させ、加えて、低炭素化する
ために、微量で高強度が得られるマイクロアロイの微量
添加した鋳片を製造する必要がある。また、H形鋼のフ
ランジとウエブの結合部のフィレット部は連続鋳造鋳片
の中心偏析帯と一致し、この偏析帯内のMnSは圧延に
より著しく延伸する。ここでの高濃度の元素偏析帯と延
伸MnSは板厚方向の絞り値・靱性を著しく低下させ、
さらに溶接時にラメラティア割れを生じさせる場合もあ
り、この有害な作用を持つMnSの生成を阻止すること
も大きな課題である。このように、従来の技術では目的
の信頼性の高い高強度・高靱性の圧延形鋼をオンライン
で製造し安価に提供することは困難である。
【0006】本発明は、従来の焼準処理などの熱処理を
施すことなく、低コストで高張力圧延形鋼の製造を可能
とし、建造物の構造部材に用いる高強度で靱性の優れた
590N/mm2 級圧延形鋼およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、靱性劣化の主
要因であるM*の含有量の少ないベイナイト+フェライ
ト+パーライト組織が得られる鋳片を鋳造し、この鋳片
を用い形鋼形状に圧延し、圧延後の冷却速度、温度履歴
を制御することにより含有しているM*を低減すること
により、焼準処理などの熱処理を施すことなく、低コス
トで高張力圧延形鋼の製造を可能としたものであり、そ
の要旨は次の通りである。 (1)重量%で、C :0.01〜0.10%、Si:
0.05〜0.35%、Mn:1.0〜2.0%、C
u:0.3〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Nb:0.01〜0.10%、N :≦0.010
%、O :0.001〜0.007%Al:≦0.05
%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学
組成を有し、かつミクロ組織がベイナイト、フェライ
ト、パーライトおよび高炭素島状マルテンサイトからな
り、前記高炭素島状マルテンサイトの面積率が0.5%
以下であることを特徴とする引張強度:590N/mm
2 以上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm
2 以上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47
J以上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼。 (2)重量%で、C :0.01〜0.10%、Si:
0.05〜0.35%、Mn:1.0〜2.0%、C
u:0.3〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Nb:0.01〜0.10%、N :≦0.010
%、O :0.001〜0.007%、Al:≦0.0
5%にさらに、V:0.01〜0.1%、Cr:0.1
〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.05
〜0.40%、Mg:0.0001〜0.0050%、
Ca:0.0001〜0.003%、B:0.0001
〜0.003%のうち何れか1種または2種以上を含
み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を
有し、かつミクロ組織がベイナイト、フェライト、パー
ライトおよび高炭素島状マルテンサイトからなり、前記
高炭素島状マルテンサイトの面積率が0.5%以下であ
ることを特徴とする引張強度:590N/mm2 以上、
降伏強度または0.2%耐力:440N/mm2 以上、
0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以上の
機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼。 (3)重量%で、C :0.01〜0.10%、Si:
0.05〜0.35%、Mn:1.0〜2.0%、C
u:0.3〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Nb:0.01〜0.10%、N :≦0.010
%、O :0.001〜0.007%Al:≦0.05
%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学
組成を有する鋳片を1100〜1300℃の温度域に加
熱した後に圧延を開始し、圧延後、 1)鋼材平均温度を(1)式で表すMs点温度まで0.
1〜5℃/secの範囲内で加速冷却し、その後Ms点
温度から250℃まで0.001〜0.1℃/secの
範囲内の冷却速度で徐冷却を行い、その後放冷、徐冷却
または加速冷却を行うこと、 2)鋼材平均温度をMs点温度以下まで0.1〜5℃/
secの範囲内で加速冷却し、その後250〜500℃
で15分〜5時間の温度保持を行い、再度冷却するこ
と、をそれぞれ単独もしくは組合わせた方法により冷却
することを特徴とする、鋼材のミクロ組織がベイナイ
ト、フェライト、パーライトおよび高炭素島状マルテン
サイトからなり、前記高炭素島状マルテンサイトの面積
率が0.5%以下で、引張強度:590N/mm2
上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm 2
上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以
上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼の製造方
法。 Ms(℃)=539−423(%C)−30.4(%Mn)−17.7(%Ni )−12.1(%Cr)−7.5(%Mo)−54(%Cu) ・・・・・ (1) (4)重量%で、C :0.01〜0.10%、Si:
0.05〜0.35%、Mn:1.0〜2.0%、C
u:0.3〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Nb:0.01〜0.10%、N :≦0.010
%、O :0.001〜0.007%、Al:≦0.0
5%にさらに、V:0.01〜0.1%、Cr:0.1
〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.05
〜0.40%、Mg:0.0001〜0.0050%、
Ca:0.0001〜0.003%、B:0.0001
〜0.003%のうち何れか1種または2種以上を含
み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を
有する鋳片を1100〜1300℃の温度域に加熱した
後に圧延を開始し、圧延後、 1)鋼材平均温度を(1)式で表すMs点温度まで0.
1〜5℃/secの範囲内で加速冷却し、その後Ms点
温度から250℃まで0.001〜0.1℃/secの
範囲内の冷却速度で徐冷却を行い、その後放冷、徐冷却
または加速冷却を行うこと、 2)鋼材平均温度をMs点温度以下まで0.1〜5℃/
secの範囲内で加速冷却し、その後250〜500℃
で15分〜5時間の温度保持を行い、再度冷却するこ
と、をそれぞれ単独もしくは組合わせた方法により冷却
することを特徴とする、鋼材のミクロ組織がベイナイ
ト、フェライト、パーライトおよび高炭素島状マルテン
サイトからなり、前記高炭素島状マルテンサイトの面積
率が0.5%以下で、引張強度:590N/mm2
上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm 2
上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以
上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼の製造方
法。 (5)重量%で、C :0.01〜0.10%、Si:
0.05〜0.35%、Mn:1.0〜2.0%、C
u:0.3〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Nb:0.01〜0.10%、N :≦0.010
%、O :0.001〜0.007%Al:≦0.05
%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学
組成を有し、板厚が15〜100mmの範囲内で、かつ
板厚比が0.5〜2.0の範囲内の2種以上の鋼材
(板)を組み合わせた断面形状を有する熱間圧延された
圧延形鋼であることを特徴とする引張強度:590N/
mm2 以上、降伏強度または0.2%耐力:440N/
mm2 以上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:
47J以上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形
鋼。 (6)重量%で、C :0.01〜0.10%、Si:
0.05〜0.35%、Mn:1.0〜2.0%、C
u:0.3〜1.2%、Ti:0.005〜0.03
%、Nb:0.01〜0.10%、N :≦0.010
%、O :0.001〜0.007%、Al:≦0.0
5%にさらに、V:0.01〜0.1%、Cr:0.1
〜1.0%、Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.05
〜0.40%、Mg:0.0001〜0.0050%、
Ca:0.0001〜0.003%、B:0.0001
〜0.003%のうち何れか1種または2種以上を含
み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を
有し、板厚が15〜100mmの範囲内で、かつ板厚比
が0.5〜2.0の範囲内の2種以上の鋼材(板)を組
み合わせた断面形状を有する熱間圧延された圧延形鋼で
あることを特徴とする引張強度:590N/mm2
上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm2
上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以
上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。鋼の高強度化はフェライト結晶粒の微細化、
合金元素による固溶体強化、硬化相による分散強化、
微細析出物による析出強化等によって達成される。ま
た、高靱性化は、結晶粒の微細化、母相(フェライ
ト)の固溶N,Cの低減、破壊の発生起点となる硬化
相の高炭素マルテンサイト(M*)および粗大な酸化
物、析出物の低減と微小化等により達成できる。
【0009】一般的には、高強度化により靱性は低下
し、高強度化と高靱性化は相反する対策が必要である。
特に本発明が目的とする590N/mm2 級の強度を確
保するためには、硬化相であるベイナイト組織の活用が
必須となるが、そのベイナイト中には、破壊の発生起点
となる硬化相の高炭素マルテンサイト(M*)が多く含
有されている。
【0010】本発明者らは、種々の合金元素が靱性劣化
の主要因であるM*生成に及ぼす影響を詳細に調査し、
590N/mm2 級の強度を有し、かつ、M*生成量を
低減した成分系を見出した。また、圧延後の温度履歴を
制御することにより、生成したM*を分解させ、靱性を
飛躍的に向上させる方法を見出した。すなわち、圧延後
の冷却速度が大きい程、炭素の拡散が抑制されM*は微
細となること、また、マルテンサイト変態後かつ炭素拡
散温度域で温度保持することにより、生成したM*も分
解することを見出した。
【0011】本発明の特徴は、590N/mm2 級鋼で
靱性劣化の主要因であるM*の含有量が少ないベイナイ
ト+フェライト+パーライト組織が得られる鋳片を鋳造
し、この鋳片を用い形鋼形状に圧延し、圧延後の冷却速
度、温度履歴を制御することにより含有しているM*を
低減し、焼準処理などの熱処理を施すことなく、低コス
トで高張力圧延形鋼の製造を可能としたものである。
【0012】以下に本発明鋼の成分範囲と制御条件の限
定理由について述べる。まず、Cは鋼を強化するために
添加するもので、0.01%以下では構造用鋼としての
必要な強度がえられず、また、0.10%を超える添加
では、M*生成量が増大し母材靱性が劣化、また、耐溶
接割れ性、溶接熱影響部(以下HAZと略記)靱性など
を著しく低下させるので、下限を0.01%、上限を
0.10%とした。
【0013】次に、Siは母材の強度確保、溶鋼の予備
脱酸などに必要であるが、0.35%を超えると母材お
よびHAZの硬化組織中に高炭素島状マルテンサイトを
生成し、母材および溶接継手部靱性を著しく低下させ
る。また、0.05%未満では溶鋼の予備脱酸が十分に
できないためSi含有量を0.05〜0.35%の範囲
に限定した。
【0014】Mnは母材の強度確保には1.0%以上の
添加が必要であるが、母材および溶接部の靱性、割れ性
などに対する許容濃度から上限を2.0%とした。Cu
はα温度域での保持および緩冷却によりα相中の転位上
にCu相を析出し、その析出硬化により母材の常温強度
を増加させる。ただし、このα中でのCu相の析出は
0.3%未満ではα中でのCuの固溶限内であり、析出
が生じないためCu析出による強化は得られない。また
1.2%以上ではその析出強化は飽和するのでCu0.
3〜1.2%に限定した。
【0015】TiはTiNを析出し、固溶Nを低減する
ことによりM*の生成を制御する。また、微細析出した
TiNはγ相の微細化にも寄与する。これらのTiの作
用により組織を微細化し強度・靱性を向上させる。従っ
て、0.005%未満ではTiNの析出量が不足し、こ
れらの効果を発現し得ないためTi量の下限値を0.0
05%とした。しかし、0.03%を超えると過剰なT
iはTiCを析出し、その析出硬化により母材および溶
接熱影響部の靱性を劣化させるため0.03%以下に制
限した。
【0016】Nbは焼入性を上昇させ強度を増加させる
目的で添加している。この効果の発現には、Nb含有量
は0.01%以上が必要である。しかし0.10%超で
は、Nb炭窒化物の析出量が増加し固溶Nbとしての効
果が飽和するので0.10%以下に制限した。Nはα中
に固溶し、強度を上昇させるが、上部ベイナイト組織で
は、M*を生成し、靱性を劣化させるので、固溶Nはで
きるだけ低減する必要があり上限を0.010%とし
た。
【0017】O(酸素)はTi−Oの生成に不可欠であ
り、それには0.001%を超える含有が必要である
が、0.007%を超えて含有すると、生成するTi−
O粒子は粗大化し、靱性を低下させるため、O含有量を
0.001〜0.007%に限定した。Alは強力な脱
酸元素であり、鋼の清浄化のために添加するが、0.0
5%を超えるとM*生成量が増加し靱性を劣化させるの
で、上限を0.05%とした。なお、酸化物を組織微細
化に活用するためにはAlを0.007%以下にするこ
とが必須である。
【0018】不可避不純物として含有するP,Sについ
ては、それらの量を特に限定しないが凝固偏析による溶
接割れ、靱性低下の原因となるので、極力低減すべきで
ありP,S量はそれぞれ0.002%未満に制限するこ
とが望ましい。更に、本発明による形鋼の鋼種によって
は、以上の元素に加えて、母材強度の上昇、および母材
の靱性向上の目的で、Cr,Ni,Mo,V,B,Mg
およびCaのうちの少なくとも1種を含有することがで
きる。
【0019】Niは母材の強靱性を高める極めて有効な
元素である。この効果の発現にはNi含有量は0.1%
以上が必要である。しかし、2.0%を超える添加は合
金コストを増加させ経済的でないので上限を2.0%と
した。Vは微量添加により圧延組織を微細化でき、バナ
ジン炭窒化物の析出により強化することから低合金化で
き溶接特性を向上できる。この効果の発現には、V含有
量は0.01%以上が必要である。しかしながら、Vの
過剰な添加は溶接部の硬化や、母材の高降伏点化をもた
らすので、含有量の上限をV:0.10%とした。
【0020】Bは微量添加で焼入性を上昇させ強度増加
に寄与する。しかし、0.003%超のBを含有すると
上部ベイナイト組織中にM*を多量に生成し靱性を著し
く低下させることが判明したので、上限を0.003%
とした。Crは焼入性の向上により、母材の強化に有効
である。この効果の発現にはCr含有量は0.1%以上
が必要である。しかし1.0%を超える過剰の添加は、
靱性および硬化性の観点から有害となるため、上限を
1.0%とした。
【0021】Moは母材強度の確保に有効な元素であ
る。この効果の発現には、Mo含有量は0.05%以上
が必要である。しかし0.4%超では、Mo炭化物(M
2 C)を析出し固溶Moとしての焼入性向上効果が飽
和するので0.4%以下に制限した。Mg添加に使用す
るMg合金はSi−Mg−AlおよびNi−Mgであ
る。Mg合金を用いた理由は合金化によりMg含有濃度
を低減し、溶鋼への添加時の脱酸反応を抑制し、添加時
の安全性の確保とMgの歩留を向上させるためである。
Mgを0.0001〜0.005%に限定するのは、M
gも強力な脱酸元素であり、晶出したMg酸化物は溶鋼
中で容易に浮上分離されるため0.005%を超えて添
加しても、これ以上は歩留まらないため上限を0.00
5%とした。また、0.0001%未満では目的のMg
系酸化物の分散密度が不足するため下限を0.0001
%とした。なお、ここでのMg系酸化物は、主にMgO
と表記しているが、電子顕微鏡解析などによると、この
酸化物はTi、微量のAlおよび不純物として含まれて
いるCaなどとの複合酸化物を形成している。
【0022】Caを0.0001〜0.003%に限定
する理由は、Caが強力な脱酸元素であり、晶出するC
a酸化物は溶鋼中で容易に浮上しスラグとして分離され
るため、0.003%を超えて添加しても、これ以上は
歩留まらないため、上限を0.003%とした。また
0.0001%未満では目的のCa分散密度が不足する
ため下限を0.0001%とした。
【0023】本発明の圧延形鋼は、590N/mm
2 (60kgf/mm2 )級の引張強さと靱性とを同時に確保
するために、ミクロ組織がベイナイト、フェライト、パ
ーライトおよび高炭素島状マルテンサイトから成り、前
記高炭素島状マルテンサイトの面積率が0.5%以下で
あるミクロ組織を有することが必要である。ミクロ組織
中の高炭素島状マルテンサイトの面積率が0.5%以下
としたのは、高炭素島状マルテンサイト面積率が当該上
限値を超える場合、靱性が劣化するため当該上限値以下
の濃度範囲に限定した。
【0024】上記のミクロ組織は、本発明の方法によっ
て実現できる。すなわち、上記の化学組成を有する鋳片
を1100〜1300℃の温度域に再加熱する。この温
度域に再加熱温度を限定したのは、熱間加工による形鋼
の製造には塑性変形を容易にするため1100℃以上の
加熱が必要であり、且つV,Nbなどの元素を十分に固
溶させる必要があるため再加熱温度の下限を1100℃
とした。その上限は加熱炉の性能、経済性から1300
℃とした。
【0025】次に、上述のように加熱された鋼片を、圧
延し圧延後に、 鋼材平均温度をMs点温度まで0.1〜5℃/sの
範囲内で加速冷却し、その後Ms点温度から250℃ま
で0.001〜0.1℃/sの範囲内の冷却速度で徐冷
却を行い、その後放冷または徐冷却または加速冷却を行
うこと 鋼材平均温度をMs点温度以下まで0.1〜5℃/
sの範囲内で加速冷却し、その後250〜500℃で1
5分〜5時間の温度保持を行い、再度冷却すること、の
少なくとも単独もしくは複数の方法を組み合わせて製造
する。このような製造方法を実施する理由は、まず、
において、圧延後から鋼材平均温度をMs点温度まで
0.1〜5℃/sの範囲内で加熱冷却するのは、0.1
℃/s以下であると炭素の拡散量が多く、粗大なM*が
多量に生成し、靱性を低下させるからであり、5℃/s
以上の冷却速度を得るためには、強力な加速冷却装置を
必要とし、経済的に困難であるからである。
【0026】また、その後Ms点温度から250℃まで
0.001〜0.1℃/sの範囲内の冷却速度で徐冷却
する理由は、0.1℃/s以上の冷却速度では、徐冷却
によるM*分解効果が得られず、0.001℃/s以下
の冷却速度では、鋼材温度低下に長時間を要し、生産効
率を落とすからである。好ましくは、0.01〜0.1
℃/sである。
【0027】次に、において、圧延後から鋼材平均温
度をMs点温度以下までの0.1〜5℃/sの範囲内で
加速冷却するのは、0.1℃/s以下であると炭素の拡
散量が多く、粗大なM*が多量に生成し、靱性を低下さ
せるからであり、5℃/s以上の冷却速度を得るために
は、強力な加速冷却装置を必要とし、経済的に困難であ
るからである。
【0028】また、その後、250〜500℃で15分
〜5時間の温度保持を行う理由は、250℃以下の温度
域ではCの拡散速度が遅く、M*の分解の分解に長時間
を要すためであり、500℃以上の温度域まで上げるに
は、加熱コストが大きくなるためである。また、本発明
による形鋼は、板厚か15〜100mmの範囲内で、かつ
板厚比が0.5〜2.0の範囲内で2種以上の板を組み
合わせた断面形状を熱間圧延で製造することを規定して
いる理由は、柱用に用いられる鋼材には主として板厚の
大きなサイズのH形鋼が採用されることから、最大の板
厚みを100mmまでとした。100mmを超える板厚みを
持つ鋼材は、溶接時に多層盛り回数が極めて大きくなり
施工性が低下する。板厚の下限値を15mmとしたのは、
柱材として必要強度が確保できるのは板厚15mmからで
あり、それ未満では必要強度を満足させることができな
いためである。加えて板厚比を0.5〜2.0に限定し
たのは、以下の2つの理由による。H形鋼を熱間圧延で
製造する場合、フランジ/ウェブの板厚比が2.0を越
える場合、延伸比差によるウェブ座層現象や熱間圧延後
の冷却速度差に起因するウェブの塑性変形により、ウェ
ブが波打ち状の形状に変形するいわゆるウェブ波と呼ば
れる形状不良が発生するため板厚比の上限値を2.0と
した。一方、建築構造物のH柱−梁接合部の変形を抑制
させるためには、H柱のウエブの板厚が重要な要素であ
り、現状ではダブラープレートと称する鋼板で補強され
て使用されている実態と変形防止の観点からウエブの板
厚がフランジの板厚以上ある厚み比構成のH柱が求めら
れていること、板厚比が0.5未満の場合は前述したウ
エブ波のメカニズムと同様な現象でフランジの波打ちに
よる形状不良が発生するため、板厚比の下限値を0.5
とした。
【0029】なお、本発明でいう板厚比とは、フランジ
/ウエブの板厚比、もしくはウエブ/フランジの板厚比
のいずれでもよい。
【0030】
【実施例】試作鋼は転炉溶製し、合金を添加後、予備脱
酸処理を行い、溶鋼の酸素濃度を調整後、場合によりT
iおよびMgを順次添加し、連続鋳造により250〜3
00mmの厚鋳片に鋳造した。鋳片の冷却はモールド下方
の二次冷却帯の水量と鋳片の引き抜き速度の選択により
制御した。該鋳片を1300℃で加熱し、粗圧延工程の
図示は省略するが、図1に示す、ユニバーサル圧延機列
でH形鋼に圧延した。圧延パス間水冷は中間ユニバーサ
ル圧延機4の前後に水冷装置5aを設け、フランジ外側
面のスプレー冷却とリバース圧延の繰り返しにより必要
に応じ行い、圧延後の加速冷却は、仕上げユニバーサル
圧延機の後面に設置した冷却装置5bでフランジ外側面
を必要に応じスプレー冷却した。また、冷却床では、鋼
材を密着させる方法や鋼材のを鉄板で覆う等の方法によ
り、冷却速度をコントロールした。また、必要に応じ、
熱処理炉を用い、一定時間の温度保持を行った。
【0031】機械特性は図2に示す、フランジ2の板厚
t2の中心部(1/2t2)でフランジ幅全長(B)の
1/4,1/2幅(1/4B,1/2B)から、採集し
た試験片を用い求めた。なお、これらの箇所についての
特性を求めたのは、フランジ1/4F部はH形鋼の平均
的な機械特性を示し、フランジ1/2F部はその特性が
最も低下するので、これらの2箇所によりH形鋼の機械
試験特性を代表できると判断したためである。
【0032】表1に、本発明鋼および比較鋼の化学成分
値を示した。表2には、表1に示す本発明鋼および比較
鋼の製造方法、それらのH形鋼の機械試験特性値、M*
の面積率を示す。なお、圧延加熱温度を1300℃に揃
えたのは、一般的に加熱温度の低下によりγ粒は細粒化
し、機械試験特性を向上させることは周知であり、高温
加熱条件では機械特性の最低値を示すと推定され、この
値がそれ以下の加熱温度での機械試験特性を代表できる
と判断したためである。また、圧延後の冷却条件につい
ては以下の〜の条件で実施した。
【0033】 鋼材平均温度をMs点温度まで0.1
〜5℃/sの範囲内で加速冷却し、その後Ms点温度か
ら250℃まで0.001〜0.1℃/sの範囲内の冷
却速度で徐冷却を行い、その後放冷または徐冷却または
加速冷却を実施。 鋼材平均温度をMs点温度以下まで0.1〜5℃/
sの範囲内で加速冷却し、その後250〜500℃で1
5分〜5時間の温度保持を行い、再度冷却を実施。
【0034】 圧延後放冷。 また、図3にはミクロ組織を、図4にはM*分布を示
す。図4においては、白い部分がM*である。いずれの
図においても(a)は比較鋼No.8のものであり、
(b)は本発明鋼No.3のものである。表2に示した
ように、本発明により製造された圧延形鋼はいずれも引
張強度590N/mm2 以上、降伏強度または0.2%
耐力440N/mm2 以上、0℃でのシャルピー衝撃吸
収エネルギー47J以上の機械的性質を示した。
【0035】一方、比較鋼については全てM*面積率が
大きくなり、シャルピー衝撃吸収エネルギー47J以上
の規格をクリアできていない。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明による合金設計された鋳片と圧延
後の温度制御を適用した圧延形鋼は機械試験特性の最も
保証しにくいフランジ板厚1/2、幅1/2部において
も十分な強度および、優れた靱性を有し大型鋼構造物の
信頼性の向上、安全性の確保、経済性等の産業上の効果
は極めて顕著なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明法を実施する装置配置例の略図
である。
【図2】図2は、H形鋼の断面形状および機械試験片の
採取位置を示す図である。
【図3】本発明鋼および比較鋼のミクロ組織を示す図で
ある。
【図4】本発明鋼および比較鋼のM*分布を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…H形鋼 2…フランジ 3…ウェブ 4…中間圧延機 5a…中間圧延機前後面の水冷装置 5b…仕上げ圧延機後面冷却装置 6…仕上げ圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K032 AA00 AA01 AA02 AA04 AA08 AA11 AA14 AA15 AA16 AA19 AA21 AA22 AA23 AA24 AA26 AA31 AA35 AA36 BA00 CA02 CA03 CD01 CD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.35%、 Mn:1.0〜2.0%、 Cu:0.3〜1.2%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.01〜0.10%、 N :≦0.010%、 O :0.001〜0.007% Al:≦0.05% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組
    成を有し、かつミクロ組織がベイナイト、フェライト、
    パーライトおよび高炭素島状マルテンサイトからなり、
    前記高炭素島状マルテンサイトの面積率が0.5%以下
    であることを特徴とする引張強度:590N/mm2
    上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm2
    上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以
    上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.35%、 Mn:1.0〜2.0%、 Cu:0.3〜1.2%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.01〜0.10%、 N :≦0.010%、 O :0.001〜0.007%、 Al:≦0.05%にさらに、V:0.01〜0.1
    %、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0
    %、Mo:0.05〜0.40%、Mg:0.0001
    〜0.0050%、Ca:0.0001〜0.003
    %、B:0.0001〜0.003%のうち何れか1種
    または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物
    からなる化学組成を有し、かつミクロ組織がベイナイ
    ト、フェライト、パーライトおよび高炭素島状マルテン
    サイトからなり、前記高炭素島状マルテンサイトの面積
    率が0.5%以下であることを特徴とする引張強度:5
    90N/mm2 以上、降伏強度または0.2%耐力:4
    40N/mm2 以上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネ
    ルギー:47J以上の機械的特性を有する高強度高靱性
    圧延形鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.35%、 Mn:1.0〜2.0%、 Cu:0.3〜1.2%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.01〜0.10%、 N :≦0.010%、 O :0.001〜0.007% Al:≦0.05% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組
    成を有する鋳片を1100〜1300℃の温度域に加熱
    した後に圧延を開始し、圧延後、 1)鋼材平均温度を(1)式で表すMs点温度まで0.
    1〜5℃/secの範囲内で加速冷却し、その後Ms点
    温度から250℃まで0.001〜0.1℃/secの
    範囲内の冷却速度で徐冷却を行い、その後放冷、徐冷却
    または加速冷却を行うこと、 2)鋼材平均温度をMs点温度以下まで0.1〜5℃/
    secの範囲内で加速冷却し、その後250〜500℃
    で15分〜5時間の温度保持を行い、再度冷却するこ
    と、をそれぞれ単独もしくは組合わせた方法により冷却
    することを特徴とする、鋼材のミクロ組織がベイナイ
    ト、フェライト、パーライトおよび高炭素島状マルテン
    サイトからなり、前記高炭素島状マルテンサイトの面積
    率が0.5%以下で、引張強度:590N/mm2
    上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm 2
    上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以
    上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼の製造方
    法。 Ms(℃)=539−423(%C)−30.4(%Mn)−17.7(%Ni )−12.1(%Cr)−7.5(%Mo)−54(%Cu) ・・・・・ (1)
  4. 【請求項4】 重量%で、 C :0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.35%、 Mn:1.0〜2.0%、 Cu:0.3〜1.2%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.01〜0.10%、 N :≦0.010%、 O :0.001〜0.007%、 Al:≦0.05%にさらに、V:0.01〜0.1
    %、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0
    %、Mo:0.05〜0.40%、Mg:0.0001
    〜0.0050%、Ca:0.0001〜0.003
    %、B:0.0001〜0.003%のうち何れか1種
    または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物
    からなる化学組成を有する鋳片を1100〜1300℃
    の温度域に加熱した後に圧延を開始し、圧延後、 1)鋼材平均温度を(1)式で表すMs点温度まで0.
    1〜5℃/secの範囲内で加速冷却し、その後Ms点
    温度から250℃まで0.001〜0.1℃/secの
    範囲内の冷却速度で徐冷却を行い、その後放冷、徐冷却
    または加速冷却を行うこと、 2)鋼材平均温度をMs点温度以下まで0.1〜5℃/
    secの範囲内で加速冷却し、その後250〜500℃
    で15分〜5時間の温度保持を行い、再度冷却するこ
    と、をそれぞれ単独もしくは組合わせた方法により冷却
    することを特徴とする、鋼材のミクロ組織がベイナイ
    ト、フェライト、パーライトおよび高炭素島状マルテン
    サイトからなり、前記高炭素島状マルテンサイトの面積
    率が0.5%以下で、引張強度:590N/mm2
    上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm 2
    上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J以
    上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 重量%で、 C :0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.35%、 Mn:1.0〜2.0%、 Cu:0.3〜1.2%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.01〜0.10%、 N :≦0.010%、 O :0.001〜0.007% Al:≦0.05% を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組
    成を有し、板厚が15〜100mmの範囲内で、かつ板
    厚比が0.5〜2.0の範囲内の2種以上の鋼材(板)
    を組み合わせた断面形状を有する熱間圧延された圧延形
    鋼であることを特徴とする引張強度:590N/mm2
    以上、降伏強度または0.2%耐力:440N/mm2
    以上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネルギー:47J
    以上の機械的特性を有する高強度高靱性圧延形鋼。
  6. 【請求項6】 重量%で、 C :0.01〜0.10%、 Si:0.05〜0.35%、 Mn:1.0〜2.0%、 Cu:0.3〜1.2%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.01〜0.10%、 N :≦0.010%、 O :0.001〜0.007%、 Al:≦0.05%にさらに、V:0.01〜0.1
    %、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜2.0
    %、Mo:0.05〜0.40%、Mg:0.0001
    〜0.0050%、Ca:0.0001〜0.003
    %、B:0.0001〜0.003%のうち何れか1種
    または2種以上を含み、残部Feおよび不可避的不純物
    からなる化学組成を有し、板厚が15〜100mmの範
    囲内で、かつ板厚比が0.5〜2.0の範囲内の2種以
    上の鋼材(板)を組み合わせた断面形状を有する熱間圧
    延された圧延形鋼であることを特徴とする引張強度:5
    90N/mm2 以上、降伏強度または0.2%耐力:4
    40N/mm2 以上、0℃でのシャルピー衝撃吸収エネ
    ルギー:47J以上の機械的特性を有する高強度高靱性
    圧延形鋼。
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